プリンタにおける記録紙の切断方法およびプリンタ
【課題】記録紙上の位置決め基準を搬送中に直接検出し、予め設定した切断目標位置をプリンタ内の切断位置に確実に位置決めできるプリンタおよび記録紙の切断方法を提案すること。
【解決手段】プリンタ1は、複数種類の記録紙12aの中から択一的に選択した用紙に印刷する。印刷ジョブ実行時には、記録紙12a上のブラックマーク12cやラベル端部などの位置合わせ基準を、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27によって印刷位置よりも上流側の検出位置F1、F2で検出する。そして、搬送中の記録紙12a上の印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達したときに、位置決め基準の検出結果に基づいて、記録紙上の切断目標位置Eの判定処理を行うと共に、この切断目標位置Eをオートカッタ28による切断位置Bに位置決めするための搬送量を算出する。
【解決手段】プリンタ1は、複数種類の記録紙12aの中から択一的に選択した用紙に印刷する。印刷ジョブ実行時には、記録紙12a上のブラックマーク12cやラベル端部などの位置合わせ基準を、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27によって印刷位置よりも上流側の検出位置F1、F2で検出する。そして、搬送中の記録紙12a上の印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達したときに、位置決め基準の検出結果に基づいて、記録紙上の切断目標位置Eの判定処理を行うと共に、この切断目標位置Eをオートカッタ28による切断位置Bに位置決めするための搬送量を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の記録紙に印刷するプリンタに関し、特に、複数種類の用紙を択一的に使用することが可能なプリンタ、および、当該プリンタにおける記録紙の切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、長尺の台紙上に一定間隔でラベルを貼り付けたラベル用紙や、一定間隔で所定のマークが付されたマーク付き連続紙などの複数種類の記録紙を択一的にセットして印刷することが可能なプリンタが知られている。この種のプリンタでは、印刷ヘッドによる印刷位置や切断機構による切断位置に記録紙の所定部分を位置合わせするために、記録紙の搬送中に記録紙上にあるラベルの先端やマークなどの位置合わせ基準となる部分を検出する検出動作を行い、その検出結果に基づいて記録紙上の印刷領域や切断目標位置などの各部分の搬送位置を把握して位置合わせを行っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、台紙付きのラベル用紙あるいは一定間隔でマークが付いたタグ用紙(マーク付き連続紙)を択一的に装着して印刷するプリンタが記載されている。このプリンタでは、台紙付きラベル用紙に印刷するときは透過型センサでラベルを検出し、タグ用紙を用いる場合には、マークが付された面に向けて配置された反射型センサの検出結果によってマークを検出して、記録紙上の位置合わせ基準となる部分の搬送位置を把握している。このように、特許文献1では、用紙の種類に応じて透過型センサによる検出方法と反射型センサによる検出方法などの異なる検出方法を使い分けて、各記録紙の位置合わせ基準となる部分を検出している。
【特許文献1】特開2000−71548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、台紙付きのラベル用紙にラベルの間隔に合わせてマークを付したマーク付きラベル用紙を用いる場合には、マーク付き連続紙と同様にマークを位置合わせ基準として用いることにより、この記録紙上の切断目標位置を、プリンタ内の切断位置に位置合わせすることも可能である。台紙付きのラベル用紙は、印刷後にラベル間のギャップの部分で切断されるため、切断後のラベル用紙の先端側と後端側には、ラベル間のギャップの長さに対応する数mm程度の台紙のみの部分が形成される。また、ラベルに印刷する場合には、ラベルの先頭ぎりぎりの位置から印刷を開始すると、搬送誤差や部品や組立て時の誤差などにより、例えばインクジェットプリンタの場合、ラベル外の台紙の上にインクが吐出してしまうことがあり、このはみ出たインクが乾く前に印刷機構や搬送機構などに付着してしまうことがあるため、ラベルの先端部分に数mm程度の余白を設けている。
【0005】
図11は従来例のプリンタによる記録紙の余白寸法の説明図である。従来のプリンタでラベル用紙に印刷する場合には、図11(a)に示すように、その搬送方向前方側のラベル間ギャップ部分にある切断目標位置Eからラベル上の印刷開始位置Dまでの長さが、切断目標位置Eからラベルの先端までの台紙のみの部分の寸法Laと、ラベルの先端から印刷開始位置Dまでの余白寸法Lbとの合計寸法になる。これに対し、タグ用紙などマーク付き連続紙の設定に基づいた場合(Lcのみ設定)にはラベル間ギャップの部分がないため、図11(b)に示すように、そのままでは切断目標位置Eから印刷開始位置Dまでの長さLcが、切断後のマーク付き連続紙における先端側の余白寸法となり、マーク付きラベル用紙の場合La分がなく、ラベル端ぎりぎりとなってしまう。また、マーク付き連続紙とマーク付きラベル用紙のそれぞれについてマークから同じ位置関係となるように印刷開始位置Dと切断目標位置Eを決定してしまうと、マーク付きラベル用紙の設定に基づいた場合(La、Lbの設定)には、印刷領域の先頭側の余白寸法が、ラベル間のギャップの寸法Laの分だけマーク付き連続紙の方が長くなってしまい、余白を同一にすることができないという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、複数の用紙種類(マーク付きラベル用紙、マーク無しラベル用紙、マーク付き連続紙など)の記録紙に印刷するプリンタにおいて、予め設定された記録紙上の切断目標位置を確実にプリンタ内の切断位置に位置決め可能にすることにより、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙を切断することができ、記録紙の種類や位置決め基準が異なっていても余白寸法を同一にすることが可能なプリンタおよびプリンタにおける記録紙の切断方法を提案することにある。
【0007】
また、本発明の他の課題は、記録紙上の位置決め基準を、記録紙の搬送中に直接検出して記録紙上の各部の搬送位置を把握できるようにすることにより、用紙の種類が変わっても確実に切断目標位置を切断位置に位置決めすることが可能なプリンタおよびプリンタにおける記録紙の切断方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の用紙種類の記録紙を、切断装置による切断位置を経由する搬送経路に沿って搬送するプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記記録紙を搬送するときに、前記切断位置よりも上流側の検出位置において、当該記録紙上の位置決め基準を検出するための検出動作を行い、
前記位置決め基準の検出結果に基づいて、前記記録紙上に前記用紙種類毎に予め設定されている切断目標位置を、前記搬送経路上の前記切断位置に位置決めすることを特徴としている。
【0009】
本発明は、このように、切断位置よりも上流側で記録紙上の位置決め基準を直接検出することができるので、この検出結果に基づいて記録紙上の切断目標位置を把握し、切断位置に位置決めすることができる。よって、複数種類の記録紙を、それぞれ、予め設定した通りの切断目標位置で切断することが可能になり、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙を切断することが可能になる。また、プリンタ側で位置決め基準をその都度直接検出するので、用紙の種類によって位置決め基準や切断目標位置が異なっていても、確実に切断目標位置で記録紙を切断することができる。また、プリンタ側でその都度直接位置決め基準を検出することにより、ホスト装置側で用紙の種類に応じて切断目標位置を算出して印刷データを作成する必要がなくなる。よって、ホスト装置側の処理負担を軽減できる。
【0010】
本発明において、前記複数の用紙種類は、目印が所定の間隔で付されている長尺の目印付き連続紙と、長尺の台紙にラベルが所定の間隔で貼り付けられているラベル用紙を含み、前記記録紙を搬送するときに、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行い、各検出動作による前記ラベル間ギャップの検出の有無および前記目印の検出の有無に基づいて、当該記録紙上の前記切断目標位置を、前記搬送経路上の切断位置に位置決めするとよい。このように、目印およびラベル間ギャップの有無に基づいて記録紙を位置決めする方法によれば、ラベル用紙と目印付きの記録紙のいずれについても確実に位置決め基準を検出でき、確実に切断目標位置で切断することができる。
【0011】
ここで、前記記録紙を、当該記録紙上の前記位置決め基準の間隔以上の長さ分だけ搬送する間の各紙送りステップ毎に、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行うとよい。このようにすると、位置決め基準を確実かつ正確に検出できる。
【0012】
また、本発明において、前記ラベル用紙における前記切断目標位置を、前記ラベル間ギャップの部分に設定し、前記目印付き連続紙における前記切断目標位置を、当該目印付き連続紙における印刷ヘッドによる各印刷開始位置から当該印刷開始位置に最も近い前記切断目標位置までの寸法と、前記ラベル用紙における各ラベルの先端位置から当該ラベル上の印刷開始位置までの寸法とが同一になるように設定するとよい。このようにすると、ラベル用紙の場合にはラベル間ギャップ分のマージンの分だけ余白が短くなることを考慮して切断目標位置を設定でき、切断後のラベル用紙におけるラベル部分の余白寸法と、切断後の目印付き連続紙の余白寸法を同一にすることができる。
【0013】
