ブラシロール
【課題】製造工程を少なくすることで、製造コストの低減を図ることができ、廃棄時の分解が容易で環境にやさしいブラシロールを提供する。
【解決手段】被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為のブラシロール１において、該ブラシロール１は台座２と、ブラシ片４と、芯線５とを備え、前記台座２は螺旋状に溝部３が形成されてあり、該溝部３と前記芯線５とに前記ブラシ片４が挟み付けられて形成されてある。
【解決手段】被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為のブラシロール１において、該ブラシロール１は台座２と、ブラシ片４と、芯線５とを備え、前記台座２は螺旋状に溝部３が形成されてあり、該溝部３と前記芯線５とに前記ブラシ片４が挟み付けられて形成されてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシとして適用されるブラシロールに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のブラシロールに使用されるブラシ片としては、帯状をなす基材の上に複数本のパイル糸が植毛され、このパイル糸を位置決めするための一対のガイド突条が所定の間隔をおいて基材の長手方向へ互いに平行に延びるように突設されたものがある（特許文献１、特許文献２）。
また、ブラシロールとして、円筒コア管の外表面に軸方向に複数のアリ溝が円周方向に所定間隔を存して凹設され、このアリ溝にブラシの基部を把持すると共に、このアリ溝の形状に合致するアリ状のチャンネルが嵌装、固定されたものがある（特許文献３）。
また、金属製の帯状の薄板を断面コ字状に折り曲げたチャンネル材に、毛材と芯線とを押し込んで形成されたチャンネルブラシを金属パイプの外周に巻き付けたものがある（特許文献４）。
さらに、合成樹脂チャンネルの開口側へブラシ用合成樹脂繊維の根元部を挿入した後、合成樹脂チャンネルの外側から根元部を加熱加圧し、根元部と合成樹脂チャンネルとを固着してブラシ材を成形し、このブラシ材を用いて、直線状ブラシ材、スパイラル状ブラシ材又は環状ブラシ材を成形した後、このブラシ材を軸に固定したものがある（特許文献５）。
【０００３】
【特許文献１】特開２００４−２０２１８３号公報
【特許文献２】特開２００３−３２８６６０号公報
【特許文献３】特開２００２−２０５２７７号公報
【特許文献４】特開２００７−１０５１０６号公報
【特許文献５】特開２００７−５４６１４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記従来の特許文献１及び特許文献２に記載された技術では、ブラシ材にチャンネル材を用いていないので、基材に一対のガイド突条を設けなければならず、製造工程が多くなり、コスト高となっていた。また、特許文献３〜５に記載されたチャンネル材を用いたブラシ材では、チャンネル材の成形加工の際に油分を必要とし鉄粉も発生するため、被加工物が汚れたり、傷が付く可能性がある。また、軸体にチャンネル材を溶接して固定する必要があるため、製造工数がかかり、コスト高となっていた。さらに、金属のチャンネル材で、合成樹脂毛がカシメ固定されている為、分解が困難であり、廃棄時に分別が出来ず、産業廃棄物として処理されていた。また、特許文献４に記載された金属製のチャンネル材を螺旋状に巻き付ける加工には特殊な工具が必要となり、コスト高となっていた。さらに、特許文献５に記載された合成樹脂製のチャンネルを有するブラシ材も根元部を加熱加圧する工程が必要となり、コスト高となっていた。
【０００５】
本発明は上記点に鑑み、製造工程を少なくすることで、製造コストの低減を図ることができ、廃棄時の分解が容易で環境にやさしいブラシロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１の発明は、被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為のブラシロールにおいて、該ブラシロールは台座と、ブラシ片と、芯線とを備え、前記台座は螺旋状に溝部が形成されてあり、該溝部と前記芯線とに前記ブラシ片が挟み付けられて形成されてあることに特徴を有する。したがって、台座の螺旋状の溝部にブラシ片を挿入すると共に芯線でブラシ片の端部を押さえて固定することによってブラシロールを簡易に製作することができることから、製造コストの低減を図ることができる。また、台座とブラシ片とを簡易に分離させることができ、環境にやさしいブラシロールを提供することができる。
【０００７】
