説明

ブラシ用具

【課題】簡便な操作をするだけで塗布対象毛の部位に対して適度な濃さの塗布液を塗布でき、また身体の特定部位を簡便かつ安全に洗浄できるブラシ用具の提供。
【解決手段】ブラシ用具1は、ブラシ体2aを有するブラシ部2と、ブラシ部2を有し指で持つことが可能な握り軸3とを備え、ブラシ軸方向に延びる開口部4b1と、この開口部を形成する側壁4b2,4b3を含むブラシカバー4を有し、開口部から突出しブラシ軸方向に列になるように延びるブラシ体を、両側壁に圧力を与えて開口部の間隔を狭めて整列させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、化粧用の塗布液を塗布対象毛に塗布する場合に適用して好適であり、また塗布液などを簡便に洗浄できるブラシ用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からブラシ用具を用いて、例えば、化粧のために目の周囲に塗布される塗布液として、まつ毛についてマスカラ液を塗布したり、目蓋にアイラインを書いたりすることが行われている(特許文献1)。
【0003】
このようなブラシ用具として、中心線芯材にブラシ毛材を植毛したブラシ型のものや、断面円形の棒状シャフトの外周面に多数の横溝を穿設した溝型のものや、櫛歯を多数配列した櫛型のものや、これらを組合せたものが種々提案されている(特許文献2及び3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−60998号公報
【特許文献2】実公平4−33790号公報
【特許文献3】実公平4−36736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の手法は、塗布液を除去することにまつ毛を擦ったり挟んだりすることになるので、結局まつ毛が抜けたり、折れたり、曲ったりすることによりまつ毛を傷めるような結果になっている。
【0006】
実際上、まつ毛は髪の毛のように毛量が多くなく、極めて少ないのであるから、抜けたり折れたりさせるようなことはできるだけ回避することが望ましい。
【0007】
また、塗布対象毛に塗布液を塗布しようとする場合、塗布対象毛の部位について、濃く塗布したい部位と、薄く塗布したい部位とがあり、例えばまつ毛の根元にマスカラを濃く塗布すると共に、先端に行くに従って薄くするといったことが簡便にできれば、化粧後の見栄えや化粧くずれの予防などの化粧効果を一段と向上させることができると考えられる。
【0008】
この発明は、以上の点を考慮してなされたもので、簡便な操作をするだけで塗布対象毛の部位に対して適度な濃さの塗布液を塗布でき、また身体の特定部位を簡便かつ安全に洗浄できるブラシ用具を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0010】
請求項1の記載の発明は、ブラシ体を有するブラシ部と、
前記ブラシ部を有し指で持つことが可能な握り軸とを備え、
ブラシ軸方向に延びる開口部と、この開口部を形成する側壁を含むブラシカバーを有し、
前記開口部から突出しブラシ軸方向に列になるように延びる前記ブラシ体を、前記側壁に圧力を与えて前記開口部の間隔を狭めて整列させたことを特徴とするブラシ用具である。
【0011】
請求項2の記載の発明は、ブラシ体を有するブラシ部と、
前記ブラシ部を有し指で持つことが可能な握り軸とを備え、
ブラシ軸方向に対して交差する方向に延びる開口部と、この開口部を形成する側壁を含むブラシカバーを有し、
前記開口部から突出しブラシ軸方向に対して交差する方向に列になるように延びる前記 ブラシ体を、前記側壁に圧力を与えて前記開口部の間隔を狭めて整列させたことを特徴とするブラシ用具である。
【0012】
請求項3の記載の発明は、前記開口部を、複数並列に配置し、
前記複数の開口部により前記ブラシ体を整列させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラシ用具である。
【0013】
請求項4の記載の発明は、前記ブラシカバーは、前記開口部を形成する外面部分に平面または凹みによる液溜まり部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブラシ用具である。
【発明の効果】
