説明

プラスチック管の継手構造

【課題】火災等により一方のプラスチック管が燃焼した際に、他方のプラスチック管への延焼を抑制することができるプラスチック管の継手構造を提供すること。
【解決手段】2本のプラスチック管11,11’の管端同士を接続する継手構造10は、管端同士の突き合わせ部を被覆するプラスチック製の継手管13と、継手管の外周面に設けられた難燃性樹脂層14と、プラスチック管11,11’と継手管13とを加熱融着させるための発熱体15と、管端同士の突き合わせ部において、管端同士が直接接触しないように両管端を分離する、不燃材料からなる分離材16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック管の継手構造に関し、主に建造物に設置される管の継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック管は、鉄管や鋼管に比べて可撓性に優れ、且つ、軽量であるので、製造の容易性、管自身の輸送性、及び布設の際のハンドリングの容易性などの点で優位である。また、地震の際に、金属管に比べてプラスチック管は亀裂や破裂が発生し難いという利点もある。加えて、耐腐食性にも優れている。しかしながら、プラスチック管は、通例、金属製の管に比べて強度に劣る。このため、プラスチック管本体の外周にアラミド繊維やガラス繊維等の補強繊維または金属製の帯等で補強する構造も実用化されている。
【0003】
単体のプラスチック管の長さは有限であるので、より長い管を用意する場合、管同士を継手により連結する必要がある。また、工場敷地内や建造物内に配管する場合、そのレイアウト等に応じて、適宜、管同士を連結する必要も生じる。
【0004】
プラスチック管を連結する方法としては、接続及び分離が可能な、機械式の継手部品で接続する方法や、プラスチック構造の継手を用いて加熱して融着させる方法がある。
【0005】
図6は、従来の電気融着継手による継手構造の一例を示す断面図である(例えば、特許文献1参照)。電気融着継手により2本のプラスチック管61,61’を連結するときは、図6に示すように、プラスチック管61,61’の管端から被覆層64,64’と繊維補強層63,63’とを所定長さづつ切除し、内側の管本体62,62’を露出させるようにする。次いで、露出した管本体62,62’の端部同士を突き合わせ、その両管端間に跨るようにプラスチック製の継手管65を被せる。継手管65には電熱線66が埋設されていて、この電熱線66に通電を行って発熱させることによりプラスチックの一部を溶融し、継手管65の内壁と管本体62,62’の外壁の間を融着させて、2本のプラスチック管61,61’を連結状態にする。この場合、継手管65の外周にも補強層67を設けると、接続強度を一層強化することができる。なお、図6の構成において、繊維補強層63,63’は必須ではない。
【特許文献1】特開2002−295779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プラスチック管は、当然金属管よりも燃えやすいことから、万一の火災の際には、プラスチック管を火が伝わって、建造物同士を延焼させたり部屋から部屋へ延焼を招いたりする原因の1つにもなりかねない。流体輸送管として、例えば水を輸送する管として使用する場合であっても、火災の際に管が燃焼すると、内部の水が抜けて空になり、その水による消化は期待できない。
したがって、プラスチック管を工場敷地内の建造物内に配管するような用途では、万一の火災の際に、延焼をできるだけ食い止めることが重要である。
【0007】
このような延焼を抑制する方法としては、例えば、プラスチック管を全長に亘って塩化ビニル等の難燃性の樹脂で構成することが考えられる。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、難燃性という点では優れているものの、例えばポリエチレン(難燃性を有さない)等に比べて耐圧性及び可撓性に劣る上、燃焼した際には塩素ガスや塩化水素ガスが発生するという問題がある。
【0008】
塩化ビニル系樹脂以外の、より高コストな難燃性樹脂でプラスチック管自体を構成する、あるいは、プラスチック管の全長に渡ってこれらの樹脂を被覆することも考えられるが、コストが高いという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、火災等により一方のプラスチック管が燃焼した際に、他方のプラスチック管への延焼を抑制することができるプラスチック管の継手構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のプラスチック管の継手構造は、2本のプラスチック管の管端同士を接続する継手構造であって、前記管端同士の突き合わせ部を被覆するプラスチック製の継手管と、前記プラスチック管と前記継手管とを融着させるための発熱体と、前記管端同士の突き合わせ部において、前記管端同士が直接接触しないように両管端を分離する、不燃材料からなる分離材とを備える。前記発熱体は継手管に埋め込まれた電熱線で構成すると良い。
