説明

ブドウ果房の育成方法及び電照装置

【課題】 ブドウの施設栽培における電照効果をより高めるために、ブドウ果房によって果粒の肥大する程度にばらつきが生じないようなブドウ果房の育成方法を提供することである。
【解決手段】 ブドウ樹の主幹11から分岐する一対の主枝12a,12bを平行に伸ばし、互いに対向する一対の主枝12a,12bから相手側の主枝に向かってそれぞれ新梢13a,13bを伸ばして整枝したブドウ棚10の下方であって、一対の主枝12a,12bの中間位置に帯状の電照装置20を主枝12a,12bとほぼ平行に配置し、電照装置20に配列されたLED21から一対の主枝12a,12b間に伸びる新梢13a,13bに向かって光を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブドウ果房の育成方法及び電照装置に係り、特に果粒の肥大に極めて効果的に作用する育成方法及び電照装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブドウの施設栽培における電照効果については、夜間での電照がブドウ果房の果粒の肥大に効果的であることが知られている(非特許文献1)。
【0003】
一般に、人工の光を利用して植物を育成する場合は、生産物である植物体に光を直接照射して生産や品質の向上を図ることから、ブドウの電照栽培においても光の照射をブドウ果房に対して直接行う必要があると考えられていた。そこで、従来にあっては、例えば、図8に示したように、長梢剪定したブドウ棚1の下方に蛍光灯2や発光ダイオード(以下、LEDという。)などの光源を適当な間隔で設置し、深夜帯に2〜3時間、概ね満開時から約40日間ブドウの棚面を照射することで、ブドウ果房3の果粒の肥大を図る試みがなされていた。
【0004】
しかしながら、上記したような電照栽培では、ブドウ果房3を含むブドウの棚面全体に均一に光を照射する必要があることから、蛍光灯2の設置位置や設置角度、設置数量などの選択が難しく、特に、LEDのような小さな光源を用いる場合は、多数の光源をブドウの棚面に向けて密に配置する必要がある。そして、仮に棚面全体に均一に光が照射されない場合にはブドウ果房の位置によって果粒の肥大する程度にばらつきが生じるといった問題があった。また、多数の光源を配置する必要があることから、電力消費コストが掛かると共にブドウ棚下での作業の邪魔になるといった問題もあった。
【0005】
そこで本発明者らは、従来のブドウ栽培における電照が、夜間の2〜3時間、しかも1.0〜1.5μmol・m−2・s−1と微量な照射条件であるにもかかわらずブドウ果房の果粒重量が増加することに注目し、配置する光源の数を極力抑えると共に、実用上十分な果粒重量の増加が得られるようなブドウ果房の育成方法を見い出した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】山梨県総合理工学研究機構研究報告書 第4号 「LEDによる夜間電照がブドウの果粒肥大に及ぼす影響」P29〜P34 編集・発行山梨総合理工学研究機構 2009年7月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ブドウの施設栽培における電照効果をより高めるために、ブドウ果房によって果粒の肥大する程度にばらつきが生じないようなブドウ果房の育成方法を提供することである。また、本発明は、光源の数を抑えることで電力消費コストを軽減すると共に作業の邪魔にならないようなブドウ果房の育成方法を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、ブドウ果房を育成する際に、少ない光源で効率的に照射できる電照装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係るブドウ果房の育成方法は、ブドウ樹の主幹から分岐する一対の主枝を平行に伸ばし、互いに対向する一対の主枝から相手側の主枝に向かってそれぞれ新梢を伸ばして整枝したブドウ棚の下方であって、一対の主枝の中間位置に光源を配置し、一対の主枝間に伸びる新梢に向かって光を照射するものである。
【0010】
前記一対の主枝の中間位置に配置された光源は、一対の主枝とほぼ平行に配列された複数の発光ダイオードからなり、これらの発光ダイオードは、波長660nm付近に発光のピークを有する赤色発光ダイオードが望ましい。
