説明

フローセンサアダプタ

【課題】水滴が圧力取出口を塞ぐことを考慮した構成であり、連続測定可能なフローセンサアダプタを提供する。
【解決手段】気流を流すための管体11と、前記管体11内に形成された流体抵抗部12と、前記流体抵抗部12に形成され、前記管体11内における2位置における圧力を取り出すための少なくとも2ペアの圧力取出口(13A、13B)とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体抵抗部の両端に発生する差圧に基づき呼吸流量を検出する際などに用いることができるフローセンサアダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のように流体抵抗部の両端に発生する差圧に基づき呼吸流量を検出することは、例えば、図19には管内に設けられた流体抵抗の前後に生じる差圧により呼吸ガスの流速を呼吸ガスの組成・流速センサにおいて流体抵抗がCO2濃度を測定するために窓を通り気流と直行する平面に対して対称形状でかつ対称位置にあることを特徴とする呼吸ガスの組成・流速センサが特許文献1に記載されている。このタイプの呼吸流量検出においては、加湿器により加湿された吸気ガスや水蒸気の含まれる呼気ガスが計測対象のガスであり、この計測対象ガスの水蒸気が差圧取出ポートなどにおいて結露し、水滴が差圧取出の経路を塞ぐ可能性が問題となる。
【0003】
上記の問題を解決するものとして、差圧取出口を閉塞する水滴を吹き出すパージ機能を備える測定システムが案出されており、これによれば、差圧取出口が水滴により塞がれて測定に誤差が発生する事態を防止することができる(特許文献2参照)。しかしながら、この測定システムのパージ機能を実現するためには、装置内部にポンプやリザーバなどの構成部品を備える必要があり、構成が大型化すると共にコストが高くなる問題がある。
【0004】
上記に対し、管内に水溜部を設け、管内に溜った水を水溜部から取り出すようにするフローデバイスが提案されている(特許文献3参照)。このフローデバイスは、フローセル内の対策に留まっており、水滴が差圧取出口を塞ぐ可能性については考慮されていない。
【0005】
また、従来の装置における差圧取出チューブなどは、オリフィスを形成する管に対してラジアル方向に取り付けられている。このため、チューブが折れることがあり、測定が適正に行われない可能性があった。
【特許文献1】実公昭63−40967号公報
【特許文献2】米国特許第6659962号明細書
【特許文献3】米国特許第4932269号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来のフローセンサアダプタにおける問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、水滴が圧力取出口を塞ぐことを考慮した構成であり、連続測定可能なフローセンサアダプタを提供することである。更に、差圧取出チューブなどが折れ難いため、連続測定可能なフローセンサアダプタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフローセンサアダプタは、気流を流すための管体と、前記管体内に形成された流体抵抗部と、前記流体抵抗部に形成され、前記管体内における2位置における圧力を取り出すための少なくとも2ペアの圧力取出口とを具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るフローセンサアダプタは、前記流体抵抗部は、前記管体の側壁に沿って少なくとも二ケ所に形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、前記流体抵抗部は、前記管体内のガス濃度を測定するための測定窓を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、前記管体には、管体内のガスを取り出すためのガス取出部を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、前記流体抵抗部は、前記管体の中央部に設けられ、前記管体の軸方向に長尺に形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、前記流体抵抗部は、略楕円盤の形状であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るフローセンサアダプタは、前記圧力取出口と連通する連通穴と、外部のチューブと結合するジョイント部と前記連通穴との間に設けられ、前記連通穴を介して到来する気流に含まれる水蒸気による水を貯める貯水部とを具備していることを特徴とする。
