説明

プラズマディスプレイ装置

【課題】蛍光体を用いて構成されるプラズマディスプレイパネル装置において、信頼性および色再現性を向上させる。
【解決手段】プラズマディスプレイパネル100は、放電により紫外線を発生する放電ガスと、紫外線によって励起されて発光する蛍光体を含有する蛍光体層10とを備えており、前記蛍光体は、下記の一般式(1)で表されるEu賦活ケイ酸塩系蛍光体に、AlとGaとYとGdとからなる群より選択された一種以上の元素を添加元素として含んで構成された蛍光体であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
M13-yM2Si2O8:Euy (1)
(ただし式中、M1はBaとCaとSrとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群から選択された1種以上の元素であり、yは0.001≦y≦0.2である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置に関し、特に真空紫外領域の紫外線により励起されて発光するEu賦活ケイ酸塩蛍光体を用いたプラズマディスプレイパネルを発光装置として構成されたプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、TVやパソコンのモニターに代表される表示装置に対し、設置スペースを大きくとる必要がない薄型化への要望が高まりを見せている。そしてこのような薄型化への対応が可能な表示装置として、発光装置にブラウン管などに比べて薄型であるプラズマディスプレイパネル(以下PDP)を使用し、このPDPを駆動する駆動装置を伴って画像表示が可能なように構成されたプラズマディスプレイ装置や、発光装置に蛍光ランプを使用し液晶表示パネルと組み合わせて画像を表示する液晶表示装置などが注目されている。
【0003】
プラズマディスプレイ装置を構成するPDPは、希ガスを含む微小放電空間での負グロー領域で発生する紫外線(希ガスとしてXe(キセノン)を使用した場合、その主発光の中心波長は146nmおよび172nm)を励起源として該微小放電空間内に配設した蛍光体層中の蛍光体を励起し、該蛍光体からの発光を促すことにより、可視領域での発光を得るものである。プラズマディスプレイ装置は、PDPにおけるこの発光の量と色とを制御して表示に使用する。
【0004】
最近、プラズマディスプレイ装置に対しては、特にTV用表示機能を満足するための高輝度化、高発光効率化が求められている。また、映画などのような動画コンテンツを視聴者が心地よく鑑賞するための動画特性の向上や、美しい画像を楽しむためにNTSC(National Television System Committee)比100%以上の広い色再現範囲の確保が求められている。さらに、長時間の視聴使用が可能となるような信頼性の向上なども求められている。
【0005】
こうした要求に応え、プラズマディスプレイ装置の高性能化を進めるためには、プラズマディスプレイ装置を構成するPDPの高性能化が必須である。すなわち、PDPが、TV用表示機能に対応するための高輝度化、そしてその高輝度化を達成するための高発光効率化や、動画特性向上に対応するための応答性能の向上、色再現範囲の拡大、さらに信頼性の向上などの要求に応えていく必要がある。
【0006】
PDPの性能向上と特性の改善には、その設計および構造の改善、並びにPDPを構成する部材の性能向上の果たす役割が大きい。そして、色再現性能の向上や信頼性の向上に関しては、構成部材の中で、特に蛍光体に依存するところが大きい。従って、蛍光体に対しては、発光効率の向上、発光における応答特性の向上および色再現性の確保が強く求められる。そしてさらに、耐劣化性能の向上、ひいては信頼性の向上が強く求められる。
【0007】
現行のカラーPDPの蛍光体には、赤(R)、青(B)、緑(G)3色の発光に対応する蛍光体、すなわち、赤色発光蛍光体、青色発光蛍光体および緑色発光蛍光体が使用されている。そして、青色発光蛍光体としては、一般にEu賦活アルミン酸塩蛍光体(BaMgAl10O17:Eu、以下BAM)が使用されている。このBAMは、効率などの発光特性には優れるが、劣化し易いために信頼性が低く、短寿命であることから、安定性の向上と長寿命化を実現することが求められている。また今後デジタルハイビジョンの普及にあわせて、ハイビジョンの規格であるHDTV規格の色度範囲をカバーする必要がある。この規格では青色の色度y値(0.06)はNTSCの色度y値(0.08)よりも小さく、青色蛍光体に対する要求としてよりy値を小さくすること、すなわちより深い青色が求められている。より深い青色が実現できればプラズマディスプレイ装置の色再現範囲を広げることができ、より多様な色を表現できる。
【0008】
また、現在、蛍光体材料の高性能化の検討と併行して、PDPの技術分野においては、PDPの高発光効率化を目的とするパネル構造の改善検討が進められている。
【0009】
その具体的な一つの方法として、放電ガス中の含有キセノンの組成比を増加させ、放電により発生するXe2分子線(波長172nm)を積極的に利用しようとする技術の検討が盛んになされている。このような技術の方向性は、PDPにおける所謂「高キセノン濃度化」技術のトレンドと称されている。この「高キセノン濃度化」技術においては、通常、放電ガス中のXe組成比が4%程度よりも多くなるXe組成比領域で、PDPの高効率化を達成する検討がなされている。
【0010】
このような状況の下、従来の青色発光蛍光体であるBAMに比べて高信頼・長寿命の青色発光蛍光体として、ケイ酸塩系蛍光体が提案されている。具体的には、Ca1-xMgSi2O6:Eux(以下、CMS)(特許文献1参照)や、Sr3-xMgSi2O8:Eux(以下、SMS)(特許文献2参照)、そしてSMSをベースにしてその母体骨格成分の一部をBaで置換した(BaxSr1-x)3-yMgSi2O8:Euy(以下、BSMS)の使用が提案されている(特許文献3参照)。
【0011】
上記CMSは、146nmの波長域にある紫外線を励起源とした場合、比較的高輝度であり、色純度も良好である。ところが、励起特性として、波長160nm〜210nmにおいては、励起帯が殆ど存在しないことが知られている。従って、PDPで重要な172nm付近の真空紫外線(Xe2分子線)による励起によって起こる発光の強度が著しく低い。すなわち、CMSは、PDP高効率化の技術トレンドに対し、増大する172nmの波長を有するXe2分子線に対する発光効率が低いため、十分な輝度向上の効果、効率向上の効果が得られない。よって、CMSは、現状での輝度不足の指摘に加え、今後のPDPの高効率化技術トレンドを視野に入れた場合でも、実用化にはもう一段の改善、特に172nm波長励起帯での発光効率改善が必要とされる。
上記特許文献2および3において開示されているケイ酸塩蛍光体SMSおよびBSMSは、波長146nmの光励起条件で高輝度特性を示し、加えて波長172nmの光励起条件でもCMSと比較して良好な発光効率を示すことから、今後有望な新規蛍光体である。
【0012】
一方、PDPの製造においては、蛍光体および有機物を主成分として含有する蛍光体ペーストを基板に塗布後、例えば300℃〜600℃の温度範囲で熱処理をして蛍光体層を得る工程がある。しかしながらSMS系蛍光体では、この蛍光体ペーストの熱処理の影響によるためか、蛍光体層の輝度および色度が十分ではなかった。特許文献2においてSMSに対し蛍光体合成後酸化雰囲気中での熱処理を加えEu3+の存在比を意図的に増加させ、蛍光体結晶中に存在する酸素欠陥を減少させることにより上記の工程劣化および駆動劣化の改善を試みている。