【0011】
また、本発明に係る電照装置は、複数の光源と、これら複数の光源を同一面上で所定間隔毎に配置する帯状の光源ホルダと、この光源ホルダを吊下げるハンガーとを備える。
【0012】
前記光源ホルダはハンガーに係合した状態で支持されているのが望ましい。係合手段としては、光源ホルダ側にハンガーと係合する溝部が設けられている場合と、ハンガー側に光源ホルダと係合する突起が設けられる場合とがある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るブドウ果房の育成方法によれば、平行整枝仕立てした一対の主枝の中間位置に光源を配置し、この光源から一対の主枝間に伸びる新梢に向かって直接光を照射するようにしたので、一対の主枝間に伸びる新梢全体が均一に照射されることになり、ブドウ果房の位置によって果粒の肥大する程度にばらつきが出るといったことがない。
【0014】
また、本発明に係るブドウ果房の育成方法によれば、平行整枝仕立てした一対の主枝の中間位置に配置した光源から一対の主枝間に伸びるほとんど全ての新梢に光が照射されるので、結果的に配置する光源の数を減らすことができ、電力消費コストの軽減につながる。
【0015】
また、本発明に係るブドウ果房の育成方法によれば、平行整枝仕立てした一対の主枝の中間位置に光源を整然と配置することで、光源がブドウ棚下での作業の邪魔になるようなことがない。
【0016】
一方、本発明に係る電照装置によれば、複数の光源が帯状の光源ホルダに同一面上で所定間隔毎に配置されるので、この電照装置をブドウ棚の下方に配置する際、光源が配置された光源ホルダの一面をブドウ棚に対向させることで、一対の主枝間に伸びる新梢全体を均一に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明において平行整枝仕立てしたブドウ棚の下方に電照装置を設置した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のブドウ棚を上から見た平面図である。
【図3】図1のブドウ棚を横から見た側面図である。
【図4】本発明に係る電照装置の一実施例を示す斜視図である。
【図5】図4に示した電照装置の正面図である。
【図6】図4に示した電照装置を使用する際の正面図である。
【図7】本発明の実施例3の実験用ブドウ棚を示す平面図である。
【図8】従来における電照栽培の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて本発明に係るブドウ果房の育成方法の実施形態を詳細に説明する。図1乃至図3には、平行整枝仕立てによるブドウ棚10と、このブドウ棚10の下方に配置され棚面15に向けて光を照射する電照装置20が示されている。平行整枝仕立ては、地面から真っ直ぐに伸びるブドウ樹の主幹11から一対の主枝12a,12bを分岐し、この分岐した一対の主枝12a,12bを平行に伸ばし、一対の主枝12a,12bから対向する相手側の主枝12b,12aに向けて新梢13a,13bを伸ばして整枝する仕立て法である。一対の主枝12a,12b間にはそれぞれの新梢13a,13bが相手側の主枝12a,12bに向かって互い違いに伸びている。
【0019】
前記ブドウ棚10は、縦横の支線14を格子状に編んで水平の棚面15を形成しており、この棚面15に沿って、主枝12a,12b及び新梢13a,13bがそれぞれ伸びている。新梢13a,13bは、一対の主枝12a,12bの伸びる方向とほぼ直角の方向に伸び、支線14で組まれた棚面15に沿ってほぼ真っ直ぐ伸びながら他方側の主枝12a,12bの付近まで達する。前述したように、それぞれの新梢13a,13bが互い違いに延びるように、主枝12b,12aから伸びる新梢13a,13bの位置が少しずつずれている。なお、各新梢13a,13bの3〜4節目付近にブドウ果房16を着生させる。
【0020】
本発明では平行整枝仕立てしたブドウ棚10の下方に電照装置20が配置される。この電照装置20は、図1乃至図6に示されるように、帯状に形成された光源ホルダ22と、この光源ホルダ22の上面22aに一定間隔毎に一列に配置された複数の光源21と、光源ホルダ22をブドウ棚10の支線14に吊下げるハンガー23とを備えたものである。
【0021】
