説明

プラスチック製ダンボール箱

【課題】
解決しようとする課題は、従来の複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に積み重ねた場合、振動等によって引き起こされる横方向へのずれによる荷崩れを防止できないという点である。
【解決手段】
ほぼ直方体形状のプラスチック製ダンボール箱において、該直方体の上下二つの水平面の内、一方の水平面内の少なくとも二箇所に磁石を、及びもう一方の水平面内で該磁石と上下対向する位置に少なくとも二箇所の鉄片をそれぞれ設け、複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に積み重ねた場合でも該磁石と該鉄片の吸着力により横方向へのずれを防止することで、前記課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業部品の搬送、納入等に繰り返し使われるプラスチック製段ボールに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製ダンボール箱に関する従来技術としては特許文献1に開示されているようなものがある。
【特許文献1】特開平11−100021号公報
【0003】
しかし、特許文献1の段落0021に「・・・本発明によれば、第1の上蓋と第2の上蓋との突き合わせ部分において隙間が発生するのを防止することができるとともに、その重なり部分において段差を低減することができる。その結果、搬送される部品などの品質の低下を防止でき、かつ、複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に容易に積み重ねて搬送することができる。」とあるように、複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に積み重ねることは考慮されているが、積み重ねられた該プラスチック製ダンボール箱が振動等により横方向にずれることを防止することまでは考慮されておらず、特許文献1に開示されているような方法では横方向へのずれによる荷崩れを防止できないという欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、従来の複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に積み重ねた場合、振動等によって引き起こされる横方向へのずれによる荷崩れを防止できないという点である。本発明は上記の点を解決するためになされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を果たすため本発明は、ほぼ直方体形状のプラスチック製ダンボール箱であって、該直方体の上下二つの水平面の内、一方の水平面内の少なくとも二箇所に磁石を、及びもう一方の水平面内で該磁石と上下対向する位置に少なくとも二箇所の鉄片をそれぞれ設けたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に積み重ねても振動等によってずれることはないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に積み重ねても振動等によってずれないようにするという目的を、ほぼ直方体形状のプラスチック製ダンボール箱において、該直方体の上下二つの水平面の内、一方の水平面内の少なくとも二箇所に磁石を、及びもう一方の水平面内で該磁石と上下対向する位置に少なくとも二箇所の鉄片をそれぞれ設けることによって、経済性を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0008】
本発明の構成を発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。
【0009】
図1は、本発明の1実施例を示すほぼ直方体形状のプラスチック製ダンボール箱1の斜視図である。該プラスチック製ダンボール箱1は上縁2,2,2,2によって囲まれた開放形状を有し、該上縁2,2,2,2は該直方体形状の上の水平面内に位置している。
【0010】
該上縁2,2,2,2の四隅の内、対角上の二箇所には上縁磁石21,21が設けられている。
【0011】
また、該プラスチック製ダンボール箱1の底面3は該直方体形状の下の水平面内に位置しており、該底面3の対角上の二箇所には底面鉄片31,31が該上縁磁石21,21に上下対向する位置に設けられている。
【0012】
次に本発明の作用を説明する。該プラスチック製ダンボール箱1の上に同一形状、同一構造の別のプラスチック製ダンボール箱1’(図示せず)を積み重ねる場合、該プラスチック製ダンボール箱1の該上縁磁石21,21の位置に該プラスチック製ダンボール箱1’の底面鉄片31’,31’(図示せず)が位置して該上縁磁石21,21に磁力で吸着されるため、振動等が加わっても該プラスチック製ダンボール箱1’は該プラスチック製ダンボール箱1と横方向にずれることはない。
【0013】
尚、上記実施例では上縁磁石21,21を該上縁2,2,2,2の四隅の内、対角上の二箇所に配したが、上の水平面内での自由度を完全に拘束できさえすれば三箇所でも四箇所でも、また対角上になくてもよい。
【0014】
同様に、底面鉄片31,31を該底面3の対角上の二箇所に配したが、該上縁磁石21,21に上下対向する位置で且つ下の水平面内での自由度を完全に拘束できさえすれば三箇所でも四箇所でも、また対角上になくてもよい。
【0015】
また、上記実施例では上の水平面内に磁石を、下の水平面内に鉄片を設けたが、上の水平面内に鉄片を、下の水平面内に磁石を設けてもよい。
【0016】
以上実施例に述べたように本発明によれば、ほぼ直方体形状のプラスチック製ダンボール箱の、該直方体の上下二つの水平面の内、一方の水平面内の少なくとも二箇所に磁石を、及びもう一方の水平面内で該磁石と上下対向する位置に少なくとも二箇所の鉄片をそれぞれ設けたことにより、複数のプラスチック製ダンボール箱を上方向に積み重ねても該磁石と該鉄片が吸着するので、振動でずれることはなく、荷崩れすることもないという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、工業部品の搬送、納入等に繰り返し使われるプラスチック製段ボールに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るプラスチック製段ボールの斜視図
【符号の説明】
【0019】
1,1’ プラスチック製段ボール
2 上縁
3 底面
21,21’ 上縁磁石
31,31’ 底面鉄片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ直方体形状のプラスチック製ダンボール箱であって、該直方体の上下二つの水平面の内、一方の水平面内の少なくとも二箇所に磁石を、及びもう一方の水平面内で該磁石と上下対向する位置に少なくとも二箇所の鉄片をそれぞれ設けたことを特徴とするプラスチック製ダンボール箱

【図1】
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【公開番号】特開2010−23897(P2010−23897A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189382(P2008−189382)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(503233130)株式会社アイテック (96)
【Fターム(参考)】