【0014】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0015】
請求項1に記載の発明では、ブラシ軸方向に延びる開口部と、この開口部を形成する側壁を含むブラシカバーを有し、開口部から突出しブラシ軸方向に列になるように延びるブラシ体を、側壁に圧力を与えて開口部の間隔を狭めて整列させたことで、ブラシ体がそれ以上倒れないように整列して支持され、確実に洗浄したり、塗布することができ、しかも洗浄時や塗布時に液が飛散することを防止できる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、ブラシ軸方向に対して交差する方向に延びる開口部と、この開口部を形成する側壁を含むブラシカバーを有し、開口部から突出しブラシ軸方向に対して交差する方向に列になるように延びるブラシ体を、側壁に圧力を与えて開口部の間隔を狭めて整列させたことで、ブラシ体がそれ以上倒れないように整列して支持され、確実に洗浄したり、塗布することができ、しかも洗浄時や塗布時に液が飛散することを防止できる。
【0017】
請求項3の記載の発明では、開口部を、複数並列に配置し、複数の開口部によりブラシ体を整列させたことで、複数並列のブラシ体により確実に洗浄したり、塗布することができ、しかもブラシ体の間が液溜まりとなり、塗布を一層確実に行うことができる。
【0018】
請求項4の記載の発明では、ブラシカバーは、開口部を形成する外面部分に平面または凹みによる液溜まり部を有することで、液溜まりにより塗布を一層確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施の形態のブラシ用具を示す図である。
【図2】ブラシカバー、ブラシ部、握り軸の組付けを示す図である。
【図3】ブラシ用具の構成を示す図である。
【図4】ブラシ部にブラシカバーを設ける状態を示す図である。
【図5】ブラシ体を整列させる状態を示す図である。
【図6】ブラシ体の開口部の構成示す図である。
【図7】液溜まり部の構成を示す図である。
【図8】ブラシ部の整列を説明する図である。
【図9】ブラシ体を開口部から挿入する状態を示す図である。
【図10】ブラシ部の側面図である。
【図11】ブラシ部の開口部の形状を示す図である。
【図12】第2の実施の形態のブラシ具を示す図である。
【図13】ブラシ部の組付けを示す図である。
【図14】ブラシ部の側面図である。
【図15】ブラシ部の底面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明のブラシ用具の実施の形態について説明する。この実施の形態はブラシ用具の好ましい形態を示すものであるが、この発明はこれに限定されない。
【0021】
[第1の実施の形態]
(ブラシ用具の構成)
この第1の実施の形態のブラシ用具を、図1に基づいて説明する。図1(a)はブラシカバーを設けたブラシ部の側面図、図1(b)はブラシ部にブラシカバーを設ける状態の側面図、図1(c)はブラシ部の断面図、図1(d)は開口部の間隔を狭めた図1(a)の(d)−(d)の断面図である。
【0022】
この実施の形態のブラシ用具1は、ブラシ部2と、握り軸3と、ブラシカバー4とを備え、ブラシカバー4はブラシ部2及び握り軸3とは別体成形される。ブラシカバー4は、アルミニウム合金などの軽金属など圧力により変形可能な材料で成形され、また熱可塑性をもつ合成樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、弗素樹脂などがあり、加熱して圧力により変形可能な材料で成形される。
【0023】
ブラシ部2は、握り軸3から先方に突出させるように取り付け、周囲外方に多数のブラシ毛材2fを突出させることによりブラシ体2aを形成している。ブラシ体2aは、1本のステンレス線を折り返すことにより、一対の線材2b及び2cを用意し、線材2b及び2cの間に合成樹脂材料(ナイロン、テトロン、ポリエステル、PP等)でなるブラシ毛材2fを配設し、この状態で線材2b及び2cの折り返し点を固定し、この両端をねじることにより、互いにねじり合わされた線材2b及び2c間に形成される螺旋状に多数のブラシ毛材2fを挟着保持してなり、ブラシ体2aは、捩りブラシである。
【0024】
