説明

プリブート実行可能な環境のオペレーティング・システムのインストールを、スケーラブルな直接接続された記憶環境中のスイッチを使用して、可能にするための方法およびシステム

【課題】論理装置番号(LUN)にオペレーティング・システムのファイルをインストールするためのシステムを提供すること。
【解決手段】SASスイッチにおいて、前記SASスイッチに接続されたSASホスト・バス・アダプタ(HBA)に関連付けられたLUNへのオペレーティング・システムのインストールを開始させるコマンドが受け取られる。そのコマンドに応答して、PXEサーバとのPXEセッションが確立される。そのPXEセッションを使用して、オペレーティング・システムのファイルが、SASスイッチを介して、LUNに転送され、それによって、そのオペレーティング・システムが、前記LUNにインストールされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スケーラブルな直接接続された記憶環境中のスイッチを使用して、プリブート実行可能な環境のオペレーティング・システムのインストールを可能にする方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
大容量記憶システムは、ユーザの要求を満たすために、記憶容量を増大し続けている。写真および映画の記憶、ならびに写真および映画の共有利用が、よりますます大きい記憶システムを求める要求の拡大に火を付けるアプリケーションの例である。
【0003】
これらの増大する要求に対する解決策は、多数の安価なディスクのアレイを使用することである。これらのアレイは、データを全く失うことなく、冗長性およびエラー回復性をもたらすような方法で、構成することができる。また、これらのアレイは、複数のディスク・ドライブに対して同時にデータをリードする、またはライトするのを可能にすることによって、リードおよびライトの性能を増大するように構成することができる。また、これらのアレイは、アレイの記憶サービスを中断せずに、故障ディスクの交換を可能にする「ホット・スワッピング」を可能にするように、構成することができる。なんらかの冗長性が設けられているのかどうかにかかわらず、これらのアレイは、通常、独立したディスクの冗長アレイと称される(または、もっと一般的にRAID(redundant arrays of independent disks)という頭字語によって表される)。「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks (RAID)」と題する、米国カリフォルニア州バークリーのカリフォルニア大学のDavid A.Paterson他による1987年の公表文献では、RAID技術の基本的な概念およびレベルが論議されている。
【0004】
RAIDの記憶システムは、通常、記憶アレイを管理する細部からユーザまたはホスト・システムを隠すコントローラを利用する。コントローラによって、記憶アレイが、1つまたは複数のディスク・ドライブ(または、ボリューム)のように見える。これは、特定のボリューム向けのデータ(または冗長なデータ)を、多数のディスク・ドライブにわたって分散することができるということにもかかわらず、達成される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks (RAID)」と題する、米国カリフォルニア州バークリーのカリフォルニア大学のDavid A.Paterson他による1987年の公表文献
【非特許文献2】プリブート実行環境(PXE)仕様書(バージョン2.1)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の実施形態は、オペレーティング・システムをインストールする方法を含むことができ、このオペレーティング・システムは、シリアル接続SCSI(SAS)スイッチにおいて、前記SASスイッチに接続されたSASホスト・バス・アダプタ(HBA:host bus adapter)と関連付けられた論理装置番号(LUN:logical unit number)に対してオペレーティング・システムのインストールを開始させるコマンドを受け取ることと、前記コマンドに応答して、前記SASスイッチとPXEサーバの間でプリブート実行可能な(PXE:preboot executable)セッションを確立することと、前記LUNにオペレーティング・システムのファイルを、前記SASスイッチを介して伝送し、それによって、前記オペレーティング・システムを前記LUNにインストールすることとを含む。
【0007】