【0013】
【特許文献1】特開2002−332481号公報
【特許文献2】特開2003−336048号公報
【特許文献3】特開2006−12770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献2にある方法では、酸化処理を行いEu3+の存在比を増加させた場合の副作用として以下のことが考えられる。Eu3+を発光中心として用いた蛍光体の多くはY2O3:Eu3+や(Y,Gd)BO3:Eu3+のように赤色に発光することが知られている。したがってEu3+が増加することはSMSの青色発光にEu3+由来の赤色発光が混ざることとなり、色純度が悪化する。これはHDTVの規格を満たす高品質なプラズマディスプレイ装置を構成する蛍光体としては好ましくない。また、蛍光体合成上のプロセスが増えることとなり好ましくない。したがって、色純度を悪化させず、また従来の蛍光体合成工程を変更することなく工程劣化の改善を行う必要がある。また特許文献3においてBSMSに対し工程劣化改善の観点では特に検討を行っていないことから、検討の余地は残っていると考えている。
【0015】
したがって本発明の目的は172nm励起において高い発光効率を示し、かつ蛍光体合成後の水洗工程や蛍光体ペーストの熱処理に対して、輝度の低下および色度の悪化の少ない蛍光体を用い、放電ガスにおけるXe濃度を高濃度化したプラズマディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは上記の課題を解決すべく、BSMSやSMSなどのSMS系蛍光体の劣化改善について鋭意研究を重ねた結果、SMS系蛍光体に3価イオンとなる元素を構成元素として組み込むことで、蛍光体合成における後処理である水洗処理、およびPDP製造工程における蛍光体ペーストの熱処理工程における輝度低下が抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち本発明は下記のようなプラズマディスプレイ装置を提供するものである。
【0018】
間隔をあけて対向配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に設けられ、前記一対の基板間に空間を形成する隔壁と、
前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に配置される電極対と、
前記隔壁によって形成される空間内に封入され、前記電極対に印加された電圧による放電により紫外線を発生する放電ガスと、
前記空間内の前記一対の基板の対向面と前記隔壁の壁面上との少なくとも一方に形成され、前記紫外線により励起されて発光する蛍光体を含有する蛍光体層から構成され、
前記蛍光体は、下記の一般式(1)で表されるEu賦活ケイ酸塩系蛍光体に、AlとGaとYとGdとからなる群より選択された一種以上の元素を添加元素として含んで構成された蛍光体であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
M13-yM2Si2O8:Euy (1)
(ただし式中、M1はBaとCaとSrとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群から選択された1種以上の元素であり、yは0.001≦y≦0.2である)
そして特に、前記蛍光体について、一般式(3)で表されるEu賦活ケイ酸塩蛍光体にAlを添加元素として含んで構成された蛍光体を用いることを特徴とするプラズマディスプレイ装置である事が好ましい。
(BaxSr1-x)3-yMgSi2O8:Euy (3)
(ただし式中、xおよびyはそれぞれ0<x≦0.3、0.001≦y≦0.2である)
上記プラズマディスプレイ装置に用いる蛍光体において、添加の元素としてAlを用いる場合、Alの添加量の範囲は蛍光体1モルに対し0モルより大きく0.2モルより小さい。好ましくは蛍光体1モルに対し、0モルより大きく0.11モル以下である。
【0019】
また、前記放電ガスは組成比が6%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは12%以上となる量でXeを含んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に含まれる蛍光体では、水洗処理や蛍光体ペーストの熱処理工程などにおけるプロセス劣化を抑制できる。そのため蛍光体の持つ本来の発光特性を反映した高輝度、高色再現性を有するプラズマディスプレイ装置の実現が可能となる。また上記蛍光体は172nm励起と条件において、より良好な発光特性を示すので、放電ガス中のXe組成比を高くしXe2分子線の比率を大きくすることと上記蛍光体を組み合わせることでさらに高効率なプラズマディスプレイ装置が実現可能となる
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
PDPにおける放電ガスの組成と、放電により発生する各紫外線強度との関係に関しては、含有Xe成分の組成比が大きいほど放電により発せられる真空紫外線全体の強度が増すこと、および発せられる真空紫外線における構成成分の比率が変化することが分かっている。具体的には、放電ガス中のXe組成比の変化により発生する真空紫外線に含まれる波長146nmの紫外線成分と172nmの紫外線(Xe2分子線)成分との強度比率(I172/I146)が変化すること、すなわち、Xe組成比の増大に従って、強度比率(I172/I146)が大きくなることが分かっている。
【0023】
本発明においては、波長172nmの光励起条件下において顕著な高輝度、高効率を達成でき、かつ蛍光体ペーストの熱処理における輝度低下の少ない新規ケイ酸塩蛍光体を実現した。その結果、この新規ケイ酸塩蛍光体を使用して高輝度、高効率の新規な発光装置として、PDPを実現することができた。従って、このPDPを使用すれば、高輝度表示が可能な高効率、高色再現性の新規プラズマディスプレイ装置を実現することが可能となる。
【0024】
新規に実現した本発明を構成するEu賦活蛍光体は、下記の一般式(1)で表される化合物においてAl、Ga、Y、Gdからなる群より選ばれた1種以上の元素を構成元素として含む蛍光体である。
M13-yM2Si2O8:Euy(1)
(ただし、式中、M1はBaとCaとSrとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群から選択された1種以上の元素であり、0.001≦y≦0.2である。)
また、添加されたAl、Ga、Y、Gdからなる群より選ばれた1種以上の元素の蛍光体格子内での形態について、いくつかの考えられる形態を以下に示す。
【0025】
第1の場合は、SMSやBSMS蛍光体はその蛍光体骨格中にSiO4四面体構造を多数保持して構成されるが、これら蛍光体を構成するSiO4四面体構造同士の隙間にある八面体隙間にAl、Ga、Y、Gdからなる群より選ばれた1種以上の元素が存在することが推察される。この場合には添加された元素がSiO4四面体構造同士を“糊付け”する働きを有し、そのため水洗や、蛍光体ペーストの母体結晶の変質が抑制できる。このとき、隙間に対し大きすぎるイオン半径を有する元素では、母体骨格に歪や欠陥を生じさせて上記効果が期待できない可能性があるが、比較的イオン半径が小さい元素では上記効果が期待できる。