【0014】
本発明に係るフローセンサアダプタは、前記圧力取出口に連通する連通穴の端部を一か所に集積してジョイント管を前記管体に平行に形成したコネクタ部を具備することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るフローセンサアダプタは、前記ガス取出部に連通する連通穴の端部及び前記圧力取出口に連通する連通穴の端部を一か所に集積してジョイント管を前記管体に平行に形成したコネクタ部を具備することを特徴とする。
【0016】
本発明に係るフローセンサアダプタは、前記管体の外部から内部へ向かって筒状に形成され、前記管体内のガスを取り出すためのガス取出部と、このガス取出部における前記管体内に突出した先端部から前記管体内壁に沿って長尺に延びると共に、その両端部が前記ガス取出部における前記管体内に突出した先端部と同一形状を有する突条とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るフローセンサアダプタは、気流を流すための管体内に流体抵抗部が形成され、この流体抵抗部に、管体内における2位置における圧力を取り出すための圧力取出口が少なくとも2ペア形成されているので、一つのペアにおいて圧力取出口が水滴により塞がれた場合にも、残りの圧力取出口のペアにおいて測定が可能となる効果を奏する。
【0018】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、流体抵抗部は、上記管体の側壁に沿って二ケ所に形成されているので、各流体抵抗部にそれぞれ1ペアの圧力取出口を設けることが可能であり、各ペアの圧力取出口が水滴により塞がれる確率を低減することができる。
【0019】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、流体抵抗部は、流体抵抗部自体に管体内のガス濃度を測定するための測定窓を備えているので、流体抵抗部自体が透明窓部を通過する光線を妨げることがない。
【0020】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、前記管体に、管体内のガスを取り出すためのガス取出部を備えるので、管体内からガスを取り出して測定機器へ導き、濃度などの分析に供することができる。
【0021】
本発明に係るフローセンサアダプタでは、流体抵抗部は、管体の中央部に設けられ、管体の軸方向に長尺に形成されているので、流体抵抗部に圧力取出口を取り付けて呼吸流量を検出可能である。
【0022】
本発明に係るフローセンサアダプタは、流体抵抗部は、略楕円盤の形状であるため、管体前後から見た流体抵抗部の形状が対称であり、圧力取出口を適宜対象に形成し、適正な測定を行うことが可能である。
【0023】
本発明に係るフローセンサアダプタは、前記圧力取出口と連通する連通穴と、外部のチューブと結合するジョイント部と、前記ジョイント部と前記連通穴との間に設けられ、前記連通穴を介して到来する気流に含まれる水蒸気による水を貯める貯水部とを具備しているので、呼気などに含まれる水蒸気が水滴となった場合に、ジョイント部と連通穴との間の貯水部に貯めることができ、流路が水滴により塞がれ難くする効果がある。
【0024】
本発明に係るフローセンサアダプタは、前記圧力取出口に連通する連通穴の端部を一か所に集積してジョイント管を前記管体に平行に形成したコネクタ部を具備するので、ジョイント管に接続するチューブの引き回しを綺麗に行うことができ、チューブが折れるなどの不具合が起こり難くなる効果がある。
【0025】
本発明に係るフローセンサアダプタは、管体内のガスを取り出すためのガス取出部と、このガス取出部に連通する連通穴の端部及び上記圧力取出口に連通する連通穴の端部を一か所に集積してジョイント管を前記管体に平行に形成したコネクタ部を備えるので、チューブとの接続を一か所にて行うことができ、また、チューブの引き出しを管体に平行とすることができ、チューブ折れを減少させる効果がある。
【0026】