したがって、本発明の実施形態は、記憶システムをさらに含むことができ、その記憶システムは、論理装置番号(LUN)に関連付けられた記憶装置と、前記記憶装置に接続されたホスト・バス・アダプタ(HBA)と、前記HBAに接続されたシリアル接続SCSI(SAS:serial attached SCSI)スイッチとを含み、前記SASスイッチは、前記論理装置番号(LUN)へのオペレーティング・システムのインストールを開始させるコマンドを受け取り、前記コマンドに応答して、前記SASスイッチとPXEサーバの間でプリブート実行可能な(PXE)セッションを確立し、そして前記コマンドに応答して、前記LUNにオペレーティング・システムのファイルを、前記SASスイッチを介して伝送し、それによって前記オペレーティング・システムを前記LUNにインストールする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】記憶システムのブロック図である。
【図2】記憶システムのブロック図である。
【図3】オペレーティング・システムをインストールする方法を示すフローチャートである。
【図4】オペレーティング・システムをインストールする方法を示すフローチャートである。
【図5】コンピュータ・システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、記憶システムのブロック図である。図1では、記憶システム100が、サーバ110と、サーバ111と、記憶アレイ130と、記憶アレイ131と、スイッチ150と、スイッチ151とを含む。記憶アレイ130は、ディスク・ドライブ140、141を備える。記憶アレイ131は、ディスク・ドライブ142、143を備える。
【0010】
サーバ110は、1つまたは複数のリンクを介して、スイッチ150に動作可能に結合される。サーバ110は、1つまたは複数のリンクを介して、スイッチ151に動作可能に結合することができる。スイッチ150は、1つまたは複数のリンクを介して、記憶アレイ130および記憶アレイ131に動作可能に結合される。スイッチ151は、1つまたは複数のリンクを介して、記憶アレイ130および記憶アレイ131に動作可能に結合される。それゆえ、サーバ110は、スイッチ150および(任意選択で)スイッチ151を介して、記憶アレイ130および記憶アレイ131とI/Oデータを交換することができる。
【0011】
サーバ111は、1つまたは複数のリンクを介して、スイッチ150に動作可能に結合される。サーバ111は、1つまたは複数のリンクを介して、スイッチ151に動作可能に結合することができる。それゆえ、サーバ111は、スイッチ150および(任意選択で)スイッチ151を介して、記憶アレイ130および記憶アレイ131とI/Oデータを交換することができる。図1には、2つのサーバ110、111が示され、2つのスイッチ150、151が示され、そして2つの記憶アレイが示されている。しかし、これは、例としてだけである。記憶システム100は、わずかに1つのサーバ、スイッチまたは記憶アレイだけを有することができると理解すべきである。また、記憶システム100は、3つ以上のサーバ、スイッチまたは記憶アレイを有することができると理解すべきである。さらに、記憶システム100中のサーバ、スイッチまたは記憶アレイの数は、互いに一致する必要がない。
【0012】
1つの実施形態では、図1に示されたリンク(および、したがってスイッチ150、151)は、ファイバー・チャンネル、高速イーサネット・ネットワーク・インターフェース、インフィニバンド(InfiniBand)またはシリアル接続SCSI(SAS)と互換性があってもよいはずである。記憶アレイ130および131は、高い利用可能性を得るために、二重または多数のコントローラ(またはデータ処理ユニット)を有することができる。各コントローラは、高いI/Oバンド幅を設けるために、多数のターゲットI/Oポートを有することができる。
【0013】
図1に見ることができるように、記憶システム100は、直接接続記憶(DAS:direct-attached storage)環境として、構成される。スイッチ150、151は、多数のサーバ110、111を、1つまたは複数の独立した記憶アレイ130、131に接続するのを可能にすることによって、DAS環境の能力を拡大することができる。さらに、スイッチ150、151は、記憶システム100が選択された記憶リソースだけを確実に共有するのを可能にする、内蔵式のゾーニング能力を有することができる。ここで、スイッチ150およびスイッチ151の機能を、図2を参照して、より詳細に述べる。スイッチ150およびスイッチ151は、図2のスイッチ210に対応し、同じ機能性を有している。しかし、簡潔さを期して、図1のいくつかの要素は、図2から除外されている。
【0014】