帯状に形成された光源ホルダ22の長さはブドウ棚10に対応しており、ブドウ棚10の長さに応じて一本の光源ホルダのみを設置することもでき、また二本以上の光源ホルダを連結して設置することもできる。このように、光源ホルダ22が帯状に形成されることから、その取扱いの容易性を考慮して柔軟性のある素材で作られるのが望ましく、例えばウレタンや発泡スチロールなどが用いられる。この実施形態において光源ホルダ22は上面22a、下面22b及び両側面22c,22dを有する断面矩形状の四角柱のものである。そして、上述したように上面22aには、光源としてのLED21が一定間隔毎に複数配置され、また図4に示すように、光源ホルダ22の両側面22c,22dの上部にはハンガー23と係合する一対の三角溝26a,26bがそれぞれ形成されている。なお、この三角溝26a,26bは、ハンガー23に支持される箇所に設けられる。
【0022】
LED21は砲弾型タイプのLED又は表面実装型タイプのLEDのいずれでも用いることができるが、いずれのタイプのLEDも波長660nm付近に発光のピークを有する赤色LEDが望ましい。これは、赤色光を感じる植物の光受容体(フィトクロム)が波長660nm付近の光を受容し、植物にさまざまな質的変化をもたらすことが知られており、ブドウ果房の果粒肥大にも良い影響を与えるものと考えられるからである。隣接するLED21同士の間隔は適宜選択されるもので、特に制約を受けるものではない。また、この電照装置20では光源ホルダ22に配列された全てのLED21が同時に点灯するように接続されており、タイマーによって点灯時間が制御される。なお、ブドウ果房の成長と共に、点灯開始時間や点灯継続時間を変更できるよう予め設定することも可能である。
【0023】
ハンガー23は、光源ホルダ22を支持するためのフレーム部24と、このフレーム部24の上方に一体に延びるフック部25とで構成され、フック部25をブドウ棚10の支線14に引っ掛けることで光源ホルダ22を吊下げ支持する。このハンガー23は、アルミニウムやプラスチックなどの軽い素材により線状に加工されたもので、フレーム部24に弾性を付与している。
【0024】
この実施形態において、フレーム部24は左右の側辺部27a,27bと、各側辺部27a,27bから内側にそれぞれ延びる一対の底辺部28a,28bとで略三角形状に形成されている。一対の底辺部28a,28bは近接配して配置、それぞれの先端には上方にほぼ直角に折曲がる突起29a,29bが設けられている。左右一対の突起29a,29b間の距離は光源ホルダ22の底面22bの横幅とほぼ一致しており、光源ホルダ22の底面22bをフレーム部24の底辺部28a,28b上に載置した時に、光源ホルダ22の両側面22c,22dの下部に前記突起29a,29bが係合することで、光源ホルダ22の姿勢を保持することができる。また、前述したように、光源ホルダ22の両側面22c,22dの上部に形成された三角溝26a,26bにフレーム部24の側辺部27a,27bの一部を係合させることで、光源ホルダ22の上部もハンガー23に拘束されることになり、より一層光源ホルダ22の姿勢安定性が増すことになる。
【0025】
図6は光源ホルダ22をハンガー23で支持する際の一例を示したものである。ハンガー23のフレーム部24が弾性を有していることから、このフレーム部24を左右に押し広げ、光源ホルダ22の上からハンガー23の底辺部28a,28bを嵌め入れたのち、フレーム部24を元に戻すことで、図4及び図5に示したような姿勢で光源ホルダ22を支持することができる。
【0026】
上記構成からなる電照装置20は、ハンガー23で光源ホルダ22を適当な間隔で支え、一対の主枝12a,12bの中間位置でブドウ棚10の支線14にフック部25を引っ掛けることで、ブドウ棚10の下方に吊下げられる。その際、ハンガー23を一対の主枝12a,12bに沿って吊下げることで、帯状の電照装置20が主枝12a,12bとほぼ平行に配設される。また、光源ホルダ22の両側面22c,22dの上部及び下部がそれぞれハンガー23と係合することで、光源ホルダ22の上面22aが常に上向きに保持されるため、光源ホルダ22に配置された全てのLED21を棚面15と対向する。電照装置20は、平行整枝仕立てによる主枝12a,12bの中間位置において、主枝12a,12bとほぼ平行に一列だけ配設することが基本であるが、主枝12a,12b間の間隔幅に応じて複数列横に並べて配設することもできる。また、棚面15から電照装置20までの距離は、電照栽培による効果が得られるような寸法であれば特に制約されない。概ね1.0μmol・m−2・s−1以上の光量子束密度を得られることが望ましく、赤色のLED21を用いる場合、棚面15から約30cmの位置に電照装置20を配設することで上記の光量子束密度が得られる。
