説明

フローラルおよび/またはアニスタイプの芳香成分

本発明は、Rが水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表し; 各R1、R2またはR3はそれぞれ水素原子またはメチルまたはエチル基を表し; 且つ、XはCHO、COOR4、またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基であり; 且つ、少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す、式の化合物; およびそれを芳香成分として例えばフローラルおよび/またはアニスタイプの香気のノートを付与するために用いる使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、香料業の分野に関する。より特定には、それは式
【化1】

[式中、
XはCHO、COOR4またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基であり、且つ、少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す]
の化合物を芳香成分として用いる使用に関連する。
【0002】
本発明は、前記の化合物の香料業における使用、並びに前記の化合物および前記の化合物のいくつかを含有する組成物または物品にも関連する。
【0003】
先行技術
我々の知る限り、本発明の化合物のいずれも芳香成分としては記載されていない。
【0004】
先行技術において芳香成分として公知の最も近い類似物は、3−メチル−5−フェニルペンタナールおよび3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノールである(下記参照)。しかしながら、前記の化合物は鎖内に炭素−炭素二重結合を有さず、且つ、実質的に異なる置換のパターンを有し、香気が全く異なる事実には言及していない。
【0005】
式(I)のものと近い構造を有する化合物5−フェニル−2−ペンタナール(US3862340号)を挙げることもできる。しかしながら、この化合物はフレーバー成分としてのみ報告されており、即ち、全く異なる使用である。
【0006】
特許請求される化合物の中で、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテンニトリル(CC.Wang et al,J.A.C.S.,2002,124,9696内参照)、2,4−ジメチル−5−フェニル−4−ペンテナール (CC.Wang et al,J.A.C.S.,2007,129,12032内参照)、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテン−1−オール (AJ.Chalk,et al,J.O.C. 1976,41,1206内参照)、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナール (P.H.Dixneuf et al,J.CS.Chem.Commun. 1994,2551−2内参照)、4−(フェニルメチレン)−1−ヘキサノール (O.Fujimura et al,J.A.C.S.1995,117,2355内参照)、エチル 4−メチル−5−フェニル−4−ペンテノエート (WO99/61414号参照) のみが公知であり、且つ、全て単純な化学的化合物として報告されている。それらの先行技術文献のいずれも、化合物(I)のいかなる官能特性、または前記化合物の香料業の分野におけるいかなる使用も、報告または示唆していない。
【0007】
発明の説明
我々は今回、驚くべきことに式
【化2】

[式中、
Rはフェニルのオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表す;
1は水素原子、またはC1〜C3−アルキル基を表す;
2は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す;
3は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す; 且つ、
XはCHO、COOR4またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基である; 且つ、
少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す]
化合物であって、且つ、EまたはZ異性体の形態、またはそれらの混合物の形態である化合物を、芳香成分として、例えばフローラルおよび/またはアニスのタイプの香気のノートを付与するために使用できることを発見した。
【0008】
本発明の特定の実施態様によれば、前記の本発明の化合物は、前記R、R1またはR2の少なくとも2つが少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表すものである。
【0009】
本発明の特定の実施態様によれば、前記化合物(I)は、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
1はメチルまたはエチル基を表し;
2は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
3は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し; 且つ、
XはCHO、COOR4またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基であるものである。
【0010】
本発明の他の特定の実施態様によれば、前記化合物(I)は、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
1はメチルまたはエチル基を表し;
2は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
3は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し; 且つ、
XはCHO、COOR4またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基であり; 且つ、
前記R、R2またはR3の少なくとも1つはメチルまたはエチル基を表し、特に、RまたはR3はメチルまたはエチル基を表すものである。
【0011】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)はXがCHO基を表すものである。
【0012】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)は各R、R2またはR3が水素原子またはメチル基を表し、および/またはR1がメチル基を表すものである。
【0013】

【化3】

[式中、
1'は水素原子またはメチル基を表し、YはCH2OH基または基Xを表し、且つ、X、R、R2およびR3は上記の実施態様の任意の1つと同一の意味を有する]
の化合物であって、;EまたはZ異性体の形態、またはそれらの混合物の形態である化合物も、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテンニトリル、2,4−ジメチル−5−フェニル−4−ペンテナール、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテン−1−オール、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナール、エチル 4−メチル−5−フェニル−4−ペンテノエートおよび4−(フェニルメチレン)−1−ヘキサノールを除き、新規の化合物である。以下でさらに示されるように、YがCH2OHである化合物が、全ての他の本発明の化合物の調製のために有用な中間生成物として含まれる。
【0014】
式(II)の前記の化合物も、本発明の他の対象である。
【0015】
さらには、本発明の化合物が炭素−炭素の二重結合を有しているので、前記化合物はEまたはZ異性体の形態、またはそれらの混合物の形態であってもよい。本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)または(II)は、EおよびZ異性体の混合物の形態であり、且つ、E異性体は前記の混合物の少なくとも75質量%、またはさらに少なくとも88%、またはさらに少なくとも95%を占める。
【0016】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)または(II)はRがメチルまたはエチル基であるものである。
【0017】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)または(II)は、R基がパラ、メタまたはオルト置換基であり、特にパラまたはメタ置換基、またはそれらの混合物であるものである。本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)は、パラまたはメタ置換基の混合物の形態であり、且つ、パラ置換基が前記の混合物の少なくとも90質量%、またはさらに少なくとも95%を占めるものである。
【0018】
本発明の特定の実施態様によれば、式(I)または(II)の前記の本発明の化合物は、合計13または14の炭素原子を有するものである。
【0019】
本発明の化合物の特定の例として、限定されない例として、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを挙げることができ、それは非常に良好なドイツスズラン(lily of the valley)のノートを、パウダリー−アニスのノート、並びにウォータリーの態様と共に有し、それ自体でほぼ香料である。この化合物の香気を、上品なドイツスズラン/ミモザの二重性を有するとして記載することもできる。全体的な香気は、公知の成分3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナールを想起させる。
【0020】
他の例として、(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを挙げることができ、それはドイツスズランおよびパウダリー−アニスのノートに加えて、アルデヒドのノート、並びに天然アーモンドおよびクリーミーの態様を有し、ボトムノートはリンデンまたはバーベナを想起させる。
【0021】
本発明の化合物の他の特定の、しかし限定されない例として、以下の表1内のものを挙げることができる:
【表1−1】