次に、本発明のプリンタは、上記のプリンタにおける記録紙の切断方法により、前記記録紙の用紙種類に対応付けられた前記切断目標位置において前記記録紙を切断することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷位置よりも上流側で記録紙上の位置決め基準を直接検出することができるので、この検出結果に基づいて記録紙上の切断目標位置を把握し、切断位置に位置決めすることができる。よって、複数種類の記録紙を、それぞれ、予め設定した通りの切断目標位置で切断することが可能になり、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙を切断することが可能になる。また、プリンタ側で位置決め基準をその都度直接検出するので、用紙の種類によって切断目標位置が異なっていても、確実に切断目標位置で記録紙を切断することができる。また、プリンタ側でその都度直接位置決め基準を検出することにより、ホスト装置側で用紙の種類に応じて切断目標位置を算出して印刷データを作成する必要がなくなる。よって、ホスト装置側の処理負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明のプリンタの実施の形態を説明する。
【0016】
(全体構成)
図1は本発明を適用したインクジェット方式のプリンタの外観斜視図であり、図2はプリンタの開閉蓋を全開にした状態の外観斜視図である。プリンタ1は、全体としてほぼ直方体形状をしたプリンタ本体2と、当該プリンタ本体2の前面に取り付けた開閉蓋3を有している。プリンタ本体2の外装ケース2aの前面には所定幅の排出口4が形成されている。排出口4の下側には排紙ガイド5が前方に突出しており、当該排紙ガイド5の側方には蓋開閉レバー6が配置されている。外装ケース2aにおける排紙ガイド5および蓋開閉レバー6の下側には、ロール紙出し入れ用の矩形の開口部2bが形成されており、この開口部2bが開閉蓋3の蓋ケース3aによって封鎖されている。
【0017】
蓋開閉レバー6を操作すると開閉蓋3のロックが解除される。ロック解除後、排紙ガイド5を前方に引くと、開閉蓋3はその下端部を中心として前方に旋回し、ほぼ水平となるまで開く。開閉蓋3が開くと、図2に示すように、プリンタ内部に形成されているロール紙収納部11が開放状態となり、同時に、ロール紙収納部11から排出口4に到る搬送路A(図3参照)が開放状態となる。なお、図2では蓋ケース3aおよび蓋開閉レバー6を省略してある。
【0018】
図3はプリンタ1の内部の概略構成を示す説明図である。ロール紙収納部11には、ロール紙12が、プリンタ幅方向に向いた横置き状態で転動可能に収納されている。ロール紙12は、一定幅の長尺状の連続した記録紙12aをロール状に巻き付けたものである。
【0019】
ロール紙収納部11には、複数種類の記録紙12aの中から択一的に選択したものが装着される。図4はロール紙収納部11に装着可能な記録紙12aの用紙種類の説明図である。記録紙12aとしては、例えば、図4(a)〜(c)の各図に示すように、長尺状の連続紙12bの表面あるいは裏面に一定間隔でブラックマーク12c(目印)が付されたマークつき連続紙P1(目印付き連続紙)、長尺状の剥離台紙12dの上にラベル12eが一定間隔で剥離可能な状態で貼り付けられているラベル用紙P2、ブラックマーク12cを付したマーク付きラベル12fが剥離台紙12dの上に一定間隔で剥離可能な状態で貼り付けているマーク付きラベル用紙P3(目印付きラベル用紙)、などがある。
【0020】
ロール紙収納部11の上側には、プリンタ本体フレーム10の上端に水平に取り付けられたヘッドユニットフレーム13が配置されている。ヘッドユニットフレーム13には、インクジェットヘッド14(印刷ヘッド)、インクジェットヘッド14を搭載しているキャリッジ15、キャリッジ15のプリンタ幅方向への移動をガイドするキャリッジガイド軸16が配置されている。インクジェットヘッド14は、インクノズル面14aが下向きになるようにキャリッジ15に搭載されている。また、ヘッドユニットフレーム13には、キャリッジ15をキャリッジガイド軸16に沿って往復移動させるためのキャリッジモータ17およびタイミングベルト18を備えたキャリッジ搬送機構が配置されている。
【0021】
インクジェットヘッド14の下側には、プリンタ幅方向に水平に延びるプラテン19がインクノズル面14aと一定のギャップを隔てて対向配置されており、プラテン19によってインクジェットヘッド14の印刷位置が規定されている。プラテン19の後端には、下方に湾曲しているテンションガイド20が取り付けられている。
【0022】
プラテン19の後側(搬送方向の上流側)には、後側紙送りローラ21および後側紙押えローラ22がプリンタ幅方向に水平に架け渡されている。後側紙送りローラ21には、記録紙12aを介して後側紙押えローラ22が上側から所定の押圧力で押し付けられている。また、プラテン19の前端側(搬送方向の下流側)には、前側紙送りローラ23および前側紙押えローラ24が配置されている。前側紙送りローラ23には、記録紙12aを介して前側紙押えローラ24が上側から押し付けられている。後側紙送りローラ21および前側紙送りローラ23は、プリンタ本体フレーム10に搭載されている紙送りモータ25によって同期して回転駆動される。
【0023】
ロール紙収納部11内のロール紙12から繰り出される長尺状の記録紙12aは、テンションガイド20によって所定の張力が付与された状態で、プラテン19上の印刷位置を経由する搬送路A(図3に示す太い一点鎖線)に沿って搬送され、排出口4から引き出された状態にセットされる。この状態で紙送りモータ25が駆動制御されると、後側紙送りローラ21および前側紙送りローラ23が回転し、記録紙12aが所定量だけ送り出される。そして、排出口4の近傍に配置されているオートカッタ28によって記録紙12aの先端部分を切断した後、記録紙12aを所定の搬送量だけ搬送することにより、切断後の記録紙12aの先頭部分にある印刷領域の先端位置である印刷開始位置D(図4参照)を、インクジェットヘッド14による印刷位置Cに位置決めする。
【0024】
印刷指令を受けると、記録紙12aは一定の搬送量ずつ間欠的に送り出され、これに同期してインクジェットヘッド14が駆動され、印刷位置Cを通過する記録紙12a上の印刷領域に印刷が施される。その後、記録紙12a上の切断目標位置E(図4参照)をオートカッタ28による切断位置Bに位置合わせすると共に、記録紙12aの印刷済みの部分が排出口4から排出された状態で記録紙12aの搬送が停止し、オートカッタ28によって記録紙12aの切断目標位置Eの部分が幅方向に切断される。これにより、1枚の印刷済みのカットシートや剥離台紙付きラベルなどが発行される。その後、次の印刷指令に備えるために後側紙送りローラ21および前側紙送りローラ23が逆回転して記録紙12aがバックフィードされ、次の印刷領域の先頭位置である印刷開始位置Dを、印刷位置Cに位置決めする。
【0025】
搬送路A上の印刷位置Cよりも上流側には、反射型フォトセンサ26による検出位置F1および透過型フォトセンサ27による検出位置F2が設けられている。反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27は、記録紙12a上の各印刷領域に対応して付されているブラックマーク12cや、ラベル用紙におけるラベル間ギャップGなどの位置合わせ基準を検出するための検出手段として用いられる。図5(a)は搬送路Aにおける記録紙12a、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27の取付位置を説明するための側面図であり、図5(b)はその平面図である。図5では、記録紙12aの例としてマーク付きラベル用紙P3を示している。
【0026】
反射型フォトセンサ26は、インクジェットヘッド14と後側紙送りローラ21との間で、搬送路Aの下側に配置されている。また、反射型フォトセンサ26の平面位置は、搬送路Aにおけるブラックマーク12cの通過領域内とされている。反射型フォトセンサ26は発光素子および受光素子を備えており、下方から搬送路Aに向けて照射した検査光の下方への反射光の有無を検出して、記録紙12aの裏面に付されたブラックマーク12cを検出することができる。反射型フォトセンサ26の発光素子および受光素子を上下逆に配置すれば、上方から搬送路Aに向けて照射した検査光の上方への反射光の有無を検出し、記録紙12aの表面に付されたブラックマーク12cを検出することができる。
【0027】
透過型フォトセンサ27は、反射型フォトセンサ26よりも搬送路Aの上流側であって、後側紙送りローラ21とテンションガイド20との間に配置されている。また、透過型フォトセンサ27の平面位置は、搬送路Aにおけるラベル12eあるいはマーク付きラベル12fの通過領域内とされている。透過型フォトセンサ27は、搬送路Aを挟んで上側に配置した発光素子と下側に配置した受光素子を備えており、上方から搬送路Aに向けて照射した検査光の下方への透過光の有無に基づいて記録紙12a上のラベル12e、12fの先端あるいは後端などの透過率が異なる部分の端部を検出できる。ここで、透過型フォトセンサ27の発光素子および受光素子を搬送路を挟んで上下逆に配置してもよい。
【0028】
(制御系)
図6は、プリンタ1の制御系を示す概略ブロック図である。プリンタ1の制御系は、CPUおよびROM、RAMなどの記憶部を備えた制御部29を中心に構成されている。制御部29には、図示しない送受信部を介して、ホスト装置30などの上位機器から印刷データやコマンドなどが供給される。制御部29は、ホスト装置30などからの印刷データに基づき、ロール紙からラベル用紙を送り出す紙送り機構やキャリッジ搬送機構などの各部の駆動を制御して、紙送り動作および印刷動作を実行する。
【0029】
制御部29の出力側には、ヘッドドライバ14bを介してインクジェットヘッド14が接続されており、制御部29は、ヘッドドライバ14bを介してインクジェットヘッド14を駆動制御する。また、制御部29の出力側には、モータドライバ17aおよびモータドライバ25aを介してキャリッジモータ17および紙送りモータ25が接続されており、制御部29は、モータドライバ25a,17aを介して紙送りモータ25およびキャリッジモータ17を駆動制御する。制御部29は、紙送りモータ25を送り出し方向に駆動制御するステップ数あるいは回転量を積算することにより、記録紙12aの搬送量を把握して、記録紙12a上の各部分の搬送位置を把握することができる。
【0030】
