ブラシ装置及びそのブラッシング方法並びにマッサージ装置及びそのマッサージ方法
【課題】 優しく効果的に頭皮マッサージ及び洗浄等或いは患部マッサージを大きく行うことができるようにする。
【解決手段】 ブラシ部2の可撓性を有する基板3の一側面3Aに、前記基板3と略直交するように、複数の突起4を前記基板3と一体に形成し、この基板3の縁3Bを枠体5に対してやや摺動自在に取り付ける。駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7に連結された前記基板3を、該基板3自体の撓み及び摺動用長孔13と突部14との摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で軸線Aに沿って繰り返し変形させる。この結果、前記基板3に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉して頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。また、前記基板3自体の可撓性及び伸縮性のみならず、前記縁3Bの摺動によって前記基板3の撓みを大きくできる。
【解決手段】 ブラシ部2の可撓性を有する基板3の一側面3Aに、前記基板3と略直交するように、複数の突起4を前記基板3と一体に形成し、この基板3の縁3Bを枠体5に対してやや摺動自在に取り付ける。駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7に連結された前記基板3を、該基板3自体の撓み及び摺動用長孔13と突部14との摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で軸線Aに沿って繰り返し変形させる。この結果、前記基板3に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉して頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。また、前記基板3自体の可撓性及び伸縮性のみならず、前記縁3Bの摺動によって前記基板3の撓みを大きくできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗髪時における頭皮のマッサージ等に使用するブラシ装置、及びそのブラッシング方法、並びにマッサージ装置、及びそのマッサージ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のブラシ装置として、例えば、モータを内蔵したケーシングに弾性部材を介して振動ヘッドを設け、該振動ヘッド内に前記モータのモータ軸を突設させ、該モータ軸に振動子を偏心して取り付け、さらに、前記振動ヘッドの一側面に柔軟物質から成るブラシを取り付けたマッサージ兼電動洗髪ブラシが公知である(例えば、特許文献1)。このマッサージ兼電動洗髪ブラシにおいては、前記ブラシは円盤状に形成された基板としてのブラシ本体部と、該ブラシ本体部の一側面に多数突設された突起としての針状体片とから成る。そして、このマッサージ兼電動洗髪ブラシを使用する場合、使用者は、まずケーシングを把持して前記ブラシを頭部に押し当て、前記モータを作動させることで、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及びブラシを介して頭皮に伝達される。そして、前記ブラシは柔軟物質から構成されているので、頭皮を傷付けることなく毛穴の脂垢を取り除き、同時にマッサージを行うというものである。
【特許文献1】特開2001−258974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術においては、洗髪時における頭皮のマッサージや患部等のマッサージを行うとき、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及び柔軟物質から構成されている前記ブラシを介して頭皮等に伝達されるというものであるが、前記ブラシは頭皮等に対して単純に振動しているだけなので、頭皮等のマッサージを十分に行うことができないばかりでなく、頭皮の汚れも十分落とすことができないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、同一出願人は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対する位置関係が略固定された状態で保持される枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設け、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によって略固定された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができるブラシ装置を特願2004−360489号によって提案している。尚、この先願発明には同様なマッサージ装置も開示されている。
【0005】
しかしながら、前記先願発明の実施例においては、前記ブラシ部の基板の周縁を前記枠体に固定しているものであったので、前記往復駆動手段による基板の撓みは基板自体の可撓性及び伸縮性によって作用するものであった。したがって、基板の伸縮性の限界を超えて基板を撓ませることができなかったり、或いは伸縮性の低いような材料を利用することができなかったりするなどの問題を有する。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決し、洗髪及び頭皮のマッサージを行う場合等に、ブラシ部によって優しく且つ効果的に頭皮等のマッサージ及び洗浄を行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるブラシ装置及びそのブラッシング方法を提供することを目的とし、また、患部のマッサージを行う場合等に、施療部によって優しく且つ効果的に患部のマッサージを行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるマッサージ装置及びそのマッサージ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするブラシ装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記基板の周縁全体をやや摺動可能に保持するように、前記枠体が設けられたことを特徴とする請求項1記載のブラシ装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記突起の少なくとも基部が、前記基板の撓みに依らず、前記基板に対する角度を略一定に保つように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブラシ装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記突起の少なくとも先端部が可撓性を有する材料から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記往復駆動手段を、前記駆動部内に設けられた電動機と、この電動機に対して直接又は間接的に連結されたクランク機構と、このクランク機構に対して一側を連結すると共に前記基板に対して他側を連結したコンロッドを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0012】
請求項6の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有するブラシ部とを有し、このブラシ部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするブラシ装置のブラッシング方法である。
【0013】
請求項7の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作する施療部とを有するマッサージ装置において、前記施療部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記施療部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするマッサージ装置である。
【0014】
請求項8の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有する施療部とを有し、この施療部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするマッサージ装置のマッサージ方法である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮等に当てることで、頭皮等を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、基板の周縁全体が枠体に固定されるので、基板を均一に撓ませることができ、頭皮をいっそう効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、前記ブラシ部の基板が撓んだとしても、この基板と前記突起の基部の角度が略一定に保たれることで、前記複数の突起を確実に繰り返し相互に開閉させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、前記複数の突起が繰り返し相互に開閉したとしても、これらの突起の先端が撓むことで、頭皮を揉むように優しく洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、前記電動機の回転運動を前記クランク機構及びコンロッドによって往復運動に変換し、この往復運動を前記コンロッドによって前記ブラシ部の基板に伝え、この基板を撓ませることで、前記ブラシ部に複数設けられた突起の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0024】
図1〜図6は実施例1を示している。1はマッサージ装置を兼用するブラシ装置であり、このブラシ装置1の下部側にはブラシ部2が設けられている。そして、このブラシ部2は、基板3と、この基板3の下向きの一側面3A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。前記基板3は、軸線Aを中心とした円板状であって、可撓性及び若干の伸縮性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成されている。そして、前記基板3の縁3Bは、前記ブラシ装置1の枠体5に取り付けられている。また、複数の前記突起4は、基端4A側がやや太くなった棒状であると共に、前記軸線Aを中心として略軸対称となるように、前記基板3と一体に形成されている。さらに、前記各突起4は、その軸線Dが前記基板3の一側面3Aに対して略垂直に交差するように突出して形成されている。尚、前記突起4の基端4Aは、前記基板3の撓みに依らず、この基板3の一側面3Aに対して略垂直な状態を保つ。また、前記枠体5は、非可撓性の硬質合成樹脂製であって、前記基板3の縁3Bが取り付けられて前記軸線Aを中心とした環状に形成されている。尚、図中Bは、前記基板3の幅方向であり、前記基板3は前記軸線Aと直交して交差する前記幅方向Bに広く形成され、また、複数の前記突起4は相互に間隔Cをおいて配置されている。
【0025】
また、前記基板3の上方を覆うように、駆動部を構成するカバー6が前記枠体5と一体的に設けられている。そして、前記カバー6内に、前記基板3の中央を前記軸線Aに沿って上下方向に往復動させる往復駆動手段7が設けられている。この往復駆動手段7は、前記カバー6内のブラケット等の取り付け受け部材6Aを介して前記枠体5と一体的に設けられた駆動部としてのモータ8と、このモータ8のモータ軸8Aに取り付けられたクランク機構9と、このクランク機構9の偏心軸9Aに対して一側10Aが回動自在に連結されると共に、他側10Bが前記基板3の他側面3Cの略中央に対して揺動自在に連結されたコンロッド10を備えている。尚、前記モータ8は図示しない減速機構を有し、その回転を所定の減速比で減速して前記モータ軸8Aを回転させる。また、前記モータ8のモータ軸8Aと前記クランク機構9の偏心軸9Aとの偏心距離はFである。したがって、前記モータ8のモータ軸8Aが回転すると、このモータ軸8Aの回転が前記クランク機構9及びコンロッド10によって往復運動に変換されると共に、このコンロッド10によって前記基板3の中央部は軸線Aに沿って上下方向に往復動する。さらに、前記カバー6内には、図示しない電池を収容する電池ケース11が設けられると共に、前記カバー6の表面には、前記モータ8を作動させるためのスイッチ12が設けられている。
【0026】
そして、前記基板3の縁3Bは、一側面3Aが前記枠体5の他側面に沿うように配置されていると共に、前記縁3Bには摺動部たる摺動用長孔13が軸線Aを中心として等間隔に複数、実施例では4箇所に設けられている。なお、前記摺動用長孔13の長手方向は、前記軸線Aを中心として放射方向に形成されており、そして、前記枠体5の他側面に立設した摺動受け部たる突部14が、前記摺動用長孔13に挿入されている。そして、前記摺動用長孔13の長さ方向の内側端13Aは、前記基板3が平であるとき、前記枠体5の内周面5Aより外側に配置され、一方、前記摺動用長孔13の外側端13Bは、前記カバー6の下端よりも内側に配置される。また、前記摺動用長孔13の幅Wは、前記突部14の幅と同じか或いはやや大きく形成されており、前記枠体5に固定された前記突部14に対して前記摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられている。ここで、やや摺動可能な長さとは、前記軸線Aを中心としたとき、その片側、すなわち前記摺動用長孔13の長さにおいて、前記基板3の撓みのストローク全長(=2F)に対して概ね1/3以下を示している。さらに、前記突部14の上端には幅大部14Aが設けられており、この幅大部14Aが前記基板3の他側面3Cのやや上方に配置されることで、前記摺動用長孔13に対して前記突部14が抜け止めできるようになっている。
【0027】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当てる。この時、前記突起4の先端4Bは、軽い力で前記頭皮Gに押し付けられている。次に、前記スイッチ12を閉成すると、図示しない電池から給電されることで前記モータ8が作動して、前記モータ軸8Aが回転する。この回転に伴い、前記モータ軸8Aに取り付けられた前記クランク機構9が回転し、このクランク機構9とこのクランク機構9の偏心軸9Aに連結された前記コンロッド10によって、前記モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、前述したように、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0028】
そして、図5に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が持ち上げられることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように移動する。その結果、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板3の一側面3Aと直交するように前記基板3と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の外周側に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0029】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図6に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が押されることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。なお、前記基板3は、図5の状態から図3の状態を経て図6の状態となるように変形するので、前記基板3は、前記枠体5に対し、それぞれの摺動用長孔13の外側端13B側が外側に押し出されることで、内側端13Aが前記突部14側に近づくように摺動した後(図5→図3)、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が再び内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように摺動する(図3→図6)。その結果、前記基板3は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有する軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の中央部に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0030】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部2の基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体5に対する前記基板3の縁3Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板3に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0031】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板3の一側面3Aに複数の突起4を前記基板3の軸線Aを中心として略軸対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板3の一側面3Aと直交するように、前記基板3と一体に形成し、前記基板3の縁3Bを枠体5に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板3に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板3の撓みを該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁3Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板3の材質に大きく依存するようなこともない。即ち、前記基板3自体が撓みさえすれば、前記基板3自体が殆ど伸縮しなくても、前記基板3の縁3Bが前記枠体5に対して摺動するので、従って、前記基板3を構成する材質に求められる性質として、伸縮性がそれほど重要ではなくなり、材料選択における条件が少なくなるので、前記基板3を構成する材質の範囲を拡げることができる。
【0032】
また、前記実施例では、突部14に対して摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられているので、前記基板3の湾曲変形を大きく均一に行うことができ、むらなく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を良好に行うことができる。
