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プライマー組成物
説明

プライマー組成物

【課題】各種被着体に対し、安定した接着力を保持するプライマー組成物を提供する。
【解決手段】(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物と、(B)アクリル樹脂と、(C)シラン化合物と、(D)イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物と、(E)溶剤とを含有するプライマー組成物。(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物が、イソシアヌレート環を有する脂肪族ポリイソシアネート化合物である前記のプライマー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用シーリング材である変成シリコーン系シーリング材、シロキサン結合を形成して硬化するシーリング材と各種被着体との接着に有用なプライマー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
建築用シーリング材と各種被着体の接着においては、シランカップリング剤を成分としたシラン系プライマーや、ポリイソシアネート化合物を主成分としたポリイソシアネート系プライマーが用いられることが多い(特許文献1〜2参照)。その際、シランカップリング剤としては、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基を有するものが一般的に用いられている。ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート化合物とポリエチレングリコールなどのポリオールとの付加反応で得られるものが知られている。
シラン系プライマーとは、分子中に有機基とアルコキシシリル基をもつシランカップリング剤を主成分とするプライマーのことで金属や、ガラス等の無機系被着体には有用であり、耐熱性、耐候性、耐久性も良好である。
【0003】
しかし、極性の大きく異なる有機系被着体には十分な接着性が得られない場合があり、また、低分子量であるため、セメント等多孔質材料にしみこみやすく、接着性を確保することが難しい。ポリイソシアネート系プライマーは、有機系被着体に対しては、ある程度満足できる接着性が得られるが、耐熱性、耐候性、耐久性などの特性面を必ずしも満足できる性能が得られていない。また、シラン系、ポリイソシアネート系のブレンドプライマーを用いた場合においても、有機系被着体への接着性や耐久性を両立させることが難しく、被着体が限定され、それぞれ塗り分けが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−224879号公報
【特許文献2】特開平8−295852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、各種被着体に対し安定した接着力を保持するプライマー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記発明にかかるシラン化合物、ポリイソシアネート化合物について種々検討を重ねた結果、特定の構造を有するポリイソシアネート化合物を選択することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下の通りである。
(1) (A)脂肪族ポリイソシアネート化合物と、(B)アクリル樹脂と、(C)シラン化合物と、(D)イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物と、(E)溶剤とを含有するプライマー組成物。
(2) (A)脂肪族ポリイソシアネート化合物が、イソシアヌレート環を有する脂肪族ポリイソシアネート化合物である(1)記載のプライマー組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、各種被着体に対し安定した接着力を保持するプライマー組成物を提供することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のプライマー組成物は、(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物と、(B)アクリル樹脂と、(C)シラン化合物と、(D)イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物と、(E)溶剤とを含有する。
また、本発明のプライマー組成物は、(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物、(B)アクリル樹脂、(C)シラン化合物、(D)イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物の固形分合計を100質量%とした場合、(C)シラン化合物を5〜90質量%の割合で含むことが好ましい。5質量%未満になると金属、ガラス等の無機系被着体に対する接着性の効果が得られにくく、90質量%を超えると極性の大きく異なる有機系被着体に対する接着性の効果が得られにくい。
また、(A)、(B)、(C)、(D)の固形分合計を100質量%とした場合、(A)成分は20〜70質量%、(B)成分は10〜50質量%、(D)成分は0.5〜10質量%であることが好ましい。この範囲内にあることにより、各種被着体に対し安定した接着力を保持しやすくなる。
【0009】
(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族等挙げられるが、接着耐久性、変色性などから脂肪族ジイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物が好ましい。
【0010】
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示できる。
【0011】
(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン等が例示できる。その他、これらのアダクト型、ビウレット型、イソシアヌレート型構造を有するイソシアネート化合物等が挙げられる。特に、接着性の点からイソシアヌレート型構造を有するイソシアネート化合物が好ましく、その市販品としては、スミジュールN3300(住化バイエルウレタン株式会社製、「スミジュール」は登録商標)が挙げられる。
【0012】
(B)アクリル樹脂としては、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリn−プロピルメタクリレート、ポリn−ブチルメタクリレート、アクリル酸メチル/メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル共重合体等が挙げられ、さらには、前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル単量体に、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等反応性単量体を共重合させた、例えば、メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸3元共重合体等も挙げられる。前記(B)アクリル樹脂を造膜成分とした場合、プライマーの透明性が改良され、外観上好ましい。
【0013】
本発明のプライマー組成物に含有される(C)シラン化合物は、例えば一般にはシランカップリング剤と呼ばれるものでよく、例えば1分子中に2〜9個のアルコキシシリル基を有し、同分子内に有機基をもっているものが挙げられる。有機基としては、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アクリル基、メルカプト基などの中から選択できる。
【0014】
(D)イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物とは、1分子中にイソシアネート基と、アルコキシシリル基の両方を持つもので、具体的にはKBE9007(γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。
【0015】
本発明のプライマー組成物には、その性能を損なわない範囲で任意の成分を添加できる。それらの成分としては、シラノール縮合触媒として、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物、テトラブチルチタネート、ジイソプロポキシチタンアセチルアセテート等のチタネート類、アルミニウムアセチルアセトナート等のアルミニウムアルコキシドや、皮膜形成剤として、アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子材料、接着付与剤としての、フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンフェノール樹脂等があげられ、それらの種類および量は用途に応じ選定される。
【0016】
本発明のプライマー組成物は、塗布作業を容易にし、速乾性を付与するため(E)溶剤に溶解、または分散させて用いられる。(E)溶剤の種類や量は特に限定されることはなく、刷毛作業条件等により選定される。(E)溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサン、トルエン、キシレン等の脂肪族または芳香族炭化水素が挙げられる。
【0017】
本発明のプライマー組成物は、通常、金属、ガラス、セラミック、セメント、石材、塗料、プラスチック、ゴム等の各種被着体にハケ等で塗布し、シーリング材を充てんする。プライマー組成物は、塗布後に乾燥させるが、常温(25℃)で30分〜480分の範囲が好ましい。
【実施例】
【0018】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
表1に示した配合(質量部)にて、以下の各成分を混合し、実施例1〜3、比較例1〜3のプライマー組成物を調製した。
(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物;HDIイソシアヌレート型ポリイソシアネート(住化バイエルウレタン株式会社製、スミジュールN3300、イソシアネート基含有量21.8質量%、粘度3000mPa・s/25℃、不揮発分100質量%、「スミジュール」は登録商標)
(B)アクリル樹脂;ダイヤナールBR−80(三菱レーヨン株式会社製、平均分子量95000、ガラス転移温度105℃、「ダイヤナール」は登録商標)
(C)シラン化合物;Z6040(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニング株式会社製)、Z6043(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニング株式会社製)
(D)イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物;KBE9007(γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン、信越化学工業株式会社製)
(E)溶剤;酢酸エチル
【0019】
【表1】