【0027】
図3にはブドウ棚10の下方に配設された電照装置20から棚面15に向けて照射されるLED21の照射範囲が模式的に示されている。各LED21から発光された光は指向性を有しているので照射角度αが狭く、主枝12a,12b間の全域には及ばない。しかしながら、ブドウ果房16が着生する新梢13a,13bの3〜4節目付近には十分な照射がなされない反面、その部分を除いて主枝12a,12b間に伸びる新梢13a,13bの大部分を均一に照射することができる。
【0028】
このように、本発明では新梢13a,13bに着生するブドウ果房16に対して積極的に光を照射することなく、主枝12a,12b間に伸びる新梢13a,13bの葉や枝に対して積極的に光を照射することで果房の成長促進を図っている。積極的に葉や枝に照射した場合でも、葉がフィトクロムによる光の受容器官として重要な役割を果たすことで果房の成長が促進されると考えられる。
【実施例】
【0029】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されないことは勿論である。
【0030】
実施例1:光の照射によるブドウ果房の品質について
この実施例では、光の照射がブドウの品質、特に果粒重量にどのような影響を及ぼすのかについて実験した。実験に用いたブドウの品種は「ピオーネ」であり、無核栽培をしたものを使用した。12月に加温を開始し、4月下旬に収穫を開始する加温栽培である。試験区では平行整枝仕立てしたブドウ棚の下方に上述した電照装置20を配置し、満開期から40日間、深夜帯3時間、赤色LEDを照射した。一方、試験区と同様のブドウ棚に無照射の対照区を設けて比較した。
【0031】
表1に上記実施例1の実験結果を示す。この表1から明らかなように、ブドウ果房の平均果粒重量が無照射の対照区では平均9.8gであるのに対して、光を照射した試験区では13.0gと約30%増加した。また、平均果房重量も無照射の場合は平均314.3gであったのに対して、光を照射した場合には平均420.7gと約30%増加し、明らかに光の照射によってブドウ果房の果粒重量が増加することが分かった。
【0032】
【表1】

【0033】
実施例2:電照時におけるブドウ果房の遮光が果粒重量に及ぼす影響について
ブドウ果房に対する光の照射が果粒重量の増加に必要であるのかどうかを検討するため、光が透過しない袋をブドウ果房に被せた場合と被せない場合とで比較実験を行なった。ブドウ棚の下方に波長660nm付近で発光する赤色蛍光灯を配置し、試験区のブドウ果房とその周囲の新梢の葉に向けて光を照射した。光の照射はブドウの果粒の肥大初期から40日間、毎日深夜午後11時〜午前2時までの3時間行なった。なお、対照区は無照射の場合のブドウ果房の果粒重量の変化を見た。
【0034】
表2に上記実施例2における電照実験の結果を示す。平均果粒重量と最大果粒重量とを比較した場合、ブドウ果房に光が直接照射した試験区と、光を透過しない袋をブドウ果房に被せて光を遮断した試験区とではほとんど差が見られず、無照射である対照区とはその差が際立って大きいことが分かった。このような結果から、電照栽培によるブドウ果房の果粒肥大においては、ブドウ果房に対して光を直接照射する必要はなく、新梢に対して照射することで果粒の肥大効果が得られることが分かった。
【0035】
【表2】

【0036】
実施例3:新梢への光の照射がブドウ果房の果粒重量に及ぼす影響について