【0033】
また、前記実施例では、前記突起4の基端4Aが先端4Bよりも太く形成されていることで、前記基板3の撓みに依らず、前記基板3の一側面3Aに対して突起4の軸線Dが直交する状態を保つことにより、前記突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当ててブラシ部2を動作させても、前記複数の突起4が開閉を繰り返すことができるので、確実に頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0034】
また、前記突起4の先端4Bが基端4Aよりも細く形成されていることで、前記突起4の先端4Bが頭皮Gに押し当てられた際に撓むので、優しく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0035】
さらに、前記往復駆動手段7を、モータ8とクランク機構9とコンロッド10とで構成することによって、前記ブラシ部2に設けられた複数の前記突起4の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、前記各実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0037】
図7〜図11は実施例2を示している。22はブラシ部であり、このブラシ部22は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。なお、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0038】
そして、前記基板23の縁23Bは一側面23Aが前記枠体25の他側面に沿うように配置されており、前記縁23Bの一側面23Aが摺動部となる。そして、前記縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側、すなわち軸線A側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。なお、このストッパー27は、前記基板23の縁23B側のやや上方に該縁23Bの長手方向にほぼ沿うように配置されている。実施例では、前記枠体25の他側面に前記縁23B側を挟むように門形に設けられている。すなわち、前記ストッパー27は、前記枠体25の他側面に対してほぼ前記基板23の厚み分(突出長h)の間隔を空けて該基板23の他側面23Cと平行に、かつ長手方向を一対の前記縁23B間方向としている。一方、前記ストッパー受け部26は、前記ストッパー27と枠体25の間に挿入された前記基板23と一体又は一体的にその端側に設けられると共に、前記ストッパー27の外側にやや間隔Lを有するもので、この間隔Lが、前記縁23Bがやや摺動できる範囲となる。そして、前記ストッパー受け部26の前記枠体25の他側面からの高さHは、前記ストッパー27の前記枠体25の他側面との間隔hよりも大きく形成されている(h<H)。したがって、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0039】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当て、スイッチ12を閉成すると、モータ8が作動してモータ軸8Aが回転すると共に、クランク機構9が回転し、モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換されて、前記基板23が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0040】
そして、図10に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が持ち上げられることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれのストッパー受け部26が内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように移動する。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板23の一側面23Aと直交するように前記基板23と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板23の一側面23Aの撓みに伴って、この一側面23Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部22の基板23が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0041】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図11に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が押されることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。なお、前記基板23は、図10の状態から図8の状態を経て図11の状態となるように変形するので、前記基板23は、前記枠体25に対し、一対の前記ストッパー受け部26が外側に押し出されることで、このストッパー受け部26が前記ストッパー27から離れるように摺動した後(図10→図8)、それぞれのストッパー受け部26が再び内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように摺動する(図8→図11)。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板23が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0042】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部22の基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体25に対する前記基板23の縁23Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板23に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0043】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板23の一側面23Aに複数の突起4を前記基板23の軸線Aを中心として略面対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板23の一側面23Aと直交するように、前記基板23と一体に形成し、前記基板23の縁23Bを、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接するまでの範囲で、前記枠体25に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板23に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板23の撓みを該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁23Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板23の材質に大きく依存するようなこともない。
【0044】
さらに、前記ストッパー受け部26が内側に引き寄せられ、そして前記ストッパー27に当接するまで摺動して前記基板23が湾曲状態となるようにしたので、摺動長さを前記ストッパー受け部26とストッパー27との間隔Lによって正確に設定することができる。
【実施例3】
【0045】
図12〜図17は実施例3を示している。なお、この実施例3では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部2´を形成する。
【0046】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4Bを患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4Bは、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板3自体の撓みのみならず、前記基板3自体の縁3B側が前記枠体5に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0047】
即ち、図16に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4Bによって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0048】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図14の状態を経て、図17に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0049】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0050】
また、本実施例では、前記基板3の周縁全体を前記枠体5に対してやや摺動自在となるように保持し、また、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板3の撓みに依らず、この基板3に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、前記往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板3に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、基板3自体の撓みのみならず、基板3自体も前記枠体5に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【実施例4】
【0051】
図18〜図22は実施例4を示している。なお、この実施例4では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部22´を形成する。
【0052】
前記施療部22´は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4´とで構成されている。なお、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4´は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0053】
そして、前記基板23の縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。そして、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0054】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4B´を患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4B´は、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板23が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板23自体の撓みのみならず、前記基板23自体の縁23B側が前記枠体25に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0055】
そして、図21に示すように、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となり、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0056】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図20の状態を経て、図22に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0057】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0058】
また、本実施例では、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板23の撓みに依らず、基板23に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板23に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、前記基板23自体が撓むばかりでなく、ストッパー受け部26がストッパー27に当接するまでの範囲で前記基板23自体が枠体25に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【0059】
尚、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記各実施例では、前記複数の突起を前記基板の面方向に対してほぼ垂直に交差させて形成しているが、前記複数の突起は、前記基板の面方向に対してやや傾いて交差するようにしてもよい。また、上記各実施例において、前記往復駆動手段は、モータとクランク機構とコンロッドとで構成されているが、ソレノイドとプランジャ、或いはリニアモータ等で構成してもよい。また、上記各実施例では、前記基板の形状を平面状としたが、この基板の形状は初めから下方に凸となる形状であることが望ましい。これは、前記コンロッドによって平板状の前記基板を下方に押す場合、前記コンロッドが前記基板に対して揺動可能に連結されているため、前記コンロッドの下動時に前記基板を斜めに押してしまうことになるからである。これに対して、前記基板の形状が初めから下方に凸、更に望ましくは、前記往復駆動手段の下死点に対応する最も下方まで撓んだ凸形状であれば、前記往復駆動手段が下死点から上死点へ移動する際には前記コンロッドによって前記基板を引き上げると共に、前記往復駆動手段が上死点から下死点へ移動する際には、前記基板の復元力によって前記基板が下方に凸の状態に戻るのと同時に前記コンロッドによって前記基板が押されることになり、前記基板がほぼ均一に復元して下方に凸となるので、頭皮や患部のマッサージ等を良好に行うことができる。また、患部には頭皮も含まれる。更に、前記基板を前記枠体に対してやや摺動自在に設ける手段として、上述した構造の他にボール軸受などを利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係るブラシ装置及びマッサージ装置は、頭皮の他に、他の身体表面のマッサージや洗浄等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図3】本発明の実施例1を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図4】本発明の実施例1を示す底面図である。
【図5】本発明の実施例1を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図6】本発明の実施例1を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図7】本発明の実施例2を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図8】本発明の実施例2を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図10】本発明の実施例2を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図11】本発明の実施例2を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図12】本発明の実施例3を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例3を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図14】本発明の実施例3を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図15】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図16】本発明の実施例3を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図17】本発明の実施例3を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図18】本発明の実施例4を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図19】本発明の実施例4を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図20】本発明の実施例4を示す底面図である。
【図21】本発明の実施例4を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図22】本発明の実施例4を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 ブラシ装置
1A マッサージ装置
2 22 ブラシ部
2´ 22´ 施療部
3,23 基板
3A,23A 一側面
3B,23B 縁
4,4´ 突起
4A,4A´ 基端
4B,4B´ 先端
5 枠体
6 カバー(駆動部)
7 往復駆動手段
8 モータ(駆動部・電動機)
8A モータ軸
9 クランク機構(往復駆動手段)
9A 偏心軸
10 コンロッド
10A 一側
10B 他側
13 摺動用長孔(摺動部)
14 突部(摺動受け部)
26 ストッパー受け部
27 ストッパー
A 軸線
D 軸線
L 間隔
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗髪時における頭皮のマッサージ等に使用するブラシ装置、及びそのブラッシング方法、並びにマッサージ装置、及びそのマッサージ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のブラシ装置として、例えば、モータを内蔵したケーシングに弾性部材を介して振動ヘッドを設け、該振動ヘッド内に前記モータのモータ軸を突設させ、該モータ軸に振動子を偏心して取り付け、さらに、前記振動ヘッドの一側面に柔軟物質から成るブラシを取り付けたマッサージ兼電動洗髪ブラシが公知である(例えば、特許文献1)。このマッサージ兼電動洗髪ブラシにおいては、前記ブラシは円盤状に形成された基板としてのブラシ本体部と、該ブラシ本体部の一側面に多数突設された突起としての針状体片とから成る。そして、このマッサージ兼電動洗髪ブラシを使用する場合、使用者は、まずケーシングを把持して前記ブラシを頭部に押し当て、前記モータを作動させることで、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及びブラシを介して頭皮に伝達される。そして、前記ブラシは柔軟物質から構成されているので、頭皮を傷付けることなく毛穴の脂垢を取り除き、同時にマッサージを行うというものである。