【0022】
【表1−2】

【0023】
本発明の特定の実施態様によれば、式(I)の化合物は、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、2,4−ジメチル−5−フェニル−4−ペンテナール、4−メチル−5−フェニル−4−ヘキセナール、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナールまたはメチル (4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエートである。
【0024】
表記の表から理解される通り、本発明の化合物の正確な調性が該化合物の精密な構造に従って変化することがあるにもかかわらず、本発明の化合物は、しばしばウォータリー、および/またはクリーミーの態様を伴うフローラルのノート、特にドイツスズラン、ミモザおよび/またはアニスのタイプのノートによって特徴付けられる。
【0025】
ユリ/ミモザ/アニスの特性のこの組み合わせは、本発明の化合物に典型的な香気であり、且つ、前記の化合物を、類似の構造を有し且つ芳香成分として公知である先行技術のものから区別する。実際に、Mefranal(登録商標) (3−メチル−5−フェニルペンタナール、Quest製)は、本発明の化合物にはない、典型的なレモン、シトロネラの香気によって特徴付けられる一方、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール(Arctander N°2200)は、ウッディのアンダーノートを有するハーバルの乾燥した香気によって特徴付けられ、それも本化合物(I)の香気とは非常に異なっている。
【0026】
上述の通り、本発明は式(I)の化合物の芳香成分としての使用に関する。言い換えれば、芳香組成物または着香物品の香気特性を付加し、強化し、改善または修正する方法であって、少なくとも前記の組成物または物品に効果的な量の式(I)の化合物を添加することを含む方法に関する。「式(I)の化合物の使用」とは、ここで、化合物(I)を含有する任意の組成物の使用としても理解されるべきであり、且つ、香料産業において活性成分として有利に用いることができる。
【0027】
実際に、芳香成分として有利に用いることができる前記の組成物も、本発明の対象である。
【0028】
従って、本発明の他の対象は、以下を含む芳香組成物である:
i) 芳香成分として、上記で定義された少なくとも1つの本発明の化合物;
ii) 香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分; および
iii) 場合により少なくとも1つの香料補助剤。
【0029】
「香料担体」とは、ここで、香料の観点から実質的に中性である、即ち、芳香成分の官能特性を著しく変更しない材料を意味する。前記の担体は液体または固体であってよい。
【0030】
液体担体としては、限定されない例として、乳化系、即ち、溶剤および界面活性剤系、または香料業において一般に使用される溶剤を挙げることができる。香料業において一般に使用される溶剤の性質および種類の詳細な説明は、網羅できない。しかしながら、限定されない例として、溶剤、例えばジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、安息香酸ベンジル、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノールまたはクエン酸エチルを挙げることができ、それらが最も一般的に使用されている。
【0031】
固体担体として、限定されない例として、吸収ゴムまたはポリマー、またはさらにカプセル化された材料を挙げることができる。かかる材料の例は、壁形成材料および可塑化材料、例えば単糖類、二糖類または三糖類、天然または化工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、またはさらに参考文献、例えばH.Scherz, Hydrokolloids:Stabilisatoren,Dickungs− und Geliermittel in Lebensmittel,Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie,Lebensmittelqualitaet,Behr’s Verlag GmbH & Co.,ハンブルグ,1996内に挙げられている材料を含んでよい。カプセル化は当業者によく知られた方法であり、且つ、例えば噴霧乾燥、凝塊形成またはさらに押出しなどの技術を使用して実施できるか、または、例えばコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含む、被覆カプセル化からなる。
【0032】
「香料ベース」とは、ここで、少なくとも1つの芳香相互成分を含む組成物を意味する。
【0033】
前記の芳香相互成分は、式(I)のものではない。さらに、「芳香相互成分」とは、ここで、芳香調製物または組成物中で快い効果を付与するために使用される化合物を意味する。言い換えれば、芳香性のものであるとしてみなされるかかる相互成分は、当業者によって、良い方向にまたは心地よく、組成物の香気を付与または修正でき、且つ、単に香気を有するだけではないとして認識されなければならない。
【0034】
ベース中に存在する芳香相互成分の性質および種類は、ここでより詳細な説明を請け負わず、それはいずれにせよ網羅できず、当業者はその一般的な知識に基づき、且つ、意図される使用または用途および所望の官能効果によって、それらを選択できる。一般的な用語においては、これらの芳香相互成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素含有または硫黄含有複素環式化合物および精油にまでわたる化学的分類に属し、且つ、前記の芳香相互成分は天然または合成由来であってよい。これらの相互成分の多くはいずれにせよ、参考文献、例えばS.Arctanderによる本、Perfume and Flavor Chemicals、1969、Montclair、ニュージャージー、米国、またはそのより最近の版、または同様の性質の他の著作、並びに香料分野における豊富な特許文献内に列記されている。前記の相互成分は、様々な種類の芳香化合物を制御して放出することが知られている化合物であってもよいとも理解される。
