ブロック部材を用いたパネル構造体
【課題】ブロック部材を用いたパネル構造体において、外観がすっきりしてこぎれいで、生産及び組立の容易なものを提供する。
【解決手段】内側に嵌合凹部16を有する複数の支持フレーム18でもって三方に閉じた外郭フレーム20を構成し、外郭フレーム20の内側にて、厚みを有する四角形の本体及びその周囲に設けられた係合縁部4からなる複数のブロック部材2を積み重ねて行く。この際、係合縁部4が嵌め込まれる嵌合溝14aを左右の両側に有する垂直支持部材14、及び、係合縁部4が嵌め込まれる嵌合溝12aを上下の両側に有する水平支持部材12を用い、嵌合及び挟み込みによって組み付けられつつ積み重ねが行われるようにする。積み重ねが完了してから、外郭フレーム20の上方の開放部に、嵌合凹部16を有する支持フレームを組み付ける。
【解決手段】内側に嵌合凹部16を有する複数の支持フレーム18でもって三方に閉じた外郭フレーム20を構成し、外郭フレーム20の内側にて、厚みを有する四角形の本体及びその周囲に設けられた係合縁部4からなる複数のブロック部材2を積み重ねて行く。この際、係合縁部4が嵌め込まれる嵌合溝14aを左右の両側に有する垂直支持部材14、及び、係合縁部4が嵌め込まれる嵌合溝12aを上下の両側に有する水平支持部材12を用い、嵌合及び挟み込みによって組み付けられつつ積み重ねが行われるようにする。積み重ねが完了してから、外郭フレーム20の上方の開放部に、嵌合凹部16を有する支持フレームを組み付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック部材を用いたパネル構造体に関する。特には、既存の、ボルト及びナットを用いる締結手段をなくすことにより、すっきりしてこぎれいな外観を有し、かつ、生産及び組み立てが容易となったパネル構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブロック部材を用いたパネル構造体において、ブロック部材は、ガラスブリック(glass brick)、ガラスブロック(glass block)などである。パネル構造体は、建築構造物において、間仕切り(パーティッション; partition)または目隠し(スクリーン; screen)として用いるのに適したものであり、ブロック部材及び支持部材からなる。
【0003】
従来用いられていたパネル構造体は、図1及び図2にあるように、支持フレーム102内にて、一定の間隔に配列した複数のブロック部材104における互いに向き合う係合縁部106の間を延びるように、水平支持部108及び垂直支持部110を配置して格子状に交差させ、水平支持部材108と垂直部材110との交差箇所にボルト112とナット114を用いてブロック部材を104を締結固定したものであった。
【0004】
ボルト112及びナット114でもって水平及び垂直の支持部材108,110を締結し、ブロック部材104を固定させることにより、締結力が良好であるものの、ボルト112の頭部及びナット114が外部に露出するので、外観がすっきりと滑らかでないという短点が生じる。また、ボルト112及びナット114が多量に用いられ、その締結のために水平及び垂直の支持部材108,110の交差箇所に締結孔をいちいち設ける必要があり、また、その締結孔にいちいちボルト112及びナット114を締結する必要がある。そのため、加工時間及び組み立て時間が長くなる。これにより、全体的な生産コストが増大してしまうので、消費者の負担が増大してしまう
また、締結されたボルト112及びナット114が、ときたま緩んだり、または、ユーザーの不注意により、少しでも解れると、少しの外力によってもブロック部材104が水平及び垂直支持部材108及び110の間から抜け出て破損する恐れがともなう。なお、未説明の符号116はゴムパッキングをさす。
【特許文献1】特開平10-212791
【特許文献2】特許2719124