【特許文献1】特開2001−258974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術においては、洗髪時における頭皮のマッサージや患部等のマッサージを行うとき、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及び柔軟物質から構成されている前記ブラシを介して頭皮等に伝達されるというものであるが、前記ブラシは頭皮等に対して単純に振動しているだけなので、頭皮等のマッサージを十分に行うことができないばかりでなく、頭皮の汚れも十分落とすことができないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、同一出願人は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対する位置関係が略固定された状態で保持される枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設け、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によって略固定された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができるブラシ装置を特願2004−360489号によって提案している。尚、この先願発明には同様なマッサージ装置も開示されている。
【0005】
しかしながら、前記先願発明の実施例においては、前記ブラシ部の基板の周縁を前記枠体に固定しているものであったので、前記往復駆動手段による基板の撓みは基板自体の可撓性及び伸縮性によって作用するものであった。したがって、基板の伸縮性の限界を超えて基板を撓ませることができなかったり、或いは伸縮性の低いような材料を利用することができなかったりするなどの問題を有する。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決し、洗髪及び頭皮のマッサージを行う場合等に、ブラシ部によって優しく且つ効果的に頭皮等のマッサージ及び洗浄を行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるブラシ装置及びそのブラッシング方法を提供することを目的とし、また、患部のマッサージを行う場合等に、施療部によって優しく且つ効果的に患部のマッサージを行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるマッサージ装置及びそのマッサージ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするブラシ装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記基板の周縁全体をやや摺動可能に保持するように、前記枠体が設けられたことを特徴とする請求項1記載のブラシ装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記突起の少なくとも基部が、前記基板の撓みに依らず、前記基板に対する角度を略一定に保つように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブラシ装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記突起の少なくとも先端部が可撓性を有する材料から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記往復駆動手段を、前記駆動部内に設けられた電動機と、この電動機に対して直接又は間接的に連結されたクランク機構と、このクランク機構に対して一側を連結すると共に前記基板に対して他側を連結したコンロッドを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0012】
請求項6の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有するブラシ部とを有し、このブラシ部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするブラシ装置のブラッシング方法である。
【0013】
請求項7の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作する施療部とを有するマッサージ装置において、前記施療部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記施療部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするマッサージ装置である。
【0014】
請求項8の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有する施療部とを有し、この施療部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするマッサージ装置のマッサージ方法である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮等に当てることで、頭皮等を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、基板の周縁全体が枠体に固定されるので、基板を均一に撓ませることができ、頭皮をいっそう効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、前記ブラシ部の基板が撓んだとしても、この基板と前記突起の基部の角度が略一定に保たれることで、前記複数の突起を確実に繰り返し相互に開閉させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、前記複数の突起が繰り返し相互に開閉したとしても、これらの突起の先端が撓むことで、頭皮を揉むように優しく洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、前記電動機の回転運動を前記クランク機構及びコンロッドによって往復運動に変換し、この往復運動を前記コンロッドによって前記ブラシ部の基板に伝え、この基板を撓ませることで、前記ブラシ部に複数設けられた突起の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0024】
図1〜図6は実施例1を示している。1はマッサージ装置を兼用するブラシ装置であり、このブラシ装置1の下部側にはブラシ部2が設けられている。そして、このブラシ部2は、基板3と、この基板3の下向きの一側面3A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。前記基板3は、軸線Aを中心とした円板状であって、可撓性及び若干の伸縮性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成されている。そして、前記基板3の縁3Bは、前記ブラシ装置1の枠体5に取り付けられている。また、複数の前記突起4は、基端4A側がやや太くなった棒状であると共に、前記軸線Aを中心として略軸対称となるように、前記基板3と一体に形成されている。さらに、前記各突起4は、その軸線Dが前記基板3の一側面3Aに対して略垂直に交差するように突出して形成されている。尚、前記突起4の基端4Aは、前記基板3の撓みに依らず、この基板3の一側面3Aに対して略垂直な状態を保つ。また、前記枠体5は、非可撓性の硬質合成樹脂製であって、前記基板3の縁3Bが取り付けられて前記軸線Aを中心とした環状に形成されている。尚、図中Bは、前記基板3の幅方向であり、前記基板3は前記軸線Aと直交して交差する前記幅方向Bに広く形成され、また、複数の前記突起4は相互に間隔Cをおいて配置されている。
【0025】
また、前記基板3の上方を覆うように、駆動部を構成するカバー6が前記枠体5と一体的に設けられている。そして、前記カバー6内に、前記基板3の中央を前記軸線Aに沿って上下方向に往復動させる往復駆動手段7が設けられている。この往復駆動手段7は、前記カバー6内のブラケット等の取り付け受け部材6Aを介して前記枠体5と一体的に設けられた駆動部としてのモータ8と、このモータ8のモータ軸8Aに取り付けられたクランク機構9と、このクランク機構9の偏心軸9Aに対して一側10Aが回動自在に連結されると共に、他側10Bが前記基板3の他側面3Cの略中央に対して揺動自在に連結されたコンロッド10を備えている。尚、前記モータ8は図示しない減速機構を有し、その回転を所定の減速比で減速して前記モータ軸8Aを回転させる。また、前記モータ8のモータ軸8Aと前記クランク機構9の偏心軸9Aとの偏心距離はFである。したがって、前記モータ8のモータ軸8Aが回転すると、このモータ軸8Aの回転が前記クランク機構9及びコンロッド10によって往復運動に変換されると共に、このコンロッド10によって前記基板3の中央部は軸線Aに沿って上下方向に往復動する。さらに、前記カバー6内には、図示しない電池を収容する電池ケース11が設けられると共に、前記カバー6の表面には、前記モータ8を作動させるためのスイッチ12が設けられている。
【0026】
そして、前記基板3の縁3Bは、一側面3Aが前記枠体5の他側面に沿うように配置されていると共に、前記縁3Bには摺動部たる摺動用長孔13が軸線Aを中心として等間隔に複数、実施例では4箇所に設けられている。尚、前記摺動用長孔13の長手方向は、前記軸線Aを中心として放射方向に形成されており、そして、前記枠体5の他側面に立設した摺動受け部たる突部14が、前記摺動用長孔13に挿入されている。そして、前記摺動用長孔13の長さ方向の内側端13Aは、前記基板3が平らであるとき、前記枠体5の内周面5Aより外側に配置され、一方、前記摺動用長孔13の外側端13Bは、前記カバー6の下端よりも内側に配置される。また、前記摺動用長孔13の幅Wは、前記突部14の幅と同じか或いはやや大きく形成されており、前記枠体5に固定された前記突部14に対して前記摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられている。ここで、やや摺動可能な長さとは、前記軸線Aを中心としたとき、その片側、すなわち前記摺動用長孔13の長さにおいて、前記基板3の撓みのストローク全長(=2F)に対して概ね1/3以下を示している。さらに、前記突部14の上端には幅大部14Aが設けられており、この幅大部14Aが前記基板3の他側面3Cのやや上方に配置されることで、前記摺動用長孔13に対して前記突部14が抜け止めできるようになっている。
【0027】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当てる。この時、前記突起4の先端4Bは、軽い力で前記頭皮Gに押し付けられている。次に、前記スイッチ12を閉成すると、図示しない電池から給電されることで前記モータ8が作動して、前記モータ軸8Aが回転する。この回転に伴い、前記モータ軸8Aに取り付けられた前記クランク機構9が回転し、このクランク機構9とこのクランク機構9の偏心軸9Aに連結された前記コンロッド10によって、前記モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、前述したように、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0028】
そして、図5に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が持ち上げられることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように移動する。その結果、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板3の一側面3Aと直交するように前記基板3と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の外周側に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0029】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図6に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が押されることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。尚、前記基板3は、図5の状態から図3の状態を経て図6の状態となるように変形するので、前記基板3は、前記枠体5に対し、それぞれの摺動用長孔13の外側端13B側が外側に押し出されることで、内側端13Aが前記突部14側に近づくように摺動した後(図5→図3)、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が再び内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように摺動する(図3→図6)。その結果、前記基板3は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有する軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の中央部に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0030】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部2の基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体5に対する前記基板3の縁3Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板3に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0031】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板3の一側面3Aに複数の突起4を前記基板3の軸線Aを中心として略軸対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板3の一側面3Aと直交するように、前記基板3と一体に形成し、前記基板3の縁3Bを枠体5に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板3に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板3の撓みを該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁3Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板3の材質に大きく依存するようなこともない。即ち、前記基板3自体が撓みさえすれば、前記基板3自体が殆ど伸縮しなくても、前記基板3の縁3Bが前記枠体5に対して摺動するので、従って、前記基板3を構成する材質に求められる性質として、伸縮性がそれほど重要ではなくなり、材料選択における条件が少なくなるので、前記基板3を構成する材質の範囲を拡げることができる。
【0032】
また、前記実施例では、突部14に対して摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられているので、前記基板3の湾曲変形を大きく均一に行うことができ、むらなく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を良好に行うことができる。
【0033】
また、前記実施例では、前記突起4の基端4Aが先端4Bよりも太く形成されていることで、前記基板3の撓みに依らず、前記基板3の一側面3Aに対して突起4の軸線Dが直交する状態を保つことにより、前記突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当ててブラシ部2を動作させても、前記複数の突起4が開閉を繰り返すことができるので、確実に頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0034】
また、前記突起4の先端4Bが基端4Aよりも細く形成されていることで、前記突起4の先端4Bが頭皮Gに押し当てられた際に撓むので、優しく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0035】
さらに、前記往復駆動手段7を、モータ8とクランク機構9とコンロッド10とで構成することによって、前記ブラシ部2に設けられた複数の前記突起4の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、前記各実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0037】
図7〜図11は実施例2を示している。22はブラシ部であり、このブラシ部22は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。尚、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0038】
そして、前記基板23の縁23Bは一側面23Aが前記枠体25の他側面に沿うように配置されており、前記縁23Bの一側面23Aが摺動部となる。そして、前記縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側、すなわち軸線A側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。尚、このストッパー27は、前記基板23の縁23B側のやや上方に該縁23Bの長手方向にほぼ沿うように配置されている。実施例では、前記枠体25の他側面に前記縁23B側を挟むように門形に設けられている。すなわち、前記ストッパー27は、前記枠体25の他側面に対してほぼ前記基板23の厚み分(突出長h)の間隔を空けて該基板23の他側面23Cと平行に、かつ長手方向を一対の前記縁23B間方向としている。一方、前記ストッパー受け部26は、前記ストッパー27と枠体25の間に挿入された前記基板23と一体又は一体的にその端側に設けられると共に、前記ストッパー27の外側にやや間隔Lを有するもので、この間隔Lが、前記縁23Bがやや摺動できる範囲となる。そして、前記ストッパー受け部26の前記枠体25の他側面からの高さHは、前記ストッパー27の前記枠体25の他側面との間隔hよりも大きく形成されている(h<H)。したがって、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0039】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当て、スイッチ12を閉成すると、モータ8が作動してモータ軸8Aが回転すると共に、クランク機構9が回転し、モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換されて、前記基板23が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0040】
