プラズマ場を使用する自己滅菌装置
本発明は、機器の表面または他の部分を自己滅菌しかつ/または他の対象物を滅菌するための方法および装置に関する。本発明は、自己滅菌しかつ/または別の対象物を滅菌するために自己生成されかつ/または遠隔制御されたプラズマ場を利用することができる。本発明は、医療処置、汚染除去手順、薬剤送達、消費者製品の滅菌、および食品調理機器と道具の滅菌に使用される装置の滅菌を必要とする手順および機器において幅広い用途を有することができる。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2007年11月21日に出願された米国仮出願番号60/989,496号の利益を主張し、この出願は、文章、表または図面を含むその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気入力によるプラズマの生成は、近年、実験と理論の両方の面で研究されてきている(非特許文献1〜4参照)。また、直流(DC)、高周波(RF)、マイクロ波励起などによって得られる非平衡放電の固有の基本メカニズムは、空気の導電度を高めて印加磁場によって生成される動重力による制御性を高めるために、イオン化に利用されてきた。誘電体バリア放電(DBD)は、一般に、表面が周囲の大気にさらされた1つの誘電体被覆電極を必要とし、別の電極が絶縁層内側に埋め込まれる。紫外線の放射は、表面プラズマの化学過程と同様、短い時間尺度できわめて少ない電力と熱を使用する汚染除去に適する(非特許文献5、6参照)。
【0003】
特殊なDBD機構を使用すると、紫外線抵抗性細胞でも、細胞を数秒以内に数千分の1以下に素早く減少させることができることが分かっている(非特許文献5参照)。Moisanらは、紫外線照射された微生物の生存曲線が独特の線形減衰を示す従来の滅菌と対照的に、プラズマ滅菌が、3つの基本メカニズムを示す生存図となることを確認した(非特許文献7参照)。第1に、微生物の遺伝物質にプラズマ関連紫外線を照射することによる迅速な直接破壊、第2に、微生物に固有の揮発性化合物を形成する固有光脱離による微生物の段階的侵食、そして第3に、プラズマ・イオン化により形成されたラジカルによるエッチングによる微生物の侵食である。一緒に、プラズマ滅菌は、従来の滅菌処理よりかなり(桁違いに)高速である。
【0004】
従来、プラズマ放電では、2つの電極間に直流電圧がかけられる。電圧を徐々に高めた場合、破壊電圧VBで、電流と中性気体の励起量が、可視プラズマを生成できるほど十分に増える。パッシェンの法則によれば、特定気体の破壊電圧は、気体圧力と電極間距離の積(p×d)に依存する。どの気体にも、容量イオン化が最大となるストールトウ・ポイント(Stoletow point)と呼ばれる固有のp×d値がある。空気のストールトウ・ポイントは、最低でも、VB=360V、p×d=5.7Torr−mmを必要とする。
【0005】
残念ながら、ほぼ大気圧では、最大容積イオン化に必要な許容電極間隔は、d=7.7μmである。例えば高速航空機などにおけるいくつかの用途では、これは非現実的な限度である。この限度に対する解決策は、最近開発された電極の両端に交流電位を使用するRFグロー放電によるものである。電流の周波数は、交流サイクルの周期内で電子が電極まで移動し電荷を生成しなければならないが、比較的重いイオンはそれができないようなものでなければならない。760±25Torrにおける空気や他のガスの報告された実験(非特許文献2参照)によれば、高周波3〜20kHzとrms電極電圧2〜15kVで均質なグローを維持することができる。空気のそのような放電に重要な基準は、約30kV/cmの電界要件を満たすことである。電圧が高い間は、高周波駆動バリア放電を保持するのに数ミリアンペアの電流でよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,261,852号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Kanda, N., M.Kogoma, H.Jinno, H.Uchiyama and S.Okazaki, Proc.10th Symp. On Plasma Chem., Vol.3, Paper no.3.2-20 (1991).
【非特許文献2】Roth, J.R., Physics of Plasmas, 10 (5), 2117 (2003).
【非特許文献3】S.Roy, K.P.Singh, H.Kumar, D.Gaitonde, and M.Visbal, Effective discharge dynamics for plasma actuators, AIAA-2006-0374,44th Aerospace Sciences Meeting and Exhibit, 9-12 January, 2006.
【非特許文献4】S.Roy, Flow actuation using radio frequency in partially-ionized collisional plasmas, Applied Physics Letters, 86 (10) 101502 (2005).
【非特許文献5】M.Heise1, W.Neff1, O.Franken, P.Muranyi and J.Wunderlich, Sterilization of Polymer Foils with Dielectric Barrier Discharges at Atmospheric Pressure, Plasmas and Polymers, 9 (1) 23-33 (2004).
【非特許文献6】M.Tanino, W.Xilu, K.Takashima, S.Katsura and A.Mizuno, Sterilization using dielectric barrier discharge at atmospheric pressure, Industry Applications Conference, 2005.Fortieth IAS Annual Meeting. Vol.2, 784-788 (2005).
【非特許文献7】M.Moisan, J.Barbeau, S.Moreau, J.Pelletier, M.Tabrizian and L’H.Yahia, Low-temperature sterilization using gas plasmas: a review of the experiments and an analysis of the inactivation mechanisms, International Journal of Pharmaceutics, 226, 1-21 (2001).
【非特許文献8】Fridman G., Peddinghaus L., Vinovrski T., Jah A., Fridman A., Balasubramanian M., Gutsol A., Friedman G., "Use of Non-Thermal Atmospheric Pressure Plasma Discharge for Coagulation and Sterilization of Surface Wounds", 32nd IEEE International Conference on Plasma Science, June 20-23,2005, Monterey, California, IEEE Conference Record - Abstracts, p.257.
【非特許文献9】G.Fridman, A.Shereshevsky, M.Peddinghaus, A.Gutsol, V.Vasilets, A.Brooks, M.Balasubramanian, G.Friedman, and A.Fridman, Drexel University, Philadelphia, PA "Bio-Medical Applications of Non-Thermal Atmospheric Pressure Plasma" AIAA-2006-2902 37th AIAA Plasma dynamics and Lasers Conference, San Francisco, California, June 5-8, 2006.
【非特許文献10】F.Ren, ZnO Nanowires for Sensing and Device Applications, 212th ECS Meeting, October 7-12,2007, Washington, DC.
【非特許文献11】S.Kanazawa, M.Kogoma, T.Moriwaki, and S.Okazaki, J.Appl. Phys.D: Appl. Phys.21 (1988) 838.
【非特許文献12】M.Laroussi, I.Alexeff, J.P.Richardson, and F.F.Dyer, IEEE Trans. Plasma Sci.30 (2002) 158.
【非特許文献13】A.Scutze, J.Y.Jeong,S.E.Babyan, J.park, G.S.Selwyn, and R.F.Hicks, IEEE Trans. Plasma Sci.26 (1998) 1685.
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態は、装置の表面や他の部分を自己滅菌または自己汚染除去しかつ/または他の対象物を滅菌または汚染除去するための方法および装置に関する。本実施形態は、自己滅菌および/または別の対象物を滅菌するために自己生成プラズマ場および/または遠隔制御プラズマ場を利用することができる。本発明の実施形態は、汚染除去、医療処置、薬剤送達、消費者製品の滅菌、および食品調理機器と道具の滅菌に使用される装置の滅菌を必要とする手順と機器において幅広い用途を有することができる。本発明の種々の実施形態は、装置によって生成されたプラズマ場を使用することより、装置の表面や他の表面上の異物を除去するか大幅に減少させることを含むことができる。ある実施形態では、生体、組織、細菌、バクテリア、病原体、生物学的作用物質、ウィルス、代謝的非活性薬剤、ピロン、有機体物質、微生物などの表面上または表面近くの物質を、表面から殺傷しかつ/または蒸発させることができ、化学物質や他のタイプの潜在的有害物質などの非生物を蒸発または他の方法で低害化することができる。また、プラズマ場の生成は、イオン化空気、ラジカル、光子および/または紫外線の生成を含んでもよい。また、特定の実施形態は、表面または環境を検出して、表面が潜在的に汚染されているか、汚染されているか、かつ/または無菌でないかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による平坦で柔軟な自己滅菌積層面を示す図である。
【図2】他の対象物を殺菌するために利用することができる回転面を備えた自己滅菌装置の一実施形態を示す図である。
【図3】自己滅菌容器の一実施形態を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による活性滅菌を実行する表面の様々な部分を有する自己滅菌面の種々の形状を示す図である。
【図5】本発明による格納式自己滅菌装置の一実施形態を示す図である。
【図6A】自己滅菌編組管の一実施形態を示す図である。
【図6B】図6Aの編組管を含むカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図7】自己滅菌布の一実施形態を示す図である。
【図8】複数の孔が開けられた自己滅菌構造の一実施形態を示す図である。
【図9A】表面の自己滅菌を可能にする種々の電極配置を示す図である。
【図9B】表面の自己滅菌を可能にする種々の電極配置を示す図である。
【図9C】表面の自己滅菌を可能にする種々の電極配置を示す図である。
【図9D】画素化電極を有する表面の上面を示す図である。
【図9E】ストリップ電極と接地平面を有する一実施形態を示す図である。
【図9F】電極上に被覆を有する一実施形態を示す図である。
【図10A】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10B】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10C】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10D】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10E】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10F】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10G】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図11】40μlのイースト溶液を有する基質上のイーストの生存曲線の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面上のイーストの生存曲線の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面上のイーストに関する別の実験の生存曲線の質的特性とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は、装置の表面や他の部分を自己滅菌しかつ/または他の対象物を滅菌するための方法および装置に関する。本実施形態は、自己滅菌および/または別の対象物を滅菌するために自己生成されかつ/または遠隔制御されたプラズマ場を利用することができる。本発明の実施形態は、汚染除去、医療処置、薬剤送達、消費者製品の滅菌、および食品調理機器と道具の滅菌のための装置を必要とする手順および設備において幅広い用途を有することができる。滅菌および/または汚染除去は、例えば、病原体、バクテリア、化学物質、生物学的作用物質や他の物質を減少または除去することができる。プラズマは、化学構造を変化させることができ、かつ表面上の物質を気化させることができる。
【0011】
本発明の特定の実施形態では、適切な国際滅菌機構(International Organization for Sterilization)(ISO)規格に従って表面を滅菌することができる。本発明の実施形態が満たすことができるISO規格の例には、ISO17664:2004「医療用具の滅菌−再滅菌可能な医療用具の処理に関する製造業者の情報(Sterilization of medical devices -- Information to be provided by the manufacturer for the processing of resterilizable medical devices)、ISO11138−4:2006「ヘルスケア製品の滅菌−生物指標(Sterilization of health care products -- Biological indicators)」、ISO11737−2:1998「医療用具の滅菌−微生物学的方法−第2部:滅菌工程の妥当性確認において実施される無菌試験(Sterilization of medical devices --Microbiological methods -- Part 2: Tests of sterility performed in the validation of a sterilization process)」、ISO14161:2000「ヘルスケア製品の滅菌−生物指標−結果の選択、使用および解釈の手引き(Sterilization of health care products -- Biological indicators --Guidance for the selection, use and interpretation of results)」、ISO14937:2000「ヘルスケア製品の殺菌−殺菌剤の測定及び医療用具の開発,妥当性検査及び定期管理に関する一般要求事項(Sterilization of health care products -- General requirements for characterization of a sterilizing agent and the development, validation and routine control of a sterilization process for medical devices)」、ISO11737−1:2006「医療用具の滅菌−微生物学的方法−第1部:製品の微生物数の測定(Sterilization of medical devices -- Microbiological methods -- Part 1: Determination of a population of microorganisms on products)」があるが、これらに限定されない。さらに、様々な実施形態が、Seymour S Block. 2000 Disinfection, Sterilization, and Preservation 5th ed. Lippencott, WilliamsおよびWilkensに示された規格を満たすことができる。
【0012】
