説明

プラズマディスプレイパネルの点灯検査装置およびプラズマディスプレイパネルの製造方法

【課題】列方向の電極(アドレス電極)の狭ピッチ化に対して安定した検査を行なうことができる、プラズマディスプレイパネルの点灯検査装置を実現する。
【解決手段】行方向及び列方向に複数の電極を有するプラズマディスプレイパネル1の点灯検査装置は、列方向の電極5に対しては複数本の電極を所定本数まとめて接触通電し、行方向の電極3、7に対しては一本毎に接触通電して点灯検査を行なう。本装置により、列方向の電極ピッチが小さくなっても、点灯検査する際に、列方向の電極に対するコンタクト部の接触ミス等を防止することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行方向、列方向に電極を有するプラズマディスプレイパネルの点灯検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、行方向に配置された電極と、これに交差する列方向に配置された電極を有するプラズマディスプレイパネルの点灯検査装置では、行方向電極の端子と、列方向電極の端子の全てを個別に駆動回路と接触通電させていた。このような技術は「特許文献1」に記載されている。
【0003】
他の方法としては、プラズマディスプレイパネルの行方向と列方向の端子のそれぞれを、まとめて駆動回路と接触導通させ、点灯させる技術がエージング点灯方法としてある。このような技術は「特許文献2」に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004-219298
【特許文献2】特開2006-100122
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような構成のプラズマディスプレイパネルの点灯検査装置においては、プラズマディスプレイパネルの高精細化に伴い、列方向電極の端子のピッチが狭くなることにより、列方向電極端子を1本ごとに安定して回路と接触通電させるコンタクト部を作成することが困難となる。また、列方向電極端子とコンタクト部を1本ごとに正確に位置決めし、接触させる為の制御手段、精密な位置決め機構等が必要なことから設備のコストが大幅に増大する可能性がある。
【0006】
更に列方向電極の端子に安定してコンタクト部を接触させ、通電させることが困難なことにより、点灯検査の際に不点灯が生じ、その結果、点灯検査において表示のムラ、欠点等が判別できずにプラズマディスプレイパネルの表示不具合を検出できない可能性がある。
【0007】
また、特許文献2に記載されているような点灯方法では、実製品と同じ回路や駆動波形で駆動できない為、実際の製品と検査時の表示が一致せず、プラズマディスプレイパネルのムラ等の表示不具合を検出できない問題点が考えられる。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するために行われたもので、プラズマディスプレイパネルの検査時の不点灯を無くし、常に安定した点灯検査を行なうことができるプラズマディスプレイパネルの点灯検査装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に対して本発明では、行方向及び列方向に複数の電極を有するプラズマディスプレイパネルの点灯検査装置において、前記列方向電極の所定本数をまとめて接触通電する複数のコンタクト部と、該コンタクト部ごとに前記プラズマディスプレイパネルを点灯させるための駆動電圧を印加する駆動回路を有することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プラズマディスプレイパネルの列方向電極の端子では、端子を所定の束ごとにまとめて接触通電するコンタクト部を有することで、狭小なピッチに対応するコンタクト部の作成が困難であるという問題、狭小なピッチに対応する為の設備コストが大幅に増大するという問題を解決することができる。
【0011】
また、列方向電極の端子を所定の束ごとにまとめて接触通電することにより、列方向の電極全てに安定して電圧を印加することが可能になり、プラズマディスプレイパネルの点灯検査の際に不点灯が減り、表示不具合を安定して検出できる点灯検査を行なうことができる。
【0012】
更に製品と同じ回路と駆動波形で駆動を行なう為、実際の製品と検査時の表示が一致し、プラズマディスプレイパネルのムラ等の表示不具合を確実に検出する点灯検査を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の内容を図1から図9を用い、実施例によって詳しく説明する。
【実施例1】
【0014】