【0011】
前記継手構造においては、難燃性樹脂層を前記継手管の外周面に設けることが望ましく、継手管の端面にも設けることが更に望ましい。
【0012】
前記分離材は、前記2つのプラスチック管の管端近傍の内周面と面接触が可能となるように、前記突き合わせ部から折り返された折り返し部を有することが好ましい。前記分離材は、前記継手管と一体成形されていてもよい。また、前記分離材は、前記継手管を貫通して前記難燃性樹脂層中へ延在するように構成されていてもよい。
【0013】
前記難燃性樹脂層は、塩化ビニル系樹脂、あるいは、ポリオレフィン系樹脂に、難燃剤として金属水和物と赤燐とを含有させた樹脂組成物で構成されることが好ましい。
【0014】
前記樹脂組成物は、熱可塑性エラストマー及び/又はエチレン系共重合体からなるベース樹脂100質量部に対し、金属水和物50〜200質量部と赤燐0.1〜15質量部とを含有する樹脂組成物などが好適に使用できる。このベース樹脂組成として、前記熱可塑性エラストマー20〜70質量%及びエチレン系共重合体80〜30質量%などが、熱可塑性エラストマーとして、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、及びポリアミドエラストマーから選択される少なくとも一種などが好適に使用できる。また、前記金属水和物の含有量は50〜100質量部、前記赤燐の含有量は2〜15質量部程度であることが更に望ましい。
また、前記難燃性樹脂層の肉厚は、難燃性を確保する観点からは、3mm以上であることが望ましい。
【0015】
前記プラスチック管及び前記継手管は、ポリエチレン樹脂であることが望ましい。
さらに、前記継手管の外周面に補強層が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、不燃材料からなる分離材で、2つのプラスチック管の管端同士の突き合わせ部において、管端同士が直接接触しないように両管端を分離するので、火災により一方のプラスチック管が燃焼しても、一方のプラスチック管からの火炎を食い止め、他方のプラスチック管が延焼するのを抑制することができる。さらに、継手管の外周面に形成された難燃性樹脂層によって、プラスチック製の継手管を経由しての延焼を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下に、本発明のプラスチック管の継手構造の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプラスチック管の継手構造10を2つのプラスチック管11,11’とともに示す断面図である。
【0018】
まず、本発明の継手構造によって接続されるプラスチック管11,11’について説明する。
プラスチック管11,11’の素材となるプラスチックは、熱可塑性樹脂であれば特に限定されるものでなく、例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。これらのうち、耐圧性及び可撓性に優れた高密度ポリエチレンが好ましい。プラスチック管11,11’の外周面には、図示のように、補強層12,12’を設けてもよい。補強層12,12’としては、補強繊維を螺旋状に巻回した繊維補強層が好ましく、特にアラミド繊維であることが好ましい。補強層の層数は1層に限定されず、2層以上であってもよい。
【0019】
本発明の継手構造10は、上記のような構成のプラスチック管11,11’の管端同士を突き合わせて接続するためのものであり、継手管13と、難燃性樹脂層14と、継手管13に埋設された電熱線(発熱体)15と、分離材16とを有する。以下に、各部材について詳細に説明する。
【0020】
(継手管)
継手管13は、プラスチック製であり、図示のように、プラスチック管11,11’の管端同士の突き合わせ部を含むプラスチック管11,11’の外周部を被覆する。継手管13に使用するプラスチックとしては、特に限定されないが、プラスチック管11,11’と同様のものを使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられ、好ましくは耐圧性及び可撓性に優れたポリエチレンである。
【0021】
(発熱体)
継手管13には、継手管13とプラスチック管11,11’とを融着させるための発熱体として、複数の電熱線15が埋設されている。この電熱線15に通電することにより、プラスチック製の継手管13を高温度で溶融してプラスチック管11,11’に融着させる。
【0022】
(難燃性樹脂層)
継手管13の外周面には、難燃性樹脂層14が設けられている。難燃性樹脂層14の素材としては、(1)塩化ビニル系樹脂、あるいは(2)ポリオレフィン系樹脂に、難燃剤として金属水和物と赤燐とを含有させた樹脂組成物が挙げられる。このうち、難燃剤を含むポリオレフィン系樹脂は、塩化ビニル系樹脂に比べて可撓性及び耐熱性に優れるとともに、燃焼しても塩化ビニル系樹脂のように塩素ガスや塩化水素ガスが発生することがない点で好ましい。