そして、図10に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が持ち上げられることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれのストッパー受け部26が内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように移動する。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板23の一側面23Aと直交するように前記基板23と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板23の一側面23Aの撓みに伴って、この一側面23Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部22の基板23が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0041】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図11に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が押されることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。尚、前記基板23は、図10の状態から図8の状態を経て図11の状態となるように変形するので、前記基板23は、前記枠体25に対し、一対の前記ストッパー受け部26が外側に押し出されることで、このストッパー受け部26が前記ストッパー27から離れるように摺動した後(図10→図8)、それぞれのストッパー受け部26が再び内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように摺動する(図8→図11)。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板23が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0042】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部22の基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体25に対する前記基板23の縁23Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板23に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0043】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板23の一側面23Aに複数の突起4を前記基板23の軸線Aを中心として略面対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板23の一側面23Aと直交するように、前記基板23と一体に形成し、前記基板23の縁23Bを、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接するまでの範囲で、前記枠体25に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板23に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板23の撓みを該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁23Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板23の材質に大きく依存するようなこともない。
【0044】
さらに、前記ストッパー受け部26が内側に引き寄せられ、そして前記ストッパー27に当接するまで摺動して前記基板23が湾曲状態となるようにしたので、摺動長さを前記ストッパー受け部26とストッパー27との間隔Lによって正確に設定することができる。
【実施例3】
【0045】
図12〜図17は実施例3を示している。尚、この実施例3では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部2´を形成する。
【0046】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4Bを患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4Bは、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板3自体の撓みのみならず、前記基板3自体の縁3B側が前記枠体5に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0047】
即ち、図16に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4Bによって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0048】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図14の状態を経て、図17に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0049】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0050】
また、本実施例では、前記基板3の周縁全体を前記枠体5に対してやや摺動自在となるように保持し、また、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板3の撓みに依らず、この基板3に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、前記往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板3に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、基板3自体の撓みのみならず、基板3自体も前記枠体5に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【実施例4】
【0051】
図18〜図22は実施例4を示している。尚、この実施例4では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部22´を形成する。
【0052】
前記施療部22´は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4´とで構成されている。尚、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4´は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0053】
そして、前記基板23の縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。そして、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0054】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4B´を患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4B´は、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板23が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板23自体の撓みのみならず、前記基板23自体の縁23B側が前記枠体25に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0055】
そして、図21に示すように、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となり、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0056】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図20の状態を経て、図22に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0057】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0058】
また、本実施例では、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板23の撓みに依らず、基板23に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板23に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、前記基板23自体が撓むばかりでなく、ストッパー受け部26がストッパー27に当接するまでの範囲で前記基板23自体が枠体25に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【0059】
尚、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記各実施例では、前記複数の突起を前記基板の面方向に対してほぼ垂直に交差させて形成しているが、前記複数の突起は、前記基板の面方向に対してやや傾いて交差するようにしてもよい。また、上記各実施例において、前記往復駆動手段は、モータとクランク機構とコンロッドとで構成されているが、ソレノイドとプランジャ、或いはリニアモータ等で構成してもよい。また、上記各実施例では、前記基板の形状を平面状としたが、この基板の形状は初めから下方に凸となる形状であることが望ましい。これは、前記コンロッドによって平板状の前記基板を下方に押す場合、前記コンロッドが前記基板に対して揺動可能に連結されているため、前記コンロッドの下動時に前記基板を斜めに押してしまうことになるからである。これに対して、前記基板の形状が初めから下方に凸、更に望ましくは、前記往復駆動手段の下死点に対応する最も下方まで撓んだ凸形状であれば、前記往復駆動手段が下死点から上死点へ移動する際には前記コンロッドによって前記基板を引き上げると共に、前記往復駆動手段が上死点から下死点へ移動する際には、前記基板の復元力によって前記基板が下方に凸の状態に戻るのと同時に前記コンロッドによって前記基板が押されることになり、前記基板がほぼ均一に復元して下方に凸となるので、頭皮や患部のマッサージ等を良好に行うことができる。また、患部には頭皮も含まれる。更に、前記基板を前記枠体に対してやや摺動自在に設ける手段として、上述した構造の他にボール軸受などを利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係るブラシ装置及びマッサージ装置は、頭皮の他に、他の身体表面のマッサージや洗浄等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図3】本発明の実施例1を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図4】本発明の実施例1を示す底面図である。
【図5】本発明の実施例1を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図6】本発明の実施例1を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図7】本発明の実施例2を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図8】本発明の実施例2を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図10】本発明の実施例2を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図11】本発明の実施例2を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図12】本発明の実施例3を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例3を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図14】本発明の実施例3を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図15】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図16】本発明の実施例3を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図17】本発明の実施例3を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図18】本発明の実施例4を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図19】本発明の実施例4を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図20】本発明の実施例4を示す底面図である。
【図21】本発明の実施例4を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図22】本発明の実施例4を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 ブラシ装置
1A マッサージ装置
2 22 ブラシ部
2´ 22´ 施療部
3,23 基板
3A,23A 一側面
3B,23B 縁
4,4´ 突起
4A,4A´ 基端
4B,4B´ 先端
5 枠体
6 カバー(駆動部)
7 往復駆動手段
8 モータ(駆動部・電動機)
8A モータ軸
9 クランク機構(往復駆動手段)
9A 偏心軸
10 コンロッド
10A 一側
10B 他側
13 摺動用長孔(摺動部)
14 突部(摺動受け部)
26 ストッパー受け部
27 ストッパー
A 軸線
D 軸線
L 間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗髪時における頭皮のマッサージ等に使用するブラシ装置、及びそのブラッシング方法、並びにマッサージ装置、及びそのマッサージ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のブラシ装置として、例えば、モータを内蔵したケーシングに弾性部材を介して振動ヘッドを設け、該振動ヘッド内に前記モータのモータ軸を突設させ、該モータ軸に振動子を偏心して取り付け、さらに、前記振動ヘッドの一側面に柔軟物質から成るブラシを取り付けたマッサージ兼電動洗髪ブラシが公知である(例えば、特許文献1)。このマッサージ兼電動洗髪ブラシにおいては、前記ブラシは円盤状に形成された基板としてのブラシ本体部と、該ブラシ本体部の一側面に多数突設された突起としての針状体片とから成る。そして、このマッサージ兼電動洗髪ブラシを使用する場合、使用者は、まずケーシングを把持して前記ブラシを頭部に押し当て、前記モータを作動させることで、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及びブラシを介して頭皮に伝達される。そして、前記ブラシは柔軟物質から構成されているので、頭皮を傷付けることなく毛穴の脂垢を取り除き、同時にマッサージを行うというものである。
【特許文献1】特開2001−258974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術においては、洗髪時における頭皮のマッサージや患部等のマッサージを行うとき、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及び柔軟物質から構成されている前記ブラシを介して頭皮等に伝達されるというものであるが、前記ブラシは頭皮等に対して単純に振動しているだけなので、頭皮等のマッサージを十分に行うことができないばかりでなく、頭皮の汚れも十分落とすことができないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、同一出願人は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対する位置関係が略固定された状態で保持される枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設け、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によって略固定された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができるブラシ装置を特願2004−360489号によって提案している。尚、この先願発明には同様なマッサージ装置も開示されている。
【0005】
しかしながら、前記先願発明の実施例においては、前記ブラシ部の基板の周縁を前記枠体に固定しているものであったので、前記往復駆動手段による基板の撓みは基板自体の可撓性及び伸縮性によって作用するものであった。したがって、基板の伸縮性の限界を超えて基板を撓ませることができなかったり、或いは伸縮性の低いような材料を利用することができなかったりするなどの問題を有する。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決し、洗髪及び頭皮のマッサージを行う場合等に、ブラシ部によって優しく且つ効果的に頭皮等のマッサージ及び洗浄を行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるブラシ装置及びそのブラッシング方法を提供することを目的とし、また、患部のマッサージを行う場合等に、施療部によって優しく且つ効果的に患部のマッサージを行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるマッサージ装置及びそのマッサージ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするブラシ装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記基板の周縁全体をやや摺動可能に保持するように、前記枠体が設けられたことを特徴とする請求項1記載のブラシ装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記突起の少なくとも基部が、前記基板の撓みに依らず、前記基板に対する角度を略一定に保つように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブラシ装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記突起の少なくとも先端部が可撓性を有する材料から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記往復駆動手段を、前記駆動部内に設けられた電動機と、この電動機に対して直接又は間接的に連結されたクランク機構と、このクランク機構に対して一側を連結すると共に前記基板に対して他側を連結したコンロッドを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0012】
