説明

フーリエ領域内で三次元イメージングするための方法および装置

三次元オブジェクト領域(9)の異なるパースペクティブから2つ以上の二次元フーリエ変換を得るための方法が記載される。次に二次元画像用のものと同類の画像分析アルゴリズム(52)の適用を可能にするトモグラフィー方法を利用して三次元フーリエ変換が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に三次元イメージング・システムに関し、より具体的には関心の対象である特徴のサイズが、関心の対象であるオブジェクトを照射するために使用される光線の波長に匹敵する高解像度の光学トモグラフィーに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書は、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許出願第09/927,151号「Apparatus and Method for Imaging Small Objects in a Flow Stream Using Optical Tomography」の部分継続(CIP)出願である。
【0003】
トモグラフィー装置はオブジェクトを通る光路のセットに沿った光線またはx線の減衰を測定することによってオブジェクトの三次元再構成を作成することを意図している。したがってオブジェクト領域内に焦点面が存在することは禁じられる。すなわち、被写体深度は無限であり、個々の検出器の画素に達する全ての光子は理想的には同じ幾何経路に沿って進行する。x線トモグラフィーにとって、オブジェクト領域内の不均一性による散乱は、このような特徴のサイズが典型的には入射放射の波長よりも大幅に大きいので問題ではない。しかし光学トモグラフィーでは、波長はx線トモグラフィーの場合よりも大幅に長い。したがって、オブジェクト領域内の特徴による散乱は、幾つかの光線が光源と検出器素子との間の幾つかの異なる経路に沿って進行した後に同じ個々の検出器素子に達するようにされることによってシステム内にノイズを誘導することがある。本発明は三次元オブジェクト領域に関する情報を取得し、空間周波数ドメイン(k空間)を実際の空間へとマッピングすることによってその情報を再構成するためにこのような散乱を利用するものである。
【0004】
A.C.KakおよびM.SlaneyはPrinciples of Computerized Tomographic Imaging(IEEE Press,1988)という書名の書籍で、図1に示されているように、空間ドメインから透過または反射した光線を周波数ドメインへとマッピングするためにフーリエ・スライス定理を利用することを記載している。複数の視座からの投射画像を獲得し、それぞれの画像に二次元フーリエ変換を行うことによって、周波数ドメイン(k空間)を通る平坦面のセットを生成することができる。次にオブジェクト領域の三次元の再構成を生ずるため、三次元逆フーリエ変換によってこれらの平坦面の総計を操作することができる。オブジェクト領域内に弱い散乱が存在する場合は、平坦面は球面となり、フーリエ・スライス定理の代わりにフーリエ回折定理を利用する必要がある。しかし、強い散乱がある場合はこれらのアプローチは双方とも役立たなくなる。単位投射のフーリエ変換は、k空間を介して、1組の球面をマッピングし、その結果、異なる視座からの表面が総和されると数値が不明確になる。
【0005】
Pernick等(1978年)、Wohkers等(1978年)およびBackman等(2001年)の論文は二次元フーリエ・ドメイン内で生物材料を検査することの有用性を記載している(例えばB.Pernik等の「Screening of cervical cytological samples using coherent optical processing.Part 1」Appl.Optics 17,21(1978)、R.Wohlers等の「Screening of cervical cytological samples using coherent optical processing.Part 2」Appl.Optics 17,35(1978)、B.Permick等の「Screening of cervical cytological samples using coherent optical processing.Part 3」Appl.Optics 17,43(1978)、B.J.Pernick等の「Paraxial analysis of light scattering by biological cells in a flow system」Appl.Optics 17,3205(1978)、V.Backman等の「Measuring Cellular Structure at Submicrometer Scale with Light Scattering Spectroscopy」IEEE J.Selected Topics Quantum Electron.7,887(2001)を参照)。
【0006】