本発明に係るフローセンサアダプタは、ガスを取り出すためのガス取出部における管体内に突出した先端部から管体内壁に沿って長尺に延びる突条の両端部が、前記ガス取出部における管体内に突出した先端部と同一形状を有するので、ガス取出部における管体内に突出した先端部により管体内の流体の流れが不均衡になることを防止でき、適正な測定を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明に係るフローセンサアダプタの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1に、本発明に係るフローセンサアダプタの第1の実施例の斜視図を示し、図2に平面図を示し、図3と図4に側面図を示す。また、図5(a)は図3のA−A断面図、図5(b)は図3のA1−A1断面図、図6は図3のB−B断面図、図7は図3のC−C断面図を示す。実施例に係るフローセンサアダプタは、管体11を有する。管体11は、他より長い中央部11Cの一端に最も大径の大径部11Aと、中央部11Cの他端に最も小径の小径部11Bを備える。大径部11Aは、被験者の口に近い側とされ、呼気が流れ込む部分である。
【0028】
中央部11Cの内壁における両側面には同一形状であり、略楕円盤状の固定式流体抵抗部12、12が形成されている。各流体抵抗部12、12の大径部11Aに近い端部には、圧力取出口13A、13Aが形成されると共に、各流体抵抗部12、12の小径部11Bに近い端部には、圧力取出口13B、13Bが形成されている。圧力取出口13A、13Aは、横方向へ延びると共に、次に90度上方へ曲がり、管体11の上面へ連通する連通穴14A、14Aに繋がっている。圧力取出口13Bは、横方向へ延びると共に、次に90度上方へ曲がり、管体11の上面へ連通する連通穴14B、14Bに繋がっている。
【0029】
圧力取出口13A、13Bは、1ペアであって、一つの流体抵抗部12に1ペア設けられ、合計2ペア設けられている。各流体抵抗部12、12に形成された連通穴14A、14Aの端部は、管体11の上面において略筒状の出口部15A、15Aに囲繞されている。同様に、各流体抵抗部12、12に形成された連通穴14B、14Bの端部は、管体11の上面において略筒状の出口部15B、15Bに囲繞されている。
【0030】
出口部15A、15Aは、出口部15A、15A自身よりも背高で筒状の貯水部16の壁16aにより囲繞されており、また、出口部15B、15Bは、出口部15B、15B自身よりも背高で筒状の貯水部17の壁17aにより囲繞されている。また、出口部15A(15B)は貯水部16(17)の底面よりも高い位置にある。そこで、管体11内から圧力取出口13A(13B)及び連通穴14A(14B)を介して出口部15A(15B)へ到来した呼気の水蒸気は、結露し水滴となって貯水部16(17)の底面に溜る。出口部15A(15B)が高い位置にあるため、多くの水滴が貯水部16(17)に貯まらない限りは出口部15A(15B)まで水位が高くなることはなく、貯水部16(17)に貯まった水が連通穴14A(14B)へ入り込み難く構成されている。
【0031】
貯水部16、17の上側には、楕円盤状のコネクタ部21が載置結合される。コネクタ部21には、貯水部16、17に載置された状態において、管体11に平行に形成されたジョイント管22、23が設けられている。
【0032】
ジョイント管22の穴は、コネクタ部21の内部を通り、壁16aの内径にほぼ一致する外形を有する嵌合筒部24により形成される空間24aへ抜けている。ジョイント管23の穴はコネクタ部21の内部を通り、壁17aの内径にほぼ一致する外形を有する嵌合筒部25により形成される空間25aへ抜けている。従って、出口部15A、15Aに到来する呼気は貯水部16及び空間24aからコネクタ部21内の穴を介してジョイント管22の穴へ到る。また、出口部15B、15Bに到来する呼気は貯水部17及び空間25aからコネクタ部21内の穴を介してジョイント管23の穴へ到る。このようにコネクタ部21は、2ペアの圧力取出口(13A、13B)、(13A、13B)に連通する連通穴の端部を一か所に集積して、ジョイント管22及びジョイント管23と結合している。
【0033】
貯水部16の壁16aと、大径部11Aと中央部11Cの結合部分には、管体11内のガスを取り出すためのガス取出部31が備えられている。ガス取出部31は、管体11の上面に立設する筒部32を有し、筒部32には管体11内へ連通する穴33が形成されている。
【0034】