制御部29の入力側には、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27が接続されている。制御部29は、記録紙12aの搬送動作に連動して反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27の検出動作を行う。そして、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27の検出出力を所定の閾値と比較することにより、搬送路A上の検出位置F1、F2を通過する記録紙12a上のブラックマーク12cやラベル間ギャップGなどの位置決め基準を検出する。制御部29内の記憶部には、これらの位置決め基準の検出結果に基づいてプリンタ1の各部を制御するための各種プログラムが記憶されている。
【0031】
(印刷ジョブ実行時の記録紙の位置決め制御)
次に、プリンタ1の印刷ジョブ実行時に、印刷対象の記録紙12a上の切断目標位置Eをオートカッタ28による切断位置Bに位置決めして、当該切断目標位置Eで記録紙12aを切断可能にするための位置決め制御について説明する。
【0032】
まず、位置決め制御の前提として、印刷対象の記録紙12a上の位置合わせ基準や印刷領域、切断目標位置Eなどのレイアウトについて、図4(a)〜(c)を参照して説明する。図4(a)に示すマークつき連続紙P1については、位置合わせ基準であるブラックマーク12cの先端位置から寸法L1だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)に移動した位置が切断目標位置Eであり、ブラックマーク12cの先端位置から寸法L2だけ用紙の後方側(搬送方向上流側)に移動した位置が、印刷領域の先端位置すなわち印刷開始位置Dである。この場合、マークつき連続紙P1を切断して形成されるカットシートの上端側の余白寸法は、L1+L2となる。
【0033】
次に、図4(b)に示すラベル用紙P2については、位置合わせ基準であるラベル12eの先端位置から寸法L3だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)に移動した位置が切断目標位置Eであり、ラベル12eの先端位置から寸法L4だけ用紙の後方側に移動した位置が、印刷領域の先端位置すなわち印刷開始位置Dである。このようにすると、ラベル用紙P2を切断して形成される剥離台紙付きラベルにおけるラベル部分の上端側の余白寸法は、L4となる。本実施形態では、用紙の種類に関係なく印刷領域の上側の余白寸法を一定にするために、L4=L1+L2となるように設定している。
【0034】
続いて、図4(c)に示すマーク付きラベル用紙P3については、ブラックマーク12cを付したマーク付きラベル12fを備えているので、ブラックマーク12cとラベル先端の2つの位置合わせ基準を有している。この用紙における切断目標位置Eは、ラベル用紙P2と同様に、マーク付きラベル12fの先端位置から寸法L3だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)にある。また、この用紙における印刷開始位置Dは、ラベル用紙P2と同様に余白を一定にするために、マーク付きラベル12fの先端位置から寸法L4だけ用紙の後方側に移動した位置に設定されている。そして、この用紙におけるブラックマーク12cの位置は、マーク付き連続紙P1と同様に、印刷開始位置Dから寸法L2だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)に移動した位置にある。
【0035】
プリンタ1の制御部29は、ロール紙収納部11にロール紙12が装填されて搬送路A上に記録紙12aがセットされると、記録紙12aの搬送を開始して、印刷領域の先頭位置である印刷開始位置Dを印刷位置Cに到達させるが、このとき、所定の搬送距離だけ記録紙12aを搬送する間に、記録紙12aの搬送動作に連動させて、搬送路A上の検出位置F1、F2において、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27による記録紙12a上の位置決め基準の検出処理を行う。
【0036】
そして、さらに記録紙12aを搬送して、記録紙12a上の印刷開始位置Dがインクジェットヘッド14による印刷位置Cに到達したときに、位置決め基準の検出処理の結果に基づいて、記録紙12a上の切断目標位置Eを判定する処理を行う。この判定処理によって、インクジェットヘッド14による印刷位置Cから距離X(図3参照)だけ搬送方向下流側に配置されている切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするための記録紙12aの搬送量が算出される。よって、制御部29は、算出した搬送量に基づいてプリンタ1の各部を制御し、記録紙12aの切断目標位置Eを切断位置Bに正確に位置決めして切断する。以下、位置決め基準の検出処理と、切断目標位置の判定処理について説明する。
【0037】
(位置決め基準の検出処理)
図7は、位置決め基準の検出処理のフローチャートである。制御部29は、記録紙12aの搬送を開始する前に、まず、ステップS1において、ラベル間ギャップ判定フラグとBM(ブラックマーク)判定フラグをクリアし、各フラグの設定値を「False」にする。次に、ステップS2において、位置決め基準の検出動作を行う搬送区間の長さに対応させて、紙送りモータ25の駆動ステップ数を設定する。このとき、紙送りモータの駆動ステップ数を積算するカウンタをリセットし、カウント値を0にしておく。搬送区間は、例えば、位置決め基準の最大間隔、すなわち、印刷領域とその上下の余白を含む各ページの最大長さ以上に設定しておくことにより、確実に位置決め基準を検出することが可能となる。また、この段階で、後述するラベル間ギャップカウンタおよびBM(ブラックマーク)カウンタをリセットしてカウント値を0にしておく。
【0038】
制御部29は、ステップS2の後に、記録紙12aの搬送および検出動作を開始する。まず、ステップS3において、紙送りモータ25を送り出し方向に1ステップ駆動制御して、所定のピッチ量だけ記録紙12aを下流側に送る。このとき、駆動ステップ数を積算するカウンタに1を加算する。そして、1ステップ分の紙送りが終了した時点で搬送路A上の検出位置F2にある記録紙12aの部分に対し、ステップS4において、透過型フォトセンサ27によるラベル間ギャップGの検出動作、および、その検出結果に基づくラベル間ギャップGの判定処理を行う。続いて、ステップS5において、搬送路A上の検出位置F1にある記録紙12aの部分に対し、反射型フォトセンサ26によるブラックマーク12cの検出動作、および、その検出結果に基づくBM(ブラックマーク)の判定処理を行う。ステップS4、S5の詳細については後述する。
【0039】
その後、制御部29は、ステップS6において、駆動ステップ数のカウンタを参照して、駆動ステップ数が設定値に到達したか否か判定し、到達していない場合(ステップS6:No)にはステップS3に戻る。そして、駆動ステップ数が設定値に到達するまでステップS3〜S6の処理を繰り返し行い、駆動ステップ数が設定値に到達した場合(ステップS6:Yes)には、この時点で処理を終了する。
【0040】
図8はステップS4で行うラベル間ギャップ判定処理のフローチャートである。ラベル間ギャップの判定処理では、まず、ステップS41において、透過型フォトセンサ27による検出動作を行う。次に、ステップS42において、ステップS41の検出結果を所定の閾値と比較して、検出位置F2におけるラベル間ギャップGの有無を判定する。
【0041】
ステップS42において、ラベル間ギャップ有りと判定した場合(ステップS42:Yes)には、ステップS43に進み、ラベル間ギャップカウンタに1を加算する。続いて、ステップS44でラベル間ギャップカウンタの積算値が予め設定した設定値を越えたか否か判定し、超えた場合(ステップS44:Yes)には、ラベル間ギャップGが検出されたと判定してステップS45に進み、ラベル間ギャップ判定フラグを「True」にセットする。一方、ラベル間ギャップカウンタの積算値が予め設定した設定値を超えていないと判定された場合(ステップS44:No)には、このまま処理を終了する。
【0042】
また、ステップS42において、ラベル間ギャップ有りと判定されなかった場合(ステップS42:No)には、ステップS46に進み、ラベル間ギャップカウンタをリセットして0にし、ラベル間ギャップ判定処理を終了する。
【0043】
図9はステップS5で行うBM(ブラックマーク)判定処理のフローチャートである。この処理は、ラベル間ギャップの判定処理と同様の流れで行われる。すなわち、まず、ステップS51において、反射型フォトセンサ26による検出動作を行い、ステップS52において、ステップS41の検出結果を所定の閾値と比較して、検出位置F1におけるブラックマーク12cの有無を判定する。
【0044】
続いて、ステップS52において、ブラックマーク有りと判定した場合(ステップS52:Yes)には、ステップS53に進み、BMカウンタに1を加算する。続いて、ステップS54でBMカウンタの積算値が予め設定した設定値を越えたか否か判定し、超えた場合(ステップS54:Yes)には、ブラックマーク12cが検出されたと判定してステップS55に進み、BM判定フラグを「True」にセットする。一方、BMカウンタの積算値が予め設定した設定値を超えていないと判定された場合(ステップS54:No)には、このまま処理を終了する。
【0045】
また、ステップS52において、ブラックマーク有りと判定されなかった場合(ステップS52:No)には、ステップS56に進み、BMカウンタをリセットして0にし、BM判定処理を終了する。
【0046】
以上のように、位置決め基準の検出処理では、ステップS3〜S6の処理を繰り返すことにより、ラベル間ギャップGが検出された場合にはラベル間ギャップ判定フラグを「True」にセットし、且つ、ラベル間ギャップカウンタのカウント値を、ラベル間ギャップGが検出され続けた駆動ステップ数に応じて積算することができる。また、ブラックマーク12cが検出された場合にはBM判定フラグを「True」にセットし、且つ、BMカウンタのカウント値を、ブラックマーク12cが検出され続けた駆動ステップ数に応じて積算することができる。
【0047】
よって、これらのフラグやカウンタの値を参照すれば、予め設定した搬送区間内におけるラベル間ギャップGの有無、および、ブラックマーク12cの有無を判定可能になる。また、ラベル間ギャップGの搬送方向の長さや、ラベル間ギャップの先端あるいは後端の位置、および、ブラックマーク12cの搬送方向の長さや、ブラックマーク12cの先端あるいは後端の位置を判定可能になる。
【0048】