オブジェクト内の小さい特徴を検査するために光回折を利用する技術はKopp等によって、1979年4月17日に交付された米国特許第4,150,360号「Method and Apparatus for Classifying Biological Cells」および1980年7月15日に交付された米国特許第4,213,036号「Method for Classifying Biological Cells」に記載されている。Kopp等は生物細胞の単一の二次元フーリエ変換を獲得するためにフーリエ光学を利用した。しかし、三次元オブジェクト領域はKopp等によって考察されていない。これに対して、本発明の方法および装置は幾つかの異なる視座からの複数の二次元フーリエ変換を獲得するものである。異なる視座を利用して、特定の幾何構成によって修正できる従来の画像再構成技術を用いて三次元フーリエ変換が計算される。
【特許文献1】米国特許出願第09/927,151号
【非特許文献1】A.C.KakおよびM.Slaney,Principles of Computerized Tomographic Imaging(IEEE Press,1988)
【非特許文献2】B.Pernik et al.「Screening of cervical cytological samples using coherent optical processing.Part 1」Appl.Optics 17、21(1978)
【非特許文献3】R.Wohlers et al.「Screening of cervical cytological samples using coherent optical processing.Part 2」Appl.Optics 17,35(1978)
【非特許文献4】B.Permick et al.「Screening of cervical cytological samples using coherent optical processing.Part 3」Appl.Optics 17,43(1978)
【非特許文献5】B.J.Pernick et al.“Paraxial analysis of light scattering in a flow system”Appl.Optics 17、3205 (1978)
【非特許文献6】V.Backman et al.“Measuring Cellular Structure at Submicrometer Scale with Light Scattering Spectroscopy”IEEE J.Selected Topics Quantum Electron.7、887(2001)
【特許文献2】米国特許第4,150,360号
【特許文献3】米国特許第4,213,036号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
公知の方法とは異なり、本発明は試料領域の容積全体を通過する光線のリアルタイムの現場処理を可能にする方法を提供する。本発明の方法はレンズまたはミラー系の背面焦点面でオブジェクト領域から実際の空間へと出射する光線の角分布をマッピングするためにフーリエ光学を利用する。その結果、光学トモグラフィーでは光線は単一面内から出る必要がないので、オブジェクト領域が三次元であることは問題ではなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はオブジェクト領域の多次元イメージング方法および装置を提供する。この方法はオブジェクト領域に平行化された光線を透過させて透過光線を生成する工程を含んでいる。別の工程では、透過光線は各々が背面焦点面を有する少なくとも1つの光学素子によって捕えられる。二次元フーリエ変換のパワー分布を捕えるために少なくとも1つの光学素子の背面焦点面に位置する少なくとも1つの検出器が使用される。2つ以上の視座に関して、この方法の工程は複数の二次元フーリエ変換を獲得するため、オブジェクト領域を少なくとも部分的に囲む円弧の周囲で反復される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の方法および装置は光散乱の強さに関するどのような前提をも必要としない。その代わり、本発明はレンズの背面焦点面内の光強度パターンの測定によってレンズに達する光線のフーリエ変換のマグニチュードが生ずるという事実を利用する。一方、k空間内の平面の実際の、および仮想のコンポーネントを生ずるために、フーリエ変換関係を利用してx線投射から測定された強度パターンを変換することができる。本発明では、ウイナー・ヒンチンの定理の結果を適用することができる。ウイナー・ヒンチンの定理はオブジェクトg(x,y)の自己相関関数Cggはオブジェクトのフーリエ変換の平方大きさの逆フーリエ変換に等しいことを示している。
gg=F−1[|F(g)|
ただし、FおよびF−1はフーリエ変換および逆フーリエ変換演算をそれぞれ表している。非回折システムにおけるフーリエ・スライス定理の適用と同様に、複数の視座の各々からのレンズの背面焦点面の強度を測定して、k空間内の各平面について|F(g)|を算定することができる。次に総計に三次元逆フーリエ変換F−1を適用して、三次元自己相関関数を生成することができる。
【0010】