図2は、記憶システムのブロック図である。図2では、記憶システム200が、シリアル接続SCSI(SCSI:小型コンピュータ用周辺機器インターフェース:small computer system interface)スイッチ210(SASスイッチ210の別名でも知られる)と、ホスト・バス・アダプタ(HBA)220と、HBA221と、筺体230と、筺体231と、ネットワーク250と、プリブート実行可能な(PXE)サーバ260と、コンピュータ270と、ユーザ280とを含む。SASスイッチ210は、ネットワーク・ポート212およびファームウェア213を備える。筺体230は、少なくともディスク・ドライブ240、241を備える。筺体231は、少なくともディスク・ドライブ242、243を備える。また、筺体230、231は、さらに多くのディスク・ドライブを備えることができる。しかし、これらは、簡潔さを期して、図2から省略されている。同様に、記憶システム200は、追加のHBAおよび筺体を備えることができる。また、これらは、簡潔さを期して、図2から省略されている。SASスイッチ210、HBA220、221、および筺体230、231は、直接接続記憶(DAS)システムを含む、または、そのように呼ぶことができると理解すべきである。
【0015】
SASスイッチ210は、HBA220およびHBA221に動作可能に結合される。HBA220およびHBA221は、筺体230および筺体231に、それぞれ、動作可能に結合される。SASスイッチ210は、ポート212を介して、ネットワーク250に動作可能に結合される。それゆえ、ディスク・ドライブ240〜243に対するデータは、HBA220、221およびSASスイッチ210を介して、ネットワーク250に/それから送ることができる。また、ネットワーク250は、PXEサーバ260およびコンピュータ270に動作可能に結合される。ディスク・ドライブ240〜243に対するデータおよびファイルは、ネットワーク250を介して、PXEサーバ260から来ることができる。コンピュータ270は、制御する、またはユーザ280からのコマンドを受け取ることができる。
【0016】
ネットワーク250は、PXEサーバ260、コンピュータ270およびSASスイッチ210を互いに、あるいは他の装置またはシステムと結合する、リンクする、そうでなければ動作可能に接続する、どのようなネットワーク、またはネットワークの集合であってもよい。ネットワーク250は、他の二次的なデータ・ネットワークを備えることができる。1つの例では、ネットワーク250は、インターネット、バックホール・ネットワーク、ローカル・ネットワーク、長距離ネットワーク、またはパケット・ネットワーク、あるいはそれらのいずれもの組み合わせ、さらにその上、他のタイプのネットワークを備えることができる。
【0017】
ホスト・バス・アダプタ220、221(ホスト・コントローラまたはホスト・アダプタの別名でも知られる)は、ホスト・システム(コンピュータ、図2には示されていない)を筺体230、231中のSASスイッチ210および記憶装置に接続する。HBA220、221は、ホスト・コンピュータの内部バスと外部SAS通信リンク(複数可)の間の物理的、論理的およびプロトコルの差を乗り越えさせる。HBA220、221は、外部SAS通信リンク(複数可)に対するトランザクションを実行するために必要な、すべてのエレクトロニックスおよびファームウェアを含むことができる。
【0018】
1つの実施形態では、SASスイッチ210は、ポート212を介して、管理し構成することができる。SASスイッチ210は、コンピュータ270およびネットワーク250を介してSASスイッチ210に送られる、ユーザ280からの入力に応答して、管理し構成することができる。SASスイッチ210は、TCP/IPスタックを実施するファームウェア213を備えることができる。これによって、SASスイッチ210が、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP:simple network management protocol)のパケットおよびコマンドを処理することが可能になる。
【0019】
1つの実施形態では、また、ファームウェア213は、PXE機能を実施することができる。PXEは、ネットワーク・ポート212を使用して、データ記憶装置(ディスク・ドライブ240〜243のような)またはインストールされたオペレーティング・システムとは無関係に、SASスイッチ210などの装置をブートする環境である。PXEは、プリブート実行環境(PXE:Preboot Execution Environment)仕様書(バージョン2.1)に述べられており、それは、ここで、参照によってここに組み込まれるのもとする。プリブート実行環境(PXE)仕様書(バージョン2.1)は、ftp://download.intel.com/design/archives/wfm/downloads/pxespec.pdf.から入手できる。PXEは、インターネット・プロトコル(IP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP:User Datagram Protocol)、動的ホスト構成プロトコル(DHCP:Dynamic Host Configuration Protocol)およびトリビアル・ファイル転送プロトコル(TFTP:Trivial File Transfer Protocol)のような、いくつかのネットワーク・プロトコルを使用する。PXEクライアント(PXEを介してブートされる装置)は、所定のPXE向け応用プログラム・インターフェース(API:Application Programming Interfaces)一式を有する。
