説明

ブロー成形容器

【課題】内容物が充填されるとともに、該内容物が注出される注出筒を有する容器本体と、注出筒に破断可能な第1弱化部を介して連結され、注出筒を閉塞する蓋体と、を有するブロー成形容器において、注出筒が予期せず開口してしまうのを防止する。
【解決手段】内容物が充填されるとともに、該内容物が注出される注出筒3を有する容器本体2と、注出筒3に破断可能な第1弱化部8を介して連結され、注出筒3を閉塞する蓋体7と、を有するブロー成形容器1において、蓋体7につまみ片10が突設され、注出筒3の周方向においてつまみ片10と離間した位置に、容器本体2と蓋体7とを連結する連結片11が配設され、連結片11が、注出筒3の外周面に沿って延在し、破断可能な第2弱化部12を介して注出筒3に連結されているブロー成形容器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として使い切り用や詰替え用として用いられるブロー成形容器に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物が充填されるとともに、該内容物が注出される注出筒を有する容器本体と、注出筒に破断可能な第1弱化部を介して連結され、注出筒を閉塞する蓋体と、を有するブロー成形容器において、蓋体につまみ片が突設され、注出筒の中心軸線を挟んでつまみ片の反対側に、容器本体と蓋体とを連結する連結片が配設されたものが従来から知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このブロー成形容器では、つまみ片を操作して、第1弱化部を破断し、注出筒を開口させた後にも、連結片によって容器本体と蓋体とをつなげたままにしておくことができる。よって、蓋体を置かずに、スムーズに注出操作ができる。また、蓋体を置く必要がないため、蓋体を紛失したり、周辺を汚したりすることが防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−306472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来のブロー成形容器では、連結片と注出筒との間に、例えば突起体等が不意に進入することで、連結片が引っ張られるなどして、第1弱化部が予期せず破断されるおそれがあった。
【0006】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、ブロー成形容器の注出筒が予期せずに開口してしまうのを防止できるブロー成形容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の解決手段として、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、内容物が充填されるとともに、該内容物が注出される注出筒を有する容器本体と、前記注出筒に破断可能な第1弱化部を介して連結され、前記注出筒を閉塞する蓋体と、を有するブロー成形容器であって、前記蓋体につまみ片が突設され、前記注出筒の周方向において前記つまみ片と離間した位置に、前記容器本体と前記蓋体とを連結する連結片が配設され、前記連結片が、前記注出筒の外周面に沿って延在し、破断可能な第2弱化部を介して前記注出筒に連結されているブロー成形容器を提供する。
【0008】
本発明では、連結片が注出筒に沿って延在し、かつ第2弱化部を介して注出筒に連結されているので、例えば突起体等が不意に連結片と注出筒との間に進入するのを防ぐことが可能になり、第1弱化部が予期せず破断されるのを抑えることができる。
また、連結片が注出筒に第2弱化部を介して連結されていることから、蓋体に不意に加えられた外力によって、第1弱化部が予期せず破断されるのを抑制することができる。
【0009】
また、上記ブロー成形容器では、前記注出筒の中心軸線を挟んで前記つまみ片の反対側に、前記連結片が配設されていることが好ましく、前記つまみ片が、前記注出筒に、破断可能な第3弱化部を介して連結されていることが好ましい。
【0010】
つまみ片が注出筒に破断可能な第3弱化部を介して連結されている場合には、蓋体と注出筒とが、つまみ片及び第3弱化部を介して連結されることとなり、第1弱化部が予期せずに破断されるのを確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ブロー成形容器の注出筒が予期せずに開口してしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るブロー成形容器の正面図である。
【図2】上記ブロー成形容器の上面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るブロー成形容器1を説明する。