実施形態は、自己滅菌することができる様々な表面に滅菌プラズマを提供するための電極構造を有することができる。本発明の実施形態に様々な形状を有する面を組み込むことができる。平坦な積層面を、例えば切断板、手術面または解剖刀と供に使用することができ、また、平坦な積層面は、適切なプラズマを生成する埋込み電極アレイを備えてもよい。特定の実施形態では、電極の間に2〜20kVの電圧を印加することができる。別の特定の実施形態では、2〜20kVのピーク・ピーク交流電圧を印加することができ、より特定の実施形態では、交流電圧は1〜50kHz高周波電圧である。図1A〜図1Cは、平らで柔軟な自己滅菌積層面の一実施形態を、積層面の断面図(図1Bと図1C)と共に示す。積層面は、2つの電極層間に挟まれた誘電体層を有することができる。図1を参照すると、接地電極層が、電力供給電極層と離間して配置される。電力供給電極と接地電極は、交差パターンを構成する。電力供給電極を接地電極に対する電圧で駆動することにより、活性面を殺菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される。電極は、様々な形状とサイズを有することができる。図9Aは、図1A〜図1Cに示された実施形態と比べてずらされた電極パターンを示し、図9Bと図9Cは、図1A〜図1Cの面と共に使用することができる他の電極構成を示し、ここで、図9Bは、接地板の使用を示す。他の電極構成も使用することができる。様々な実施形態では、電極は、表面と接した環境に露出されてもよく、電極は、表面に埋め込まれてもよく、電極は、電極と環境の間に、疎水性の薄い絶縁層、テフロンまたは誘電体層などの材料層を備えてもよく、電極は、露出、埋め込み、および被覆の組み合わせとして構成されてもよい。図9Fは、電極が環境に露出しないように電極の上に被覆を有する実施形態を示す。この場合、被覆の外側面は、被覆を透過する電界を介して電極によって生成されたプラズマにより殺菌することができる。
【0013】
さらに他の実施形態では、図1に示された面と類似の面が、その面自体を滅菌することができまた表面に配置された特定の対象物を滅菌することができる。このようにして、本発明の実施形態は、自己滅菌面を有する板や他の構造、およびその板上に配置されて、滅菌できるようにサイズが決められ適切な材料で作成された1つまたは複数の対象物を含むことができる。板は、対象物を位置決めしかつ/または生成されたプラズマが板上に配置された対象物を滅菌することを可能にするくぼみや伸長部分などの構造を有することができる。板を滅菌し、第1の数および/またはタイプの対象物を滅菌し、第2の数および/またはタイプの対象物を滅菌する個別の設定があってもよく、これらの設定は、例えば、異なる電力および/または持続時間を有することができる。そのような実施形態の一例は、手術板と種々の手術器具である。そのような滅菌または汚染除去は、ユーザの介在なしに自動で行われてもよく、ユーザ入力で行われてもよい。さらに他の特定の実施形態において、図2を参照すると、滅菌しなければならない物体を検出することができるセンサを、滅菌器の格納部分に実装してもよい。センサは、そのような物質を検出すると、滅菌器にプラズマを放射させて、物体が検出された面を滅菌させることができる。このようにして、プラズマは、常に放射されていなくもてよい。
【0014】
図2は、他の面上で転がることができる装置の表面にプラズマが提供されるように、装置から離れた面を、その離れた面上で転がることにより滅菌することができる装置の一実施形態を示す。図2に示されたように、電極は、他の表面の上で転がることができる外側円筒面に組み込まれてもよい。この場合も、電極は、表面上に位置決めされてもよく、表面に埋め込まれてもよく、環境に露出されてもよく、電極と環境の間に被覆を備えてもよい。連動スイッチは、装置本体から格納式滅菌器を押し出しかつ格納式滅菌器を装置本体に格納する働きをすることができる。外側円筒面上で電極を使用する他の用途には、スコープまたはプローブ、診断面、および検査室試験装置があるが、これらに限定されない。連動することにより、プラズマ場に不注意に露出されるのを防ぐことができる。図2に示された絶縁スペーサによって、円筒形格納式滅菌器の外側面を、滅菌されかつ/または汚染除去される表面の近くにその表面と接した状態で配置することができる。このスペーサの使用により、滅菌器の表面と滅菌されかつ/または汚染除去される面との間の離隔距離を制御することができる。図2に示された滅菌器の円筒部分の断面において、内側電極は、連続的な中空円筒として示され、外側電極は、誘電体材料などの絶縁材料によって内側電極から分離された長手方向のストリップとして示される。図2の装置と共に、内側電極用の長手方向ストリップ、外側および/または内側電極用の長手方向に離間されたリング電極、またはこれらの他の組み合わせを含むが、これらに限定されない他の電極形状を使用することができる。滅菌器の円筒部分の内部は、中空でもよく、1つまたは複数の物質が充填されてもよい。
【0015】
図3に示されたように、電極は、内側円筒面に組み込まれてもよい。内側円筒面上の電極を使用する他の用途には、薬剤送達ポート、ビーカー、フラスコ、および検査室ピペットがあるがこれらに限定されない。スイッチは、電極をオン・オフするために使用することができる。一実施形態では、電極は、容器の内側面に埋め込まれてもよい。特定の実施形態では、流体を管に通してもよい。管によって、電気接続、血液、静注薬物、または他の物質を入れることができる。電極は、容器内側面に示されているが、リップ部および/または外側面上に延在されてもよい。容器の下に電極を備えてもよい。容器は、長方形などの多数の断面形状を有することができる。特定の実施形態において、内側円筒面に電極を組み込むことにより、表面上に十分に拡がる放電を提供することができ、その結果、電極は、プラズマを生成して、例えば、円筒内に流れる空気などの流体を滅菌する。図2の実施形態に関して述べたように、電極は、様々な構成と形状を有することができる。
【0016】
図4に示したように、試験のたびにまたは試料ごとに滅菌しなければならない埋め込み式診断プローブおよび/または検査室プローブで使用するために、電極は、球形、ドーナツ形、または他の湾曲形の面に組み込まれてもよい。一実施形態では、球面は、別の表面上で転がって他の表面を滅菌することができる。
【0017】
図5に示されたように、プラズマを生成して針の軸と先端または解剖刀を滅菌するために電極を位置決めできるように電極を装置に組み込んでもよい。一実施形態において、図5の電極は、針またはメスが滅菌装置の内部に格納された状態で装置の内側壁の近くにあってもよい。あるいは、電極は、針またはメスを滅菌するために装置の内部から突出するように設計されてもよく、滅菌後に装置の内部に格納されてもよい。
【0018】
代替実施形態では、1つまたは複数の第1の電極が、針軸上または滅菌される他の対象物上に位置決めされ、1つまたは複数の第2の電極が、内側壁上または針が格納される本体部分の他の位置に位置決めされてもよい。次に、第1と第2の電極間に電圧を印加して、針および/または内側壁を滅菌するプラズマを作り出すことができる。針と内側壁の間隔を制御して、プラズマを適切に制御することができる。さらに他の実施形態では、電極は、針や他の対象物内に延設され、針に挿入された電極によって、または針に挿入された電極から針の内側面上の電極に電圧を印加することによってプラズマを作り出すことができる。
【0019】
図5に示された装置は、例えば、静脈注射用針、皮下注射針、医療処置に使用される他の針、診断用カテーテル、埋め込み装置、および解剖刀と共に使用することができる。特定の実施形態は、患者に挿入する前と患者から除去した後で自己滅菌して、汚染または患者または看護者に対する偶発的感染を最小限に抑える静脈カニューレを対象とする。図5に示された実施形態は、医療処置の際に自己滅菌することができる解剖刀、注射器、カテーテル、電極、または他の装置などの医療機器に組み込むことができる。例えば、解剖刀は、使用中に自己滅菌して、患者の身体の感染部分と健康部分間または患者間の相互汚染を減少させることができる。代表的な使用法は、トリアージまたは非常事態の際であり、または医療装置または機器の供給が限定された場合である。特定の実施形態では、針または解剖刀と内側壁との間にサブミリメートルから1ミリメートルまでの公差があってもよい。電極構成は、図5に断面で示されたように、やはり格納式の針を示す図3の実施形態に関して述べたものと類似してもよい。本発明によれば、滅菌および/または汚染除去を行うために種々の電極構成を使用することができる。例えば、内側壁の一部分が、電極を有してもよく、また針のまわりに回転されてもよく、または針が、電極のそばを通って針表面全体が滅菌されるように回転されてもよい。同様に、内側壁の長手方向部分が電極を備えてもよく、針が、格納または伸長される際に電極のそばを通るときに滅菌されてもよい。
【0020】
図6Aは、管に組み込まれた編組電極を有する一実施形態を示し、この場合、プラズマが、管の内側面、管の外表面、管のまわりに配置された対象物、および/または管に挿入された対象物を滅菌することができる。追加の実施形態は、ロッド外側面上の編組電極またはロッド外側面に組み込まれた電極を備える固体ロッドなどのロッドを対象とすることができ、この場合、電極は、ロッドの縦軸に沿って延在する電極、ロッドを取り巻く環を形成する電極、および/または他の電極配置を含む種々の構成を有することができる。図6Aの管を含むことができる実施形態は、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、および埋め込み式/ステント装置を含むがこれらに限定されない。他の非医学的応用例が、図6Aの管を備えてもよい。図6Aの管を備えるカテーテルの特定の実施形態が、図6Bに示される。編組は、プラズマを生成しかつ管を捻れなく曲げることを可能にする導電経路として使用される。特定の実施形態では、患者または看護者に対する滅菌バリアを維持しながら薬または治療の連続的施与を可能にするために、装置の特定領域またはゾーン内で自己滅菌することができる医療装置が提供される。他の電極構造も利用することができる。管は、ワイヤ電極間に空間を残すか隣接ワイヤ電極の接触を他の方法で防ぐために、管の内側および/または外側のまわりに編み組されたワイヤ電極を有するプラスチック層を有することができる。1つの編組の場合、網掛けワイヤ電極は、対向する電極でよい。いくつかのワイヤ電極は、金属電極が触れないようにするために誘電性でよい。この場合も、管と供に様々な電極構成および/または形状を使用することができる。
【0021】
図7は、滅菌バリアを必要とする装置、患者、または任意の表面を掃除または保護するために電極を備えた布または織面を示す。布または織面は、滅菌される物品の表面および/または一部分に隣接して配置することができ、布または織面によって生成されたプラズマが、物品のそのような表面および/または一部分を滅菌することができる。そのような実施形態では、電流範囲に関して、電流を最小にすることが望ましい。一実施形態では、基本的な織物または面は、テフロンなどの絶縁材料でよい。図7に示された実施形態、ならびに図1、図4および図6に示された実施形態は、装置上の特定の領域またはゾーン内で自己滅菌して、表面の汚染物質、タンパク質、コラーゲン、瘢痕組織または他の物質の蓄積を最小にして、装置の操作、安全性および効率を高めることができる医療機器に組み込むことができる。
【0022】
図8を参照すると、LCDテレビもしくはコンピュータ表示装置、またはプラズマ・テレビ表示装置と類似の表面が、個別の画素化電極対のマトリクスで構成された活性面を有することができる。背面によって適切にアドレス指定される画素形電極マトリクスを使用することができる。画素電極は、様々な形状を有することができる。画素電極は、1μm〜100μmの範囲、より好ましくは1μm〜10μmの範囲の断面直径または横方向寸法を有することができ、例えば、既存のテレビおよびコンピュータ表示装置と同じように印刷または製造することができる。そのような実施形態では、電流範囲に関して、電流を最小にすることが望ましいことがある。図9Dは、画素化電極を有する表面の上面を示す。図9Dに示された実施形態では、各電極行は、サンプル入力によって駆動される。他の実施形態では、各画素を個々にアドレス指定してもよく、状況の要求に応じて画素をグループ化してもよい。図9Dの実施形態では接地平面が使用されているが、プラズマ生成と反対側の電極に他の電極構造を使用することもできる。図9Eは、ストリップ電極と接地平面を有する一実施形態を示す。図9Bに示された断面は、図9Eの断面を示すことができる。図9Fは、電極上に被覆を有する一実施形態を示す。図9Fの下面の被覆は、プラズマを下面に作成することを可能にする。代替実施形態は、プラズマが下面に生成されないように下面上の被覆用の絶縁材料として使用されてもよい。
【0023】
特定の実施形態では、図8を参照すると、アブレーションを使用して電極形状および/またはパターンを形成することができる。アブレーションや他の適切な技術を使用して、表面の一方の側から別の側に孔を形成することができ、その結果、例えば、一方の側の電極から他方の側の電極に電圧を印加することによって、プラズマが孔内に生じることができる。孔内のプラズマは、孔内に流れる流体を滅菌しかつ/または汚染除去して流体を浄化することができる。この場合、孔の表面を滅菌または汚染除去することもできる。そのような孔は、プラズマが孔内の流体の断面流れ全体に達することができるようにするために、約1ミクロン〜1ミリメートルの断面寸法を有することができる。特定の実施形態では、円筒形の孔の直径は、1mm未満である。さらに他の実施形態では、孔の直径は、大気圧で1μm〜100μm、または1μm〜1000μmの範囲である。実施形態は、大気圧以外の圧力で実施されてもよい。
【0024】
特定の実施形態は、どの電極を活性化するかを制御することによって滅菌または汚染除去される表面の区分または特定部分を制御する機能を備えてもよい。画素化電極構造を有する特定の実施形態では、表面のどの領域を滅菌または汚染除去するかを制御するために電極の任意の組み合わせを選択することができる。
【0025】
本発明の様々な実施形態において、電力は、交流、直流、バッテリおよび無線を含む種々の電源から電極に供給されてもよい。無線電力伝達は、装置が、本体の上に、装置の内側を環境による汚染から密閉する全体的被覆を有することができる。
【0026】
本発明の実施形態は、様々な電極構造、材料および構成要素を有する電極を含むことができる。特定の実施形態では、電極は、センサとして使用されてもよい。活性面は、ユーザに不活性作用面を提供するために、高分子、ガラスまたは他の誘電体材料の薄層で被覆されてもよい。そのような被覆は、活性面上の電極腐食および/または酸化の形成を抑制することもできる。不活性作用面を提供するために使用される被覆は、被覆面上のプラズマの生成を強化するために、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子および/またはナノロッドなどの導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。
【0027】
特定の実施形態は、(1)装置の構造において、プラズマ・エネルギーを導く表面活性化を制御し、局所的またはゾーン別の滅菌を実行し、製造コストを低減するために使用することができる導電性高分子と、(2)センサ用などの装置の構造において、プラズマ・エネルギーを導く表面活性化を制御し、局所的またはゾーン別の滅菌を実行し、製造のコストを低減するために使用することができるカーボン・ナノチューブ薄膜、ナノロッドまたはナノワイヤのクラスタで被覆された表面、または導電性高分子で被覆された表面等であるこれらに限定されない透明導電性薄膜と、(3)センサとして働き、かつ/またはプラズマ・エネルギーを導く表面活性化を制御し、局所的またはゾーン別の滅菌を実行し、製造のコストを低減するために、銀、金、銅、アルミニウムまたは他の導電性または半導電性材料のナノ粒子がドープされた(1)または(2)に記載の材料または高分子とのいずれかまたはすべてからなる電極または電気活性構成要素を含むことができる。電極は、プラズマの生成を強化するために、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子および/またはナノロッドなど導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。環境に露出された電極が上または中に配置された誘電体バリア材料は、プラズマの生成を強化するために、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子および/または導電性および/または半導電性材料で被覆されること、および/またはそれらを含むことができる。
【0028】
本発明の実施形態は、ユーザからの有ってもごく僅かな対話で動作することができ、また表面の汚染および/または表面の潜在的汚染を検出し、その表面を自己滅菌または自己汚染除去することができる。表面の潜在的汚染の検出は、表面がいつ接触されたかまたは表面近くに何の物質があるかなどの表面の物理的環境を検出することにより達成することができる。例えば、本装置は、炭疽菌を検出できるセンサを利用することができ、またセンサが炭疽菌を検出したとき、装置は、最も汚染された可能性の高い表面の一部分などの表面のすべてまたは一部分を滅菌または汚染除去することができ、またはプラズマの生成によって、装置表面の近くの面を滅菌または汚染除去することができる。装置は、そのような処置を自動的に達成してもよく、ユーザが処置を開始できるようにユーザに入力を提供してもよい。
【0029】
特定の実施形態と共に使用されるセンサは、また、センサ感度および/または特定性を強化するために、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子、ナノロッドなどの導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。同様に、センサ感度および/または特定性を強化するために、電極上に非活性作用面を生成するために使用される被覆が、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子、センサ感度などの導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。
【0030】
本発明による滅菌技術の応用は、空気清浄器、自己清浄式オーブン、バスルーム扉板、ドアハンドル、調理器具、まな板、コンベヤ・ベルト、貯蔵容器、およびショッピングカート用ハンドルにも適する。また、低消費電力のHEPA型ろ過装置は、まだ公開されていない、2008年7月25日に出願された国際出願番号PCT/US2008/071262に教示された、プラズマ励起式ろ過膜を通る際にイエダニ/微生物を蒸発させることができるEHDマイクロポンプを備えることによって達成することができ、前記出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