請求項２の発明は、請求項１のブラシロールにおいて、台座に形成された螺旋状の溝部は、断面コ字状の長尺な帯状体が螺旋状に台座表面に固着されて形成されてあることに特徴を有する。したがって、断面コ字状の長尺な帯状体を螺旋状に台座表面に固着するだけで、容易に螺旋状の溝部を形成することができることから、台座の製造コストの低減を図ることができる。
【０００８】
請求項３の発明は、請求項１又は２のブラシロールにおいて、ブラシ片は、多数の繊維を配列して積層した帯板状体にて形成されてあると共に、前記帯板状体は、前記多数の繊維が接合部にて連続的に接合されてあることに特徴を有する。したがって、連続的に接合されてあるブラシ片を予め製作しておけば、さらに簡易にブラシロールを製作することができることから、製造コストの低減を図ることができる。
【０００９】
請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれかのブラシロールにおいて、台座表面には、芯線の端部を係止する芯線係止部が形成されてあることに特徴を有する。したがって、芯線の端部を係止することによって、ブラシ片は台座の溝部に確実に固定される。また、廃棄時には、芯線係止部から芯線の係止を解除することによって、台座とブラシ片とを簡易に分離させることができ、環境にやさしいブラシロールを提供することができる。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１〜４の発明により、ブラシロールを簡易に製作することができることから、製造コストの低減を図ることができる。また、台座とブラシ片とを簡易に分離させることができることから、環境にやさしいブラシロールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明に係るブラシロールの第一実施形態を示す斜視図である。この図に示すように、ブラシロール１は、円筒形状の台座２の周面に形成された螺旋状の溝部３に挟まれるようにブラシ片４が挿入されている。また、ブラシ片４の下端は、芯線５と溝部３との間に挟み付けられている。この芯線５は、溝部３の螺旋状に沿って配設されており、ブラシ片４を台座２に固定している。尚、芯線５の両端部には、芯線係止部６が形成されており、この芯線係止部６に芯線５の端部が係止されているので、ブラシ片４が台座２から脱落することはない。また、ブラシ片交換時やブラシロール廃棄時には、芯線係止部６から芯線５の係止を解除して、芯線５を螺旋状の溝部３に沿って上方に引っ張ることによって、ブラシ片４を台座２から簡易に外すことができる。したがって、分別して廃棄することが容易にでき、環境にやさしいブラシロール１となっている。尚、ブラシ片４の両端部にはブラケット１２が設置されており、このブラケット１２によって、使用時にブラシ片４が抜け落ちてくるのを防いでいる。このブラケット１２は、芯線通し穴１２ａに芯線５を通した後、芯線係止部６のネジ１３に芯線５の端部を係止し、さらに、ネジ１３によって、ブラケット１２を台座２に固定している。
【００１２】
図２は、本発明の第一実施形態に使用される台座を示す斜視図である。この台座２は、軸体２ａの周面に螺旋状に壁片２ｂが溶接されて溝部３が形成されている。尚、壁片２ｂは、軸体２ａに溶接する以外に、軸体２ａを切削加工して壁片２ｂを形成することも採用できる。また、軸体２ａの両端部は図示しない回転駆動体に連結されるようになっている。
【００１３】
図３は、本発明の第二実施形態に使用される台座を示す斜視図である。この台座７は、軸体７ａの周面に螺旋状に断面コ字状の長尺な帯状体８が溶接されて溝部３ａが形成されている。また、軸体７ａの両端部は図示しない回転駆動体に連結されるようになっている。
【００１４】
図４は、本発明の第一実施形態及び第二実施形態のブラシロールを示す断面図である。図４（ａ）に示す第一実施形態では、軸体２ａに螺旋状に形成された溝部３の壁片２ｂにブラシ片４の側部が挟まれ、且つ、芯線５と溝部３の底部との間にブラシ片４の端部が挟まれている。また、図４（ｂ）に示す第二実施形態では、軸体７ａに螺旋状に形成された溝部３ａの帯状体８にブラシ片４の側部が挟まれ、且つ、芯線５と帯状体８の底部との間にブラシ片４の端部が挟まれている。
【００１５】
図５は、本発明に使用されるブラシ片の一例を示す斜視図である。先ず、図５（ａ）に示すように、ブラシ片４は、多数の繊維９を帯板状に並べて帯板状体１０を形成する。次に、図５（ｂ）に示すように、帯板状体１０の中央部分を溶着して溶着部１１を形成するのである。この溶着部１１は多数の繊維９が接合されているので、帯板状体１０はバラバラに毛が抜けることがない。したがって、この状態で量産することができ、図５（ｃ）に示すように、帯板状体１０の長手方向をロール状に巻いて一つのユニットとしてブラシ片４をブラシロール１の製造に適用することができるのである。
