説明

プラズマディスプレイ装置、プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

【課題】排気特性・ジッタ放電特性向上したプラズマディスプレイを提供。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルは、互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁を含み、前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁の誘電率は、低い高さを持つ隔壁の誘電率よりさらに低いことを特徴とする。さらに前記ロウ隔壁とカラム隔壁の高い隔壁は、低い隔壁の誘電率より低い誘電率を持って、誘電率が異なる少なくとも二つ以上の隔壁材から成ることを特徴とする。 またプラズマディスプレイパネルの製造方法は、(a)ガラスに形成された誘電体上部にロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストを塗布する段階、(b)前記ロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストを露光して所定のパターンを持つロウ隔壁及びカラム隔壁を形成する段階と、(c)前記カラム隔壁上部に前記カラム隔壁ペーストの誘電率より低い誘電率を持つ隔壁材が所定高さ形成される段階を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルに関し、より詳しくは、プラズマディスプレイパネルの放電セルを区切る隔壁を改善して放電效率を向上できるプラズマディスプレイ装置、プラズマディスプレイパネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プラズマディスプレイパネルは前面パネルと背面パネルの間に形成された隔壁が一つの放電セルを成して、各セル内にはネオン(Ne)、ヘリウム(He)またはネオンとヘリウムの混合気体(Ne+He)のような主放電気体と少量のキセノンを含む不活性ガスが充電されてある。高周波電圧によって放電する時、不活性ガスは真空紫外線(Vacuum Ultraviolet Rays)を発生して、隔壁の間に形成された蛍光体を発光させて画像が具現される。 このようなプラズマディスプレイパネルは、薄く軽い構成が可能なので次世代表示装置として脚光を浴びている。
【0003】
図1は、従来のプラズマディスプレイパネルの構造を示す斜視図である。図1を参照すれば、従来のプラズマディスプレイパネル100は、前面ガラス10上にスキャン電極11及びサステイン電極12が形成された前面基板と、背面ガラス20上にアドレス電極22が形成された背面基板が一定な間隔を置いて合着される。
【0004】
前面基板は、前面ガラス10にスキャン電極11とサステイン電極12それぞれが透明電極11a、11b、例えば、インジウムティンオキサイド(Indium−Tin−Oxide: ITO、11a、12a)で形成されて、且つ、スキャン電極11とサステイン電極12それぞれには抵抗を減らすための金属バス電極(11b、12b)が形成される。スキャン電極11とサステイン電極12が形成された上部基板10には、上部誘電体層13aと保護膜14が積層される。上部誘電体層13aには、プラズマ放電の時発生された壁電荷が蓄積される。保護膜14は、プラズマ放電の時発生されたスパッタリング(sputtering)による上部誘電体層13aの損傷を防止することと共に、2次電子の放出效率を高める。保護膜14には、通常、酸化マグネシウム(MgO)が利用される。
【0005】
背面基板は、アドレス電極22が形成された背面ガラス20上に下部誘電体層13b、隔壁21が形成されて、下部誘電体層13bと隔壁21の表面には蛍光体層23が塗布される。アドレス電極22は、スキャン電極11及びサステイン電極12と交差される方向に形成される。隔壁21は、アドレス電極22と並んで形成されて、放電によって生成された紫外線及び可視光が隣接した放電セルに漏洩することを防止する。蛍光体層23は、プラズマ放電の時発生された紫外線によって励起されて、赤色、緑色または青色の中で何れ一つの可視光線を発生するようになる。前面基板と下部基板の間の隔壁21に区画された放電セルの放電空間には、放電のためのHe+XeまたはNe+Xeなどの不活性混合ガスが注入される。
【0006】
一方、背面基板の上に複数個の放電空間すなわち、放電セルを形成させるための隔壁21は、その構造によってストライブ(stripe)タイプとウェル(well)タイプに分けられる。このような隔壁21構造は、輝度特性、排気特性及び蛍光体塗布面積などを考慮して多様に設計される。
【0007】
図2乃至図4は、従来のプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す。
【0008】
図2は、背面ガラス20上の下部誘電体層13b上部に形成された隔壁21が一列に配列されたストライブタイプの構造である。隔壁21は、バス電極と透明電極から成るスキャン電極(図示せず)及びサステイン電極(図示せず)に対して略垂直に配列される。このようなストライブタイプの隔壁構造は、バス電極が放電空間上に露出して背面ガラス20のアドレス電極との相互作用が円滑で製造工程が簡単である。しかし、放電の時に発生された可視光がその隔壁のストライプ方向に漏洩するようになる短所があり、蛍光体印刷及び排気は容易であるが、隣接セルに影響を与える誤放電と蛍光体塗布面積が小さくて発光效率が高くない短所がある。
【0009】