【0026】
また上記八面体隙間の数には限りがあるので、過剰に添加すると添加元素が余り、不純元素もしくは欠陥として母体結晶構造に悪影響を与える可能性があり、適切な量を添加する必要がある。
【0027】
第2の場合は、母体骨格を構成する元素と置換している場合である。例えばM2と置換した場合には、元素M4がM2の量に対しaだけ置換したとすると一般式(5)で示すような化合物が考えられる。
M13-yM21-aM4aSi2O8:Euy (5)
(ただし式中、M1はBaとCaとSrとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群から選択された1種以上の元素であり、M4はAlとGaとYとGdとからなる群より選択された1種以上の元素であり、0.001≦y≦0.2、a>0である。)
またSiと置換した場合には、元素MがSiに対しbだけ置換したとすると、一般式(6)で与えられる化合物が考えられる。
M13-yM2M4bSi2-bO8:Eu y (6)
(ただし式中、 M1はBaとCaとSrとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群から選択された1種以上の元素であり、M4はAlとGaとYとGdとからなる群より選択された1種以上の元素であり、0.001≦y≦0.2、b>0である。)
MgとSiの両者と置換した場合には、元素MがM2に対しa、Siに対しbだけ置換したとすると、一般式(7)で与えられる化合物が考えられる。
M13-yM21-aM4a+bSi2-bO8:Eu y (7)
(ただし式中、M1はBaとCaとSrとからなる群より選択された1種以上の元素であり、M2はMgとZnとからなる群から選択された1種以上の元素であり、M4はAlとGaとYとGdとからなる群より選択された1種以上の元素であり、0.001≦y≦0.2、a≧0かつb≧0である。)
なお式(7)はbを0とすることで式(5)となり、aを0とすることで式(6)となることから元素置換する際の化合物は一般式(7)で記述される化合物をさすものとする。
【0028】
この場合添加された元素は母体骨格を構成する元素と置換するため、各構成原子間の距離が変化し結晶がひずみ、その結果、Eu周辺の結晶場が変化することによる色度の調整が期待できる。また価数の異なる元素との置換であり、その電荷を中和するために構造の変化が起こり、その結果酸素欠陥が減少しそれに伴い水洗工程や、蛍光体ペーストの熱処理時の母体結晶の変質が抑制できる。また過剰に置換した場合には母体結晶構造が維持できない、または変わってしまうため、第1の場合と同様に添加量は適切な量にする必要がある。
【0029】
第3の場合は、上記第1および第2の両者が共存している場合である。
【0030】
上記いずれの場合についても、3価元素を適切な量を蛍光体組成に加えることにより母体結晶の強化が期待できる、ひいては水洗および熱工程における輝度劣化を抑制できる。
【0031】
また一般式(1)において高い輝度かつ良好な発光色を示すことからM2がMgであることが好ましい。またM2をZnとMgの両者の混合とし、化合物中に含まれるZn/Mg比を変えることで発光色の調整が可能となる。
【0032】
本発明者は、一般式(1)に含まれる組成のうちより好ましい組成として、高輝度かつ良好な発光色が実現できる組成であるBaとSrを構成元素として含む(BaxSr1-x)3-yMgSi2O8: Euyにおいて、3価元素を蛍光体構成元素に加えることで色純度の向上および更なる効果的な劣化耐性の向上、すなわちプロセス劣化による輝度低下が抑制されることを見出した。以下にその検討と考察についてより詳細に説明する。
【0033】
本発明に係る新規なEu賦活ケイ酸塩蛍光体におけるBaの組成比xについては、蛍光体合成時に意図的にBaを添加することから0<xを下限とした。また上限についてはBa組成比xを増加させると輝度の低下および色度y値が小さくなることが確認されている。一方で水洗後の輝度維持率については組成比xが増加するにつれて向上することが確認された。したがって輝度・色度および水洗工程前後の輝度維持率を勘案して上限を定めた。すなわちBa組成比xの範囲は0<x≦0.3が好ましい。
【0034】
上述したように添加される元素は上記蛍光体の構造の隙間に存在する、もしくは構成元素と置換することから、添加される元素のイオン半径が重要となる。したがって次に添加元素の種類について検討を行った。図1にAl、Ga、Y、Gdの4種の元素をBSMSに添加した蛍光体の172nm励起時の発光特性として輝度(Br)、色度(x,y)および輝度(Br)の値を発光の色度y値で除して得られるBr/y値を示す。図1より比較的イオン半径の小さなAlを添加した場合には輝度はほとんど変わらないが、色度y値が小さくなり高色純度化している。このためBr/yやピーク強度の向上が見られる。またGd,YではBr/yやピーク強度に変化が無く、色純度が高くなっている。一方、最も大きなイオン半径をとるGdにおいては、y値は小さくなっているが輝度およびBr/yの低下が大きい。上記4種の元素を添加した蛍光体はHDTV規格に定められた青の色度y値(0.06)に対し十分小さい値となり、高色純度の青色蛍光体として用いることができる。さらに、輝度およびBr/yを考慮した場合、Alが最も好ましい元素である。また色純度を優先した場合にはGa、Yを選択することも可能である。
【0035】
上記の添加元素として蛍光体に含有させること、すなわち、上記元素の蛍光体中への導入は蛍光体母体骨格形成中に行われる。そのため添加元素の出発原料の融点(分解点)が蛍光体の特性に大きな影響を与える。
【0036】
したがって次に、上記の検討において良好な結果を示した元素Alを例として、分解点の種々異なる、元素Alの出発原料の検討を行った。Al原料としてAl(OH)3、Al2O3、AlN、(CH3COO)3Al、AlF3の5種類について検討した。そのうえで課題のひとつである水洗工程による輝度劣化について評価した。図2に172nm励起時における水洗工程後の輝度(Br)および輝度(Br)の 値を発光の色度y値で除して得られるBr/y値および、輝度、Br/yの水洗工程前後の維持率(%)を表にまとめたものを示す。なお水洗工程後の輝度およびBr/yは無添加の蛍光体の値を100とした場合の相対値である。また輝度およびBr/yの維持率(%)は{[水洗工程後の輝度またはBr/y値]/[水洗工程前の輝度またはBr/y値]}×100として算出した。いずれの出発原料においても、水洗工程における輝度低下が抑制されている。したがってこの5種類の化合物を出発原料としてAlを蛍光対組成中に導入することで水洗工程における劣化抑制に効果があることがわかった。中でも水洗工程後の輝度およびBy/y値、水洗工程前後における輝度維持率が最も高く、さらに色度yが最も小さく高色純度であることから、AlF3を出発原料とすることがより好ましい。
【0037】
上述したように元素の添加量には最適値が存在するはずであるから、次に添加量の最適値を求めた。図3は本発明を構成するAlを添加したBSMSの水洗前後の輝度維持率(%)と水洗工程後の色度y値を各蛍光体のAl添加量に対してプロットしたものである。なお輝度維持率(%)は{[水洗工程後の輝度]/[水洗工程前の輝度]}×100として算出した。図3よりAlの添加量が増加するに伴い、輝度維持率が単調増加している。つまりAlをわずかでも添加すれば水洗工程時の輝度低下を抑制できることがわかる。したがってAl添加量の加減は0より大きいとする。また、色度y値についても添加量の増加に伴って大きくなり、添加量が0.2モルにおいて色度yは0.060となっている。HDTV規定の青色の色度yが0.06であることからAl添加量の上限としては0.2モル未満であることが好ましい。したがってAl添加量の範囲として0モルより大きく0.2モル未満である事が好ましい。