各装置は、電極、絶縁体および電気活性構成要素を利用して滅菌プラズマを作り出すことができる。標準電極と絶縁材料は、すべての環境条件に適しているが、高温用途は、誘電体(例えば、ガラス・マイカ・セラミック)と電極(例えば、金属ペロブスカイト)を適切に選択することによって対応することができる。自己滅菌処理処理を行うために使用されるプラズマ場は、表1に示した変量のうちのいくつかまたはすべてによって制御することができる。
【0032】
【表1】
【0033】
50Hz〜10MHzの範囲、また特定の実施形態では0.1kHz〜10MHzの範囲の電極のパルス励起を使用して、プラズマを連続的に作り出すことができる。パルス直流などの直流(DC)も使用することができる。特定の実施形態は、10V〜50kV、また特定の実施形態では直流0.1V〜10kVの電位差を使用することができる。0.1mTorr〜10barの範囲の周囲圧力下で隣接電極を位相制御式に励起することによってプラズマを生成することができる。さらに特定の実施形態では、1μA〜1Aの電流レベルを使用することができ、また特定の実施形態では1μA〜100Aの電流レベルを使用することができる。
【0034】
本発明の種々の実施形態は、血液、尿、唾液の感染症の伝染、またはバクテリア、ウィルス、癌細胞、病原体または他の形の汚染の拡散を最小限にする能力を改善することができる。実施形態を食品加工装置および表面に組み込んで、バクテリアや他の汚染物質の拡大を最小限にすることができる。図7に示された実施形態の適応などのさらに他の実施形態は、マスク、病室、飛行機空気ろ過、クリーンルームを含む呼吸管理に使用される自己滅菌板または空気フィルタを有し、または図1に示されたような面の間またはそのような面の孔内に空気を通す空気汚染除去装置に使用することができる。マスクは、マスクを装着しその後で外したときに自己滅菌できるように自己滅菌電極を備えてもよい。
【0035】
汚染面に適用して滅菌するか滅菌バリアを提供することができる装置が提供される。例えば、図7に示したように、患者に接触している検査室診断装置を取り巻くかまたは覆うことができる自己滅菌電極布が提供される。処置の後、布は、取り外されて、次に自己滅菌するように活性化され、そして次の患者または処置に再使用される。本発明の様々な実施形態の用途の一例には、トリアージがあり、多くの負傷者を次々と処置する看護者が、患者ごとに自己滅菌することができる装置を使用することができる。これにより、廃棄されるか別の装置によって滅菌されるまで使用できない可能性のある物品の再使用が可能になる。
【0036】
本発明の様々な実施形態では、滅菌および/または汚染除去するためのプラズマを様々な技術によって生成することができる。そのようなプラズマは、大気圧で生成されてもよく、大気圧より低い圧力で生成されてもよく、大気圧より高い圧力で生成されてもよい。そのような技術の例には、誘電体バリア放電(DBD)(非特許文献11参照)、抵抗バリア放電(RBD)(非特許文献12参照)、および大気圧プラズマ・ジェット(APPJ)(非特許文献13参照)があるがこれらに限定されず、これらの3つの参考文献はすべて、適切なプラズマを生成する方法を教示するために、全体が本明細書に組み込まれる。RBDは、直流または交流電源によって駆動されてもよく、DBDは、kHz帯の周波数で動作してもよく、APPJは、13.56MHzの高周波電源を使用してもよい。これらの技術は、比較的大量の非平衡低温プラズマをほぼ大気圧で生成することができる。特定の実施形態は、109cm-3〜1011cm-3の範囲の電子密度と10〜300mW/cm3の範囲のプラズマ電力密度を有するプラズマを生成する。別の特定の実施形態では、プラズマは、浮遊電極誘電体バリア放電(FE−DBD)によって生成することができる。
【0037】
本発明の実施形態は、誘電体バリア放電(DBD)を含むことができ、この場合、第1の誘電体被覆電極(または、1組の電極)は、表面が周囲大気に露出され(または、被覆で覆われ)、第2の電極は(または1組の電極)は、絶縁層に埋め込まれる。この場合、薄い表面被覆が環境と接触し、表面被覆下の電極によってプラズマが生成される。第1の電極(または、1組の電極)と第2の電極(または1組の電極)の間に電圧を印加して、表面にプラズマを作り出すことができる。プラズマを表面上に連続的に分散させるために、位相遅延電極回路が使用されてもよい。位相遅延電極回路は、電極対を構成する第1組の電極と第2組の電極から対応する電極間に電圧を印加し、その結果、異なる電極対が、隣りの電極対に印加された電圧と比べて位相遅れを有する電圧で励起される。一実施形態では、電極の両側に放電が生じるように電極が各方向に離間している。一方1組の電極は、パルス交流または直流電圧で電力供給されてもよく、他方の1組の電極は、接地されてもよい。交流電圧の場合、正弦波波形、ランプ波形、のこぎり歯波形などの種々の波形を利用することができる。電極は、うなり周波数で動作されてもよい。さらに、固定電位(直流)が印加されてもよい。
【0038】
図9A〜図9Fに、電極構造の特定の実施形態を示す。図9A〜図9Fに示された電極構造は、交流電流で駆動されてもよい。電極間隔は、数ミクロンから数mmまで変化してもよい。自己滅菌に必要なプラズマ露出時間は、数マイクロ秒〜数ミリ秒の間で変化してもよい。有機物質を完全に根絶するには、数秒間の露出が必要な場合がある。
【0039】
図8を参照すると、本発明の一実施形態が示される。電極層、誘電体層およびセンサ層を有する積層材を使用して、図8に示された実施形態を作成することができる。一連の微細なレーザアブレーション孔またはスロットを作成して、積層材に孔を開けることができる。等電位面PとGが、ある電圧差で維持されてもよい。面PとGの間には、交流電圧が印加されてもよく直流電圧が印加されてもよい。プラズマ放電が孔内に生成され、一方向または両方向に射出されてもよい。このようにして、一方の面または両方の面を自己滅菌することができる。積層材内にテフロン、PCB、FR4、セラミックなどの絶縁材料を使用して面PとGの間を絶縁することができる。面PとGの電極材料として、銅、白金、合金などの電極材料を使用することができる。材料の選択とその結果として生じる表面張力が、孔のサイズの選択に影響を及ぼす可能性がある。
【0040】
孔パターンを制御するために、伸縮自在の材料を使用することができる。一実施形態では、自己滅菌積層材は、高圧蒸気滅菌装置、ガンマ滅菌法、滅菌物質、化学物質および/または機器と装置を滅菌する処理で使用される技術と供に利用されてもよい。特定の実施形態では、自己滅菌積層材は、高圧蒸気滅菌、ガンマ滅菌または滅菌材料の貯蔵を必要とする用途で使用される筐体に組み込まれ、例えばその筐体に成形されてもよい。
【0041】
本発明の種々の実施形態は、1つまたは複数の活性面を有することができ、この場合、自己滅菌装置の活性面は、滅菌状態または汚染状態のいずれかでよく、活性面は、自己滅菌プロセスにより装置によって再滅菌されてもよい。活性面は、解剖刀先端を滅菌状態に保つなどの特定の目的に使用されてもよい。活性面の滅菌状態は、装置によって連続的に維持されてよくも断続的に維持されてもよい。活性面の自己滅菌は、エンドユーザや他の人、対象物または外部装置の介在により行われてもよく、その介在なしに行われてもよい。実施形態では、自己滅菌装置は、活性面が汚染された潜在的に汚染されたかを検出することができる。自己滅菌装置は、センサを使用して汚染のレベルおよび/または汚染の可能性を決定することができる。センサは、滅菌前、滅菌中および/または滅菌サイクルが行われた後で、装置の状態のフィードバックを提供することができる。センサを使用して、滅菌前、滅菌中および/または滅菌サイクルが行われた後で活性面汚染レベルのフィードバックを提供することができる。活性面の滅菌は、エンドユーザ、他の人、対象物または外部装置による介在がある場合もない場合も、装置によって開始されてもよい。センサによって収集された汚染または潜在的汚染の情報は、活性面の特定ゾーンなどの汚染の場所、活性面を汚染した接触の期間、活性面の圧力、温度もしくは動き、または自己滅菌装置の動きなどの接触と関連した他の物理的パラメータのうちの1つまたは複数であってもよい。
【0042】
様々なセンサ設計および配置を使用することができる。一実施形態では、センサは、滅菌モードの代わりに検出モードで動作するプラズマ電極またはプラズマ電極の一部分でよい。そのようなセンサの一例には、容量性または連続性センサがある。センサが、プラズマ電極と一体化されてもよくその隣りに配置されてもよい。そのようなセンサの一例は、圧力センサである。赤外線カーテンなどにより活性面の近くにセンサが配置されてもよい。自己滅菌装置内にセンサが配置されてもよい。そのようなセンサの一例は、始動/停止スイッチとタイマである。そのようなセンサの別の例は、ユーザによる動きを検出する加速度計である。装置から離れた場所にセンサが配置されてもよい。離れて配置されたセンサの一例は、装置を監視するカメラや、汚染空間に入って汚染空間から出る前または出た後で自己滅菌するロボットまたは装置など、リモート制御位置への無線リンクを有するセンサである。本発明の実施形態により他のセンサ設計および配置を実施することもできる。
【0043】
様々なセンサ・タイプを使用することもできる。ユーザ/患者の安全のために、赤外線カーテン、容量性ロックアウト、滅菌サイクルの他の検出手段などの連動装置を使用することができる。活性面または装置自体の検出、フィードバックおよび制御に使用することができるセンサの例には、活性面または装置上にカーテンを提供する赤外線ビームと、活性面または装置上にカーテンを提供する無線周波数電磁場と、活性面上のまたは装置の動きを検出する運動センサと、活性面上のまたは装置の動きを検出する音響ビームと、別の対象物による接触または装置の変化を決定する温度センサと、別の人もしくは対象物による接触または装置の変化を決定する圧力センサと、別の人もしくは対象物による接触または装置の変化を決定する容量性センサと、別の人もしくは対象物による接触または装置の変化を決定する導電率センサがある。例えば、赤外線ビームを使用して活性面の上にカーテンを提供して、活性面が接触されたこと、従って滅菌を必要とする場合があることを検出し、または活性面上の堆積を監視することができる。別の例として、加速度計を使用して装置の動きを検出することができる。
【0044】
(実施例−自己滅菌装置の実施形態の装置状態図)
以下は、本発明による自己滅菌装置の一実施形態の装置状態図である。装置は、その状態を、赤色光、黄色光、および/または緑色光などの視覚的指標を使用することにより、またはブルートゥース対応装置と通信する無線信号などの様々な他の手段によって、ユーザに示すことができる。
【0045】
【表2】
【0046】
以下は、自己滅菌装置がどのように動作しユーザと対話するかの例である。
【0047】
1.装置は、その現在状態を活性面近くに配置された表示ランプを用いて示す。装置は、小型表示装置やリモート・コンピュータへの無線接続などの他の機構によってユーザにフィードバックを提供してもよい。
【0048】
2.この例では、有色LEDランプが使用される。ランプは、赤色、黄色または緑色を点灯してもよく、3つすべての色を同時に点灯してもよい。
【0049】
3.装置が電源投入されたとき、装置は補正自己診断を実行する。すべての表示ランプ(赤、緑、および黄)が点灯される。自己補正自己診断が、装置電源システム、センサ、活性面、ハードウェアおよびソフトウェアが仕様範囲内で動作していることを確認する。
【0050】
4.自己補正自己診断後に、装置は、活性面に現在ユーザまたは外部装置が接触しているかどうかを検出する。ユーザが装置に接触している場合、表示ランプは黄色になり、安全保護装置が作動する。装置は、スタンバイ・モードになる。装置は、接触されなくなるまでスタンバイ・モードのままになる。
【0051】
5.活性面が解放された後で、装置は、初期自己滅菌サイクルを実行する。自己滅菌サイクルの間、表示ランプは赤になる。
【0052】
6.自己滅菌サイクルが完了した後、表示ランプは緑になる。
【0053】
7.ユーザが装置を取り上げて使用するか、装置が、汚染された可能性があることを検出したとき、表示ランプは黄色になり、安全保護装置が作動し、装置は、スタンバイ・モードになり、再び再滅菌するのを待つ。
【0054】
8.必要に応じて上記ステップが繰り返される。
【0055】
(実施例1)
この実施例は、装置の表面を自己滅菌することができる装置に関する。図10A〜図10Gは、励起1分までの様々な時間期間後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおいて、イーストを有する表面のプラズマ生成結果を示す。図10Aは、109胞子/mlを含む100μlのイースト溶液を有する励起前の表面と、電極励起1分後の表面とを示す。図10Bは、109胞子/mlを含む10μlのイースト溶液を有する励起前の表面と、電極励起1分後の表面とを示す。図10C〜図10Gは、それぞれ励起0秒後、10秒後、20秒後、40秒後および60秒後の10μlのイースト溶液を有する表面を示す。図11は、横軸に時間が秒で示され縦軸に胞子数が指数で示された生存曲線の質的特性を示し、40μlのイースト溶液を有する表面の生存曲線(正方形)の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面の生存曲線(三角形)の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面の生存曲線(直線)の質的特性とを示す。
【0056】
本明細書で参照または引用された、すべての特許、特許出願、仮出願および出版物は、本明細書の明示的教示と一致する限り、参照によりすべての図と表を含むその全体が組み込まれる。
【0057】
本明細書に記載された実施例と実施形態が、単に例示のためであり、これらの実施例と実施形態を考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の精神と範囲に含まれることを理解されたい。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2007年11月21日に出願された米国仮出願番号60/989,496号の利益を主張し、この出願は、文章、表または図面を含むその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気入力によるプラズマの生成は、近年、実験と理論の両方の面で研究されてきている(非特許文献1〜4参照)。また、直流(DC)、高周波(RF)、マイクロ波励起などによって得られる非平衡放電の固有の基本メカニズムは、空気の導電度を高めて印加磁場によって生成される動重力による制御性を高めるために、イオン化に利用されてきた。誘電体バリア放電(DBD)は、一般に、表面が周囲の大気にさらされた1つの誘電体被覆電極を必要とし、別の電極が絶縁層内側に埋め込まれる。紫外線の放射は、表面プラズマの化学過程と同様、短い時間尺度できわめて少ない電力と熱を使用する汚染除去に適する(非特許文献5、6参照)。
【0003】
特殊なDBD機構を使用すると、紫外線抵抗性細胞でも、細胞を数秒以内に数千分の1以下に素早く減少させることができることが分かっている(非特許文献5参照)。Moisanらは、紫外線照射された微生物の生存曲線が独特の線形減衰を示す従来の滅菌と対照的に、プラズマ滅菌が、3つの基本メカニズムを示す生存図となることを確認した(非特許文献7参照)。第1に、微生物の遺伝物質にプラズマ関連紫外線を照射することによる迅速な直接破壊、第2に、微生物に固有の揮発性化合物を形成する固有光脱離による微生物の段階的侵食、そして第3に、プラズマ・イオン化により形成されたラジカルによるエッチングによる微生物の侵食である。一緒に、プラズマ滅菌は、従来の滅菌処理よりかなり(桁違いに)高速である。
【0004】
従来、プラズマ放電では、2つの電極間に直流電圧がかけられる。電圧を徐々に高めた場合、破壊電圧VBで、電流と中性気体の励起量が、可視プラズマを生成できるほど十分に増える。パッシェンの法則によれば、特定気体の破壊電圧は、気体圧力と電極間距離の積(p×d)に依存する。どの気体にも、容量イオン化が最大となるストールトウ・ポイント(Stoletow point)と呼ばれる固有のp×d値がある。空気のストールトウ・ポイントは、最低でも、VB=360V、p×d=5.7Torr−mmを必要とする。
【0005】
残念ながら、ほぼ大気圧では、最大容積イオン化に必要な許容電極間隔は、d=7.7μmである。例えば高速航空機などにおけるいくつかの用途では、これは非現実的な限度である。この限度に対する解決策は、最近開発された電極の両端に交流電位を使用するRFグロー放電によるものである。電流の周波数は、交流サイクルの周期内で電子が電極まで移動し電荷を生成しなければならないが、比較的重いイオンはそれができないようなものでなければならない。760±25Torrにおける空気や他のガスの報告された実験(非特許文献2参照)によれば、高周波3〜20kHzとrms電極電圧2〜15kVで均質なグローを維持することができる。空気のそのような放電に重要な基準は、約30kV/cmの電界要件を満たすことである。電圧が高い間は、高周波駆動バリア放電を保持するのに数ミリアンペアの電流でよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,261,852号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Kanda, N., M.Kogoma, H.Jinno, H.Uchiyama and S.Okazaki, Proc.10th Symp. On Plasma Chem., Vol.3, Paper no.3.2-20 (1991).