【0014】
図1に示す本実施形態のブロー成形容器1は合成樹脂製のブローボトルであり、内容物が充填されるとともに、該内容物が注出される注出筒3を有する容器本体2を備えている。容器本体2は、有底筒状に形成されている。以下では、容器本体の容器軸線L1(以下、軸線L1)方向に沿って、底部4側を下側とし、底部4の反対側の注出筒3側を上側という。また、軸線L1に直交する方向を径方向といい、軸線L1回りに周回する方向を周方向という。
【0015】
容器本体2は、前記底部4と、底部4の外周縁に上方に向けて立設された側壁部5と、側壁部5の上端から上方に向かうに従い漸次径方向の内側に向けて延びる肩部6と、前記注出筒3と、を備えている。なお、図2に示すように、容器本体2のうち、注出筒3は横断面視円形状に形成され、側壁部5及び肩部6は、横断面視長方形状に形成されている。以下では、径方向のうち、側壁部5及び肩部6の横断面視長方形状における長手方向を幅方向といい、短手方向を奥行き方向という。
【0016】
肩部6における径方向の中央部には、軸線L1と同軸に図示しない開口が形成されている。肩部6におけるこの開口の周縁部に注出筒3が上方に向けて立設されていて、注出筒3内と、底部4、側壁部5及び肩部6内とが連通している。注出筒3は、軸線L1と同軸に配設されている。
【0017】
図3に示すように、注出筒3の上縁には、破断可能な第1弱化部8を介して蓋体7が連結され、注出筒3は蓋体7によって閉塞されている。蓋体7には、つまみ片10が連結され、つまみ片10は、蓋体7の外周面から前記幅方向に突出している。また、前記第1弱化部8に隣接する蓋体7の下端部分の外径は、前記第1弱化部8に隣接する注出筒3の上端部分の外径よりも若干大きくなっている。
尚、前記第1弱化部8に隣接する蓋体7の下端部分の外径と、前記第1弱化部8に隣接する注出筒3の上端部分の外径とを同径としたり、該蓋体7の下端部分の外径の方が小さくなるようにしてもよい。但し、本実施形態のように前記蓋体7の下端部分の外径を大きくすると、破断操作が容易となる傾向がある。
【0018】
つまみ片10は、リング状に形成されるとともに、前記奥行き方向に開口するように配設されている。つまみ片10は、蓋体7の下端から下方に突出して、注出筒3の上部に至っている。また、つまみ片10は、図2に示すように上面視では薄板状を呈する。
【0019】
軸線L1を挟んでつまみ片10の反対側には、容器本体2と蓋体7とを連結する帯状の連結片11が配設され、この連結片11は、肩部6の上面から注出筒3の外周面に沿って延在する概略L字状に形成されている。
【0020】
連結片11の容器側端部11Aは、肩部6の上面に連結されるとともに、連結片11の蓋体側端部11Bは、蓋体7の下部外周面に連結されている。さらに、この連結片11における容器側端部11Aと蓋体側端部11Bとの間の部位は、全長に亘って破断可能な第2弱化部12を介して肩部6及び注出筒3に連結されている。ここで、蓋体側端部11Bは、軸線L1を挟んで、つまみ片10の蓋体7との連結部位と対向する位置にある。
また、図3に示すように、蓋体側端部11Bの下端縁の径方向の内側部分11Cは、第1弱化部8の径方向における最深部8aに位置することが好ましい。尚、前記第2弱化部12は、間欠的に設けても良い。
さらに、つまみ片10と蓋体7との連結部位の下端縁の径方向の内側部分も、前記連結片11の蓋体側端部11Bにおける前記内側部分11Cと同様に、第1弱化部8の径方向における最深部8aに位置することが好ましい。
【0021】
つまみ片10の外周縁のうちの注出筒3に対向する対向部位10Aは、注出筒3に沿って軸線L1方向に延在しており、破断可能な第3弱化部13を介して注出筒3の外周面に連結されている。また、つまみ片10の外周縁のうち、最も下方に位置する下端部10Bは、前記幅方向に延在し、かつ前記対向部位10Aの下端よりも下方に位置している。
【0022】
つまみ片10の外周縁のうち、下端部10Bと、対向部位10Aの下端と、の間に位置する部分10Cは、下端部10B側から対向部位10A側に向かうに従い、漸次上方に向けて延在している。これにより、ブロー成形容器1を短手方向から見た側面視で、注出筒3の外周面と、前記部分10Cと、が鋭角をなしている。
【0023】
また、図1に示すように、側壁部5には、周方向に沿って延びる折り曲げ部9・・・が、軸線L1方向に間隔をあけて複数形成され、注出筒3から容器本体2内の内容物を注出する際、あるいは注出し切った後は、これら折り曲げ部9を折り曲げながら、容器本体2を折り畳むことができる。
【0024】
上記ブロー成形容器1は、主として使い切り用として用いられ、当初開放して形成される蓋体7の上部から容器本体2内に内容物が充填された後、蓋体7の上部が例えば熱溶着、融着等で閉塞される。図中15は、蓋体7上部の閉塞部を示している。