ウイナー・ヒンチンの定理はパーセバルの定理の特殊なケースであり、これは2つのオブジェクトg(x,y)およびh(x,y)の相互相関関数cghがそれらのフーリエ変換の逆フーリエ変換に等しいことを示している。
gh=F−1[F(g)F(h)]
ただしFはフーリエ変換Fの複素共役を示している。
【0011】
自己相関および相互相関情報を生成するために本発明を利用することに加えて、測定された数値を直接使用することができ、画像分析方法が回折パターン内の特定の特徴を探すことが可能になる。
【0012】
本発明の方法および装置はレンズ系のアパーチャによって制限されて、オブジェクト領域を出るほぼ全ての光線が通過するために光学トモグラフィー装置内でフーリエ光学を利用する。本発明の一実施形態では、二次元フーリエ変換がレンズ系の背面焦点面でマッピングされる。複数のビューによって三次元フーリエ変換を構成し、オブジェクト領域に関する情報を抽出するためにこのフーリエ変換に含まれる情報を利用することが可能になる。
【0013】
本発明の方法および装置は部分的に以下の原理に基づいている。微細なオブジェクトまたは近接した格子のような微細な特徴は高い空間周波数を有すると言われている。微細な特徴はその高い空間周波数のため、これらと衝突する光線の大きい偏光を生ずる。逆に、粗い特徴は低い空間周波数を有し、光線を少量しか偏光させないと言われている。従来のイメージングでは、高い空間周波数を除去することによって、エッジおよび微小な特徴が取り除かれることで画像内の解像度が損失し、一方、低い空間周波数を除去することによって鮮明なエッジを有するが埋め込まれた空間がない画像の「アウトライン」が生じる。
【0014】
ここで図2および2Aを参照すると、フーリエ・ドメイン内での三次元イメージングのための光学トモグラフィー・システムの実施形態の一例が示されている。図2には三次元オブジェクト領域の2つの視座がフーリエ面内での光線分布と共に示されている。本明細書中の図面は例示するためのものに過ぎず、本発明はそれに限定されるものではないことが理解されよう。例えば、2つの視座が概略的に示されているが、変化するビューへと回転される単一の光学イメージング・システム、または三次元イメージング用にフーリエ変換を使用する本明細書の教示にしたがって光学イメージング・システムが構成される多重の光学イメージング・システムによって2つの視座を得てもよい。
【0015】
光学トモグラフィー・システムは少なくとも1つの平行化された光源11a、11bと、関心の対象である少なくとも1つの特徴21、22、23を含むオブジェクト領域9とを含み、オブジェクト領域は平行化された光源11a、11bによって照射されるべき光軸ΦまたはΦに沿った少なくとも1つの光路内に配置されている。オブジェクト領域9を通過する光線を受けるために、少なくとも1つの検出器12a、12bが光軸ΦまたはΦに沿った少なくとも1つの光路内に位置している。各レンズの背面焦点面内にフーリエ面64a、64bが生成されるように、オブジェクト領域9と少なくとも1つの検出器12a、12bとの間の光軸ΦまたはΦに沿った少なくとも1つの光路内に少なくとも1つのレンズ13a、13bが位置している。少なくとも1つの関心の対象である特徴の空間周波数分布をマッピングするために少なくとも1つの検出器12a、12bがフーリエ面64a、64b内に位置している。
【0016】
実施形態の一例では、平行化された光源11a、11bは高品質のガス・レーザーによって生成されるようなほぼ平行の光線32からなるビームを発するモノクロの平行化された光源11を備えていてもよい。オブジェクト領域9を通過する散乱されない光による信号を軽減するため、各視座でアパーチャ14a、14bを有利に使用できる。
【0017】
図2はオブジェクト領域9内に複数の特徴21、22および23を有する例を示しており、それらの2つは球であり、三番目は楕円体である。光軸Φに沿った光路に沿った第1の視座では、複数の特徴21、22および23の各々は入射光線面内のそれらの突起のサイズと形状が検出器12aによる登録では同一であるので同一に見える。しかし、光軸Φに沿った光路に沿った第2の視座から見ると、第3のオブジェクト23の異方性によって他の2つにより生ずる回折パターンとは異なる回折パターンが生ずる。
【0018】
図2に示すように、レンズ13aまたは13b、または同様の光学系のような光学素子をオブジェクト領域9と検出器12aまたは12bとの間の光軸ΦまたはΦに沿った光路内に配置すると、レンズの背面焦点面の場合と同様に、すなわち焦点距離fのレンズから距離(f)の位置にフーリエ面64a、64bが生ずる。このように、背面焦点面内に形成された画像はk空間内のオブジェクト領域9を出る光線のフーリエ変換を含み、ただしkは光路の方向を示すベクトルである。画像は拡散角度θに関連する光軸の高さyで拡大される。
y=fsinθ
【0019】
光軸Φの周囲の光線の回転位置ωはフーリエ面およびオブジェクト領域の双方で同一であることに留意されたい。このように、これらの光線の位置に関わらず、フーリエ面内のポイントをオブジェクト領域内の光線の特定の方向にマッピングすることができる。低い空間周波数は光軸に近接した(すなわちk=0へとマッピングするポイントの近く)フーリエ面を通過し、一方、高い空間周波数は光軸からさらに通過する。検出器素子のアレイをこの面に配置することによって、二次元フーリエ変換の配電を得ることができる。次にオブジェクト領域または光源検出器の対が中心軸を支点に回転されると、各々の新たな視座について追加の二次元フーリエ変換を得ることができる。