【非特許文献2】Roth, J.R., Physics of Plasmas, 10 (5), 2117 (2003).
【非特許文献3】S.Roy, K.P.Singh, H.Kumar, D.Gaitonde, and M.Visbal, Effective discharge dynamics for plasma actuators, AIAA-2006-0374,44th Aerospace Sciences Meeting and Exhibit, 9-12 January, 2006.
【非特許文献4】S.Roy, Flow actuation using radio frequency in partially-ionized collisional plasmas, Applied Physics Letters, 86 (10) 101502 (2005).
【非特許文献5】M.Heise1, W.Neff1, O.Franken, P.Muranyi and J.Wunderlich, Sterilization of Polymer Foils with Dielectric Barrier Discharges at Atmospheric Pressure, Plasmas and Polymers, 9 (1) 23-33 (2004).
【非特許文献6】M.Tanino, W.Xilu, K.Takashima, S.Katsura and A.Mizuno, Sterilization using dielectric barrier discharge at atmospheric pressure, Industry Applications Conference, 2005.Fortieth IAS Annual Meeting. Vol.2, 784-788 (2005).
【非特許文献7】M.Moisan, J.Barbeau, S.Moreau, J.Pelletier, M.Tabrizian and L’H.Yahia, Low-temperature sterilization using gas plasmas: a review of the experiments and an analysis of the inactivation mechanisms, International Journal of Pharmaceutics, 226, 1-21 (2001).
【非特許文献8】Fridman G., Peddinghaus L., Vinovrski T., Jah A., Fridman A., Balasubramanian M., Gutsol A., Friedman G., "Use of Non-Thermal Atmospheric Pressure Plasma Discharge for Coagulation and Sterilization of Surface Wounds", 32nd IEEE International Conference on Plasma Science, June 20-23,2005, Monterey, California, IEEE Conference Record - Abstracts, p.257.
【非特許文献9】G.Fridman, A.Shereshevsky, M.Peddinghaus, A.Gutsol, V.Vasilets, A.Brooks, M.Balasubramanian, G.Friedman, and A.Fridman, Drexel University, Philadelphia, PA "Bio-Medical Applications of Non-Thermal Atmospheric Pressure Plasma" AIAA-2006-2902 37th AIAA Plasma dynamics and Lasers Conference, San Francisco, California, June 5-8, 2006.
【非特許文献10】F.Ren, ZnO Nanowires for Sensing and Device Applications, 212th ECS Meeting, October 7-12,2007, Washington, DC.
【非特許文献11】S.Kanazawa, M.Kogoma, T.Moriwaki, and S.Okazaki, J.Appl. Phys.D: Appl. Phys.21 (1988) 838.
【非特許文献12】M.Laroussi, I.Alexeff, J.P.Richardson, and F.F.Dyer, IEEE Trans. Plasma Sci.30 (2002) 158.
【非特許文献13】A.Scutze, J.Y.Jeong,S.E.Babyan, J.park, G.S.Selwyn, and R.F.Hicks, IEEE Trans. Plasma Sci.26 (1998) 1685.
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態は、装置の表面や他の部分を自己滅菌または自己汚染除去しかつ/または他の対象物を滅菌または汚染除去するための方法および装置に関する。本実施形態は、自己滅菌および/または別の対象物を滅菌するために自己生成プラズマ場および/または遠隔制御プラズマ場を利用することができる。本発明の実施形態は、汚染除去、医療処置、薬剤送達、消費者製品の滅菌、および食品調理機器と道具の滅菌に使用される装置の滅菌を必要とする手順と機器において幅広い用途を有することができる。本発明の種々の実施形態は、装置によって生成されたプラズマ場を使用することより、装置の表面や他の表面上の異物を除去するか大幅に減少させることを含むことができる。ある実施形態では、生体、組織、細菌、バクテリア、病原体、生物学的作用物質、ウィルス、代謝的非活性薬剤、ピロン、有機体物質、微生物などの表面上または表面近くの物質を、表面から殺傷しかつ/または蒸発させることができ、化学物質や他のタイプの潜在的有害物質などの非生物を蒸発または他の方法で低害化することができる。また、プラズマ場の生成は、イオン化空気、ラジカル、光子および/または紫外線の生成を含んでもよい。また、特定の実施形態は、表面または環境を検出して、表面が潜在的に汚染されているか、汚染されているか、かつ/または無菌でないかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による平坦で柔軟な自己滅菌積層面を示す図である。
【図2】他の対象物を殺菌するために利用することができる回転面を備えた自己滅菌装置の一実施形態を示す図である。
【図3】自己滅菌容器の一実施形態を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による活性滅菌を実行する表面の様々な部分を有する自己滅菌面の種々の形状を示す図である。
【図5】本発明による格納式自己滅菌装置の一実施形態を示す図である。
【図6A】自己滅菌編組管の一実施形態を示す図である。
【図6B】図6Aの編組管を含むカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図7】自己滅菌布の一実施形態を示す図である。
【図8】複数の孔が開けられた自己滅菌構造の一実施形態を示す図である。
【図9A】表面の自己滅菌を可能にする種々の電極配置を示す図である。
【図9B】表面の自己滅菌を可能にする種々の電極配置を示す図である。
【図9C】表面の自己滅菌を可能にする種々の電極配置を示す図である。
【図9D】画素化電極を有する表面の上面を示す図である。
【図9E】ストリップ電極と接地平面を有する一実施形態を示す図である。
【図9F】電極上に被覆を有する一実施形態を示す図である。
【図10A】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10B】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10C】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10D】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10E】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10F】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図10G】励起1分後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおける、イーストを有する表面上のプラズマ生成結果を示す図である。
【図11】40μlのイースト溶液を有する基質上のイーストの生存曲線の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面上のイーストの生存曲線の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面上のイーストに関する別の実験の生存曲線の質的特性とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は、装置の表面や他の部分を自己滅菌しかつ/または他の対象物を滅菌するための方法および装置に関する。本実施形態は、自己滅菌および/または別の対象物を滅菌するために自己生成されかつ/または遠隔制御されたプラズマ場を利用することができる。本発明の実施形態は、汚染除去、医療処置、薬剤送達、消費者製品の滅菌、および食品調理機器と道具の滅菌のための装置を必要とする手順および設備において幅広い用途を有することができる。滅菌および/または汚染除去は、例えば、病原体、バクテリア、化学物質、生物学的作用物質や他の物質を減少または除去することができる。プラズマは、化学構造を変化させることができ、かつ表面上の物質を気化させることができる。
【0011】
本発明の特定の実施形態では、適切な国際滅菌機構(International Organization for Sterilization)(ISO)規格に従って表面を滅菌することができる。本発明の実施形態が満たすことができるISO規格の例には、ISO17664:2004「医療用具の滅菌−再滅菌可能な医療用具の処理に関する製造業者の情報(Sterilization of medical devices -- Information to be provided by the manufacturer for the processing of resterilizable medical devices)、ISO11138−4:2006「ヘルスケア製品の滅菌−生物指標(Sterilization of health care products -- Biological indicators)」、ISO11737−2:1998「医療用具の滅菌−微生物学的方法−第2部:滅菌工程の妥当性確認において実施される無菌試験(Sterilization of medical devices --Microbiological methods -- Part 2: Tests of sterility performed in the validation of a sterilization process)」、ISO14161:2000「ヘルスケア製品の滅菌−生物指標−結果の選択、使用および解釈の手引き(Sterilization of health care products -- Biological indicators --Guidance for the selection, use and interpretation of results)」、ISO14937:2000「ヘルスケア製品の殺菌−殺菌剤の測定及び医療用具の開発,妥当性検査及び定期管理に関する一般要求事項(Sterilization of health care products -- General requirements for characterization of a sterilizing agent and the development, validation and routine control of a sterilization process for medical devices)」、ISO11737−1:2006「医療用具の滅菌−微生物学的方法−第1部:製品の微生物数の測定(Sterilization of medical devices -- Microbiological methods -- Part 1: Determination of a population of microorganisms on products)」があるが、これらに限定されない。さらに、様々な実施形態が、Seymour S Block. 2000 Disinfection, Sterilization, and Preservation 5th ed. Lippencott, WilliamsおよびWilkensに示された規格を満たすことができる。
【0012】
実施形態は、自己滅菌することができる様々な表面に滅菌プラズマを提供するための電極構造を有することができる。本発明の実施形態に様々な形状を有する面を組み込むことができる。平坦な積層面を、例えば切断板、手術面または解剖刀と供に使用することができ、また、平坦な積層面は、適切なプラズマを生成する埋込み電極アレイを備えてもよい。特定の実施形態では、電極の間に2〜20kVの電圧を印加することができる。別の特定の実施形態では、2〜20kVのピーク・ピーク交流電圧を印加することができ、より特定の実施形態では、交流電圧は1〜50kHz高周波電圧である。図1A〜図1Cは、平らで柔軟な自己滅菌積層面の一実施形態を、積層面の断面図(図1Bと図1C)と共に示す。積層面は、2つの電極層間に挟まれた誘電体層を有することができる。図1を参照すると、接地電極層が、電力供給電極層と離間して配置される。電力供給電極と接地電極は、交差パターンを構成する。電力供給電極を接地電極に対する電圧で駆動することにより、活性面を殺菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される。電極は、様々な形状とサイズを有することができる。図9Aは、図1A〜図1Cに示された実施形態と比べてずらされた電極パターンを示し、図9Bと図9Cは、図1A〜図1Cの面と共に使用することができる他の電極構成を示し、ここで、図9Bは、接地板の使用を示す。他の電極構成も使用することができる。様々な実施形態では、電極は、表面と接した環境に露出されてもよく、電極は、表面に埋め込まれてもよく、電極は、電極と環境の間に、疎水性の薄い絶縁層、テフロンまたは誘電体層などの材料層を備えてもよく、電極は、露出、埋め込み、および被覆の組み合わせとして構成されてもよい。図9Fは、電極が環境に露出しないように電極の上に被覆を有する実施形態を示す。この場合、被覆の外側面は、被覆を透過する電界を介して電極によって生成されたプラズマにより殺菌することができる。
【0013】
さらに他の実施形態では、図1に示された面と類似の面が、その面自体を滅菌することができまた表面に配置された特定の対象物を滅菌することができる。このようにして、本発明の実施形態は、自己滅菌面を有する板や他の構造、およびその板上に配置されて、滅菌できるようにサイズが決められ適切な材料で作成された1つまたは複数の対象物を含むことができる。板は、対象物を位置決めしかつ/または生成されたプラズマが板上に配置された対象物を滅菌することを可能にするくぼみや伸長部分などの構造を有することができる。板を滅菌し、第1の数および/またはタイプの対象物を滅菌し、第2の数および/またはタイプの対象物を滅菌する個別の設定があってもよく、これらの設定は、例えば、異なる電力および/または持続時間を有することができる。そのような実施形態の一例は、手術板と種々の手術器具である。そのような滅菌または汚染除去は、ユーザの介在なしに自動で行われてもよく、ユーザ入力で行われてもよい。さらに他の特定の実施形態において、図2を参照すると、滅菌しなければならない物体を検出することができるセンサを、滅菌器の格納部分に実装してもよい。センサは、そのような物質を検出すると、滅菌器にプラズマを放射させて、物体が検出された面を滅菌させることができる。このようにして、プラズマは、常に放射されていなくもてよい。
【0014】
図2は、他の面上で転がることができる装置の表面にプラズマが提供されるように、装置から離れた面を、その離れた面上で転がることにより滅菌することができる装置の一実施形態を示す。図2に示されたように、電極は、他の表面の上で転がることができる外側円筒面に組み込まれてもよい。この場合も、電極は、表面上に位置決めされてもよく、表面に埋め込まれてもよく、環境に露出されてもよく、電極と環境の間に被覆を備えてもよい。連動スイッチは、装置本体から格納式滅菌器を押し出しかつ格納式滅菌器を装置本体に格納する働きをすることができる。外側円筒面上で電極を使用する他の用途には、スコープまたはプローブ、診断面、および検査室試験装置があるが、これらに限定されない。連動することにより、プラズマ場に不注意に露出されるのを防ぐことができる。図2に示された絶縁スペーサによって、円筒形格納式滅菌器の外側面を、滅菌されかつ/または汚染除去される表面の近くにその表面と接した状態で配置することができる。このスペーサの使用により、滅菌器の表面と滅菌されかつ/または汚染除去される面との間の離隔距離を制御することができる。図2に示された滅菌器の円筒部分の断面において、内側電極は、連続的な中空円筒として示され、外側電極は、誘電体材料などの絶縁材料によって内側電極から分離された長手方向のストリップとして示される。図2の装置と共に、内側電極用の長手方向ストリップ、外側および/または内側電極用の長手方向に離間されたリング電極、またはこれらの他の組み合わせを含むが、これらに限定されない他の電極形状を使用することができる。滅菌器の円筒部分の内部は、中空でもよく、1つまたは複数の物質が充填されてもよい。
【0015】
図3に示されたように、電極は、内側円筒面に組み込まれてもよい。内側円筒面上の電極を使用する他の用途には、薬剤送達ポート、ビーカー、フラスコ、および検査室ピペットがあるがこれらに限定されない。スイッチは、電極をオン・オフするために使用することができる。一実施形態では、電極は、容器の内側面に埋め込まれてもよい。特定の実施形態では、流体を管に通してもよい。管によって、電気接続、血液、静注薬物、または他の物質を入れることができる。電極は、容器内側面に示されているが、リップ部および/または外側面上に延在されてもよい。容器の下に電極を備えてもよい。容器は、長方形などの多数の断面形状を有することができる。特定の実施形態において、内側円筒面に電極を組み込むことにより、表面上に十分に拡がる放電を提供することができ、その結果、電極は、プラズマを生成して、例えば、円筒内に流れる空気などの流体を滅菌する。図2の実施形態に関して述べたように、電極は、様々な構成と形状を有することができる。
【0016】
図4に示したように、試験のたびにまたは試料ごとに滅菌しなければならない埋め込み式診断プローブおよび/または検査室プローブで使用するために、電極は、球形、ドーナツ形、または他の湾曲形の面に組み込まれてもよい。一実施形態では、球面は、別の表面上で転がって他の表面を滅菌することができる。
【0017】
図5に示されたように、プラズマを生成して針の軸と先端または解剖刀を滅菌するために電極を位置決めできるように電極を装置に組み込んでもよい。一実施形態において、図5の電極は、針またはメスが滅菌装置の内部に格納された状態で装置の内側壁の近くにあってもよい。あるいは、電極は、針またはメスを滅菌するために装置の内部から突出するように設計されてもよく、滅菌後に装置の内部に格納されてもよい。
【0018】
代替実施形態では、1つまたは複数の第1の電極が、針軸上または滅菌される他の対象物上に位置決めされ、1つまたは複数の第2の電極が、内側壁上または針が格納される本体部分の他の位置に位置決めされてもよい。次に、第1と第2の電極間に電圧を印加して、針および/または内側壁を滅菌するプラズマを作り出すことができる。針と内側壁の間隔を制御して、プラズマを適切に制御することができる。さらに他の実施形態では、電極は、針や他の対象物内に延設され、針に挿入された電極によって、または針に挿入された電極から針の内側面上の電極に電圧を印加することによってプラズマを作り出すことができる。
【0019】
図5に示された装置は、例えば、静脈注射用針、皮下注射針、医療処置に使用される他の針、診断用カテーテル、埋め込み装置、および解剖刀と共に使用することができる。特定の実施形態は、患者に挿入する前と患者から除去した後で自己滅菌して、汚染または患者または看護者に対する偶発的感染を最小限に抑える静脈カニューレを対象とする。図5に示された実施形態は、医療処置の際に自己滅菌することができる解剖刀、注射器、カテーテル、電極、または他の装置などの医療機器に組み込むことができる。例えば、解剖刀は、使用中に自己滅菌して、患者の身体の感染部分と健康部分間または患者間の相互汚染を減少させることができる。代表的な使用法は、トリアージまたは非常事態の際であり、または医療装置または機器の供給が限定された場合である。特定の実施形態では、針または解剖刀と内側壁との間にサブミリメートルから1ミリメートルまでの公差があってもよい。電極構成は、図5に断面で示されたように、やはり格納式の針を示す図3の実施形態に関して述べたものと類似してもよい。本発明によれば、滅菌および/または汚染除去を行うために種々の電極構成を使用することができる。例えば、内側壁の一部分が、電極を有してもよく、また針のまわりに回転されてもよく、または針が、電極のそばを通って針表面全体が滅菌されるように回転されてもよい。同様に、内側壁の長手方向部分が電極を備えてもよく、針が、格納または伸長される際に電極のそばを通るときに滅菌されてもよい。