ブラシ毛材2fの太さは、例えばナイロン、ポリエステルの糸をカットしたまま使用する使う時、特に化粧品メイキャップブラシに使う時は、直径0.16mmまでとし、糸の先を針状加工した糸は直径0.21mmまでとする。このブラシ毛材2fは、合成樹脂材料に限定されず、動物、植物から得られるものであってもよく、太さも特に限定されない。
【0025】
ブラシカバー4は、筒状であり、取付部4aとカバー部4bとを有し、カバー部4bには、ブラシ軸方向に直線状に所定幅の開口部4b1が形成され、この開口部4b1によって、開口部4b1の両側に側壁4b2,4b3が形成される。
【0026】
カバー部4bの先端部4b4を先に、ブラシ部2の線材2b及び2cの先端部に係合し、その後に取付部4aをカバー取付部3aに嵌め込み取り付け、カバー部4bにブラシ部2を挿入する。このブラシ部2の挿入は、カバー部4bの開口部4b1から挿入してもよく、また取付部4a側から挿入してもよい。カバー部4bにブラシ部2を挿入することで、ブラシ体2aの一部のブラシ毛材2fが挿入方向に倒れ、開口部4b1の部分に位置するブラシ体2aの一部のブラシ毛材2fが開口部4b1から突出して立ち上がり、このブラシ毛材2fは、側壁4b2,4b3によってブラシ軸方向に列になるように寄せられるが、ブラシ毛材2fはバラけた状態である(図1(c))。
【0027】
ブラシ体2aのブラシ毛材2fは、開口部4b1から突出しブラシ軸方向に列になるように延びているが、ブラシ毛材2fはバラけた状態であり、カバー部4bの側壁4b2,4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めて整列させることで、側壁4b2,4b3によってブラシ体2aのブラシ毛材2fがそれ以上倒れないように整列して支持され、確実に洗浄したり、塗布することができ、しかも洗浄時や塗布時に液が飛散することを防止できる(図1(d))。
【0028】
このように、カバー部4bの側壁4b2,4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めて整列させるが、ブラシカバー4がアルミニウム合金などの軽金属などである場合には、プレスなどによって圧力を与えて変形し、また熱可塑性をもつ合成樹脂などである場合には、加熱して圧力を与えて変形し、開口部4b1の間隔を狭めて整列させる。
【0029】
(ブラシ部と握り軸の構成)
図1の実施の形態では、ブラシ部2と握り軸3を組み付け、これにブラシカバー4を組み付けるが、これに限定されない。図2はブラシカバー、ブラシ部、握り軸の組付けを示し、図2(a)はブラシカバー、ブラシ部の組付けを示す図、図2(b)はブラシカバー及びブラシ部と握り軸の組付けを示す図である。この実施の形態では、ブラシ部2と握り軸3を別体に形成し、ブラシ部2をブラシカバー4に取り付け、開口部4b1から突出しブラシ軸方向に列になるように延びるブラシ体2aを、側壁4b2,4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めて整列させ、このブラシ部2を握り軸3に取り付ける。
【0030】
(ブラシカバーの構成)
図1及び図2の実施の形態では、ブラシ用具1のブラシカバー4は、ブラシ軸方向に延びる開口部4b1と、この開口部4b1を形成する側壁4b2,4b3を含む構成であるが、これに限定されることなく、図3及び図4に示すように構成することができる。図3はブラシ用具の構成を示し、図3(a)はブラシ用具の断面図、図3(b)はブラシ部の断面図、図3(c)は開口部の間隔を狭めた図3(a)の(c)−(c)の断面図である。図4はブラシ部にブラシカバーを設ける状態を示し、図4(a)はブラシ部にブラシカバーを挿入する状態の側面図、図4(b)は図4(a)の(b)−(b)の断面図である。
【0031】
この実施の形態のブラシカバー14は、カバー部14cが取付部14bの先端に連続して一体に成形され、カバー部14cの径は取付部14bの径より小径になってブラシ部2が挿入可能な大きさになっている。カバー部14cの先端部14c3は閉塞され、この先端部14c3に半球状の凹み部14c4が形成され、この凹み部14c4にブラシ部2の線材2b及び2cの先端が嵌合して支持される。
【0032】
カバー部14cの外周には、周方向の溝14c1、周方向の突条14c2を有し、周方向の突条14c2によって、この周方向の突条14c2の間に周方向の溝14c1が形成されているが、カバー部14cの外周に周方向の溝14c1、または周方向の突条14c2のみを形成してもよい。