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外観をすっきりしたものとしつつ、製作がシンプルで生産及び組立が容易な、ブロック部材を用いるパネル構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明は、内側に嵌合凹部(16)を有する複数の支持フレーム(18)でもって三方に閉じた外郭フレーム(20)を構成し、外郭フレーム(20)の内側にて、厚みを有する四角形の本体及びその周囲に設けられた係合縁部(4)からなる複数のブロック部材(2)を積み重ねて行き、この際、嵌合溝(14a)を左右の両側に有する垂直支持部材(14)、及び、嵌合溝(12a)を上下の両側に有する水平支持部材(12)を用い、嵌合及び挟み込みによって組み付けられつつ積み重ねが行われるようにし、積み重ねが完了してから、外郭フレーム(20)の一方の開放部に、嵌合凹部(16)を有する支持フレームを組み付けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ブロック部材を支持する水平及び垂直の支持部材を締結固定するボルト及びナットの構造を省くことで、外観がすっきりとこぎれいでありながら、組立が容易であり、製作作業が単純で生産コストを低減することのできるという利点を有する。また、設置時には、多量のボルト及びナットを逐一締結する必要がないため、組立時間を短縮できるという利点が生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の好ましい実施例を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0009】
図3は、本発明の実施例に係るブロック部材を用いたパネル構造体におけるブロック部材の斜視図である。図4は、図3のブロック部材の断面図であり、図5は、本発明の実施例に係るブロック部材を用いたパネル構造体について組み立てた状態にて示す正面図である。また、図6は、図5のA-A線に沿った断面図であり、図7は、図6の部分分解斜視図である。図8は、図5のB-B線に沿った断面図である。
【0010】
図3〜図8をまとめて参照するならば、本発明の実施例に係るブロック部材を用いたパネル構造体10は、次のように構成される。嵌合溝12a,14aを有する水平及び垂直支持部材12,14のそれぞれに対し、その両側から、隣接するブロック部材2の嵌合縁部4が、それぞれ嵌め込まれて組み付けられる。このようにして、格子状に組み合わさってブロック部材2を挟み込んで保持する。格子状に組み合わさってなる四角形の端部には、内面に嵌合凹部16を有する複数の支持フレーム18が組み付けられる。
【0011】
ブロック部材2は、図3及び4に示すように、厚みを有する四角形の本体と、この本体の縁から外側へと突き出す係合縁部4とを一体に設けてなる。
【0012】
図5におけるように、各水平支持部材12は、下方のブロック部材2の上縁の係合縁部4と、及び上方のブロック部材2の下縁の係合縁部4との間に位置し、これら上下のブロック部材2の係合縁部4が組み付けられて固定される。また、各垂直支持部材14は、左方のブロック部材2の右縁の係合縁部4と、及び右方のブロック部材2の左縁の係合縁部4との間に位置し、これら左右のブロック部材2の係合縁部4が組み付けられて固定される。水平支持部材12及び垂直支持部材14の断面は、図6及び図8に示すように、これらを互いに嵌め合わせて組み付けることが可能となり、また、ブロック部材2の係合縁部4との嵌合による組み付けが可能となる構造である。このようなことを可能にする構造であれば、いずれでも良いが、図6の参照符号"C"で指示される拡大図、及び、図8の参照符号"F"で指示される拡大図におけるように、断面を"H"形に設けて、ブロック部材2の各係合縁部4が水平及び垂直の支持部材12,14の嵌合溝12a,14aに嵌め込まれて固定されるのが好ましい。ここで、図9〜13に示すように、一つの垂直支持部材14の一つの嵌合溝14aに、垂直に列をなす複数のブロック部材2の係合縁部4の一側部が、いずれも嵌め込まれる。上下方向へと互いに隣り合うブロック部材2は、係合縁部4の上部及び下部が、水平支持部材12の嵌合溝12aに嵌め込まれて挟み込まれて保持される。ブロック部材2は、係合縁部4を有さずに、厚肉の周縁部が直接、水平及び垂直の支持部材12,14の嵌合溝12a,14aに嵌め込まれるのであっても良い。
【0013】
垂直支持部材14の左右の嵌合溝14aへと左右から嵌合により組み付けられる水平支持部材12の端部は、図8の参照符号"F"により指示される拡大図、図11及び図12に示すように、嵌合溝14aの底部から、嵌合溝14aと同一の幅、または、これよりわずかに小さい幅にて延びて突き出しており、垂直支持部材14の嵌合溝14aに嵌め込まれる。
【0014】