【0020】
図6Aは、管に組み込まれた編組電極を有する一実施形態を示し、この場合、プラズマが、管の内側面、管の外表面、管のまわりに配置された対象物、および/または管に挿入された対象物を滅菌することができる。追加の実施形態は、ロッド外側面上の編組電極またはロッド外側面に組み込まれた電極を備える固体ロッドなどのロッドを対象とすることができ、この場合、電極は、ロッドの縦軸に沿って延在する電極、ロッドを取り巻く環を形成する電極、および/または他の電極配置を含む種々の構成を有することができる。図6Aの管を含むことができる実施形態は、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、および埋め込み式/ステント装置を含むがこれらに限定されない。他の非医学的応用例が、図6Aの管を備えてもよい。図6Aの管を備えるカテーテルの特定の実施形態が、図6Bに示される。編組は、プラズマを生成しかつ管を捻れなく曲げることを可能にする導電経路として使用される。特定の実施形態では、患者または看護者に対する滅菌バリアを維持しながら薬または治療の連続的施与を可能にするために、装置の特定領域またはゾーン内で自己滅菌することができる医療装置が提供される。他の電極構造も利用することができる。管は、ワイヤ電極間に空間を残すか隣接ワイヤ電極の接触を他の方法で防ぐために、管の内側および/または外側のまわりに編み組されたワイヤ電極を有するプラスチック層を有することができる。1つの編組の場合、網掛けワイヤ電極は、対向する電極でよい。いくつかのワイヤ電極は、金属電極が触れないようにするために誘電性でよい。この場合も、管と供に様々な電極構成および/または形状を使用することができる。
【0021】
図7は、滅菌バリアを必要とする装置、患者、または任意の表面を掃除または保護するために電極を備えた布または織面を示す。布または織面は、滅菌される物品の表面および/または一部分に隣接して配置することができ、布または織面によって生成されたプラズマが、物品のそのような表面および/または一部分を滅菌することができる。そのような実施形態では、電流範囲に関して、電流を最小にすることが望ましい。一実施形態では、基本的な織物または面は、テフロンなどの絶縁材料でよい。図7に示された実施形態、ならびに図1、図4および図6に示された実施形態は、装置上の特定の領域またはゾーン内で自己滅菌して、表面の汚染物質、タンパク質、コラーゲン、瘢痕組織または他の物質の蓄積を最小にして、装置の操作、安全性および効率を高めることができる医療機器に組み込むことができる。
【0022】
図8を参照すると、LCDテレビもしくはコンピュータ表示装置、またはプラズマ・テレビ表示装置と類似の表面が、個別の画素化電極対のマトリクスで構成された活性面を有することができる。背面によって適切にアドレス指定される画素形電極マトリクスを使用することができる。画素電極は、様々な形状を有することができる。画素電極は、1μm〜100μmの範囲、より好ましくは1μm〜10μmの範囲の断面直径または横方向寸法を有することができ、例えば、既存のテレビおよびコンピュータ表示装置と同じように印刷または製造することができる。そのような実施形態では、電流範囲に関して、電流を最小にすることが望ましいことがある。図9Dは、画素化電極を有する表面の上面を示す。図9Dに示された実施形態では、各電極行は、サンプル入力によって駆動される。他の実施形態では、各画素を個々にアドレス指定してもよく、状況の要求に応じて画素をグループ化してもよい。図9Dの実施形態では接地平面が使用されているが、プラズマ生成と反対側の電極に他の電極構造を使用することもできる。図9Eは、ストリップ電極と接地平面を有する一実施形態を示す。図9Bに示された断面は、図9Eの断面を示すことができる。図9Fは、電極上に被覆を有する一実施形態を示す。図9Fの下面の被覆は、プラズマを下面に作成することを可能にする。代替実施形態は、プラズマが下面に生成されないように下面上の被覆用の絶縁材料として使用されてもよい。
【0023】
特定の実施形態では、図8を参照すると、アブレーションを使用して電極形状および/またはパターンを形成することができる。アブレーションや他の適切な技術を使用して、表面の一方の側から別の側に孔を形成することができ、その結果、例えば、一方の側の電極から他方の側の電極に電圧を印加することによって、プラズマが孔内に生じることができる。孔内のプラズマは、孔内に流れる流体を滅菌しかつ/または汚染除去して流体を浄化することができる。この場合、孔の表面を滅菌または汚染除去することもできる。そのような孔は、プラズマが孔内の流体の断面流れ全体に達することができるようにするために、約1ミクロン〜1ミリメートルの断面寸法を有することができる。特定の実施形態では、円筒形の孔の直径は、1mm未満である。さらに他の実施形態では、孔の直径は、大気圧で1μm〜100μm、または1μm〜1000μmの範囲である。実施形態は、大気圧以外の圧力で実施されてもよい。
【0024】
特定の実施形態は、どの電極を活性化するかを制御することによって滅菌または汚染除去される表面の区分または特定部分を制御する機能を備えてもよい。画素化電極構造を有する特定の実施形態では、表面のどの領域を滅菌または汚染除去するかを制御するために電極の任意の組み合わせを選択することができる。
【0025】
本発明の様々な実施形態において、電力は、交流、直流、バッテリおよび無線を含む種々の電源から電極に供給されてもよい。無線電力伝達は、装置が、本体の上に、装置の内側を環境による汚染から密閉する全体的被覆を有することができる。
【0026】
本発明の実施形態は、様々な電極構造、材料および構成要素を有する電極を含むことができる。特定の実施形態では、電極は、センサとして使用されてもよい。活性面は、ユーザに不活性作用面を提供するために、高分子、ガラスまたは他の誘電体材料の薄層で被覆されてもよい。そのような被覆は、活性面上の電極腐食および/または酸化の形成を抑制することもできる。不活性作用面を提供するために使用される被覆は、被覆面上のプラズマの生成を強化するために、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子および/またはナノロッドなどの導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。
【0027】
特定の実施形態は、(1)装置の構造において、プラズマ・エネルギーを導く表面活性化を制御し、局所的またはゾーン別の滅菌を実行し、製造コストを低減するために使用することができる導電性高分子と、(2)センサ用などの装置の構造において、プラズマ・エネルギーを導く表面活性化を制御し、局所的またはゾーン別の滅菌を実行し、製造のコストを低減するために使用することができるカーボン・ナノチューブ薄膜、ナノロッドまたはナノワイヤのクラスタで被覆された表面、または導電性高分子で被覆された表面等であるこれらに限定されない透明導電性薄膜と、(3)センサとして働き、かつ/またはプラズマ・エネルギーを導く表面活性化を制御し、局所的またはゾーン別の滅菌を実行し、製造のコストを低減するために、銀、金、銅、アルミニウムまたは他の導電性または半導電性材料のナノ粒子がドープされた(1)または(2)に記載の材料または高分子とのいずれかまたはすべてからなる電極または電気活性構成要素を含むことができる。電極は、プラズマの生成を強化するために、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子および/またはナノロッドなど導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。環境に露出された電極が上または中に配置された誘電体バリア材料は、プラズマの生成を強化するために、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子および/または導電性および/または半導電性材料で被覆されること、および/またはそれらを含むことができる。
【0028】
本発明の実施形態は、ユーザからの有ってもごく僅かな対話で動作することができ、また表面の汚染および/または表面の潜在的汚染を検出し、その表面を自己滅菌または自己汚染除去することができる。表面の潜在的汚染の検出は、表面がいつ接触されたかまたは表面近くに何の物質があるかなどの表面の物理的環境を検出することにより達成することができる。例えば、本装置は、炭疽菌を検出できるセンサを利用することができ、またセンサが炭疽菌を検出したとき、装置は、最も汚染された可能性の高い表面の一部分などの表面のすべてまたは一部分を滅菌または汚染除去することができ、またはプラズマの生成によって、装置表面の近くの面を滅菌または汚染除去することができる。装置は、そのような処置を自動的に達成してもよく、ユーザが処置を開始できるようにユーザに入力を提供してもよい。
【0029】
特定の実施形態と共に使用されるセンサは、また、センサ感度および/または特定性を強化するために、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子、ナノロッドなどの導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。同様に、センサ感度および/または特定性を強化するために、電極上に非活性作用面を生成するために使用される被覆が、カーボン・ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子、センサ感度などの導電性または半導電性材料で被覆されてもよい。
【0030】
本発明による滅菌技術の応用は、空気清浄器、自己清浄式オーブン、バスルーム扉板、ドアハンドル、調理器具、まな板、コンベヤ・ベルト、貯蔵容器、およびショッピングカート用ハンドルにも適する。また、低消費電力のHEPA型ろ過装置は、まだ公開されていない、2008年7月25日に出願された国際出願番号PCT/US2008/071262に教示された、プラズマ励起式ろ過膜を通る際にイエダニ/微生物を蒸発させることができるEHDマイクロポンプを備えることによって達成することができ、前記出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
各装置は、電極、絶縁体および電気活性構成要素を利用して滅菌プラズマを作り出すことができる。標準電極と絶縁材料は、すべての環境条件に適しているが、高温用途は、誘電体(例えば、ガラス・マイカ・セラミック)と電極(例えば、金属ペロブスカイト)を適切に選択することによって対応することができる。自己滅菌処理処理を行うために使用されるプラズマ場は、表1に示した変量のうちのいくつかまたはすべてによって制御することができる。
【0032】
【表1】
【0033】
50Hz〜10MHzの範囲、また特定の実施形態では0.1kHz〜10MHzの範囲の電極のパルス励起を使用して、プラズマを連続的に作り出すことができる。パルス直流などの直流(DC)も使用することができる。特定の実施形態は、10V〜50kV、また特定の実施形態では直流0.1V〜10kVの電位差を使用することができる。0.1mTorr〜10barの範囲の周囲圧力下で隣接電極を位相制御式に励起することによってプラズマを生成することができる。さらに特定の実施形態では、1μA〜1Aの電流レベルを使用することができ、また特定の実施形態では1μA〜100Aの電流レベルを使用することができる。
【0034】
本発明の種々の実施形態は、血液、尿、唾液の感染症の伝染、またはバクテリア、ウィルス、癌細胞、病原体または他の形の汚染の拡散を最小限にする能力を改善することができる。実施形態を食品加工装置および表面に組み込んで、バクテリアや他の汚染物質の拡大を最小限にすることができる。図7に示された実施形態の適応などのさらに他の実施形態は、マスク、病室、飛行機空気ろ過、クリーンルームを含む呼吸管理に使用される自己滅菌板または空気フィルタを有し、または図1に示されたような面の間またはそのような面の孔内に空気を通す空気汚染除去装置に使用することができる。マスクは、マスクを装着しその後で外したときに自己滅菌できるように自己滅菌電極を備えてもよい。
【0035】
汚染面に適用して滅菌するか滅菌バリアを提供することができる装置が提供される。例えば、図7に示したように、患者に接触している検査室診断装置を取り巻くかまたは覆うことができる自己滅菌電極布が提供される。処置の後、布は、取り外されて、次に自己滅菌するように活性化され、そして次の患者または処置に再使用される。本発明の様々な実施形態の用途の一例には、トリアージがあり、多くの負傷者を次々と処置する看護者が、患者ごとに自己滅菌することができる装置を使用することができる。これにより、廃棄されるか別の装置によって滅菌されるまで使用できない可能性のある物品の再使用が可能になる。
【0036】
本発明の様々な実施形態では、滅菌および/または汚染除去するためのプラズマを様々な技術によって生成することができる。そのようなプラズマは、大気圧で生成されてもよく、大気圧より低い圧力で生成されてもよく、大気圧より高い圧力で生成されてもよい。そのような技術の例には、誘電体バリア放電(DBD)(非特許文献11参照)、抵抗バリア放電(RBD)(非特許文献12参照)、および大気圧プラズマ・ジェット(APPJ)(非特許文献13参照)があるがこれらに限定されず、これらの3つの参考文献はすべて、適切なプラズマを生成する方法を教示するために、全体が本明細書に組み込まれる。RBDは、直流または交流電源によって駆動されてもよく、DBDは、kHz帯の周波数で動作してもよく、APPJは、13.56MHzの高周波電源を使用してもよい。これらの技術は、比較的大量の非平衡低温プラズマをほぼ大気圧で生成することができる。特定の実施形態は、109cm-3〜1011cm-3の範囲の電子密度と10〜300mW/cm3の範囲のプラズマ電力密度を有するプラズマを生成する。別の特定の実施形態では、プラズマは、浮遊電極誘電体バリア放電(FE−DBD)によって生成することができる。
【0037】
本発明の実施形態は、誘電体バリア放電(DBD)を含むことができ、この場合、第1の誘電体被覆電極(または、1組の電極)は、表面が周囲大気に露出され(または、被覆で覆われ)、第2の電極は(または1組の電極)は、絶縁層に埋め込まれる。この場合、薄い表面被覆が環境と接触し、表面被覆下の電極によってプラズマが生成される。第1の電極(または、1組の電極)と第2の電極(または1組の電極)の間に電圧を印加して、表面にプラズマを作り出すことができる。プラズマを表面上に連続的に分散させるために、位相遅延電極回路が使用されてもよい。位相遅延電極回路は、電極対を構成する第1組の電極と第2組の電極から対応する電極間に電圧を印加し、その結果、異なる電極対が、隣りの電極対に印加された電圧と比べて位相遅れを有する電圧で励起される。一実施形態では、電極の両側に放電が生じるように電極が各方向に離間している。一方1組の電極は、パルス交流または直流電圧で電力供給されてもよく、他方の1組の電極は、接地されてもよい。交流電圧の場合、正弦波波形、ランプ波形、のこぎり歯波形などの種々の波形を利用することができる。電極は、うなり周波数で動作されてもよい。さらに、固定電位(直流)が印加されてもよい。
【0038】
図9A〜図9Fに、電極構造の特定の実施形態を示す。図9A〜図9Fに示された電極構造は、交流電流で駆動されてもよい。電極間隔は、数ミクロンから数mmまで変化してもよい。自己滅菌に必要なプラズマ露出時間は、数マイクロ秒〜数ミリ秒の間で変化してもよい。有機物質を完全に根絶するには、数秒間の露出が必要な場合がある。
【0039】
図8を参照すると、本発明の一実施形態が示される。電極層、誘電体層およびセンサ層を有する積層材を使用して、図8に示された実施形態を作成することができる。一連の微細なレーザアブレーション孔またはスロットを作成して、積層材に孔を開けることができる。等電位面PとGが、ある電圧差で維持されてもよい。面PとGの間には、交流電圧が印加されてもよく直流電圧が印加されてもよい。プラズマ放電が孔内に生成され、一方向または両方向に射出されてもよい。このようにして、一方の面または両方の面を自己滅菌することができる。積層材内にテフロン、PCB、FR4、セラミックなどの絶縁材料を使用して面PとGの間を絶縁することができる。面PとGの電極材料として、銅、白金、合金などの電極材料を使用することができる。材料の選択とその結果として生じる表面張力が、孔のサイズの選択に影響を及ぼす可能性がある。
【0040】
孔パターンを制御するために、伸縮自在の材料を使用することができる。一実施形態では、自己滅菌積層材は、高圧蒸気滅菌装置、ガンマ滅菌法、滅菌物質、化学物質および/または機器と装置を滅菌する処理で使用される技術と供に利用されてもよい。特定の実施形態では、自己滅菌積層材は、高圧蒸気滅菌、ガンマ滅菌または滅菌材料の貯蔵を必要とする用途で使用される筐体に組み込まれ、例えばその筐体に成形されてもよい。
【0041】
本発明の種々の実施形態は、1つまたは複数の活性面を有することができ、この場合、自己滅菌装置の活性面は、滅菌状態または汚染状態のいずれかでよく、活性面は、自己滅菌プロセスにより装置によって再滅菌されてもよい。活性面は、解剖刀先端を滅菌状態に保つなどの特定の目的に使用されてもよい。活性面の滅菌状態は、装置によって連続的に維持されてよくも断続的に維持されてもよい。活性面の自己滅菌は、エンドユーザや他の人、対象物または外部装置の介在により行われてもよく、その介在なしに行われてもよい。実施形態では、自己滅菌装置は、活性面が汚染された潜在的に汚染されたかを検出することができる。自己滅菌装置は、センサを使用して汚染のレベルおよび/または汚染の可能性を決定することができる。センサは、滅菌前、滅菌中および/または滅菌サイクルが行われた後で、装置の状態のフィードバックを提供することができる。センサを使用して、滅菌前、滅菌中および/または滅菌サイクルが行われた後で活性面汚染レベルのフィードバックを提供することができる。活性面の滅菌は、エンドユーザ、他の人、対象物または外部装置による介在がある場合もない場合も、装置によって開始されてもよい。センサによって収集された汚染または潜在的汚染の情報は、活性面の特定ゾーンなどの汚染の場所、活性面を汚染した接触の期間、活性面の圧力、温度もしくは動き、または自己滅菌装置の動きなどの接触と関連した他の物理的パラメータのうちの1つまたは複数であってもよい。
【0042】
様々なセンサ設計および配置を使用することができる。一実施形態では、センサは、滅菌モードの代わりに検出モードで動作するプラズマ電極またはプラズマ電極の一部分でよい。そのようなセンサの一例には、容量性または連続性センサがある。センサが、プラズマ電極と一体化されてもよくその隣りに配置されてもよい。そのようなセンサの一例は、圧力センサである。赤外線カーテンなどにより活性面の近くにセンサが配置されてもよい。自己滅菌装置内にセンサが配置されてもよい。そのようなセンサの一例は、始動/停止スイッチとタイマである。そのようなセンサの別の例は、ユーザによる動きを検出する加速度計である。装置から離れた場所にセンサが配置されてもよい。離れて配置されたセンサの一例は、装置を監視するカメラや、汚染空間に入って汚染空間から出る前または出た後で自己滅菌するロボットまたは装置など、リモート制御位置への無線リンクを有するセンサである。本発明の実施形態により他のセンサ設計および配置を実施することもできる。
【0043】
様々なセンサ・タイプを使用することもできる。ユーザ/患者の安全のために、赤外線カーテン、容量性ロックアウト、滅菌サイクルの他の検出手段などの連動装置を使用することができる。活性面または装置自体の検出、フィードバックおよび制御に使用することができるセンサの例には、活性面または装置上にカーテンを提供する赤外線ビームと、活性面または装置上にカーテンを提供する無線周波数電磁場と、活性面上のまたは装置の動きを検出する運動センサと、活性面上のまたは装置の動きを検出する音響ビームと、別の対象物による接触または装置の変化を決定する温度センサと、別の人もしくは対象物による接触または装置の変化を決定する圧力センサと、別の人もしくは対象物による接触または装置の変化を決定する容量性センサと、別の人もしくは対象物による接触または装置の変化を決定する導電率センサがある。例えば、赤外線ビームを使用して活性面の上にカーテンを提供して、活性面が接触されたこと、従って滅菌を必要とする場合があることを検出し、または活性面上の堆積を監視することができる。別の例として、加速度計を使用して装置の動きを検出することができる。
【0044】
(実施例−自己滅菌装置の実施形態の装置状態図)
以下は、本発明による自己滅菌装置の一実施形態の装置状態図である。装置は、その状態を、赤色光、黄色光、および/または緑色光などの視覚的指標を使用することにより、またはブルートゥース対応装置と通信する無線信号などの様々な他の手段によって、ユーザに示すことができる。
【0045】
【表2】
【0046】
以下は、自己滅菌装置がどのように動作しユーザと対話するかの例である。
【0047】
1.装置は、その現在状態を活性面近くに配置された表示ランプを用いて示す。装置は、小型表示装置やリモート・コンピュータへの無線接続などの他の機構によってユーザにフィードバックを提供してもよい。
【0048】
2.この例では、有色LEDランプが使用される。ランプは、赤色、黄色または緑色を点灯してもよく、3つすべての色を同時に点灯してもよい。
【0049】
3.装置が電源投入されたとき、装置は補正自己診断を実行する。すべての表示ランプ(赤、緑、および黄)が点灯される。自己補正自己診断が、装置電源システム、センサ、活性面、ハードウェアおよびソフトウェアが仕様範囲内で動作していることを確認する。
【0050】