【0033】
カバー部14cには、ブラシ軸方向に直線状に所定幅の開口部14c10が形成され、この開口部14c10によって、開口部14c10の両側に側壁14c11,14c12が形成される。カバー部14cにブラシ部12を挿入すると、ブラシ体12fの一部が挿入方向に倒れ、開口部14c10の部分に位置するブラシ体12fの一部が開口部14c10から突出して立ち上がり、このブラシ体12fの一部は、両側の側壁14c11,14c12に圧力を与えて開口部14c10の間隔を狭めて整列させている。
【0034】
(ブラシ部の整列)
ブラシ部の整列は、図1乃至図4に示すように構成されるが、図5乃至図10に示すように構成することができる。図5はブラシ体を整列させる状態を示す図である。ブラシ部2のブラシ体2aは、図1乃至図4の実施の形態と同様に捩りブラシであり、ブラシカバー4のカバー部4bに形成した開口部4b1から突出しブラシ軸方向に列になるように延びる捩りブラシのブラシ体2aを、側壁4b2、4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めて整列させ、図5(a)では1列に整列させ、図5(b)では2列に整列させ、図5(c)では多列に整列させているが、これに限定されない。
【0035】
捩りブラシのブラシ体2aは、線材2b及び2cの間に合成樹脂材料でなるブラシ毛材2fを配設し、この状態で線材2b及び2cの折り返し点を固定し、この両端をねじることにより、互いにねじり合わされた線材2b及び2c間に形成される螺旋状に多数のブラシ毛材2fを挟着保持してなり、この線材2b及び2cの太さ、ブラシ毛材2fの個数などを調整し、また開口部4b1の間隔を調整して図5(a)乃至図5(c)のように整列する。
【0036】
ブラシカバー4は、開口部4b1を有し、この開口部4b1は、図6に示すように、1個でもよいし、複数並列に配置してもよい。図6はブラシ体の開口部の構成示す図である。図6(a)では、1個配置し、図6(b)では、2個配置し、図6(c)では、3個配置しており、いずれの場合も側壁4b2,4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めてブラシ体2aを整列させた。ブラシ用具の使用に応じて、1個のもの、また複数並列のものを用いることができるが、複数並列のものでは、ブラシ体2aの間が液溜まりとなり、塗布を一層確実に行うことができる。
【0037】
また、ブラシカバー4は、図7に示すように、開口部4b1を形成する外面部分に平面4cまたは凹み4dによる液溜まり部10を有する構成とすることができる。図7は液溜まり部の構成を示す図である。図7(a)では、1個の開口部4b1の両側に平面4cによる液溜まり部10が、図7(b)では、1個の開口部4b1の両側に凹み4dによる液溜まり部10が、図7(c)では、3個の開口部4b1の両側に平面4cによる液溜まり部10がそれぞれ形成され、いずれの場合も側壁4b2,4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めてブラシ体2aを整列させた。
【0038】
このブラシ用具1は、ユーザが握り軸3を手にもって、ブラシ部2を塗布液容器に差し入れて塗布液に浸した後、これを外部に引き抜くことにより、ブラシ部2に付着した塗布液が液溜まり部10に溜まり、例えば睫毛にマスカラのボリューム塗布ができる。
【0039】
このブラシ部2の整列は、図8に示すように、カバー部4bの側壁4b2,4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めてブラシ体2aを整列させることができる。図8はブラシ部の整列を説明する図である。図8(a)では、カバー部4bに開口部4b1を形成し、この開口部4b1の部分をつぶすように、側壁4b2,4b3にプレスにより圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めてブラシ体2aを整列させ、かつ開口部4b1の両側に平面4cによる液溜まり部10を形成した。図8(b)では、カバー部4bの一部を切断して開口部4b1を形成し、この開口部4b1の部分をつぶすように、側壁4b2,4b3にプレスにより圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めてブラシ体2aを整列させ、かつ開口部4b1の両側に平面4cによる液溜まり部10を形成した。図8(c)では、カバー部4bの一部を切断して開口部4b1を形成し、側壁4b2,4b3の両側からプレスにより圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めてブラシ体2aを整列させ、かつ開口部4b1の両側に平面4cによる液溜まり部10を形成した。