なお、位置決め基準の検出処理後に、ラベル間ギャップ判定フラグとBM判定フラグがいずれも「False」にセットされていた場合には、位置決め基準が検出されていないことになるので、位置決め基準の検出エラーであると判定して、もう一度記録紙12aを所定量搬送して位置決め基準の検出処理を行っても良い。あるいは、エラー表示を行ってユーザによる点検や紙交換などの処置を促してもよい。
【0049】
(切断目標位置の判定処理)
制御部29は、記録紙12a上の各部の搬送位置を、予め用紙種類ごとに設定されている位置決め基準との位置関係に基づいて把握することができるので、位置決め基準の検出処理の後、記録紙12aを1ステップずつ駆動する毎に、記録紙12a上の印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達したか否かの判定を行う。そして、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達したときに、切断目標位置Eの判定処理を開始する。
【0050】
図10は、切断目標位置の判定処理のフローチャートである。制御部29は、まず、ステップS11において、ラベル間ギャップ判定フラグが「True」にセットされているか否かの判定を行う。そして、「True」にセットされていた場合(ステップS11:Yes)には、ステップS12に進み、BM判定フラグが「True」にセットされているか否かの判定を行う。そして、「True」にセットされていた場合(ステップS12:Yes)には、ブラックマーク12cの先端位置を位置決め基準として扱い、ステップS13において、記録紙12a上の切断目標位置Eが、検出したブラックマーク12cの先端位置よりも寸法L1+L3だけ搬送方向下流側であると判定し、処理を終了する。
【0051】
この処理の流れは、用紙種類がマーク付きラベル用紙P3の場合に発生する。そして、この場合には、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達した時点から、印刷位置Cから距離Xだけ搬送方向下流側にある切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするためのマーク付きラベル用紙P3の搬送量は、図4等に示した配置関係に基づき、X−L3−L4となる。なお、寸法L1およびL3は予め制御部29の記憶部に記憶させておいてもよく、あるいは、印刷データに含めておき、印刷ジョブ毎にプリンタ1に送信してもよい。
【0052】
一方、ステップS12において、BM判定フラグが「False」にセットされていた場合(ステップS12:No)には、ラベル間ギャップGを位置決め基準として取り扱い、ステップS14において、記録紙12a上の切断目標位置Eが、検出したラベル間ギャップGの後端(すなわち、ラベルの先端)よりも寸法L3だけ搬送方向下流側であると判定し、処理を終了する。この処理の流れは、用紙種類がラベル用紙P2の場合に発生する。そして、この場合には、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達した時点から、印刷位置Cから距離Xだけ搬送方向下流側にある切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするためのラベル用紙P2の搬送量は、図4等に示した配置関係に基づき、X−L3−L4となる。
【0053】
そして、ステップS11において、ラベル間ギャップ判定フラグが「False」にセットされていた場合(ステップS11:No)には、BM判定フラグの判定を省略してブラックマーク12cの先端位置を位置決め基準として扱い、ステップS15において、記録紙12a上の切断目標位置Eが、検出したブラックマーク12cの先端位置よりも寸法L1だけ搬送方向下流側であると判定し、処理を終了する。この処理の流れは、用紙種類がマーク付き連続紙P1の場合に発生する。そして、この場合には、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達した時点から、印刷位置Cから距離Xだけ搬送方向下流側にある切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするためのマーク付き連続紙P1の搬送量は、図4等に示した配置関係に基づき、X−L1−L2、すなわち、X−L4となる。
【0054】
本実施形態では、このように、印刷位置Cよりも上流側で記録紙12a上の位置決め基準であるブラックマーク12cやラベル間ギャップGを直接検出することができるので、この検出結果に基づいて記録紙12a上の印刷開始位置Dや切断目標位置Eを把握し、切断目標位置Eを切断位置Bに位置決めすることができる。特に、記録紙12aを位置決め基準の間隔以上の長さ分だけ搬送する間の各紙送りステップ毎に、ラベル間ギャップGおよびブラックマーク12cの検出動作を行うので、位置決め基準を確実かつ正確に検出できる。
【0055】
よって、複数種類の記録紙12aを、それぞれ、予め設定した通りの切断目標位置Eで切断することが可能になり、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙12aを切断することが可能になる。また、プリンタ1側で位置決め基準をその都度直接検出するので、用紙の種類によって切断目標位置Eが異なっていても、確実に切断目標位置Eで記録紙12aを切断することができる。また、プリンタ1側でその都度直接位置決め基準を検出することにより、ホスト装置30側で用紙の種類に応じて切断目標位置Eを算出して印刷データを作成する必要がなくなる。よって、ホスト装置30側の処理負担を軽減できる。
【0056】
また、図4に示すように切断目標位置Eの位置を設定することにより、3種類の用紙における印刷領域の上側の余白寸法を一定にすることができ、無駄な余白が発生しないようにして記録紙12aを節約することができる。また、プリンタ1による印刷および切断の終了後に別途余分な余白を切断するなどの作業を行う必要もなくなる。なお、以上の説明では、切断済みのカットシートあるいは切断済みの剥離台紙付きラベルの上端側(搬送方向下流側)の余白の寸法について説明したが、下端側(搬送方向上流側)の余白についても、同様の方法により一定にすることができる。
【0057】
(改変例)
上記実施形態では、記録紙12a上に目印としてブラックマーク12cを付していたが、他の目印を位置合わせ基準として用いてもよい。例えば、連続紙の側端辺に一定間隔で形成した切り欠きをブラックマーク12cの代わりに用いて、透過型フォトセンサあるいは反射型フォトセンサによって切り欠きを検出して搬送位置を把握してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を適用したプリンタの外観斜視図である。
【図2】プリンタの開閉蓋を開けた状態を示す外観斜視図である。
【図3】プリンタの内部構造を示す縦断面図である。
【図4】記録紙の用紙種類および余白寸法の説明図である。
【図5】搬送路における記録紙、反射型フォトセンサおよび透過型フォトセンサの側面図および平面図である。
【図6】プリンタの制御系を示す概略ブロック図である。
【図7】位置決め基準の検出処理のフローチャートである。
【図8】ラベル間ギャップ判定処理のフローチャートのフローチャートである。
【図9】BM(ブラックマーク)判定処理のフローチャートである。
【図10】切断目標位置の判定処理のフローチャートである。
【図11】従来例のプリンタによる記録紙の余白寸法の説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1…プリンタ、2…プリンタ本体、2a…外装ケース、2b…開口部、3…開閉蓋、3a…蓋ケース、4…排出口、5…排紙ガイド、6…蓋開閉レバー、10…プリンタ本体フレーム、11…ロール紙収納部、12…ロール紙、12a…記録紙、12b…連続紙、12c…ブラックマーク(目印/位置合わせ基準)、12d…剥離台紙、12e…ラベル、12f…マーク付きラベル、13…ヘッドユニットフレーム、14…インクジェットヘッド(印刷ヘッド)、14a…インクノズル面、14b…ヘッドドライバ、15…キャリッジ、16…キャリッジガイド軸、17…キャリッジモータ、17a…モータドライバ、18…タイミングベルト、19…プラテン、20…テンションガイド、21…後側紙送りローラ、22…後側紙押えローラ、23…前側紙送りローラ、24…前側紙押えローラ、25…紙送りモータ、25a…モータドライバ、26…反射型フォトセンサ、27…透過型フォトセンサ、28…オートカッタ、29…制御部、30…ホスト装置、A…搬送路、B…切断位置、C…印刷位置、D…印刷開始位置、E…切断目標位置、F1、F2…検出位置、G…ラベル間ギャップ、La〜Lc、L1〜L4…寸法、P1…マーク付き連続紙(目印付き連続紙)、P2…ラベル用紙、P3…マーク付きラベル用紙(目印付きラベル用紙)
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の記録紙に印刷するプリンタに関し、特に、複数種類の用紙を択一的に使用することが可能なプリンタ、および、当該プリンタにおける記録紙の切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、長尺の台紙上に一定間隔でラベルを貼り付けたラベル用紙や、一定間隔で所定のマークが付されたマーク付き連続紙などの複数種類の記録紙を択一的にセットして印刷することが可能なプリンタが知られている。この種のプリンタでは、印刷ヘッドによる印刷位置や切断機構による切断位置に記録紙の所定部分を位置合わせするために、記録紙の搬送中に記録紙上にあるラベルの先端やマークなどの位置合わせ基準となる部分を検出する検出動作を行い、その検出結果に基づいて記録紙上の印刷領域や切断目標位置などの各部分の搬送位置を把握して位置合わせを行っている。
【0003】
例えば、特許文献1には、台紙付きのラベル用紙あるいは一定間隔でマークが付いたタグ用紙(マーク付き連続紙)を択一的に装着して印刷するプリンタが記載されている。このプリンタでは、台紙付きラベル用紙に印刷するときは透過型センサでラベルを検出し、タグ用紙を用いる場合には、マークが付された面に向けて配置された反射型センサの検出結果によってマークを検出して、記録紙上の位置合わせ基準となる部分の搬送位置を把握している。このように、特許文献1では、用紙の種類に応じて透過型センサによる検出方法と反射型センサによる検出方法などの異なる検出方法を使い分けて、各記録紙の位置合わせ基準となる部分を検出している。