【0035】
香料担体と香料ベースとの両方を含む組成物のために、先に特定されたものの他の適した香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標Isopar(登録商標) (製造元: Exxon Chemical)の下で公知のもの、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば商標Dowanol (製造元: Dow Chemical Company)の下で公知のものであってもよい。
【0036】
「香料補助剤」はここで、追加的に加えられる利益、例えば色、特定の耐光性、化学的安定性などを付与できる成分を意味する。芳香ベース中で一般に使用される補助剤の性質および種類の詳細な説明は網羅できないが、しかし、前記の成分は当業者にはよく知られていることに言及しなければならない。
【0037】
式(I)の少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施態様、並びに少なくとも1つの式(I)の化合物、少なくとも1つの香料担体、少なくとも1つの香料ベース、および随意に少なくとも1つの香料補助剤を含む芳香組成物を表す。
【0038】
上述の組成物において、式(I)の1つより多くの化合物を有する可能性が重要であることに言及することが有用であり、なぜなら、それは調香師が本発明の様々な化合物の香気の調性を有する調和物、香料を調製することを可能にし、従って彼らの仕事のための新規のツールを創出するからである。
【0039】
好ましくは、例えば適切な精製をしないで、化学合成から直接的に得られる任意の混合物(その中に本発明の化合物が出発、中間または最終生成物として含まれることがある化合物)は、本発明による芳香成分としてみなされ得ない。
【0040】
さらには、前記の化合物(I)が添加される消費者製品の香気を良い方向に付与するかまたは修正するために、本発明の化合物を現代の香料業の全ての分野において有利に使用することもできる。それ故に、
i) 芳香成分として上記で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物、または本発明の芳香組成物; および
ii) 消費者製品ベース;
を含む着香物品も、本発明の対象である。
【0041】
明確性のために、「消費者製品ベース」とは、ここで、芳香成分と適合性のある消費者製品を意味することに言及するべきである。言い換えれば、本発明による着香物品は、機能性配合物、並びに、随意に追加的な利益剤(benefit agent)を含み、消費者製品、例えば洗剤または空気清浄剤に相応し、且つ、嗅覚的に有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を含む。
【0042】
消費者製品の成分の性質および種類は、ここではより詳細な説明を請け負わず、いずれにせよそれは網羅できず、当業者はその一般的な知識に基づき、且つ前記の製品の性質および所望の効果によってそれらを選択できる。
【0043】
適した消費者製品ベースの例は、固体または液体の洗剤および布地用柔軟剤、並びに香料業において一般的な他の物品、即ち香料、コロンまたはアフターシェーブローション、着香石鹸、シャワーまたはバスソルト、ムース、オイルまたはゲル、衛生製品またはヘアケア製品、例えばシャンプー、ボディケア製品、消臭剤または制汗剤、空気清浄剤およびさらに化粧品を含む。洗剤の場合、それが家庭用のために意図されているかまたは産業用途のために意図されているかにかかわらず、意図された用途、例えば、様々な表面を洗い上げるかまたは洗濯するための洗剤組成物または洗浄製品があり、例えばテキスタイル、皿または硬質表面用に意図されている。他の着香物品は、布地用柔軟剤、布地用清浄剤、アイロン水、紙、ワイプまたは漂白剤である。
【0044】
上述の消費者製品ベースのいくつかは、本発明の化合物について攻撃的な媒体を表すことがあり、従って、後者を例えばカプセル化によって時期尚早な分解から保護することが必要である場合がある。
【0045】
様々な上述の物品または組成物中に混合できる、本発明による化合物の割合は、広範の値に及ぶ。それらの値は着香される物品の性質、および所望の官能効果、並びに、本発明による化合物が当該技術分野で通常使用される芳香相互成分、溶剤または添加剤と混合される場合、所定のベース中での相互成分の性質に依存する。
【0046】
例えば、芳香組成物の場合、典型的な濃度は、0.001質量%〜10質量%のオーダーであるか、またさらには、本発明の化合物が混合される組成物の質量に対する本発明の化合物のオーダーである。それらの化合物が着香物品中に混合される場合、それより低い濃度、例えば0.001質量%〜1質量%のオーダーを使用でき、該パーセンテージは物品の質量に対する。
【0047】
本発明の化合物を、還元によってアルコールに変換され、最終的に前記のアルコールの酸化で本発明のアルデヒドに変換され得る本発明のエステルの調製を含む方法によって調製できる。該アルコールおよびアルデヒドを引き続き、本発明によれば当該技術分野で公知の標準的な方法を使用して、エーテル、アセタールまたはシアニドに転換できる。エステル自体を、適切なオルトエステルと適切なアリル−ベンジルアルコールとを、クライゼン転位条件下で、下記に示されるスキームの通りに反応させることによって調製することができる:
【化4】

【0048】
かかる方法論を使用して、本発明によるアルコールおよびエステルも式(I)のアルデヒドおよびシアニドを製造するために価値のある中間物である。
【0049】
選択的に、本発明の化合物を以下のキー段階を含む工程によって得ることができる:
【化5】