【0040】
ブラシ体2aは捩りブラシであり、図9はブラシ体を開口部から挿入する状態を示す図である。螺旋状に多数のブラシ毛材2fを挟着保持してなるが、図9(a)乃至(c)に示すように、多数のブラシ毛材2fを板状に、またV字状、W字状などに加工し、カバー部4bの開口部4b1に挿入し、側壁4b2,4b3に圧力を与えて開口部4b1の間隔を狭めてブラシ体2aを整列させることもできる。このブラシ体2aの開口部4b1への挿入は、カバー部4bの開口部4b1から挿入しても、カバー部4bの軸方向から挿入してもよい。
【0041】
また、図10はブラシ部の側面図であり、ブラシ部2は、図10(a)乃至(d)に示すように、カバー部4bの開口部4b1から突出して整列するブラシ体2aの側面形状を平面状、傾斜状、凹面状、凸面状などに形成してもよい。
【0042】
また、図11はブラシ部の開口部の形状を示す図であり、図11(a)乃至(i)に示すように、カバー部4bの開口部4b1を軸方向に直線状や変形した形状に形成することができる。図11(a)では開口部4b1を1本で直線状に形成し、図11(b)では開口部4b1を2本で直線状に形成し、図11(c)では開口部4b1を1本で波状に形成し、図11(d)では開口部4b1を3本で波状に形成し、図11(e)では開口部4b1を1本で曲線状に形成し、図11(f)では開口部4b1を2本で曲線状に形成し、図11(g)では開口部4b1を1本で凹凸状に形成し、図11(h)では開口部4b1を1本でV字線状に形成し、図11(i)では開口部4b1を1本で直線状に形成し、かつ先端まで開口しており、ブラシ体2aの先端部が放射状に突出する構成である。図11(i)ではカバー部4bの周面に溝を形成しているが、図11(a)乃至(h)でも同様に溝を形成してもよい。
【0043】
[第2の実施の形態]
(ブラシ用具の構成)
この第2の実施の形態のブラシ用具を、図12及び図13に基づいて説明する。図12(a)はブラシ用具の斜視図、図12(b)はブラシ用具の断面図である。図13(a)はブラシ部の組付けを示す図、図13(b)はブラシ部の整列を示す図である。
【0044】
この実施の形態のブラシ用具11は、ブラシ部12と、握り軸13と、ブラシカバー24とを備え、握り軸13とブラシカバー24は樹脂、アルミニウム合金などの軽金属などで一体に成形しているが、別体に形成してもよい。
【0045】
ブラシ部12は、多数のブラシ毛材12fの端部を結束部12bにより結束させることによりブラシ体12aを形成している。ブラシ毛材12fは、合成樹脂材料(ナイロン、テトロン、ポリエステル、PP等)でなる。ブラシ毛材12fの太さは、例えばナイロン、ポリエステルの糸をカットしたまま使用する使う時、特に化粧品メイキャップブラシに使う時は、直径0.16mmまでとし、糸の先を針状加工した糸は直系0.11mmまでとする。
【0046】
ブラシカバー24のカバー部24bは、ブラシ部12が挿入可能な形状に形成され、このカバー部24bには、ブラシ軸方向に対して交差する方向に延びる開口部24b1が直線状に所定幅で形成され、この開口部24b1によって、開口部24b1の両側に側壁24b2,24b3が形成される。
【0047】
カバー部24bの側部に形成した挿入開口部24b10からブラシ部12を挿入することで、ブラシ体12aの一部のブラシ毛材12fが挿入方向に倒れ、開口部24b1の部分に位置するブラシ体12aの一部のブラシ毛材12fが開口部24b1から突出して立ち上がり、このブラシ毛材12fは、側壁24b2,24b3によってブラシ軸方向に対して交差する方向に列になるように寄せられるが、ブラシ毛材12fはバラけた状態である(図13(b))。
【0048】