図4はプラズマディスプレイパネル1の全体構成の一例を概略的に示すブロック図である。プラズマディスプレイパネル1の電極は、行方向の電極である維持電極3、走査電極7と、列方向の電極であるアドレス電極5より構成されている。また、それぞれの電極に電圧を印加するために、アドレス駆動回路224、Y駆動回路222、X駆動回路221が接続されている。さらにアドレス電極5と走査電極7は1電極ごとに異なる駆動波形を印加するため、アドレス駆動回路224から個別に分割されたアドレスドライバ226、Y駆動回路222から個別に分割されたスキャンドライバ223が接続されている。また、それらを制御するための制御回路225を備えている。
【0015】
例えば、TVチューナやコンピュータ等の外部装置からR,G,Bの3色の輝度レベルを示す多値画像データであるフィールドデータ、および、各種の同期信号(クロック信号CLK,水平同期信号Hsync,垂直同期信号Vsync)が入力される。そして、制御回路19は、上記フィールドデータおよび各種の同期信号からそれぞれの駆動回路に適した制御信号を出力して所定の画像表示を行うようになっている。
【0016】
図4に示すプラズマディスプレイパネル(例えばALIS方式のパネル)においては、隣接する全ての電極間で放電が発生するにサステイン放電(維持放電)を行う維持電極3(X1,X2,X3,…)と走査電極7(Y1,Y2,Y3,…)とが等間隔で交互に配置されて表示ラインを構成し、維持電極3および走査電極7とこれらの電極に交差するアドレス電極5(A1,A2,A3,…)とによりマトリクス状の表示セルが構成されている。なお、一般的なパネルでは維持電極と走査電極との電極対を非放電ギャップを介して配置している。
【0017】
スキャンドライバ223は、アドレス期間において、複数の走査電極7にライン順次で走査パルスを印加して走査電極7(表示ライン)を選択し、アドレス駆動回路224とアドレスドライバ226に繋がれたアドレス電極5と各走査電極7との間で、セルの点灯/非点灯を選択するアドレス放電を生じさせる。また、Y駆動回路222およびX駆動回路221は、表示期間において全ての維持電極及び走査電極に交番状の維持電圧を印加することにより、アドレス放電により選択されたセルに対して重みに応じた数のサステイン放電を生じさせる。
【0018】
図7は、プラズマディスプレイパネル1端部の電極の構造を示している。プラズマディスプレイパネル1は表示領域に列方向と行方向にそれぞれ複数の電極を有しており、パネル端部には、この電極を延伸し、かつ、ある所定数の電極が束となり外部と電気的に接触が可能な構造となっている。尚、図7(a)、図7(b)はプラズマディスプレイパネル1の裏面から見た図であり、図7(c)はプラズマディスプレイパネル1の表面(表示面)から見た図である。
【0019】
図7(a)は前面基板上に配列した走査電極7を基板端部に延伸し、外部と電気的に導通可能となった走査電極端子7aの部分の構造を示している。図7(b)は前面基板上に配列した維持電極3を基板端部に延伸し、外部と電気的に導通可能となった維持電極端子3aの部分の構造を示している。図7(c)は背面基板上に配列したアドレス維持電極5を基板端部に延伸し、外部と電気的に導通可能となったアドレス電極端子5aの部分の構造を示している。
なお、片方の基板(例えば前面基板)上に維持、走査及びアドレスの3電極全てを配置したパネル構造も知られている。
【0020】
プラズマディスプレイパネル1の点灯検査を行なう際には、プラズマディスプレイパネル1の行側、列側の端子部に、点灯検査用のコンタクトを接触させ、通電し、点灯させることにより、点灯検査を行なう。ここで、維持電極あるいは走査電極の電極ピッチは0.65mm程度であるのに対し、アドレス電極の端子ピッチは0.23mm程度であり、アドレス電極の端子ピッチのほうがはるかに小さい。
【0021】
図1に本発明の実施形態の例として、点灯検査装置100の全体構成を示し、図2〜図3にその要部構成を示す。但し、図1ではプラズマディスプレイパネル表示面から見た図である。図1において、プラズマディスプレイパネル1は、裏面において、プラズマディスプレイパネル保持機構11により保持され点灯検査装置100に設置されている。
【0022】
プラズマディスプレイパネル1の周辺端部には、列方向と行方向にそれぞれ電極を延伸させることにより、点灯検査装置100の駆動回路(21,22,24)と接続する電極3,5,7の端子3a,5a,7aが設けられている。点灯検査装置100にはまず、行方向の駆動回路21,22が設けられており、維持電極端子3a,走査電極端子7aと電気的に導通させる為のコンタクト部4とコンタクト部4を複数本まとめて保持した加圧機構2及びコンタクト部4と駆動回路21,22を電気的につなぐフレキシブルケーブル10、12が設けられている。