【0023】
上記樹脂組成物としては、熱可塑性エラストマー及び/又はエチレン系共重合体からなるベース樹脂100質量部に対し、金属水和物50〜200質量部と赤燐0.1〜15質量部とを配合した樹脂組成物であることが好ましい。
【0024】
前記ベース樹脂において、熱可塑性エラストマーは、継手管13との密着強度を向上させることができ、一方、エチレン系共重合体は、難燃性を発揮するために含有される金属水和物の含有量を低下させて、力学的強度の著しい低下を避けることができ、さらに耐加水分解性も向上させるこができる。
【0025】
前記熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメント及びソフトセグメントを有するものであれば特に限定なく使用できるが、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、及びポリアミドエラストマーが好ましく、これらのうちいずれか1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0026】
樹脂組成物のベース樹脂成分は、熱可塑性エラストマーのみから構成されてもよいが、継手管13との接着性と難燃性の観点から、樹脂成分中、熱可塑性エラストマーが好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%含まれるのがよい。
【0027】
前記エチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、及びエチレン−メタクリレート共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。難燃性向上の観点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
【0028】
樹脂組成物のベース樹脂成分は、エチレン系共重合体のみから構成されてもよいが、継手管13との接着性と難燃性の観点から、樹脂成分中、エチレン系共重合体が好ましくは80〜30質量%、さらに好ましくは70〜40質量%含まれるのがよい。
【0029】
前記金属水和物としては、特に制限はないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水和珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する金属化合物が挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。これら金属水和物の中でも、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムが好ましい。また、これら金属水和物は、未処理でも表面処理されていてもよい。
金属水和物の含有量は、難燃性樹脂層14のベース樹脂100質量部に対し、50〜200質量部であることが好ましく、50〜100質量部であることがより好ましい。含有量が多すぎると、力学的強度や接着性の低下を招いたり、耐加水分解性が低下したり、外観が悪くなることがあり、少なすぎると難燃性を十分に確保できないからである。
【0030】
前記赤燐は、金属水和物と併用することにより、金属水和物の含有量を大幅に抑えることができ、金属水和物のみを大量に含有する場合よりも諸特性を向上させることができる。
赤燐の含有量は、難燃性樹脂層14のベース樹脂100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがより好ましい。赤燐の含有量が少なすぎると難燃性が劣り、15質量部を超えると、難燃性には優れるものの、強度低下が大きくなるからである。このような強度の低下は、特にプラスチック管11,11’の肉厚が薄く且つ補強層がない場合など、難燃性樹脂層にある程度の強度が要求される場合は望ましくない。
【0031】
難燃性樹脂層14の厚さは、特に制限はされないが、難燃性を確保する観点から、3mm以上であることが好ましい。
【0032】
(分離材)
分離材16は、プラスチック管11,11’の管端同士の突き合わせ部において、管端同士が直接接触しないように両管端を分離するためのものであり、プラスチック管11,11’の接続の際に、両管端間に介挿される。
分離材16はプラスチック管11からプラスチック管11’へのダイレクトな延焼を防止させるために不燃材料で構成する。材質としては例えば、鉄(ステンレス鋼等)やアルミニウム等の金属を好適に使用できる。またセラミック等の耐火性材料を用いてもよい。
【0033】
図2に、図1の分離材16と継手管13の一部を断面で示す斜視図を示す。
図1及び図2に示すように、分離材16は、プラスチック管11,11’の両管端間に介挿される分離部16aと、2つのプラスチック管11,11’の突き合わせ部から折り返された折り返し部16bとを有している。図2に示す例では、分離材16は略T字形の断面形状を有しているが、これに限定されない。