【００１６】
図６は本発明に使用されるブラシ片の他の製造方法を示す正面図である。このブラシ片１４は、先ず、所望の太さにまとめた長尺の繊維束１５を、蛇行状に折曲させて、ブラシ毛の毛丈の略２倍の横幅寸法の帯板状体１６とする。次に、両縁部を仮止め糸１７、１７によって固定する。次に、中央部を一端から他端に亘って溶着するのである。これによって、中央部に溶着部１８が形成され、蛇行状に折曲させられた長尺な繊維束１５は解けることがなくなり、帯板状体１６として固定される。そして、折曲部近傍をカットすることによって、図５（ｃ）で示したブラシ片４と同様のブラシ片となるのである。
【００１７】
ここで、ブラシ片は使用する目的に応じて、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリカーボネイト系繊維に代表されるポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウレタンゴム系繊維、アクリル系繊維、熱可塑性ポリビニルアルコール系繊維、熱可塑性フッ素系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール（PBO）繊維等の材質の中から、選定して使用する。また、抗菌繊維、微生物分解性繊維、発色性繊維、蛍光繊維、蓄光繊維、高強度繊維、静電性繊維、制電性繊維、伸縮性繊維、熱融着繊維、弾性繊維等の材質の中から、選定して使用する。さらにまた、上記以外にも、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、セラミック等の繊維、前記材質の合金の繊維、天然繊維、化学繊維、天然樹脂発泡体、合成樹脂発泡体、天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムからなる繊維等の材質の中から、選定して使用できる。また、前記繊維は極細繊維の形態も設定できる。
【００１８】
また、上述した溶着部の形成方法としては、超音波溶着、熱溶着、レーザー波溶着、電磁波溶着、高周波溶着等の様々な溶着方法が適用でき、帯板状体の中央部又は端部に関わらず、帯板状体を形成している多数の繊維を互いに接合可能であるならば、如何なる溶着部の形態も採用できる。また、溶着以外にも縫製、接着を採用することもできる。
【００１９】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態をとることができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明のブラシロールは洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシとして使用する。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明に係るブラシロールの第一実施形態を示す斜視図。
【図２】第一実施形態に使用される台座を示す斜視図。
【図３】第二実施形態に使用される台座を示す斜視図。
【図４】第一実施形態及び第二実施形態のブラシロールを示す断面図。
【図５】本発明に使用されるブラシ片の一例を示す斜視図。
【図６】本発明に使用されるブラシ片の他の製造方法を示す正面図。
【符号の説明】
【００２２】
１ ブラシロール
２、７ 台座
２ａ、７ａ 軸体
２ｂ 壁片
３、３ａ 溝部
４、１４ ブラシ片
５ 芯線
６ 芯線係止部
８ 帯状体
９ 繊維
１０、１６ 帯板状体
１１、１８ 溶着部
１２ ブラケット
１２ａ 芯線通し穴
１３ ネジ
１５ 繊維束
１７ 仮止め糸
【技術分野】
【０００１】
本発明は、洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシとして適用されるブラシロールに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のブラシロールに使用されるブラシ片としては、帯状をなす基材の上に複数本のパイル糸が植毛され、このパイル糸を位置決めするための一対のガイド突条が所定の間隔をおいて基材の長手方向へ互いに平行に延びるように突設されたものがある（特許文献１、特許文献２）。
また、ブラシロールとして、円筒コア管の外表面に軸方向に複数のアリ溝が円周方向に所定間隔を存して凹設され、このアリ溝にブラシの基部を把持すると共に、このアリ溝の形状に合致するアリ状のチャンネルが嵌装、固定されたものがある（特許文献３）。
また、金属製の帯状の薄板を断面コ字状に折り曲げたチャンネル材に、毛材と芯線とを押し込んで形成されたチャンネルブラシを金属パイプの外周に巻き付けたものがある（特許文献４）。
