ブロー成形機
【課題】複数列で成形品を搬送して生産性を向上し、成形品搬送路の省スペース化、時間ロスの減少、あるいは温調時の予備ブローへの対応が容易なフレキシビリティの高いブロー成形機を提供する。
【解決手段】N列の保持プレートと、N列の保持プレートに保持された複数のプリフォーム1Aを射出成形する射出成形ステーション12と、N列の温調ポットでプリフォーム1A温調する温調ステーション14と、N列のブロー型で複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーション16と、複数のプリフォームを保持するN列の保持プレートの列ピッチをP1とし、複数の容器を保持するN列の保持プレートの列ピッチをP2とし、型開きされたN列のブロー型に搬入される前記複数のプリフォームを保持するN列の保持プレートの列ピッチをP3としたとき、P1<P3<P2となるように列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部とを有するブロー成形機。
【解決手段】N列の保持プレートと、N列の保持プレートに保持された複数のプリフォーム1Aを射出成形する射出成形ステーション12と、N列の温調ポットでプリフォーム1A温調する温調ステーション14と、N列のブロー型で複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーション16と、複数のプリフォームを保持するN列の保持プレートの列ピッチをP1とし、複数の容器を保持するN列の保持プレートの列ピッチをP2とし、型開きされたN列のブロー型に搬入される前記複数のプリフォームを保持するN列の保持プレートの列ピッチをP3としたとき、P1<P3<P2となるように列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部とを有するブロー成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列のネック型の列ピッチを可変とするブロー成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
2列のネック型の列ピッチを変換するブロー成形機は公知である。特許文献1では、ブロー後のブローキャビティ型の型開き時の列ピッチと、それ以外のいずれかの時の列ピッチとを、異なるように設定している。特許文献2では、ネック型をそれぞれ保持した2列の保持プレートを、リンク機構を用いてピッチ変換可能としている。
【0003】
また、ブロー成形機に関する構造として、特許文献3には、回転搬送型ブロー成形機において、間欠的に回転搬送される移送板を、複数のステーションの一つである射出成形ステーションで昇降させることが開示されている。特許文献4には、プリフォームを保持する保持プレートを、その保持プレートの両端側にて、ガイドプレートと落下防止との間に挟持して、回転移送板に支持する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−49331号公報
【特許文献2】特公平8−13501号公報
【特許文献3】特許第4319863号公報
【特許文献4】特開平8−244103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
射出成形時の熱を保有したプリフォーム(パリソン)を容器にブロー成形する1ステージ方式(ホットパリソン方式)では、一度に射出成形されるプリフォーム数に限度がある。その点、特許文献1,2のように、特に小型プリフォームであれば列数を多くして同時成形個数を多くすることで、生産性の向上が図られる。
【0006】
プリフォームを保持する保持プレートを複数列としたとき、各種の成形型も複数列としなければならない。その際、特許文献1,2のように列数を2とした時、2列のブロー型の型開き状態での広ピッチと、射出成形時などの狭ピッチとの間でピッチ変換している。
【0007】
また、2列のブロー型を型締め/型開きする型締め/型開き装置は、特許文献2では片側駆動とし、横タイバーでブロー型同士を連結していた。
【0008】
本発明の幾つかの態様は、複数列で成形品を搬送して生産性を向上しながら、成形品搬送路の省スペース化、時間ロスの減少、温調時の予備ブロー等のオプションへの対応、あるいは列数の変更等が容易なフレキシビリティの高いブロー成形機を提供することにある。
【0009】
本発明の他の幾つかの態様は、複数列のブロー型の設置/取り出しが容易であり、あるいは列数の異なるブロー型を交換して使用できるフレキシビリティの高いブロー成形機を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の幾つかの態様は、複数列の各列で複数の成形品を搬送して生産性を向上しながら、同時成形される成形品の品質を向上できるブロー成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係るブロー成形機は、
N(Nは2以上の整数)各列にて複数のネック型を保持して搬送方向に沿って搬送されるN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、前記搬送方向にて前記射出成形ステーションの下流に配置されたN列の温調ポット型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型に配置して温調する温調ステーションと、
前記搬送方向にて前記温調ステーションの下流に配置されたN列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
前記射出成形された複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP1とし、前記ブロー成形された複数の容器を保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP2とし、型開きされた前記N列のブロー型に搬入される前記複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP3としたとき、P1<P3<P2となるように前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、従来の可変列ピッチであるP1,P2に加えて、P3(P1<P3<P2)を追加し、型開きされたN列のブロー型に搬入される複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP3とした。これにより、従来の2ピッチでは不可能であった種々の成形方法に対応できる。一つは、例えば特許文献2のように保持プレートを2列とし、かつ温調ステーションで予備ブローする場合である。予備ブローによりプリフォームの胴部が膨出されるので、射出成形時での列ピッチP1では、非対称に型開きされるブロー型に搬入できない。他の一つは、ブロー型を3列以上の奇数列とする場合である。この場合には、一対のブローキャビティ型がブロー中心に対して非対称に型開きされるので、射出成形時での列ピッチP1ではブロー型に搬入できにない。もし、型開き時の最大ピッチP2でプリフォームをブロー型に搬入しようとすれば、プリフォームの搬送軌跡領域が増大し、装置のレイアウト設計が困難となる上、装置が大型化する。また、型開き時の最大ピッチP2でプリフォームをブロー型に搬入すると、プリフォーム搬入が完了するまで、ブロー型を事前に待機位置まで型閉じすることができなくなる。ブロー成形ステーションではピッチ変換動作が附加されるので、1サイクル時間内に全動作を完了するのに稼動時間の短縮は重要である。本発明の一態様では、型開きされたN列のブロー型に搬入される複数のプリフォームを保持するN列の保持プレートの列ピッチをP3とすることで、これらを解決できた。
【0013】
本発明の一態様では、前記搬送方向にて前記ブロー成形ステーションの下流に配置され、前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す取出しステーションをさらに有し、前記列ピッチ変換駆動部は、前記取出しステーションにて前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す前に、前記N列の保持プレートの列ピッチをP2からP1に戻し駆動するP2−P1ピッチ変換駆動部を、前記取出しステーションに有することができる。
【0014】
こうすると、取出しのための駆動シリンダー等の部材の設置スペースが縮小される上、最も成形時間を要する射出成形ステーションにて列ピッチをP2からP1に戻す必要はなく、射出サイクル時間を有効に確保できる。
【0015】
本発明の一態様では、前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器を取出し駆動し、前記取出しステーションは、列ピッチがP1に設定されたN列の保持プレートを一列毎に順次取出し駆動することができる。
【0016】
こうすると、最小ピッチP1で隣接する複数の保持プレートは、同時に取出し駆動すると互いに干渉する場合であっても、一列駆動により干渉を防止できる。また、取出しステーションでの1回の取り出しにさほど時間は要しないので、複数回の取出し駆動を1サイクル内にて完了できる。
【0017】
本発明の態様では、前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して、前記一対のブローキャビティ割型がブロー型開き時には非対称位置に配置されて、前記ブロー型開き時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2であり、前記N列のブロー型の列ピッチがP3よりも広く設定されたブロー型開き時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP3に設定された状態で、前記複数のプリフォームが前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間に搬入され、前記N列のブロー型の列ピッチがP2に設定されたブロー型開き時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP2に設定されて、前記複数の容器を前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間から搬出することができる。
【0018】
このように、N列のブロー型の少なくとも一列にて、ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開き時には一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されると、ブロー型開き時でのN列のブロー型の列ピッチP2は、ブロー型締め時のN列のブロー型の列ピッチP1よりも必ず大きくなる。このとき、N列の保持プレートを最大ピッチP2としてN列のブロー型にプリフォームを搬入するよりも、N列の保持プレートを列ピッチP3(<P2)とすることで、上述の通り、プリフォームの搬送軌跡領域を縮小し、ブロー型の型閉時間を短縮できる。
【0019】
本発明の一態様では、前記N=2であり、前記2列のブロー型では、各々の一対のブローキャビティ割型のうち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型は背面合わせで固定され、前記列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型が前記ブロー型開き時に駆動されて、前記ブロー型開き時での前記2列のブロー型の列ピッチをP2に設定することができる。この場合、ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開き時には一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されるので、列ピッチをP3とする意義を有する。
【0020】
前記N=3であり、前記3列のブロー型のうち、外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各一方である最外側の2つのブローキャビティ割型が型締め板に固定され、前記外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各他方は、中央のブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各々とそれぞれ背面合わせで固定され、前記ブロー型締め時には、3列のブロー型が前記列方向にて密着されて列ピッチがP1となり、前記ブロー型開き時には、前記中央のブロー型の前記一対のキャビティ割型は、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して前記ブロー型開き時に線対称駆動され、外側の2つのブロー型の各々は、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー中心線に対して非対称位置に配置されて、前記ブロー型開き時での前記3列のブロー型の列ピッチをP2とすることができる。この場合も、ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開き時には一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されるので、列ピッチをP3とする意義を有する。
【0021】
本発明の一態様では、前記温調ステーションは、前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型内で予備ブローし、前記N列の温調ポット型の加熱された各内壁面に前記予備ブローされた複数のプリフォームの各々の胴部を接触させて温調することができる。この場合、射出成形時のプリフォームよりも胴部が拡径されるので、上述の非対称駆動時には列ピッチをP3とする意義を有する。
【0022】
本発明の一態様では、前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型のブロー型締め駆動と同期してP3からP1に縮小させるP3−P1ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することができる。
【0023】
このように、N列の保持プレートの列ピッチを、N列のブロー型のブロー型締め駆動と同期して変換できるので、ブロー成形前のプリフォームが型締め動作によって破損することがない。
【0024】
本発明の一態様では、前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数の容器を保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型の型開き駆動と同期して、P1からP2に増大させるP1−P2ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することができる。
【0025】
このように、複数の容器を保持したN列の保持プレートの列ピッチを、N列のブロー型の型開き駆動と同期して変換できるので、ブロー後の容器が型開動作によって破損することがない。
【0026】
本発明の一態様では、前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチをP1からP3に増大させるP1−P3ピッチ変換駆動部を、前記温調ステーションに有することができる。
【0027】
列ピッチをP3に変換するタイミングは、温調工程後であって、型開きされたN列のブロー型に複数のプリフォームを搬入する前であれば良いが、ブロー成形ステーションでは他のピッチ変換も要するので、温調ステーションで実施するとよい。プリフォームの搬送軌跡領域の縮小にも寄与できる。
【0028】
本発明の一態様では、前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列ピッチをP1,P2,P3にそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材を含み、前記複数列の保持プレートは、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構を有し、前記列ピッチ変換用リンク機構は、前記支持搬送部材に支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッドを含み、前記ガイドロッドは移動案内される方向に沿って離間して配置された3つの被係合部を含み、前記可変列ピッチ維持部材は、前記3つの被係合部の一つに弾性的に係合される係合部を含むことができる。
【0029】
こうすると、搬送時等であっても、P1,P2,P3のいずれかの列ピッチを確実に維持することができる。
【0030】
本発明の他の態様に係るブロー成形機は、
N(Nは2以上の整数)列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートに保持された複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するN列のブロー型と、
前記N列のブロー型を型締め/型開き駆動する型締め/型開き装置と、
前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
有し、
前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、
前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、
前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー型締め時のブロー中心線に対してブロー型開き時には非対称位置に配置されて、前記ブロー型開き時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2(P2>P1)であり、
前記型締め/型開き装置は、前記N列のブロー型のうち前記列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型をそれぞれ型締め/型開き駆動する2つの型締め/型開き駆動部と、前記2つのブローキャビティ割型と係合して、前記2つのブローキャビティ割型を同期移動させる割型同期部材とを含み、タイバーレスにて構成され、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記2つのブローキャビティ割型の同期移動に応じて変位する前記割型同期部材と係合して、前記N列の保持プレートの列ピッチを変換駆動し、かつ、前記N列の保持プレートの列ピッチを前記2つのブローキャビティ割型の移動と同期させて変換することを特徴とする。
【0031】
本発明の他の態様では、型締め/型開き装置がタイバーレスにて構成できるので、ブロー型の取り付け、取り外しを装置の側面から水平移動させるだけで実現できる。その上、タイバーレスを確保するために、最外側に位置する2つのブローキャビティ割型を2つの型締め/型開き駆動部により独立に駆動しながらも、割型同期部材によって同期移動させることができる。さらに、その割型同期部材の変位を利用して、N列の保持プレートの列ピッチを変換駆動できる上に、N列の保持プレートの列ピッチを2つのブローキャビティ割型の移動と同期させることができる。
【0032】
本発明のさらに他の態様に係るブロー成形機は、
複数のネック型をそれぞれ保持するN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、
前記N列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
を有し、
前記支持搬送部材は、
前記N列の保持プレートの長手方向の両端部側に配置された2つのレール部材と、
前記N列の保持プレートの列方向に沿って設けられた少なくとも1本の補強軸と、
前記少なくとも1本の補強軸の両端を固定する2つの第1固定部と、