【特許文献1】特開2000−71548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、台紙付きのラベル用紙にラベルの間隔に合わせてマークを付したマーク付きラベル用紙を用いる場合には、マーク付き連続紙と同様にマークを位置合わせ基準として用いることにより、この記録紙上の切断目標位置を、プリンタ内の切断位置に位置合わせすることも可能である。台紙付きのラベル用紙は、印刷後にラベル間のギャップの部分で切断されるため、切断後のラベル用紙の先端側と後端側には、ラベル間のギャップの長さに対応する数mm程度の台紙のみの部分が形成される。また、ラベルに印刷する場合には、ラベルの先頭ぎりぎりの位置から印刷を開始すると、搬送誤差や部品や組立て時の誤差などにより、例えばインクジェットプリンタの場合、ラベル外の台紙の上にインクが吐出してしまうことがあり、このはみ出たインクが乾く前に印刷機構や搬送機構などに付着してしまうことがあるため、ラベルの先端部分に数mm程度の余白を設けている。
【0005】
図11は従来例のプリンタによる記録紙の余白寸法の説明図である。従来のプリンタでラベル用紙に印刷する場合には、図11(a)に示すように、その搬送方向前方側のラベル間ギャップ部分にある切断目標位置Eからラベル上の印刷開始位置Dまでの長さが、切断目標位置Eからラベルの先端までの台紙のみの部分の寸法Laと、ラベルの先端から印刷開始位置Dまでの余白寸法Lbとの合計寸法になる。これに対し、タグ用紙などマーク付き連続紙の設定に基づいた場合(Lcのみ設定)にはラベル間ギャップの部分がないため、図11(b)に示すように、そのままでは切断目標位置Eから印刷開始位置Dまでの長さLcが、切断後のマーク付き連続紙における先端側の余白寸法となり、マーク付きラベル用紙の場合La分がなく、ラベル端ぎりぎりとなってしまう。また、マーク付き連続紙とマーク付きラベル用紙のそれぞれについてマークから同じ位置関係となるように印刷開始位置Dと切断目標位置Eを決定してしまうと、マーク付きラベル用紙の設定に基づいた場合(La、Lbの設定)には、印刷領域の先頭側の余白寸法が、ラベル間のギャップの寸法Laの分だけマーク付き連続紙の方が長くなってしまい、余白を同一にすることができないという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、複数の用紙種類(マーク付きラベル用紙、マーク無しラベル用紙、マーク付き連続紙など)の記録紙に印刷するプリンタにおいて、予め設定された記録紙上の切断目標位置を確実にプリンタ内の切断位置に位置決め可能にすることにより、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙を切断することができ、記録紙の種類や位置決め基準が異なっていても余白寸法を同一にすることが可能なプリンタおよびプリンタにおける記録紙の切断方法を提案することにある。
【0007】
また、本発明の他の課題は、記録紙上の位置決め基準を、記録紙の搬送中に直接検出して記録紙上の各部の搬送位置を把握できるようにすることにより、用紙の種類が変わっても確実に切断目標位置を切断位置に位置決めすることが可能なプリンタおよびプリンタにおける記録紙の切断方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の用紙種類の記録紙を、切断装置による切断位置を経由する搬送経路に沿って搬送するプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記記録紙を搬送するときに、前記切断位置よりも上流側の検出位置において、当該記録紙上の位置決め基準を検出するための検出動作を行い、
前記位置決め基準の検出結果に基づいて、前記記録紙上に前記用紙種類毎に予め設定されている切断目標位置を、前記搬送経路上の前記切断位置に位置決めすることを特徴としている。
【0009】
本発明は、このように、切断位置よりも上流側で記録紙上の位置決め基準を直接検出することができるので、この検出結果に基づいて記録紙上の切断目標位置を把握し、切断位置に位置決めすることができる。よって、複数種類の記録紙を、それぞれ、予め設定した通りの切断目標位置で切断することが可能になり、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙を切断することが可能になる。また、プリンタ側で位置決め基準をその都度直接検出するので、用紙の種類によって位置決め基準や切断目標位置が異なっていても、確実に切断目標位置で記録紙を切断することができる。また、プリンタ側でその都度直接位置決め基準を検出することにより、ホスト装置側で用紙の種類に応じて切断目標位置を算出して印刷データを作成する必要がなくなる。よって、ホスト装置側の処理負担を軽減できる。
【0010】
本発明において、前記複数の用紙種類は、目印が所定の間隔で付されている長尺の目印付き連続紙と、長尺の台紙にラベルが所定の間隔で貼り付けられているラベル用紙を含み、前記記録紙を搬送するときに、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行い、各検出動作による前記ラベル間ギャップの検出の有無および前記目印の検出の有無に基づいて、当該記録紙上の前記切断目標位置を、前記搬送経路上の切断位置に位置決めするとよい。このように、目印およびラベル間ギャップの有無に基づいて記録紙を位置決めする方法によれば、ラベル用紙と目印付きの記録紙のいずれについても確実に位置決め基準を検出でき、確実に切断目標位置で切断することができる。
【0011】
ここで、前記記録紙を、当該記録紙上の前記位置決め基準の間隔以上の長さ分だけ搬送する間の各紙送りステップ毎に、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行うとよい。このようにすると、位置決め基準を確実かつ正確に検出できる。
【0012】
また、本発明において、前記ラベル用紙における前記切断目標位置を、前記ラベル間ギャップの部分に設定し、前記目印付き連続紙における前記切断目標位置を、当該目印付き連続紙における印刷ヘッドによる各印刷開始位置から当該印刷開始位置に最も近い前記切断目標位置までの寸法と、前記ラベル用紙における各ラベルの先端位置から当該ラベル上の印刷開始位置までの寸法とが同一になるように設定するとよい。このようにすると、ラベル用紙の場合にはラベル間ギャップ分のマージンの分だけ余白が短くなることを考慮して切断目標位置を設定でき、切断後のラベル用紙におけるラベル部分の余白寸法と、切断後の目印付き連続紙の余白寸法を同一にすることができる。
【0013】
次に、本発明のプリンタは、上記のプリンタにおける記録紙の切断方法により、前記記録紙の用紙種類に対応付けられた前記切断目標位置において前記記録紙を切断することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷位置よりも上流側で記録紙上の位置決め基準を直接検出することができるので、この検出結果に基づいて記録紙上の切断目標位置を把握し、切断位置に位置決めすることができる。よって、複数種類の記録紙を、それぞれ、予め設定した通りの切断目標位置で切断することが可能になり、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙を切断することが可能になる。また、プリンタ側で位置決め基準をその都度直接検出するので、用紙の種類によって切断目標位置が異なっていても、確実に切断目標位置で記録紙を切断することができる。また、プリンタ側でその都度直接位置決め基準を検出することにより、ホスト装置側で用紙の種類に応じて切断目標位置を算出して印刷データを作成する必要がなくなる。よって、ホスト装置側の処理負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明のプリンタの実施の形態を説明する。
【0016】
(全体構成)
図1は本発明を適用したインクジェット方式のプリンタの外観斜視図であり、図2はプリンタの開閉蓋を全開にした状態の外観斜視図である。プリンタ1は、全体としてほぼ直方体形状をしたプリンタ本体2と、当該プリンタ本体2の前面に取り付けた開閉蓋3を有している。プリンタ本体2の外装ケース2aの前面には所定幅の排出口4が形成されている。排出口4の下側には排紙ガイド5が前方に突出しており、当該排紙ガイド5の側方には蓋開閉レバー6が配置されている。外装ケース2aにおける排紙ガイド5および蓋開閉レバー6の下側には、ロール紙出し入れ用の矩形の開口部2bが形成されており、この開口部2bが開閉蓋3の蓋ケース3aによって封鎖されている。
【0017】
蓋開閉レバー6を操作すると開閉蓋3のロックが解除される。ロック解除後、排紙ガイド5を前方に引くと、開閉蓋3はその下端部を中心として前方に旋回し、ほぼ水平となるまで開く。開閉蓋3が開くと、図2に示すように、プリンタ内部に形成されているロール紙収納部11が開放状態となり、同時に、ロール紙収納部11から排出口4に到る搬送路A(図3参照)が開放状態となる。なお、図2では蓋ケース3aおよび蓋開閉レバー6を省略してある。
【0018】
図3はプリンタ1の内部の概略構成を示す説明図である。ロール紙収納部11には、ロール紙12が、プリンタ幅方向に向いた横置き状態で転動可能に収納されている。ロール紙12は、一定幅の長尺状の連続した記録紙12aをロール状に巻き付けたものである。
【0019】
ロール紙収納部11には、複数種類の記録紙12aの中から択一的に選択したものが装着される。図4はロール紙収納部11に装着可能な記録紙12aの用紙種類の説明図である。記録紙12aとしては、例えば、図4(a)〜(c)の各図に示すように、長尺状の連続紙12bの表面あるいは裏面に一定間隔でブラックマーク12c(目印)が付されたマークつき連続紙P1(目印付き連続紙)、長尺状の剥離台紙12dの上にラベル12eが一定間隔で剥離可能な状態で貼り付けられているラベル用紙P2、ブラックマーク12cを付したマーク付きラベル12fが剥離台紙12dの上に一定間隔で剥離可能な状態で貼り付けているマーク付きラベル用紙P3(目印付きラベル用紙)、などがある。
【0020】
ロール紙収納部11の上側には、プリンタ本体フレーム10の上端に水平に取り付けられたヘッドユニットフレーム13が配置されている。ヘッドユニットフレーム13には、インクジェットヘッド14(印刷ヘッド)、インクジェットヘッド14を搭載しているキャリッジ15、キャリッジ15のプリンタ幅方向への移動をガイドするキャリッジガイド軸16が配置されている。インクジェットヘッド14は、インクノズル面14aが下向きになるようにキャリッジ15に搭載されている。また、ヘッドユニットフレーム13には、キャリッジ15をキャリッジガイド軸16に沿って往復移動させるためのキャリッジモータ17およびタイミングベルト18を備えたキャリッジ搬送機構が配置されている。