さらに、合成樹脂チャンネルの開口側へブラシ用合成樹脂繊維の根元部を挿入した後、合成樹脂チャンネルの外側から根元部を加熱加圧し、根元部と合成樹脂チャンネルとを固着してブラシ材を成形し、このブラシ材を用いて、直線状ブラシ材、スパイラル状ブラシ材又は環状ブラシ材を成形した後、このブラシ材を軸に固定したものがある（特許文献５）。
【０００３】
【特許文献１】特開２００４−２０２１８３号公報
【特許文献２】特開２００３−３２８６６０号公報
【特許文献３】特開２００２−２０５２７７号公報
【特許文献４】特開２００７−１０５１０６号公報
【特許文献５】特開２００７−５４６１４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記従来の特許文献１及び特許文献２に記載された技術では、ブラシ材にチャンネル材を用いていないので、基材に一対のガイド突条を設けなければならず、製造工程が多くなり、コスト高となっていた。また、特許文献３〜５に記載されたチャンネル材を用いたブラシ材では、チャンネル材の成形加工の際に油分を必要とし鉄粉も発生するため、被加工物が汚れたり、傷が付く可能性がある。また、軸体にチャンネル材を溶接して固定する必要があるため、製造工数がかかり、コスト高となっていた。さらに、金属のチャンネル材で、合成樹脂毛がカシメ固定されている為、分解が困難であり、廃棄時に分別が出来ず、産業廃棄物として処理されていた。また、特許文献４に記載された金属製のチャンネル材を螺旋状に巻き付ける加工には特殊な工具が必要となり、コスト高となっていた。さらに、特許文献５に記載された合成樹脂製のチャンネルを有するブラシ材も根元部を加熱加圧する工程が必要となり、コスト高となっていた。
【０００５】
本発明は上記点に鑑み、製造工程を少なくすることで、製造コストの低減を図ることができ、廃棄時の分解が容易で環境にやさしいブラシロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１の発明は、被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為のブラシロールにおいて、該ブラシロールは台座と、ブラシ片と、芯線とを備え、前記台座は螺旋状に溝部が形成されてあり、該溝部と前記芯線とに前記ブラシ片が挟み付けられて形成されてあることに特徴を有する。したがって、台座の螺旋状の溝部にブラシ片を挿入すると共に芯線でブラシ片の端部を押さえて固定することによってブラシロールを簡易に製作することができることから、製造コストの低減を図ることができる。また、台座とブラシ片とを簡易に分離させることができ、環境にやさしいブラシロールを提供することができる。
【０００７】
請求項２の発明は、請求項１のブラシロールにおいて、台座に形成された螺旋状の溝部は、断面コ字状の長尺な帯状体が螺旋状に台座表面に固着されて形成されてあることに特徴を有する。したがって、断面コ字状の長尺な帯状体を螺旋状に台座表面に固着するだけで、容易に螺旋状の溝部を形成することができることから、台座の製造コストの低減を図ることができる。
【０００８】
請求項３の発明は、請求項１又は２のブラシロールにおいて、ブラシ片は、多数の繊維を配列して積層した帯板状体にて形成されてあると共に、前記帯板状体は、前記多数の繊維が接合部にて連続的に接合されてあることに特徴を有する。したがって、連続的に接合されてあるブラシ片を予め製作しておけば、さらに簡易にブラシロールを製作することができることから、製造コストの低減を図ることができる。
【０００９】
請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれかのブラシロールにおいて、台座表面には、芯線の端部を係止する芯線係止部が形成されてあることに特徴を有する。したがって、芯線の端部を係止することによって、ブラシ片は台座の溝部に確実に固定される。また、廃棄時には、芯線係止部から芯線の係止を解除することによって、台座とブラシ片とを簡易に分離させることができ、環境にやさしいブラシロールを提供することができる。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１〜４の発明により、ブラシロールを簡易に製作することができることから、製造コストの低減を図ることができる。また、台座とブラシ片とを簡易に分離させることができることから、環境にやさしいブラシロールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明に係るブラシロールの第一実施形態を示す斜視図である。この図に示すように、ブラシロール１は、円筒形状の台座２の周面に形成された螺旋状の溝部３に挟まれるようにブラシ片４が挿入されている。