を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記2つのレール部材に沿ってそれぞれ移動案内され、前記N列の保持プレートを、列ピッチを可変にして支持する2つのガイド部材を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記少なくとも1本の補強軸が貫通される少なくとも一つの第1貫通孔を有すること特徴とする。
【0033】
N列の保持プレートの各々は、2つのガイド部材により保持プレートの長手方向の両端部でのみ支持すると、長手方向の中間部にて撓みやすい。長手方向の中間部にてN列の保持プレートの各々に少なくとも1つの第1貫通孔を形成し、第1貫通孔に少なくとも1本の補強軸を貫通させ、少なくとも1本の補強軸の両端部を2つの第1固定部にて固定した。このため、少なくとも1本の補強軸がN列の保持プレートの撓みを抑制できる。よって、N列の保持プレートにそれぞれ保持された複数のネック型を用いて成形される複数のプリフォームやブロー成形容器は、各保持プレートの長手方向の位置に依存せずに成形高さ位置が均一となり、成形品質を均一化することができる。
【0034】
本発明のさらに他の態様では、前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列間の位置にて、前記少なくとも1本の補強軸の中間部を固定する第2固定部をさらに有することができる。
【0035】
この第2固定部により、補強軸自体の撓みが抑制されるので、N列の保持プレートの撓みをさらに抑制できる。
【0036】
本発明のさらに他の態様では、前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器が前記複数のネック型から取出され、
前記N列の保持プレートの各々が有する前記一対の分割板の一方は、前記第2固定部と対向する位置に切り欠き部を有することができる。
【0037】
こうすると、一対の分割板の間隔が広げられて容器が取出し駆動される時には、N列の保持プレートの隣接する分割板同士が例えば接触するほど近接することがある。そのような場合でも、切り欠き部内に第2固定部の少なくとも一部が配置されるので、第2固定部が分割板と干渉することを防止できる。
【0038】
本発明のさらに他の態様では、
前記N列の保持プレートの各々は、
前記長手方向の複数個所にて、前記列方向に貫通する2つの第2貫通孔と、
前記複数の第2貫通孔に挿通される2本のガイド軸と、
前記2本のガイド軸にそれぞれ挿通されて、前記一対の分割板を閉じる方向に付勢する2つの付勢部材と、
を有し、
前記長手方向にて、前記2本のガイド軸の間に前記少なくとも1本の補強軸を配置することができる。
【0039】
こうすると、N列の保持プレートは、長手方向の両端部が2つのガイド部材で支持され、その内側位置では2本のガイド軸で支持され、さらにその内側位置にて少なくとも1本の補強軸で支持することができる。こうして、N列の保持プレートの撓みを長手方向の全域で抑制することができる。なお、付勢部材を保持する2本のガイド軸は、長手方向にて離して配置したほうが、長手方向の全域にて一対の分割板を閉鎖方向に付勢する付勢力を作用させることができる。
【0040】
本発明のさらに他の態様では、
前記支持搬送部材が前記ブロー成形ステーションにて下降された後に、前記複数のネック型が型締めされ、
前記ブロー成形ステーションは、前記N列の保持プレートの列間にて、下降された前記支持搬送部材に当接して、前記支持搬送部材の下限位置を規定する複数のストッパーを有することができる。
【0041】
N列の保持プレートの撓みは、そのN列の保持プレートを支持する支持搬送部材が撓むことでも生ずる。ブロー成形ステーションに設けられた複数のストッパーは、N列の保持プレートの列間の位置にて、下降された支持搬送部材に当接して、支持搬送部材の撓みを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転搬送型ブロー成形機での主要4工程を示す概略説明図である。
【図2】列ピッチP1の2列のプリフォームの射出成形工程を示す図である。
【図3】列ピッチP1の2列のプリフォームを予備ブローした温調工程を示す図である。
【図4】温調ポット型から取り出された2列のプリフォームの列ピッチをP1からP3に変換する工程を示す図である。
【図5】列ピッチP3の2列のプリフォームをブロー型に搬入する工程を示すである。
【図6】列ピッチP1でのブロー型締め工程を示す図である。
【図7】列ピッチP2でのブロー型開工程を示す図である。
【図8】列ピッチP1での一列ごとの取出し工程を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る回転搬送型ブロー成形機の正面図である。
【図10】温調ステーションに配置される温調ポット型昇降機構の図である。
【図11】移送板を下方から見た図である。
【図12】温調ステーションに配置された列ピッチ変換駆動部の図である。
【図13】温調ステーションに配置された列ピッチ変換駆動部のピッチ変換動作を示す図である。
【図14】移送部材に配置される可変ピッチ維持部材の図である。
【図15】図14のXV-XV断面図である。
【図16】ブロー成形ステーションに列ピッチP3の2列のプリフォームが搬入された状態を示す図である。
【図17】列ピッチP3の2列のプリフォームが型開きされた2列のブロー型に搬入された状態を示す図である。
【図18】列ピッチP1でのブロー型締め状態を示す図である。
【図19】列ピッチP2でのブロー型開き状態を示す図である。
【図20】列ピッチP2でのブロー成形ステーションから搬出する状態を示す図である。
【図21】取出しステーションの平面図である。
【図22】取出しステーションの側面図である。
【図23】3列のブロー型の型締め状態を示す図である。
【図24】3列のブロー型の型開き状態を示す図である。
【図25】支持搬送部材に取り付けられる2列の保持プレートを示す概略斜視図である。
【図26】2列の保持プレートの長手方向両端部に配置されるレール部材及びガイド部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0044】
1.ブロー成形機での成形工程と列ピッチ
図1は本実施形態に係る回転搬送型ブロー成形機での主要4工程を示す概略説明図である。この4工程とは、射出成形工程、温調工程、ブロー成形工程及び取出し工程である。回転搬送型ブロー成形機10では、一周360°の搬送領域を4分割した各領域に、射出成形ステーション12、温調ステーション14、ブロー成形ステーション16及び取出しステーション18が設けられている。各ステーション10〜18に間欠的に回転搬送される4枚の移送板(広義には支持搬送部材)20A〜20Dが設けられている。図1では、移送板20Aが順次、射出成形ステーション12、温調ステーション14、ブロー成形ステーション16及び取出しステーション18に間欠搬送される状態が図示されている。
【0045】
移送板20A〜20Dの各々には、成形品1(プリフォーム1A、予備ブローされたプリフォーム1Bまたは容器1C)が保持されるN(Nは2以上の整数)列、例えば2列の保持プレート30(図1では図示せず、図2〜図8参照)が、列ピッチをP1,P2,P3(P1<P3<P2)の3種類に可変となるように支持されている。例えば、P1=190mm、P2=290mm、P3=210mmである。
【0046】
図2〜図8は、4工程での2列の保持プレート30の列ピッチを示している。なお、2列の保持プレート30は、列方向にスライド自在に移送板20(20A〜20D)に支持されている(特許文献2の図2参照)。
【0047】
射出成形ステーション12では、図2に示すように、N列の射出キャビティ型40とN列の保持プレート30にそれぞれ保持されたネック型42と、射出コア型(図示せず)とを用いて、複数(図1では12個)のプリフォーム1Aを射出成形する。この射出成形時の列ピッチは最小ピッチP1である。なお、射出成形時には、移送板20Aは搬送時の高さH1よりも距離Lだけ低い高さH2まで下降されて、移送板20Aに保持されたネック型42を2列の射出キャビティ型40に型締めしている。プリフォーム1Aの射出成形後は、移送板20Aが上昇されて、ネック型42に保持された複数のプリフォーム1Aが射出コア型40より離型される。また、図示しない射出コア型も上昇されて複数のプリフォーム1A内から離型される。この後は、ネック型42に保持された複数のプリフォーム1Aは、移送板20Aを回転することで温調ステーション14に移送される。
【0048】
搬送方向にて射出成形ステーション12の下流に配置された温調ステーション14では、図3に示すように、複数のプリフォーム1AをN列の温調ポット型50の加熱された各内壁面に複数のプリフォーム1Aの各々の胴部を接触させてブロー適温に温調する。本実施形態では、N列の温調ポット型50内で複数のプリフォーム1Aを予備ブローし、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを温調ポット型50の内壁面に接触して温調している。これにより、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bの胴部が拡径される(図4参照)と共にブロー適温に温調される。この温調時でのN列の保持プレート30列ピッチは、例えば射出成形時と同じくP1である。つまり、N列の温調ポット型50の列ピッチもP1である。これに代えて、N列の温調ポット型50の列ピッチを中間ピッチP3(P1<P3<P2)とし、温調時にはN列の保持プレート30の列ピッチを中間ピッチP3としても良い。なお、N列の温調ポット型50は昇降可能であり、温調時にはN列の温調ポット型50が上昇位置に設定される。また、予備ブローする温調ポット型50は、開閉可能な一対の温調ポット割型52A,52Bで構成されている。また、この温調工程では、温調コアを用いても良い。なお、本実施形態では、後述する通り予備ブローは必須でないはない。
【0049】
本実施形態では、例えば予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを回転搬送する際には、図4に示すように、N列の保持プレート30の列ピッチは中間ピッチP3(P3<P1)に設定される。その理由は、以下に説明するとおり、ブロー成形工程に存在する。
【0050】
搬送方向にて温調ステーション14の下流に配置されたブロー成形ステーション16は、図5〜図7に示すように、N列のブロー型60を有する。ブロー成形ステーション16では、型締めされたN列のブロー型60内にて、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを複数の容器1Cにブロー成形する(図6参照)。このブロー成形時にも、射出成形工程と同様に移送板20Aが下降され、高さH3に設定される。
【0051】
N列のブロー型60の各々は、一対のブローキャビティ割型62A,62Bを有する。各々の一対のブローキャビティ割型うち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型62Aは背面合わせで固定され、列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型62Bが型締め/型開き駆動される。列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型62Bは型開き駆動されて、型開き時にはN列のブロー型の列ピッチがP2に設定される(図5及び図7参照)。つまり、一対のブローキャビティ割型62A,62Bは、ブロー型締め時のブロー中心線(図5に示すピッチP3の寸法線)に対して型開き時には非対称位置に配置される(図5参照)。
【0052】
N列のブロー型60が型開された状態では、N列の保持プレート30の列ピッチがP3に設定されており、予備ブローされた複数のプリフォーム1BがN列のブロー型60の各々の一対のブローキャビティ割型62A,62Bの間に搬入される。このとき、もしN列の保持プレート30の列ピッチがP3より小さいP1に設定されていると、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bが一対のブローキャビティ割型62A,62Bの間に搬入される時に、固定されたブローキャビティ割型62Aと干渉してしまうからである。この際、特許文献1,2のように列ピッチを最大ピッチp2に設定すると、回転搬送半径が大きくなり、他の部材との干渉や省スペース上で好ましくない。
【0053】
上述の干渉を防止するためには、上述した通り温調工程の開始前に列ピッチP3に設定することもできる(この場合には温調ポット型がP3ピッチ配列)。要は複数のプリフォーム1Bを保持する状態でN列の保持プレート30の列ピッチがP3とされ、N列のブロー型60との干渉を防止できれば良い。なお、図5では、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bが、列ピッチがP2に設定されたN列のブロー型60に搬入されているが、これに限定されない(後述の図16及び図17参照)。ブローキャビティ割型62Bは、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bと干渉しない位置まで、予め型閉駆動しておいても良い。こうすると、一サイクル内でのブロー成形動作に余裕が生ずる。
【0054】
図5に示す搬入後に、N列のブロー型60は型締めされて、型締め時での列ピッチがP1となる(図6参照)。このとき、N列の保持プレート30の列ピッチもP1に設定される。このときに、N列の保持プレート30の列ピッチ変換動作は、N列のブロー型60の型締め動作と同期して行なうことができる。ブロー成形工程は、予備ブローされた複数のプリフォーム1B内にブローコア型より高圧エアーを導入すると共に延伸ロッドを縦軸駆動して行なう。
【0055】
ブロー成形後に、N列のブロー型60は型開きされて、N列のブロー型60の列ピッチがP2となる(図7参照)。このとき、N列の保持プレートの列ピッチがP2に設定されて、複数の容器1CがN列のブロー型60の各々の一対のブローキャビティ割型62A,62Bの間から搬出される。N列の保持プレート30の列ピッチ変換動作は、N列のブロー型60の型開き動作と同期して行なうことができる。
【0056】
その後、移送板20Aが上昇駆動され、さらに回転搬送されて、N列の容器1Cが列ピッチP2で搬送される。
【0057】
最後に、取出しステーション18では、N列の保持プレート30の列ピッチがP1に設定される(図8)。ここで、N列の保持プレート30は一対の分割板30A,30Bで構成され、ネック型42は各分割板30A,30Bに固定された一対のネック割型42A,42Bとで構成される。よって、容器1Cの取り出しは、公知の手法によって一対のネック割型42A,42Bを開放駆動して、図8に示すようにして容器1Cを取り出すことができる。この際、N列の保持プレート30の列ピッチP1は小さいが、図8に示すように2列の保持プレート30を一つずつ取出し駆動すれば、N列の保持プレート30の開閉ストロークを確保することができる。
【0058】
2.ブロー成形機
2.1.射出成形ステーションとブロー成形ステーションの概要
図9は、金型を取り付け前の状態でのブロー成形機の正面図である。機台70上に下部基盤72が固定され、その上方には上部基盤74が固定されている。図9では、射出成形ステーション12とブロー成形ステーション16とが示されている。図9に示す射出成形ステーション12及びブロー成形ステーション16では、図2及び図5〜図7と同じく、移送板20A,20Cが降下した高さH2またはH3に設定されている状態が描かれている。射出成形ステーション12では、下部基盤72上に射出コア型40(図2参照)が配置され、ブロー成形ステーション16では、下部基盤72上にブロー型60(図5〜図7参照)が配置される。なお、以下の説明では、射出成形ステーション12には移送板20Aが、温調ステーション14には移送板20Bが、ブロー成形ステーション16には移送板20Cが、取出しステーション18には移送板20Dが、それぞれ位置しているものとして説明する。
【0059】
射出成形ステーション12にて移送板20Aを昇降させるために、移送板20Aを回転可能かつ昇降自在に保持する受け部材80より下方に延びる複数の駆動ロッド82が設けられている。複数の駆動ロッド82の下端は連結部材84にて連結されている。下部基盤72に固定されたシリンダー86Aと、連結部材84に固定されたロッド86Bとを有する移送板昇降部86により、移送板20Aが昇降される。
【0060】
ブロー成形ステーション16にて移送板20Cを昇降させるために、移送板20Cを回転可能かつ昇降自在に保持する受け部材90より上方に延びる複数の駆動ロッド92が設けられている。図9では省略されているが、この複数の駆動ロッド92を、連結部材を介して昇降させる移送板昇降部が、上部基盤74に設けられている。
【0061】
その他の駆動部として、射出成形ステーション12には縦型締め装置100や射出コア離型部102等が設けられている。また、ブロー成形ステーション16には、延伸ロッド昇降部104、ブローコア昇降部106、上げ底型昇降部108及びブロー圧受け板昇降部110などが設けられている。
【0062】
以下、列ピッチ変換には無関係な射出成形ステーション12を除き、各ステーション14〜18について説明する。
【0063】
2.2.温調ステーション及び列ピッチ変換用リンク機構
図10は、図3に示す温調ポット型50を取り付ける前の状態での温調ステーション14を示している。温調ステーション14では、下部基盤72に固定されたポット昇降部120により昇降されるポット台122が配置されている。このポット昇降部120の駆動により、図3に示す温調ポット型50を昇降させることができる。
【0064】
図11は、移送板20A〜20Cを下方から見た図である。ただし、保持プレート30はネック型が取り付けられる前の状態である。列ピッチ変換駆動部130の一つとして、温調ステーション14に停止した移送板20Bに設けられた2列の保持プレート30の列ピッチをP1からP3に変換するP1−P3ピッチ変換部140が、上部基盤74に設けられている。P1−P3ピッチ変換部140は、保持プレート30の長手方向の両端側にそれぞれ配置することができる。
【0065】
P1−P3ピッチ変換部140は、図12及び図13に示すように、上部基盤74に支持された揺動軸142の廻りに揺動する揺動アーム144と、この揺動アーム144を揺動させるアーム駆動部146とを有する。アーム駆動部146は、上部基盤74に固定されたシリンダー146Aと、揺動アーム144の一端に例えばピン結合されたロッド146Bとを有する。シリンダー146Aによりロッド146Bが伸張駆動されると、揺動アーム144の他端(例えばローラー144Aを有する)が上方に移動される。
【0066】
一方、各移送板20A〜20Dに設けられた2列の保持プレート30は、P1−P3ピッチ変換部140(列ピッチ変換駆動部130の一つ)の駆動力により変位して、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構150を、長手方向の両端側にそれぞれ有する。この列ピッチ変換用リンク機構150は、2列の保持プレート30に一端がそれぞれ回動自在に支持された一対の第1アーム150Aと、一対の第1アーム150Aの他端を異軸または同軸にて回動自在に連結する連結アーム150Bを含む。さらに、列ピッチ変換用リンク機構150は、連結アーム150Bに一端が固定され、他端が移送板20Bに支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッド152を含む。ガイドロッド152は移動案内される鉛直方向に沿って離間して配置された3つの被係合部152A,152B,152Cを含む(被係合部152Cが図12及び図13に、被係合部152A,152Bは図14に示されている)。本実施形態では、3つの被係合部152A,152B,152Cは、図14に示すように、ガイドロッド152の表面に形成された円周溝としている。