筒部32の下端部32dは、管体11内部へ突出している。管体11内の流路の対称性を保つために、筒部32の下端部32dから小径部11Bにおける内壁の天井部に到る部分には、突条34が形成されている。突条34における小径部11B側端部34aの周囲は、筒部32の下端部32dに合わせて半円形の形状を有している。通常は図8で示すようにガス取出部33が上向きになるようしようされている。しかし、術中などにおいてフローセンサアダプタが動きガス取出部33が下向きになり管体11内で結露した水滴が管体内を流れても、突条34が管体内よりも1段高くなっているため、圧取出部に水滴が入りにくい構造となっている。また図5(b)で示すように突条34の端部32dと34aは尖塔状となっている例を示す。このように端部は水滴がスムーズに流れるように工夫がされている。
【0035】
管体11の上面に立設する筒部32の頭部は、平面形状が円形であり、二ケ所において外側へ突出したストッパ35、35を有している。筒部32に結合されるチューブに接続されているコネクタは、その端部開口部の形状が筒部32の頭部の形状に一致し、開口部よりチューブ側の内部は円筒状である。このため、チューブに接続されているコネクタの開口部を筒部32の頭部に位置付け、ストッパ35、35に開口部を一致させて筒部32の頭部をコネクタ内に挿入し、コネクタを回転させることにより、ストッパ35、35がコネクタにおける開口部からの抜けを防止する
【0036】
以上の通り構成されたフローセンサアダプタ10は、例えば、図8に示されるようにして使用される。小径部11Bには、例えば人工呼吸器に到るチューブ3が接続される。大径部11Aには、気管内チューブ2が接続され、被験者1の口から気管へ挿入される。ジョイント管22にはチューブ4が接続され、ジョイント管23にはチューブ5が接続される。チューブ4、5は、差圧計を有する呼吸モニタ装置6に接続されている。ガス取出部31にはチューブ7が接続され、チューブ7は炭酸ガスなどのガス濃度計を備えるサイドストリーム式のガスモニタ装置8に接続されている。
【0037】
被験者1による呼吸に応じて、フローセンサアダプタ10内を流れる流体による圧力がチューブ4、5を介して呼吸モニタ装置6の差圧計に到り、差圧計ではチューブ4、5を介して現れる圧力の差から流速を得て、流速に基づきガス流量を算出し、ガス流量が呼吸モニタ装置6にて表示される。一方、チューブ7から得られる気体からガス濃度計により炭酸ガスなどの濃度が検出され、得られたガス濃度がガスモニタ装置8に表示される。
【0038】
上記の測定の際に、結露した水滴は貯水部16、17に溜るので、連通穴14A、14B等が塞がれる可能性を低下させている。また、1ペアの圧力取出口13A、13Bが塞がれたとしても、残りの1ペアの圧力取出口13A、13Bが塞がれる可能性が低く、継続的な安定的な測定が可能となる。
【0039】
しかも、2ペアの圧力取出口(13A、13B)、(13A、13B)が塞がれていないときをREFとし、図6の右側に示すペアの圧力取出口(13A、13B)のみが塞がれた場合を右穴詰めとして四角点で表し、図6の左側に示すペアの圧力取出口(13A、13B)のみが塞がれた場合を左詰めとして三角点で表し、流量と差圧特性を描くと、図9のようにいずれも殆ど変化がなく、適正な測定を継続できることが分かった。なお、本実施例では、圧力取出口13A、13Bのペアを一つの流体抵抗部12に1ペア設けたが、それぞれ2ペア以上設けるようにしても良い。
【0040】
図10に、第2の実施例に係るフローセンサアダプタの構成を示す。このフローセンサアダプタ10Aは、各流体抵抗部12、12の中央部12C、12Cに、透明窓部41、41が設けられている。即ち、管体11における側面であって、貯水部16の壁16aと貯水部17の壁17aの間は、幅狭部42、42とされており、ここに、管体11内の炭酸ガスや麻酔ガスなどのガス濃度を測定するための透明窓部41、41が設けられている。
【0041】
貯水部16の壁16aと貯水部17の壁17aの間は、ガス測定センサ50の橋部51を位置付ける背部43となっており、ガス測定センサ50の橋部51を背部43に嵌合したときに、受光素子52の受光面52aと発光素子53の発光面53aが透明窓部41、41を介して対向する状態とされている。フローセンサアダプタ10Aに対しガス測定センサ50が結合された状態において、コネクタ部21の嵌合筒部24、25が貯水部16の壁16aと貯水部17の壁17aの上方から嵌合され、ジョイント管22、23から差圧を取出し可能である。この第2の実施例に係るフローセンサアダプタ10Aにおいては、第1の実施例に係るフローセンサアダプタ10に備えられていたガス取出部31は備えられていない。
【0042】
