説明

プッシュプルケーブルおよびこれを製造する方法

プッシュプルケーブルが提供される。このケーブルは中心ワイヤ、中心ワイヤの周りに巻き付けられたワイヤの第1のセット、ワイヤの第1のセットの周りに巻き付けられたワイヤの第2のセットを含む。次いで、ワイヤの第2のセットの周りにコーティングが形成される。そのようなワイヤを製造する方法もやはり提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、ケーブルおよびケーブルを製造する方法に関する。さらに特定すると、本発明はプッシュプルケーブルおよびプッシュプルケーブルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プッシュプルケーブルは自動変速機、機械的ラッチ、油圧バルブ制御操作、および多くの現在利用可能な装置に共通して含まれる。自動変速機ケーブルなどの通常のプッシュプルケーブルはケーシングの内側の1つまたは複数の部品の前後動を可能にする。
【0003】
図1は先行技術によるプッシュプルケーブルの中心部分を具体的に示す断面図である。さらに特定すると、図1は先行技術による1×13プッシュプルケーブルの中心部分または芯を例示している。図1に例示されるように、中心ワイヤ2は12本の周囲ワイヤ4によって囲まれる。周囲ワイヤ4が今度は他方で平坦なラップ6によって囲まれる。平坦なラップ6もやはり外被8によって囲まれる。
【0004】
図1に例示されていない他の部品が外被8の周りに配置されてプッシュプルケーブルの残りの部分を作り上げる。名前が示す通り、プッシュプルケーブル自体は引張荷重と圧縮荷重の両方を支えることが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に例示された部品類は当業者によって容易に入手されることが可能な規格化された寸法を有する40シリーズのプッシュプルケーブルに共通して見受けられる。これらの寸法の中で、40シリーズのケーブルは一連の行程距離について或る一定の範囲の引張および圧縮の荷重を支えるように設計されることが可能である。しかしながら、必要とされるものは引張と圧縮の両方で追加の荷重を支えることが可能であり、かつ高荷重の下でさらに多数の周期について周期的荷重に耐えることが可能な代替のプッシュプルケーブルである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述のニーズは本発明によって大部分満たされ、その1つの態様では、引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができるプッシュプルケーブルが提供される。このケーブルは引張荷重と圧縮荷重の両方を支えることができる中心ワイヤを含む。このケーブルは中心ワイヤの周りに巻き付けられるワイヤの第1のセットもやはり含む。このケーブルはさらに、ワイヤの第1のセットの周りに巻き付けられるワイヤの第2のセットを含む。また、このケーブルではワイヤの第1のセット内のワイヤはワイヤの第2のセット内のワイヤと接触している。
【0007】
引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができるプッシュプルケーブルを製造する方法もやはり提供される。この方法は中心ワイヤの周りにワイヤの第1のセットを巻き付ける工程を含み、中心ワイヤは引張荷重と圧縮荷重の両方を支えることができる。この方法はまた、ワイヤの第1のセットの周りにワイヤの第2のセットを巻き付ける工程を含み、ワイヤの第2のセットはワイヤの第1のセットと接触している。
【0008】
引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができる別のプッシュプルケーブルもやはり提供される。このケーブルは引張荷重と圧縮荷重の両方を支えるための第1の支持手段を含む。このケーブルは引張荷重と圧縮荷重をさらに支えるための第2の支持手段もやはり含み、第2の支持手段は第1の支持手段の周りに巻き付けられる。このケーブルは引張荷重と圧縮荷重をなおもさらに支えるための第3の支持手段をさらに含み、第3の支持手段は第2の支持手段の周りに接触して巻き付けられる。
【0009】
したがって、本願明細書における発明の詳細な説明、及び当該技術分野に対する貢献をより深く理解するために、本発明の実施形態がどちらかといえば広義に概説されている。下記で述べられ、特許請求の範囲の主題事項を形成するであろう本発明の付加的な実施形態は存在することは言うまでもない。
【0010】
この点において、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明が以下の記述に述べられ、または図面に例示される構造および構成要素の配列の細部に用途を限定されないことは理解されるべきである。本発明は記述されるものに追加した実施形態をとること、および様々な方式で実践および実施されることが可能である。また、本願明細書ならびに要約に使用される語法および専門用語は説明の目的であり、限定と見なされるべきでないことも理解されるべきである。
【0011】