【0038】
図4は蛍光体ペーストの熱処理前後の輝度維持率(%)、および熱処理後の無添加の蛍光体を100とした場合の各蛍光体の相対輝度を、各蛍光体のAl添加量に対してプロットしたものである。なお熱処理前後の輝度維持率(%)は{[熱処理工程後の輝度]/[熱処理工程前の輝度]}×100として算出した。
【0039】
まず、蛍光体ペーストの熱処理前後の172nm励起における輝度維持率は無添加の蛍光体が81であるのに対し、0.05モル添加の場合が86、0.1モル添加の場合が89を示した。すなわちAlの添加量に対し輝度維持率が単調増加していることがわかる。また蛍光体ペーストの熱処理後の輝度については、Alを0.05モル添加した場合で113、0.1モル添加した場合で103といずれの場合も無添加の蛍光体よりも高い値を示した。
【0040】
図4よりAlを少量でも添加すれば蛍光体ペーストの熱処理工程時の輝度低下を抑制する効果が得られると推測できる。したがってAl添加量の下限を0より大きいとする。また上限については、図4より0.1モルではまだペースト熱処理後の輝度が無添加の蛍光体と比較して高く、外挿すると0.11モル付近で無添加の蛍光体と同程度となる。したがって輝度を考慮した場合、上限は0.11モル以下が好ましい。
【0041】
以上の検討よりAl添加量の範囲は0モルより大きく0.2モルより小さいことが好ましく、0モルより大きく0.11モル以下がより好ましい。
【0042】
また、本発明に係る新規なEu賦活ケイ酸塩蛍光体における賦活剤であるEuの組成比yについては、発光中心としての効果が十分発揮される量を下限とし、濃度消光による発光効率の低下を回避できる量を上限とした。すなわち、Euの組成比yについては、上記式(1)の表記に従うと、Euの組成比を示すyは0.001≦y≦0.2であることが好ましい。
【0043】
次に、PDPにおける高Xe濃度化の効果と本願発明との関係について説明する。上述したように、PDPにおいては、放電ガス中におけるXe組成比の増大に従って、発生する真空紫外線量全体が増大すると共に、発生真空紫外線に含まれる波長146nmの紫外線成分と172nmの紫外線(Xe2分子線)成分との強度比率(I172/I146)が大きくなることが分かっている。
【0044】
図5は、AC型PDPにおける放電ガス中のXe組成比(%)と強度比率(I172/I146)との関係を示すグラフである。なおXe組成比とは、全放電ガスの体積に対する、放電ガス中に含まれるXeガスの体積の割合を百分率で表したものである。検討の結果、AC型PDPでは、Xe組成比が4%においてI172/I146(4%)=1.2である。Xe組成比が1〜4%である通常仕様のPDPにおいては、放電によって発生する真空紫外線に含まれる波長146nmの紫外線成分と172nmの紫外線成分との強度比率は、172nm成分の強度が若干大きい程度から同等若しくはむしろ172nm成分の強度が小さい傾向にあることが分かっている。
【0045】
そして、さらなる検討の結果、Xe組成比6%では放電によって発生する真空紫外線強度全体が増大すると共に、I172とI146の比は、I172/I146(6%)=1.9と大幅に大きくなる。そして、Xe組成比が10%においては、放電によって発生する真空紫外線強度がさらに増大すると共に、I172/I146(10%)=3.1と大幅に大きくなる。また、Xe組成比が12%においては、放電によって発生する真空紫外線強度がより増大すると共に、I172/I146(12%)=3.8と著しく大きくなることが分かった。
【0046】
従って、放電ガス中のXe組成比が通常仕様のPDPよりも大きい、例えば6%のXe組成比を持つ高キセノン化対応仕様のPDPにおいては、使用蛍光体の172nmの真空紫外線に対する特性の寄与が大きくなる。よって、波長172nmの紫外線に対してより高い輝度など、より良い特性の発光を示す蛍光体の使用が好ましい。
【0047】
また、上記式(1)で表される本発明を構成するEu賦活ケイ酸塩蛍光体は、図4に示すように蛍光体ペーストの熱処理工程における輝度低下の抑制効果に対するAl添加量依存性が、波長146nmの紫外線励起の場合に比べ、波長172nm励起の場合により顕著であり、Al添加量の最適範囲がより明確である。従って、波長172nmの紫外線により励起されることが主要となる条件下では、輝度や効率などの点において、より有意な効果および顕著な特徴が現れることになる。
【0048】
よって、上記式(1)で表される本発明を構成するEu賦活ケイ酸塩蛍光体を、組成比が6%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは12%以上となる量でXe組成を含む放電ガスを用いたPDPに使用した場合、PDP内で発生するXe2分子線をより有効に利用して優れた発光特性を示すようになるので、高性能のPDPの提供が可能となり、ひいては高性能のPDP装置の提供が可能となる。
【0049】
以上に基づき、上記式(1)で表される本発明を構成するEu賦活ケイ酸塩蛍光体を使用したAC型PDPの一実施形態は、以下のように構成される。
【0050】
図5は、PDPの主要部の構造の一例を示す要部分解斜視図である。本発明の実施形態であるPDP100は、所謂面放電に対応するための構造を有しており、間隔をあけて対向配置された一対の基板1、6と、基板6の対向面に設けられ、基板1、6が重ね合わされた時にそれらの間隔を保持して基板1、6の間に空間を形成する隔壁7と、基板1、6のそれぞれの対向面に配設された電極2、9と、基板1、6の間に形成された空間内に封入され、電極2もしくは電極2、9に印加された電圧による放電により紫外線を発生する放電ガス(図示せず)とを備えている。そして、一対の基板1、6の対向面のうちの一方(基板6側)の上および隔壁7の壁面上には、上記式(1)で表されるEu賦活ケイ酸塩蛍光体を含む蛍光体層10が形成されている。蛍光体層10は、通常、赤、青、緑の3色の発光に対応する蛍光体、すなわち、赤色発光蛍光体、青色発光蛍光体または緑色発光蛍光体からなり、放電によって上記放電ガスから発生する波長146nmおよび172nmの真空紫外線によって、蛍光体層10における青色を構成する上記式(1)で表されたEu賦活ケイ酸塩蛍光体と、他の色(赤および緑)を構成する蛍光体とが励起され、可視光を発光するよう構成されている。なお、図6に示された符合3のラインは、電極2と一体となって電極抵抗を低下させるために設けられたAgまたはCu−Crからなるバスラインであり、符合4、8の各層は、誘電体層であり、符合5の層は、電極保護のために設けられた保護膜である。以下、実施例について説明する。
【実施例1】
【0051】
本発明にかかる第一の実施例であるプラズマディスプレイパネルを作るため、始めに本発明の主要な構成部材であるEu付活ケイ酸塩蛍光体の合成を行った。
第一に合成した蛍光体は(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAlを0.03モル添加したものである。
【0052】