以上の通り構成されたフローセンサアダプタ10Aは、例えば、図11に示されるようにして使用される。基本的には、図8の測定システムと同様であるが、受光素子52と発光素子53とリード線55(56)を介してガスモニタ装置8が接続される。リード線56を介して発光素子53へ発光指示信号が送られ、受光素子52から受光信号がリード線55を介してガスモニタ装置8へ送られる。ガス流量が呼吸モニタ装置6にて表示され、ガスモニタ装置8にはガス濃度が表示される。この構成によれば、チューブによりガスを取り出すことなく、ガス濃度の測定が可能となる。
【0043】
図12〜図16に第3の実施例に係るフローセンサアダプタの構成を示す。図12に平面図を示し、図13と図14に側面図を示す。また、図15は図13のD−D断面図、図16は図13のE−E断面図を示す。この実施例では、偏平な流体抵抗部61が管体11内の中央部に形成されている。流体抵抗部61の先端部及び後端部はテーパ状に尖って形成され、流体抵抗部61の先端部には圧力取出口62a、62b、62cが縦に並ぶように形成され、流体抵抗部61の後端部にも圧力取出口63a、63b、63cが縦に並ぶように形成されている。
【0044】
圧力取出口62a、62b、62cは横方向へ延びると共に、次に90度上方へ曲がり、管体11の上面へ連通する連通穴64に繋がっている。圧力取出口63a、63b、63cは横方向へ延びると共に、次に90度上方へ曲がり、管体11の上面へ連通する連通穴65に繋がっている。その他の構成は、第1の実施例と同様である。コネクタ部21が載置結合された状態は、図1のようになる。このため、結露した水滴は貯水部16(17)に溜る。また、貯水部16(17)の底面が出口部15A(15B)より低く、水滴が出口部15A(15B)から連通穴64、(65)へ入り込み難く構成されている。
【0045】
しかも、3ペアの圧力取出口(62a、62b、62c)、(63a、63b、63c)が縦に並んでいるので、連通穴64、65に水が入ったとしても、図15の状態で使用されるときには最も下に位置する圧力取出口62c、63cから排出され、連通穴64、65を塞ぐことがなく、適正な測定を継続可能である。
【0046】
図17、図18に第4の実施例に係るフローセンサアダプタの構成を示す。このフローセンサアダプタの構成は、第1の実施例に係るフローセンサアダプタの構成と基本的に同一である。但し、ガス取出部31が、貯水部16を構成する壁16aと貯水部17を構成する壁17aに挟まれた位置に形成されている。
【0047】
コネクタ部71は、ジョイント管72、73、74を備える。壁16aと壁17aは、細い楕円形筒状であり、コネクタ部71に形成されている外筒部75A、75C内に挿入され、筒部32aは外筒部75Bに挿入される。壁16a内には、出口部15A、15Aが設けられている。壁17aは、出口部15B、15Bに対応する二つの穴76(76)を備える。
【0048】
上記二つの穴76(76)は、コネクタ部71の空室78Cに繋がり、空室78Cはジョイント管73に繋がっている。貯水部16はコネクタ部71の空室78Aに繋がり、空室78Aはジョイント管73に繋がっている。筒部32aはコネクタ部71の空室78Bに繋がり、空室78Bはジョイント管74に繋がっている。また、流体抵抗部12は、透明窓部41を備えている。
【0049】
この構成によっても、2ペアの圧力取出口(13A、13B)、(13A、13B)を有する効果を奏すると共に、チューブに接続される3つのジョイント管72、73、74が管体11に平行に形成され、折れることが少なくなり、安定した測定が可能である。
【0050】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、その他本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のフローセンサアダプタの第1の実施例を示す斜視図。
【図2】本発明のフローセンサアダプタの第1の実施例に係る平面図及び一部構成の底面図。
【図3】本発明のフローセンサアダプタの第1の実施例に係る側面図。
【図4】本発明のフローセンサアダプタの第1の実施例に係る側面図。
【図5a】図3のA−A断面図。
【図5b】図3のA1−A1断面図。
【図6】図3のB−B断面図。
【図7】図3のC−C断面図。
【図8】本発明のフローセンサアダプタの第1の実施例の使用状態を示すブロック図。
【図9】本発明のフローセンサアダプタの第1の実施例による効果を示すための流量−差圧特性を示す図。