【0023】
さらに列方向の駆動回路24が設けられており、アドレス電極端子5aと電気的に導通させる為のコンタクト部6とコンタクト部6を保持した加圧機構8及びコンタクト部6と駆動回路24を電気的につなぐフレキシブルケーブル13とアドレスドライバ26が設けられている。
【0024】
但し、図1では、行方向の駆動回路21,22と電気的に接続する維持電極端子3a,走査電極端子7aは、プラズマディスプレイパネル1の下側(紙面垂直方向の下側)の面に露出している為、端子3a,7aとコンタクト部4、14はプラズマディスプレイパネル1の下側(紙面垂直方向の下側)の面で接触している。同様に、列方向の駆動回路24と電気的に接続するアドレス電極端子5aは、プラズマディスプレイパネル1の上側(紙面垂直方向の上側)の面に露出している為、端子5aとコンタクト部6はプラズマディスプレイパネル1の上側の面で接触している。
【0025】
上記のコンタクト部4、14、6を保持する為の機構2、15、8は、プラズマディスプレイパネル1の端子3a,5a,7aと外部を電気的に導通させる為のコンタクト部4、14、6を、加圧することにより接触保持し、導通させる構造となっている。
【0026】
プラズマディスプレイパネル1の行方向の維持電極端子3aと、外部と電気的に導通させる為のコンタクト部4は、維持電極端子3aが1本に対し、コンタクト部4が1本で接触し導通している。このコンタクト部4を保持する加圧機構2がプラズマディスプレイパネル1の行側の左端部に配置されている構造となっている。
【0027】
プラズマディスプレイパネル1の行方向の走査電極端子7aと、外部と電気的に導通させる為のコンタクト部14は、走査電極端子7aが1本に対し、コンタクト部14が1本で接触し導通している。このコンタクト部14を保持する加圧機構15がプラズマディスプレイパネル1の行側の右端部に配置されている構造となっている。
【0028】
尚、コンタクト部4、14を保持する加圧機構2、15は、コンタクト部4、14を所定の単位でまとめ保持することで、コンタクト部を独立させ、個々に取り付け、取り外しを行なうことが可能な構造になっている。但し、コンタクト部4、14をまとめる単位はこの具体例には限定されない。
【0029】
プラズマディスプレイパネル1の列方向のアドレス電極端子5aと、外部と電気的に導通させる為のコンタクト部6は、アドレス電極端子5aが複数本に対し、コンタクト部6が1本で接触し導通している。アドレス電極端子5aをまとめる単位は、ひとつのアドレスドライバ26に接続されるコンタクト部6の束となっている。なお、この場合、アドレスドライバ26はフレキシブルケーブル13と言い換えても良い。これによりコンタクト部6を保持する為の機構8は、アドレス電極端子5aを所定の単位でまとめ保持することで、コンタクト部を独立させ、個々に取り付け、取り外しを行なうことが可能な構造になっている。但し、アドレス端子5aをまとめる単位はこの具体例には限定されない。また、コンタクト部6を保持する加圧機構8はプラズマディスプレイパネル1の行側の下端部に配置されている構造となっている。
【0030】
この構造により行方向の電極3,7では端子3a,7aとコンタクト部4、14が1対1で対応して接続され、行ごとに駆動可能になっている。一方、アドレス電極5では複数のアドレス電極端子5aとコンタクト部6が対応して接続され、アドレスドライバ26ごとに駆動可能になっている。
【0031】
図2は図1の(A-1)、(A-2)を拡大した図であり、プラズマディスプレイパネル1の行側端子3a、7aと、駆動回路21とを電気的に導通させる為のコンタクト部4,14の詳細を示している。尚、図2は図1に対してプラズマディスプレイパネル1の裏面から見た図になっている。
【0032】
プラズマディスプレイパネル1の行方向の維持電極端子3aと、外部と電気的に導通させる為のコンタクト部4は、維持電極端子3aが1本に対し、コンタクト部4が1本で接触し導通している。さらにコンタクト部4を保持する加圧機構2がプラズマディスプレイパネル1の行側の端部に配置されている構造となっている。尚、加圧の構造については弾性部材を使用し、詳細説明は省略する。
【0033】
尚、プラズマディスプレイパネル1の走査電極端子7aと駆動回路22を電気的に導通させる為のコンタクト部14は走査電極端子7aが1本に対し、コンタクト部14が1本で接触し、維持電極端子側と左右対称の構造となっている。
【0034】
図3は図1の(B)を拡大した図であり、プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極端子5aと、駆動回路24とを電気的に導通させる為のコンタクト部6との接触部の詳細を示している。