本開示が基礎を置く概念が本発明のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法およびシステムの設計のための土台として容易に利用され得ること自体、当業者は理解するであろう。したがって、そのような同等例が本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、特許請求の範囲がそれらを包含すると見なされることが重要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
少なくとも、追加の荷重を支えることが可能であり、かつ/または高荷重の下で多量の周期的荷重に耐えることが可能な新しい種類のプッシュプルケーブルに関する上述のニーズを考慮して、新種のプッシュプルケーブルおよびそのようなケーブルを製造する方法が開発された。ここで本発明の実施形態が図面を参照して述べられるが、ここでは全体を通じて類似した参照番号は類似した部品に言及する。
【0013】
図2は本発明の或る実施形態によるプッシュプルケーブルの中心部分の断面図である。図2に例示された部品類が組み入れられることもあり得るプッシュプルケーブルは通常では引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができる。例えば、そのようなプッシュプルケーブルは貨物自動車の運転室内の変速制御装置と貨物自動車内部の自動変速機のシフトレバーとの間に配置されてもよい。
【0014】
図2に例示された一例のプッシュプルケーブルの部分は中心ワイヤ10を含み、これは引張荷重と圧縮荷重の両方を支えることができる。中心ワイヤ10が何で作られているかについて特定の限定は設けられていないが一般的には鋼(例えばAISI1055などの亜鉛メッキ鋼)で作られている。さらに、40シリーズのケーブルに組み入れられるときには中心ワイヤ10は約0.055インチの直径を有するようにしばしば選択される。(注:本願明細書全体を通じて、特定の実施形態のサイズはすべて近似値であり、設計と製造における変動を前提としている。)
【0015】
中心ワイヤ10の周囲には通常では螺旋状に複数のワイヤが配置され、これらはワイヤの第1のセット12を作り上げる。ワイヤの第1のセット12は中心ワイヤ10と接触して図2に例示されているが、本発明の或る種の実施形態によれば中心ワイヤ10とワイヤの第1のセット12との間に中間の部品が含まれることもあり得る。例えば、絶縁体または潤滑剤であるエポキシの薄層が中心ワイヤ10とワイヤの第1のセット12との間に置かれることもあり得る。
【0016】
図2では12本のワイヤがワイヤの第1のセット12を形成するように例示されているが、ワイヤの第1のセット12に含まれてもよいワイヤの数に特定の限定は設けられない。例えば、或る種の実施形態によれば8本と16本の間のワイヤが使用されてもよく、その一方で或る種の他の実施形態によれば9本と15本の間のワイヤが使用されてもよい。
【0017】
ワイヤの第1のセット12内のワイヤはいずれの材料(例えば金属、セラミック、ポリマー)から作られてもよいが、ワイヤの第1のセット12内のワイヤはしばしば鋼(例えばAISI1065などの航空機用品質の亜鉛メッキ鋼)で作られる。40シリーズのプッシュプルケーブルを製造するときには通常ではワイヤの第1のセット12内の各々のワイヤに関して凡そ0.019インチの直径が選択される。しかしながら、多くの他の幾何学形状のワイヤもやはり本開示の範囲内にある。また、ワイヤの第1のセット12内のすべてのワイヤが略同一の幾何学形状または直径を有する必要は無い。さらに、ワイヤが螺旋状に配置されるとき、この螺旋は右回りの形状でも左回りの形状でもよい。
【0018】
上述のように、ワイヤの第1のセット12内のワイヤは通常では中心ワイヤ10の周りに螺旋状に巻き付けられる。この構造は図3にさらに具体的に示されており、この図は図2に例示されたプッシュプルケーブルの切り欠き断面の側面図を提供している。図3に示されるように、ワイヤのセット12内のワイヤは概して右回りか左回りの方向のどちらかで巻き付けられる。しかしながら、これらのワイヤは代替の方式で巻き付けられてもよく、或る種の実施形態によれば、中心ワイヤ10と平行に配置されることさえあり得る。
【0019】
概して、図2に例示された部品類は20シリーズのプッシュプルケーブル、30シリーズのプッシュプルケーブル、40シリーズのプッシュプルケーブル、60シリーズのプッシュプルケーブル、または80シリーズのプッシュプルケーブルのうちの少なくとも1つに組み入れられる。しかしながら、図2に例示された部品類を組み入れることから恩恵を受けるであろう他のプッシュプルケーブルもやはり本発明の範囲内にある。
【0020】
さらに図2および3に例示されるように、ワイヤの第1のセット12の周囲に巻き付けられているものはワイヤの第2のセット14を作り上げるワイヤである。通常、ワイヤの第2のセット14はワイヤの第1のセット12と直接接触している。しかしながら、これは本発明の特定の限定ではなく、ワイヤの第1のセット12とワイヤの第2のセット14との間に中間の部品が含まれることもあり得る。
【0021】
図3に例示されるように、ワイヤの第1のセット12が第1の方向(例えば右回りの方向)に巻き付けられるとき、ワイヤの第2のセット14は第1の方向と異なる第2の方向(例えば左回りの方向)に巻き付けられてもよい。しかしながら、ワイヤの第1のセット12とワイヤの第2のセット14が同じまたは略同一方向に巻き付けられるプッシュプルケーブルもやはり本発明の範囲内にある。
【0022】