【図10】本発明のフローセンサアダプタの第2の実施例を示す組立斜視図。
【図11】本発明のフローセンサアダプタの第2の実施例の使用状態を示すブロック図。
【図12】本発明のフローセンサアダプタの第3の実施例に係る平面図。
【図13】本発明のフローセンサアダプタの第3の実施例に係る側面図。
【図14】本発明のフローセンサアダプタの第3の実施例に係る側面図。
【図15】図13のD−D断面図。
【図16】図13のE−E断面図。
【図17】本発明のフローセンサアダプタの第4の実施例を示す一部破断斜視図。
【図18】図17のF−F断面図。
【図19】従来の呼吸ガスの組成・流速センサの一例を示す図。
【符号の説明】
【0052】
6 呼吸モニタ装置
8 ガスモニタ装置
10、10A フローセンサアダプタ
11 管体
11A 大径部
11B 小径部
11C 中央部
12 流体抵抗部
13A、13B 圧力取出口
14A、14B 連通穴
15A、15B 出口部
16、17 貯水部
21 コネクタ部
22、23 ジョイント管
31 ガス取出部
32、32a 筒部
41 透明窓部
50 ガス測定センサ
52 受光素子
53 発光素子
61 流体抵抗部
62a〜62c、63a〜63c 圧力取出口
64、65 連通穴
71 コネクタ部
72、73、74 ジョイント管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流を流すための管体と、
前記管体内に形成された流体抵抗部と、
前記流体抵抗部に形成され、前記管体内における2位置における圧力を取り出すための少なくとも2ペアの圧力取出口と
を具備したことを特徴とするフローセンサアダプタ。
【請求項2】
前記流体抵抗部は、前記管体の側壁に沿って少なくとも二ケ所に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項3】
前記流体抵抗部は、前記管体内のガス濃度を測定するための測定窓を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項4】
前記管体には、管体内のガスを取り出すためのガス取出部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項5】
前記流体抵抗部は、前記管体の中央部に設けられ、前記管体の軸方向に長尺に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項6】
前記流体抵抗部は、略楕円盤の形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項7】
前記圧力取出口と連通する連通穴と、
外部のチューブと結合するジョイント部と前記連通穴との間に設けられ、前記連通穴を介して到来する気流に含まれる水蒸気による水を貯める貯水部と
を具備していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項8】
前記圧力取出口に連通する連通穴の端部を一か所に集積してジョイント管を前記管体に平行に形成したコネクタ部を
具備することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項9】
前記ガス取出部に連通する連通穴の端部及び前記圧力取出口に連通する連通穴の端部を一か所に集積してジョイント管を前記管体に平行に形成したコネクタ部を
具備することを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載のフローセンサアダプタ。
【請求項10】
前記管体の外部から内部へ向かって筒状に形成され、前記管体内のガスを取り出すためのガス取出部と、
このガス取出部における前記管体内に突出した先端部から前記管体内壁に沿って長尺に延びると共に、その両端部が前記ガス取出部における前記管体内に突出した先端部と同一形状を有する突条と
を具備することを特徴とする請求項1、2、4乃至9のいずれか1項に記載のフローセンサアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−75096(P2009−75096A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218109(P2008−218109)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】