【0020】
SASスイッチ210上のPXE機能は、ディスク・ドライブ240〜243の1つまたは複数にオペレーティング・システムをインストールするために使用することができる。オペレーティング・システムのインストールは、コンピュータ270上で作動している管理プログラムによって開始することができる。オペレーティング・システムのインストールは、ユーザ280からの入力に応答して、コンピュータ270上で作動している管理プログラムによって、開始することができる。ユーザ280からの入力は、HBA220、221の1つまたは複数と関連付けられた、どの論理装置番号(LUN)が、PXEオペレーティング・システムのインストールの対象とすべきかを指定することができる。
【0021】
言い換えると、ユーザ280は、SASスイッチ210のための管理ソフトウェアと対話しながら、SASスイッチ210に接続された特定のホストLUNに対して、オペレーティング・システムのインストールを開始させることができる。ユーザ280は、管理ソフトウェアによって表示されたリストから、接続SAS HBA220、221を選択することができる。管理ソフトウェアによって表示されたリストは、管理ソフトウェアによって、SAS発見手順および/またはメカニズムを使用して、作成し維持することができる。リストからのユーザによる1つまたは複数のLUNの選択の指示は、SASスイッチ210に送ることができる。各HBA220、221は、PXEサーバ260に対してブートLUNとして現れることができる。PXEオペレーティング・システムのインストールの一部分として、TFTPプロトコル・パケットは、PXEサーバ260とSASスイッチ210の間で交換することができる(ファームウェア213の制御の下で)。1つの実施形態では、ファームウェア213は、SASスイッチ210を制御して、PXEパケットをSCSIデータ・フレームに変換する(その逆も同様に)。これらのSCSIデータ・フレームは、HBA220、221および/またはディスク・ドライブ240〜243に/から伝えることができる。ファームウェア213は、SASスイッチ210を制御して、PXEパケットをSCSIデータ・フレームに、パケットからイーサネット・ヘッダを削除(または追加)することによって、変換することができる(その逆も同様に)。これらのSCSIデータ・フレームは、指定されたホストLUNに送ることができる。これらのSCSIデータ・フレームは、指定されたLUN(複数可)にオペレーティング・システムのファイルをインストールするために、指定されたホストLUNに送ることができる。
【0022】
図3は、オペレーティング・システムをインストールする方法を示すフローチャートである。図3に示されたステップは、記憶システム100および/または記憶システム200の要素の1つまたは複数によって実施することができる。LUNへのオペレーティング・システムのインストールを開始させるコマンドが、受け取られる(302)。たとえば、ユーザ280は、コンピュータ270上で作動している管理ソフトウェアに指示して、HBA220に関連付けられたLUNにオペレーティング・システムをインストールすることができる。別の例では、SASスイッチ210は、LUNへのオペレーティング・システムのインストールを開始させる、コンピュータ270からのコマンドまたは指示を受け取る。
【0023】
プリブート実行可能なセッションが、確立される(304)。たとえば、SASスイッチ210上で作動しているファームウェア213は、SASスイッチ210を制御して、PXE向けオプションを付加して拡張されたDHCPDISCOVERパケット(拡張DHCPDISCOVER)を、ポート212を介してポート67/UDP(DHCPサーバ・ポート)に同報通信によって送ることによって、PXEブート・セッションを開始させることができる。PXEサーバ260は、この拡張DHCPREQUESTを受け取ることができる。それに応答して、PXEサーバ260は、TFTPを介してオペレーティング・システムをダウンロードするための完全なファイル経路によって、SASスイッチ210に応答することができる。次いで、SASスイッチ210は、PXEサーバ260とのTFTPセッションを確立することができる。
【0024】