【0035】
プラズマディスプレイパネル1の列方向のアドレス電極端子5aと、駆動回路24を電気的に導通させる為のコンタクト部6は、アドレス電極端子5aが複数本に対し、コンタクト部6が1本で接触し導通している。アドレス電極端子5aをまとめる単位は、ひとつのアドレスドライバ26に接続されるコンタクト部6の束となっている。また、コンタクト部6を保持する加圧機構8がプラズマディスプレイパネル1の列側の端部に配置されており、コンタクト部6にはそれぞれの束ごとにフレキシブルケーブル13を通してアドレスドライバ26が接続する構造となっている。但し、アドレス端子5aをまとめる単位はこの具体例には限定されない。
【0036】
尚、上記のアドレス電極5と外部を電気的に導通させる為のコンタクト部6は、不織布状もしくは織物状の布状金属、導電ゴム、もしくは金属シートであることを特徴としている。ここで、不織布状の金属は金属細線を接着材等によって重ね合わせたものであり、メッシュ状の金属に比してコストが安い。織物状の布状金属はメッシュ状の金属である。導電ゴムは例えば、シリコンゴム等を使用することが出来る。金属シートは銅等の柔らかい金属が使用される。
【0037】
次に、上記構成の点灯検査装置の動作について説明する。図1において、プラズマディスプレイパネル1を、プラズマディスプレイパネル保持機構11に装着し点灯検査する場合、行側のコンタクト部4,14を保持する加圧機構2,15と、列側のコンタクト部6を保持する加圧機構8を外部の装着機構により、プラズマディスプレイパネル1の行側と列側の端子部にそれぞれ装着する。この時、行側の端子3a,7aに対して行側のコンタクト部4,14を、端子1本とコンタクト部1本が精度よく接触できるように、一定の位置に位置決めされた状態で装着する必要がある。
【0038】
上記プラズマディスプレイパネル1の行側のコンタクト部4,14を保持する加圧機構2,15の装着に対し、列側のコンタクト部6を保持する加圧機構8の装着においては、アドレス電極端子5aと外部を電気的に導通させる為のコンタクト部6がアドレス電極端子5aを所定の束ごとにまとめて導通している為に、端子1本とコンタクト部1本が精度よく接触する必要がない。これにより細かい位置決めの精度と、精度を出す為の機構が不要となり、プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極5の狭小なピッチにあわせてコンタクト部を位置決めし接触させる為の制御ソフト、精密な位置決め機構にかかるコストを削減することが可能になる。
【0039】
以上の動作後、点灯信号がプラズマディスプレイパネル1に供給され、点灯表示が行われるが、従来の技術(特許文献1)では、プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極5の狭小なピッチにあわせてコンタクト部を位置決めし接触させることが困難であること、位置決めが可能となってもアドレス電極5と外部を電気的に導通させる為のコンタクト部6自身の精度を出すことが困難であること、コンタクト部6の変形といった理由により、プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極で不点灯、色ずれ等の表示不具合が生じてしまうが、本発明では上記問題点を解決し、プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極での不点灯、色ずれ等の表示不具合を無くすことが可能になる。
【0040】
点灯検査終了後は、行側のコンタクト部4,14を保持する加圧機構2,15と、列側のコンタクト部6を保持する加圧機構8を外部の装着機構により、プラズマディスプレイパネル1の行側と列側の電極端子部からそれぞれ取り外す。
【0041】
図5に本発明の実施形態の例として、プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極端子5aと、コンタクト部6を加圧する事で、駆動回路24と電気的に導通させる構造を示す。プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極端子5aを複数本まとめて駆動回路24に電気的に導通させる為のコンタクト部6は、コンタクト部6を保持する加圧機構(図1においては符号8、図5においては符号16)によって、プラズマディスプレイパネル1の列側の電極端子部に接触、保持されている。コンタクト部6にはそれぞれの束ごとにフレキシブルケーブル13を通してアドレスドライバ26が接続する構造となっている。
【0042】