図2では、18本のワイヤがワイヤの第2のセット14内に含まれるように例示されている。しかしながら、本発明によるワイヤの第2のセット14に含まれてもよいワイヤの数に特定の限定は設けられない。例えば、或る実施形態によれば14本と22本の間のワイヤが含まれてもよく、他の実施形態によれば15本と21本の間のワイヤがワイヤの第2のセット14内に含まれてもよい。
【0023】
ワイヤの第1のセット12と同様に、ワイヤの第2のセット14内のワイヤの幾何学形状に特定の限定は設けられない。しかしながら、本発明の或る実施形態によると、ワイヤの第1のセット12およびワイヤの第2のセット14内の各々のワイヤは略同一の直径を有してもよい。さらに、ワイヤの第1のセット12およびワイヤの第2のセット14内のワイヤは例えば鋼、アルミニウムなどの同一または類似した材料から作られてもよい。
【0024】
ワイヤは円形の断面を有するワイヤの第1のセット12およびワイヤの第2のセット14を作り上げるように図2に例示されているが、他の断面幾何学形状もやはり本発明の範囲内にある。例えば、断面は楕円形または八角形であってもよい。
【0025】
図2にさらに例示されるように、コーティング16がワイヤの第2のセット14を取り巻く。コーティング16は事実上どのような材料でできていてもよいが、ナイロン(例えばナイロン11、またはナイロン66)がしばしばコーティング16に含まれる。また、コーティング16はワイヤの第2のセット14と直接接触しているように図2に例示されているが、ワイヤの第2のセット14とコーティング16との間に中間の部品が含まれることもあり得る。
【0026】
コーティング16の幾何学形状に特定の限定は設けられない。しかしながら、40シリーズのプッシュプルケーブルに組み入れられるとき、コーティング16は約3/16”の外径を有するようにしばしば選択される。場合によっては、コーティング16の外側にスプライン17が形成されることもあり得る。スプライン17は、例えばプッシュプルケーブルの中で図2に例示された部品類をさらに容易に位置決めするために使用されることがあり得る。
【0027】
図2および3に関連して上記で検討されたものに加えて、他のプッシュプルケーブルの実施形態も本発明の範囲内にある。通常、これらのケーブルは引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることがやはり可能である。そのようなケーブルのいくつかの実施形態によると、引張荷重と圧縮荷重の両方を支えるための第1の支持手段がケーブル内に含まれる。この第1の支持手段は、例えば図2の中心ワイヤ10の形をとることが可能である。
【0028】
次いで通常では、引張荷重と圧縮荷重をさらに支えるための第2の支持手段が第1の支持手段の周りに巻き付けられる。そのような第2の支持手段の実例は図2のワイヤの第1のセット12として例証される。本発明の或る実施形態によると、第2の支持手段は約12本のワイヤ、±4本のワイヤを含む。しかしながら、追加のワイヤまたはさらに少ないワイヤを備えた構造もやはり本発明の範囲内にある。
【0029】
本発明の或る実施形態では、引張荷重と圧縮荷重をなおもさらに支えるための第3の支持手段もやはり含まれる。通常、この第3の支持手段は第2の支持手段の周りに接触して巻き付けられる。また、第3の支持手段は圧縮荷重で第3の支持手段を支えるために使用されることもあり得る外被の中にしばしば捕捉される。代表的な第3の支持手段はワイヤの第2のセット14として図2に例示される。
【0030】
本発明の或る実施形態によると、第2の支持手段は第1の方向(例えば左回りの方向)で巻き付けられ、第3の支持手段は第1の方向と異なる第2の方向(例えば右回りの方向)で巻き付けられる。また、第3の支持手段はしばしば約18本のワイヤ、±4本のワイヤを含む。しかしながら、さらに少ないワイヤおよび追加のワイヤを備えた構造もやはり本発明の範囲内にある。
【0031】
第2の支持手段および第3の支持手段は略同一の直径と幾何学形状である複数のワイヤを各々含んでもよい。しかしながら、これは本発明の特定の限定ではない。上述の支持手段のすべては20シリーズのプッシュプルケーブル、30シリーズのプッシュプルケーブル、40シリーズのプッシュプルケーブル、60シリーズのプッシュプルケーブル、または80シリーズのプッシュプルケーブルに含まれてもよい。しかしながら、他のプッシュプルケーブルの構造が上記で検討された手段のうちのいずれか、または各々を含むこともやはり見込まれ、それでもまだ本発明の範囲内にある。
【0032】
図4は本発明による方法または処理の或る実施形態に従って辿られることが見込まれる工程を例示するフローチャートである。さらに特定すると、図4は引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができるプッシュプルケーブルを製造する方法の工程を含む。
【0033】
この処理は図4のフローチャートの工程18で始まり、ここでは図2の中心ワイヤ10などの中心ワイヤが供給される。通常、この中心ワイヤは引張荷重と圧縮荷重の両方を支えることができる。次に工程20で、ワイヤの第1のセット(例えばワイヤの第1のセット12)が工程18の中心ワイヤの周りに巻き付けられてもよい。
【0034】