オペレーティング・システムのファイルは、LUNに転送される(306)。たとえば、ブロック304中で確立されたTFTPセッションは、PXEサーバ260から指定されたLUNにオペレーティング・システムを転送して、指定されたLUNにインストールするために使用することができる。オペレーティング・システムを指定されたLUNにインストールするために、SASスイッチ210は、PXEパケットをSCSIデータ・フレームに変換することができる(その逆も同様に)。これらのSCSIデータ・フレームは、HBA220、221および/またはディスク・ドライブ240〜243に/から伝えることができる。SASスイッチ210は、PXEパケットをSCSIデータ・フレームに、パケットからイーサネット・ヘッダを削除(または追加)することによって、変換することができる(その逆も同様に)。
【0025】
図4は、オペレーティング・システムをインストールする方法を示すフローチャートである。図4に示されたステップは、記憶システム100および/または記憶システム200の要素の1つまたは複数によって実施することができる。ユーザは、指定されたLUNに対してプリブート実行可能な(PXE)オペレーティング・システムのインストールを開始させる(402)。たとえば、ユーザ280は、SASスイッチ210に接続された、指定されたLUNへのオペレーティング・システムのインストールを開始させることができる。この選択の指示は、SASスイッチ210に送ることができる。ユーザ280によるLUNの選択に応答して、コンピュータ270上で作動している管理ソフトウェアは、PXEプロトコルおよびメッセージ送信を使用して、ファームウェア213と交信し、それによって、指定されたLUNへのオペレーティング・システムのインストールのプロセスをSASスイッチ210に開始させることができる。
【0026】
SASスイッチ中のPXEファームウェアは、PXEサーバを探す(404)。たとえば、SASスイッチ210中のファームウェア213は、PXEサーバ260を探すことができる。SASスイッチ210中のファームウェア213は、PXE向けオプションを付加して拡張されたDHCPDISCOVERパケットを同報通信によって送ることによって、PXEサーバ260を探すことができる。PXEセッションが、SASスイッチとPXEサーバの間で確立される(406)。たとえば、SASスイッチ210およびPXEサーバ260は、PXE TFTPセッションを確立することができる。SASスイッチ210およびPXEサーバ260は、PXEサーバ260がSASスイッチ210から同報通信されたDHCPDISCOVERパケットに応答した後で、PXE TFTPセッションを確立することができる。PXEサーバ260は、オペレーティング・システムをダウンロードするための完全なファイルの経路を用いて、SASスイッチ210からのDHCPDISCOVERパケットに応答することができる。次いで、SASスイッチ210は、この完全なファイルの経路を使用して、PXEサーバ260からSASスイッチ210にオペレーティング・システムのファイルを、TFTPプロトコル・パケットを使用して、転送するようにリクエストすることができる。
【0027】
オペレーティング・システムのファイルは、SASスイッチを介して、指定されたLUNに転送される(408)。たとえば、SASスイッチ210は、SASスイッチ210が、TFTPプロトコルを介して受け取ったオペレーティング・システムのファイルを指定されたLUNに転送することができる。SASスイッチ210は、TFTPパケット(PXEパケット)をSCSIデータ・フレームに変換することができる(その逆も同様に)。これらのSCSIデータ・フレームは、HBA220、221および/またはディスク・ドライブ240〜243に/から伝えることができる。SASスイッチ210は、TFTPパケットをSCSIデータ・フレームに、パケットからイーサネット・ヘッダを削除(または追加)することによって、変換することができる(その逆も同様に)。
【0028】
オペレーティング・システムは、指定されたLUNにインストールされる(410)。たとえば、HBA220、221またはホスト・システムは、指定されたLUNへのオペレーティング・システムの完全に実際に使えるインストールを引き起こすために、SASスイッチ210によって、指定されたLUNに格納された様々なファイルを抽出または解凍することができる。
【0029】
上記に述べた方法、システム、ネットワーク、装置、機器および機能は、1つまたは複数のコンピュータ・システムを用いて実施する、またはそれによって実行することができる。また、上記に述べた方法は、コンピュータ可読媒体上に格納することができる。記憶システム100および記憶システム200の要素の多くは、コンピュータ・システムを含む、または備えることができる。これには、ただし、これらに限定されないが、サーバ110、111、SASスイッチ150、151、記憶アレイ130、131、SASスイッチ210、HBA220、HBA221、筺体230、筺体231、ネットワーク250、PXEサーバ260およびコンピュータ270が含まれる。
【0030】