図5及び図6を参照するならば、水平支持部材12の上下両側に設けられた結合溝12aには、垂直に整列配置される上下両側のブロック部材2の係合縁部4が、それぞれ、嵌め込まれる。最も上の段、及び最も下の段に位置するブロック部材2の係合縁部4は、それぞれ、上下の支持フレーム18に組み付けられて固定される。図6における参照符号"D"により指示される拡大図、及び図7に示すように、支持フレーム18の結合側の面である内面には、ブロック部材2の係合縁部4が嵌め込まれるように、嵌合凹部16を設けており、また、係合縁部4が安定した状態で据え付けられるように、嵌合凹部16の周囲に係合段部17を設ける。ここで、嵌合凹部16に、まずゴムパッキング22を据え付ける。この後、ゴムパッキング22に設けられた嵌合溝22aに、ブロック部材2の係合縁部4を据え付けて組み付ければ、漏水の防止、及び気密性の維持に有利である。
【0015】
各ゴムパッキング22は、図10に示すように、各ブロック部材2の係合縁部4の長さ寸法に等しい寸法に設けるのが望ましい。水平支持部材12及び垂直支持部材14の端部が各支持フレーム18の内面の嵌合凹部16に嵌め込まれた際に、これら支持部材12,14が嵌合凹部16との結合箇所にまで達しないようにするためである。実施例においては、ブロック部材2を水平及び垂直方向の各列に3個ずつとなるように整列したが、ブロック部材2及びパネル構造Aの大きさ及び用途に従い、縦横のブロック部材の数量を増減させることができる。
【0016】
図5、図8、図11及び図12を共に参照するなら明らかなように、垂直支持部材14の左右両側に設けた嵌合溝14aに、水平支持部材12の縁部が嵌め込まれて、格子状をなす。最左端及び最右端に位置する、水平支持部材12の縁部は、左右の支持フレーム13の嵌合凹部16に嵌め込まれて固定される。垂直支持部材14における最上端及び最下端の部分は、上下の支持フレーム18の嵌合凹部16に嵌め込まれて固定される。
【0017】
以上のように構成される、ブロック部材を用いたパネル構造体を組み立てる動作は、下記に説明するとおりである。
【0018】
図13は、パネル構造体の組立の手順を明らかにする斜視図である。下方の支持フレーム13と、左右の支持フレーム18を、ビスで堅固に連結固定し、3方に閉じた外郭フレーム20を構成する。次いで、ブロック部材2の個数及び寸法に対応して、一定の間隔をおいて、垂直支持部材14を下方の支持フレーム18の嵌合凹部16に組み付ける。この状態で、下方の支持フレーム18の嵌合凹部16と、左右の支持フレーム18の嵌合凹部16とにおける、ブロック部材2の係合縁部4を組み付ける箇所に、それぞれゴムパッキング22が組み付けられる。この後、上方から下方へと一つずつブロック部材2を嵌め込む。
【0019】
このように嵌め込まれた最下段の各ブロック部材2の上方に、上下両側に嵌合溝12aを有する水平支持部材12をそれぞれ組み付ける。各水平支持部材12の左右の端部が、2つの垂直支持部材14の間、または、垂直支持部材14と支持フレーム18との間に嵌め込まれる。水平支持部材12の下方の嵌合溝12aには、下方に嵌め込まれたブロック部材2の上方の係合縁部4が嵌め込まれて組み付けられる。組み付けられた水平支持部材12の上方にて、左右の支持フレーム18の嵌合凹部16には、2段目のブロック部材2に対応してゴムパッキング22を嵌める。そして、再びブロック部材2を嵌め込み、その下方の係合縁部4が水平支持部材12における上方の嵌合溝12aに嵌め込まれる。ブロック部材2の左右の係合縁部4は、2つの垂直支持部材12の間にて、内側を向いた組付け溝12aに、または、垂直支持部材12と左右の支持フレーム18との間にて、内側を向いた組付け溝12a及び嵌合凹部16に嵌め込まれる。水平支持部材12の上下の嵌合溝12a内に、シリコーングリースを適量塗布すれば、優れた接着力を得ることができる。
【0020】
上記のような方法にて、パネル構造体10のサイズ及び用途に合うように、水平支持部材12、ゴムパッキング22及びブロック部材2を嵌め込んで組みつけた後、最上段のブロック部材2までの積み上げが完了すれば、3方に閉じられら外郭フレーム20における上方の開放部に、同様に嵌合凹部16を有する支持フレーム18をビスで組み付けて固定する。このようにして、図5及び図9のように、外観をすっきりしたこぎれいなものとしつつ、堅固でパネル強度が優れたパネル構造体Aを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術のパネル構造体の正面図である。
【図2】図1のA'-A'線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施例のパネル構造体を構成するブロック部材の斜視図である。