【0020】
本発明の装置を説明してきたが、その動作を説明することによって理解がさらに促進されよう。動作時には、少なくとも1つの平行化された光源11a、11bは各々ほぼ平行な光線32a、32bからなるビームを放射する。ほぼ平行な光線32a、32bはすべての拡散光線を除去するように、オブジェクト領域9に達する前に空間フィルタリングにかけられる。オブジェクト領域9を通過する非拡散光線による信号を低減するため、アパーチャ14を使用することが有利である。レンズの背面焦点面内にフーリエ面が形成されるように、レンズ13aがオブジェクト領域9と検出器12aとの間の光路内に配置される。フーリエ面内に検出器素子12aのアレイを配置することによって、特徴21、22および23による空間周波数分布をマッピングすることができる。
【0021】
第2の視座から、3つの特徴21、22および23の全ては11bからの入射光線を角度θへと拡散させて、検出器12bが(この概略的な表現の場合)中心のピークおよび中心から半径yの位置の第2ピークを有する3つの特徴の全てについて同じ強度分布を登録する。しかし視座aからは特徴23の異方性は明白である。これは角度θへと拡散し、中心から半径yの位置に側面ピークを形成し、一方、特徴21および22は角度θへと拡散する光線により半径yの位置で側面のピークを形成し続ける。
【0022】
図3を参照すると、本発明によって企図されたフーリエ・ドメイン内の三次元イメージングのための方法および装置を使用する多次元イメージング・システム200の高レベルのブロック図が概略的に例示されている。多次元イメージング・システム200は平行化された光源11、オプションのアパーチャ14、オプションの空間フィルタ42、オブジェクト領域9、少なくとも1つのレンズまたはこれと同類の光学系9、少なくとも1つの検出器12、およびコンピュータ113を含んでいる。実施形態の一例では、コンピュータ113は空間周波数分布マッパ48として機能する従来設計のコンピュータ・プログラム48と、二次元フーリエ変換から三次元画像または相関関数を生成するための画像分析アルゴリズム52とを含むパーソナル・コンピュータまたはワークステーションを備えるものでよい。平行化された光源11はオプションの空間フィルタ42によってフィルタリングされるほぼ平行な光線32を発生する。フィルタリングされた光線34はオブジェクト領域9を照射する。透過光線36はオブジェクト領域を透過し、レンズ13を通過する。レンズ13は背面の光線38を背面焦点面へと透過させて、フーリエ面内に位置する検出器12に当たるようにする。情報50はコンピュータ113と検出器12の間で伝達される。検出器12は例えば有利には、例えばCCDまたはCMOSソリッドステート画像センサ、検出器アレイなどのような画像センサを備えていてもよい。
【0023】
図4を参照すると、本発明によって企図されたフーリエ・ドメイン内で三次元イメージングするためのシステムを利用した光学トモグラフィー・システムの例示が概略的に示されている。光学トモグラフィー(OT)システム100は一実施形態ではオブジェクト収容管2の周囲に位置する再構成シリンダ12を含んでいる。オブジェクト収容管2は例えば細胞収容管からなるものでよく、細胞1は光学トモグラフィー・システムの種類に応じてゲル、または細胞を流すための毛細管内に保持される。
【0024】
OTシステム100はX、YおよびZ方向に座標を有する座標系40を基準として配位されている。動作時には、例えばヒトの細胞を含む細胞のような関心の対象であるオブジェクト1がオブジェクト収容管2内に保持され、またはこれを通って流れる。線15および16はコンピュータとOTシステム100との間でデータ、画像情報、制御信号およびその他の信号を通信するOTシステム100とコンピュータ113との間の通信および制御線を表すことが理解されよう。再構成シリンダ12は有利には、図2を参照して説明したように、フーリエ変換を利用した多次元イメージングのためのシステムを備えていてもよい。再構成シリンダ12からの信号は、細胞またはその他の関心の対象であるオブジェクトに関する二次元または三次元情報を提供するために直接分析されてもよく、または公知の画像処理、画像分析および/またはコンピュータを利用したトモグラフィー画像再構成技術を利用して処理されてもよい。
【0025】
別の実施形態では、オブジェクト領域を出る光線のフーリエ変換の近似が背面焦点面に形成されるように、オブジェクト領域は少なくとも1つのレンズまたはこれと同類の光学系とその背面焦点面との間に配置されることができる。この近似フーリエ変換は、集束光線の最大角(すなわち光学系の開口率)、(拡散される入射光線に対して測定された)関心の対象の最大拡散角、およびオブジェクト領域の厚みが、(拡散を生ずる光線に対する)個々の角度で拡散する全ての光線が単一の検出器素子に到達できるようにするのに充分小さいことを条件として、正確なフーリエ変換と等価であると見なすことができる。
【0026】