この実施例では平行整枝仕立てしたブドウ棚の新梢に対する電照装置の配置方法によって、果房の果粒重量に相違が見られるのかについて実験した。図7(A)は、平行整枝仕立てしたブドウ棚10に上述した電照装置20を配置したものである。この電照装置20は約6mの長さを有する帯状の光源ホルダ22に複数のLED21を一定間隔毎に配置したもので、一対の主枝12a,12bの中間位置において一対の主枝12a,12bとほぼ平行に、すなわち各新梢13a,13bと交差するように電照装置20が配置される。一方、図7(B)は、同様に平行整枝仕立てしたブドウ棚10に対して、上記と同様の電照装置20を主幹11の近傍において、新梢13a,13bと平行となるように配置したものである。電照装置20からの照射光が届く範囲を、図7(A)ではブドウ果房16を除く新梢13a,13bの大部分(白抜きしたS1部分)に設定し、図7(B)では水平距離で電照装置20から約50cm以内の新梢13a,13bとその新梢に着生したブドウ果房16のみ(白抜きしたS2部分)に設定し、それ以上の距離にある新梢及びブドウ果房には照射光が到達しない。なお、LED21は波長660nm付近に発光のピークを有するLED赤色光であり、果粒の肥大初期から40日間、毎日午後11時〜午前2時までの3時間連続的に照射した。
【0037】
表3に上記実施例3における比較実験の結果を示す。図7(A)で示した交差配置照射ではブドウ樹の主幹11から6m(電照装置20の長さに対応)の範囲にある新梢13a,13bに着生したブドウ果房16の果粒重量が12.3〜13.4gであるのに対して、図7(B)で示した平行配置照射では果粒重量が増加する範囲が電照装置から0.5mの光が到達する範囲に限定される。このような結果から、図7(A)に示したように、一対の主枝12a,12b間に延びる新梢13a,13bと交差するように電照装置20を配置し新梢13a,13bに向けて光を照射することで、ブドウ果房16の果粒の肥大効果が顕著に現れることが分かった。また、図7(A)に示したように、一対の主枝12a,12bの中間位置に一本の電照装置20を配設することで、光源としてのLED21の数量を抑えることができ、また一対の主枝12a,12b間に伸びる新梢13a,13bに着生するブドウ果房16の果粒重量を増大させることができる。
【0038】
【表3】

【0039】
上記の各実施例では、光源として波長660nm付近に発光のピークを有する砲弾型の赤色LEDを使用したが、表面実装型のチップLEDを利用することもできる。また、光源からの照射によって棚面で1.0μmol・m−2・s−1以上の光量子束密度を得ることができれば、棚面と光源との間の設置距離は任意であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 ブドウ棚
11 主幹
12a,12b 主枝
13a,13b 新梢
14 支線
15 棚面
16 ブドウ果房
20 電照装置
21 光源(LED)
22 光源ホルダ
22a 上面
22b 下面
22c,22d 両側面
23 ハンガー
24 フレーム部
25 フック部
26a,26b 三角溝
27a,27b 側辺部
28a,28b 底辺部
29a,29b 突起


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブドウ樹の主幹から分岐する一対の主枝を平行に伸ばし、互いに対向する一対の主枝から相手側の主枝に向かってそれぞれ新梢を伸ばして整枝したブドウ棚の下方であって、一対の主枝の中間位置に光源を配置し、一対の主枝間に伸びる新梢に向かって光を照射することを特徴とするブドウ果房の育成方法。
【請求項2】
前記一対の主枝の中間位置に配置された光源は、一対の主枝とほぼ平行に配列された複数の発光ダイオードからなる請求項1に記載のブドウ果房の育成方法。
【請求項3】
前記発光ダイオードは、波長660nm付近に発光のピークを有する赤色発光ダイオードである請求項2に記載のブドウ果房の育成方法。
【請求項4】
複数の光源と、これら複数の光源を同一面上で所定間隔毎に配置する帯状の光源ホルダと、この光源ホルダを吊下げるハンガーとを備えることを特徴とする電照装置。
【請求項5】
前記光源ホルダはハンガーに係合した状態で支持されている請求項4に記載の電照装置。
【請求項6】
前記光源ホルダは上面、下面及び両側面を有し、上部両側面にはハンガーと係合する溝部が設けられている請求項5に記載の電照装置。
【請求項7】
前記ハンガーは光源ホルダを支持する載置部と、この載置部の上方に延びるフック部とを備え、載置部には光源ホルダの下部両側面と係合する突起が設けられている請求項5に記載の電照装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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