【0050】
アルデヒドをその後、標準的な方法を使用して、所望の本発明の化合物に転換できる。
【0051】
実施例内に記載される通り、アルデヒド(I)の製造のための他の方法もまた可能である。
【0052】
全ての前記の方法論の例を、以下の実施例内に提供する。
【0053】
実施例
本発明を、以下の実施例を用いてさらに詳細に説明し、ここで、省略形は当該技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示される; NMRスペクトルのデータは(特段述べられない限り)CDCl3において、360または400MHz機を用いて1Hおよび13Cについて記録され、ケミカルシフトδは標準としてのTMSに対するppmで示され、結合定数JはHzで表される。
【0054】
実施例1
式(I)の化合物の合成
メチル(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエート
トリメチルオルトアセテート(273g、2.24mol)および1−(4−メチルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール(純度91.4%、39.92g、0.224mol)を、120°〜150℃の油浴内で、プロピオン酸(0.5ml)の存在中で加熱した。反応の間に形成されたメタノールを初めに、次に過剰なオルトアセテートを蒸留した。その後、該生成物を、真空下で残留オルトアセテートから解放し、且つ、カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1ないし5:1)、次にバルブトゥバルブ(bulb−to−bulb)蒸留によって精製した(100℃/0.001mbar)。19.62g(収率=40%)の所望の生成物が得られた。
【0055】

【0056】
(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテン−1−オール
メチル(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエート(17.18g、0.079mol)の乾燥THF(300ml)中の溶液を、−78℃、窒素下で、固体の水素化リチウムアルミニウム(3.15g、0.079mol)を用いて1つの部分で処理した。5分後、冷却浴を除去し、且つ、反応物を室温に到達させ、その後、0℃に冷却し、且つ、連続的に水(3.15ml)、5%の水性水酸化ナトリウム(9.45ml)および水(3.15ml)で処理した。該反応物を室温で30分間攪拌した。無水固体の硫酸ナトリウムを添加し(10g)、且つ、攪拌を5分間継続した。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。該生成物を、カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 5:1ないし1:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(120℃/0.001mbar)。12.54g(収率=66%)の所望の生成物が得られた。
【0057】

【0058】
(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール
固体のクロロクロム酸ピリジニウム(13.2g、0.06mol)を、1つの部分で、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテン−1−オール(9.88g、0.052mol)の乾燥ジクロロメタン(250ml)中の予め冷却された(−10℃)溶液に窒素下で添加した。30分後、該反応物を室温まで温めた。1時間後、ジエチルエーテル(700ml)を該反応物に添加した。10分間の攪拌後、該反応物を、シリカゲルを通してろ過し、ジエチルエーテルを用いて濯いだ。該溶剤を真空下で除去し、且つ残留物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 10:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(100℃/0.001mbar)。3.55g(収率=36%)の所望の生成物が得られた。
【0059】

【0060】
メチル(4E)−4−メチル−5−フェニル−4−ペンテノエート
トリメチルオルトアセテート(186g、1.52mol)および1−フェニル−2−メチル−2−プロペン−1−オール(純度90%、Alfa Aesar製、25g、0.152mol)を、145℃の油浴内のプロピオン酸(0.2ml)の存在中で4時間加熱した。反応の間に形成されたメタノールを蒸留した。その後、過剰なオルトアセテートを真空下で除去し、且つ残留物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1ないし8:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(67℃/0.001mbar)。6.5g(収率=21%)の所望の生成物が得られた。
【0061】

【0062】
(4E)−4−メチル−5−フェニル−4−ペンテン−1−オール
メチル(4E)−4−メチル−5−フェニル−4−ペンテノエート(3.5g、0.016mol)の乾燥THF(100ml)中の溶液を、−78℃、窒素下で、固体の水素化リチウムアルミニウム(1g、0.025mol)を用いて1つの部分で処理した。5分後、冷却浴を除去し、且つ、該反応物を室温に到達させ、その後、0℃に冷却し、且つ、連続的に水(1ml)、5%の水性水酸化ナトリウム(3ml)および水(1ml)で処理した。該反応物を室温で30分間攪拌した。無水固体の硫酸ナトリウムを添加し(3g)、且つ、攪拌を5分間継続した。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、ろ液を真空下で蒸発させた。生成物をバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(84℃/0.002mbar)。2.88g(収率=100%)の所望の生成物が得られた。
【0063】

【0064】
(4E)−4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナール
固体のクロロクロム酸ピリジニウム(4.21g、0.02mol)を、(4E)−4−メチル−5−フェニル−4−ペンテン−1−オール(2.25g、0.013mol)の乾燥ジクロロメタン(50ml)中の冷却された(−10℃)溶液に窒素下で、1つの部分で添加した。30分後、該反応物を室温まで温めた。1時間後、ジエチルエーテル(250ml)を該反応物に添加した。10分間の攪拌後、該反応物を、シリカゲルを通してろ過し、且つ固形物をジエチルエーテルを用いて濯いだ。該溶剤を真空下で除去し、且つ、残留物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(82℃/0.002mbar)。1.21g(収率=53%)の所望の生成物が得られた。
【0065】

【0066】
エチル(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエート
1−(4−メチルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール(64.9g、0.4mol)およびトリエチルオルトアセテート(335g、2mol)を、150℃の油浴内のプロピオン酸(0.5ml)の存在中で3時間加熱し(反応の間に形成されたエタノールがこの期間の間、蒸留される)、その後、徐々に200℃に加熱した(過剰なオルトアセテートを留去)。該生成物をその後、高真空下で20cmのウィドマーカラムを通じて蒸留した(105℃/0.001mbar)。21.5gの所望の生成物が得られた(純度94%、収率=24%)。
【0067】