さらに別の実施形態では、オブジェクト領域の自己相関関数および相互相関関数を生成するためにパーセバルの定理を適用することができる。自己相関関数を生成するには、少なくとも1つの光学素子の背面焦点面内の光線の強度|F(g)|を測定するだけで充分である。相互相関関数を生成するには、異なるオブジェクトから得られた回折パターンから形成されたマスクを少なくとも1つの光学素子の背面焦点面に配置することができる。
【0027】
特許法を遵守し、本発明の新規の原理を適用し、必要に応じて、そのような例示的具体的な諸構成要素を構築し使用するように必要な情報を当業者に提供するために、これまで本明細書で本発明をかなり詳細に説明してきた。しかし、本発明は特定の異なる装置およびデバイスおよび再構成アルゴリズムによって実施してもよく、また装置の細部および動作手順の双方について、本発明の真の趣旨および範囲から離れることなくさまざまな修正を達成できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】フーリエ・スライスの定理を示す図面である。
【図2】本発明の実施形態によって企図される三次元イメージング・システム内のオブジェクト領域を通過し、異なる2つの視座から出入りする光線を概略的に例示した図面である。
【図2A】本発明の実施形態によって企図される図2のオブジェクト領域のより詳細な図面を示す概略図である。
【図3】本発明によって企図されるフーリエ・ドメイン内での三次元イメージングのための方法および装置の高レベルのブロック図を概略的に例示した図面である。
【図4】本発明によって企図されるフーリエ・ドメイン内の三次元イメージングのためのシステムを使用した光学トモグラフィー・システムを概略的に例示したシステムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト領域(9)の多次元イメージング方法であって、
a)オブジェクト領域(9)に光線を透過させて透過光線(36)を生成する工程と、
b)背面焦点面を有する少なくとも1つの光学素子(13)によって前記透過光線(36)を捕える工程と、
c)前記少なくとも1つの光学素子(13)の背面焦点面に位置する少なくとも1つの検出器(12)を使用して、二次元フーリエ変換のパワースペクトルを捕える工程と、
d)前記オブジェクト領域(9)を少なくとも部分的に囲む円弧の周囲の2つ以上の視座で工程a)〜c)を反復して、複数の二次元フーリエ変換を獲得する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記複数の二次元フーリエ変換の1つまたは複数から少なくとも1つの関心の対象である特徴(21、22、23)を抽出するために、画像分析コンピュータ・アルゴリズム(52)を使用する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光学素子(13)はレンズと反射面とからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
光源(11)と前記オブジェクト領域(9)との間の光路内に配置された空間フィルタ(42)を通して光線を透過させる工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光学素子(13)によって捕らえられる前記透過光線(36)は前記少なくとも1つの光学素子(13)を透過する前に前記オブジェクト領域(9)を通して透過される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記光線(36)は前記少なくとも1つの光学素子(13)を透過した後に前記オブジェクト領域(9)を通過する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
三次元フーリエ変換を作成するために複数の二次元フーリエ変換(48、52)を再構成する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記三次元フーリエ変換から少なくとも1つの関心の対象である特徴(21、22、23)を抽出するために、画像分析コンピュータ・アルゴリズム(52)を使用する工程をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オブジェクト領域(9)と以前に検査されたオブジェクト領域(9)との相互相関関数を構成するためにマスクと画像分析アルゴリズム(52)とを使用する工程をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記オブジェクト領域(9)の自己相関関数を構成するために画像分析アルゴリズム(52)を使用する工程をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記以前に検査されたオブジェクト領域(9)は細胞(1)を含む請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記以前に検査されたオブジェクト領域(9)は人工的に生成された幻像を含む請求項9に記載の方法。
【請求項13】
オブジェクト領域(9)の多次元イメージングのためのシステムであって、
光源(11)と、