【0034】
分離部16aは、プラスチック管11,11’の管端同士が接触しないように、プラスチック管11,11’の両管端面の形状に対応した円環形状を有しており、外周側の一部は継手管13内部へ延在している。
分離部16aの厚さは特に限定されないが、延焼防止効果や強度等の観点からは1mm以上の厚さがあることが望ましい。
【0035】
折り返し部16bは、2つのプラスチック管11,11’の内周面の一部と面接触するように形成されていればよく、その形状は特に限定されない。なお、分離材16は、継手管の成形時に一体にモールドすると良い。
【0036】
上記のような構成の継手構造10を用いて、2つのプラスチック管11,11’を接続する際には、プラスチック製の継手管13の両端部からプラスチック管11,11’をそれぞれ挿入し、分離材16を介してプラスチック管11,11’管端同士を突き合わせる。プラスチック管が、管本体とその外周面に設けられた補強層とからなる場合には、プラスチック管の一端部の補強層を除去して露出させた管本体の管端同士を突き合わせる。これにより、不燃材料からなる分離材16の分離部16aが、プラスチック管11,11’の両管端間に介挿され、分離材16の折り返し部16bが、プラスチック管11,11’の内周面の一部と面接触した状態となる。
次いで、電熱線15に通電して発熱させることにより継手管13及びプラスチック管11,11’の一部を溶融し、継手管13の内壁とプラスチック管11,11’の外壁とを融着させる。これにより、2本のプラスチック管11,11’を連結することができる。
【0037】
上記のような継手構造10を用いることにより、管端同士が不燃材料からなる分離材16で分離され直接接触することがない。したがって、火災により一方のプラスチック管が燃焼しても、一方のプラスチック管からの火炎を食い止めることができ、他方のプラスチック管が延焼するのを抑制することが可能となる。また、折り返し部16bを有することで、延焼抑制効果をより高めることが可能となる。
【0038】
(実施形態2)
次に、継手構造の第2の実施形態について説明する。
図3は、第2の実施形態に係る継手構造30の概略断面図である。本実施形態においては、分離材36の分離部36aは、継手管13を貫通して難燃性樹脂層14中へ延在するように構成されている。この構成によれば、継手管13が図において左右に分離され、分離材36及び難燃性樹脂層14を経由して図の左右で連結するため、延焼防止効果がより向上する。
【0039】
(実施形態3)
図4は、第3の実施形態に係る継手構造40の概略断面図である。本実施形態においては、難燃性樹脂層44で、継手管13の外周面だけでなく、継手管13の両端面をも覆っている。この構成によって分離材36で分離した継手管13が、図の左右方向への延焼がより抑制されるので、延焼防止効果がより一層向上する。
【0040】
(実施形態4)
図5は、実施形態4に係る継手構造50の概略断面図である。本実施形態においては、継手管13の外周面及び両端面を覆うように設けられた難燃性樹脂層44の外周面に、補強層51を設けている。これにより、プラスチック管11,11’の接続強度を強化することができる。
現在一般的に使用されている1.0MPa仕様の流体輸送用に使用する場合は、特に補強層を設ける必要はないが、より圧力が高い1.5MPa以上の高圧流体輸送用に使用する場合には、このような補強層51を設けることが有効である。
補強層51の素材としては、例えば繊維、SUS帯等の金属帯が挙げられる。
【0041】
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例)
厚さが2mmの分離部と折り返し部(折り返し長さは100mm)とを有するステンレス製の分離材と、軸方向の長さが40mmの高密度ポリエチレン製の継手管とを一体化成形したものを準備した。継手管には、電熱線を埋設している。さらに、この継手管の外周面に、以下に示す材料からなる厚さ10mmの難燃性樹脂層を設け、外径290mmの、図1に示すような継手構造を得た。
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA) 80phr
高密度ポリエチレン(HDPE) 10phr
酸変性ポリエチレン 10phr
水酸化マグネシウム 90phr
赤燐 5phr
老化防止剤・滑剤 1phr
(phr:ベース樹脂100に対する配合量(部))
【0042】
さらに、上記継手構造を用いて、2つのプラスチック管の管端同士を接続し、実施例の連結プラスチック管を得た。プラスチック管は、高密度ポリエチレンからなる管本体の外周に、アラミド繊維を軸方向に対して85°の角度で巻き付けた補強層を設けたものであり、外径250mm、内径230mm、長さ10mのものを使用した。
【0043】
(比較例)