請求項6の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有するブラシ部とを有し、このブラシ部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするブラシ装置のブラッシング方法である。
【0013】
請求項7の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作する施療部とを有するマッサージ装置において、前記施療部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記施療部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするマッサージ装置である。
【0014】
請求項8の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有する施療部とを有し、この施療部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするマッサージ装置のマッサージ方法である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮等に当てることで、頭皮等を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、基板の周縁全体が枠体に固定されるので、基板を均一に撓ませることができ、頭皮をいっそう効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、前記ブラシ部の基板が撓んだとしても、この基板と前記突起の基部の角度が略一定に保たれることで、前記複数の突起を確実に繰り返し相互に開閉させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、前記複数の突起が繰り返し相互に開閉したとしても、これらの突起の先端が撓むことで、頭皮を揉むように優しく洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、前記電動機の回転運動を前記クランク機構及びコンロッドによって往復運動に変換し、この往復運動を前記コンロッドによって前記ブラシ部の基板に伝え、この基板を撓ませることで、前記ブラシ部に複数設けられた突起の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0024】
図1〜図6は実施例1を示している。1はマッサージ装置を兼用するブラシ装置であり、このブラシ装置1の下部側にはブラシ部2が設けられている。そして、このブラシ部2は、基板3と、この基板3の下向きの一側面3A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。前記基板3は、軸線Aを中心とした円板状であって、可撓性及び若干の伸縮性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成されている。そして、前記基板3の縁3Bは、前記ブラシ装置1の枠体5に取り付けられている。また、複数の前記突起4は、基端4A側がやや太くなった棒状であると共に、前記軸線Aを中心として略軸対称となるように、前記基板3と一体に形成されている。さらに、前記各突起4は、その軸線Dが前記基板3の一側面3Aに対して略垂直に交差するように突出して形成されている。尚、前記突起4の基端4Aは、前記基板3の撓みに依らず、この基板3の一側面3Aに対して略垂直な状態を保つ。また、前記枠体5は、非可撓性の硬質合成樹脂製であって、前記基板3の縁3Bが取り付けられて前記軸線Aを中心とした環状に形成されている。尚、図中Bは、前記基板3の幅方向であり、前記基板3は前記軸線Aと直交して交差する前記幅方向Bに広く形成され、また、複数の前記突起4は相互に間隔Cをおいて配置されている。
【0025】
また、前記基板3の上方を覆うように、駆動部を構成するカバー6が前記枠体5と一体的に設けられている。そして、前記カバー6内に、前記基板3の中央を前記軸線Aに沿って上下方向に往復動させる往復駆動手段7が設けられている。この往復駆動手段7は、前記カバー6内のブラケット等の取り付け受け部材6Aを介して前記枠体5と一体的に設けられた駆動部としてのモータ8と、このモータ8のモータ軸8Aに取り付けられたクランク機構9と、このクランク機構9の偏心軸9Aに対して一側10Aが回動自在に連結されると共に、他側10Bが前記基板3の他側面3Cの略中央に対して揺動自在に連結されたコンロッド10を備えている。尚、前記モータ8は図示しない減速機構を有し、その回転を所定の減速比で減速して前記モータ軸8Aを回転させる。また、前記モータ8のモータ軸8Aと前記クランク機構9の偏心軸9Aとの偏心距離はFである。したがって、前記モータ8のモータ軸8Aが回転すると、このモータ軸8Aの回転が前記クランク機構9及びコンロッド10によって往復運動に変換されると共に、このコンロッド10によって前記基板3の中央部は軸線Aに沿って上下方向に往復動する。さらに、前記カバー6内には、図示しない電池を収容する電池ケース11が設けられると共に、前記カバー6の表面には、前記モータ8を作動させるためのスイッチ12が設けられている。
【0026】
そして、前記基板3の縁3Bは、一側面3Aが前記枠体5の他側面に沿うように配置されていると共に、前記縁3Bには摺動部たる摺動用長孔13が軸線Aを中心として等間隔に複数、実施例では4箇所に設けられている。なお、前記摺動用長孔13の長手方向は、前記軸線Aを中心として放射方向に形成されており、そして、前記枠体5の他側面に立設した摺動受け部たる突部14が、前記摺動用長孔13に挿入されている。そして、前記摺動用長孔13の長さ方向の内側端13Aは、前記基板3が平であるとき、前記枠体5の内周面5Aより外側に配置され、一方、前記摺動用長孔13の外側端13Bは、前記カバー6の下端よりも内側に配置される。また、前記摺動用長孔13の幅Wは、前記突部14の幅と同じか或いはやや大きく形成されており、前記枠体5に固定された前記突部14に対して前記摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられている。ここで、やや摺動可能な長さとは、前記軸線Aを中心としたとき、その片側、すなわち前記摺動用長孔13の長さにおいて、前記基板3の撓みのストローク全長(=2F)に対して概ね1/3以下を示している。さらに、前記突部14の上端には幅大部14Aが設けられており、この幅大部14Aが前記基板3の他側面3Cのやや上方に配置されることで、前記摺動用長孔13に対して前記突部14が抜け止めできるようになっている。
【0027】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当てる。この時、前記突起4の先端4Bは、軽い力で前記頭皮Gに押し付けられている。次に、前記スイッチ12を閉成すると、図示しない電池から給電されることで前記モータ8が作動して、前記モータ軸8Aが回転する。この回転に伴い、前記モータ軸8Aに取り付けられた前記クランク機構9が回転し、このクランク機構9とこのクランク機構9の偏心軸9Aに連結された前記コンロッド10によって、前記モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、前述したように、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0028】
そして、図5に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が持ち上げられることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように移動する。その結果、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板3の一側面3Aと直交するように前記基板3と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の外周側に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0029】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図6に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が押されることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。なお、前記基板3は、図5の状態から図3の状態を経て図6の状態となるように変形するので、前記基板3は、前記枠体5に対し、それぞれの摺動用長孔13の外側端13B側が外側に押し出されることで、内側端13Aが前記突部14側に近づくように摺動した後(図5→図3)、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が再び内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように摺動する(図3→図6)。その結果、前記基板3は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有する軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の中央部に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0030】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部2の基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体5に対する前記基板3の縁3Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板3に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0031】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板3の一側面3Aに複数の突起4を前記基板3の軸線Aを中心として略軸対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板3の一側面3Aと直交するように、前記基板3と一体に形成し、前記基板3の縁3Bを枠体5に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板3に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板3の撓みを該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁3Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板3の材質に大きく依存するようなこともない。即ち、前記基板3自体が撓みさえすれば、前記基板3自体が殆ど伸縮しなくても、前記基板3の縁3Bが前記枠体5に対して摺動するので、従って、前記基板3を構成する材質に求められる性質として、伸縮性がそれほど重要ではなくなり、材料選択における条件が少なくなるので、前記基板3を構成する材質の範囲を拡げることができる。
【0032】
また、前記実施例では、突部14に対して摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられているので、前記基板3の湾曲変形を大きく均一に行うことができ、むらなく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を良好に行うことができる。
【0033】
また、前記実施例では、前記突起4の基端4Aが先端4Bよりも太く形成されていることで、前記基板3の撓みに依らず、前記基板3の一側面3Aに対して突起4の軸線Dが直交する状態を保つことにより、前記突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当ててブラシ部2を動作させても、前記複数の突起4が開閉を繰り返すことができるので、確実に頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0034】
また、前記突起4の先端4Bが基端4Aよりも細く形成されていることで、前記突起4の先端4Bが頭皮Gに押し当てられた際に撓むので、優しく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0035】
さらに、前記往復駆動手段7を、モータ8とクランク機構9とコンロッド10とで構成することによって、前記ブラシ部2に設けられた複数の前記突起4の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、前記各実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0037】
図7〜図11は実施例2を示している。22はブラシ部であり、このブラシ部22は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。なお、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0038】
そして、前記基板23の縁23Bは一側面23Aが前記枠体25の他側面に沿うように配置されており、前記縁23Bの一側面23Aが摺動部となる。そして、前記縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側、すなわち軸線A側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。なお、このストッパー27は、前記基板23の縁23B側のやや上方に該縁23Bの長手方向にほぼ沿うように配置されている。実施例では、前記枠体25の他側面に前記縁23B側を挟むように門形に設けられている。すなわち、前記ストッパー27は、前記枠体25の他側面に対してほぼ前記基板23の厚み分(突出長h)の間隔を空けて該基板23の他側面23Cと平行に、かつ長手方向を一対の前記縁23B間方向としている。一方、前記ストッパー受け部26は、前記ストッパー27と枠体25の間に挿入された前記基板23と一体又は一体的にその端側に設けられると共に、前記ストッパー27の外側にやや間隔Lを有するもので、この間隔Lが、前記縁23Bがやや摺動できる範囲となる。そして、前記ストッパー受け部26の前記枠体25の他側面からの高さHは、前記ストッパー27の前記枠体25の他側面との間隔hよりも大きく形成されている(h<H)。したがって、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0039】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当て、スイッチ12を閉成すると、モータ8が作動してモータ軸8Aが回転すると共に、クランク機構9が回転し、モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換されて、前記基板23が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0040】
そして、図10に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が持ち上げられることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれのストッパー受け部26が内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように移動する。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板23の一側面23Aと直交するように前記基板23と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板23の一側面23Aの撓みに伴って、この一側面23Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部22の基板23が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0041】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図11に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が押されることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。なお、前記基板23は、図10の状態から図8の状態を経て図11の状態となるように変形するので、前記基板23は、前記枠体25に対し、一対の前記ストッパー受け部26が外側に押し出されることで、このストッパー受け部26が前記ストッパー27から離れるように摺動した後(図10→図8)、それぞれのストッパー受け部26が再び内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように摺動する(図8→図11)。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板23が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0042】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部22の基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体25に対する前記基板23の縁23Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板23に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0043】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板23の一側面23Aに複数の突起4を前記基板23の軸線Aを中心として略面対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板23の一側面23Aと直交するように、前記基板23と一体に形成し、前記基板23の縁23Bを、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接するまでの範囲で、前記枠体25に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板23に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板23の撓みを該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁23Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板23の材質に大きく依存するようなこともない。