また、ブラシ片４の下端は、芯線５と溝部３との間に挟み付けられている。この芯線５は、溝部３の螺旋状に沿って配設されており、ブラシ片４を台座２に固定している。尚、芯線５の両端部には、芯線係止部６が形成されており、この芯線係止部６に芯線５の端部が係止されているので、ブラシ片４が台座２から脱落することはない。また、ブラシ片交換時やブラシロール廃棄時には、芯線係止部６から芯線５の係止を解除して、芯線５を螺旋状の溝部３に沿って上方に引っ張ることによって、ブラシ片４を台座２から簡易に外すことができる。したがって、分別して廃棄することが容易にでき、環境にやさしいブラシロール１となっている。尚、ブラシ片４の両端部にはブラケット１２が設置されており、このブラケット１２によって、使用時にブラシ片４が抜け落ちてくるのを防いでいる。このブラケット１２は、芯線通し穴１２ａに芯線５を通した後、芯線係止部６のネジ１３に芯線５の端部を係止し、さらに、ネジ１３によって、ブラケット１２を台座２に固定している。
【００１２】
図２は、本発明の第一実施形態に使用される台座を示す斜視図である。この台座２は、軸体２ａの周面に螺旋状に壁片２ｂが溶接されて溝部３が形成されている。尚、壁片２ｂは、軸体２ａに溶接する以外に、軸体２ａを切削加工して壁片２ｂを形成することも採用できる。また、軸体２ａの両端部は図示しない回転駆動体に連結されるようになっている。
【００１３】
図３は、本発明の第二実施形態に使用される台座を示す斜視図である。この台座７は、軸体７ａの周面に螺旋状に断面コ字状の長尺な帯状体８が溶接されて溝部３ａが形成されている。また、軸体７ａの両端部は図示しない回転駆動体に連結されるようになっている。
【００１４】
図４は、本発明の第一実施形態及び第二実施形態のブラシロールを示す断面図である。図４（ａ）に示す第一実施形態では、軸体２ａに螺旋状に形成された溝部３の壁片２ｂにブラシ片４の側部が挟まれ、且つ、芯線５と溝部３の底部との間にブラシ片４の端部が挟まれている。また、図４（ｂ）に示す第二実施形態では、軸体７ａに螺旋状に形成された溝部３ａの帯状体８にブラシ片４の側部が挟まれ、且つ、芯線５と帯状体８の底部との間にブラシ片４の端部が挟まれている。
【００１５】
図５は、本発明に使用されるブラシ片の一例を示す斜視図である。先ず、図５（ａ）に示すように、ブラシ片４は、多数の繊維９を帯板状に並べて帯板状体１０を形成する。次に、図５（ｂ）に示すように、帯板状体１０の中央部分を溶着して溶着部１１を形成するのである。この溶着部１１は多数の繊維９が接合されているので、帯板状体１０はバラバラに毛が抜けることがない。したがって、この状態で量産することができ、図５（ｃ）に示すように、帯板状体１０の長手方向をロール状に巻いて一つのユニットとしてブラシ片４をブラシロール１の製造に適用することができるのである。
【００１６】
図６は本発明に使用されるブラシ片の他の製造方法を示す正面図である。このブラシ片１４は、先ず、所望の太さにまとめた長尺の繊維束１５を、蛇行状に折曲させて、ブラシ毛の毛丈の略２倍の横幅寸法の帯板状体１６とする。次に、両縁部を仮止め糸１７、１７によって固定する。次に、中央部を一端から他端に亘って溶着するのである。これによって、中央部に溶着部１８が形成され、蛇行状に折曲させられた長尺な繊維束１５は解けることがなくなり、帯板状体１６として固定される。そして、折曲部近傍をカットすることによって、図５（ｃ）で示したブラシ片４と同様のブラシ片となるのである。
【００１７】
ここで、ブラシ片は使用する目的に応じて、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリカーボネイト系繊維に代表されるポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、ウレタンゴム系繊維、アクリル系繊維、熱可塑性ポリビニルアルコール系繊維、熱可塑性フッ素系樹脂繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール（PBO）繊維等の材質の中から、選定して使用する。また、抗菌繊維、微生物分解性繊維、発色性繊維、蛍光繊維、蓄光繊維、高強度繊維、静電性繊維、制電性繊維、伸縮性繊維、熱融着繊維、弾性繊維等の材質の中から、選定して使用する。さらにまた、上記以外にも、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、セラミック等の繊維、前記材質の合金の繊維、天然繊維、化学繊維、天然樹脂発泡体、合成樹脂発泡体、天然樹脂、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムからなる繊維等の材質の中から、選定して使用できる。また、前記繊維は極細繊維の形態も設定できる。