一方、図3は、背面ガラス20上の下部誘電体層13b上部に形成された隔壁が格子型を持つウェルタイプの構造である。図示するように、隔壁21は、バス電極と透明電極から成るスキャン電極(図示せず)及びサステイン電極(図示せず)に対して略水平または略垂直に配列される。このようなウェルタイプの隔壁構造は、各放電セルの蛍光体塗布面積が大きくて輝度を増加させることができ、すべての方向でのクロストーク(Cross−talk)を防止することができるが、製造工程が難しく、プラズマディスプレイパネル製造工程の中で排気工程で不純ガスが外部に容易に排気できない問題点を持っている。
【0010】
このようなウェルタイプ隔壁構造の排気特性を進めるために、従来には、図4のように、放電セルを区切る第1隔壁21aと第2隔壁21bの間に高さの差を設けて、排気特性を向上させようとした。しかし、このような隔壁構造は、プラズマディスプレイパネルの排気特性は向上し得るが、放電セルを区切る第1隔壁21aと第2隔壁21bの間の誘電率に差があって不安定な放電を惹起させる問題点がある。
【0011】
なおかつ、スキャン及びサステイン電極を構成するバス電極がパネルの行方向での隔壁上に位置する場合、下部基板に形成されたアドレス電極との相互作用が円滑ではなく、ジッタ(Jitter)特性が良好にならない。すなわち、アドレス電極とバス電極との間に、実際には回路の駆動には使われない無效電力が発生するようになって、電力損失を惹起させるようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような問題点を解決するための発明であり、その目的は、プラズマディスプレイパネルの隔壁を改善して排気特性及びジッタ特性だけでなく放電特性を向上できるプラズマディスプレイパネル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を果たすための本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルはお互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁に区画された放電セルを含み、ロウ隔壁とカラム隔壁の中高い高さを持つ隔壁の誘電率は低い高さを持つ隔壁の誘電率よりさらに低いことを特徴とする。
【0014】
ロウ隔壁とカラム隔壁の中高い高さを持つ隔壁はカラム隔壁であることを特徴とする。
【0015】
ロウ隔壁とカラム隔壁の中高い高さを持つ隔壁上部にブラック層が形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルはお互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁に区画された放電セルを含み、ロウ隔壁とカラム隔壁の中高い高さを持つ隔壁は誘電率が異なる少なくとも二つ以上の隔壁材から成ることを特徴とする。
【0017】
ロウ隔壁とカラム隔壁の同一高さ部分は等しい第1誘電率を持つ隔壁材から成り、ロウ隔壁とカラム隔壁間の高さの差部分は第1誘電率より低い第2誘電率を持つ隔壁材から成ることを特徴とする。
【0018】
第2誘電率を持つ隔壁材はブラック物質を含むことを特徴とする。
【0019】
ロウ隔壁とカラム隔壁の中高い高さを持つ隔壁はカラム隔壁であることを特徴とする。
【0020】
本発明によるプラズマディスプレイパネルの製造方法はロウ(row)隔壁とカラム(column)隔壁に区画された放電セルを含み前記ロウ隔壁とカラム隔壁が形成される過程は(a)ガラスに形成された誘電体上部にロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストを塗布する段階、 (b)前記ロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストにロウ隔壁及びカラム隔壁のパターンを形成する段階、及び(c)前記カラム隔壁上部に前記ロウ隔壁ペーストの誘電率より低い誘電率を持つ隔壁材が所定高さ位形成される段階を含む。
【0021】
ロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストにパターンが形成されて成り立ったロウ隔壁及びカラム隔壁は等しい高さであることを特徴とする。
【0022】
カラム隔壁上部に前記カラム隔壁の誘電率より低い誘電率を持つ隔壁材が所定高さ位形成されることは直接ペトンニング法から成ることを特徴とする。
【0023】
直接パターニング法はパターン印刷法、インクジェット法、ディスフェンシング法の中で何れの一つのを特徴とする。
【0024】
本発明のプラズマディスプレイパネルは、第1の高さを有し、第1の誘電率を有する第1隔壁と、前記第1の高さよりも高い第2の高さを有し、前記第1の誘電率よりも低い第2の誘電率を有する第2隔壁と、を備えることを特徴とする。
【0025】
また、別の本発明のプラズマディスプレイパネルは、第1の高さを有し、第1の誘電率を有する第1隔壁と、前記第1の高さよりも高い第2の高さを有し、前記第1の誘電率よりも低い第2の誘電率を有する第2隔壁とを備える。そして、前記第2隔壁は、誘電率が異なる少なくとも二つ以上の隔壁材からなること特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
以上で見るように、本発明はプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を改善して排気特性が改善して、無效電力の原因になるジッタ特性を進めて電力損失を防止することができる效果がある。
【0027】
また、プラズマディスプレイパネル駆動の時アドレス放電による輝度が向上してコントラスト特性を進めることができる效果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下では添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳しく説明する。
<第1実施形態>
図5は、本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す斜視図である。図5を参照する前に、図面に示さないが本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルは、従来と同じく画像が表示される表示面の前面基板と、背面を成す背面基板とが一定間隔を置いて合着されて形成される。
【0029】
前面基板は、前面ガラス上部にスキャン電極とサステイン電極が対を成して形成された維持電極が具備されて、スキャン電極及びサステイン電極が平行に配列された前面ガラス上部には上部誘電層が積層されて放電電流を制限する。また、上部誘電層には、プラズマ放電の時発生されるスパッタリング(sputtering)で上部誘電層の損傷防止と共に、2次電子の放出效率を高めるための酸化マグネシウム(MgO)を蒸着した保護層が形成される。
【0030】
背面基板は、前面ガラス上部に平行に配列された維持電極と交差する方向に背面ガラス上部に於いてアドレス電極が具備されて、アドレス電極上部には壁電荷蓄積のための下部誘電層が形成される。また、下部誘電層上には放電セルを区切る隔壁が形成されて、放電セル空間には蛍光層が塗布されて放電の時R(赤色)、G(緑色)、B(青色)中何れか一つの色を持つ可視光線を発生するようになる。
【0031】
このような構造を持つ本発明のプラズマディスプレイパネルに形成された隔壁は、図5で示すように、背面ガラス200上の下部誘電体層130b上部にロウ隔壁(row rib、210a)と、カラム隔壁(column rib、210b)とに囲まれて、放電セルを区切るウェルタイプから成り、ロウ隔壁210aとカラム隔壁210bは互いに異なる高さを持つ。
【0032】
この時、ロウ隔壁210aとカラム隔壁210bとは、互いに異なる誘電定数(誘電率)を持つ材質の隔壁材から成るが、ロウ隔壁210aの静電容量とカラム隔壁210bの静電容量は等しく形成される。すなわち、ロウ隔壁210aとカラム隔壁210bのうち、高い高さを持つ隔壁は、相対的に低い高さを持つ隔壁より低い誘電定数を持つ材質から成るが、ロウ隔壁の静電容量とカラム隔壁の静電容量は等しく形成される。ここで、ロウ隔壁210aは、同一色の蛍光体例えば、Rだけの蛍光体、Gだけの蛍光体あるいはBだけの蛍光体が塗布された放電空間で一つの単位ピクセルで区切るための隔壁であり、一方、カラム隔壁210bは、R、G、B蛍光体が塗布された放電空間でR、G、B蛍光体間のそれぞれを分離して単位ピクセルで区切るための隔壁を言う。
【0033】
ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁の材質は、通常的に使われる酸化Pb(PbO)を含んだフリッとガラス(Frit Glass)とアルミナ(Al)及びその他酸化物で構成されて、相対的に低い高さを持つ隔壁の材質は、酸化Pb(PbO)やその他酸化物の中で二酸化チタン(TiO)のような誘電率を高める酸化物を除いて構成される。この時、プラズマディスプレイパネルのコントラスト特性が向上するようにロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁上部にブラック層が形成されることが望ましい。ブラック層の材質は従来前面基板にコントラスト特性を進めるために形成されたブラックマットリックスの材質と等しい物質ならば充分である。
【0034】
したがって、本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルは、従来互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁の構造を持つプラズマディスプレイパネル駆動の時、ロウ隔壁とカラム隔壁間の誘電率の差によって発生される放電セルの異常放電及び誤放電のような不安定な放電を防止することができるようになる。
【0035】
一方、上述したように、互いに異なる高さを持つロウ隔壁210aとカラム隔壁210bは放電特性だけでなく排気特性を進めるが、ロウ隔壁210aとカラム隔壁210bに区画された放電セルに蛍光体塗布の時、目的以外の放電セルに蛍光体が塗布されてすなわち、蛍光体粘度特性によって目的の放電セル以外の隣接した放電セルに流れこんで蛍光体混色を起こす可能性がある。したがって、R、G、B蛍光体が塗布された放電空間でR、G、B蛍光体間のそれぞれを分離するカラム隔壁210bが、ロウ隔壁210aより高い高さの構造を持つように形成されることが望ましい。
【0036】
このような構造を持つ本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルは、隔壁を製造するにおいて通常的に使うサンドブルラスティング法やエッチング法で製作されることができるが、互いに異なる材質の隔壁材を使うという点を考慮すればマスクを利用したスクリーン印刷法で製作されることが望ましい。
<第2実施形態>