【0068】
エチル(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエート
n−ブチルリチウム(1.6M、ヘキサン中、Fluka製、70ml、0.111mol)を、ジイソプロピルアミン(11.7g、0.116mol)の乾燥THF(200ml)中の溶液に、窒素下で、ドライアイス−アセトン浴中で冷却することによって温度を−20℃未満に維持しながら、素早く添加した。−78℃への冷却後、乾燥DMPU(14.9g、0.116mol)を5分間滴下した。その後、エチル(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエート(21.5g、0.092mol)を10分間で添加した。該反応物を0℃まで温め、そしてこの温度で20分間保持した後、−78℃へと冷却して戻した。ヨウ化メチル(66g、0.46mol)を滴下した。該反応物を室温まで温め、そして終夜、攪拌した。その後、それを水に注ぎ、そしてジエチルエーテルで2回抽出した。各有機留分を水およびブラインを用いて洗浄した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯いだ。溶剤を真空下で除去し、且つ、該生成物をバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(125℃/0.04mbar)。18.5gの無色の液体が得られた(収率=81%)。
【0069】

【0070】
メチル(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエート
水酸化ナトリウム(7.8g、0.195mol)の水(25ml)中の溶液を、エチル(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエート(16g、0.065mol)のエタノール(70ml)中の溶液に室温で添加した。該反応物を終夜攪拌した後、真空下でエタノールを除去した。水(200ml)を、ジエチルエーテルで2回洗浄された残留物に添加した。各有機相を水で処理した。混合された水性相を5%の水性HCl(150ml)で処理した。得られる溶液をジエチルエーテルで2回抽出した。各有機留分を水およびブラインで洗浄した後、混合し、そして固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯いだ。溶剤を除去し、粗原料のカルボン酸を得た。その粗原料の酸を窒素下で無水メタノール(250ml)中に溶解した。塩化アセチル(11g、0.142mol)を外部冷却なく(発熱性)滴下した。4時間後、溶剤を真空下で除去し、且つ、生成物を直接的にシリカゲル上でクロマトグラフした(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1ないし5:1)。バルブトゥバルブ蒸留(123℃/0.065mbar)が所望のメチルエステルをもたらす(8.4g、収率=56%)。
【0071】

【0072】
1−[1−(アリルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−4−メチルベンゼン
固体のナトリウムtert−ブチレート(66.65g、0.589mol)を窒素下で乾燥THF(350ml)中に溶解させ、且つ、乾燥THF(25ml)中の1−(4−メチルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール(41.16g、0.239mol)を15分間で外部冷却なく添加した。該反応物をさらに室温で50分間攪拌した。ヨウ化テトラブチルアンモニウム(5.04g、0.014mol)を添加し、次に塩化アリル(40g、0.518mol)を25分で添加した(47℃に発熱)。該反応物を24時間攪拌した後、より多くのヨウ化テトラブチルアンモニウム(2.30g、0.006mol)および塩化アリル(9.30g、0.120mol)を添加した。室温で24時間の攪拌後、反応物を氷上に注ぎ、MTBEで希釈し、且つ、水性リン酸で酸性化した。有機相をブライン、飽和した水性重炭酸ナトリウムおよびブラインを用いて洗浄し、且つ、固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、MTBEを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物を、35cmのフィッシャーカラム(Fisher column)を通じた蒸留によって精製した。38.78gの所望のアリルエーテルが得られた(収率=80%)。B.P.=79℃/1.6mbar

【0073】
(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール
1−[1−(アリルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−4−メチルベンゼン(24g、0.116mol)および[RuCl2(PPh33](200mg)を、170〜180℃(還流)で、プソイドクメン(50ml)中のBHT(50mg)の存在中で4時間加熱した。室温への冷却後、溶剤を真空下で除去し、且つ、残留物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1)、次に20cmのウィドマーカラムを使用した分別蒸留によって精製した。5gの所望のアルデヒドが得られた(収率=21%)。B.P.=73℃/0.12mbar

【0074】
1−[1−(2−ブテニルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−4−メチルベンゼン
固体のカリウムtert−ブチレート(47g、0.411mol)を、乾燥THF(500ml)中の1−(4−メチルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール (純度96%、46.27g、0.274mol)の溶液に、窒素下、室温で、小分けにして添加した(15分)(30℃へ発熱)。室温でさらに1時間後、該反応物を5℃に冷却し、且つ、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(5.2g、0.014mol)を滴下し、次に塩化クロチル(74.4g、0.822mol)を滴下した。該反応物を終夜、室温まで温め、且つ、水(800ml)に注いだ。該反応物を酢酸エチルで2回抽出した。各有機相を水およびブラインを用いて洗浄した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物を、真空下で20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留によって精製した。E/Z異性体の3:1の混合物が得られた(純度96%、57.58g、収率=93%)。B.P.=74℃/0.005mbar

【0075】
2−エチル−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール
1−[1−(2−ブテニルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−4−メチルベンゼン(50.12g、0.232mol)、[RuCl2(PPh33](400mg)、BHT(50mg)およびプソイドクメン(60ml)を共に、180℃の油浴内に設置されたオートクレーブ内で5時間加熱した。室温への冷却後、プソイドクメンを留去し(40℃/5mbar)、且つ残留物をシリカゲル上でクロマトグラフし(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 50:1ないし25:1)、その後、真空下で20cmのウィドマーカラムを通じて蒸留した。18.1gの所望の生成物が得られた(収率=36%)。B.P.=80℃/0.001mbar