4.自己補正自己診断後に、装置は、活性面に現在ユーザまたは外部装置が接触しているかどうかを検出する。ユーザが装置に接触している場合、表示ランプは黄色になり、安全保護装置が作動する。装置は、スタンバイ・モードになる。装置は、接触されなくなるまでスタンバイ・モードのままになる。
【0051】
5.活性面が解放された後で、装置は、初期自己滅菌サイクルを実行する。自己滅菌サイクルの間、表示ランプは赤になる。
【0052】
6.自己滅菌サイクルが完了した後、表示ランプは緑になる。
【0053】
7.ユーザが装置を取り上げて使用するか、装置が、汚染された可能性があることを検出したとき、表示ランプは黄色になり、安全保護装置が作動し、装置は、スタンバイ・モードになり、再び再滅菌するのを待つ。
【0054】
8.必要に応じて上記ステップが繰り返される。
【0055】
(実施例1)
この実施例は、装置の表面を自己滅菌することができる装置に関する。図10A〜図10Gは、励起1分までの様々な時間期間後の、1.5kV、14kHz、約20Wにおいて、イーストを有する表面のプラズマ生成結果を示す。図10Aは、109胞子/mlを含む100μlのイースト溶液を有する励起前の表面と、電極励起1分後の表面とを示す。図10Bは、109胞子/mlを含む10μlのイースト溶液を有する励起前の表面と、電極励起1分後の表面とを示す。図10C〜図10Gは、それぞれ励起0秒後、10秒後、20秒後、40秒後および60秒後の10μlのイースト溶液を有する表面を示す。図11は、横軸に時間が秒で示され縦軸に胞子数が指数で示された生存曲線の質的特性を示し、40μlのイースト溶液を有する表面の生存曲線(正方形)の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面の生存曲線(三角形)の質的特性と、10μlのイースト溶液を有する表面の生存曲線(直線)の質的特性とを示す。
【0056】
本明細書で参照または引用された、すべての特許、特許出願、仮出願および出版物は、本明細書の明示的教示と一致する限り、参照によりすべての図と表を含むその全体が組み込まれる。
【0057】
本明細書に記載された実施例と実施形態が、単に例示のためであり、これらの実施例と実施形態を考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の精神と範囲に含まれることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去することができる装置であって、
表面と、
前記表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去するプラズマを生成する手段と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記プラズマを生成する手段は、
前記表面の近くに配置された1つまたは複数の第1の電極と、
前記1つまたは複数の第1の電極の近くに配置された1つまたは複数の第2の電極と、
前記表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去する前記プラズマを生成するために、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に電圧を印加するための電源と、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プラズマを生成する手段は、抵抗バリア放電手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プラズマを生成する手段は、誘電体バリア放電手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プラズマを生成する手段は、大気圧プラズマ・ジェットを生成する手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プラズマを生成する手段は、浮遊電極誘電体バリア放電手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が手術面である、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極が、前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサとして利用される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサとして利用される前記少なくとも1つの第1の電極が、少なくとも1つの容量性または連続性センサである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記1つまたは複数のセンサが、前記1つまたは複数の第1の電極および/または前記1つまたは複数の第2の電極と一体化されるかその近くに配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のセンサが、前記表面から離れた場所に位置決めされている、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記表面は、積層材上にあり、
前記積層材は、
前記1つまたは複数の第1の電極を有する第1の電極層と、
前記1つまたは複数の第2の電極を有する第2の電極層と、
誘電体層と、
を備え、
前記誘電体層の誘電体は、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極との間に配置されて、プラズマを生成するために間に前記電圧が供給される、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極が、前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極の間に印加された電圧により、誘電体バリア放電が生じるように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極が、前記電源によって位相遅延機構として駆動される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記表面は、湾曲しており、前記表面は、サンプル材料を取得し解放することができ、前記装置は、第1のサンプル材料を解放し第2のサンプル材料を取得する間に前記表面の滅菌を可能にする、請求項2に記載の装置。
【請求項17】
前記表面の少なくとも一部分は、球状である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、前記装置の容器部分内に流体を保持することができ、前記表面は、前記装置の前記容器部分の表面である、請求項2に記載の装置。
【請求項19】
前記積層材の第1の側から、前記積層材の前記第1の側と反対の前記積層材の第2の側まで貫通する複数の孔をさらに備え、
前記印加電圧は、前記複数の孔内にプラズマ放電を生成し、前記表面は、前記複数の孔のうちの少なくとも1つの孔の表面である、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記プラズマが、前記第1の側に向けて外方に射出され、前記第1の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第1の側の第1の外側面を滅菌する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記プラズマ放電が、前記第2の側に向けても射出され、前記第2の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第2の側の第2の外側面を滅菌する、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記表面が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続されて、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるときに、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することによって、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項2に記載の装置。
【請求項23】
前記表面と前記1つまたは複数の第1の電極が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続されて、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるときに、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することによって、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項2に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の位置において、前記第1の部分が、前記第2の部分に格納されている、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分を取り囲むように伸長されている、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分内に伸長されている、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記第1の部分は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達およびカニューレからなるグループから選択される、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記装置は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達、カニューレ、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、ステントおよび埋め込み式装置からなるグループから選択される、請求項2に記載の装置。
【請求項29】
連動スイッチをさらに有し、前記連動スイッチが、前記第1の位置と前記第2の位置の間の前記第1の部分と前記第2の部分の移行を制御する、請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記表面、前記1つまたは複数の第1の電極、および前記1つまたは複数の第2の電極が、第1の部分上にあり、前記第1の部分を前記装置の第2の部分から伸長することができ、前記プラズマの生成中に、前記表面を前記プラズマによる滅菌対象物の少なくとも一部分の上に移動させることができ、前記対象物の滅菌後に前記第1の部分を前記第2の部分に格納することができる、請求項2に記載の装置。
【請求項31】
前記表面は、円柱形状を有する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
連動スイッチをさらに有し、前記連動スイッチが、前記第2の部分に対する前記第1の部分の伸長と格納を制御する、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記表面は、前記装置の内側面である、請求項2に記載の装置。
【請求項34】
前記表面は、円筒状に形成されている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記表面の少なくとも一部分は、凹面である、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記装置は、ビーカーまたはフラスコである、請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記装置は、薬剤送達ポートまたはピペットである、請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記表面は、柔軟面である、請求項2に記載の装置。
【請求項39】
前記表面は、織面である、請求項2に記載の装置。
【請求項40】
前記表面は、テフロン(登録商標)を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項41】
前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極は、画素化電極マトリクスを構成する、請求項2に記載の装置。
【請求項42】
前記画素化電極は、1μm〜100μmの範囲の断面直径を有する、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記画素化電極は、1μm〜10μmの範囲の断面直径を有する、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記1つまたは複数の第1の電極が、第1のワイヤ電極を含み、前記1つまたは複数の第2の電極が、第2のワイヤ電極を含み、前記第1のワイヤ電極と前記第2のワイヤ電極が編み組みされた、請求項2に記載の装置。
【請求項45】
前記表面が、管の外側面であり、前記編み組された第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記表面が、管の内側面であり、前記編み組みされた第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記管は、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、埋め込み式装置およびステントからなるグループから選択された医療機器の少なくとも一部分である、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記装置は、まな板である、請求項2に記載の装置。
【請求項49】
前記プラズマが、前記表面の少なくとも一部分から、生体、組織、細菌、バクテリア、病原体、生物学的作用物質、ウィルス、代謝的非活性薬剤、ピロン、有機物および微生物のうちの1つまたは複数を実質的に除去する、請求項2に記載の装置。
【請求項50】
前記プラズマが、前記表面全体を滅菌または汚染除去する、請求項2に記載の装置。
【請求項51】
前記装置が、前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに前記表面を自動的に滅菌または汚染除去する、請求項8に記載の装置。
【請求項52】
前記1つまたは複数の電極が環境に露出されないように、前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極の上に被覆をさらに有する、請求項2に記載の装置。
【請求項53】
前記1つまたは複数の電極が環境に露出されないように、前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極の上に被覆をさらに有する、請求項13に記載の装置。
【請求項54】
前記環境に露出された前記誘電体被覆の表面は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項13に記載の装置。
【請求項55】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆された、請求項2に記載の装置。
【請求項57】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項13に記載の装置。
【請求項59】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記1つまたは複数のセンサは、前記1つまたは複数のセンサの感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項8に記載の装置。
【請求項61】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記被覆は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で覆われている、請求項52に記載の装置。
【請求項63】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記1つまたは複数のセンサは前記環境に露出されないように前記1つまたは複数のセンサの上に被覆をさらに有する、請求項8に記載の装置。
【請求項65】
前記被覆は、前記1つまたは複数のセンサの感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で覆われている、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む、請求項41記載の装置。
【請求項68】
前記装置は、前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに前記表面を自動的に滅菌または汚染除去する、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記装置は、前記表面のうちで、前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染が生じた部分における画素化電極を励起することによって、前記表面のうちの前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出した部分だけを滅菌または汚染除去することができる、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記装置は、前記表面に位置決めされた1つまたは複数の対象物を滅菌または汚染除去することができる、請求項2に記載の装置。
【請求項71】
前記装置は、前記対象物が前記表面上に位置決めされたときに前記対象物を自動的に滅菌する、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
装置の表面の少なくとも一部分を滅菌する方法であって、
装置の表面の近くにプラズマを生成する手段を提供することと、
前記プラズマを生成する手段に、前記表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去するのに十分な持続時間だけ前記プラズマを生成させることと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項73】
前記装置の前記表面の近くでプラズマを生成する前記手段が、
前記装置の表面の近くにある1つまたは複数の第1の電極を提供することと、
前記1つまたは複数の第1の電極の近くにある1つまたは複数の第2の電極を提供することと、
を含み、
前記プラズマを生成する前記手段に、前記表面の前記少なくとも一部分を滅菌または汚染除去するのに十分な持続時間だけ前記プラズマを生成させることが、
前記表面を滅菌または汚染除去するプラズマを生成するために、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に電圧を供給することを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに提供することを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記表面を非無菌汚染物質を含む環境に露出させることと、
前記露出の後で、前記表面を滅菌または汚染除去するプラズマを生成するために、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に電圧を供給することと、
を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記プラズマを生成する前記手段は、誘電体バリア放電手段を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記装置は、手術面である、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに提供することを含む、請求項73記載の方法。
【請求項79】
前記表面は、積層材上にあり、
前記積層材は、
前記1つまたは複数の第1の電極を有する第1の電極層と、
前記1つまたは複数の第2の電極を有する第2の電極層と、
誘電体層と、
を備え、
前記誘電体層の誘電体が、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に配置されて、プラズマを生成するために間に前記電圧が供給される、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極が、前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極の間に印加される前記電圧によって誘電体バリア放電が生じるように構成されている、請求項73に記載の方法。
【請求項81】
前記装置は、前記装置の容器部分内に流体を保持することができ、前記表面は、前記装置の前記容器部分の表面である、請求項73に記載の方法。
【請求項82】
前記表面は、さらに、前記積層材内を、第1の側から、前記積層材の前記第1の側と反対にある前記積層材の第2の側まで貫通する複数の孔を有し、