合成は、先ず、SrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、Al(OH)3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.023g)となるよう秤量した。そして溶融助剤としてNH4Clを蛍光体1モルに対し0.30モル添加し、各原料粉末をメノウ製の乳鉢中で十分に混合した。
【0053】
その後、得られた混合物を耐熱容器に充填し、大気中600℃で2時間焼成を行い、更にその後、還元雰囲気下1200℃で3時間焼成を行い上記組成のケイ酸塩蛍光体を得た。
【0054】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にGaを0.03モル添加したものを合成した。
【0055】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、GaF3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Gaのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.038g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0056】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にYを0.03モル添加したものを合成した。
【0057】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、Y2O3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Yのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.034g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0058】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にGdを0.03モル添加したものを合成した。
【0059】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、GdF3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Gdのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.064g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0060】
次に比較例として、(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07を合成した。
【0061】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Euのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0062】
次に、定法に従い中心発光波長172nmの真空紫外線エキシマランプを光源に用いて、合成した各蛍光体ついて発光特性について評価した。評価指標として輝度(Br)、色度(x,y)および輝度(Br)を色度yで除したBr/y値を用いた。結果を図1に示す。
【0063】
図1よりAlを添加した蛍光体では無添加の蛍光体に対し輝度は98であるがBr/yが107と向上している。また、色度についてもy値が小さくなっており高色純度化している。Gaを添加した場合にはBr/yは98であるが輝度が84とやや低下している。色度yはAl添加時よりも小さく、より高色純度化していることがわかる。Yを添加した場合もGaを添加した場合とほぼ同じ特性を示している。Gdを添加した場合は色度yが小さく高色純度化している。しかし輝度が50と大きく低下している。Alを添加した場合にもっともよい特性を示した理由として以下のように考えている。Al3+の6配位におけるイオン化半径とBSMS中のSiO4四面体同士によって形成される八面体隙間の大きさが同程度であり、過剰なひずみを生じずに存在できているからではないかと考えている。一方Gdはイオン半径がAl3+の1.8倍と大きいため母体結晶の構造を乱している可能性がある。したがってこのような特性の差が現れたものと考えている。
【0064】
以上の検討より、上記4種類の元素を添加した蛍光体においてはHDTV規格の青の色度y値(0.06)以下であり、添加しても色度に対する悪影響はなく、むしろより高色純度化する効果があることがわかった。
【実施例2】
【0065】
本発明にかかる第一の実施例であるプラズマディスプレイパネルを作るため、始めに本発明の主要な構成部材であるEu付活ケイ酸塩蛍光体の合成を行った。
【0066】
第一に合成した蛍光体は(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAl(OH)3を出発原料として0.03モル添加したものである。
【0067】
合成は、先ず、SrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、Al(OH)3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.023g)となるよう秤量した。そして溶融助剤としてNH4Clを蛍光体1モルに対し0.30モル添加し、各原料粉末をメノウ製の乳鉢中で十分に混合した。
【0068】
その後、得られた混合物を耐熱容器に充填し、大気中600℃で2時間焼成を行い、更にその後、還元雰囲気下1200℃で3時間焼成を行った。得られた焼成物は粉砕後、水洗、乾燥を行い上記組成のケイ酸塩蛍光体を得た。
【0069】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAl2O3を出発原料として0.03モル添加したものを合成した。
【0070】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、Al2O3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.015g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0071】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAlNを出発原料として0.03モル添加したものを合成した。
【0072】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、AlNの各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.012g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0073】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07に(CH3COO)3Alを出発原料として0.03モル添加したものを合成した。