【図4】図3のブロック部材の断面図である。
【図5】本発明の実施例のパネル構造体の正面図である。
【図6】図5のA-A線に沿った断面図である。
【図7】図6の一部に対応する、分解断面図である。
【図8】図5のB-B線に沿った断面図である。
【図9】本発明の実施例のパネル構造体の全体を示す斜視図である。
【図10】図9に対応する分解斜視図である。
【図11】水平支持部材と垂直支持部材との間の組付けの構成を示す分解斜視図である。
【図12】図11の主要部についての断面図である。
【図13】実施例のパネル構造体の組付けの順序を示す部分分解斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
2 ブロック部材 3 係合縁部 10 パネル構造体 12 水平支持部材
12a,14a 嵌合溝 14 垂直支持部材 16 嵌合凹部 17 係合段部
18 支持フレーム 20 外郭フレーム 22ゴムパッキング 22a 嵌合溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック部材を用いたパネル構造体に関する。特には、既存の、ボルト及びナットを用いる締結手段をなくすことにより、すっきりしてこぎれいな外観を有し、かつ、生産及び組み立てが容易となったパネル構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブロック部材を用いたパネル構造体において、ブロック部材は、ガラスブリック(glass brick)、ガラスブロック(glass block)などである。パネル構造体は、建築構造物において、間仕切り(パーティッション; partition)または目隠し(スクリーン; screen)として用いるのに適したものであり、ブロック部材及び支持部材からなる。
【0003】
従来用いられていたパネル構造体は、図1及び図2にあるように、支持フレーム102内にて、一定の間隔に配列した複数のブロック部材104における互いに向き合う係合縁部106の間を延びるように、水平支持部108及び垂直支持部110を配置して格子状に交差させ、水平支持部材108と垂直部材110との交差箇所にボルト112とナット114を用いてブロック部材を104を締結固定したものであった。
【0004】
ボルト112及びナット114でもって水平及び垂直の支持部材108,110を締結し、ブロック部材104を固定させることにより、締結力が良好であるものの、ボルト112の頭部及びナット114が外部に露出するので、外観がすっきりと滑らかでないという短点が生じる。また、ボルト112及びナット114が多量に用いられ、その締結のために水平及び垂直の支持部材108,110の交差箇所に締結孔をいちいち設ける必要があり、また、その締結孔にいちいちボルト112及びナット114を締結する必要がある。そのため、加工時間及び組み立て時間が長くなる。これにより、全体的な生産コストが増大してしまうので、消費者の負担が増大してしまう
また、締結されたボルト112及びナット114が、ときたま緩んだり、または、ユーザーの不注意により、少しでも解れると、少しの外力によってもブロック部材104が水平及び垂直支持部材108及び110の間から抜け出て破損する恐れがともなう。なお、未説明の符号116はゴムパッキングをさす。
【特許文献1】特開平10-212791
【特許文献2】特許2719124
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外観をすっきりしたものとしつつ、製作がシンプルで生産及び組立が容易な、ブロック部材を用いるパネル構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明は、内側に嵌合凹部(16)を有する複数の支持フレーム(18)でもって三方に閉じた外郭フレーム(20)を構成し、外郭フレーム(20)の内側にて、厚みを有する四角形の本体及びその周囲に設けられた係合縁部(4)からなる複数のブロック部材(2)を積み重ねて行き、この際、嵌合溝(14a)を左右の両側に有する垂直支持部材(14)、及び、嵌合溝(12a)を上下の両側に有する水平支持部材(12)を用い、嵌合及び挟み込みによって組み付けられつつ積み重ねが行われるようにし、積み重ねが完了してから、外郭フレーム(20)の一方の開放部に、嵌合凹部(16)を有する支持フレームを組み付けてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ブロック部材を支持する水平及び垂直の支持部材を締結固定するボルト及びナットの構造を省くことで、外観がすっきりとこぎれいでありながら、組立が容易であり、製作作業が単純で生産コストを低減することのできるという利点を有する。