【0021】
インクジェットヘッド14の下側には、プリンタ幅方向に水平に延びるプラテン19がインクノズル面14aと一定のギャップを隔てて対向配置されており、プラテン19によってインクジェットヘッド14の印刷位置が規定されている。プラテン19の後端には、下方に湾曲しているテンションガイド20が取り付けられている。
【0022】
プラテン19の後側(搬送方向の上流側)には、後側紙送りローラ21および後側紙押えローラ22がプリンタ幅方向に水平に架け渡されている。後側紙送りローラ21には、記録紙12aを介して後側紙押えローラ22が上側から所定の押圧力で押し付けられている。また、プラテン19の前端側(搬送方向の下流側)には、前側紙送りローラ23および前側紙押えローラ24が配置されている。前側紙送りローラ23には、記録紙12aを介して前側紙押えローラ24が上側から押し付けられている。後側紙送りローラ21および前側紙送りローラ23は、プリンタ本体フレーム10に搭載されている紙送りモータ25によって同期して回転駆動される。
【0023】
ロール紙収納部11内のロール紙12から繰り出される長尺状の記録紙12aは、テンションガイド20によって所定の張力が付与された状態で、プラテン19上の印刷位置を経由する搬送路A(図3に示す太い一点鎖線)に沿って搬送され、排出口4から引き出された状態にセットされる。この状態で紙送りモータ25が駆動制御されると、後側紙送りローラ21および前側紙送りローラ23が回転し、記録紙12aが所定量だけ送り出される。そして、排出口4の近傍に配置されているオートカッタ28によって記録紙12aの先端部分を切断した後、記録紙12aを所定の搬送量だけ搬送することにより、切断後の記録紙12aの先頭部分にある印刷領域の先端位置である印刷開始位置D(図4参照)を、インクジェットヘッド14による印刷位置Cに位置決めする。
【0024】
印刷指令を受けると、記録紙12aは一定の搬送量ずつ間欠的に送り出され、これに同期してインクジェットヘッド14が駆動され、印刷位置Cを通過する記録紙12a上の印刷領域に印刷が施される。その後、記録紙12a上の切断目標位置E(図4参照)をオートカッタ28による切断位置Bに位置合わせすると共に、記録紙12aの印刷済みの部分が排出口4から排出された状態で記録紙12aの搬送が停止し、オートカッタ28によって記録紙12aの切断目標位置Eの部分が幅方向に切断される。これにより、1枚の印刷済みのカットシートや剥離台紙付きラベルなどが発行される。その後、次の印刷指令に備えるために後側紙送りローラ21および前側紙送りローラ23が逆回転して記録紙12aがバックフィードされ、次の印刷領域の先頭位置である印刷開始位置Dを、印刷位置Cに位置決めする。
【0025】
搬送路A上の印刷位置Cよりも上流側には、反射型フォトセンサ26による検出位置F1および透過型フォトセンサ27による検出位置F2が設けられている。反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27は、記録紙12a上の各印刷領域に対応して付されているブラックマーク12cや、ラベル用紙におけるラベル間ギャップGなどの位置合わせ基準を検出するための検出手段として用いられる。図5(a)は搬送路Aにおける記録紙12a、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27の取付位置を説明するための側面図であり、図5(b)はその平面図である。図5では、記録紙12aの例としてマーク付きラベル用紙P3を示している。
【0026】
反射型フォトセンサ26は、インクジェットヘッド14と後側紙送りローラ21との間で、搬送路Aの下側に配置されている。また、反射型フォトセンサ26の平面位置は、搬送路Aにおけるブラックマーク12cの通過領域内とされている。反射型フォトセンサ26は発光素子および受光素子を備えており、下方から搬送路Aに向けて照射した検査光の下方への反射光の有無を検出して、記録紙12aの裏面に付されたブラックマーク12cを検出することができる。反射型フォトセンサ26の発光素子および受光素子を上下逆に配置すれば、上方から搬送路Aに向けて照射した検査光の上方への反射光の有無を検出し、記録紙12aの表面に付されたブラックマーク12cを検出することができる。
【0027】
透過型フォトセンサ27は、反射型フォトセンサ26よりも搬送路Aの上流側であって、後側紙送りローラ21とテンションガイド20との間に配置されている。また、透過型フォトセンサ27の平面位置は、搬送路Aにおけるラベル12eあるいはマーク付きラベル12fの通過領域内とされている。透過型フォトセンサ27は、搬送路Aを挟んで上側に配置した発光素子と下側に配置した受光素子を備えており、上方から搬送路Aに向けて照射した検査光の下方への透過光の有無に基づいて記録紙12a上のラベル12e、12fの先端あるいは後端などの透過率が異なる部分の端部を検出できる。ここで、透過型フォトセンサ27の発光素子および受光素子を搬送路を挟んで上下逆に配置してもよい。
【0028】
(制御系)
図6は、プリンタ1の制御系を示す概略ブロック図である。プリンタ1の制御系は、CPUおよびROM、RAMなどの記憶部を備えた制御部29を中心に構成されている。制御部29には、図示しない送受信部を介して、ホスト装置30などの上位機器から印刷データやコマンドなどが供給される。制御部29は、ホスト装置30などからの印刷データに基づき、ロール紙からラベル用紙を送り出す紙送り機構やキャリッジ搬送機構などの各部の駆動を制御して、紙送り動作および印刷動作を実行する。
【0029】
制御部29の出力側には、ヘッドドライバ14bを介してインクジェットヘッド14が接続されており、制御部29は、ヘッドドライバ14bを介してインクジェットヘッド14を駆動制御する。また、制御部29の出力側には、モータドライバ17aおよびモータドライバ25aを介してキャリッジモータ17および紙送りモータ25が接続されており、制御部29は、モータドライバ25a,17aを介して紙送りモータ25およびキャリッジモータ17を駆動制御する。制御部29は、紙送りモータ25を送り出し方向に駆動制御するステップ数あるいは回転量を積算することにより、記録紙12aの搬送量を把握して、記録紙12a上の各部分の搬送位置を把握することができる。
【0030】
制御部29の入力側には、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27が接続されている。制御部29は、記録紙12aの搬送動作に連動して反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27の検出動作を行う。そして、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27の検出出力を所定の閾値と比較することにより、搬送路A上の検出位置F1、F2を通過する記録紙12a上のブラックマーク12cやラベル間ギャップGなどの位置決め基準を検出する。制御部29内の記憶部には、これらの位置決め基準の検出結果に基づいてプリンタ1の各部を制御するための各種プログラムが記憶されている。
【0031】
(印刷ジョブ実行時の記録紙の位置決め制御)
次に、プリンタ1の印刷ジョブ実行時に、印刷対象の記録紙12a上の切断目標位置Eをオートカッタ28による切断位置Bに位置決めして、当該切断目標位置Eで記録紙12aを切断可能にするための位置決め制御について説明する。
【0032】
まず、位置決め制御の前提として、印刷対象の記録紙12a上の位置合わせ基準や印刷領域、切断目標位置Eなどのレイアウトについて、図4(a)〜(c)を参照して説明する。図4(a)に示すマークつき連続紙P1については、位置合わせ基準であるブラックマーク12cの先端位置から寸法L1だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)に移動した位置が切断目標位置Eであり、ブラックマーク12cの先端位置から寸法L2だけ用紙の後方側(搬送方向上流側)に移動した位置が、印刷領域の先端位置すなわち印刷開始位置Dである。この場合、マークつき連続紙P1を切断して形成されるカットシートの上端側の余白寸法は、L1+L2となる。
【0033】
次に、図4(b)に示すラベル用紙P2については、位置合わせ基準であるラベル12eの先端位置から寸法L3だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)に移動した位置が切断目標位置Eであり、ラベル12eの先端位置から寸法L4だけ用紙の後方側に移動した位置が、印刷領域の先端位置すなわち印刷開始位置Dである。このようにすると、ラベル用紙P2を切断して形成される剥離台紙付きラベルにおけるラベル部分の上端側の余白寸法は、L4となる。本実施形態では、用紙の種類に関係なく印刷領域の上側の余白寸法を一定にするために、L4=L1+L2となるように設定している。
【0034】
続いて、図4(c)に示すマーク付きラベル用紙P3については、ブラックマーク12cを付したマーク付きラベル12fを備えているので、ブラックマーク12cとラベル先端の2つの位置合わせ基準を有している。この用紙における切断目標位置Eは、ラベル用紙P2と同様に、マーク付きラベル12fの先端位置から寸法L3だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)にある。また、この用紙における印刷開始位置Dは、ラベル用紙P2と同様に余白を一定にするために、マーク付きラベル12fの先端位置から寸法L4だけ用紙の後方側に移動した位置に設定されている。そして、この用紙におけるブラックマーク12cの位置は、マーク付き連続紙P1と同様に、印刷開始位置Dから寸法L2だけ用紙の先頭側(搬送方向下流側)に移動した位置にある。
【0035】
プリンタ1の制御部29は、ロール紙収納部11にロール紙12が装填されて搬送路A上に記録紙12aがセットされると、記録紙12aの搬送を開始して、印刷領域の先頭位置である印刷開始位置Dを印刷位置Cに到達させるが、このとき、所定の搬送距離だけ記録紙12aを搬送する間に、記録紙12aの搬送動作に連動させて、搬送路A上の検出位置F1、F2において、反射型フォトセンサ26および透過型フォトセンサ27による記録紙12a上の位置決め基準の検出処理を行う。