【0067】
P1−P3ピッチ変換駆動部140は、図12の列ピッチP1の状態から図13の列ピッチP3の状態に向けて揺動アーム144を揺動すると、揺動アーム144の先端のローラー144Aが、列ピッチ変換用リンク機構150の連結アーム150Bを押し上げる。こうすると、図13に示すように一対の第1アーム150Aの交差角が広くなって、2列の保持プレート30の列ピッチを拡大できる。しかも、一対の第1アーム150Aはガイドロッド152を中心線として線対称に移動するので、2列の保持プレート30も列方向と直交する中心線に対して線対称で移動される。
【0068】
移送板20Bは、N列の保持プレートの列ピッチをP1,P2,P3にそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材160を含むことができる。この可変列ピッチ維持部材160は、図14に示すように、移送板20Bに形成された孔に嵌入される嵌入部162Aを備えたガイド筒体162を有する。このガイド筒体162にはガイドロッド152が挿通案内される貫通孔162Bが形成されている。この貫通孔162Bは、図15に示すように、複数例えば4つの放射孔162Cと連通している。各放射孔162Cには、3つの被係合部152A,152B,152Cの一つに弾性的に係合される係合部165が支持されている。係合部165は、3つの被係合部152A,152B,152Cの一つに嵌入されるプランジャ164と、プランジャ164の抜け止めとしての一対の割リング166A,166Bと、一対の割リング166A,166Bに沿って設けられた弾性部材例えばOリング168とを含んでいる。プランジャ164は、球体と軸部との2ピースとしてもよい。あるいは、プランジャ164の代わりに球体を用い、Oリング168の代わりに放射孔162Cに配置される付勢部材例えばコイルスプリングを用いてもよい。放射孔162C内に保持される球体及び付勢部材は、ボルトやプランジャ等で抜け止めされればよい。
【0069】
図12に示すように列ピッチがP1の時には、図14に示すように、係合部165は被係合部152Aと弾性的に係合している。この位置でガイドロッド152の高さが固定されるので、列ピッチ変換用リンク機構150により保持プレート30の列ピッチはP1に保持される。そして、温調工程後に図13のようにガイドロッド152が変位されると、係合部165は被係合部152Bと弾性的に係合して、列ピッチがP2に変換されて保持される。
【0070】
2.3.ブロー成形ステーション
次に、ブロー成形ステーション16について、図16〜図20を参照して説明する。図16は、列ピッチP3に設定された2列の保持プレート30が、移送板20Cによってブロー成形ステーション16に搬入された状態を示している。図17は、図16に示す高さH1にあった移送板20Cを高さH3まで下降させて、列ピッチP3に設定された2列の保持プレート30に保持された予備ブロー済のプリフォーム1Bを、型開き状態の2列のブロー型60内に搬入した状態を示している。なお、図16及び図17では、型開きされた2列のブロー型60は、図5のように列ピッチP2ではなく、列ピッチP3よりも少し広い列ピッチになるように、型開後に型閉駆動されている。こうすることで、予備ブロー済のプリフォーム1Bの搬入後に、型開ピッチP2から型閉駆動を開始する場合よりも、型閉駆動時間を短縮できる。
【0071】
次に、図18に示すように2列のブロー型60を型締めしてブロー成形工程を実施することになるが、その説明に先駆けて、2列のブロー型60を型締め/型開きする型締め/型開き装置200について説明する。
【0072】
型締め/型開き装置200は、2列のブロー型60のうち列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型62B,62Bをそれぞれ型締め/型開き駆動する2つの型締め/型開き駆動部202を有する。各型締め/型開き駆動部202は、例えば油圧シリンダー204と、ロッド206とを含む。2本のロッド206は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bを取り付けた型締め板208,208に連結されている。2つのブローキャビティ割型62B,62Bをそれぞれ駆動する2つの型締め/型開き駆動部202を設けたので、型締め/型開き装置200はタイバーレスにて構成することができる。
【0073】
こうすると、ブロー型60等の着脱やメインテナンスは、ブロー成形機の側面から水平方向にブロー型60等を搬入出すれば良い。一方、特許文献2の図10に示すように横タイバーを有する場合には、横タイバーが邪魔をするので、ブロー型60等を搬入出に多大な労力を要する。
【0074】
2つの型締め/型開き駆動部202は、油圧制御上は同期をとるとしても、機械的に同期して2つのブローキャビティ割型62B,62Bが移動する保障はない。そこで、本実施形態では、型締め/型開き装置200は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bを同期移動させる割型同期部材210を設けている。この割型同期部材210は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bに連結されたラック212,214と、このラック212,214に噛合するギア216を含むピニオンギア216とを含む。これにより、2つのブローキャビティ割型62B,62Bを同期移動される。
【0075】
列ピッチ変換駆動部130は、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを保持した2列の保持プレート30の列ピッチを、2列のブロー型60のブロー型開き駆動と同期してP1からP2に拡大させるP1−P2ピッチ変換駆動部220を、ブロー成形ステーション16にて有する。P1−P2ピッチ変換駆動部220は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bの同期移動に応じて変位する割型同期部材210と係合して、2列の保持プレート30の列ピッチを変換駆動し、かつ、2列の保持プレート30の列ピッチを2つのブローキャビティ割型62B,62Bの型開き移動と同期して列ピッチP1から列ピッチP2に変換するものである。
【0076】
このP1−P2ピッチ変換駆動部220は、上述したピニオンギア216のギア216Aと同軸のギア216Bと、このギア216と噛合して昇降されるラック218とを含む。ラック218には、2列の保持プレート30に設けられた列ピッチ変換用リンク機構150の連結アーム150Bを介してガイドロッド152を押し上げ駆動する駆動ロッド218Aが固定されている。
【0077】
列ピッチ変換駆動部130は、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを保持した2列の保持プレート30の列ピッチを、2列のブロー型60の型締め駆動と同期してP3からP1に縮小させるP3−P1ピッチ変換駆動部230をさらに有する。このP3−P1ピッチ変換駆動部230は、2つの型締め板208,208の上部にて互いに近接する方向に突出する2つの押動部232,232を有する。この2つの押動部232,232は、2つの型締め板208,208型締め方向に移動する過程で2列の保持プレート30またはその付属品を押動し、型締め完了により2列の保持プレート30の列ピッチがP1に設定される。
【0078】
これら型締め/型開き装置200、割型同期部材210、P1−P2ピッチ変換駆動部220及びP3−P1ピッチ変換駆動部230を有するブロー成形ステーション16では、図18に示す型締め動作と、図19に示す型開き動作を実施することができる。図18に示す型締め時には、2列のブロー型60は列ピッチP1で型締めされ、2列の保持プレート30もP3−P1ピッチ変換駆動部230と列ピッチ変換用リンク機構150により列ピッチがP1となる。一方、図19に示す型開き時には、2列のブロー型60は列ピッチP2で型開きされ、2列の保持プレート30もP1−P2ピッチ変換駆動部220と列ピッチ変換用リンク機構150により、駆動ロッド218Aにより連結アーム150B及びガイドロッド152が押し上げられて列ピッチがP2となる。
【0079】
図20では、移送板20Cが高さH1に復帰され、複数の容器1Cが2列のブロー型60より取り出され、その際に2列の保持プレート30の列ピッチはP2に維持される。その後、移送板20Cは間欠搬送されて取出しステーション18に移送される。
【0080】
2.4.取出しステーション
列ピッチ変換駆動部130は、図21及び図22に示す取出しステーション18にて複数の容器1Cを2列の保持プレート30から取り出す前に、2列の保持プレート30の列ピッチをP2からP1に戻し駆動するP2−P1ピッチ変換駆動部240を有する。P2−P1ピッチ変換駆動部240は、保持プレート30の長手方向の両端側にそれぞれ設けられている。このP2−P1ピッチ変換駆動部240は、上部基盤74に固定されたシリンダー242と、シリンダー242により挿脱されるロッド244とを含む。突出駆動されたロッド244が列ピッチ変換用リンク150のガイドロッド152を押動して、2列の保持プレート30の列ピッチがP2からP1に変更される。図21及び図22は、共に列ピッチがP1に変更された後の状態を図示している。
【0081】
取出しステーション18は、複数の容器1Cを2列の保持プレート30から取り出す取出し駆動部250をさらに有する。ここで、例えば特許文献2の図3等にて公知のように、2列の保持プレート30の各々は一対の分割板を含み、複数のネック型42の各々は、対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、一対の分割板の間隔を広げることで複数の容器ICが取出される。
【0082】
各列に設けられた取出し駆動部250は、上部基盤74に固定されたシリンダー252と、シリンダー252により挿脱されるロッド254と、ロッド254の下端に固定された楔状部材256とを含む。本実施形態では、取出しステーション18は、列ピッチがP1に設定された2列の保持プレート30を一列毎に順次取出し駆動している。図22は、右列の保持プレート30から容器1Cを取り出し駆動した状態を示している。図21に示すように、列ピッチP1に設定された2列の保持プレート30,30の間隔は狭くなる。この狭い間隔では、2列の保持プレート30,30を同時に取出し駆動すると、開放された保持プレート30同士が干渉してしまう。これを防止するには、取出し時の保持プレートのピッチを広くする必要があるが、次工程が列ピッチP1にて行なわれる射出成形工程であることを考慮すると、ピッチP1で取出しを行ことが無駄なピッチ変換を要さずに済むし、省スペースともなる。本実施形態では、を一列毎に取出し駆動を行なうことで、取出し時の2列の保持プレート30の列ピッチをP1に維持できる。
【0083】
3.異列の保持プレートを用いるブロー成形機
図23及び図24は、N=3とし、3列の保持プレート30と3列のブロー型64を有するブロー成形機のブロー成形ステーション16を示している。図23は列ピッチP1での型締め状態を、図24は列ピッチP2での型開き状態を示している。なお、図23及び図24に示す部材のうち、上述した実施形態と同一機能を有する部材については同一符号を付している。つまり、このブロー成形機も、3列の保持プレート30と3列のブロー型64を有する点を除けば、上述した実施形態と共用でき、それらの部材を交換することで対応できる。つまり、このブロー成形機は、2列搬送と3列搬送とに共用できる。従って、本実施形態のブロー成形機も、ブロー成形ステーション16に、型締め/型開き装置200、割型同期部材210、P1−P2ピッチ変換駆動部220及びP3−P1ピッチ変換駆動部230を有している(ただし、P1−P3ピッチ変換駆動部220は図示を省略)。
【0084】
3列のブロー型64のうち、中央のブロー型は一対のブローキャビティ割型64A1,64A2を有する。左側のブロー型64は、一対のブローキャビティ型64B1,64B2を有する。右側のブロー型64は、一対のブローキャビティ型64C1,64C2を有する。そして、ブローキャビティ割型64A1とブローキャビティ64B1とは背面合わせで固定されて一体で移動し、ブローキャビティ割型64A2とブローキャビティ64C1とは背面合わせで固定されて一体で移動する。列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型64B2,64C2が、2つの型締め板208,208に固定されている。
【0085】
図23に示すように、ブロー型締めすると、3列のブロー型64の列ピッチはP1となる。この際、型締め/型開き駆動部202,202がそれぞれ型締め板208,208を駆動すると、先ず、外側の2つのブロー型64,64が型閉じされる。その後は、列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型64B2,64C2が、一体移動するブローキャビティ割型64A1及びブローキャビティ64B1と、一体移動するブローキャビティ割型64A2及びブローキャビティ64C1を押動する。そして、やがては、隣り合うブローキャビティ割型同士が密着して、型締めが完了する。この際、型締め板208,208に取り付けられた押動部材252,252が列方向で最外側の2つの保持プレート30,30を押動するので、3つの保持プレート30の列ピッチもP1に設定される。
【0086】
なお、本実施形態は必ずしも温調ステーション14にてプリフォーム1Aを予備ブローするものに限らない。図23では、予備ブローされていないプリフォーム1Aから容器をブロー成形している。もちろん、本実施形態でも温調ステーション14にてプリフォーム1Aを予備ブローしてもよい。本実施形態では、予備ブローの有無にかかわらず、プリフォーム1A(1B)は、上述の実施形態と同じくピッチP3に設定されてブロー成形ステーション16に搬入される。その理由は、図24を用いて後述する。
【0087】
ブロー成形が完了すると、型締め/型開き駆動部202,202がそれぞれ型締め板208,208を駆動して、3列のブロー型64を型開きする。この際、割型同期部材210及びP1−P2ピッチ変換駆動部220の動作により、3列の保持プレート30の列ピッチはP1からP2に変更される。なお、N=3のようにブロー型が奇数列である場合には、割型同期部材210は、列方向で最外側の2つのブローキャビティ割型の同期をとることに加えて、中央に位置するブロー型を構成する一対のブローキャビティ割型の同期をとっても良い。この他、割型同期部材は、N列のブロー型のうち対称的に移動する一対のブローキャビティ型の同期をとってもよい。
【0088】
型締め板208,208を駆動することで、列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型64B2,64C2は型開きされる。ここで、本実施形態では、型開き連動部材79を設けている。この型開き連動部材79は、2つの型締め板208の各々に固定された軸部66を有し、軸部66の先端にはフランジ部66Aが形成されている。型開き連動部材79は、一体移動するブローキャビティ割型64A1及びブローキャビティ64B1、または一体移動するブローキャビティ割型64A2及びブローキャビティ64C1ともに移動する部位に、フランジ部66Aと係合するストッパー部68を有している。図24に示すように、3列のブロー型64が列ピッチP2となる型開き状態では、フランジ部66Aがストッパー部68と係合して、一体移動するブローキャビティ割型64A1及びブローキャビティ64B1と、一体移動するブローキャビティ割型64A2及びブローキャビティ64C1とを、型開き位置まで引っ張っている。なお、フランジ部66Aは型締め時にはストッパー部68と干渉しない。
【0089】
ここで、図24に示す型開き状態において、新たにプリフォーム1A(1B)を搬入するには、3列の保持プレート30の列ピッチをP2としても良いが、上記実施例と同様に3列の保持プレート30の列ピッチをP3(P1<P3<P2)としても、プリフォーム1A(1B)の胴径は容器1Cよりも小さいので、型開きされた3列のブロー型64と干渉せずに搬入できる。つまり、ブロー型に搬入されるN列のプリフォームの列ピッチをP3とする技術的意義は、上述したような予備ブローされたプリフォームを搬入する場合に限定されず、2列と3列等、異列に対応できるブロー成形機に好適である。
【0090】
このように、本実施形態では、N=2またはN=3の列数を使い分けることができ、ブロー成形機の汎用性が高まる。
【0091】
4.保持プレートの撓み防止機構
図25は、移送板20A〜20Dに取り付けられるN列例えば2列の保持プレート30を示している。図26は、図25に示す2列の保持プレート30の長手方向Aの両端部A1,A2に配置されるレール部材300及びガイド部材310を示す断面図である。図25及び図26に示す2列の保持プレート30の撓み防止機構は、上述した実施形態に適用できる他、特許文献1のように射出成形ビッチとブロー成形ピッチを変更するピッチ変換形態にも適用することができる。
【0092】
図25に示す移送板20A〜20Dの各々は、2列の保持プレート30の長手方向Aの両端部A1,A2側に、図26に示すレール部材300をそれぞれ有する。レール部材300にはレール302を有することができる。
【0093】
図25に示す移送板20A〜20Dの各々は、2列の保持プレート30の列方向Bに沿って設けられた少なくとも1本、例えば2本の補強軸320と、2本の補強軸320の両端を固定する2つの第1固定部330とを有する。
【0094】
一方、2列の保持プレート30の各々は、2つのレール部材300に沿ってそれぞれ移動案内され、2列の保持プレート30を、列ピッチを可変にして支持する2つのガイド部材310を、長手方向Aの両端部A1,A2側に有する(図26参照)。図26に示すように、ガイド部材310は、レール部材300のレール302に嵌合するレール溝部312を有することができる。また、2列の保持プレート30の各々は、2本の補強軸320が貫通される2つの第1貫通孔32を有する。
【0095】
ここで、2列の保持プレート30は、図25に示す長手方向Aの両端部A1,A2でのみ支持すると、長手方向Aの中間部にて撓みやすい。そこで、長手方向Aの中間部にて2列の保持プレート30の各々に2つの第1貫通孔32を形成し、各々の第1貫通孔32に補強軸320を貫通させ、その補強軸320の両端部を2つの第1固定部330にて固定した。このため、補強軸320が2列の保持プレート30の撓みを抑制できる。よって、2列の保持プレート30にそれぞれ保持された複数のネック型42を用いて成形される複数のプリフォーム1Aやブロー成形容器1Cは、各保持プレート30の長手方向Aの位置に依存せずに成形高さ位置が均一となり、成形品質を均一化することができる。
【0096】
移送板20A〜20Dの各々は、図25に示すように、2列の保持プレート30の列間の位置にて、補強軸320の中間部を固定する第2固定部340をさらに有することができる。この第2固定部340により、補強軸320自体の撓みが抑制されるので、2列の保持プレート30の撓みをさらに抑制できる。
【0097】
また、本実施形態でも、列ピッチ変換用リンク機構150から列ピッチ変換力がガイド部材310に作用すると、ガイド部材310がレール部材300に沿って移動して、2列の保持プレート30の列ピッチが可変される。また、変換後の列ピッチは、図14に示すガイドロッド152と可変列ピッチ維持部材160とにより維持される。図25に示す2列の保持プレート30の長手方向Aの両端部A1,A2は、移送板20A〜20Dと支持プレート316との間に位置される。
【0098】
また、上述した通り、2列の保持プレート30の各々は、図25にも示すように、2列の保持プレート30の各々は、一対の分割板30A,30Bで構成され、ネック型42は各分割板30A,30Bに固定された一対のネック割型42A,42Bとで構成される。こうすることで、上述の通り取出しステーション18にて一対の分割板30A,30Bの間隔を広げることで複数の容器1Cが複数のネック型42から取出すことができる。
【0099】