図5に、コンピュータ・システムのブロック図を示す。コンピュータ・システム500は、通信インターフェース520、処理システム530、記憶システム540およびユーザ・インターフェース560を備える。処理システム530は、記憶システム540に、動作可能に結合される。記憶システム540は、ソフトウェア550およびデータ570を格納する。処理システム530は、通信インターフェース520およびユーザ・インターフェース560に、動作可能に接続される。コンピュータ・システム500は、プログラム汎用コンピュータを含むことができる。コンピュータ・システム500は、マイクロプロセッサを備えることができる。コンピュータ・システム500は、プログラム可能な、または特殊目的の回路を含むことができる。コンピュータ・システム500は、多数の装置、プロセッサ、記憶装置および/または要素520〜570を一緒に含むインターフェースの間で分散することができる。
【0031】
通信インターフェース520は、ネットワーク・インターフェース、モデム、ポート、バス、リンク、送受信機または他の通信装置を含むことができる。通信インターフェース520は、多数の通信装置の間で分散することができる。処理システム530は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理回路または他の処理装置を含むことができる。処理システム530は、多数の処理装置の間で分散することができる。ユーザ・インターフェース560は、キーボード、マウス、音声認識インターフェース、マイクロフォンおよびスピーカ、グラフィック表示器、タッチ・スクリーンまたは他のタイプのユーザ・インターフェース装置を含むことができる。ユーザ・インターフェース560は、多数のインターフェース装置の間で分散することができる。記憶システム540は、ディスク、テープ、集積回路、RAM、ROM、ネットワーク記憶装置、サーバまたは他のメモリ機能を含むことができる。記憶システム540は、コンピュータ可読媒体であってもよい。記憶システム540は、多数のメモリ装置の間で分散することができる。
【0032】
処理システム530は、記憶システム540からソフトウェア550を読み出し実行する。処理システム530は、データ570を読み出し格納することができる。また、処理システム530は、通信インターフェース520を介して、データを読み出し格納することができる。処理システム530は、ソフトウェア550またはデータ570を生成する、または修正し、有体の結果を達成することができる。処理システム530は、通信インターフェース520またはユーザ・インターフェース560を制御して、有体の結果を達成することができる。処理システムは、通信インターフェース520を介して、遠く離れて格納されたソフトウェアを読み出し実行することができる。
【0033】
ソフトウェア550および遠く離れて格納されたソフトウェアは、オペレーティング・システム、ユーティリティ、ドライバ、ネットワーク・ソフトウェア、およびコンピュータ・システムによって通常実行される、他のソフトウェアを含むことができる。ソフトウェア550は、アプリケーション・プログラム、アプレット、ファームウェア、またはコンピュータ・システムによって通常実行される、他の形態の機械可読処理インストラクションを含むことができる。ソフトウェア550または遠く離れて格納されたソフトウェアは、処理システム530によって実行されたとき、ここで述べたように動作するようにコンピュータ・システム500に指示することができる。
【0034】
本発明の前述の説明は、示し説明する目的で、提示してきた。包括的にする、または開示した綿密な形態に本発明を限定することを意図せず、かつ、上記の教示を踏まえると、他の修正および変形が可能であり得る。本発明の原理およびその実用的な応用を最善に説明するために、実施形態を選択および説明し、それによって、当業者が、期待する具体的な使用に適するような様々な実施形態および様々な修正形態で、本発明を最善に利用することが可能になる。添付のクレームが、先行技術によって限定される範囲を除いて、本発明の、他の代替実施形態を含むものと解釈すべきであると意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーティング・システムをインストールする方法であって、
シリアル接続SCSI(SAS)スイッチにおいて、前記SASスイッチに接続されたSASホスト・バス・アダプタ(HBA)に関連付けられた論理装置番号(LUN)へのオペレーティング・システムのインストールを開始させるコマンドを受け取ることと、
前記コマンドに応答して、前記SASスイッチとPXEサーバの間でプリブート実行可能な(PXE)セッションを確立することと、
前記LUNにオペレーティング・システムのファイルを、前記SASスイッチを介して、転送し、それによって前記オペレーティング・システムを前記LUNにインストールすることとを含む、方法。
【請求項2】