【0074】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、(CH3COO)3Alの各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.05g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0075】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAlF3を出発原料として0.03モル添加したものを合成した。
【0076】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、AlF3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.025g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0077】
次に比較例として、(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07を合成した。
【0078】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Euのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0079】
次に、定法に従い中心発光波長172nm真空紫外線エキシマランプを光源に用いて、合成したAlを添加した蛍光体及び無添加のBSMSについて水洗前後の発光特性について評価した。結果を図2に示す。図2は172nm励起時における水洗工程後の輝度(Br)および輝度(Br)の 値を発光の色度y値で除して得られるBr/y値および、輝度、Br/yの水洗工程前後の維持率(%)を表にまとめたものである。なお水洗工程後の輝度およびBr/yは無添加の蛍光体の値を100とした場合の相対値である。また輝度およびBr/yの維持率(%)は{[水洗工程後の輝度またはBr/y値]/[水洗工程前の輝度またはBr/y値]}×100として算出した。
【0080】
図2より、今回検討した5種類の化合物のいずれを出発原料とした場合においても水洗前後の輝度およびBr/yの維持率が無添加のBSMSよりも高い値を示すことがわかる。特に(CH3COO)3Al、AlF3を出発原料にした場合においては、維持率が100%を超えている。これは、水洗による輝度低下が抑制されたため、水洗の本来の目的である水溶性の残留フラックスや未反応原料といった不純物の除去が適切になされたと考えている。その中でもAlF3は無添加のBSMSに対し水洗後の輝度が10%、Br/yが21%高い値を示した。このことはAlF3の融点(1040℃)が、本蛍光体の合成時の反応温度(1000,1200℃)に近いため容易に蛍光体格子中への拡散あるいはMg,Siへの置換が活発に行われることに起因すると考えている。
【0081】
以上の検討よりAlの出発原料として上記5種類の化合物のいずれを用いた場合においても水洗時の輝度低下を抑制する効果が得られることがわかった。その中でもAlF3を用いた場合がもっとも効果が大きいことがわかった。
【実施例3】
【0082】
本発明にかかる第一の実施例であるプラズマディスプレイパネルを作るため、始めに本発明の主要な構成部材であるEu付活ケイ酸塩蛍光体の合成を行った。
【0083】
第一に合成した蛍光体は(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAlを0.03モル添加したものである。
【0084】
合成は、先ず、SrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、AlF3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.03(0.025g)となるよう秤量した。そして溶融助剤としてNH4Clを蛍光体1モルに対し0.30モル添加し、各原料粉末をメノウ製の乳鉢中で十分に混合した。
【0085】
その後、得られた混合物を耐熱容器に充填し、大気中600℃で2時間焼成を行い、更にその後、還元雰囲気下1200℃で3時間焼成を行った。得られた焼成物は粉砕後、水洗、乾燥を行い上記組成のケイ酸塩蛍光体を得た。
【0086】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAlを0.05モル添加したものを合成した。
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、AlF3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.05(0.042g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0087】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAlを0.1モル添加したものを合成した。
【0088】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、AlF3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.1(0.084g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0089】
次に、蛍光体(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07にAlを0.2モル添加したものを合成した。
【0090】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4、AlF3の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Eu:Alのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g):0.2 (0.168g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0091】
次に比較例として、(Ba0.25Sr0.75)2.93MgSi2O8:Eu0.07を合成した。
【0092】
合成はSrCO3、BaCO3、MgCO3、SiO2、EuPO4の各原料をSr:Ba:Mg:Si:Euのモル比が2.197(3.243g):0.733(1.446g):1.0(0.959g):2.0(1.202g):0.07(0.173g)となるよう秤量した以外は前記のものと同様である。
【0093】
次に、定法に従い中心発光波長172nmおよび146nmの真空紫外線エキシマランプを光源に用いて、合成したAl添加BSMS及びBSMSについて水洗前後の発光特性について評価した。結果を図3に示す。図3は合成した蛍光体の水洗工程前後の輝度維持率(%)と水洗工程後の色度y値を各蛍光体のAl添加量に対してプロットしたものである。なお輝度維持率(%)は{[水洗工程後の輝度]/[水洗工程前の輝度]}×100として算出した。
【0094】
図3より172nm励起時においてはBSMSが輝度維持率98%であるのに対し、0.03、0.05、0.1、0.2モルAlを添加すると輝度維持率はそれぞれ101、105、105、117%となり、Alの添加量が増加するに伴い輝度維持率が単調増加した。また、色度についても添加量が0.1モルまではy値が小さくなっているが、0.2モル添加したBSMSでは無添加のBSMSよりもy値が大きく(0.06)なっている。しかしAlを0.2モル添加したBSMSについてもHDTV規格で定められた青の色度y値(0.06)以下である。