ここで、2列の保持プレート30の各々が有する一対の分割板30A,30Bの一方の分割板30Aは、第2固定部340と対向する位置に第1切り欠き部34を有する。こうすると、一対の分割板30A,30Bの間隔が広げられて容器1Cが取出し駆動される時には、例えば図8に示すように2列の保持プレート30の隣接する分割板30A同士が接触するほど近接する。そのような場合でも、図25に示す第1切り欠き部34内に第2固定部340の少なくとも一部が配置されるので、第2固定部340が分割板30Aと干渉することを防止できる。
【0100】
なお、図25に示すように、一対の分割板30A,30Bの長手方向Aの両端部A1,A2には、センター位置決め用の例えば半円形状の第2切欠き部36,36を形成することができる。一方、図26に示すように、例えば移送板20A〜20Dに形成された孔21を介して、一対の分割板30A,30Bの第2切欠き部36に芯出しピン318を挿入し、この芯出しピン318をボルト314によりガイド部材310に固定する。こうして、芯出しピン318芯出しピン318が、一対の分割板30A,30Bの第2切欠き部36に収まるようになっている。よって、一対の分割板30A,30Bのセンター位置は、列ピッチを可変するガイド部材310と一体で移動する芯出しピン318により設定できる。
【0101】
2列の保持プレート30の各々は、図25に示すように、長手方向Aの複数個所にて、列方向Bに貫通する2つの第2貫通孔38と、2つの第2貫通孔38にそれぞれ挿通される2本のガイド軸39Aと、2本のガイド軸39Aにそれぞれ挿通されて、一対の分割板30A,30Bを閉じる方向に付勢する2つの付勢部材例えば圧縮コイルスプリング39Bとを有することができる。この場合、長手方向Aにて、2本のガイド軸39A,39Aの間に2本の補強軸320,320を配置することができる。
【0102】
この場合、2列の保持プレート30は、図25に示す長手方向Aの両端部A1,Aがガイド部材310で支持され(図26参照)、その内側位置では2本のガイド軸39A,39Aで支持され、さらにその内側位置にて2本の補強軸320,320で支持することができる。こうして、2列の保持プレート30の撓みを長手方向Aの全域で抑制することができる。なお、付勢部材39Bを保持する2本のガイド軸39A,39Aは、長手方向Aにて離して配置したほうが、長手方向Aの全域にて一対の分割板30A,30Bを閉鎖方向に付勢する付勢力を作用させることができる。
【0103】
2列の保持プレート30の撓みは、その2列の保持プレート30を支持する移送板20A〜20Dが撓むことでも生ずる。例えば、移送板20A〜20Dは、ブロー成形ステーション16にて下降された後に、複数のネック型42が型締めされる。移送板20A〜20Dがブロー成形ステーション16での下降位置にて撓むと、2列の保持プレート30も撓んで、ブロー成形容器1Cの品質が保てない。
【0104】
本実施形態では、図25に示すように、ブロー成形ステーション16は、2列の保持プレート30の列間の位置C1,C2にて、下降された移送板20A〜20Dに当接して移送板20A〜20Dの下限位置を規定する複数例えば2本のストッパー(図示せず)を有することができる。これにより、移送板20A〜20D及び2列の保持プレート30の撓みを抑制できる。
【0105】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0106】
例えば、本発明は回転搬送型ブロー成形機に限定されず、水平搬送型ブロー成形機にも同様に適用することができる。また、上記実施形態はN=2,3を具体例に挙げたが、Nが奇数であればN=3の時と同様にしてN列のブロー型を構成すればよい。Nが偶数の時は、例えば、2列のブロー型を並列に設けるか、あるいはNが奇数である場合に線対称で型開きされる中央のブロー型の片側に一つのブロー型を、他の片側に偶数個のブロー型を配置すれば良い。
【符号の説明】
【0107】
1A プリフォーム、1B 予備ブローされたプリフォーム、1C 容器、10 回転搬送型ブロー成形機、12 射出成形ステーション、14 温調ステーション、16 ブロー成形ステーション、18 取出しステーション、20A〜20D 搬送支持部材(移送板)、30 保持プレート、30A,30B 分割板、32 第1貫通孔、34 第1切欠部(切欠部)、36 第2切欠部、38 第2貫通孔、39A ガイド軸、39B 付勢部材、40 射出キャビティ型、42 ネック型、42A,42B ネック割型、50 温調ポット型、52A,52B 温調ポット割型、60,64 ブロー成形型、62A,62B,64A1〜64C2 ブローキャビティ割型、72 下部基盤、74 上部基盤、130 列ピッチ変換駆動部、140 P1−P3列ピッチ変換部、150 列ピッチ変換用リンク機構、152 ガイドロッド、152A〜152C 被係合部、165 係合部、160 可変列ピッチ維持部材、200 型締め/型開き装置、202 型締め/型開き駆動部、208 型締め板、210 割型同期部材、220 P1−P2ピッチ変換駆動部、230 P3−P1ピッチ変換駆動部、240 P2−P1ピッチ変換駆動部、250 取出し駆動部、300 レール部材、310 ガイド部材、320 補強軸、330 第1固定部、340 第2固定部、A 長手方向、A1,A2 両端部、B 列方向、C1,C2 ストッパー当接位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列のネック型の列ピッチを可変とするブロー成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
2列のネック型の列ピッチを変換するブロー成形機は公知である。特許文献1では、ブロー後のブローキャビティ型の型開き時の列ピッチと、それ以外のいずれかの時の列ピッチとを、異なるように設定している。特許文献2では、ネック型をそれぞれ保持した2列の保持プレートを、リンク機構を用いてピッチ変換可能としている。
【0003】
また、ブロー成形機に関する構造として、特許文献3には、回転搬送型ブロー成形機において、間欠的に回転搬送される移送板を、複数のステーションの一つである射出成形ステーションで昇降させることが開示されている。特許文献4には、プリフォームを保持する保持プレートを、その保持プレートの両端側にて、ガイドプレートと落下防止との間に挟持して、回転移送板に支持する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平6−49331号公報
【特許文献2】特公平8−13501号公報
【特許文献3】特許第4319863号公報
【特許文献4】特開平8−244103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
射出成形時の熱を保有したプリフォーム(パリソン)を容器にブロー成形する1ステージ方式(ホットパリソン方式)では、一度に射出成形されるプリフォーム数に限度がある。その点、特許文献1,2のように、特に小型プリフォームであれば列数を多くして同時成形個数を多くすることで、生産性の向上が図られる。
【0006】
プリフォームを保持する保持プレートを複数列としたとき、各種の成形型も複数列としなければならない。その際、特許文献1,2のように列数を2とした時、2列のブロー型の型開き状態での広ピッチと、射出成形時などの狭ピッチとの間でピッチ変換している。
【0007】
また、2列のブロー型を型締め/型開きする型締め/型開き装置は、特許文献2では片側駆動とし、横タイバーでブロー型同士を連結していた。
【0008】
本発明の幾つかの態様は、複数列で成形品を搬送して生産性を向上しながら、成形品搬送路の省スペース化、時間ロスの減少、温調時の予備ブロー等のオプションへの対応、あるいは列数の変更等が容易なフレキシビリティの高いブロー成形機を提供することにある。
【0009】
本発明の他の幾つかの態様は、複数列のブロー型の設置/取り出しが容易であり、あるいは列数の異なるブロー型を交換して使用できるフレキシビリティの高いブロー成形機を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の幾つかの態様は、複数列の各列で複数の成形品を搬送して生産性を向上しながら、同時成形される成形品の品質を向上できるブロー成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係るブロー成形機は、
N(Nは2以上の整数)各列にて複数のネック型を保持して搬送方向に沿って搬送されるN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、前記搬送方向にて前記射出成形ステーションの下流に配置されたN列の温調ポット型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型に配置して温調する温調ステーションと、
前記搬送方向にて前記温調ステーションの下流に配置されたN列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
前記射出成形された複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP1とし、前記ブロー成形された複数の容器を保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP2とし、型開きされた前記N列のブロー型に搬入される前記複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP3としたとき、P1<P3<P2となるように前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様によれば、従来の可変列ピッチであるP1,P2に加えて、P3(P1<P3<P2)を追加し、型開きされたN列のブロー型に搬入される複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP3とした。これにより、従来の2ピッチでは不可能であった種々の成形方法に対応できる。一つは、例えば特許文献2のように保持プレートを2列とし、かつ温調ステーションで予備ブローする場合である。予備ブローによりプリフォームの胴部が膨出されるので、射出成形時での列ピッチP1では、非対称に型開きされるブロー型に搬入できない。他の一つは、ブロー型を3列以上の奇数列とする場合である。この場合には、一対のブローキャビティ型がブロー中心に対して非対称に型開きされるので、射出成形時での列ピッチP1ではブロー型に搬入できにない。もし、型開き時の最大ピッチP2でプリフォームをブロー型に搬入しようとすれば、プリフォームの搬送軌跡領域が増大し、装置のレイアウト設計が困難となる上、装置が大型化する。また、型開き時の最大ピッチP2でプリフォームをブロー型に搬入すると、プリフォーム搬入が完了するまで、ブロー型を事前に待機位置まで型閉じすることができなくなる。ブロー成形ステーションではピッチ変換動作が附加されるので、1サイクル時間内に全動作を完了するのに稼動時間の短縮は重要である。本発明の一態様では、型開きされたN列のブロー型に搬入される複数のプリフォームを保持するN列の保持プレートの列ピッチをP3とすることで、これらを解決できた。
【0013】
本発明の一態様では、前記搬送方向にて前記ブロー成形ステーションの下流に配置され、前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す取出しステーションをさらに有し、前記列ピッチ変換駆動部は、前記取出しステーションにて前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す前に、前記N列の保持プレートの列ピッチをP2からP1に戻し駆動するP2−P1ピッチ変換駆動部を、前記取出しステーションに有することができる。
【0014】
こうすると、取出しのための駆動シリンダー等の部材の設置スペースが縮小される上、最も成形時間を要する射出成形ステーションにて列ピッチをP2からP1に戻す必要はなく、射出サイクル時間を有効に確保できる。
【0015】
本発明の一態様では、前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器を取出し駆動し、前記取出しステーションは、列ピッチがP1に設定されたN列の保持プレートを一列毎に順次取出し駆動することができる。
【0016】
こうすると、最小ピッチP1で隣接する複数の保持プレートは、同時に取出し駆動すると互いに干渉する場合であっても、一列駆動により干渉を防止できる。また、取出しステーションでの1回の取り出しにさほど時間は要しないので、複数回の取出し駆動を1サイクル内にて完了できる。
【0017】
本発明の態様では、前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して、前記一対のブローキャビティ割型がブロー型開き時には非対称位置に配置されて、前記ブロー型開き時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2であり、前記N列のブロー型の列ピッチがP3よりも広く設定されたブロー型開き時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP3に設定された状態で、前記複数のプリフォームが前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間に搬入され、前記N列のブロー型の列ピッチがP2に設定されたブロー型開き時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP2に設定されて、前記複数の容器を前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間から搬出することができる。
【0018】
このように、N列のブロー型の少なくとも一列にて、ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開き時には一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されると、ブロー型開き時でのN列のブロー型の列ピッチP2は、ブロー型締め時のN列のブロー型の列ピッチP1よりも必ず大きくなる。このとき、N列の保持プレートを最大ピッチP2としてN列のブロー型にプリフォームを搬入するよりも、N列の保持プレートを列ピッチP3(<P2)とすることで、上述の通り、プリフォームの搬送軌跡領域を縮小し、ブロー型の型閉時間を短縮できる。
【0019】
本発明の一態様では、前記N=2であり、前記2列のブロー型では、各々の一対のブローキャビティ割型のうち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型は背面合わせで固定され、前記列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型が前記ブロー型開き時に駆動されて、前記ブロー型開き時での前記2列のブロー型の列ピッチをP2に設定することができる。この場合、ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開き時には一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されるので、列ピッチをP3とする意義を有する。
【0020】
前記N=3であり、前記3列のブロー型のうち、外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各一方である最外側の2つのブローキャビティ割型が型締め板に固定され、前記外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各他方は、中央のブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各々とそれぞれ背面合わせで固定され、前記ブロー型締め時には、3列のブロー型が前記列方向にて密着されて列ピッチがP1となり、前記ブロー型開き時には、前記中央のブロー型の前記一対のキャビティ割型は、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して前記ブロー型開き時に線対称駆動され、外側の2つのブロー型の各々は、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー中心線に対して非対称位置に配置されて、前記ブロー型開き時での前記3列のブロー型の列ピッチをP2とすることができる。この場合も、ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開き時には一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されるので、列ピッチをP3とする意義を有する。
【0021】
本発明の一態様では、前記温調ステーションは、前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型内で予備ブローし、前記N列の温調ポット型の加熱された各内壁面に前記予備ブローされた複数のプリフォームの各々の胴部を接触させて温調することができる。この場合、射出成形時のプリフォームよりも胴部が拡径されるので、上述の非対称駆動時には列ピッチをP3とする意義を有する。
【0022】
本発明の一態様では、前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型のブロー型締め駆動と同期してP3からP1に縮小させるP3−P1ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することができる。
【0023】
このように、N列の保持プレートの列ピッチを、N列のブロー型のブロー型締め駆動と同期して変換できるので、ブロー成形前のプリフォームが型締め動作によって破損することがない。
【0024】
本発明の一態様では、前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数の容器を保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型の型開き駆動と同期して、P1からP2に増大させるP1−P2ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することができる。
【0025】
このように、複数の容器を保持したN列の保持プレートの列ピッチを、N列のブロー型の型開き駆動と同期して変換できるので、ブロー後の容器が型開動作によって破損することがない。
【0026】
本発明の一態様では、前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチをP1からP3に増大させるP1−P3ピッチ変換駆動部を、前記温調ステーションに有することができる。
【0027】
列ピッチをP3に変換するタイミングは、温調工程後であって、型開きされたN列のブロー型に複数のプリフォームを搬入する前であれば良いが、ブロー成形ステーションでは他のピッチ変換も要するので、温調ステーションで実施するとよい。プリフォームの搬送軌跡領域の縮小にも寄与できる。
【0028】
本発明の一態様では、前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列ピッチをP1,P2,P3にそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材を含み、前記複数列の保持プレートは、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構を有し、前記列ピッチ変換用リンク機構は、前記支持搬送部材に支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッドを含み、前記ガイドロッドは移動案内される方向に沿って離間して配置された3つの被係合部を含み、前記可変列ピッチ維持部材は、前記3つの被係合部の一つに弾性的に係合される係合部を含むことができる。