このように、ブラシ体12aは、開口部24b1から突出しブラシ軸方向に対して交差する方向に列になるように延びているが、ブラシ毛材12fはバラけた状態であり、側壁24b2,24b3に圧力を与えて開口部24b1の間隔を狭めて整列させることで、側壁24b2,24b3によってブラシ体12aのブラシ毛材12fがそれ以上倒れないように整列して支持され、確実に洗浄したり、塗布することができ、しかも洗浄時や塗布時に液が飛散することを防止できる(図12(a))。
【0049】
ブラシカバー14の構成は、カバー部24bの外周に、図3及び図4の実施の形態に示すように、溝、突条を形成してもよい。
【0050】
(ブラシ部)
次に、ブラシ部の構成を、図14及び図15に基づいて説明する。図14はブラシ部の側面図、図15はブラシ部の底面形状を示す図である。ブラシ部12は、図14に示すように、多数のブラシ毛材12fの端部を結束部12bにより結束させることによりブラシ体12aを形成しているが、結束部12bの構成は、図14(a)では熱溶着で結束され、図14(b)では接着剤で結束され、図14(c)では糸結びで結束され、図14(d)では金属パイプで結束されているが、これに限定されない。
【0051】
また、ブラシ部の結束部12bの底面形状は、図15(a)では円形状であり、図15(b)ではトラック形状であり、図15(c)では四角形状であり、図15(d)では長方形形状であるが、これに限定されない。
【0052】
[ブラシ用具の用途]
この実施の形態のブラシ用具は、身体の特定部位を簡便かつ安全に洗浄できるようにし、また簡便な操作をするだけで塗布対象毛の部位に対して適度な濃さの塗布液を塗布できる。例えば、マスカラブラシ、アイブローブラシ、アイシャドーブラシ、マネキュアブラシ、アイライナー、リップブラシ、育毛ブラシ、各種洗浄ブラシなどに用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
この発明は、化粧用の塗布液を塗布対象毛に塗布する場合に適用して好適であり、また塗布液などを簡便に洗浄できるブラシ用具に適用可能であり、簡便な操作をするだけで塗布対象毛の部位に対して適度な濃さの塗布液を塗布でき、また身体の特定部位を簡便かつ安全に洗浄できる。
【符号の説明】
【0054】
1 ブラシ用具
2,12 ブラシ部
2a,12 ブラシ体
2f,12f ブラシ毛材
2b,2c 線材
3,13 握り軸
4,14,24 ブラシカバー
4a,14b 取付部
4b,14c,24b カバー部
4b1,14c10,24b1 開口部
4b2,4b3,14c11,14c12,24b2,24b3 側壁
4c 平面
4d 凹み
10 液溜まり部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ体を有するブラシ部と、
前記ブラシ部を有し指で持つことが可能な握り軸とを備え、
ブラシ軸方向に延びる開口部と、この開口部を形成する側壁を含むブラシカバーを有し、
前記開口部から突出しブラシ軸方向に列になるように延びる前記ブラシ体を、前記側壁に圧力を与えて前記開口部の間隔を狭めて整列させたことを特徴とするブラシ用具。
【請求項2】
ブラシ体を有するブラシ部と、
前記ブラシ部を有し指で持つことが可能な握り軸とを備え、
ブラシ軸方向に対して交差する方向に延びる開口部と、この開口部を形成する側壁を含むブラシカバーを有し、
前記開口部から突出しブラシ軸方向に対して交差する方向に列になるように延びる前記ブラシ体を、前記側壁に圧力を与えて前記開口部の間隔を狭めて整列させたことを特徴とするブラシ用具。
【請求項3】
前記開口部を、複数並列に配置し、
前記複数の開口部により前記ブラシ体を整列させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラシ用具。
【請求項4】
前記ブラシカバーは、前記開口部を形成する外面部分に平面または凹みによる液溜まり部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブラシ用具。





【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−85572(P2013−85572A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225939(P2011−225939)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(594190884)東京パーツ株式会社 (39)
【Fターム(参考)】