【0025】
以下、上記ブロー成形容器1の作用を説明する。
【0026】
ブロー成形容器1では、先ず、つまみ片10の開口に指を差し込んだ状態で、このつまみ片10を容器本体2に対して引き上げ、第3弱化部13及び第1弱化部8を破断し、注出筒3を開口させた後にも、連結片11によって、容器本体2と蓋体7とをつなげたままの状態にできる。よって、蓋体7を、例えばテーブルや床等に置かずに、スムーズに注出操作ができる。また、蓋体7を置く必要がないため、周辺を汚さないようにすることができる。
なお、ここで、注出筒3の外周面と、つまみ片10の外周縁のうち、下端部10Bと、対向部位10Aの下端と、の間に位置する部分10Cと、が鋭角をなしていることから、つまみ片10を引き上げた際に第3弱化部13が破断し易くなっている。
尚、開封に際しては、第3弱化部13、第1弱化部8、第2弱化部12の順で破断されるため、破断操作の勢いを減じることができ、開封時の衝撃により内容物が飛散することが防止される。
【0027】
そして、ブロー成形容器1では、連結片11が注出筒3に沿って延在し、かつ第2弱化部12を介して注出筒3に連結されているので、例えば突起体等が不意に連結片11と注出筒3との間に進入するのを防ぐことが可能になり、第1弱化部8が予期せず破断されるのを抑えることができる。
また、連結片11が注出筒3に第2弱化部12を介して連結されていることから、蓋体7に不意に加えられた外力によって、第1弱化部8が予期せず破断されるのも抑制することができる。さらに、連結片11が注出筒3に沿って延在するため、容器がコンパクトになる。
【0028】
また、上記ブロー成形容器1では、つまみ片10が、注出筒3に、破断可能な第3弱化部13を介して連結されている。よって、蓋体7と注出筒3とが、つまみ片10及び第3弱化部13を介して連結されることとなり、第1弱化部8が予期せずに破断されるのを確実に抑制することができる。
【0029】
以上、本発明に係るブロー成形容器の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0030】
例えば、上記実施形態では、つまみ片10がリング状である態様を説明したが、矩形等のユーザが指で好適につまめるものであればよい。
【0031】
また、上記実施形態では、容器本体2が断面長方形状である態様を説明したが、断面円形、楕円形等であってもよい。さらに、また、容器本体2に折り曲げ部9を設ける構成を説明したが、上記折り曲げ部9は形成しなくても構わない。
【0032】
また、上記実施形態では、連結片11の容器側端部11Aが肩部6に連結される態様を説明したが、連結片11の容器側端部11Aは注出筒3に連結されてもよい。また、上記実施形態では、注出筒3の中心軸線を挟んでつまみ片10の反対側に、連結片11が配設された態様を説明したが、つまみ片10と連結片11は、注出筒3の周方向において離間して配置されていればよく、実施形態の態様に限定されない。
【符号の説明】
【0033】
1 ブロー成形容器、2 容器本体、3 注出筒、7 蓋体、8 第1弱化部、10 つまみ片、11 連結片、12 第2弱化部、13 第3弱化部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填されるとともに、該内容物が注出される注出筒を有する容器本体と、
前記注出筒に破断可能な第1弱化部を介して連結され、前記注出筒を閉塞する蓋体と、を有するブロー成形容器であって、
前記蓋体につまみ片が突設され、
前記注出筒の周方向において、前記つまみ片と離間した位置に、前記容器本体と前記蓋体とを連結する連結片が配設され、
前記連結片が、前記注出筒の外周面に沿って延在し、破断可能な第2弱化部を介して前記注出筒に連結されている
ことを特徴とするブロー成形容器。
【請求項2】
前記注出筒の中心軸線を挟んで前記つまみ片の反対側に、前記連結片が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のブロー成形容器。
【請求項3】
前記つまみ片が、前記注出筒に、破断可能な第3弱化部を介して連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブロー成形容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−10529(P2013−10529A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144090(P2011−144090)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】