図6は、本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す斜視図である。図面に示されていないが、本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルも、上述した本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルの構造と等しく形成される。ただし、本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルに形成された隔壁は、図6に示すように、背面ガラス200’上の下部誘電体層130b’上部にロウ隔壁(row rib、210a’)と、カラム隔壁(column rib、210b’)は、これらによって囲まれて放電セルを区切るウェルタイプ(Well Type)から成り、ロウ隔壁210a’とカラム隔壁210b’は、互いに異なる高さを持つ。この時、ロウ隔壁210a’とカラム隔壁210b’は、互いに異なる誘電定数を持つ材質の隔壁材から成る。すなわち、ロウ隔壁210a’とカラム隔壁210b’のうち高い高さを持つ隔壁は、相対的に低い高さを持つ隔壁の誘電率により、さらに低い誘電率値を持って、高い高さを持つ隔壁は誘電率が異なる少なくとも二つ以上の隔壁材から成る。
【0037】
望ましくは、隔壁が形成される下部誘電層130b’に上部誘電層(図示せず)方向でのロウ隔壁210a’と、カラム隔壁の同一高さ部分(210b)は等しい第1誘電率を持つ隔壁材から成り、ロウ隔壁210a’とカラム隔壁間の高さの差(210b)を持つ部分は第1誘電率より低い第2誘電率を持つ隔壁材から成る。この理由は、後述するプラズマディスプレイパネル製造方法の時、隔壁製造工程で工程の便宜性を加えて生産収率を進めるためである。
【0038】
等しい第1誘電率を持つ隔壁材の材質は、通常的に使われる酸化Pb(PbO)を含んだプリッガラス(Frit Glass)とアルミナ(Al2O3)及びその他酸化物で構成される。第1誘電率より低い第2誘電率を持つ隔壁材の材質は、酸化Pb(PbO)やその他酸化物の中で二酸化チタン(TiO2)のような誘電率を高める酸化物を除いて構成される。この時、プラズマディスプレイパネルのコントラスト特性が向上するように第2誘電率を持つ隔壁材にブラック物質を含まれることが望ましいである。ブラック物質は、前面基板にコントラスト特性を進めるために形成されたブラックマットリックスの材質と等しい物質ならば充分である。
【0039】
したがって、本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルは従来互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁の構造を持つプラズマディスプレイパネル駆動の時、ロウ隔壁とカラム隔壁間の誘電率の差によって発生される放電セルの異常放電及び誤放電のような不安定な放電を防止することだけではなくコントラスト特性を進めることができるようになる。
【0040】
一方、上述したように、互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁は、放電特性だけでなく排気特性を進めるが、ロウ隔壁とカラム隔壁に区画された放電セルに蛍光体塗布の時、目的以外の放電セルに蛍光体が塗布される可能性がある。すなわち、蛍光体粘度特性によって、願わない隣りした放電セルで流れこんで蛍光体混色を起こすことができる。したがって本発明の第1実施形態と同じくR、G、B蛍光体が塗布された放電空間でR、G、B蛍光体の間それぞれを分離するカラム隔壁210b’がこのロウ隔壁210a’の高さより高い構造を持つように形成されることが望ましい。
【0041】
本発明によるプラズマディスプレイ装置は、上述したプラズマディスプレイパネルを駆動するための駆動部(図示せず)を含んで成り、プラズマディスプレイパネルに形成された隔壁構造は上述したところのようである。
【0042】
このような本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルの製造方法において、隔壁が形成される過程は次の図7a乃至図7eのようである。
【0043】
図7aないし図7eは、本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおいて、隔壁製造方法を順次に示す図である。
【0044】
先ず、図7aに示すように、電極(図示せず)が実装された背面ガラス200’上に下部誘電体130b’を形成して、下部誘電体130b’上には所定の厚さを持つ隔壁用ペースト210’を印刷法やコーティング法などで形成する。
【0045】
この後、隔壁用ペースト上にドライフィルムレジン(Dry Film Resin;以下、DFRとする、211’)を、ラミネイティング工程を通じて形成して、 DFR上に所定のパターンを持つフォトマスク212’を整列して、UVのような光を照射させる露光工程を行う。
【0046】
以後、図7bのように、DFR211’露光工程後、現像工程を実施する。このような現像工程によって、光に露出しない領域(以下’未露光領域’とする)のDFR211’は隔壁用ペースト210’上に残る一方、光に露出した領域(以下‘露光領域’とする)のDFR211’は蝕刻されて除去される。
【0047】
以後、図7cのように、現像工程を経た隔壁用ペースト210’及びDFR211’上に、サンドブラスティング装置212’が位置されて駆動されることで、サンド粒子を隔壁用ペースト210’に噴射する。この時、サンド粒子のスパッタリング(sputtering)によって、隔壁用ペースト210’が削られる一方、隔壁にあたるペースト210’はDFR211’パターンによって保護される。
【0048】
この後、図7dのように、 DFR211’によって保護されて形成された隔壁210’に剥離工程を実施して、等しい高さのロウ隔壁210a’とカラム隔壁210b’を形成する。一方、本発明のロウ隔壁210a’とカラム隔壁210b’は、図7a乃至図7dのように、隔壁ペースト上部にDFRを形成して露光をすることで所定のパターンを持つロウ隔壁及びカラム隔壁を形成することができるが、これとは異なり、隔壁ペースト自体に感光性物質を包含させて露光工程を通じてロウ隔壁及びカラム隔壁を形成することもできる。すなわち、ロウ隔壁及びカラム隔壁にパターンを形成する工程は、露光工程だけでなくパターンを形成させることができる工程なら、どのような工程でも使用できる。
