ブラウン管の可搬式解体装置

【課題】従来の廃棄ブラウン管の処理装置は設備が大型となり、また、その作業も危険を伴なうばかりでなく、人力で容易に持ち運びできない。
【解決手段】本発明のブラウン管の可搬式解体装置は、ブラウン管を支持する支持台と、このブラウン管のパネル部分の外周を巻回する電熱線と、この電熱線の一端及び他端に接続するため上記支持台に設けた一方及び他方の電源端子と、上記電熱線に張力を加えるため上記支持台に設けたローラとより成ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はブラウン管の可搬式解体装置、特に、加熱処理を含むブラウン管の可搬式解体装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
図３において、１は従来既知のブラウン管１を示し、２はガラスから成る一般に矩形状のパネル、３はこのパネル２に接合された鉛を含むガラスから成る漏斗状のファンネル、４はそのネック部を示す。
【０００３】
従来、このようなブラウン管からパネル２を解体して取り出し再生使用する方法としては、特許文献１に示されるようにブラウン管をパネル前面と平行な面に沿って切断してパネルを取り出す方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−１９２４７５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
然しながら、このような方法では設備が大型となり、また、その作業も危険を伴なうばかりでなく、人力で容易に持ち運びできない。
【０００６】
本発明は、上記の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明のブラウン管の可搬式解体装置は、ブラウン管を支持する支持台と、このブラウン管のパネル部分の外周を巻回する電熱線と、この電熱線の一端及び他端に接続するため上記支持台に設けた一方及び他方の電源端子と、上記電熱線に張力を加えるため上記支持台に設けたローラとより成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明のブラウン管の可搬式解体装置によれば、ブラウン管のファンネルからパネルを極めて簡単に解体して取り出すことができ、また、この解体装置は可搬式で極めて容易に移動でき、かつ容易に取り扱かうことができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明のブラウン管の可搬式解体装置の正面図である。
【図２】図１に示す解体装置の平面図である。
【図３】従来のブラウン管の平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【実施例１】
【００１１】
本発明においては、図１及び図２に示すように、ブラウン管１を支持する支持台５と、このブラウン管１のパネル２部分の外周を巻回する電熱線６と、この電熱線６の一端及び他端に接続するため上記支持台５に設けた一方の及び他方の電源端子７及び８と、上記電熱線６に張力を加えるため上記支持台５によって支持したローラ９とによりブラウン管の可搬式解体装置を構成せしめる。
【００１２】
本発明のブラウン管の可搬式解体装置によれば、支持台５を解体処理すべきブラウン管１の位置に移動し、ブラウン管１の外周におけるパネル２部分の外周に電熱線６として直径１．５ｍｍのステンレス鋼線を巻き、この電熱線６に電源端子７と８から２０ボルトの電圧を９０秒間印加して所望の電流を流せば、これによって電熱線６が発熱し、ブラウン管１のパネル２の外周の温度が上がり、ガラス表裏面の熱応力によりブラウン管１のパネル部分に機械的衝撃を加えれば、極めて簡単、容易にパネル２をファンネル３から分離、回収できるようになる。
【００１３】
電熱線６の直径は、パネル外周に巻回する取扱い性を考慮すると、例えば１．０〜２．０ｍｍとすることがよい。
【００１４】
また、電熱線６に印加する電圧は、好適には１５〜２５ボルトの範囲で、６０〜２００秒間の処理を行うことがよい。
【符号の説明】
【００１５】
１ブラウン管
２パネル
３ファンネル
４ネック部
５支持台
６電熱線
７電源端子
８電源端子
９ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項１】
ブラウン管を支持する支持台と、このブラウン管のパネル部分の外周を巻回する電熱線と、この電熱線の一端及び他端に接続するため上記支持台に設けた一方及び他方の電源端子と、上記電熱線に張力を加えるため上記支持台に設けたローラとより成ることを特徴とするブラウン管の可搬式解体装置。

【図１】