【0044】
さらに、前記ストッパー受け部26が内側に引き寄せられ、そして前記ストッパー27に当接するまで摺動して前記基板23が湾曲状態となるようにしたので、摺動長さを前記ストッパー受け部26とストッパー27との間隔Lによって正確に設定することができる。
【実施例3】
【0045】
図12〜図17は実施例3を示している。なお、この実施例3では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部2´を形成する。
【0046】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4Bを患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4Bは、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板3自体の撓みのみならず、前記基板3自体の縁3B側が前記枠体5に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0047】
即ち、図16に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4Bによって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0048】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図14の状態を経て、図17に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0049】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0050】
また、本実施例では、前記基板3の周縁全体を前記枠体5に対してやや摺動自在となるように保持し、また、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板3の撓みに依らず、この基板3に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、前記往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板3に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、基板3自体の撓みのみならず、基板3自体も前記枠体5に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【実施例4】
【0051】
図18〜図22は実施例4を示している。なお、この実施例4では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部22´を形成する。
【0052】
前記施療部22´は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4´とで構成されている。なお、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4´は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0053】
そして、前記基板23の縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。そして、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0054】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4B´を患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4B´は、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板23が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板23自体の撓みのみならず、前記基板23自体の縁23B側が前記枠体25に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0055】
そして、図21に示すように、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となり、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0056】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図20の状態を経て、図22に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0057】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0058】
また、本実施例では、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板23の撓みに依らず、基板23に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板23に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、前記基板23自体が撓むばかりでなく、ストッパー受け部26がストッパー27に当接するまでの範囲で前記基板23自体が枠体25に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【0059】
尚、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記各実施例では、前記複数の突起を前記基板の面方向に対してほぼ垂直に交差させて形成しているが、前記複数の突起は、前記基板の面方向に対してやや傾いて交差するようにしてもよい。また、上記各実施例において、前記往復駆動手段は、モータとクランク機構とコンロッドとで構成されているが、ソレノイドとプランジャ、或いはリニアモータ等で構成してもよい。また、上記各実施例では、前記基板の形状を平面状としたが、この基板の形状は初めから下方に凸となる形状であることが望ましい。これは、前記コンロッドによって平板状の前記基板を下方に押す場合、前記コンロッドが前記基板に対して揺動可能に連結されているため、前記コンロッドの下動時に前記基板を斜めに押してしまうことになるからである。これに対して、前記基板の形状が初めから下方に凸、更に望ましくは、前記往復駆動手段の下死点に対応する最も下方まで撓んだ凸形状であれば、前記往復駆動手段が下死点から上死点へ移動する際には前記コンロッドによって前記基板を引き上げると共に、前記往復駆動手段が上死点から下死点へ移動する際には、前記基板の復元力によって前記基板が下方に凸の状態に戻るのと同時に前記コンロッドによって前記基板が押されることになり、前記基板がほぼ均一に復元して下方に凸となるので、頭皮や患部のマッサージ等を良好に行うことができる。また、患部には頭皮も含まれる。更に、前記基板を前記枠体に対してやや摺動自在に設ける手段として、上述した構造の他にボール軸受などを利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係るブラシ装置及びマッサージ装置は、頭皮の他に、他の身体表面のマッサージや洗浄等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図3】本発明の実施例1を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図4】本発明の実施例1を示す底面図である。
【図5】本発明の実施例1を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図6】本発明の実施例1を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図7】本発明の実施例2を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図8】本発明の実施例2を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図10】本発明の実施例2を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図11】本発明の実施例2を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図12】本発明の実施例3を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例3を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図14】本発明の実施例3を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図15】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図16】本発明の実施例3を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図17】本発明の実施例3を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図18】本発明の実施例4を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図19】本発明の実施例4を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図20】本発明の実施例4を示す底面図である。
【図21】本発明の実施例4を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図22】本発明の実施例4を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 ブラシ装置
1A マッサージ装置
2 22 ブラシ部
2´ 22´ 施療部
3,23 基板
3A,23A 一側面
3B,23B 縁
4,4´ 突起
4A,4A´ 基端
4B,4B´ 先端
5 枠体
6 カバー(駆動部)
7 往復駆動手段
8 モータ(駆動部・電動機)
8A モータ軸
9 クランク機構(往復駆動手段)
9A 偏心軸
10 コンロッド
10A 一側
10B 他側
13 摺動用長孔(摺動部)
14 突部(摺動受け部)
26 ストッパー受け部
27 ストッパー
A 軸線
D 軸線
L 間隔
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗髪時における頭皮のマッサージ等に使用するブラシ装置、及びそのブラッシング方法、並びにマッサージ装置、及びそのマッサージ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のブラシ装置として、例えば、モータを内蔵したケーシングに弾性部材を介して振動ヘッドを設け、該振動ヘッド内に前記モータのモータ軸を突設させ、該モータ軸に振動子を偏心して取り付け、さらに、前記振動ヘッドの一側面に柔軟物質から成るブラシを取り付けたマッサージ兼電動洗髪ブラシが公知である(例えば、特許文献1)。このマッサージ兼電動洗髪ブラシにおいては、前記ブラシは円盤状に形成された基板としてのブラシ本体部と、該ブラシ本体部の一側面に多数突設された突起としての針状体片とから成る。そして、このマッサージ兼電動洗髪ブラシを使用する場合、使用者は、まずケーシングを把持して前記ブラシを頭部に押し当て、前記モータを作動させることで、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及びブラシを介して頭皮に伝達される。そして、前記ブラシは柔軟物質から構成されているので、頭皮を傷付けることなく毛穴の脂垢を取り除き、同時にマッサージを行うというものである。
【特許文献1】特開2001−258974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術においては、洗髪時における頭皮のマッサージや患部等のマッサージを行うとき、前記振動ヘッドに内蔵されている振動子の偏心回転によって生じる振動が、前記振動ヘッド及び柔軟物質から構成されている前記ブラシを介して頭皮等に伝達されるというものであるが、前記ブラシは頭皮等に対して単純に振動しているだけなので、頭皮等のマッサージを十分に行うことができないばかりでなく、頭皮の汚れも十分落とすことができないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、同一出願人は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対する位置関係が略固定された状態で保持される枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設け、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によって略固定された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができるブラシ装置を特願2004−360489号によって提案している。尚、この先願発明には同様なマッサージ装置も開示されている。
【0005】
しかしながら、前記先願発明の実施例においては、前記ブラシ部の基板の周縁を前記枠体に固定しているものであったので、前記往復駆動手段による基板の撓みは基板自体の可撓性及び伸縮性によって作用するものであった。したがって、基板の伸縮性の限界を超えて基板を撓ませることができなかったり、或いは伸縮性の低いような材料を利用することができなかったりするなどの問題を有する。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決し、洗髪及び頭皮のマッサージを行う場合等に、ブラシ部によって優しく且つ効果的に頭皮等のマッサージ及び洗浄を行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるブラシ装置及びそのブラッシング方法を提供することを目的とし、また、患部のマッサージを行う場合等に、施療部によって優しく且つ効果的に患部のマッサージを行うことができ、しかも前記基板の撓みを大きくしたり、前記基板を形成する材質の自由度を向上したりすることができるマッサージ装置及びそのマッサージ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするブラシ装置である。
【0008】
請求項2の発明は、前記基板の周縁全体をやや摺動可能に保持するように、前記枠体が設けられたことを特徴とする請求項1記載のブラシ装置である。
【0009】
請求項3の発明は、前記突起の少なくとも基部が、前記基板の撓みに依らず、前記基板に対する角度を略一定に保つように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブラシ装置である。
【0010】
請求項4の発明は、前記突起の少なくとも先端部が可撓性を有する材料から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0011】
請求項5の発明は、前記往復駆動手段を、前記駆動部内に設けられた電動機と、この電動機に対して直接又は間接的に連結されたクランク機構と、このクランク機構に対して一側を連結すると共に前記基板に対して他側を連結したコンロッドを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシ装置である。
【0012】
請求項6の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有するブラシ部とを有し、このブラシ部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするブラシ装置のブラッシング方法である。
【0013】
請求項7の発明は、駆動部と、前記駆動部によって動作する施療部とを有するマッサージ装置において、前記施療部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記施療部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするマッサージ装置である。
【0014】
請求項8の発明は、駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有する施療部とを有し、この施療部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするマッサージ装置のマッサージ方法である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮等に当てることで、頭皮等を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、基板の周縁全体が枠体に固定されるので、基板を均一に撓ませることができ、頭皮をいっそう効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、前記ブラシ部の基板が撓んだとしても、この基板と前記突起の基部の角度が略一定に保たれることで、前記複数の突起を確実に繰り返し相互に開閉させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、前記複数の突起が繰り返し相互に開閉したとしても、これらの突起の先端が撓むことで、頭皮を揉むように優しく洗浄したりマッサージしたりすることができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、前記電動機の回転運動を前記クランク機構及びコンロッドによって往復運動に変換し、この往復運動を前記コンロッドによって前記ブラシ部の基板に伝え、この基板を撓ませることで、前記ブラシ部に複数設けられた突起の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、前記ブラシ部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を頭皮に当てることで、頭皮を効果的に洗浄したりマッサージしたりすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、前記施療部の基板の周縁が前記枠体によってやや摺動可能となるように保持された状態で、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることにより、これらの突起を患部に当てることで、患部を効果的にマッサージすることができると共に、基板の撓みを該基板の可撓性のみならず前記摺動によっても作用させることができるので、撓みを大きくすることができ、或いは基板の材質に大きく依存しないで済むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0024】