図5においては、アドレス電極端子5aを複数本まとめて接触しているコンタクト部6を、プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極側全体で、1個の加圧機構16により保持し、導通させる構造となっている。
【0043】
図6は、図1に平面図として示すプラズマディスプレイパネル1のアドレス電極端子5aと、コンタクト部6を加圧する事で、駆動回路24と電気的に導通させる構造の側面図を示している。
【0044】
プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極端子5aを複数本まとめて駆動回路24に電気的に導通させる為のコンタクト部6は、コンタクト部6を保持する加圧機構8によって、プラズマディスプレイパネル1の列側の電極端子部に接触、保持されている。コンタクト部6にはそれぞれの束ごとにフレキシブルケーブル13を通してアドレスドライバ26が接続する構造となっている。
【0045】
次に図9に検査駆動波形の一例を示す。(a)〜(c)はそれぞれリセット期間から維持放電期間にX、Y、アドレスの各電極に印加する検査駆動波形を示している。
【0046】
まず、(a)(b)のX,Y電極に全セルに壁電荷を形成するY書き込み鈍波132とX電圧125が印加される。続いてセル内に形成された壁電荷を必要量残して消去するY補償鈍波133とX補償電圧126が印加される。
【0047】
次のアドレス期間において印加される電圧波形は行方向の表示するセルを決める放電を行なう走査パルス134と本放電により、電荷を形成するためのアドレスパルス200である。その後の表示期間には第1のサステインパルス128、135、繰り返しサステインパルス129、136、130、131、137、138が印加される。
【0048】
ここで、Y側の電極Y1〜Ynには異なる波形を印加する必要がある為、プラズマディスプレイパネルの行側に引き出された走査電極と、外部と電気的に導通させる為のコンタクト部は1対1で導通する必要がある。
【0049】
(c)のアドレス電極5にアドレス期間において印加される電圧波形は列方向の表示するセルを決める放電を行なうアドレスパルス200である。尚、アドレスパルスは行毎に印加される走査パルス134に合わせ、走査電極7とアドレス電極5の交点に位置する表示させたいセルに放電を起こすタイミングで印加される。ただし(c)のA1〜Anに示すように、アドレス電極は所定の束ごとにまとめて導通しており、少なくともアドレス電極の所定の束ごとには同じ駆動波形が印加されることになる。
【0050】
図8は、本実施例の、プラズマディスプレイパネル1の列側の端子つまりアドレス電極と、前記端子と外部を電気的に導通し、駆動を行う際の概略を表すブロック図である。アドレス電極を狭ピッチ化させたプラズマディスプレイパネルでは、アドレスパルスの立ち上がり時間が放電遅れによる画質に影響しやすい為、この前記アドレスパルスの立ち上がり方を点灯検査装置においても正確に再現させる必要がある。その為には、点灯検査装置における回路構成、駆動方法を、プラズマディスプレイパネルの製品と同様にする必要がある。
【0051】
本発明のアドレス電極端子部の概略を示すのが図8であるが、この端子束ごとのコンタクト部6を全部つなげた1本のバーのような構成にすると、アドレスドライバの素子の特性のばらつきにより、電位差が生じ、アドレス駆動回路が破損する可能性がある。逆にこの構成でアドレスドライバを外した場合、アドレスパルスの放電遅れの状態が、製品の回路と異なるため正確な画質の判定ができない問題が生じる。
【0052】
それに対して、本発明の構成(図8)では、ADMを破損させず、かつ製品と同様の回路構成と駆動波形となる為、アドレスパルスの立ち上がり方を点灯検査装置においても正確に再現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】プラズマディスプレイパネルの点灯検査装置における全体構成図である。
【図2】図1(A-1),(A-2)部の拡大図である。プラズマディスプレイパネルの維持電極3と走査電極7の、コンタクト部との接触部の詳細図である。
【図3】図1(B)部の拡大図である。
【図4】プラズマディスプレイパネルの回路構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【図5】プラズマディスプレイパネルのアドレス電極端子5aと、駆動回路を電気的に導通させる構造の例を示す斜視図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】一般的なプラズマディスプレイパネル端部の端子の構造である。
【図8】プラズマディスプレイパネル1のアドレス電極5と、外部を電気的に導通し、駆動を行う際の概略を表すブロック図である。