また、設置時には、多量のボルト及びナットを逐一締結する必要がないため、組立時間を短縮できるという利点が生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の好ましい実施例を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0009】
図3は、本発明の実施例に係るブロック部材を用いたパネル構造体におけるブロック部材の斜視図である。図4は、図3のブロック部材の断面図であり、図5は、本発明の実施例に係るブロック部材を用いたパネル構造体について組み立てた状態にて示す正面図である。また、図6は、図5のA-A線に沿った断面図であり、図7は、図6の部分分解斜視図である。図8は、図5のB-B線に沿った断面図である。
【0010】
図3〜図8をまとめて参照するならば、本発明の実施例に係るブロック部材を用いたパネル構造体10は、次のように構成される。嵌合溝12a,14aを有する水平及び垂直支持部材12,14のそれぞれに対し、その両側から、隣接するブロック部材2の嵌合縁部4が、それぞれ嵌め込まれて組み付けられる。このようにして、格子状に組み合わさってブロック部材2を挟み込んで保持する。格子状に組み合わさってなる四角形の端部には、内面に嵌合凹部16を有する複数の支持フレーム18が組み付けられる。
【0011】
ブロック部材2は、図3及び4に示すように、厚みを有する四角形の本体と、この本体の縁から外側へと突き出す係合縁部4とを一体に設けてなる。
【0012】
図5におけるように、各水平支持部材12は、下方のブロック部材2の上縁の係合縁部4と、及び上方のブロック部材2の下縁の係合縁部4との間に位置し、これら上下のブロック部材2の係合縁部4が組み付けられて固定される。また、各垂直支持部材14は、左方のブロック部材2の右縁の係合縁部4と、及び右方のブロック部材2の左縁の係合縁部4との間に位置し、これら左右のブロック部材2の係合縁部4が組み付けられて固定される。水平支持部材12及び垂直支持部材14の断面は、図6及び図8に示すように、これらを互いに嵌め合わせて組み付けることが可能となり、また、ブロック部材2の係合縁部4との嵌合による組み付けが可能となる構造である。このようなことを可能にする構造であれば、いずれでも良いが、図6の参照符号"C"で指示される拡大図、及び、図8の参照符号"F"で指示される拡大図におけるように、断面を"H"形に設けて、ブロック部材2の各係合縁部4が水平及び垂直の支持部材12,14の嵌合溝12a,14aに嵌め込まれて固定されるのが好ましい。ここで、図9〜13に示すように、一つの垂直支持部材14の一つの嵌合溝14aに、垂直に列をなす複数のブロック部材2の係合縁部4の一側部が、いずれも嵌め込まれる。上下方向へと互いに隣り合うブロック部材2は、係合縁部4の上部及び下部が、水平支持部材12の嵌合溝12aに嵌め込まれて挟み込まれて保持される。ブロック部材2は、係合縁部4を有さずに、厚肉の周縁部が直接、水平及び垂直の支持部材12,14の嵌合溝12a,14aに嵌め込まれるのであっても良い。
【0013】
垂直支持部材14の左右の嵌合溝14aへと左右から嵌合により組み付けられる水平支持部材12の端部は、図8の参照符号"F"により指示される拡大図、図11及び図12に示すように、嵌合溝14aの底部から、嵌合溝14aと同一の幅、または、これよりわずかに小さい幅にて延びて突き出しており、垂直支持部材14の嵌合溝14aに嵌め込まれる。
【0014】
図5及び図6を参照するならば、水平支持部材12の上下両側に設けられた結合溝12aには、垂直に整列配置される上下両側のブロック部材2の係合縁部4が、それぞれ、嵌め込まれる。最も上の段、及び最も下の段に位置するブロック部材2の係合縁部4は、それぞれ、上下の支持フレーム18に組み付けられて固定される。図6における参照符号"D"により指示される拡大図、及び図7に示すように、支持フレーム18の結合側の面である内面には、ブロック部材2の係合縁部4が嵌め込まれるように、嵌合凹部16を設けており、また、係合縁部4が安定した状態で据え付けられるように、嵌合凹部16の周囲に係合段部17を設ける。ここで、嵌合凹部16に、まずゴムパッキング22を据え付ける。この後、ゴムパッキング22に設けられた嵌合溝22aに、ブロック部材2の係合縁部4を据え付けて組み付ければ、漏水の防止、及び気密性の維持に有利である。