前記PXEサーバからPXEパケットを受け取ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PXEパケットをSCSIデータ・フレームに変換することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記SCSIデータ・フレームを前記LUNに送ることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記SASスイッチに関連付けられたLUNのリストを維持することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記LUNのリストからのユーザによる前記LUNの選択の指示を受け取ることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
論理装置番号(LUN)に関連付けられた記憶装置と、
前記記憶装置に接続されたホスト・バス・アダプタ(HBA)と、
前記HBAに接続されたシリアル接続SCSI(SAS)スイッチであって、前記SASスイッチは、
前記論理装置番号(LUN)へのオペレーティング・システムのインストールを開始させるコマンドを受け取り、
前記コマンドに応答して、前記SASスイッチとPXEサーバの間でプリブート実行可能な(PXE)セッションを確立し、そして
前記コマンドに応答して、前記LUNにオペレーティング・システムのファイルを、前記SASスイッチを介して転送し、それによって前記LUNに前記オペレーティング・システムをインストールする、記憶システム。
【請求項8】
前記SASスイッチは、前記PXEサーバからPXEパケットを受け取る、請求項7に記載の記憶システム。
【請求項9】
前記SASスイッチは、前記PXEパケットをSCSIデータ・フレームに変換する、請求項8に記載の記憶システム。
【請求項10】
前記SASスイッチは、前記SCSIデータ・フレームを前記LUNに送る、請求項9に記載の記憶システム。
【請求項11】
前記SASスイッチは、前記SASスイッチに接続されたLUNのリストを維持する、請求項7に記載の記憶システム。
【請求項12】
前記SASスイッチは、前記LUNのリストからのユーザによる前記LUNの選択の指示を受け取る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
オペレーティング・システムをインストールするためのインストラクションがそれに格納された、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記インストラクションは、コンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに、
シリアル接続SCSI(SAS)スイッチにおいて、前記SASスイッチに接続されたSASホスト・バス・アダプタ(HBA)に関連付けられた論理装置番号(LUN)へのオペレーティング・システムのインストールを開始させるコマンドを受け取り、
前記コマンドに応答して、前記SASスイッチとPXEサーバの間でプリブート実行可能な(PXE)セッションを確立し、そして
前記LUNにオペレーティング・システムのファイルを、前記SASスイッチを介して転送し、それによって前記LUNに前記オペレーティング・システムをインストールするように、少なくとも指示する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記コンピュータは、前記PXEサーバからPXEパケットを受け取るように、さらに指示される、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記コンピュータは、前記PXEパケットをSCSIデータ・フレームに変換するように、さらに指示される、請求項14に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記コンピュータは、前記SCSIデータ・フレームを前記LUNに送るように、さらに指示される、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記コンピュータは、前記SASスイッチに関連付けられたLUNのリストを維持するように、さらに指示される、請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記コンピュータは、前記LUNのリストからのユーザによる前記LUNの選択の指示を受け取るように、さらに指示される、請求項5に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−105483(P2013−105483A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−21499(P2012−21499)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(508243639)エルエスアイ コーポレーション (124)
【Fターム(参考)】