【0076】
[1−(2−ブテニルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]ベンゼン
固体のカリウムtert−ブチレート(26g、0.228mol)を、1−フェニル−2−メチル−2−プロペン−1−オール (純度90%、Alfa Aesar製、25g、0.152mol)の乾燥THF(300ml)中の溶液に、窒素下、室温で、小分けにして添加した(15分)(30℃へ発熱)。室温でさらに1時間後、該反応物を5℃に冷却し、且つ、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(2.9g、0.08mol)を滴下し、次に塩化クロチル(41.3g、0.456mol)を滴下した。該反応物を終夜、室温まで温め、且つ、水(500ml)に注いだ。該反応物を酢酸エチルで2回抽出した。各有機相を水およびブラインを用いて洗浄した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー後(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1)、該生成物をバルブトゥバルブ蒸留(100℃/0.001mbar)によって精製した。E/Z異性体の3:1の混合物が得られた(純度95%、26.78g、収率=83%)。
【0077】

【0078】
2−エチル−4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナール
[1−(2−ブテニルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]ベンゼン(26.9g、0.126mol)、[RuCl2(PPh33](280mg)、BHT(100mg)およびプソイドクメン(25ml)を共に、180℃の油浴内に設置されたオートクレーブ内で4時間加熱した。室温への冷却後、プソイドクメンを留去し(40℃/5mbar)、且つ残留物をクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 50:1ないし10:1)、その後、バルブトゥバルブ蒸留によって精製した(87℃/0.008mbar)。13.0gの所望の生成物が、E/Z異性体の9:1の混合物として得られた(収率51%)。
【0079】

【0080】
(1E)−[3−(アリルオキシ)−2−メチル−1−プロペニル]ベンゼン
固体のカリウムtert−ブチレート(110g、0.960mol)を、トランス−2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(100g、0.950mol)の乾燥THF(1リットル)中の溶液に、窒素下、室温で、小分けにして添加した(1時間)。室温でさらに1時間後、該反応物を5℃に冷却し、且つ、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(12.1g、0.032mol)を滴下し、次に塩化アリル(100g、1.280mol)を滴下した。該反応物を終夜、室温まで温め、且つ、水(2リットル)に注いだ。該反応物を酢酸エチルで2回抽出した。各有機相を水およびブラインを用いて洗浄した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物を、20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留によって精製した。120.5gの所望の化合物が得られた(97%純度、0.620mol、97%)。B.P.=70℃/0.067mbar

【0081】
(4E)−2,4−ジメチル−5−フェニル−4−ペンテナール
(1E)−[3−(アリルオキシ)−2−メチル−1−プロペニル]ベンゼン(107.79g、0.571mol)、[RuCl2(PPh33](3.13g)、BHT(1g)およびベンゼン(500ml)を共に、190℃の油浴内のオートクレーブ内で4時間加熱した。室温への冷却後、溶剤を蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 10:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製して(88℃/0.009mbar)、11.21gの所望の化合物を得た(0.060mol、10%)。
【0082】

【0083】
2−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オール
3−メチルベンズアルデヒド(Aldrich 97%、62g、0.5mol)を1時間にわたって、2−プロペニルマグネシウムブロミドのTHF中の市販の溶液(Aldrich 0.5N、800ml、0.4mol)に、窒素下、−78℃で滴下した。冷却浴を除去し、該反応物を5時間攪拌した後、0℃に冷却した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(300ml)を、温度が20℃未満に保持されるような速度で滴下した。その後、ジエチルエーテル(600ml)を添加し、且つ該反応物を別途の漏斗に移送した。力強く攪拌した後、該相を分離した。有機相を水および飽和した水性重炭酸ナトリウムを用いて洗浄した。各水性相をジエチルエーテルで再抽出した。有機留分を混合し、且つ、固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 5:1)、次に20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留によって精製した。33gの所望の生成物が得られた(収率=51%)。B.P.=55℃/0.009mbar

【0084】
(4E)−4−メチル−5−(3−メチルフェニル)−4−ペンテナール
2−メチル−1−(3−メチルフェニル−2−プロペン−1−オール)(17.74g、0.109mol)、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(Aldrich 98%、22.5g、0.109mol)および酢酸水銀(II)(1.05g、0.003mol)を共に、窒素下で155〜160℃(浴温)にて16時間加熱した。室温への冷却後、反応物をヘプタンで希釈し、水を用いて洗浄した(3回)。各水相をヘプタンで再抽出した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ヘプタンを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。クーゲルローアを使用して粗生成物を蒸留した(140℃/0.001mbar)。留出物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 10:1ないし5:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(71℃/0.002mbar)。5.41gの所望の生成物が、E/Z異性体の85:15の混合物として得られた(収率=26%)。
【0085】

【0086】
エチル(4E)−5−(4−メチルフェニル)−4−ヘキセノエート
(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエートについて記載された通り、以下の試薬を使用して調製した:
2−(4−メチル−1−フェニル)−3−ブテン−2−オール (0.093mol)
トリエチルオルトアセテート (154g、0.93mol)
プロピオン酸 (0.5ml)。
【0087】
生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(ヘプタン/酢酸エチル 5:1で溶離)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した。4.4gの生成物が得られた(0.019mol、20%)。B.p.=100℃/0.001mbar