【0049】
この後、図7eのように、カラム隔壁210b上部に、より低い誘電率を持つ隔壁材210b)が直接パターニング法で所定高さ形成される。ここで、直接パターニング法と言うのは、スクリーン印刷法のようにパターンマスクのような補助手段を利用してパターンを形成しないで、隔壁ペーストをインクジェット装置のノズルやデぃすペンシング装置のノズルを通じて、隔壁上部に直接塗布する方法を言う。したがって、カラム隔壁上部に、より低い誘電率を持つ隔壁材を形成させる方法は、直接塗布する直接パターニング法ならばすべて可能だが、望ましくは、インクジェット法、ディスペンシング法の中で何れか一つの方法を使って形成するようにする。もちろん、スクリーン印刷法も使うことができる。
【0050】
図8は、本発明の第1及び第2実施形態によるプラズマディスプレイパネル駆動の時、アドレス区間で現われるジッタ特性を示す。図9は、本発明の第1及び第2実施形態によるプラズマディスプレイパネル駆動の時、アドレス区間で起きる放電による輝度特性を示す。図8及び図9で見るのように、本発明の第1実施形態及び第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルは、アドレス区間でのジッタ特性や、アドレス放電の時現われる輝度特性が皆向上することが分かる。
【0051】
したがって、本発明の第1実施形態及び第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルによれば、コントラスト特性を向上できるようになる。
【0052】
上述したところのように、本発明の技術的構成は、本発明が属する技術分野の当業者が本発明のその技術的思想や必須特徴を変更しなくても他の具体的な形態で実施することができるということを理解することができるはずである。
【0053】
したがって、以上で記述した実施形態はすべての面で例示的なことで限定的なのではないこととして理解されなければならないし、本発明の範囲は詳細な説明よりは特許請求範囲によって現わされて、特許請求範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれることに解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】一般的なプラズマディスプレイパネルの構造を示す図。
【図2】従来のプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す図。
【図3】従来のプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す図。
【図4】従来のプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す図。
【図5】本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルの隔壁構造を示す斜視図。
【図7a】本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおいて、隔壁製造方法を順次に示す図。
【図7b】本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおいて、隔壁製造方法を順次に示す図。
【図7c】本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおいて、隔壁製造方法を順次に示す図。
【図7d】本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおいて、隔壁製造方法を順次に示す図。
【図7e】本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおいて、隔壁製造方法を順次に示す図。
【図8】本発明の第1及び第2実施形態によるプラズマディスプレイパネル駆動の時、アドレス区間で現われるジッタ特性を示す図。
【図9】本発明の第1及び第2実施形態によるプラズマディスプレイパネル駆動の時、アドレス区間で起きる放電による輝度特性を示す図。
【符号の説明】
【0055】
200’:背面ガラス 210’:隔壁用ペースト
211’:ドライフィルムレジン 212’:フォトマスク
213’:サンドブルラスティング装置 210a’:ロウ隔壁
210B’:カラム隔壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁を含み、前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁の誘電率は、低い高さを持つ隔壁の誘電率よりさらに低いことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁はカラム隔壁であることを特徴とする、請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁上部にブラック層が形成されることを特徴とする、請求項1または2記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁に区画された放電セルを含み、前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁は、低い高さを持つ隔壁の誘電率より低い誘電率を持って、
前記高い高さを持つ隔壁は、誘電率が異なる少なくとも二つ以上の隔壁材から成ることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁の同一高さ部分は、等しい第1誘電率を持つ隔壁材から成り、