【0095】
次に146nm励起における発光特性について述べる。図3に示すように172nm励起時と同様に輝度維持率はAlの添加量が増加するに伴い向上している。しかし172nm励起時と比較し特にAl添加量が0.1モルまでの領域においてAl添加による輝度維持率改善の効果が低くなっていることがわかった。また色度については172nm励起時と同様に添加量が0.1モルまでは小さくなり、0.2モルにおいては無添加BSMSよりも大きな値となった。以上の検討によりAl添加により水洗時の輝度維持率の向上が確認され、その効果は172nm励起時の方がより顕著であることがわかった。
【0096】
次にAlを0.05、0.1モル添加したBSMSおよび無添加のBSMSについて蛍光体ペーストの熱処理工程前後の発光特性について評価した。
【0097】
蛍光体ペーストは次のようにして調製した。蛍光体ペースト100重量部あたり、蛍光体粉末が35重量部、セルロース系樹脂とジエチレングリコールモノブチルエーテルとジエチレングリコールモノブチルアセテートの混合物が65重量部となるように秤量し、十分に混練した。
【0098】
蛍光体ペーストの熱処理後の粉体は次のようにして得た。前記蛍光体ペーストをガラス基板上に塗布し、130℃で乾燥させた後、大気雰囲気中において450℃で30分間熱処理を行い、得られた蛍光体膜をガラス基板より回収し、蛍光体ペーストの熱処理後の粉体を得た。
【0099】
次に、定法に従い中心発光波長172nmおよび146nmの真空紫外線エキシマランプを光源に用いて、合成したAl添加BSMS及びBSMSについて蛍光体ペーストの熱処理工程前後の発光特性について評価した。結果を図4に示す。図4は蛍光体ペーストの熱処理前後の輝度維持率(%)、および熱処理後の無添加の蛍光体を100とした場合の相対輝度を、各蛍光体のAl添加量に対してプロットしたものである。なお熱処理前後の輝度維持率(%)は{[熱処理工程後の輝度]/[熱処理工程前の輝度]}×100として算出した。
【0100】
172nm励起時の蛍光体ペーストの熱処理前後の輝度維持率は無添加のBSMSが81%であるのに対し、0.05モル添加の場合が86%、0.1モル添加の場合が89%を示した。すなわちAlの添加量に対し輝度維持率が単調増加していることがわかる。また蛍光体ペーストの熱処理後の輝度については、無添加のBSMSを100とすると、Alを0.05モル添加した場合で113、0.1モル添加した場合で103といずれの場合も無添加のBSMSよりも高い値を示した。
【0101】
次に146nm励起時の発光特性について述べる。図4に示すように蛍光体ペースト熱処理前後の輝度維持率は、無添加のBSMSが76%であるのに対し、Alを0.05、0.1モル添加したBSMSではそれぞれ80%、82%と輝度維持率が改善している。蛍光体熱処理後の輝度については、無添加のBSMSを100とすると、0.05モル添加した場合109、0.1モル添加した場合96となった。これらの結果より水洗時と同様にAl添加による輝度維持率改善の効果は146nm励起時より172nm励起時において顕著であることがわかった。
【0102】
以上2つの検討より、Eu賦活ケイ酸塩蛍光体BSMSにAlを添加することで蛍光体および蛍光体層作製工程における輝度低下を抑制できることがわかった。またその効果は172nm励起時により顕著である事がわかった。
【実施例4】
【0103】
本発明を構成するEu賦活ケイ酸塩蛍光体を用いたPDPを作製した。蛍光体層を構成する蛍光体として、実施例1で合成した本発明のケイ酸塩蛍光体である、Alを0.05モル添加したBSMSと、比較例として無添加のBSMSの2種類を用い、図6〜図9に示すPDP100を作製した。図6は、本発明の実施形態であるPDPの構造を示す要部分解斜視図である。また、図7、図8および図9は本発明の実施形態であるPDPの構造を示す要部断面図である。
【0104】
PDP100を作製するには、まず、背面基板6上に、Agなどで構成されたアドレス電極9と、ガラス系の材料で構成された誘電体層4とを形成した後、同じくガラス系の材料で構成された隔壁材を厚膜印刷し、ブラストマスクを用いてブラスト除去を行うことにより隔壁7を形成する。次に、この隔壁7上に、蛍光体層10を隔壁7間の溝面(壁面)を被覆するようにストライプ状に形成した。
【0105】
ここで、各蛍光体層10は、蛍光体粉末が35重量部、セルロース系樹脂とジエチレングリコールモノブチルエーテルとジエチレングリコールモノブチルアセテートの混合物が65重量部となるように秤量し十分に混練した蛍光体ペーストを、スクリーン印刷により塗布した。その後乾燥および焼成工程により、蛍光体ペースト内の揮発成分の蒸発および有機物の燃焼除去を行って形成される。
【0106】
次に、表示電極2、バス電極3、誘電体層4、保護膜5を形成した前面基板1と、背面基板6をフリット封着し、パネル内を真空排気した後、放電ガスを注入して封止する。この放電ガスは、ネオン(Ne)を主体とし、組成比が12%となる量でキセノン(Xe)ガスを含んだ混合ガスである。
【0107】
その後PDP100を放電電圧250V、周波数30kHzにて所定の時間エージングして作製した。
【0108】
本実施例に係るPDP100は、その表示領域のサイズが縦100mm×横100mmの正方形状を有する。なお、通常のカラー表示を行う際には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の発光に対応する蛍光体でそれぞれ構成された蛍光体層で順次蛍光体層10を塗り分け、一画素のピッチが1000μm×1000μmとなる。
【0109】
次に、上記した本発明を構成するAl添加BSMSと、従来のBSMSとを用いたPDP100を使用し、駆動回路と組み合わせて放電、点灯駆動できるようにし、表示装置であるプラズマディスプレイ装置を作製した。このプラズマディスプレイ装置を用い、放電電圧250V、周波数2kHzの維持放電パルスを印加して駆動し、放電、点灯を行った。そして、各点灯表示領域において、エージング完了後の青色発光の輝度(Br)と、発光する青色発光の色特性として色度(x,y)を評価した。そして、得られた色度(x,y)のy値を用い、評価した輝度(Br)をこのy値で割り算し、簡便に発光効率を評価できるパラメータとしてBr/yを算出した。図10に本実施例と比較例の蛍光体を用いたパネルの発光特性を示す。蛍光体ペーストの熱処理の結果同様Alを0.05モル添加した実施例(Alを添加したBSMS)の方が比較例(無添加のBSMS)よりも高い輝度およびBr/y値を示した。また色度y値も小さくなっており、より高色純度化された青色を有するPDPの作製が可能である事がわかった。
【0110】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、紫外線により励起されて発光するEu賦活ケイ酸塩蛍光体を用いたPDPに利用することができ、また、このPDPを駆動する駆動回路と映像源を伴うことにより映像表示を行うプラズマディスプレイ装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明を構成するBSMSおよびBSMSにAl,Ga,Y,Gdを添加した蛍光体の172nm励起時の発光特性をまとめた表である。
【図2】本発明を構成するBSMSおよび異なる出発原料によりAlを添加したBSMSの172nm励起時の水洗工程前後の輝度維持率(%)、Br/y維持率(%)および水洗工程後の発光特性をまとめた表である。