【００１８】
また、上述した溶着部の形成方法としては、超音波溶着、熱溶着、レーザー波溶着、電磁波溶着、高周波溶着等の様々な溶着方法が適用でき、帯板状体の中央部又は端部に関わらず、帯板状体を形成している多数の繊維を互いに接合可能であるならば、如何なる溶着部の形態も採用できる。また、溶着以外にも縫製、接着を採用することもできる。
【００１９】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の実施形態をとることができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明のブラシロールは洗車ブラシ、ねじりブラシ、洗浄ブラシ、回転ロータ、清掃用ブラシ等の各種ブラシとして使用する。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明に係るブラシロールの第一実施形態を示す斜視図。
【図２】第一実施形態に使用される台座を示す斜視図。
【図３】第二実施形態に使用される台座を示す斜視図。
【図４】第一実施形態及び第二実施形態のブラシロールを示す断面図。
【図５】本発明に使用されるブラシ片の一例を示す斜視図。
【図６】本発明に使用されるブラシ片の他の製造方法を示す正面図。
【符号の説明】
【００２２】
１ ブラシロール
２、７ 台座
２ａ、７ａ 軸体
２ｂ 壁片
３、３ａ 溝部
４、１４ ブラシ片
５ 芯線
６ 芯線係止部
８ 帯状体
９ 繊維
１０、１６ 帯板状体
１１、１８ 溶着部
１２ ブラケット
１２ａ 芯線通し穴
１３ ネジ
１５ 繊維束
１７ 仮止め糸
【特許請求の範囲】
【請求項１】
被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為のブラシロールにおいて、該ブラシロールは台座と、ブラシ片と、芯線とを備え、前記台座は螺旋状に溝部が形成されてあり、該溝部と前記芯線とに前記ブラシ片が挟み付けられて形成されてあることを特徴とするブラシロール。
【請求項２】
台座に形成された螺旋状の溝部は、断面コ字状の長尺な帯状体が螺旋状に台座表面に固着されて形成されてあることを特徴とする請求項１に記載のブラシロール。
【請求項３】
ブラシ片は、多数の繊維を配列して積層した帯板状体にて形成されてあると共に、前記帯板状体は、前記多数の繊維が接合部にて連続的に接合されてあることを特徴とする請求項１又は２に記載のブラシロール。
【請求項４】
台座表面には、芯線の端部を係止する芯線係止部が形成されてあることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のブラシロール。
【請求項１】
被洗浄面に付着した汚れ等を洗浄する為のブラシロールにおいて、該ブラシロールは台座と、ブラシ片と、芯線とを備え、前記台座は螺旋状に溝部が形成されてあり、該溝部と前記芯線とに前記ブラシ片が挟み付けられて形成されてあることを特徴とするブラシロール。
【請求項２】
台座に形成された螺旋状の溝部は、断面コ字状の長尺な帯状体が螺旋状に台座表面に固着されて形成されてあることを特徴とする請求項１に記載のブラシロール。
【請求項３】
ブラシ片は、多数の繊維を配列して積層した帯板状体にて形成されてあると共に、前記帯板状体は、前記多数の繊維が接合部にて連続的に接合されてあることを特徴とする請求項１又は２に記載のブラシロール。
【請求項４】
台座表面には、芯線の端部を係止する芯線係止部が形成されてあることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のブラシロール。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２００９−１７８１７３（Ｐ２００９−１７８１７３Ａ）
【公開日】平成２１年８月１３日（２００９．８．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１６９８１（Ｐ２００８−１６９８１）
【出願日】平成２０年１月２９日（２００８．１．２９）
【出願人】（３９１０４４７９７）株式会社コーワ (283)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年８月１３日（２００９．８．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１月２９日（２００８．１．２９）
【出願人】（３９１０４４７９７）株式会社コーワ (283)
【Ｆターム（参考）】
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