【0088】
(4E)−5−(4−メチルフェニル)−4−ヘキセン−1−オール
(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテン−1−オールについて記載された通り、以下の試薬を使用して調製した:
エチル(4E)−5−(4−メチルフェニル)−4−ヘキセノエート: 4.4g (0.019mol)
水素化リチウムアルミニウム: 純度95%; 1.2g (0.03mol)。
【0089】
生成物をバルブトゥバルブ蒸留によって精製した。3.4gの所望のアルコールが得られた(0.017mol; 収率89%)。B.p.=140℃/0.001mbar

【0090】
(4E)−5−(4−メチルフェニル)−4−ヘキセナール
(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールについて記載された通り、以下の試薬を使用して調製した:
(4E)−5−(4−メチルフェニル)−4−ヘキセン−1−オール: 2.13g (0.011mol)
PCC: 5.8g (0.022mol)
酢酸ナトリウム:2g。
【0091】
生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 5:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した。1.4gの所望のアルデヒドが得られた(0.0075mol; 収率67%)。B.p.=100〜120℃/0.001mbar

【0092】
3−メチル−2−(4−メチルフェニル)−3−ブテン−2−オール
2−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−プロペン−1−オールについて記載された通り、以下の試薬を使用して調製した:
p−メチルアセトフェノン 70.6g (0.5mol)
イソプロペニルマグネシウムブロミド (THF中で0.5N; 800ml; 0.4mol)。
【0093】
生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(ヘプタン/酢酸エチル 10:1ないし5:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した。20.2gの所望の生成物が得られた(純度94%; 0.108mol; 収率27%)。B.p.=81℃/0.001mbar

【0094】
(Z)−4−メチル−5−p−トリルヘキセ−4−エナール
(4E)−4−メチル−5−(3−メチルフェニル)−4−ペンテナールについて記載された通り、以下の試薬を使用して調製した:
3−メチル−2−(4−メチルフェニル)−3−ブテン−2−オール: 19g、0.108mol)
トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル (22.2g; 0.108mol)
酢酸Hg(II) (1.05g; 0.0032mol)。
【0095】
生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(ヘプタン/酢酸エチル 10:1ないし2:1で溶離)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した。2.4gの所望の生成物がZ/E異性体の79:17の混合物として得られた(化学的純度97%; 0.012mol; 収率11%)。B.p.=85℃/0.001mbar

【0096】
4−メチル−5−フェニル−4−ヘキセナール
(Z)−4−メチル−5−p−トリルヘキセ−4−エナールについて記載された通り、以下の試薬を使用して調製した:
3−メチル−2−フェニル−ブト−3−エン−2−オール (J.A. Marco et al.、Tetrahedron 2003、59、4085) (9g、0.055mol)
トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル (11.1g; 0.055mol)
酢酸水銀(II) (0.57g; 0.00018mol)。
【0097】
生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 19:1ないし9:1で溶離)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって140〜150℃、4.5mbarで精製した。0.70gの所望の生成物が、Z/E異性体の38:62の混合物として得られた(化学的純度95%; 0.012mol; 収率7%)。
【0098】

【0099】
(E)−4−メチル−5−p−トリルペントー4−エンニトリル
(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール (3.2g、0.017mol)および塩酸ヒドロキシルアミン (1.77g、0.025mol)を共に、95%のエチルアルコール(55ml)中で還流させながら4時間加熱した。室温への冷却後、エタノールをロータベイパー(rotavapor)にて除去した。残留物をジエチルエーテル(250ml)中で30分間攪拌した。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ廃棄した。ろ液を真空下で蒸発させた。生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 11:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した。2.18gの所望の化合物が得られた(0.012mol、収率70%)。B.P.=80℃/0.001mbar

【0100】
(4Z)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール
この異性体を、分取ガスクロマトグラフィーによって、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールの蒸留の塔頂留分(top fraction)から分離した。
【0101】

【0102】
実施例2
芳香組成物の調製
ムスク−ハーバルタイプの男性用オーデコロンを、以下の成分を混ぜ合わせることによって調製した:
【表2】

*ジプロピレングリコール中
**イソプロピルミリステート中
1) 8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダン; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
2) 3−(4/2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
3) 1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピラン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
4) メチルシス−ジヒドロジャスモネート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
5) (1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
6) 1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
7) 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス
8) (1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
9) (5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフチル)−1−エタノン; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス。
【0103】
200質量部の(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを上述のオーデコロンに添加した場合、新規の芳香は、非常に化粧品的であるボディおよびパウダリー−ミモザ/ドイツスズランの甘さを獲得し、それは該オーデコロンをナーシング(nursing)の態様にもする。
【0104】
上記の本発明の化合物の代わりに、同量の(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを添加する場合、新規の芳香剤はよりグリーン、よりアニス的になった。
【0105】
同量のMefranal(登録商標)の元のオーデコロンへの添加は、クリアなシトラス、シトロネラ特性を得た新規の芳香剤を提供した。
【0106】
実施例3
芳香組成物の調製
フローラル−ウォータリータイプのコロンを、以下の成分を混ぜ合わせることによって調製した:
【表3】