【図9】プラズマディスプレイパネルにおける駆動波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 プラズマディスプレイパネル
2 維持電極コンタクト加圧保持部
3 維持電極
3a 維持電極端子
4 維持電極側コンタクト部
5 アドレス電極
5a アドレス電極端子
6 アドレス電極側コンタクト部
7 走査電極
7a 走査電極端子
8、16 アドレス電極コンタクト加圧保持部
10維持電極側フレキシブルケーブル
11プラズマディスプレイパネル保持機構
12 走査電極側フレキシブルケーブル
アドレス電極側フレキシブルケーブル
走査電極側コンタクト部
走査電極コンタクト加圧保持部
21 X駆動回路
22 Y駆動回路
23 キャンドライバ
24 アドレス駆動回路
25 制御回路
26 アドレスドライバ
100 点灯検査装置
125、127 X電圧
126 X補償電圧
128、135 第1のサステインパルス
129、136 電荷の極性合わせパルス
130、131、137 繰り返しサステインパルス
132 Y書き込み鈍波
133 Y補償鈍波
134 走査パルス
200 アドレスパルス
221 X駆動回路
222 Y駆動回路
223 スキャンドライバ
224 アドレス駆動回路
225 制御回路
226 アドレスドライバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面基板には第1の配線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、前記前面基板の端部には前記第1の配線に対応する第1の端子が形成され、背面基板には第2の配線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記背面基板の端部には前記第2の配線に対応する第2の端部が形成されているプラズマディスプレイパネルの点灯検査装置であって、
前記点灯検査装置は、前記第1の端子と接触する第1のコンタクト部と、前記第2の端子と接触する第2のコンタクト部を有し、
前記第1のコンタクト部は前記第1の端子の各々と別々に接触する構成であり、前記第2のコンタクト部は、前記第2の端子の全数ではない複数とまとめて接触する構成であることを特徴とする点灯検査装置。
【請求項2】
前記全数ではない複数は、前記第2の端子に接続するフレキシブルケーブルと接続する電極の数に等しいことを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項3】
前記第2のコンタクト部は不織布状の金属で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項4】
前記第2のコンタクト部は織状の金属で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項5】
前記第2のコンタクト部は導電性ゴムで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項6】
前記第2のコンタクト部は金属シートで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項7】
前面基板には第1の配線が第1の方向に延在して第2の方向に配列し、前記前面基板の端部には前記第1の配線に対応する第1の端子が形成され、背面基板には第2の配線が第2の方向に延在して第1の方向に配列し、前記は前記背面基板の端部には前記第2の配線に対応する第2の端部が形成されているプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記プラズマディスプレイパネルは点灯検査工程を含み、
前記点灯検査工程において、
前記第1の端子には個別に動作信号を供給し、前記第2の端子には、前記第第2の端子の全数ではない複数の端子に同時に同じ動作信号を供給することによって点灯検査することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項8】
前記全数ではない複数は、前記第2の端子に接続するフレキシブルケーブルと接続する電極の数に等しいことを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−117429(P2010−117429A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288890(P2008−288890)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】