【図3】本発明を構成するAlを添加したBSMSの水洗前後の輝度維持率(%)と水洗工程後の色度yを各蛍光体のAl添加量(BSMSは0とする)に対してプロットしたものである。
【図4】本発明を構成するAlを添加したBSMSの蛍光体ペーストの熱処理前後の輝度維持率(%)、および熱処理後のBSMSを100とした場合の輝度を、各蛍光体のAl添加量に対してプロットしたものである。
【図5】AC型プラズマディスプレイパネルにおける放電ガス中のXe組成比と強度比率との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施の形態であるプラズマディスプレイパネルの構造を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態であるプラズマディスプレイパネルの構造を示す要部分解断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態であるプラズマディスプレイパネルの構造を示す要部分解断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態であるプラズマディスプレイパネルの構造を示す要部分解断面図である。
【図10】本発明を構成するAlを添加したBSMSおよび比較例としたBSMSを用いたプラズマディスプレイパネルの発光特性をまとめた表である。
【符号の説明】
【0113】
1 前面ガラス基板
2 電極
3 バスライン
4 誘電体層
5 保護膜
6 背面ガラス基板
7 隔壁
8 誘電体層
9 電極
10 蛍光体層
100 プラズマディスプレイパネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて対向配置された一対の基板と、
前記一対の基板間に設けられ、前記一対の基板間に空間を形成する隔壁と、
前記一対の基板の対向面の少なくとも一方に配置される電極対と、
前記隔壁によって形成される空間内に封入され、前記電極対に印加された電圧による放電により紫外線を発生する放電ガスと、
前記空間内の前記一対の基板の対向面と前記隔壁の壁面上との少なくとも一方に形成され、前記紫外線により励起されて発光する蛍光体を含有する蛍光体層から構成され、
前記蛍光体は、下記の一般式(1)で表されるEu賦活ケイ酸塩系蛍光体に、Al、Ga、Y及びGdのうち少なくともいずれか一つが添加された蛍光体であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
M13-yM2Si2O8:Euy (1)
(ただし式(1)中、M1はBa、Ca及びSrのうち少なくともいずれか一つの元素であり、M2はMg及びZnのうち少なくともいずれか一つの元素であり、yは0.001≦y≦0.2である)
【請求項2】
請求項1記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体1molに対し、Al、Ga、Y及びGdのうち少なくともいずれか一つの元素が0.2molよりも小さい量で含まれることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体は、一般式(2)で表されるEu賦活ケイ酸塩系蛍光体に、Al、Ga、Y及びGdのうち少なくともいずれか一つの元素が当該蛍光体1molに対し0.2molよりも小さい量で添加された蛍光体であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
(BaM31-z)3-yM2Si2O8:Euy (2)
(ただし式(2)中、M3はCa及びSrのうち少なくともいずれか一つの元素であり、M2はMg及びZnのうち少なくともいずれか一つの元素であり、zおよびyはそれぞれ0<z≦0.3、0.001≦y≦0.2である)
【請求項4】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体は、一般式(3)で表されるEu賦活ケイ酸塩蛍光体に、Al、Ga、Y及びGdのうち少なくともいずれか一つの元素が添加された蛍光体であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
(BaxSr1-x)3-yMgSi2O8:Euy (3)
(ただし式(3)中、xおよびyはそれぞれ0<x≦0.3、0.001≦y≦0.2である)
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体に添加されるAlは、出発原料としてAl2O3、AlF3、AlN、Al(OH)3及び(CH3COO)3Alのうち少なくともいずれか一つの化合物を用いて含有されたものであることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体1molに対しAlが0.2molよりも小さい量で含まれることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
請求項6記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体1molに対しAlが0.11mol以下の量で含まれることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体は、一般式(4)で示すEu賦活ケイ酸塩蛍光体であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
(BaxSr1-x3-yMg1-aAla+bSi2-bO8:Euy (4)
(ただし式(4)中、xおよびyはそれぞれ0<x≦0.3、0.001≦y≦0.2であり、aおよびbはそれぞれ0≦a、0≦bかつ0<a+b<0.2である)
【請求項9】
請求項8に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
0<a+b≦0.11であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記放電ガスは、組成比6%以上のXeを含むことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項10記載のプラズマディスプレイ装置であって、前記放電ガスは、組成比10%以上のXeを含むことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項12】
請求項11記載のプラズマディスプレイ装置であって、前記放電ガスは、組成比12%以上のXeを含むことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項13】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置であって、
前記蛍光体層に、青色蛍光体としてBaMgAl10O17:Eu及びCaMgSi2O6:Euのうち少なくともいずれか一つの蛍光体を含むことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−215336(P2009−215336A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57165(P2008−57165)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】