少なくとも1つの関心の対象である特徴(21、22、23)を含む、前記光源(11)によって照射される光路内に配置された前記オブジェクト領域(9)と、
前記オブジェクト領域(9)を通過する光線を受けるために前記光路内に配置された少なくとも1つの検出器(12)と、
レンズの背面焦点面内にフーリエ面が作成されるように、前記オブジェクト領域(9)と前記フーリエ面内に配置された少なくとも1つの検出器(12)との間の光路内に配置された少なくとも1つのレンズ(13)と、を備え、
前記光源(11)、前記少なくとも1つの検出器(12)、および前記少なくとも1つのレンズ(13)は、(n+1)次元データセット(ただしnは1以上)を構成するために使用される複数の空間周波数分布を備えることによってn次元フーリエ変換を(n+1)次元フーリエ変換として再構成できるように、各ビューで前記少なくとも1つの関心の対象である特徴(21、22、23)の少なくとも1つのn次元空間周波数分布をマッピングするための前記オブジェクト領域(9)の複数のビューを提供するように配置されているシステム。
【請求項14】
前記光源(11)はレーザーを含む請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記光源(11)と前記オブジェクト領域(9)との間の光路内に配置された空間フィルタ(42)をさらに備える請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記光源(11)と前記オブジェクト領域(9)との間の光路内に配置されたアパーチャ(14)をさらに備える請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの検出器(12)はCCD、CMOS、ソリッドステート画像センサおよびソリッドステート画像センサ検出器アレイを備える請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの関心の対象である特徴(21、22、23)を有する関心の対象であるオブジェクトをイメージングするための平行ビーム光学トモグラフィー・システムであって、
光路に沿って光の円柱を投射するための光源(11)と、
前記光路内に位置し、前記関心の対象であるオブジェクト(1)が内部に保持されるオブジェクト収容管(2)と、
前記関心の対象であるオブジェクト(1)から発する放射線を受けるように配置された少なくとも1つの検出器(12)と、
レンズの背面焦点面内にフーリエ面が作成されるように、前記関心の対象であるオブジェクト(1)と前記フーリエ面内に配置された前記少なくとも1つの検出器(12)との間の光路内に配置された少なくとも1つのレンズ(13)と、を備え、
前記光源(11)、前記少なくとも1つの検出器(12)、および前記少なくとも1つのレンズは、(n+1)次元データセット(ただしnは1以上)を構成するために使用される複数の空間周波数分布を備えることによってn次元フーリエ変換を(n+1)次元フーリエ変換として再構成できるように、各ビューで前記少なくとも1つの関心の対象である特徴(21、22、23)の少なくとも1つのn次元(n>1)空間周波数分布をマッピングするための前記オブジェクト領域(9)の複数のビューを提供するように配置されているシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの検出器(12)はCCD、CMOS、ソリッドステート画像センサおよびソリッドステート画像センサ検出器アレイからなる群から選択される検出器を備える請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記関心の対象であるオブジェクト(1)は細胞(1)を含む請求項18に記載の平行ビーム光学トモグラフィー・システム。
【請求項21】
前記光源(11)はレーザーを含む請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記光源(11)と前記オブジェクト領域(9)との間の前記光路内に配置された空間フィルタ(42)をさらに含む請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記平行化された光源(11)と前記オブジェクト領域(9)との間の前記光路内に配置されたアパーチャ(14)をさらに含む請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−508363(P2006−508363A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557281(P2004−557281)
【出願日】平成15年11月25日(2003.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/037622
【国際公開番号】WO2004/051564
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(503351962)ヴィジョンゲイト,インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】