前記ロウ隔壁とカラム隔壁間の高さの差部分は、前記第1誘電率より低い第2誘電率を持つ隔壁材から成ることを特徴とする、請求項4記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第2誘電率を持つ隔壁材はブラック物質を含むことを特徴とする、 請求項5記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁は、カラム隔壁であることを特徴とする、請求項4または5記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁を含み、
前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁の誘電率は、低い高さを持つ隔壁の誘電率よりさらに低いことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁は、カラム隔壁であることを特徴とする、請求項8記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁の中高い高さを持つ隔壁上部にブラック層が形成されることを特徴とする、請求項8または9記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項11】
互いに異なる高さを持つロウ隔壁とカラム隔壁に区画された放電セルを含み、前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁は、低い高さを持つ隔壁の誘電率より低い誘電率を持って、
前記高い高さを持つ隔壁は、誘電率が異なる少なくとも二つ以上の隔壁材から成ることを特徴とする、プラズマディスプレイ装置。
【請求項12】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁の同一高さ部分は、等しい第1誘電率を持つ隔壁材から成り、
前記ロウ隔壁とカラム隔壁間の高さの差部分は、前記第1誘電率より低い第2誘電率を持つ隔壁材から成ることを特徴とする、請求項11記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項13】
前記第2誘電率を持つ隔壁材はブラック物質を含むことを特徴とする、 請求項12記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項14】
前記ロウ隔壁とカラム隔壁のうち高い高さを持つ隔壁は、カラム隔壁であることを特徴とする、請求項11または12記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項15】
ロウ(row)隔壁とカラム(column)隔壁に区画された放電セルを含むプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
前記ロウ隔壁とカラム隔壁が形成される過程は、
(a)ガラスに形成された誘電体上部にロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストを塗布する段階と、
(b)前記ロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストにロウ隔壁及びカラム隔壁のパターンを形成する段階と、
(c)前記カラム隔壁上部に前記カラム隔壁用ペーストの誘電率より低い誘電率を持つ隔壁材が所定高さ形成する段階と
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項16】
前記ロウ隔壁用及びカラム隔壁用ペーストにパターンが形成されてから成るロウ隔壁及びカラム隔壁は等しい高さであることを特徴とする、 請求項15記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項17】
前記カラム隔壁上部に前記カラム隔壁用ペーストの誘電率より低い誘電率を持つ隔壁材を所定高さ形成する段階は、直接パターニング法によって形成することを特徴とする、請求項15記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項18】
前記直接パターニング法は、インクジェット法、ディスペンシング法の中で何れか一つであることを特徴とする、請求項17記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項19】
第1の高さを有し、第1の誘電率を有する第1隔壁と、
前記第1の高さよりも高い第2の高さを有し、前記第1の誘電率よりも低い第2の誘電率を有する第2隔壁と、
を備えることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
【請求項20】
第1の高さを有し、第1の誘電率を有する第1隔壁と、
前記第1の高さよりも高い第2の高さを有し、前記第1の誘電率よりも低い第2の誘電率を有する第2隔壁とを備え、
前記第2隔壁は、誘電率が異なる少なくとも二つ以上の隔壁材からなること特徴とする、プラズマディスプレイパネル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【公開番号】特開2006−216525(P2006−216525A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219918(P2005−219918)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(590001669)エルジー電子株式会社 (296)
【Fターム(参考)】