【0036】
そして、さらに記録紙12aを搬送して、記録紙12a上の印刷開始位置Dがインクジェットヘッド14による印刷位置Cに到達したときに、位置決め基準の検出処理の結果に基づいて、記録紙12a上の切断目標位置Eを判定する処理を行う。この判定処理によって、インクジェットヘッド14による印刷位置Cから距離X(図3参照)だけ搬送方向下流側に配置されている切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするための記録紙12aの搬送量が算出される。よって、制御部29は、算出した搬送量に基づいてプリンタ1の各部を制御し、記録紙12aの切断目標位置Eを切断位置Bに正確に位置決めして切断する。以下、位置決め基準の検出処理と、切断目標位置の判定処理について説明する。
【0037】
(位置決め基準の検出処理)
図7は、位置決め基準の検出処理のフローチャートである。制御部29は、記録紙12aの搬送を開始する前に、まず、ステップS1において、ラベル間ギャップ判定フラグとBM(ブラックマーク)判定フラグをクリアし、各フラグの設定値を「False」にする。次に、ステップS2において、位置決め基準の検出動作を行う搬送区間の長さに対応させて、紙送りモータ25の駆動ステップ数を設定する。このとき、紙送りモータの駆動ステップ数を積算するカウンタをリセットし、カウント値を0にしておく。搬送区間は、例えば、位置決め基準の最大間隔、すなわち、印刷領域とその上下の余白を含む各ページの最大長さ以上に設定しておくことにより、確実に位置決め基準を検出することが可能となる。また、この段階で、後述するラベル間ギャップカウンタおよびBM(ブラックマーク)カウンタをリセットしてカウント値を0にしておく。
【0038】
制御部29は、ステップS2の後に、記録紙12aの搬送および検出動作を開始する。まず、ステップS3において、紙送りモータ25を送り出し方向に1ステップ駆動制御して、所定のピッチ量だけ記録紙12aを下流側に送る。このとき、駆動ステップ数を積算するカウンタに1を加算する。そして、1ステップ分の紙送りが終了した時点で搬送路A上の検出位置F2にある記録紙12aの部分に対し、ステップS4において、透過型フォトセンサ27によるラベル間ギャップGの検出動作、および、その検出結果に基づくラベル間ギャップGの判定処理を行う。続いて、ステップS5において、搬送路A上の検出位置F1にある記録紙12aの部分に対し、反射型フォトセンサ26によるブラックマーク12cの検出動作、および、その検出結果に基づくBM(ブラックマーク)の判定処理を行う。ステップS4、S5の詳細については後述する。
【0039】
その後、制御部29は、ステップS6において、駆動ステップ数のカウンタを参照して、駆動ステップ数が設定値に到達したか否か判定し、到達していない場合(ステップS6:No)にはステップS3に戻る。そして、駆動ステップ数が設定値に到達するまでステップS3〜S6の処理を繰り返し行い、駆動ステップ数が設定値に到達した場合(ステップS6:Yes)には、この時点で処理を終了する。
【0040】
図8はステップS4で行うラベル間ギャップ判定処理のフローチャートである。ラベル間ギャップの判定処理では、まず、ステップS41において、透過型フォトセンサ27による検出動作を行う。次に、ステップS42において、ステップS41の検出結果を所定の閾値と比較して、検出位置F2におけるラベル間ギャップGの有無を判定する。
【0041】
ステップS42において、ラベル間ギャップ有りと判定した場合(ステップS42:Yes)には、ステップS43に進み、ラベル間ギャップカウンタに1を加算する。続いて、ステップS44でラベル間ギャップカウンタの積算値が予め設定した設定値を越えたか否か判定し、超えた場合(ステップS44:Yes)には、ラベル間ギャップGが検出されたと判定してステップS45に進み、ラベル間ギャップ判定フラグを「True」にセットする。一方、ラベル間ギャップカウンタの積算値が予め設定した設定値を超えていないと判定された場合(ステップS44:No)には、このまま処理を終了する。
【0042】
また、ステップS42において、ラベル間ギャップ有りと判定されなかった場合(ステップS42:No)には、ステップS46に進み、ラベル間ギャップカウンタをリセットして0にし、ラベル間ギャップ判定処理を終了する。
【0043】
図9はステップS5で行うBM(ブラックマーク)判定処理のフローチャートである。この処理は、ラベル間ギャップの判定処理と同様の流れで行われる。すなわち、まず、ステップS51において、反射型フォトセンサ26による検出動作を行い、ステップS52において、ステップS41の検出結果を所定の閾値と比較して、検出位置F1におけるブラックマーク12cの有無を判定する。
【0044】
続いて、ステップS52において、ブラックマーク有りと判定した場合(ステップS52:Yes)には、ステップS53に進み、BMカウンタに1を加算する。続いて、ステップS54でBMカウンタの積算値が予め設定した設定値を越えたか否か判定し、超えた場合(ステップS54:Yes)には、ブラックマーク12cが検出されたと判定してステップS55に進み、BM判定フラグを「True」にセットする。一方、BMカウンタの積算値が予め設定した設定値を超えていないと判定された場合(ステップS54:No)には、このまま処理を終了する。
【0045】
また、ステップS52において、ブラックマーク有りと判定されなかった場合(ステップS52:No)には、ステップS56に進み、BMカウンタをリセットして0にし、BM判定処理を終了する。
【0046】
以上のように、位置決め基準の検出処理では、ステップS3〜S6の処理を繰り返すことにより、ラベル間ギャップGが検出された場合にはラベル間ギャップ判定フラグを「True」にセットし、且つ、ラベル間ギャップカウンタのカウント値を、ラベル間ギャップGが検出され続けた駆動ステップ数に応じて積算することができる。また、ブラックマーク12cが検出された場合にはBM判定フラグを「True」にセットし、且つ、BMカウンタのカウント値を、ブラックマーク12cが検出され続けた駆動ステップ数に応じて積算することができる。
【0047】
よって、これらのフラグやカウンタの値を参照すれば、予め設定した搬送区間内におけるラベル間ギャップGの有無、および、ブラックマーク12cの有無を判定可能になる。また、ラベル間ギャップGの搬送方向の長さや、ラベル間ギャップの先端あるいは後端の位置、および、ブラックマーク12cの搬送方向の長さや、ブラックマーク12cの先端あるいは後端の位置を判定可能になる。
【0048】
なお、位置決め基準の検出処理後に、ラベル間ギャップ判定フラグとBM判定フラグがいずれも「False」にセットされていた場合には、位置決め基準が検出されていないことになるので、位置決め基準の検出エラーであると判定して、もう一度記録紙12aを所定量搬送して位置決め基準の検出処理を行っても良い。あるいは、エラー表示を行ってユーザによる点検や紙交換などの処置を促してもよい。
【0049】
(切断目標位置の判定処理)
制御部29は、記録紙12a上の各部の搬送位置を、予め用紙種類ごとに設定されている位置決め基準との位置関係に基づいて把握することができるので、位置決め基準の検出処理の後、記録紙12aを1ステップずつ駆動する毎に、記録紙12a上の印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達したか否かの判定を行う。そして、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達したときに、切断目標位置Eの判定処理を開始する。
【0050】
図10は、切断目標位置の判定処理のフローチャートである。制御部29は、まず、ステップS11において、ラベル間ギャップ判定フラグが「True」にセットされているか否かの判定を行う。そして、「True」にセットされていた場合(ステップS11:Yes)には、ステップS12に進み、BM判定フラグが「True」にセットされているか否かの判定を行う。そして、「True」にセットされていた場合(ステップS12:Yes)には、ブラックマーク12cの先端位置を位置決め基準として扱い、ステップS13において、記録紙12a上の切断目標位置Eが、検出したブラックマーク12cの先端位置よりも寸法L1+L3だけ搬送方向下流側であると判定し、処理を終了する。
【0051】
この処理の流れは、用紙種類がマーク付きラベル用紙P3の場合に発生する。そして、この場合には、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達した時点から、印刷位置Cから距離Xだけ搬送方向下流側にある切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするためのマーク付きラベル用紙P3の搬送量は、図4等に示した配置関係に基づき、X−L3−L4となる。なお、寸法L1およびL3は予め制御部29の記憶部に記憶させておいてもよく、あるいは、印刷データに含めておき、印刷ジョブ毎にプリンタ1に送信してもよい。
【0052】
一方、ステップS12において、BM判定フラグが「False」にセットされていた場合(ステップS12:No)には、ラベル間ギャップGを位置決め基準として取り扱い、ステップS14において、記録紙12a上の切断目標位置Eが、検出したラベル間ギャップGの後端(すなわち、ラベルの先端)よりも寸法L3だけ搬送方向下流側であると判定し、処理を終了する。この処理の流れは、用紙種類がラベル用紙P2の場合に発生する。そして、この場合には、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達した時点から、印刷位置Cから距離Xだけ搬送方向下流側にある切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするためのラベル用紙P2の搬送量は、図4等に示した配置関係に基づき、X−L3−L4となる。
【0053】
そして、ステップS11において、ラベル間ギャップ判定フラグが「False」にセットされていた場合(ステップS11:No)には、BM判定フラグの判定を省略してブラックマーク12cの先端位置を位置決め基準として扱い、ステップS15において、記録紙12a上の切断目標位置Eが、検出したブラックマーク12cの先端位置よりも寸法L1だけ搬送方向下流側であると判定し、処理を終了する。この処理の流れは、用紙種類がマーク付き連続紙P1の場合に発生する。そして、この場合には、印刷開始位置Dが印刷位置Cに到達した時点から、印刷位置Cから距離Xだけ搬送方向下流側にある切断位置Bに切断目標位置Eを位置合わせするためのマーク付き連続紙P1の搬送量は、図4等に示した配置関係に基づき、X−L1−L2、すなわち、X−L4となる。