【0029】
こうすると、搬送時等であっても、P1,P2,P3のいずれかの列ピッチを確実に維持することができる。
【0030】
本発明の他の態様に係るブロー成形機は、
N(Nは2以上の整数)列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートに保持された複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するN列のブロー型と、
前記N列のブロー型を型締め/型開き駆動する型締め/型開き装置と、
前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
有し、
前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、
前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、
前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー型締め時のブロー中心線に対してブロー型開き時には非対称位置に配置されて、前記ブロー型開き時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2(P2>P1)であり、
前記型締め/型開き装置は、前記N列のブロー型のうち前記列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型をそれぞれ型締め/型開き駆動する2つの型締め/型開き駆動部と、前記2つのブローキャビティ割型と係合して、前記2つのブローキャビティ割型を同期移動させる割型同期部材とを含み、タイバーレスにて構成され、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記2つのブローキャビティ割型の同期移動に応じて変位する前記割型同期部材と係合して、前記N列の保持プレートの列ピッチを変換駆動し、かつ、前記N列の保持プレートの列ピッチを前記2つのブローキャビティ割型の移動と同期させて変換することを特徴とする。
【0031】
本発明の他の態様では、型締め/型開き装置がタイバーレスにて構成できるので、ブロー型の取り付け、取り外しを装置の側面から水平移動させるだけで実現できる。その上、タイバーレスを確保するために、最外側に位置する2つのブローキャビティ割型を2つの型締め/型開き駆動部により独立に駆動しながらも、割型同期部材によって同期移動させることができる。さらに、その割型同期部材の変位を利用して、N列の保持プレートの列ピッチを変換駆動できる上に、N列の保持プレートの列ピッチを2つのブローキャビティ割型の移動と同期させることができる。
【0032】
本発明のさらに他の態様に係るブロー成形機は、
複数のネック型をそれぞれ保持するN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、
前記N列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
を有し、
前記支持搬送部材は、
前記N列の保持プレートの長手方向の両端部側に配置された2つのレール部材と、
前記N列の保持プレートの列方向に沿って設けられた少なくとも1本の補強軸と、
前記少なくとも1本の補強軸の両端を固定する2つの第1固定部と、
を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記2つのレール部材に沿ってそれぞれ移動案内され、前記N列の保持プレートを、列ピッチを可変にして支持する2つのガイド部材を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記少なくとも1本の補強軸が貫通される少なくとも一つの第1貫通孔を有すること特徴とする。
【0033】
N列の保持プレートの各々は、2つのガイド部材により保持プレートの長手方向の両端部でのみ支持すると、長手方向の中間部にて撓みやすい。長手方向の中間部にてN列の保持プレートの各々に少なくとも1つの第1貫通孔を形成し、第1貫通孔に少なくとも1本の補強軸を貫通させ、少なくとも1本の補強軸の両端部を2つの第1固定部にて固定した。このため、少なくとも1本の補強軸がN列の保持プレートの撓みを抑制できる。よって、N列の保持プレートにそれぞれ保持された複数のネック型を用いて成形される複数のプリフォームやブロー成形容器は、各保持プレートの長手方向の位置に依存せずに成形高さ位置が均一となり、成形品質を均一化することができる。
【0034】
本発明のさらに他の態様では、前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列間の位置にて、前記少なくとも1本の補強軸の中間部を固定する第2固定部をさらに有することができる。
【0035】
この第2固定部により、補強軸自体の撓みが抑制されるので、N列の保持プレートの撓みをさらに抑制できる。
【0036】
本発明のさらに他の態様では、前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器が前記複数のネック型から取出され、
前記N列の保持プレートの各々が有する前記一対の分割板の一方は、前記第2固定部と対向する位置に切り欠き部を有することができる。
【0037】
こうすると、一対の分割板の間隔が広げられて容器が取出し駆動される時には、N列の保持プレートの隣接する分割板同士が例えば接触するほど近接することがある。そのような場合でも、切り欠き部内に第2固定部の少なくとも一部が配置されるので、第2固定部が分割板と干渉することを防止できる。
【0038】
本発明のさらに他の態様では、
前記N列の保持プレートの各々は、
前記長手方向の複数個所にて、前記列方向に貫通する2つの第2貫通孔と、
前記複数の第2貫通孔に挿通される2本のガイド軸と、
前記2本のガイド軸にそれぞれ挿通されて、前記一対の分割板を閉じる方向に付勢する2つの付勢部材と、
を有し、
前記長手方向にて、前記2本のガイド軸の間に前記少なくとも1本の補強軸を配置することができる。
【0039】
こうすると、N列の保持プレートは、長手方向の両端部が2つのガイド部材で支持され、その内側位置では2本のガイド軸で支持され、さらにその内側位置にて少なくとも1本の補強軸で支持することができる。こうして、N列の保持プレートの撓みを長手方向の全域で抑制することができる。なお、付勢部材を保持する2本のガイド軸は、長手方向にて離して配置したほうが、長手方向の全域にて一対の分割板を閉鎖方向に付勢する付勢力を作用させることができる。
【0040】
本発明のさらに他の態様では、
前記支持搬送部材が前記ブロー成形ステーションにて下降された後に、前記複数のネック型が型締めされ、
前記ブロー成形ステーションは、前記N列の保持プレートの列間にて、下降された前記支持搬送部材に当接して、前記支持搬送部材の下限位置を規定する複数のストッパーを有することができる。
【0041】
N列の保持プレートの撓みは、そのN列の保持プレートを支持する支持搬送部材が撓むことでも生ずる。ブロー成形ステーションに設けられた複数のストッパーは、N列の保持プレートの列間の位置にて、下降された支持搬送部材に当接して、支持搬送部材の撓みを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転搬送型ブロー成形機での主要4工程を示す概略説明図である。
【図2】列ピッチP1の2列のプリフォームの射出成形工程を示す図である。
【図3】列ピッチP1の2列のプリフォームを予備ブローした温調工程を示す図である。
【図4】温調ポット型から取り出された2列のプリフォームの列ピッチをP1からP3に変換する工程を示す図である。
【図5】列ピッチP3の2列のプリフォームをブロー型に搬入する工程を示すである。
【図6】列ピッチP1でのブロー型締め工程を示す図である。
【図7】列ピッチP2でのブロー型開工程を示す図である。
【図8】列ピッチP1での一列ごとの取出し工程を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る回転搬送型ブロー成形機の正面図である。
【図10】温調ステーションに配置される温調ポット型昇降機構の図である。
【図11】移送板を下方から見た図である。
【図12】温調ステーションに配置された列ピッチ変換駆動部の図である。
【図13】温調ステーションに配置された列ピッチ変換駆動部のピッチ変換動作を示す図である。
【図14】移送部材に配置される可変ピッチ維持部材の図である。
【図15】図14のXV-XV断面図である。
【図16】ブロー成形ステーションに列ピッチP3の2列のプリフォームが搬入された状態を示す図である。
【図17】列ピッチP3の2列のプリフォームが型開きされた2列のブロー型に搬入された状態を示す図である。
【図18】列ピッチP1でのブロー型締め状態を示す図である。
【図19】列ピッチP2でのブロー型開き状態を示す図である。
【図20】列ピッチP2でのブロー成形ステーションから搬出する状態を示す図である。
【図21】取出しステーションの平面図である。
【図22】取出しステーションの側面図である。
【図23】3列のブロー型の型締め状態を示す図である。
【図24】3列のブロー型の型開き状態を示す図である。
【図25】支持搬送部材に取り付けられる2列の保持プレートを示す概略斜視図である。
【図26】2列の保持プレートの長手方向両端部に配置されるレール部材及びガイド部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0044】
1.ブロー成形機での成形工程と列ピッチ
図1は本実施形態に係る回転搬送型ブロー成形機での主要4工程を示す概略説明図である。この4工程とは、射出成形工程、温調工程、ブロー成形工程及び取出し工程である。回転搬送型ブロー成形機10では、一周360°の搬送領域を4分割した各領域に、射出成形ステーション12、温調ステーション14、ブロー成形ステーション16及び取出しステーション18が設けられている。各ステーション10〜18に間欠的に回転搬送される4枚の移送板(広義には支持搬送部材)20A〜20Dが設けられている。図1では、移送板20Aが順次、射出成形ステーション12、温調ステーション14、ブロー成形ステーション16及び取出しステーション18に間欠搬送される状態が図示されている。
【0045】
移送板20A〜20Dの各々には、成形品1(プリフォーム1A、予備ブローされたプリフォーム1Bまたは容器1C)が保持されるN(Nは2以上の整数)列、例えば2列の保持プレート30(図1では図示せず、図2〜図8参照)が、列ピッチをP1,P2,P3(P1<P3<P2)の3種類に可変となるように支持されている。例えば、P1=190mm、P2=290mm、P3=210mmである。
【0046】
図2〜図8は、4工程での2列の保持プレート30の列ピッチを示している。なお、2列の保持プレート30は、列方向にスライド自在に移送板20(20A〜20D)に支持されている(特許文献2の図2参照)。
【0047】
射出成形ステーション12では、図2に示すように、N列の射出キャビティ型40とN列の保持プレート30にそれぞれ保持されたネック型42と、射出コア型(図示せず)とを用いて、複数(図1では12個)のプリフォーム1Aを射出成形する。この射出成形時の列ピッチは最小ピッチP1である。なお、射出成形時には、移送板20Aは搬送時の高さH1よりも距離Lだけ低い高さH2まで下降されて、移送板20Aに保持されたネック型42を2列の射出キャビティ型40に型締めしている。プリフォーム1Aの射出成形後は、移送板20Aが上昇されて、ネック型42に保持された複数のプリフォーム1Aが射出コア型40より離型される。また、図示しない射出コア型も上昇されて複数のプリフォーム1A内から離型される。この後は、ネック型42に保持された複数のプリフォーム1Aは、移送板20Aを回転することで温調ステーション14に移送される。
【0048】
搬送方向にて射出成形ステーション12の下流に配置された温調ステーション14では、図3に示すように、複数のプリフォーム1AをN列の温調ポット型50の加熱された各内壁面に複数のプリフォーム1Aの各々の胴部を接触させてブロー適温に温調する。本実施形態では、N列の温調ポット型50内で複数のプリフォーム1Aを予備ブローし、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを温調ポット型50の内壁面に接触して温調している。これにより、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bの胴部が拡径される(図4参照)と共にブロー適温に温調される。この温調時でのN列の保持プレート30列ピッチは、例えば射出成形時と同じくP1である。つまり、N列の温調ポット型50の列ピッチもP1である。これに代えて、N列の温調ポット型50の列ピッチを中間ピッチP3(P1<P3<P2)とし、温調時にはN列の保持プレート30の列ピッチを中間ピッチP3としても良い。なお、N列の温調ポット型50は昇降可能であり、温調時にはN列の温調ポット型50が上昇位置に設定される。また、予備ブローする温調ポット型50は、開閉可能な一対の温調ポット割型52A,52Bで構成されている。また、この温調工程では、温調コアを用いても良い。なお、本実施形態では、後述する通り予備ブローは必須でないはない。
【0049】
本実施形態では、例えば予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを回転搬送する際には、図4に示すように、N列の保持プレート30の列ピッチは中間ピッチP3(P3<P1)に設定される。その理由は、以下に説明するとおり、ブロー成形工程に存在する。
【0050】
搬送方向にて温調ステーション14の下流に配置されたブロー成形ステーション16は、図5〜図7に示すように、N列のブロー型60を有する。ブロー成形ステーション16では、型締めされたN列のブロー型60内にて、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを複数の容器1Cにブロー成形する(図6参照)。このブロー成形時にも、射出成形工程と同様に移送板20Aが下降され、高さH3に設定される。
【0051】
N列のブロー型60の各々は、一対のブローキャビティ割型62A,62Bを有する。各々の一対のブローキャビティ割型うち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型62Aは背面合わせで固定され、列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型62Bが型締め/型開き駆動される。列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型62Bは型開き駆動されて、型開き時にはN列のブロー型の列ピッチがP2に設定される(図5及び図7参照)。つまり、一対のブローキャビティ割型62A,62Bは、ブロー型締め時のブロー中心線(図5に示すピッチP3の寸法線)に対して型開き時には非対称位置に配置される(図5参照)。
【0052】
N列のブロー型60が型開された状態では、N列の保持プレート30の列ピッチがP3に設定されており、予備ブローされた複数のプリフォーム1BがN列のブロー型60の各々の一対のブローキャビティ割型62A,62Bの間に搬入される。このとき、もしN列の保持プレート30の列ピッチがP3より小さいP1に設定されていると、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bが一対のブローキャビティ割型62A,62Bの間に搬入される時に、固定されたブローキャビティ割型62Aと干渉してしまうからである。この際、特許文献1,2のように列ピッチを最大ピッチp2に設定すると、回転搬送半径が大きくなり、他の部材との干渉や省スペース上で好ましくない。
【0053】
上述の干渉を防止するためには、上述した通り温調工程の開始前に列ピッチP3に設定することもできる(この場合には温調ポット型がP3ピッチ配列)。要は複数のプリフォーム1Bを保持する状態でN列の保持プレート30の列ピッチがP3とされ、N列のブロー型60との干渉を防止できれば良い。なお、図5では、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bが、列ピッチがP2に設定されたN列のブロー型60に搬入されているが、これに限定されない(後述の図16及び図17参照)。ブローキャビティ割型62Bは、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bと干渉しない位置まで、予め型閉駆動しておいても良い。こうすると、一サイクル内でのブロー成形動作に余裕が生ずる。
【0054】
図5に示す搬入後に、N列のブロー型60は型締めされて、型締め時での列ピッチがP1となる(図6参照)。このとき、N列の保持プレート30の列ピッチもP1に設定される。このときに、N列の保持プレート30の列ピッチ変換動作は、N列のブロー型60の型締め動作と同期して行なうことができる。ブロー成形工程は、予備ブローされた複数のプリフォーム1B内にブローコア型より高圧エアーを導入すると共に延伸ロッドを縦軸駆動して行なう。
【0055】
ブロー成形後に、N列のブロー型60は型開きされて、N列のブロー型60の列ピッチがP2となる(図7参照)。このとき、N列の保持プレートの列ピッチがP2に設定されて、複数の容器1CがN列のブロー型60の各々の一対のブローキャビティ割型62A,62Bの間から搬出される。N列の保持プレート30の列ピッチ変換動作は、N列のブロー型60の型開き動作と同期して行なうことができる。
【0056】
その後、移送板20Aが上昇駆動され、さらに回転搬送されて、N列の容器1Cが列ピッチP2で搬送される。
【0057】
最後に、取出しステーション18では、N列の保持プレート30の列ピッチがP1に設定される(図8)。ここで、N列の保持プレート30は一対の分割板30A,30Bで構成され、ネック型42は各分割板30A,30Bに固定された一対のネック割型42A,42Bとで構成される。よって、容器1Cの取り出しは、公知の手法によって一対のネック割型42A,42Bを開放駆動して、図8に示すようにして容器1Cを取り出すことができる。この際、N列の保持プレート30の列ピッチP1は小さいが、図8に示すように2列の保持プレート30を一つずつ取出し駆動すれば、N列の保持プレート30の開閉ストロークを確保することができる。
【0058】
2.ブロー成形機
2.1.射出成形ステーションとブロー成形ステーションの概要
図9は、金型を取り付け前の状態でのブロー成形機の正面図である。機台70上に下部基盤72が固定され、その上方には上部基盤74が固定されている。図9では、射出成形ステーション12とブロー成形ステーション16とが示されている。図9に示す射出成形ステーション12及びブロー成形ステーション16では、図2及び図5〜図7と同じく、移送板20A,20Cが降下した高さH2またはH3に設定されている状態が描かれている。射出成形ステーション12では、下部基盤72上に射出コア型40(図2参照)が配置され、ブロー成形ステーション16では、下部基盤72上にブロー型60(図5〜図7参照)が配置される。なお、以下の説明では、射出成形ステーション12には移送板20Aが、温調ステーション14には移送板20Bが、ブロー成形ステーション16には移送板20Cが、取出しステーション18には移送板20Dが、それぞれ位置しているものとして説明する。
【0059】
射出成形ステーション12にて移送板20Aを昇降させるために、移送板20Aを回転可能かつ昇降自在に保持する受け部材80より下方に延びる複数の駆動ロッド82が設けられている。複数の駆動ロッド82の下端は連結部材84にて連結されている。下部基盤72に固定されたシリンダー86Aと、連結部材84に固定されたロッド86Bとを有する移送板昇降部86により、移送板20Aが昇降される。
【0060】