前記印加電圧が、前記複数の孔内にプラズマ放電を生成し、前記表面が、前記複数の孔のうちの少なくとも1つの表面である、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記プラズマが、前記第1の側に向けて外方に射出され、前記第1の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第1の側の第1の外側面を滅菌する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記プラズマ放電が、前記第2の側に向けても射出され、前記第2の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第2の側の第2の外側面を滅菌する、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記表面が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続され、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置の間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるとき、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することによって、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項73に記載の方法。
【請求項86】
前記表面と前記1つまたは複数の第1の電極が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続され、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置の間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるときに、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することにより、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項73に記載の方法。
【請求項87】
前記第1の位置において、前記第1の部分が、前記第2の部分に格納されている、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分を取り囲むように伸長されている、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分内に伸長されている、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の部分は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達およびカニューレから成るグループから選択される、請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記装置は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達、カニューレ、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、ステントおよび埋め込み式装置から成るグループから選択される、請求項73に記載の方法。
【請求項92】
前記表面と前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極が、第1の部分上にあり、前記第1の部分が、前記装置の第2の部分から伸長することができ、前記プラズマの生成中に、前記表面を、前記プラズマによる滅菌対象物の少なくとも一部分の上で動かすことができ、前記対象物の滅菌後に前記第1の部分を前記第2の部分に戻し格納することができる、請求項73に記載の方法。
【請求項93】
前記表面は、円柱形状を有する、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記表面は、前記装置の内側面である、請求項73に記載の方法。
【請求項95】
前記表面は、円筒状に形成されている、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記表面の少なくとも一部分は、凹面である、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記装置は、ビーカーまたはフラスコである、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記装置は、薬剤送達ポートまたはピペットである、請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記表面は、柔軟面である、請求項73に記載の方法。
【請求項100】
前記表面は、織面である、請求項73に記載の方法。
【請求項101】
前記表面は、テフロン(商標)を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項102】
前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極は、画素化電極マトリクスを構成する、請求項73に記載の方法。
【請求項103】
前記画素化電極は、1μm〜100μmの範囲の断面直径を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記画素化電極は、1μm〜10μmの範囲の断面直径を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記1つまたは複数の第1の電極が第1のワイヤ電極を含み、前記1つまたは複数の第2の電極が第2のワイヤ電極を含み、前記第1のワイヤ電極と前記第2のワイヤ電極が編み組みされた、請求項73に記載の方法。
【請求項106】
前記表面が、管の外側面であり、前記編み組みされた第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項105に記載の装置。
【請求項107】
前記表面が、管の内側面であり、前記編み組みされた第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
前記管は、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、埋め込み式装置およびステントから成るグループから選択された医療機器の少なくとも一部である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記装置は、まな板である、請求項73に記載の方法。
【請求項110】
前記プラズマが、前記表面の少なくとも一部分から、生体、組織、細菌、バクテリア、病原体、生物学的作用物質、ウィルス、代謝的非活性薬剤、ピロン、有機物および微生物のうちの1つまたは複数を実質的に除去する、請求項73に記載の方法。
【請求項111】
前記プラズマが、前記表面全体を滅菌または汚染除去する、請求項73に記載の方法。
【請求項112】
前記1つまたは複数のセンサが、前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに、前記手段に前記プラズマを自動的に生成させることをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項113】
前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極が、前記1つまたは複数の電極が前記環境に露出しないように被覆を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項114】
前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極が、前記1つまたは複数の電極が前記環境に露出しないように被覆を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項115】
前記環境に露出されるであろう前記誘電体被覆の前記表面が、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項79に記載の方法。
【請求項116】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項73に記載の方法。
【請求項118】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項79に記載の方法。
【請求項120】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記1つまたは複数のセンサは、前記1つまたは複数のセンサの感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項78に記載の方法。
【請求項122】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記被覆は、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で被覆されている、請求項113に記載の方法。
【請求項124】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記1つまたは複数のセンサが環境に露出されないように前記1つまたは複数のセンサの上に被覆をさらに有する、請求項78に記載の方法。
【請求項126】
前記被覆は、前記1つまたは複数のセンサの前記感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で被覆されている、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまた複数を含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む、請求項102に記載の方法。
【請求項129】
前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに前記表面を自動的に滅菌または汚染除去することをさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染が生じた前記表面の部分において画素化電極を励起することによって、前記表面のうちの前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出する部分だけを滅菌または汚染除去することをさらに含む、請請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記表面上に位置決めされた1つまたは複数の対象物を滅菌または汚染除去することをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項132】
前記装置は、前記対象物が前記表面上に位置決めされたときに前記対象物を自動的に滅菌する、請求項131に記載の方法。
【請求項1】
装置の表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去することができる装置であって、
表面と、
前記表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去するプラズマを生成する手段と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記プラズマを生成する手段は、
前記表面の近くに配置された1つまたは複数の第1の電極と、
前記1つまたは複数の第1の電極の近くに配置された1つまたは複数の第2の電極と、
前記表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去する前記プラズマを生成するために、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に電圧を印加するための電源と、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プラズマを生成する手段は、抵抗バリア放電手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プラズマを生成する手段は、誘電体バリア放電手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プラズマを生成する手段は、大気圧プラズマ・ジェットを生成する手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プラズマを生成する手段は、浮遊電極誘電体バリア放電手段を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置が手術面である、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極が、前記1つまたは複数のセンサのうちの少なくとも1つのセンサとして利用される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサとして利用される前記少なくとも1つの第1の電極が、少なくとも1つの容量性または連続性センサである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記1つまたは複数のセンサが、前記1つまたは複数の第1の電極および/または前記1つまたは複数の第2の電極と一体化されるかその近くに配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のセンサが、前記表面から離れた場所に位置決めされている、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記表面は、積層材上にあり、
前記積層材は、
前記1つまたは複数の第1の電極を有する第1の電極層と、
前記1つまたは複数の第2の電極を有する第2の電極層と、
誘電体層と、
を備え、
前記誘電体層の誘電体は、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極との間に配置されて、プラズマを生成するために間に前記電圧が供給される、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極が、前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極の間に印加された電圧により、誘電体バリア放電が生じるように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極が、前記電源によって位相遅延機構として駆動される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記表面は、湾曲しており、前記表面は、サンプル材料を取得し解放することができ、前記装置は、第1のサンプル材料を解放し第2のサンプル材料を取得する間に前記表面の滅菌を可能にする、請求項2に記載の装置。
【請求項17】
前記表面の少なくとも一部分は、球状である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、前記装置の容器部分内に流体を保持することができ、前記表面は、前記装置の前記容器部分の表面である、請求項2に記載の装置。
【請求項19】
前記積層材の第1の側から、前記積層材の前記第1の側と反対の前記積層材の第2の側まで貫通する複数の孔をさらに備え、
前記印加電圧は、前記複数の孔内にプラズマ放電を生成し、前記表面は、前記複数の孔のうちの少なくとも1つの孔の表面である、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記プラズマが、前記第1の側に向けて外方に射出され、前記第1の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第1の側の第1の外側面を滅菌する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記プラズマ放電が、前記第2の側に向けても射出され、前記第2の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第2の側の第2の外側面を滅菌する、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記表面が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続されて、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるときに、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することによって、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項2に記載の装置。
【請求項23】
前記表面と前記1つまたは複数の第1の電極が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続されて、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるときに、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することによって、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項2に記載の装置。
【請求項24】
前記第1の位置において、前記第1の部分が、前記第2の部分に格納されている、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分を取り囲むように伸長されている、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分内に伸長されている、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記第1の部分は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達およびカニューレからなるグループから選択される、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記装置は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達、カニューレ、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、ステントおよび埋め込み式装置からなるグループから選択される、請求項2に記載の装置。
【請求項29】
連動スイッチをさらに有し、前記連動スイッチが、前記第1の位置と前記第2の位置の間の前記第1の部分と前記第2の部分の移行を制御する、請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記表面、前記1つまたは複数の第1の電極、および前記1つまたは複数の第2の電極が、第1の部分上にあり、前記第1の部分を前記装置の第2の部分から伸長することができ、前記プラズマの生成中に、前記表面を前記プラズマによる滅菌対象物の少なくとも一部分の上に移動させることができ、前記対象物の滅菌後に前記第1の部分を前記第2の部分に格納することができる、請求項2に記載の装置。
【請求項31】
前記表面は、円柱形状を有する、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
連動スイッチをさらに有し、前記連動スイッチが、前記第2の部分に対する前記第1の部分の伸長と格納を制御する、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記表面は、前記装置の内側面である、請求項2に記載の装置。
【請求項34】
前記表面は、円筒状に形成されている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記表面の少なくとも一部分は、凹面である、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記装置は、ビーカーまたはフラスコである、請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記装置は、薬剤送達ポートまたはピペットである、請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記表面は、柔軟面である、請求項2に記載の装置。
【請求項39】
前記表面は、織面である、請求項2に記載の装置。
【請求項40】
前記表面は、テフロン(登録商標)を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項41】
前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極は、画素化電極マトリクスを構成する、請求項2に記載の装置。
【請求項42】
前記画素化電極は、1μm〜100μmの範囲の断面直径を有する、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記画素化電極は、1μm〜10μmの範囲の断面直径を有する、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記1つまたは複数の第1の電極が、第1のワイヤ電極を含み、前記1つまたは複数の第2の電極が、第2のワイヤ電極を含み、前記第1のワイヤ電極と前記第2のワイヤ電極が編み組みされた、請求項2に記載の装置。
【請求項45】