図1〜図6は実施例1を示している。1はマッサージ装置を兼用するブラシ装置であり、このブラシ装置1の下部側にはブラシ部2が設けられている。そして、このブラシ部2は、基板3と、この基板3の下向きの一側面3A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。前記基板3は、軸線Aを中心とした円板状であって、可撓性及び若干の伸縮性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成されている。そして、前記基板3の縁3Bは、前記ブラシ装置1の枠体5に取り付けられている。また、複数の前記突起4は、基端4A側がやや太くなった棒状であると共に、前記軸線Aを中心として略軸対称となるように、前記基板3と一体に形成されている。さらに、前記各突起4は、その軸線Dが前記基板3の一側面3Aに対して略垂直に交差するように突出して形成されている。尚、前記突起4の基端4Aは、前記基板3の撓みに依らず、この基板3の一側面3Aに対して略垂直な状態を保つ。また、前記枠体5は、非可撓性の硬質合成樹脂製であって、前記基板3の縁3Bが取り付けられて前記軸線Aを中心とした環状に形成されている。尚、図中Bは、前記基板3の幅方向であり、前記基板3は前記軸線Aと直交して交差する前記幅方向Bに広く形成され、また、複数の前記突起4は相互に間隔Cをおいて配置されている。
【0025】
また、前記基板3の上方を覆うように、駆動部を構成するカバー6が前記枠体5と一体的に設けられている。そして、前記カバー6内に、前記基板3の中央を前記軸線Aに沿って上下方向に往復動させる往復駆動手段7が設けられている。この往復駆動手段7は、前記カバー6内のブラケット等の取り付け受け部材6Aを介して前記枠体5と一体的に設けられた駆動部としてのモータ8と、このモータ8のモータ軸8Aに取り付けられたクランク機構9と、このクランク機構9の偏心軸9Aに対して一側10Aが回動自在に連結されると共に、他側10Bが前記基板3の他側面3Cの略中央に対して揺動自在に連結されたコンロッド10を備えている。尚、前記モータ8は図示しない減速機構を有し、その回転を所定の減速比で減速して前記モータ軸8Aを回転させる。また、前記モータ8のモータ軸8Aと前記クランク機構9の偏心軸9Aとの偏心距離はFである。したがって、前記モータ8のモータ軸8Aが回転すると、このモータ軸8Aの回転が前記クランク機構9及びコンロッド10によって往復運動に変換されると共に、このコンロッド10によって前記基板3の中央部は軸線Aに沿って上下方向に往復動する。さらに、前記カバー6内には、図示しない電池を収容する電池ケース11が設けられると共に、前記カバー6の表面には、前記モータ8を作動させるためのスイッチ12が設けられている。
【0026】
そして、前記基板3の縁3Bは、一側面3Aが前記枠体5の他側面に沿うように配置されていると共に、前記縁3Bには摺動部たる摺動用長孔13が軸線Aを中心として等間隔に複数、実施例では4箇所に設けられている。尚、前記摺動用長孔13の長手方向は、前記軸線Aを中心として放射方向に形成されており、そして、前記枠体5の他側面に立設した摺動受け部たる突部14が、前記摺動用長孔13に挿入されている。そして、前記摺動用長孔13の長さ方向の内側端13Aは、前記基板3が平らであるとき、前記枠体5の内周面5Aより外側に配置され、一方、前記摺動用長孔13の外側端13Bは、前記カバー6の下端よりも内側に配置される。また、前記摺動用長孔13の幅Wは、前記突部14の幅と同じか或いはやや大きく形成されており、前記枠体5に固定された前記突部14に対して前記摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられている。ここで、やや摺動可能な長さとは、前記軸線Aを中心としたとき、その片側、すなわち前記摺動用長孔13の長さにおいて、前記基板3の撓みのストローク全長(=2F)に対して概ね1/3以下を示している。さらに、前記突部14の上端には幅大部14Aが設けられており、この幅大部14Aが前記基板3の他側面3Cのやや上方に配置されることで、前記摺動用長孔13に対して前記突部14が抜け止めできるようになっている。
【0027】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当てる。この時、前記突起4の先端4Bは、軽い力で前記頭皮Gに押し付けられている。次に、前記スイッチ12を閉成すると、図示しない電池から給電されることで前記モータ8が作動して、前記モータ軸8Aが回転する。この回転に伴い、前記モータ軸8Aに取り付けられた前記クランク機構9が回転し、このクランク機構9とこのクランク機構9の偏心軸9Aに連結された前記コンロッド10によって、前記モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、前述したように、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0028】
そして、図5に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が持ち上げられることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように移動する。その結果、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板3の一側面3Aと直交するように前記基板3と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有するエラストマー等の軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の外周側に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0029】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図6に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板3自体が撓むと共に、前記基板3自体が押されることで、前記基板3の縁3B側が前記枠体5に対してやや摺動する。尚、前記基板3は、図5の状態から図3の状態を経て図6の状態となるように変形するので、前記基板3は、前記枠体5に対し、それぞれの摺動用長孔13の外側端13B側が外側に押し出されることで、内側端13Aが前記突部14側に近づくように摺動した後(図5→図3)、それぞれの摺動用長孔13の内側端13A側が再び内側に寄せられることで、外側端13Bが前記突部14側に近づくように摺動する(図3→図6)。その結果、前記基板3は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。尚、実際には、前述したように、前記突起4の先端4Bが軽い力で前記頭皮Gに押し付けられていることによって、前記突起4の先端4Bは常に頭皮Gに当接していることになり、この結果、可撓性を有する軟質合成樹脂によって形成された前記突起4のうち、少なくとも前記基板3の中央部に形成された前記突起4における太く形成された基端4Aは、僅かに撓むものの、実質的に殆ど変形せず前記基板3の一側面3Aに対してほぼ直交した状態を保つ一方、細く形成された先端4B側は、大きく撓んだ状態で頭皮Gと当接することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。尚、前述したように、前記ブラシ部2の頭皮Gへの押し付け力及び前記突起4の動きに伴って前記突起4の先端4Bが撓むことで、頭皮Gは柔らかく揉まれるような感触でマッサージ及び洗浄されることになる。
【0030】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部2の基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体5に対する前記基板3の縁3Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板3に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0031】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板3の一側面3Aに複数の突起4を前記基板3の軸線Aを中心として略軸対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板3の一側面3Aと直交するように、前記基板3と一体に形成し、前記基板3の縁3Bを枠体5に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板3を、該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板3に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板3の撓みを該基板3の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁3Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板3の材質に大きく依存するようなこともない。即ち、前記基板3自体が撓みさえすれば、前記基板3自体が殆ど伸縮しなくても、前記基板3の縁3Bが前記枠体5に対して摺動するので、従って、前記基板3を構成する材質に求められる性質として、伸縮性がそれほど重要ではなくなり、材料選択における条件が少なくなるので、前記基板3を構成する材質の範囲を拡げることができる。
【0032】
また、前記実施例では、突部14に対して摺動用長孔13が内側端13Aと外側端13Bとの間でやや摺動可能に設けられているので、前記基板3の湾曲変形を大きく均一に行うことができ、むらなく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を良好に行うことができる。
【0033】
また、前記実施例では、前記突起4の基端4Aが先端4Bよりも太く形成されていることで、前記基板3の撓みに依らず、前記基板3の一側面3Aに対して突起4の軸線Dが直交する状態を保つことにより、前記突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当ててブラシ部2を動作させても、前記複数の突起4が開閉を繰り返すことができるので、確実に頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0034】
また、前記突起4の先端4Bが基端4Aよりも細く形成されていることで、前記突起4の先端4Bが頭皮Gに押し当てられた際に撓むので、優しく頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができる。
【0035】
さらに、前記往復駆動手段7を、モータ8とクランク機構9とコンロッド10とで構成することによって、前記ブラシ部2に設けられた複数の前記突起4の複雑な動きを簡単に実現することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、前記各実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0037】
図7〜図11は実施例2を示している。22はブラシ部であり、このブラシ部22は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4とで構成されている。尚、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0038】
そして、前記基板23の縁23Bは一側面23Aが前記枠体25の他側面に沿うように配置されており、前記縁23Bの一側面23Aが摺動部となる。そして、前記縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側、すなわち軸線A側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。尚、このストッパー27は、前記基板23の縁23B側のやや上方に該縁23Bの長手方向にほぼ沿うように配置されている。実施例では、前記枠体25の他側面に前記縁23B側を挟むように門形に設けられている。すなわち、前記ストッパー27は、前記枠体25の他側面に対してほぼ前記基板23の厚み分(突出長h)の間隔を空けて該基板23の他側面23Cと平行に、かつ長手方向を一対の前記縁23B間方向としている。一方、前記ストッパー受け部26は、前記ストッパー27と枠体25の間に挿入された前記基板23と一体又は一体的にその端側に設けられると共に、前記ストッパー27の外側にやや間隔Lを有するもので、この間隔Lが、前記縁23Bがやや摺動できる範囲となる。そして、前記ストッパー受け部26の前記枠体25の他側面からの高さHは、前記ストッパー27の前記枠体25の他側面との間隔hよりも大きく形成されている(h<H)。したがって、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0039】
次に、前記構成について、その作用を説明する。洗髪する場合、まず使用者は、前記ブラシ装置1を把持し、前記ブラシ部2の突起4の先端4Bを頭皮Gに押し当て、スイッチ12を閉成すると、モータ8が作動してモータ軸8Aが回転すると共に、クランク機構9が回転し、モータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換されて、前記基板23が、その中央が前記軸線Aに沿って往復動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0040】
そして、図10に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が持ち上げられることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。この摺動によって、それぞれのストッパー受け部26が内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように移動する。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、前記基板23の一側面23Aと直交するように前記基板23と一体に突設して形成された前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板23の一側面23Aの撓みに伴って、この一側面23Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が閉じる、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が内向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部22の基板23が上方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが掴まれるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0041】
この後、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図11に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。この過程においては、前記コンロッド10によって押されることで前記基板23自体が撓むと共に、前記基板23自体が押されることで、前記基板23の縁23B側が前記枠体25に対してやや摺動する。尚、前記基板23は、図10の状態から図8の状態を経て図11の状態となるように変形するので、前記基板23は、前記枠体25に対し、一対の前記ストッパー受け部26が外側に押し出されることで、このストッパー受け部26が前記ストッパー27から離れるように摺動した後(図10→図8)、それぞれのストッパー受け部26が再び内側に引き寄せられることで、前記縁23Bのストッパー受け部26が前記ストッパー27に近づくように摺動する(図8→図11)。そして、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接した時点で、前記縁23Bの摺動が停止する。その結果、前記基板23は、その中央を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、前記突起4のうち、少なくとも基端4Aは、前記基板3の一側面3Aの撓みに伴って、この一側面3Aとの直交状態をほぼ保って一体的に動くことにより、前記複数の突起4の先端4B同士が開く、即ち前記複数の突起4の少なくとも基端4Aにおける軸線D同士が外向きとなるように移動することになる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板23が下方に撓むことで、前記突起4が頭皮Gに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4の先端4Bによって頭皮Gが押し広げられるようにマッサージされると同時に、洗髪剤等によって頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0042】
このように、前記クランク機構9及びコンロッド10によって前記モータ8の回転力を往復運動に変換して、前記突起4を頭皮Gに接触させ続けた状態で前記ブラシ部22の基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記枠体25に対する前記基板23の縁23Bの内外への摺動によって繰り返し撓ませて、この基板23に一体に設けられた複数の前記突起4を繰り返し閉開させることで、複数の前記突起4によって掴んだり押し広げたりするような刺激を頭皮Gに与えてマッサージすると共に、このような複数の前記突起4の動きによる前記突起4の先端4Bの頭皮Gとの摩擦及び洗髪剤の作用によって、頭皮Gのみならず髪Hも洗浄されることになる。