本発明の或る実施形態によると、ワイヤの第1のセットは第1の方向、例えば右回りの方向で回りに巻き付けられる。また、上述のようにワイヤの第1のセットは少なくとも8本のワイヤを含んでもよい。しかしながら、多数(例えば9、12、15、16本)もやはり本発明の範囲内である。処理は工程22へと続く。
【0035】
工程22で、ワイヤの第2のセット(例えば図2のワイヤの第2のセット14)がワイヤの第1のセットの周りに巻き付けられてもよい。通常、ワイヤの第2のセットは巻き付けられた後にワイヤの第1のセットと接触している。しかしながら、これは本発明の特定の限定ではなく、ワイヤの第1のセットとワイヤの第2のセットとの間に中間の部品が存在することもあり得る。
【0036】
普通、ワイヤの第2のセット内のワイヤはワイヤの第1のセット内のワイヤが巻き付けられる第1の方向と異なる第2の方向で巻き付けられる。例えば、ワイヤの第1のセットが右回りの方向で巻き付けられるのに対してワイヤの第2のセットが左回りの方向で巻き付けられてもよい。本発明の或る実施形態によると、少なくとも14本のワイヤがワイヤの第2のセットとして巻き付けられてもよい。しかしながら、さらに高い数およびさらに低い数のワイヤ(例えば15、18、21、22本)が本発明によるワイヤの第2のセットを作り上げることもやはりあり得る。
【0037】
工程20および22は略同一の直径および/または幾何学形状の個別ワイヤを巻き付ける工程を含んでもよい。しかしながら、ワイヤの幾何学形状またはワイヤを作るために使用され得る材料のタイプに特定の限定は設けられない。それでもなお、本発明の或る実施形態によると、ワイヤは亜鉛メッキされた鋼で作られてもよく、40シリーズのプッシュプルケーブルに組み入れられるときには約0.019インチの直径を有してもよい。
【0038】
工程24で、図2に示されたコーティング16などのコーティングが追加されることもあり得る。通常、そのようなコーティングはワイヤの第2のセットの周りに追加されると見込まれる。また、そのようなコーティングは通常ではナイロン(例えばナイロン11)で作られる可能性が高い。しかしながら、これらの事項は本開示の特定の限定ではない。他方で、40シリーズのプッシュプルケーブルを作るときに普通ではコーティングは約3/16”の外径を有するように形成されるが、さらに厚いまたはさらに薄いコーティングが使用されることもやはりあり得る。付け加えると、製造されるプッシュプルケーブルのタイプに関係なく、コーティングの外側にスプラインが含まれることもあり得る。処理は工程26へと続く。
【0039】
工程26で、前の工程で結果として作り出された構造がプッシュプルケーブルの中に組み入れられてもよい。当業者に知られている、または本開示を実践すると明らかになるいずれかの方法が工程26を実行するために使用されてもよい。例えば、図2に例示された部品類の外側に追加の層が形成されてもよく、またはプッシュプルケーブルを作り上げる追加的な部品の中央に図2に例示された部品類が押し込まれるか引き込まれてもよい。調整は工程28へと進み、ここで処理は終了する。
【0040】
本発明の多くの特徴と利点はこの詳しい明細書から明らかであり、したがって、本発明の精神と範囲の中に入る本発明のすべてのそのような特徴と利点を網羅することが特許請求の範囲によって意図される。さらに、数多くの改造例および変形例が当業者に容易に思い付くであろうから、本発明を例示されて述べられた厳密な構造および操作に限定することを望まず、したがってすべての適切な改造および同等例が用いられることが見込まれるが、本発明の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】先行技術によるプッシュプルケーブルの中心部分を具体的に示す断面図である。
【図2】本発明の或る実施形態によるプッシュプルケーブルの中心部分を示す断面図である。
【図3】図2に例示されたプッシュプルケーブルの切り欠き断面を示す側面図である。
【図4】本発明による方法または処理の或る実施形態に従って辿られることが見込まれる工程を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
2 中心ワイヤ
4 周囲ワイヤ
6 ラップ
8 外被
10中心ワイヤ
12 ワイヤの第1のセット
14 ワイヤの第2のセット
16 コーティング
17 スプライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができるプッシュプルケーブルであって、
引張荷重と圧縮荷重の両方を支えることができる中心ワイヤと、
前記中心ワイヤの周りに巻き付けられたワイヤの第1のセットと、
前記ワイヤの第1のセットの周りに巻き付けられたワイヤの第2のセットと、
を含み、前記ワイヤの第1のセットが前記ワイヤの第2のセットと接触しているプッシュプルケーブル。
【請求項2】
前記ワイヤの第1のセットが第1の方向で巻き付けられ、前記ワイヤの第2のセットが前記第1の方向と異なる第2の方向で巻き付けられる、請求項1に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項3】
前記ワイヤの第1のセットが少なくとも8本のワイヤを含む、請求項1に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項4】
前記ワイヤの第2のセットが少なくとも14本のワイヤを含む、請求項1に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項5】