【0015】
各ゴムパッキング22は、図10に示すように、各ブロック部材2の係合縁部4の長さ寸法に等しい寸法に設けるのが望ましい。水平支持部材12及び垂直支持部材14の端部が各支持フレーム18の内面の嵌合凹部16に嵌め込まれた際に、これら支持部材12,14が嵌合凹部16との結合箇所にまで達しないようにするためである。実施例においては、ブロック部材2を水平及び垂直方向の各列に3個ずつとなるように整列したが、ブロック部材2及びパネル構造Aの大きさ及び用途に従い、縦横のブロック部材の数量を増減させることができる。
【0016】
図5、図8、図11及び図12を共に参照するなら明らかなように、垂直支持部材14の左右両側に設けた嵌合溝14aに、水平支持部材12の縁部が嵌め込まれて、格子状をなす。最左端及び最右端に位置する、水平支持部材12の縁部は、左右の支持フレーム13の嵌合凹部16に嵌め込まれて固定される。垂直支持部材14における最上端及び最下端の部分は、上下の支持フレーム18の嵌合凹部16に嵌め込まれて固定される。
【0017】
以上のように構成される、ブロック部材を用いたパネル構造体を組み立てる動作は、下記に説明するとおりである。
【0018】
図13は、パネル構造体の組立の手順を明らかにする斜視図である。下方の支持フレーム13と、左右の支持フレーム18を、ビスで堅固に連結固定し、3方に閉じた外郭フレーム20を構成する。次いで、ブロック部材2の個数及び寸法に対応して、一定の間隔をおいて、垂直支持部材14を下方の支持フレーム18の嵌合凹部16に組み付ける。この状態で、下方の支持フレーム18の嵌合凹部16と、左右の支持フレーム18の嵌合凹部16とにおける、ブロック部材2の係合縁部4を組み付ける箇所に、それぞれゴムパッキング22が組み付けられる。この後、上方から下方へと一つずつブロック部材2を嵌め込む。
【0019】
このように嵌め込まれた最下段の各ブロック部材2の上方に、上下両側に嵌合溝12aを有する水平支持部材12をそれぞれ組み付ける。各水平支持部材12の左右の端部が、2つの垂直支持部材14の間、または、垂直支持部材14と支持フレーム18との間に嵌め込まれる。水平支持部材12の下方の嵌合溝12aには、下方に嵌め込まれたブロック部材2の上方の係合縁部4が嵌め込まれて組み付けられる。組み付けられた水平支持部材12の上方にて、左右の支持フレーム18の嵌合凹部16には、2段目のブロック部材2に対応してゴムパッキング22を嵌める。そして、再びブロック部材2を嵌め込み、その下方の係合縁部4が水平支持部材12における上方の嵌合溝12aに嵌め込まれる。ブロック部材2の左右の係合縁部4は、2つの垂直支持部材12の間にて、内側を向いた組付け溝12aに、または、垂直支持部材12と左右の支持フレーム18との間にて、内側を向いた組付け溝12a及び嵌合凹部16に嵌め込まれる。水平支持部材12の上下の嵌合溝12a内に、シリコーングリースを適量塗布すれば、優れた接着力を得ることができる。
【0020】
上記のような方法にて、パネル構造体10のサイズ及び用途に合うように、水平支持部材12、ゴムパッキング22及びブロック部材2を嵌め込んで組みつけた後、最上段のブロック部材2までの積み上げが完了すれば、3方に閉じられら外郭フレーム20における上方の開放部に、同様に嵌合凹部16を有する支持フレーム18をビスで組み付けて固定する。このようにして、図5及び図9のように、外観をすっきりしたこぎれいなものとしつつ、堅固でパネル強度が優れたパネル構造体Aを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術のパネル構造体の正面図である。
【図2】図1のA'-A'線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施例のパネル構造体を構成するブロック部材の斜視図である。
【図4】図3のブロック部材の断面図である。
【図5】本発明の実施例のパネル構造体の正面図である。
【図6】図5のA-A線に沿った断面図である。
【図7】図6の一部に対応する、分解断面図である。
【図8】図5のB-B線に沿った断面図である。
【図9】本発明の実施例のパネル構造体の全体を示す斜視図である。
【図10】図9に対応する分解斜視図である。