【0043】
以上のように、前記実施例では、ブラシ部2の可撓性を有する基板23の一側面23Aに複数の突起4を前記基板23の軸線Aを中心として略面対称となるように、且つ前記突起4の前記軸線Dが前記基板23の一側面23Aと直交するように、前記基板23と一体に形成し、前記基板23の縁23Bを、前記ストッパー受け部26が前記ストッパー27に当接するまでの範囲で、前記枠体25に対してやや摺動自在となるように設けて、駆動部としてのモータ8を作動させることで、往復駆動手段7によって、この往復駆動手段7に連結された前記基板23を、該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記摺動によって上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で前記軸線Aに沿って繰り返し変形させることにより、前記基板23に設けられた複数の突起4が繰り返し開閉することになり、頭皮Gを掴んだり押し広げたりする動作を繰り返し、頭皮Gのマッサージ及び頭皮Gと髪Hの洗浄を行うことができると共に、基板23の撓みを該基板23の可撓性及び伸縮性のみならず前記縁23Bの摺動によって撓み度を大きくできたり、或いは基板23の材質に大きく依存するようなこともない。
【0044】
さらに、前記ストッパー受け部26が内側に引き寄せられ、そして前記ストッパー27に当接するまで摺動して前記基板23が湾曲状態となるようにしたので、摺動長さを前記ストッパー受け部26とストッパー27との間隔Lによって正確に設定することができる。
【実施例3】
【0045】
図12〜図17は実施例3を示している。尚、この実施例3では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部2´を形成する。
【0046】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4Bを患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4Bは、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板3が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板3自体の撓みのみならず、前記基板3自体の縁3B側が前記枠体5に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0047】
即ち、図16に示すように、前記クランク機構9の偏心軸9Aが前記モータ軸8Aよりも上方となると、前記コンロッド10によって引き上げられることで、前記基板3は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が上方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で内側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4Bによって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0048】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板3は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図14の状態を経て、図17に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0049】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0050】
また、本実施例では、前記基板3の周縁全体を前記枠体5に対してやや摺動自在となるように保持し、また、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板3の撓みに依らず、この基板3に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、前記往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板3に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、基板3自体の撓みのみならず、基板3自体も前記枠体5に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【実施例4】
【0051】
図18〜図22は実施例4を示している。尚、この実施例4では、マッサージ装置1Aを用いる例を示す。このマッサージ装置1Aは、上記各実施例のブラシ装置1と同様な構成、作用、効果をなすものであって、基板3の一側面3Aに複数の突起4´を相互に間隔Cをおいて施療部22´を形成する。
【0052】
前記施療部22´は、基板23と、この基板23の一側面23A側に突出して一体に設けられた複数の突起4´とで構成されている。尚、前記基板23は、平面が矩形の可撓性及び若干の伸縮性を有する薄板状であり、対向する一対の縁23Bが該基板23の外側に配置される枠体25に対してやや摺動自在となるように設けられる。一方、前記縁23Bに対して直交方向にある一対の縁23Dは自由端となっている。また、前記突起4´は、前記基板23の中心軸線Aを通ると共に前記基板23の縁23Bと平行となる図示しない仮想面に対して面対称となるように設けられている。
【0053】
そして、前記基板23の縁23Bの端側にストッパー受け部26が設けられると共に、該ストッパー受け部26の内側にストッパー受け部26が当接可能なストッパー27が設けられる。そして、前記縁23Bが内側に移動すると、前記ストッパー27に前記ストッパー受け部26が当接することで、前記縁23Bの移動が抑制されるようになっている。
【0054】
そして、腕、肩、腰など患部Pのマッサージを行う場合、まず使用者は、前記マッサージ装置1Aを把持し、前記施療部2´の突起4´の先端4B´を患部Pに押し当てる。この時、前記突起4´の先端4B´は、軽い力で前記患部Pに押し付けられている。次に、スイッチ12を閉成すると、上述した各実施例と同様に、コンロッド10によってモータ軸8Aの回転運動が往復運動に変換され、前記コンロッド10に連結された前記基板23が、その中央が軸線Aに沿って往復動することで、前記基板23自体の撓みのみならず、前記基板23自体の縁23B側が前記枠体25に対して内外へやや摺動することで、上に撓んだ湾曲凹状態と下に撓んだ湾曲凸状態の間で振幅が2Fとなる変形を繰り返す。
【0055】
そして、図21に示すように、前記基板23は、その中央を最上部とする上方に撓んだ湾曲凹状態となり、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが掴まれるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0056】
続いて、前記クランク機構9の偏心軸9Aが上死点から下方に回転すると、前記基板23は前記コンロッド10によって押されて徐々に変形し、図20の状態を経て、図22に示すように、中央部を最下部とする下方に撓んだ湾曲凸状態となる。そして、このように前記モータ8が回転して前記ブラシ部2の基板3が下方に撓むことで、前記突起4´が患部Pに当接した状態で外側に動くことになり、この際、前記突起4´の先端4B´によって患部Pが押し広げられるようにマッサージされる。尚、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pは柔らかく揉まれるような感触でマッサージされることになる。
【0057】
このように、前記施療部2´の患部Pへの押し付け力及び前記突起4´の動きに伴って前記突起4´の先端4B´が撓むことで、患部Pが柔らかく揉まれるような感触でマッサージされる。
【0058】
また、本実施例では、前記突起4´の少なくとも基部4A´が、前記基板23の撓みに依らず、基板23に対する角度を略一定に保つように形成されており、さらに、前記突起4´の少なくとも先端4B´が可撓性を有する材料から成り、往復駆動手段7を、駆動部内に設けられた電動機たるモータ8と、このモータ8に直接又は間接的に連結されたクランク機構9と、このクランク機構9に対して一側10Aを連結すると共に前記基板23に対して他側10Bを連結したコンロッド10とを備え、さらに前記コンロッド10によって押されたり引かれたりすることで、前記基板23自体が撓むばかりでなく、ストッパー受け部26がストッパー27に当接するまでの範囲で前記基板23自体が枠体25に対してやや摺動するようにしたから、上記各実施例と同様な作用、効果を奏する。
【0059】
尚、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記各実施例では、前記複数の突起を前記基板の面方向に対してほぼ垂直に交差させて形成しているが、前記複数の突起は、前記基板の面方向に対してやや傾いて交差するようにしてもよい。また、上記各実施例において、前記往復駆動手段は、モータとクランク機構とコンロッドとで構成されているが、ソレノイドとプランジャ、或いはリニアモータ等で構成してもよい。また、上記各実施例では、前記基板の形状を平面状としたが、この基板の形状は初めから下方に凸となる形状であることが望ましい。これは、前記コンロッドによって平板状の前記基板を下方に押す場合、前記コンロッドが前記基板に対して揺動可能に連結されているため、前記コンロッドの下動時に前記基板を斜めに押してしまうことになるからである。これに対して、前記基板の形状が初めから下方に凸、更に望ましくは、前記往復駆動手段の下死点に対応する最も下方まで撓んだ凸形状であれば、前記往復駆動手段が下死点から上死点へ移動する際には前記コンロッドによって前記基板を引き上げると共に、前記往復駆動手段が上死点から下死点へ移動する際には、前記基板の復元力によって前記基板が下方に凸の状態に戻るのと同時に前記コンロッドによって前記基板が押されることになり、前記基板がほぼ均一に復元して下方に凸となるので、頭皮や患部のマッサージ等を良好に行うことができる。また、患部には頭皮も含まれる。更に、前記基板を前記枠体に対してやや摺動自在に設ける手段として、上述した構造の他にボール軸受などを利用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上のように、本発明に係るブラシ装置及びマッサージ装置は、頭皮の他に、他の身体表面のマッサージや洗浄等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図3】本発明の実施例1を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図4】本発明の実施例1を示す底面図である。
【図5】本発明の実施例1を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図6】本発明の実施例1を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図7】本発明の実施例2を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図8】本発明の実施例2を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図9】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図10】本発明の実施例2を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図11】本発明の実施例2を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図12】本発明の実施例3を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施例3を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図14】本発明の実施例3を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図15】本発明の実施例3を示す底面図である。
【図16】本発明の実施例3を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図17】本発明の実施例3を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【図18】本発明の実施例4を示すモータの正面側から見た全体断面図である。
【図19】本発明の実施例4を示すモータの側面側から見た全体断面図である。
【図20】本発明の実施例4を示す底面図である。
【図21】本発明の実施例4を示す基板が凹となった状態の全体断面図である。
【図22】本発明の実施例4を示す基板が凸となった状態の全体断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 ブラシ装置
1A マッサージ装置
2 22 ブラシ部
2´ 22´ 施療部
3,23 基板
3A,23A 一側面
3B,23B 縁
4,4´ 突起
4A,4A´ 基端
4B,4B´ 先端
5 枠体
6 カバー(駆動部)
7 往復駆動手段
8 モータ(駆動部・電動機)
8A モータ軸
9 クランク機構(往復駆動手段)
9A 偏心軸
10 コンロッド
10A 一側
10B 他側
13 摺動用長孔(摺動部)
14 突部(摺動受け部)
26 ストッパー受け部
27 ストッパー
A 軸線
D 軸線
L 間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするブラシ装置。
【請求項2】
前記基板の周縁全体をやや摺動可能に保持するように、前記枠体が設けられたことを特徴とする請求項1記載のブラシ装置。
【請求項3】
前記突起の少なくとも基部が、前記基板の撓みに依らず、前記基板に対する角度を略一定に保つように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブラシ装置。
【請求項4】
前記突起の少なくとも先端部が可撓性を有する材料から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシ装置。
【請求項5】
前記往復駆動手段を、前記駆動部内に設けられた電動機と、この電動機に対して直接又は間接的に連結されたクランク機構と、このクランク機構に対して一側を連結すると共に前記基板に対して他側を連結したコンロッドを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシ装置。
【請求項6】
駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有するブラシ部とを有し、このブラシ部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするブラシ装置のブラッシング方法。
【請求項7】
駆動部と、前記駆動部によって動作する施療部とを有するマッサージ装置において、前記施療部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記施療部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項8】
駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有する施療部とを有し、この施療部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするマッサージ装置のマッサージ方法。
【請求項1】
駆動部と、前記駆動部によって動作するブラシ部とを有するブラシ装置において、前記ブラシ部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記ブラシ部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするブラシ装置。
【請求項2】
前記基板の周縁全体をやや摺動可能に保持するように、前記枠体が設けられたことを特徴とする請求項1記載のブラシ装置。
【請求項3】
前記突起の少なくとも基部が、前記基板の撓みに依らず、前記基板に対する角度を略一定に保つように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブラシ装置。
【請求項4】
前記突起の少なくとも先端部が可撓性を有する材料から成ることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシ装置。
【請求項5】
前記往復駆動手段を、前記駆動部内に設けられた電動機と、この電動機に対して直接又は間接的に連結されたクランク機構と、このクランク機構に対して一側を連結すると共に前記基板に対して他側を連結したコンロッドを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のブラシ装置。
【請求項6】
駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有するブラシ部とを有し、このブラシ部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするブラシ装置のブラッシング方法。
【請求項7】
駆動部と、前記駆動部によって動作する施療部とを有するマッサージ装置において、前記施療部が、可撓性を有する材質から成る板状の基板と、この基板の面に対して交差する方向に突出して設けられた複数の突起とで構成され、前記駆動部に、前記施療部の基板の周縁を前記駆動部に対してやや摺動可能となるように保持する枠体を設けると共に、前記駆動部に、前記基板の面と交差する方向にこの基板を撓ませる往復駆動手段を設けたことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項8】
駆動部と、可撓性を有する基板の面に対して交差する方向に突出する複数の突起を有する施療部とを有し、この施療部の基板の周縁を枠体によってやや摺動可能に保持し、前記基板の中央部を、往復駆動手段によって前記基板の面と交差する方向に撓ませることで、前記複数の突起を繰り返し相互に開閉させることを特徴とするマッサージ装置のマッサージ方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−187544(P2006−187544A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−3189(P2005−3189)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000109325)ツインバード工業株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
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