前記ワイヤの第1のセット内の各々のワイヤが略同一の直径を有する、請求項1に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項6】
前記ワイヤの第1のセットおよび前記ワイヤの第2のセットが略同一の直径の個別ワイヤを各々含む、請求項1に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項7】
前記中心ワイヤ、前記ワイヤの第1のセット、および前記ワイヤの第2のセットが20シリーズのプッシュプルケーブル、30シリーズのプッシュプルケーブル、40シリーズのプッシュプルケーブル、60シリーズのプッシュプルケーブル、または80シリーズのプッシュプルケーブルのうちの少なくとも1つに含まれる、請求項1に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項8】
前記ワイヤの第2のセットを取り巻くコーティングをさらに含み、前記クラッディングがナイロンを含み、前記中心ワイヤが鋼を含む、請求項1に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項9】
引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができるプッシュプルケーブルを製造する方法であって、
引張荷重と圧縮荷重の両方を支えることができる中心ワイヤの周りにワイヤの第1のセットを巻き付ける工程と、
前記ワイヤの第1のセットと接触させて前記ワイヤの第1のセットの周りにワイヤの第2のセットを巻き付ける工程と
を含む方法。
【請求項10】
前記ワイヤの第1のセットを第1の方向で巻き付ける工程と、
前記ワイヤの第2のセットを前記第1の方向と異なる第2の方向で巻き付ける工程と
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ワイヤの第1のセットを巻き付ける工程が少なくとも8本のワイヤを巻き付ける工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ワイヤの第2のセットを巻き付ける工程が少なくとも14本のワイヤを巻き付ける工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ワイヤの第1のセットを巻き付ける工程および前記ワイヤの第2のセットを巻き付ける工程が、略同一の直径の個別ワイヤを巻き付ける工程を各々含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ワイヤの第2のセットの周りにコーティングを追加する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
引張と圧縮の両方の連結を供給するために2つの機械的物体の間に信頼性のあるインターフェースを与えることができるプッシュプルケーブルであって、
引張荷重と圧縮荷重の両方を支えるための第1の支持手段と、
前記第1の支持手段の周りに巻き付けられ、前記引張荷重と前記圧縮荷重をさらに支えるための第2の支持手段と、
前記第2の支持手段の周りに接触して巻き付けられ、前記引張荷重と前記圧縮荷重をなおもさらに支えるための第3の支持手段と
を含むプッシュプルケーブル。
【請求項16】
前記第2の支持手段が第1の方向で巻き付けられ、前記第3の支持手段が前記第1の方向と異なる第2の方向で巻き付けられる、請求項15に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項17】
前記第2の支持手段が約12本のワイヤを含む、請求項15に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項18】
前記第3の支持手段が約18本のワイヤを含む、請求項15に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項19】
前記第2の支持手段および前記第3の支持手段が略同一の直径のワイヤを各々含む、請求項15に記載のプッシュプルケーブル。
【請求項20】
前記第1の支持手段、前記第2の支持手段、および前記第3の支持手段が20シリーズのプッシュプルケーブル、30シリーズのプッシュプルケーブル、40シリーズのプッシュプルケーブル、60シリーズのプッシュプルケーブル、または80シリーズのプッシュプルケーブルのうちの少なくとも1つに含まれる、請求項15に記載のプッシュプルケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−545924(P2008−545924A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512254(P2008−512254)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/017625
【国際公開番号】WO2006/126984
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507383068)テレフレックス・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】