【図11】水平支持部材と垂直支持部材との間の組付けの構成を示す分解斜視図である。
【図12】図11の主要部についての断面図である。
【図13】実施例のパネル構造体の組付けの順序を示す部分分解斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
2 ブロック部材 3 係合縁部 10 パネル構造体 12 水平支持部材
12a,14a 嵌合溝 14 垂直支持部材 16 嵌合凹部 17 係合段部
18 支持フレーム 20 外郭フレーム 22ゴムパッキング 22a 嵌合溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に嵌合凹部(16)を有する複数の支持フレーム(18)でもって三方に閉じた外郭フレーム(20)を構成し、外郭フレーム(20)の内側にて、厚みを有する四角形の本体及びその周囲に設けられた係合縁部(4)からなる複数のブロック部材(2)を積み重ねて行き、この際、係合縁部(4)が嵌め込まれる嵌合溝(14a)を左右の両側に有する垂直支持部材(14)、及び、係合縁部(4)が嵌め込まれる嵌合溝(12a)を上下の両側に有する水平支持部材(12)を用い、嵌合及び挟み込みによって組み付けられつつ積み重ねが行われるようにし、積み重ねが完了してから、外郭フレーム(20)の一方の開放部に、嵌合凹部(16)を有する支持フレームを組み付けてなることを特徴とするパネル構造体。
【請求項2】
垂直支持部材(14)の各嵌合溝(14a)にが、垂直に整列されて配置される複数のブロック部材(2)の係合縁部(4)が嵌め込まれ、また、上下に隣り合う2つのブロック部材(2)の係合縁部(4)は、これらの間に位置する水平支持部材(12)における上下の嵌合溝(12a)にそれぞれ嵌め込まれ、このようにして、各ブロック部材(2)が挟み込まれて保持されることを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体。
【請求項3】
水平支持部材(12)及び垂直支持部材(14)の断面がH形であることを特徴とする請求項1または2に記載のパネル構造体。
【請求項1】
内側に嵌合凹部(16)を有する複数の支持フレーム(18)でもって三方に閉じた外郭フレーム(20)を構成し、外郭フレーム(20)の内側にて、厚みを有する四角形の本体及びその周囲に設けられた係合縁部(4)からなる複数のブロック部材(2)を積み重ねて行き、この際、係合縁部(4)が嵌め込まれる嵌合溝(14a)を左右の両側に有する垂直支持部材(14)、及び、係合縁部(4)が嵌め込まれる嵌合溝(12a)を上下の両側に有する水平支持部材(12)を用い、嵌合及び挟み込みによって組み付けられつつ積み重ねが行われるようにし、積み重ねが完了してから、外郭フレーム(20)の一方の開放部に、嵌合凹部(16)を有する支持フレームを組み付けてなることを特徴とするパネル構造体。
【請求項2】
垂直支持部材(14)の各嵌合溝(14a)にが、垂直に整列されて配置される複数のブロック部材(2)の係合縁部(4)が嵌め込まれ、また、上下に隣り合う2つのブロック部材(2)の係合縁部(4)は、これらの間に位置する水平支持部材(12)における上下の嵌合溝(12a)にそれぞれ嵌め込まれ、このようにして、各ブロック部材(2)が挟み込まれて保持されることを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体。
【請求項3】
水平支持部材(12)及び垂直支持部材(14)の断面がH形であることを特徴とする請求項1または2に記載のパネル構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−203791(P2009−203791A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233581(P2008−233581)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(508275157)東陽特殊グラス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(508275157)東陽特殊グラス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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