前記表面が、管の外側面であり、前記編み組された第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記表面が、管の内側面であり、前記編み組みされた第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記管は、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、埋め込み式装置およびステントからなるグループから選択された医療機器の少なくとも一部分である、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記装置は、まな板である、請求項2に記載の装置。
【請求項49】
前記プラズマが、前記表面の少なくとも一部分から、生体、組織、細菌、バクテリア、病原体、生物学的作用物質、ウィルス、代謝的非活性薬剤、ピロン、有機物および微生物のうちの1つまたは複数を実質的に除去する、請求項2に記載の装置。
【請求項50】
前記プラズマが、前記表面全体を滅菌または汚染除去する、請求項2に記載の装置。
【請求項51】
前記装置が、前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに前記表面を自動的に滅菌または汚染除去する、請求項8に記載の装置。
【請求項52】
前記1つまたは複数の電極が環境に露出されないように、前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極の上に被覆をさらに有する、請求項2に記載の装置。
【請求項53】
前記1つまたは複数の電極が環境に露出されないように、前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極の上に被覆をさらに有する、請求項13に記載の装置。
【請求項54】
前記環境に露出された前記誘電体被覆の表面は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項13に記載の装置。
【請求項55】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆された、請求項2に記載の装置。
【請求項57】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項13に記載の装置。
【請求項59】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記1つまたは複数のセンサは、前記1つまたは複数のセンサの感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項8に記載の装置。
【請求項61】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
前記被覆は、前記プラズマの前記生成を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で覆われている、請求項52に記載の装置。
【請求項63】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記1つまたは複数のセンサは前記環境に露出されないように前記1つまたは複数のセンサの上に被覆をさらに有する、請求項8に記載の装置。
【請求項65】
前記被覆は、前記1つまたは複数のセンサの感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で覆われている、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む、請求項41記載の装置。
【請求項68】
前記装置は、前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに前記表面を自動的に滅菌または汚染除去する、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記装置は、前記表面のうちで、前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染が生じた部分における画素化電極を励起することによって、前記表面のうちの前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出した部分だけを滅菌または汚染除去することができる、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記装置は、前記表面に位置決めされた1つまたは複数の対象物を滅菌または汚染除去することができる、請求項2に記載の装置。
【請求項71】
前記装置は、前記対象物が前記表面上に位置決めされたときに前記対象物を自動的に滅菌する、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
装置の表面の少なくとも一部分を滅菌する方法であって、
装置の表面の近くにプラズマを生成する手段を提供することと、
前記プラズマを生成する手段に、前記表面の少なくとも一部分を滅菌または汚染除去するのに十分な持続時間だけ前記プラズマを生成させることと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項73】
前記装置の前記表面の近くでプラズマを生成する前記手段が、
前記装置の表面の近くにある1つまたは複数の第1の電極を提供することと、
前記1つまたは複数の第1の電極の近くにある1つまたは複数の第2の電極を提供することと、
を含み、
前記プラズマを生成する前記手段に、前記表面の前記少なくとも一部分を滅菌または汚染除去するのに十分な持続時間だけ前記プラズマを生成させることが、
前記表面を滅菌または汚染除去するプラズマを生成するために、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に電圧を供給することを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに提供することを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記表面を非無菌汚染物質を含む環境に露出させることと、
前記露出の後で、前記表面を滅菌または汚染除去するプラズマを生成するために、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に電圧を供給することと、
を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記プラズマを生成する前記手段は、誘電体バリア放電手段を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記装置は、手術面である、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに提供することを含む、請求項73記載の方法。
【請求項79】
前記表面は、積層材上にあり、
前記積層材は、
前記1つまたは複数の第1の電極を有する第1の電極層と、
前記1つまたは複数の第2の電極を有する第2の電極層と、
誘電体層と、
を備え、
前記誘電体層の誘電体が、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの少なくとも1つの第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極のうちの少なくとも1つの第2の電極の間に配置されて、プラズマを生成するために間に前記電圧が供給される、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極が、前記少なくとも1つの第1の電極と前記少なくとも1つの第2の電極の間に印加される前記電圧によって誘電体バリア放電が生じるように構成されている、請求項73に記載の方法。
【請求項81】
前記装置は、前記装置の容器部分内に流体を保持することができ、前記表面は、前記装置の前記容器部分の表面である、請求項73に記載の方法。
【請求項82】
前記表面は、さらに、前記積層材内を、第1の側から、前記積層材の前記第1の側と反対にある前記積層材の第2の側まで貫通する複数の孔を有し、
前記印加電圧が、前記複数の孔内にプラズマ放電を生成し、前記表面が、前記複数の孔のうちの少なくとも1つの表面である、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記プラズマが、前記第1の側に向けて外方に射出され、前記第1の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第1の側の第1の外側面を滅菌する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記プラズマ放電が、前記第2の側に向けても射出され、前記第2の側に向けて射出された前記プラズマが、前記第2の側の第2の外側面を滅菌する、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記表面が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続され、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置の間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるとき、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することによって、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項73に記載の方法。
【請求項86】
前記表面と前記1つまたは複数の第1の電極が、前記装置の第1の部分上にあり、前記1つまたは複数の第2の電極が、前記装置の第2の部分上にあり、前記第1の部分と前記第2の部分が、互いに可動式に接続され、前記第1の部分と前記第2の部分が、第1の位置と第2の位置の間で移行することができ、前記第1の部分と前記第2の部分が前記第1の位置にあるときに、前記1つまたは複数の第1の電極が、前記表面の近くにあり、前記1つまたは複数の第1の電極のうちの前記少なくとも1つの第1の電極と、前記1つまたは複数の第2の電極のうちの前記少なくとも1つの第2の電極の間に前記電圧を印加することにより、前記表面を滅菌しかつ/または汚染除去するプラズマが生成される、請求項73に記載の方法。
【請求項87】
前記第1の位置において、前記第1の部分が、前記第2の部分に格納されている、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分を取り囲むように伸長されている、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記第1の位置において、前記第2の部分が、前記第1の部分内に伸長されている、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の部分は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達およびカニューレから成るグループから選択される、請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記装置は、針軸、皮下注射針、カテーテル、管、解剖刀、メス、埋め込み式装置、注射器、電極、手術器具、食品調理機器、薬剤送達、カニューレ、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、ステントおよび埋め込み式装置から成るグループから選択される、請求項73に記載の方法。
【請求項92】
前記表面と前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極が、第1の部分上にあり、前記第1の部分が、前記装置の第2の部分から伸長することができ、前記プラズマの生成中に、前記表面を、前記プラズマによる滅菌対象物の少なくとも一部分の上で動かすことができ、前記対象物の滅菌後に前記第1の部分を前記第2の部分に戻し格納することができる、請求項73に記載の方法。
【請求項93】
前記表面は、円柱形状を有する、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記表面は、前記装置の内側面である、請求項73に記載の方法。
【請求項95】
前記表面は、円筒状に形成されている、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記表面の少なくとも一部分は、凹面である、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記装置は、ビーカーまたはフラスコである、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記装置は、薬剤送達ポートまたはピペットである、請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記表面は、柔軟面である、請求項73に記載の方法。
【請求項100】
前記表面は、織面である、請求項73に記載の方法。
【請求項101】
前記表面は、テフロン(商標)を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項102】
前記1つまたは複数の第1の電極と前記1つまたは複数の第2の電極は、画素化電極マトリクスを構成する、請求項73に記載の方法。
【請求項103】
前記画素化電極は、1μm〜100μmの範囲の断面直径を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記画素化電極は、1μm〜10μmの範囲の断面直径を有する、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記1つまたは複数の第1の電極が第1のワイヤ電極を含み、前記1つまたは複数の第2の電極が第2のワイヤ電極を含み、前記第1のワイヤ電極と前記第2のワイヤ電極が編み組みされた、請求項73に記載の方法。
【請求項106】
前記表面が、管の外側面であり、前記編み組みされた第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項105に記載の装置。
【請求項107】
前記表面が、管の内側面であり、前記編み組みされた第1のワイヤ電極と第2のワイヤ電極が、前記管の本体内に位置決めされている、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
前記管は、バルーン・カテーテル、尿カテーテル、ガイド・カテーテル、アブレーション装置、埋め込み式装置およびステントから成るグループから選択された医療機器の少なくとも一部である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記装置は、まな板である、請求項73に記載の方法。
【請求項110】
前記プラズマが、前記表面の少なくとも一部分から、生体、組織、細菌、バクテリア、病原体、生物学的作用物質、ウィルス、代謝的非活性薬剤、ピロン、有機物および微生物のうちの1つまたは複数を実質的に除去する、請求項73に記載の方法。
【請求項111】
前記プラズマが、前記表面全体を滅菌または汚染除去する、請求項73に記載の方法。
【請求項112】
前記1つまたは複数のセンサが、前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに、前記手段に前記プラズマを自動的に生成させることをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項113】
前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極が、前記1つまたは複数の電極が前記環境に露出しないように被覆を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項114】
前記表面の近くの前記1つまたは複数の第1の電極が、前記1つまたは複数の電極が前記環境に露出しないように被覆を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項115】
前記環境に露出されるであろう前記誘電体被覆の前記表面が、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項79に記載の方法。
【請求項116】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項73に記載の方法。
【請求項118】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記1つまたは複数の第1の電極は、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項79に記載の方法。
【請求項120】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記1つまたは複数のセンサは、前記1つまたは複数のセンサの感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料で被覆されている、請求項78に記載の方法。
【請求項122】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記被覆は、前記プラズマの生成を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で被覆されている、請求項113に記載の方法。
【請求項124】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまたは複数を含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記1つまたは複数のセンサが環境に露出されないように前記1つまたは複数のセンサの上に被覆をさらに有する、請求項78に記載の方法。
【請求項126】
前記被覆は、前記1つまたは複数のセンサの前記感度および/または特定性を強化する導電性または半導電性材料の第2の被覆で被覆されている、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記導電性または半導電性材料は、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ、導電性高分子およびナノロッドのうちの1つまた複数を含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む、請求項102に記載の方法。
【請求項129】
前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出したときに前記表面を自動的に滅菌または汚染除去することをさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染が生じた前記表面の部分において画素化電極を励起することによって、前記表面のうちの前記1つまたは複数のセンサが前記表面の潜在的汚染または前記表面の汚染を検出する部分だけを滅菌または汚染除去することをさらに含む、請請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記表面上に位置決めされた1つまたは複数の対象物を滅菌または汚染除去することをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項132】
前記装置は、前記対象物が前記表面上に位置決めされたときに前記対象物を自動的に滅菌する、請求項131に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図10G】
【図11】
【公表番号】特表2011−504404(P2011−504404A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535099(P2010−535099)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/084378
【国際公開番号】WO2009/067682
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(504433168)ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデーション,インク. (10)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF FLORIDA RESEATCH FOUNDATION,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/084378
【国際公開番号】WO2009/067682
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(504433168)ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファウンデーション,インク. (10)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF FLORIDA RESEATCH FOUNDATION,INC.
【Fターム(参考)】
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