ブロー成形ステーション16にて移送板20Cを昇降させるために、移送板20Cを回転可能かつ昇降自在に保持する受け部材90より上方に延びる複数の駆動ロッド92が設けられている。図9では省略されているが、この複数の駆動ロッド92を、連結部材を介して昇降させる移送板昇降部が、上部基盤74に設けられている。
【0061】
その他の駆動部として、射出成形ステーション12には縦型締め装置100や射出コア離型部102等が設けられている。また、ブロー成形ステーション16には、延伸ロッド昇降部104、ブローコア昇降部106、上げ底型昇降部108及びブロー圧受け板昇降部110などが設けられている。
【0062】
以下、列ピッチ変換には無関係な射出成形ステーション12を除き、各ステーション14〜18について説明する。
【0063】
2.2.温調ステーション及び列ピッチ変換用リンク機構
図10は、図3に示す温調ポット型50を取り付ける前の状態での温調ステーション14を示している。温調ステーション14では、下部基盤72に固定されたポット昇降部120により昇降されるポット台122が配置されている。このポット昇降部120の駆動により、図3に示す温調ポット型50を昇降させることができる。
【0064】
図11は、移送板20A〜20Cを下方から見た図である。ただし、保持プレート30はネック型が取り付けられる前の状態である。列ピッチ変換駆動部130の一つとして、温調ステーション14に停止した移送板20Bに設けられた2列の保持プレート30の列ピッチをP1からP3に変換するP1−P3ピッチ変換部140が、上部基盤74に設けられている。P1−P3ピッチ変換部140は、保持プレート30の長手方向の両端側にそれぞれ配置することができる。
【0065】
P1−P3ピッチ変換部140は、図12及び図13に示すように、上部基盤74に支持された揺動軸142の廻りに揺動する揺動アーム144と、この揺動アーム144を揺動させるアーム駆動部146とを有する。アーム駆動部146は、上部基盤74に固定されたシリンダー146Aと、揺動アーム144の一端に例えばピン結合されたロッド146Bとを有する。シリンダー146Aによりロッド146Bが伸張駆動されると、揺動アーム144の他端(例えばローラー144Aを有する)が上方に移動される。
【0066】
一方、各移送板20A〜20Dに設けられた2列の保持プレート30は、P1−P3ピッチ変換部140(列ピッチ変換駆動部130の一つ)の駆動力により変位して、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構150を、長手方向の両端側にそれぞれ有する。この列ピッチ変換用リンク機構150は、2列の保持プレート30に一端がそれぞれ回動自在に支持された一対の第1アーム150Aと、一対の第1アーム150Aの他端を異軸または同軸にて回動自在に連結する連結アーム150Bを含む。さらに、列ピッチ変換用リンク機構150は、連結アーム150Bに一端が固定され、他端が移送板20Bに支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッド152を含む。ガイドロッド152は移動案内される鉛直方向に沿って離間して配置された3つの被係合部152A,152B,152Cを含む(被係合部152Cが図12及び図13に、被係合部152A,152Bは図14に示されている)。本実施形態では、3つの被係合部152A,152B,152Cは、図14に示すように、ガイドロッド152の表面に形成された円周溝としている。
【0067】
P1−P3ピッチ変換駆動部140は、図12の列ピッチP1の状態から図13の列ピッチP3の状態に向けて揺動アーム144を揺動すると、揺動アーム144の先端のローラー144Aが、列ピッチ変換用リンク機構150の連結アーム150Bを押し上げる。こうすると、図13に示すように一対の第1アーム150Aの交差角が広くなって、2列の保持プレート30の列ピッチを拡大できる。しかも、一対の第1アーム150Aはガイドロッド152を中心線として線対称に移動するので、2列の保持プレート30も列方向と直交する中心線に対して線対称で移動される。
【0068】
移送板20Bは、N列の保持プレートの列ピッチをP1,P2,P3にそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材160を含むことができる。この可変列ピッチ維持部材160は、図14に示すように、移送板20Bに形成された孔に嵌入される嵌入部162Aを備えたガイド筒体162を有する。このガイド筒体162にはガイドロッド152が挿通案内される貫通孔162Bが形成されている。この貫通孔162Bは、図15に示すように、複数例えば4つの放射孔162Cと連通している。各放射孔162Cには、3つの被係合部152A,152B,152Cの一つに弾性的に係合される係合部165が支持されている。係合部165は、3つの被係合部152A,152B,152Cの一つに嵌入されるプランジャ164と、プランジャ164の抜け止めとしての一対の割リング166A,166Bと、一対の割リング166A,166Bに沿って設けられた弾性部材例えばOリング168とを含んでいる。プランジャ164は、球体と軸部との2ピースとしてもよい。あるいは、プランジャ164の代わりに球体を用い、Oリング168の代わりに放射孔162Cに配置される付勢部材例えばコイルスプリングを用いてもよい。放射孔162C内に保持される球体及び付勢部材は、ボルトやプランジャ等で抜け止めされればよい。
【0069】
図12に示すように列ピッチがP1の時には、図14に示すように、係合部165は被係合部152Aと弾性的に係合している。この位置でガイドロッド152の高さが固定されるので、列ピッチ変換用リンク機構150により保持プレート30の列ピッチはP1に保持される。そして、温調工程後に図13のようにガイドロッド152が変位されると、係合部165は被係合部152Bと弾性的に係合して、列ピッチがP2に変換されて保持される。
【0070】
2.3.ブロー成形ステーション
次に、ブロー成形ステーション16について、図16〜図20を参照して説明する。図16は、列ピッチP3に設定された2列の保持プレート30が、移送板20Cによってブロー成形ステーション16に搬入された状態を示している。図17は、図16に示す高さH1にあった移送板20Cを高さH3まで下降させて、列ピッチP3に設定された2列の保持プレート30に保持された予備ブロー済のプリフォーム1Bを、型開き状態の2列のブロー型60内に搬入した状態を示している。なお、図16及び図17では、型開きされた2列のブロー型60は、図5のように列ピッチP2ではなく、列ピッチP3よりも少し広い列ピッチになるように、型開後に型閉駆動されている。こうすることで、予備ブロー済のプリフォーム1Bの搬入後に、型開ピッチP2から型閉駆動を開始する場合よりも、型閉駆動時間を短縮できる。
【0071】
次に、図18に示すように2列のブロー型60を型締めしてブロー成形工程を実施することになるが、その説明に先駆けて、2列のブロー型60を型締め/型開きする型締め/型開き装置200について説明する。
【0072】
型締め/型開き装置200は、2列のブロー型60のうち列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型62B,62Bをそれぞれ型締め/型開き駆動する2つの型締め/型開き駆動部202を有する。各型締め/型開き駆動部202は、例えば油圧シリンダー204と、ロッド206とを含む。2本のロッド206は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bを取り付けた型締め板208,208に連結されている。2つのブローキャビティ割型62B,62Bをそれぞれ駆動する2つの型締め/型開き駆動部202を設けたので、型締め/型開き装置200はタイバーレスにて構成することができる。
【0073】
こうすると、ブロー型60等の着脱やメインテナンスは、ブロー成形機の側面から水平方向にブロー型60等を搬入出すれば良い。一方、特許文献2の図10に示すように横タイバーを有する場合には、横タイバーが邪魔をするので、ブロー型60等を搬入出に多大な労力を要する。
【0074】
2つの型締め/型開き駆動部202は、油圧制御上は同期をとるとしても、機械的に同期して2つのブローキャビティ割型62B,62Bが移動する保障はない。そこで、本実施形態では、型締め/型開き装置200は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bを同期移動させる割型同期部材210を設けている。この割型同期部材210は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bに連結されたラック212,214と、このラック212,214に噛合するギア216を含むピニオンギア216とを含む。これにより、2つのブローキャビティ割型62B,62Bを同期移動される。
【0075】
列ピッチ変換駆動部130は、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを保持した2列の保持プレート30の列ピッチを、2列のブロー型60のブロー型開き駆動と同期してP1からP2に拡大させるP1−P2ピッチ変換駆動部220を、ブロー成形ステーション16にて有する。P1−P2ピッチ変換駆動部220は、2つのブローキャビティ割型62B,62Bの同期移動に応じて変位する割型同期部材210と係合して、2列の保持プレート30の列ピッチを変換駆動し、かつ、2列の保持プレート30の列ピッチを2つのブローキャビティ割型62B,62Bの型開き移動と同期して列ピッチP1から列ピッチP2に変換するものである。
【0076】
このP1−P2ピッチ変換駆動部220は、上述したピニオンギア216のギア216Aと同軸のギア216Bと、このギア216と噛合して昇降されるラック218とを含む。ラック218には、2列の保持プレート30に設けられた列ピッチ変換用リンク機構150の連結アーム150Bを介してガイドロッド152を押し上げ駆動する駆動ロッド218Aが固定されている。
【0077】
列ピッチ変換駆動部130は、予備ブローされた複数のプリフォーム1Bを保持した2列の保持プレート30の列ピッチを、2列のブロー型60の型締め駆動と同期してP3からP1に縮小させるP3−P1ピッチ変換駆動部230をさらに有する。このP3−P1ピッチ変換駆動部230は、2つの型締め板208,208の上部にて互いに近接する方向に突出する2つの押動部232,232を有する。この2つの押動部232,232は、2つの型締め板208,208型締め方向に移動する過程で2列の保持プレート30またはその付属品を押動し、型締め完了により2列の保持プレート30の列ピッチがP1に設定される。
【0078】
これら型締め/型開き装置200、割型同期部材210、P1−P2ピッチ変換駆動部220及びP3−P1ピッチ変換駆動部230を有するブロー成形ステーション16では、図18に示す型締め動作と、図19に示す型開き動作を実施することができる。図18に示す型締め時には、2列のブロー型60は列ピッチP1で型締めされ、2列の保持プレート30もP3−P1ピッチ変換駆動部230と列ピッチ変換用リンク機構150により列ピッチがP1となる。一方、図19に示す型開き時には、2列のブロー型60は列ピッチP2で型開きされ、2列の保持プレート30もP1−P2ピッチ変換駆動部220と列ピッチ変換用リンク機構150により、駆動ロッド218Aにより連結アーム150B及びガイドロッド152が押し上げられて列ピッチがP2となる。
【0079】
図20では、移送板20Cが高さH1に復帰され、複数の容器1Cが2列のブロー型60より取り出され、その際に2列の保持プレート30の列ピッチはP2に維持される。その後、移送板20Cは間欠搬送されて取出しステーション18に移送される。
【0080】
2.4.取出しステーション
列ピッチ変換駆動部130は、図21及び図22に示す取出しステーション18にて複数の容器1Cを2列の保持プレート30から取り出す前に、2列の保持プレート30の列ピッチをP2からP1に戻し駆動するP2−P1ピッチ変換駆動部240を有する。P2−P1ピッチ変換駆動部240は、保持プレート30の長手方向の両端側にそれぞれ設けられている。このP2−P1ピッチ変換駆動部240は、上部基盤74に固定されたシリンダー242と、シリンダー242により挿脱されるロッド244とを含む。突出駆動されたロッド244が列ピッチ変換用リンク150のガイドロッド152を押動して、2列の保持プレート30の列ピッチがP2からP1に変更される。図21及び図22は、共に列ピッチがP1に変更された後の状態を図示している。
【0081】
取出しステーション18は、複数の容器1Cを2列の保持プレート30から取り出す取出し駆動部250をさらに有する。ここで、例えば特許文献2の図3等にて公知のように、2列の保持プレート30の各々は一対の分割板を含み、複数のネック型42の各々は、対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、一対の分割板の間隔を広げることで複数の容器ICが取出される。
【0082】
各列に設けられた取出し駆動部250は、上部基盤74に固定されたシリンダー252と、シリンダー252により挿脱されるロッド254と、ロッド254の下端に固定された楔状部材256とを含む。本実施形態では、取出しステーション18は、列ピッチがP1に設定された2列の保持プレート30を一列毎に順次取出し駆動している。図22は、右列の保持プレート30から容器1Cを取り出し駆動した状態を示している。図21に示すように、列ピッチP1に設定された2列の保持プレート30,30の間隔は狭くなる。この狭い間隔では、2列の保持プレート30,30を同時に取出し駆動すると、開放された保持プレート30同士が干渉してしまう。これを防止するには、取出し時の保持プレートのピッチを広くする必要があるが、次工程が列ピッチP1にて行なわれる射出成形工程であることを考慮すると、ピッチP1で取出しを行ことが無駄なピッチ変換を要さずに済むし、省スペースともなる。本実施形態では、を一列毎に取出し駆動を行なうことで、取出し時の2列の保持プレート30の列ピッチをP1に維持できる。
【0083】
3.異列の保持プレートを用いるブロー成形機
図23及び図24は、N=3とし、3列の保持プレート30と3列のブロー型64を有するブロー成形機のブロー成形ステーション16を示している。図23は列ピッチP1での型締め状態を、図24は列ピッチP2での型開き状態を示している。なお、図23及び図24に示す部材のうち、上述した実施形態と同一機能を有する部材については同一符号を付している。つまり、このブロー成形機も、3列の保持プレート30と3列のブロー型64を有する点を除けば、上述した実施形態と共用でき、それらの部材を交換することで対応できる。つまり、このブロー成形機は、2列搬送と3列搬送とに共用できる。従って、本実施形態のブロー成形機も、ブロー成形ステーション16に、型締め/型開き装置200、割型同期部材210、P1−P2ピッチ変換駆動部220及びP3−P1ピッチ変換駆動部230を有している(ただし、P1−P3ピッチ変換駆動部220は図示を省略)。
【0084】
3列のブロー型64のうち、中央のブロー型は一対のブローキャビティ割型64A1,64A2を有する。左側のブロー型64は、一対のブローキャビティ型64B1,64B2を有する。右側のブロー型64は、一対のブローキャビティ型64C1,64C2を有する。そして、ブローキャビティ割型64A1とブローキャビティ64B1とは背面合わせで固定されて一体で移動し、ブローキャビティ割型64A2とブローキャビティ64C1とは背面合わせで固定されて一体で移動する。列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型64B2,64C2が、2つの型締め板208,208に固定されている。
【0085】
図23に示すように、ブロー型締めすると、3列のブロー型64の列ピッチはP1となる。この際、型締め/型開き駆動部202,202がそれぞれ型締め板208,208を駆動すると、先ず、外側の2つのブロー型64,64が型閉じされる。その後は、列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型64B2,64C2が、一体移動するブローキャビティ割型64A1及びブローキャビティ64B1と、一体移動するブローキャビティ割型64A2及びブローキャビティ64C1を押動する。そして、やがては、隣り合うブローキャビティ割型同士が密着して、型締めが完了する。この際、型締め板208,208に取り付けられた押動部材252,252が列方向で最外側の2つの保持プレート30,30を押動するので、3つの保持プレート30の列ピッチもP1に設定される。
【0086】
なお、本実施形態は必ずしも温調ステーション14にてプリフォーム1Aを予備ブローするものに限らない。図23では、予備ブローされていないプリフォーム1Aから容器をブロー成形している。もちろん、本実施形態でも温調ステーション14にてプリフォーム1Aを予備ブローしてもよい。本実施形態では、予備ブローの有無にかかわらず、プリフォーム1A(1B)は、上述の実施形態と同じくピッチP3に設定されてブロー成形ステーション16に搬入される。その理由は、図24を用いて後述する。
【0087】
ブロー成形が完了すると、型締め/型開き駆動部202,202がそれぞれ型締め板208,208を駆動して、3列のブロー型64を型開きする。この際、割型同期部材210及びP1−P2ピッチ変換駆動部220の動作により、3列の保持プレート30の列ピッチはP1からP2に変更される。なお、N=3のようにブロー型が奇数列である場合には、割型同期部材210は、列方向で最外側の2つのブローキャビティ割型の同期をとることに加えて、中央に位置するブロー型を構成する一対のブローキャビティ割型の同期をとっても良い。この他、割型同期部材は、N列のブロー型のうち対称的に移動する一対のブローキャビティ型の同期をとってもよい。
【0088】
型締め板208,208を駆動することで、列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型64B2,64C2は型開きされる。ここで、本実施形態では、型開き連動部材79を設けている。この型開き連動部材79は、2つの型締め板208の各々に固定された軸部66を有し、軸部66の先端にはフランジ部66Aが形成されている。型開き連動部材79は、一体移動するブローキャビティ割型64A1及びブローキャビティ64B1、または一体移動するブローキャビティ割型64A2及びブローキャビティ64C1ともに移動する部位に、フランジ部66Aと係合するストッパー部68を有している。図24に示すように、3列のブロー型64が列ピッチP2となる型開き状態では、フランジ部66Aがストッパー部68と係合して、一体移動するブローキャビティ割型64A1及びブローキャビティ64B1と、一体移動するブローキャビティ割型64A2及びブローキャビティ64C1とを、型開き位置まで引っ張っている。なお、フランジ部66Aは型締め時にはストッパー部68と干渉しない。
【0089】
ここで、図24に示す型開き状態において、新たにプリフォーム1A(1B)を搬入するには、3列の保持プレート30の列ピッチをP2としても良いが、上記実施例と同様に3列の保持プレート30の列ピッチをP3(P1<P3<P2)としても、プリフォーム1A(1B)の胴径は容器1Cよりも小さいので、型開きされた3列のブロー型64と干渉せずに搬入できる。つまり、ブロー型に搬入されるN列のプリフォームの列ピッチをP3とする技術的意義は、上述したような予備ブローされたプリフォームを搬入する場合に限定されず、2列と3列等、異列に対応できるブロー成形機に好適である。
【0090】
このように、本実施形態では、N=2またはN=3の列数を使い分けることができ、ブロー成形機の汎用性が高まる。
【0091】
4.保持プレートの撓み防止機構
図25は、移送板20A〜20Dに取り付けられるN列例えば2列の保持プレート30を示している。図26は、図25に示す2列の保持プレート30の長手方向Aの両端部A1,A2に配置されるレール部材300及びガイド部材310を示す断面図である。図25及び図26に示す2列の保持プレート30の撓み防止機構は、上述した実施形態に適用できる他、特許文献1のように射出成形ビッチとブロー成形ピッチを変更するピッチ変換形態にも適用することができる。