【0054】
本実施形態では、このように、印刷位置Cよりも上流側で記録紙12a上の位置決め基準であるブラックマーク12cやラベル間ギャップGを直接検出することができるので、この検出結果に基づいて記録紙12a上の印刷開始位置Dや切断目標位置Eを把握し、切断目標位置Eを切断位置Bに位置決めすることができる。特に、記録紙12aを位置決め基準の間隔以上の長さ分だけ搬送する間の各紙送りステップ毎に、ラベル間ギャップGおよびブラックマーク12cの検出動作を行うので、位置決め基準を確実かつ正確に検出できる。
【0055】
よって、複数種類の記録紙12aを、それぞれ、予め設定した通りの切断目標位置Eで切断することが可能になり、予め設定しておいた通りの余白寸法となる位置で各種類の記録紙12aを切断することが可能になる。また、プリンタ1側で位置決め基準をその都度直接検出するので、用紙の種類によって切断目標位置Eが異なっていても、確実に切断目標位置Eで記録紙12aを切断することができる。また、プリンタ1側でその都度直接位置決め基準を検出することにより、ホスト装置30側で用紙の種類に応じて切断目標位置Eを算出して印刷データを作成する必要がなくなる。よって、ホスト装置30側の処理負担を軽減できる。
【0056】
また、図4に示すように切断目標位置Eの位置を設定することにより、3種類の用紙における印刷領域の上側の余白寸法を一定にすることができ、無駄な余白が発生しないようにして記録紙12aを節約することができる。また、プリンタ1による印刷および切断の終了後に別途余分な余白を切断するなどの作業を行う必要もなくなる。なお、以上の説明では、切断済みのカットシートあるいは切断済みの剥離台紙付きラベルの上端側(搬送方向下流側)の余白の寸法について説明したが、下端側(搬送方向上流側)の余白についても、同様の方法により一定にすることができる。
【0057】
(改変例)
上記実施形態では、記録紙12a上に目印としてブラックマーク12cを付していたが、他の目印を位置合わせ基準として用いてもよい。例えば、連続紙の側端辺に一定間隔で形成した切り欠きをブラックマーク12cの代わりに用いて、透過型フォトセンサあるいは反射型フォトセンサによって切り欠きを検出して搬送位置を把握してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を適用したプリンタの外観斜視図である。
【図2】プリンタの開閉蓋を開けた状態を示す外観斜視図である。
【図3】プリンタの内部構造を示す縦断面図である。
【図4】記録紙の用紙種類および余白寸法の説明図である。
【図5】搬送路における記録紙、反射型フォトセンサおよび透過型フォトセンサの側面図および平面図である。
【図6】プリンタの制御系を示す概略ブロック図である。
【図7】位置決め基準の検出処理のフローチャートである。
【図8】ラベル間ギャップ判定処理のフローチャートのフローチャートである。
【図9】BM(ブラックマーク)判定処理のフローチャートである。
【図10】切断目標位置の判定処理のフローチャートである。
【図11】従来例のプリンタによる記録紙の余白寸法の説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1…プリンタ、2…プリンタ本体、2a…外装ケース、2b…開口部、3…開閉蓋、3a…蓋ケース、4…排出口、5…排紙ガイド、6…蓋開閉レバー、10…プリンタ本体フレーム、11…ロール紙収納部、12…ロール紙、12a…記録紙、12b…連続紙、12c…ブラックマーク(目印/位置合わせ基準)、12d…剥離台紙、12e…ラベル、12f…マーク付きラベル、13…ヘッドユニットフレーム、14…インクジェットヘッド(印刷ヘッド)、14a…インクノズル面、14b…ヘッドドライバ、15…キャリッジ、16…キャリッジガイド軸、17…キャリッジモータ、17a…モータドライバ、18…タイミングベルト、19…プラテン、20…テンションガイド、21…後側紙送りローラ、22…後側紙押えローラ、23…前側紙送りローラ、24…前側紙押えローラ、25…紙送りモータ、25a…モータドライバ、26…反射型フォトセンサ、27…透過型フォトセンサ、28…オートカッタ、29…制御部、30…ホスト装置、A…搬送路、B…切断位置、C…印刷位置、D…印刷開始位置、E…切断目標位置、F1、F2…検出位置、G…ラベル間ギャップ、La〜Lc、L1〜L4…寸法、P1…マーク付き連続紙(目印付き連続紙)、P2…ラベル用紙、P3…マーク付きラベル用紙(目印付きラベル用紙)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用紙種類の記録紙を、切断装置による切断位置を経由する搬送経路に沿って搬送するプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記記録紙を搬送するときに、前記切断位置よりも上流側の検出位置において、当該記録紙上の位置決め基準を検出するための検出動作を行い、
前記位置決め基準の検出結果に基づいて、前記記録紙上に前記用紙種類毎に予め設定されている切断目標位置を、前記搬送経路上の前記切断位置に位置決めすることを特徴とするプリンタにおける記録紙の切断方法。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記複数の用紙種類は、
目印が所定の間隔で付されている長尺の目印付き連続紙と、
長尺の台紙にラベルが所定の間隔で貼り付けられているラベル用紙を含み、
前記記録紙を搬送するときに、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行い、
各検出動作による前記ラベル間ギャップの検出の有無および前記目印の検出の有無に基づいて、当該記録紙上の前記切断目標位置を、前記搬送経路上の切断位置に位置決めすることを特徴とする記録紙の切断方法。
【請求項3】
請求項2に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記記録紙を、当該記録紙上の前記位置決め基準の間隔以上の長さ分だけ搬送する間の各紙送りステップ毎に、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行うことを特徴とする記録紙の切断方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記ラベル用紙における前記切断目標位置を、前記ラベル間ギャップの部分に設定し、
前記目印付き連続紙における前記切断目標位置を、当該目印付き連続紙における印刷ヘッドによる各印刷開始位置から当該印刷開始位置に最も近い前記切断目標位置までの寸法と、前記ラベル用紙における各ラベルの先端位置から当該ラベル上の印刷開始位置までの寸法とが同一になるように設定することを特徴とするプリンタにおける記録紙の切断方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの項に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法により、前記記録紙の用紙種類に対応付けられた前記切断目標位置において前記記録紙を切断することを特徴とするプリンタ。
【請求項1】
複数の用紙種類の記録紙を、切断装置による切断位置を経由する搬送経路に沿って搬送するプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記記録紙を搬送するときに、前記切断位置よりも上流側の検出位置において、当該記録紙上の位置決め基準を検出するための検出動作を行い、
前記位置決め基準の検出結果に基づいて、前記記録紙上に前記用紙種類毎に予め設定されている切断目標位置を、前記搬送経路上の前記切断位置に位置決めすることを特徴とするプリンタにおける記録紙の切断方法。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記複数の用紙種類は、
目印が所定の間隔で付されている長尺の目印付き連続紙と、
長尺の台紙にラベルが所定の間隔で貼り付けられているラベル用紙を含み、
前記記録紙を搬送するときに、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行い、
各検出動作による前記ラベル間ギャップの検出の有無および前記目印の検出の有無に基づいて、当該記録紙上の前記切断目標位置を、前記搬送経路上の切断位置に位置決めすることを特徴とする記録紙の切断方法。
【請求項3】
請求項2に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記記録紙を、当該記録紙上の前記位置決め基準の間隔以上の長さ分だけ搬送する間の各紙送りステップ毎に、当該記録紙上のラベル間ギャップの検出動作と、当該記録紙上の前記目印の検出動作を行うことを特徴とする記録紙の切断方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法であって、
前記ラベル用紙における前記切断目標位置を、前記ラベル間ギャップの部分に設定し、
前記目印付き連続紙における前記切断目標位置を、当該目印付き連続紙における印刷ヘッドによる各印刷開始位置から当該印刷開始位置に最も近い前記切断目標位置までの寸法と、前記ラベル用紙における各ラベルの先端位置から当該ラベル上の印刷開始位置までの寸法とが同一になるように設定することを特徴とするプリンタにおける記録紙の切断方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの項に記載のプリンタにおける記録紙の切断方法により、前記記録紙の用紙種類に対応付けられた前記切断目標位置において前記記録紙を切断することを特徴とするプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−23387(P2010−23387A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189457(P2008−189457)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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