*ジプロピレングリコール中
**イソプロピルミリステート中
1) 2,6−ジメチル−2−ヘプタノール; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス
2) ペンタデカノリド; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
3) 1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピラン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
4) メチルジヒドロジャスモネート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
5) 1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
6) 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス
7) 4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
8) (+)−メチル (1R)−シス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテート; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス。
【0107】
300質量部の(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを上述のオーデコロンに添加した場合、著しく強化されたウォータリーの態様を有し、良好なフローラル−ドイツスズランおよびパウダリー−ミモザのノートを伴う、新規のコロンが得られた。
【0108】
上記の本発明の化合物の代わりに同量の(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを添加した場合、新規のコロンは、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールの添加によって得られたものと比較して、よりリンデン/バーベナになり、且つ、わずかにアーモンドの態様を得た。
【0109】
同量のMefranal(登録商標)の元のオーデコロンへの添加は、クリアなシトラス、シトロネラ特性の特性を得た新規の芳香剤を提供した。
【0110】
実施例4
芳香組成物の調製
布地用柔軟剤のための芳香組成物を、以下の成分を混ぜ合わせることによって調製した:
【表4−1】

【0111】
【表4−2】

*ジプロピレングリコール中
1) 8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダン; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
2) 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
3) ペンタデカノリド、製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
4) メチルイオノンの混合物; 製造元: Firmenich SA、スイス
5) 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール; 製造元: Givaudan−Roure SA、ヴェルニエ、スイス
6) 3−メチル−(4)−シクロペンタデセノン; 製造元: Firmenich SA、スイス
7) メチルジヒドロジャスモネート; 製造元: Firmenich SA、スイス
8) 1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン; 製造元: Firmenich SA、スイス
9) 3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、製造元: Firmenich SA、スイス
10) シクロヘキシリデン(フェニル)アセトニトリル; 製造元: Givaudan−Roure SA、ヴェルニエ、スイス。
【0112】
100質量部の(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを上述の香料に添加した場合、新規の芳香剤はフローラルの甘さ、並びにウォータリー且つパウダリーの態様による素晴らしい特性を得た。その効果は、前記の芳香剤を含有する柔軟剤を用いて洗浄処理された、湿った、または乾燥した織物上で明らかに感知可能であった。本発明の化合物によって提供された効果は、アニスアルデヒドで得られたものよりも非常にケミカルではなく、且つ、公知の成分3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナールまたは3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールを使用することによって得られたものよりも非常に多くの甘いフローラルであった。
【0113】
上記の本発明の化合物の代わりに同量の(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを添加した場合、新規の芳香剤は、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールの添加によって得られたものと比較して、アニス−リンデンタイプの内包と共に、よりアルデヒド的になった。
【0114】
同量のMefranal(登録商標)の元のオーデコロンへの添加は、クリアなシトラス、シトロネラ特性を得た新規の芳香剤を提供した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
Rはフェニルのオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表す;
1は水素原子、またはC1〜C3−アルキル基を表す;
2は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す;
3は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す; 且つ、
XはCHO、COOR4またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基である; 且つ
少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は、少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す]
の化合物であって、且つ、EまたはZ異性体の形態、またはそれらの混合物の形態である化合物を、芳香成分として用いる使用。
【請求項2】
前記化合物(I)が、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
1がメチルまたはエチル基を表し;
2が水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
3が水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し; 且つ、
XがCHO、COOR4またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基である
ものであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記化合物(I)が、R、R2またはR3が水素原子またはメチル基を表し、R1がメチル基を表し、且つ、XがCHO基を表すものであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記化合物(I)が、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、2,4−ジメチル−5−フェニル−4−ペンテナール、4−メチル−5−フェニル−4−ヘキセナール、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナールまたはメチル (4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエートであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項5】

【化2】

[式中、
1'は、水素原子またはメチル基を表す;
YはCH2OH基または基Xを表す;
Rはフェニルのオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表す;
2は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す;
3は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す; 且つ
XはCHO、COOR4またはCN基を表し、R4はメチルまたはエチル基である]
の化合物であって、且つ、EまたはZ異性体の形態か、またはそれらの混合物の形態であり、ただし、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテンニトリル、2,4−ジメチル−5−フェニル−4−ペンテナール、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテン−1−オール、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナール、エチル 4−メチル−5−フェニル−4−ペンテノエートおよび4−(フェニルメチレン)−1−ヘキサノールを除く化合物。
【請求項6】
前記化合物(II)が、R、R2またはR3が水素原子またはメチル基を表し、R1'が水素原子を表し、且つ、XがCHOを表すことを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物(I)が、(4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、(4E)−2,4−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、2,4−ジメチル−5−フェニル−4−ペンテナール、4−メチル−5−フェニル−4−ヘキセナール、4−メチル−5−フェニル−4−ペンテナールまたはメチル (4E)−4−メチル−5−(4−メチルフェニル)−4−ペンテノエートであることを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
i) 請求項1で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物;
ii) 香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分; および
iii) 場合により少なくとも1つの香料補助剤
を含む芳香組成物。
【請求項9】
i) 請求項1で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物; および
ii) 消費者製品ベース
を含む、着香物品。
【請求項10】
消費者製品ベースが、固体または液体洗剤、布地用柔軟剤、香料、コロンまたはアフターシェーブローション、着香石鹸、シャワーまたはバスソルト、ムース、オイルまたはジェル、衛生製品、ヘアケア製品、シャンプー、ボディケア製品、消臭剤または制汗剤、空気清浄剤、化粧品、布地用清浄剤、アイロン水、紙、ワイプまたは漂白剤であることを特徴とする、請求項9に記載の着香物品。

【公表番号】特表2012−508290(P2012−508290A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535191(P2011−535191)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054864
【国際公開番号】WO2010/052635
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】