【0092】
図25に示す移送板20A〜20Dの各々は、2列の保持プレート30の長手方向Aの両端部A1,A2側に、図26に示すレール部材300をそれぞれ有する。レール部材300にはレール302を有することができる。
【0093】
図25に示す移送板20A〜20Dの各々は、2列の保持プレート30の列方向Bに沿って設けられた少なくとも1本、例えば2本の補強軸320と、2本の補強軸320の両端を固定する2つの第1固定部330とを有する。
【0094】
一方、2列の保持プレート30の各々は、2つのレール部材300に沿ってそれぞれ移動案内され、2列の保持プレート30を、列ピッチを可変にして支持する2つのガイド部材310を、長手方向Aの両端部A1,A2側に有する(図26参照)。図26に示すように、ガイド部材310は、レール部材300のレール302に嵌合するレール溝部312を有することができる。また、2列の保持プレート30の各々は、2本の補強軸320が貫通される2つの第1貫通孔32を有する。
【0095】
ここで、2列の保持プレート30は、図25に示す長手方向Aの両端部A1,A2でのみ支持すると、長手方向Aの中間部にて撓みやすい。そこで、長手方向Aの中間部にて2列の保持プレート30の各々に2つの第1貫通孔32を形成し、各々の第1貫通孔32に補強軸320を貫通させ、その補強軸320の両端部を2つの第1固定部330にて固定した。このため、補強軸320が2列の保持プレート30の撓みを抑制できる。よって、2列の保持プレート30にそれぞれ保持された複数のネック型42を用いて成形される複数のプリフォーム1Aやブロー成形容器1Cは、各保持プレート30の長手方向Aの位置に依存せずに成形高さ位置が均一となり、成形品質を均一化することができる。
【0096】
移送板20A〜20Dの各々は、図25に示すように、2列の保持プレート30の列間の位置にて、補強軸320の中間部を固定する第2固定部340をさらに有することができる。この第2固定部340により、補強軸320自体の撓みが抑制されるので、2列の保持プレート30の撓みをさらに抑制できる。
【0097】
また、本実施形態でも、列ピッチ変換用リンク機構150から列ピッチ変換力がガイド部材310に作用すると、ガイド部材310がレール部材300に沿って移動して、2列の保持プレート30の列ピッチが可変される。また、変換後の列ピッチは、図14に示すガイドロッド152と可変列ピッチ維持部材160とにより維持される。図25に示す2列の保持プレート30の長手方向Aの両端部A1,A2は、移送板20A〜20Dと支持プレート316との間に位置される。
【0098】
また、上述した通り、2列の保持プレート30の各々は、図25にも示すように、2列の保持プレート30の各々は、一対の分割板30A,30Bで構成され、ネック型42は各分割板30A,30Bに固定された一対のネック割型42A,42Bとで構成される。こうすることで、上述の通り取出しステーション18にて一対の分割板30A,30Bの間隔を広げることで複数の容器1Cが複数のネック型42から取出すことができる。
【0099】
ここで、2列の保持プレート30の各々が有する一対の分割板30A,30Bの一方の分割板30Aは、第2固定部340と対向する位置に第1切り欠き部34を有する。こうすると、一対の分割板30A,30Bの間隔が広げられて容器1Cが取出し駆動される時には、例えば図8に示すように2列の保持プレート30の隣接する分割板30A同士が接触するほど近接する。そのような場合でも、図25に示す第1切り欠き部34内に第2固定部340の少なくとも一部が配置されるので、第2固定部340が分割板30Aと干渉することを防止できる。
【0100】
なお、図25に示すように、一対の分割板30A,30Bの長手方向Aの両端部A1,A2には、センター位置決め用の例えば半円形状の第2切欠き部36,36を形成することができる。一方、図26に示すように、例えば移送板20A〜20Dに形成された孔21を介して、一対の分割板30A,30Bの第2切欠き部36に芯出しピン318を挿入し、この芯出しピン318をボルト314によりガイド部材310に固定する。こうして、芯出しピン318芯出しピン318が、一対の分割板30A,30Bの第2切欠き部36に収まるようになっている。よって、一対の分割板30A,30Bのセンター位置は、列ピッチを可変するガイド部材310と一体で移動する芯出しピン318により設定できる。
【0101】
2列の保持プレート30の各々は、図25に示すように、長手方向Aの複数個所にて、列方向Bに貫通する2つの第2貫通孔38と、2つの第2貫通孔38にそれぞれ挿通される2本のガイド軸39Aと、2本のガイド軸39Aにそれぞれ挿通されて、一対の分割板30A,30Bを閉じる方向に付勢する2つの付勢部材例えば圧縮コイルスプリング39Bとを有することができる。この場合、長手方向Aにて、2本のガイド軸39A,39Aの間に2本の補強軸320,320を配置することができる。
【0102】
この場合、2列の保持プレート30は、図25に示す長手方向Aの両端部A1,Aがガイド部材310で支持され(図26参照)、その内側位置では2本のガイド軸39A,39Aで支持され、さらにその内側位置にて2本の補強軸320,320で支持することができる。こうして、2列の保持プレート30の撓みを長手方向Aの全域で抑制することができる。なお、付勢部材39Bを保持する2本のガイド軸39A,39Aは、長手方向Aにて離して配置したほうが、長手方向Aの全域にて一対の分割板30A,30Bを閉鎖方向に付勢する付勢力を作用させることができる。
【0103】
2列の保持プレート30の撓みは、その2列の保持プレート30を支持する移送板20A〜20Dが撓むことでも生ずる。例えば、移送板20A〜20Dは、ブロー成形ステーション16にて下降された後に、複数のネック型42が型締めされる。移送板20A〜20Dがブロー成形ステーション16での下降位置にて撓むと、2列の保持プレート30も撓んで、ブロー成形容器1Cの品質が保てない。
【0104】
本実施形態では、図25に示すように、ブロー成形ステーション16は、2列の保持プレート30の列間の位置C1,C2にて、下降された移送板20A〜20Dに当接して移送板20A〜20Dの下限位置を規定する複数例えば2本のストッパー(図示せず)を有することができる。これにより、移送板20A〜20D及び2列の保持プレート30の撓みを抑制できる。
【0105】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
【0106】
例えば、本発明は回転搬送型ブロー成形機に限定されず、水平搬送型ブロー成形機にも同様に適用することができる。また、上記実施形態はN=2,3を具体例に挙げたが、Nが奇数であればN=3の時と同様にしてN列のブロー型を構成すればよい。Nが偶数の時は、例えば、2列のブロー型を並列に設けるか、あるいはNが奇数である場合に線対称で型開きされる中央のブロー型の片側に一つのブロー型を、他の片側に偶数個のブロー型を配置すれば良い。
【符号の説明】
【0107】
1A プリフォーム、1B 予備ブローされたプリフォーム、1C 容器、10 回転搬送型ブロー成形機、12 射出成形ステーション、14 温調ステーション、16 ブロー成形ステーション、18 取出しステーション、20A〜20D 搬送支持部材(移送板)、30 保持プレート、30A,30B 分割板、32 第1貫通孔、34 第1切欠部(切欠部)、36 第2切欠部、38 第2貫通孔、39A ガイド軸、39B 付勢部材、40 射出キャビティ型、42 ネック型、42A,42B ネック割型、50 温調ポット型、52A,52B 温調ポット割型、60,64 ブロー成形型、62A,62B,64A1〜64C2 ブローキャビティ割型、72 下部基盤、74 上部基盤、130 列ピッチ変換駆動部、140 P1−P3列ピッチ変換部、150 列ピッチ変換用リンク機構、152 ガイドロッド、152A〜152C 被係合部、165 係合部、160 可変列ピッチ維持部材、200 型締め/型開き装置、202 型締め/型開き駆動部、208 型締め板、210 割型同期部材、220 P1−P2ピッチ変換駆動部、230 P3−P1ピッチ変換駆動部、240 P2−P1ピッチ変換駆動部、250 取出し駆動部、300 レール部材、310 ガイド部材、320 補強軸、330 第1固定部、340 第2固定部、A 長手方向、A1,A2 両端部、B 列方向、C1,C2 ストッパー当接位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N(Nは2以上の整数)各列にて複数のネック型を保持して搬送方向に沿って搬送されるN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、
前記搬送方向にて前記射出成形ステーションの下流に配置されたN列の温調ポット型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型に配置して温調する温調ステーションと、
前記搬送方向にて前記温調ステーションの下流に配置されたN列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
前記射出成形された複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP1とし、前記ブロー成形された複数の容器を保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP2とし、型開きされた前記N列のブロー型に搬入される前記複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP3としたとき、P1<P3<P2となるように前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
を有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項2】
請求項1において、
前記搬送方向にて前記ブロー成形ステーションの下流に配置され、前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す取出しステーションをさらに有し、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記取出しステーションにて前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す前に、前記N列の保持プレートの列ピッチをP2からP1に戻し駆動するP2−P1ピッチ変換駆動部を、前記取出しステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項3】
請求項2において、
前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器を取出し駆動し、
前記取出しステーションは、列ピッチがP1に設定されたN列の保持プレートを一列毎に順次取出し駆動することを特徴とするブロー成形機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかおいて、
前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、
前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、
前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開時には前記一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2であり、
前記N列のブロー型の列ピッチがP3よりも広く設定されたブロー型開時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP3に設定された状態で、前記複数のプリフォームが前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間に搬入され、
前記N列のブロー型の列ピッチがP2に設定されたブロー型開時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP2に設定されて、前記複数の容器が前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間から搬出されることを特徴とするブロー成形機。
【請求項5】
請求項4において、
前記N=2であり、前記2列のブロー型では、各々の一対のブローキャビティ割型のうち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型は背面合わせで固定され、前記列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型が前記ブロー型開時に駆動されて、前記ブロー型開時での前記2列のブロー型の列ピッチがP2に設定されることを特徴とするブロー成形機。
【請求項6】
請求項4において、
前記N=3であり、前記3列のブロー型のうち、外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各一方である最外側の2つのブローキャビティ割型が型締め板に固定され、前記外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各他方は、中央のブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各々とそれぞれ背面合わせで固定され、
前記ブロー型締め時には、3列のブロー型が前記列方向にて密着されて列ピッチがP1となり、
前記ブロー型開時には、前記中央のブロー型の前記一対のキャビティ割型は、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して前記ブロー型開時に線対称駆動され、外側の2つのブロー型の各々は、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー中心線に対して非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記3列のブロー型の列ピッチがP2であることを特徴とするブロー成形機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記温調ステーションは、前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型内で予備ブローし、前記N列の温調ポット型の加熱された各内壁面に前記予備ブローされた複数のプリフォームの各々の胴部を接触させて温調することを特徴とするブロー成形機。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型のブロー型締め駆動と同期してP3からP1に縮小させるP3−P1ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項9】
請求項8において、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数の容器を保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型の型開駆動と同期して、P1からP2に増大させるP1−P2ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチをP1からP3に増大させるP1−P3ピッチ変換駆動部を、前記温調ステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列ピッチをP1,P2,P3にそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材を含み、
前記複数列の保持プレートは、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構を有し、
前記列ピッチ変換用リンク機構は、前記支持搬送部材に支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッドを含み、前記ガイドロッドは移動案内される方向に沿って離間して配置された3つの被係合部を含み、
前記可変列ピッチ維持部材は、前記3つの被係合部の一つに弾性的に係合される係合部を含むことを特徴とするブロー成形機。
【請求項12】
N(Nは2以上の整数)列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートに保持された複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するN列のブロー型と、
前記N列のブロー型を型締め/型開駆動する型締め/型開装置と、
前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
有し、
前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、
前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、
前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー型締め時のブロー中心線に対してブロー型開時には非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2(P2>P1)であり、
前記型締め/型開き装置は、前記N列のブロー型のうち前記列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型をそれぞれ型締め/型開き駆動する2つの型締め/型開き駆動部と、前記2つのブローキャビティ割型と係合して、前記2つのブローキャビティ割型を同期移動させる割型同期部材とを含み、タイバーレスにて構成され、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記2つのブローキャビティ割型の同期移動に応じて変位する前記割型同期部材と係合して、前記N列の保持プレートの列ピッチを変換駆動し、かつ、前記N列の保持プレートの列ピッチを前記2つのブローキャビティ割型の移動と同期させて変換することを特徴とするブロー成形機。
【請求項13】
請求項12において、
前記N=2であり、前記2列のブロー型では、各々の一対のブローキャビティ割型のうち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型は背面合わせで固定され、前記列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型が前記ブロー型開時に駆動されて、前記ブロー型開時での前記2列のブロー型の列ピッチがP2に設定されることを特徴とするブロー成形機。
【請求項14】
請求項12において、
前記N=3であり、前記3列のブロー型のうち、外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各一方である最外側の2つのブローキャビティ割型が型締め板に固定され、前記外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各他方は、中央のブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各々とそれぞれ背面合わせで固定され、
前記ブロー型締め時には、3列のブロー型が前記列方向にて密着されて列ピッチがP1となり、