比較例の継手構造として、外径290mm、軸方向の長さが40mmの高密度ポリエチレン製の環状フランジからなる継手管を準備した。継手管には、電熱線を埋設している。さらに、この継手管を用いて、2つのプラスチック管の管端同士を接続し、比較例の連結プラスチック管を得た。プラスチック管は、上記実施例と同じものを使用した。
【0044】
(延焼試験)
実施例及び比較例の各連結プラスチック管について、それぞれ一方のプラスチック管を試験的に燃焼させ、他方のプラスチック管への延焼度合いを比較したところ、実施例の連結プラスチック管については延焼を防止でき、優れた延焼抑制効果を有することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る継手構造を示す断面図である。
【図2】図1の継手構造の分離材と継手管の一部を断面で示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る継手構造の概略断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る継手構造の概略断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る継手構造の概略断面図である。
【図6】従来の電気融着継手構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10,30,40,50:継手構造
11,11’:プラスチック管
12,12’:補強層
13:継手管
14,44:難燃性樹脂層
15:電熱線(発熱体)
16,36:分離材
16a,36a:分離部
16b:折り返し部
51:補強層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本のプラスチック管の管端同士を接続する継手構造であって、
前記管端同士の突き合わせ部を被覆するプラスチック製の継手管と、
前記プラスチック管と前記継手管とを融着させるための発熱体と、
前記管端同士の突き合わせ部において、前記管端同士が直接接触しないように両管端を分離する、不燃材料からなる分離材と
を備えることを特徴とするプラスチック管の継手構造。
【請求項2】
前記発熱体が前記継手管に埋め込まれた電熱線で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項3】
前記継手管の外周面に設けられた難燃性樹脂層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項4】
前記難燃性樹脂層が前記継手管の端面にも設けられていることを特徴とする請求項3に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項5】
前記分離材は、前記2つのプラスチック管の管端近傍の内周面と面接触が可能となるように、前記突き合わせ部から折り返された折り返し部を有することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項6】
前記分離材は、前記継手管と一体成形されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項7】
前記分離材は、前記継手管を貫通して前記難燃性樹脂層中へ延在するように構成されていることを特徴とする請求項3から請求項6の何れか1項に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項8】
前記難燃性樹脂層は、塩化ビニル系樹脂からなることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項9】
前記難燃性樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂に、難燃剤として金属水和物と赤燐とを含有させた樹脂組成物からなることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項10】
前記難燃性樹脂層の肉厚は、3mm以上であることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項11】
前記プラスチック管及び前記継手管は、ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプラスチック管の継手構造。
【請求項12】
前記継手管の外周面に補強層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のプラスチック管の継手構造。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−19682(P2009−19682A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182255(P2007−182255)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】