(配合単位;質量部)
【0020】
得られた各プライマー組成物について、貯蔵安定性、モルタルに対する接着性、アルミ塗板に対する接着性を、以下の方法により評価した。
(アルミ塗板に対する接着性)
得られた各プライマー組成物をアルミ塗板の表面に塗布し、23℃、相対湿度(RH)50%の条件下30分間放置した後、組成物の塗布面に変性シリコーン系シーリング材(ハイボン2010:日立化成ポリマー株式会社製、「ハイボン」は登録商標)を3mm厚に圧着させて試験片とした。
この試験片を用いて以下の条件で養生した後、変性シリコーン系シーリング材をナイフでカットし該カット部を手剥離して(手で摘んで引張り)、その剥離状態を観察(ナイフカットによる手剥離試験)することで、被着体とプライマー組成物との接着界面の状態を評価した。結果を表2に示した。
初期接着性は、温度23℃、相対湿度50%の環境下3日間養生した後に評価した。
耐水接着性は、温度23℃、相対湿度50%の環境下3日間養生後に、50℃の温水に7日間浸漬した後に評価した。
評価は、シーリング材の凝集破壊した面積の割合が95%以上であったものを「◎」、同70%以上95%未満であったものを「○」、同50%以上70%未満であったものを「△」、同50%未満であったものを「×」とした。
【0021】
(アルミ塗板に対する貯蔵安定後の接着性)
得られたプライマー組成物を密閉容器に入れ60℃で2週間貯蔵後、上記(アルミ塗板に対する接着性)と同様の条件、方法により、被着体とプライマー組成物との接着界面の状態を評価した。結果を表2に示した。
【0022】
(モルタルに対する接着性)
得られた各プライマー組成物をモルタルの表面に塗布し、23℃、相対湿度(RH)50%の条件下に30分間放置した後、組成物の塗布面に変性シリコーン系シーリング材を3mm厚に圧着させて試験片とした。この試験片を用いて以下の条件で養生した後、変性シリコーン系シーリング材をナイフでカットし、該カット部を手剥離して(手で摘んで引張り)、その剥離状態を観察(ナイフカットによる手剥離試験)することで、被着体と組成物との接着界面の状態を評価した。結果を表2に示した。
初期接着性は、温度23℃、相対湿度50%の環境下3日間養生した後に評価した。
耐水接着性としては、温度23℃、相対湿度50%の環境下3日間養生後に、50℃の温水に7日間浸漬した後に評価した。
評価は、シーリング材の凝集破壊した面積の割合が95%以上であったものを「◎」、同70%以上95%未満であったものを「○」、同50%以上70%未満であったものを「△」、同50%未満であったものを「×」とした。
【0023】
(貯蔵安定性)
得られた各プライマー組成物の調製直後の粘度と、密閉容器中で60℃、2週間養生後の粘度をE型粘度計で測定し、60℃、2週間養生後の粘度の、調製直後の粘度に対する上昇率(倍)を算出し、貯蔵安定性を評価した。該上昇率が1.5倍以下であるものを「○」とし、1.5倍超2.0倍未満であるものを「△」とし、2.0倍以上であるものを「×」とした。結果を表2に示した。
【0024】
【表2】

【0025】
本発明の組成物は、実施例に示される通り、建築シーリング材で用いられる各種の被着体に対して良好な接着性を得ることができることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物と、(B)アクリル樹脂と、(C)シラン化合物と、(D)イソシアネート基とアルコキシシリル基を有する化合物と、(E)溶剤とを含有するプライマー組成物。
【請求項2】
(A)脂肪族ポリイソシアネート化合物が、イソシアヌレート環を有する脂肪族ポリイソシアネート化合物である請求項1記載のプライマー組成物。

【公開番号】特開2013−87146(P2013−87146A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226734(P2011−226734)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000233170)日立化成ポリマー株式会社 (75)
【Fターム(参考)】