前記ブロー型開時には、前記中央のブロー型の前記一対のキャビティ割型は、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して前記ブロー型開時に線対称駆動され、外側の2つのブロー型の各々は、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー中心線に対して非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記3列のブロー型の列ピッチがP2であることを特徴とするブロー成形機。
【請求項15】
複数のネック型をそれぞれ保持するN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、
前記N列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
を有し、
前記支持搬送部材は、
前記N列の保持プレートの長手方向の両端部側に配置された2つのレール部材と、
前記N列の保持プレートの列方向に沿って設けられた少なくとも1本の補強軸と、
前記少なくとも1本の補強軸の両端を固定する2つの第1固定部と、
を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記2つのレール部材に沿ってそれぞれ移動案内され、前記N列の保持プレートを、列ピッチを可変にして支持する2つのガイド部材を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記少なくとも1本の補強軸が貫通される少なくとも一つの第1貫通孔を有すること特徴とするブロー成形機。
【請求項16】
請求項15において、
前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列間の位置にて、前記少なくとも1本の補強軸の中間部を固定する第2固定部をさらに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項17】
請求項16において、
前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器が前記複数のネック型から取出され、
前記N列の保持プレートの各々が有する前記一対の分割板の一方は、前記第2固定部と対向する位置に切り欠き部を有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項18】
請求項17において、
前記N列の保持プレートの各々は、
前記長手方向の複数個所にて、前記列方向に貫通する2つの第2貫通孔と、
前記複数の第2貫通孔に挿通される2本のガイド軸と、
前記2本のガイド軸にそれぞれ挿通されて、前記一対の分割板を閉じる方向に付勢する2つの付勢部材と、
を有し、
前記長手方向にて、前記2本のガイド軸の間に前記少なくとも1本の補強軸が配置されていることを特徴とするブロー成形機。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれかにおいて、
前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部をさらに有し、
前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートを複数の列ピッチの各一つにてそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材を含み、
前記N列の保持プレートは、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構を有し、
前記列ピッチ変換用リンク機構は、前記支持搬送部材に支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッドを含み、前記ガイドロッドは移動案内される方向に沿って離間して配置された複数の被係合部を含み、
前記可変列ピッチ維持部材は、前記複数の被係合部の一つに弾性的に係合される係合部を含むことを特徴とするブロー成形機。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれかにおいて、
前記支持搬送部材が前記ブロー成形ステーションにて下降された後に、前記複数のネック型が型締めされ、
前記ブロー成形ステーションは、前記N列の保持プレートの列間にて、下降された前記支持搬送部材に当接して、前記支持搬送部材の下限位置を規定する複数のストッパーを有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項1】
N(Nは2以上の整数)各列にて複数のネック型を保持して搬送方向に沿って搬送されるN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、
前記搬送方向にて前記射出成形ステーションの下流に配置されたN列の温調ポット型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型に配置して温調する温調ステーションと、
前記搬送方向にて前記温調ステーションの下流に配置されたN列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
前記射出成形された複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP1とし、前記ブロー成形された複数の容器を保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP2とし、型開きされた前記N列のブロー型に搬入される前記複数のプリフォームを保持する前記N列の保持プレートの列ピッチをP3としたとき、P1<P3<P2となるように前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
を有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項2】
請求項1において、
前記搬送方向にて前記ブロー成形ステーションの下流に配置され、前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す取出しステーションをさらに有し、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記取出しステーションにて前記複数の容器を前記N列の保持プレートから取り出す前に、前記N列の保持プレートの列ピッチをP2からP1に戻し駆動するP2−P1ピッチ変換駆動部を、前記取出しステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項3】
請求項2において、
前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器を取出し駆動し、
前記取出しステーションは、列ピッチがP1に設定されたN列の保持プレートを一列毎に順次取出し駆動することを特徴とするブロー成形機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかおいて、
前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、
前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、
前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して、ブロー型開時には前記一対のブローキャビティ割型が非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2であり、
前記N列のブロー型の列ピッチがP3よりも広く設定されたブロー型開時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP3に設定された状態で、前記複数のプリフォームが前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間に搬入され、
前記N列のブロー型の列ピッチがP2に設定されたブロー型開時に、前記N列の保持プレートの列ピッチがP2に設定されて、前記複数の容器が前記N列のブロー型の各々の前記一対のブローキャビティ割型の間から搬出されることを特徴とするブロー成形機。
【請求項5】
請求項4において、
前記N=2であり、前記2列のブロー型では、各々の一対のブローキャビティ割型のうち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型は背面合わせで固定され、前記列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型が前記ブロー型開時に駆動されて、前記ブロー型開時での前記2列のブロー型の列ピッチがP2に設定されることを特徴とするブロー成形機。
【請求項6】
請求項4において、
前記N=3であり、前記3列のブロー型のうち、外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各一方である最外側の2つのブローキャビティ割型が型締め板に固定され、前記外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各他方は、中央のブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各々とそれぞれ背面合わせで固定され、
前記ブロー型締め時には、3列のブロー型が前記列方向にて密着されて列ピッチがP1となり、
前記ブロー型開時には、前記中央のブロー型の前記一対のキャビティ割型は、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して前記ブロー型開時に線対称駆動され、外側の2つのブロー型の各々は、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー中心線に対して非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記3列のブロー型の列ピッチがP2であることを特徴とするブロー成形機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記温調ステーションは、前記複数のプリフォームを前記N列の温調ポット型内で予備ブローし、前記N列の温調ポット型の加熱された各内壁面に前記予備ブローされた複数のプリフォームの各々の胴部を接触させて温調することを特徴とするブロー成形機。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型のブロー型締め駆動と同期してP3からP1に縮小させるP3−P1ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項9】
請求項8において、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数の容器を保持した前記N列の保持プレートの列ピッチを、前記N列のブロー型の型開駆動と同期して、P1からP2に増大させるP1−P2ピッチ変換駆動部を、前記ブロー成形ステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記複数のプリフォームを保持した前記N列の保持プレートの列ピッチをP1からP3に増大させるP1−P3ピッチ変換駆動部を、前記温調ステーションに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列ピッチをP1,P2,P3にそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材を含み、
前記複数列の保持プレートは、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構を有し、
前記列ピッチ変換用リンク機構は、前記支持搬送部材に支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッドを含み、前記ガイドロッドは移動案内される方向に沿って離間して配置された3つの被係合部を含み、
前記可変列ピッチ維持部材は、前記3つの被係合部の一つに弾性的に係合される係合部を含むことを特徴とするブロー成形機。
【請求項12】
N(Nは2以上の整数)列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートに保持された複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するN列のブロー型と、
前記N列のブロー型を型締め/型開駆動する型締め/型開装置と、
前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部と、
有し、
前記N列のブロー型の各々は、一対のブローキャビティ割型を含み、
前記N列のブロー型は、ブロー型締め時での列ピッチがP1であり、前記ブロー型締め時には前記N列の保持プレートの列ピッチがP1に設定され、
前記N列のブロー型の少なくとも一列では、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー型締め時のブロー中心線に対してブロー型開時には非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記N列のブロー型の列ピッチがP2(P2>P1)であり、
前記型締め/型開き装置は、前記N列のブロー型のうち前記列方向で最外側に位置する2つのブローキャビティ割型をそれぞれ型締め/型開き駆動する2つの型締め/型開き駆動部と、前記2つのブローキャビティ割型と係合して、前記2つのブローキャビティ割型を同期移動させる割型同期部材とを含み、タイバーレスにて構成され、
前記列ピッチ変換駆動部は、前記2つのブローキャビティ割型の同期移動に応じて変位する前記割型同期部材と係合して、前記N列の保持プレートの列ピッチを変換駆動し、かつ、前記N列の保持プレートの列ピッチを前記2つのブローキャビティ割型の移動と同期させて変換することを特徴とするブロー成形機。
【請求項13】
請求項12において、
前記N=2であり、前記2列のブロー型では、各々の一対のブローキャビティ割型のうち列方向にて隣り合う内側の2つのブローキャビティ割型は背面合わせで固定され、前記列方向にて外側の2つのブローキャビティ割型が前記ブロー型開時に駆動されて、前記ブロー型開時での前記2列のブロー型の列ピッチがP2に設定されることを特徴とするブロー成形機。
【請求項14】
請求項12において、
前記N=3であり、前記3列のブロー型のうち、外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各一方である最外側の2つのブローキャビティ割型が型締め板に固定され、前記外側の2つのブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各他方は、中央のブロー型の前記一対のブローキャビティ割型の各々とそれぞれ背面合わせで固定され、
前記ブロー型締め時には、3列のブロー型が前記列方向にて密着されて列ピッチがP1となり、
前記ブロー型開時には、前記中央のブロー型の前記一対のキャビティ割型は、前記ブロー型締め時のブロー中心線に対して前記ブロー型開時に線対称駆動され、外側の2つのブロー型の各々は、前記一対のブローキャビティ割型が前記ブロー中心線に対して非対称位置に配置されて、前記ブロー型開時での前記3列のブロー型の列ピッチがP2であることを特徴とするブロー成形機。
【請求項15】
複数のネック型をそれぞれ保持するN列の保持プレートと、
前記N列の保持プレートを、可変の列ピッチにて支持して搬送する支持搬送部材と、
前記N列の保持プレートの各々に保持された前記複数のネック型と型締めされるN列の射出キャビティ型を有し、複数のプリフォームを射出成形する射出成形ステーションと、
前記N列のブロー型を有し、前記N列の保持プレートに保持された前記複数のプリフォームを複数の容器にブロー成形するブロー成形ステーションと、
を有し、
前記支持搬送部材は、
前記N列の保持プレートの長手方向の両端部側に配置された2つのレール部材と、
前記N列の保持プレートの列方向に沿って設けられた少なくとも1本の補強軸と、
前記少なくとも1本の補強軸の両端を固定する2つの第1固定部と、
を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記2つのレール部材に沿ってそれぞれ移動案内され、前記N列の保持プレートを、列ピッチを可変にして支持する2つのガイド部材を有し、
前記N列の保持プレートの各々は、前記少なくとも1本の補強軸が貫通される少なくとも一つの第1貫通孔を有すること特徴とするブロー成形機。
【請求項16】
請求項15において、
前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートの列間の位置にて、前記少なくとも1本の補強軸の中間部を固定する第2固定部をさらに有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項17】
請求項16において、
前記N列の保持プレートの各々は一対の分割板を含み、前記複数のネック型の各々は、前記一対の分割板に固定された一対のネック割型を含み、前記一対の分割板の間隔を広げることで前記複数の容器が前記複数のネック型から取出され、
前記N列の保持プレートの各々が有する前記一対の分割板の一方は、前記第2固定部と対向する位置に切り欠き部を有することを特徴とするブロー成形機。
【請求項18】
請求項17において、
前記N列の保持プレートの各々は、
前記長手方向の複数個所にて、前記列方向に貫通する2つの第2貫通孔と、
前記複数の第2貫通孔に挿通される2本のガイド軸と、
前記2本のガイド軸にそれぞれ挿通されて、前記一対の分割板を閉じる方向に付勢する2つの付勢部材と、
を有し、
前記長手方向にて、前記2本のガイド軸の間に前記少なくとも1本の補強軸が配置されていることを特徴とするブロー成形機。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれかにおいて、
前記N列の保持プレートの列ピッチを変換する列ピッチ変換駆動部をさらに有し、
前記支持搬送部材は、前記N列の保持プレートを複数の列ピッチの各一つにてそれぞれ維持する可変列ピッチ維持部材を含み、
前記N列の保持プレートは、列ピッチを変換する列ピッチ変換用リンク機構を有し、
前記列ピッチ変換用リンク機構は、前記支持搬送部材に支持されて、列ピッチ変換時に移動案内されるガイドロッドを含み、前記ガイドロッドは移動案内される方向に沿って離間して配置された複数の被係合部を含み、
前記可変列ピッチ維持部材は、前記複数の被係合部の一つに弾性的に係合される係合部を含むことを特徴とするブロー成形機。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれかにおいて、
前記支持搬送部材が前記ブロー成形ステーションにて下降された後に、前記複数のネック型が型締めされ、
前記ブロー成形ステーションは、前記N列の保持プレートの列間にて、下降された前記支持搬送部材に当接して、前記支持搬送部材の下限位置を規定する複数のストッパーを有することを特徴とするブロー成形機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−194865(P2011−194865A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84962(P2010−84962)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000227032)日精エー・エス・ビー機械株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000227032)日精エー・エス・ビー機械株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
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