説明

プリンターカバーの開閉機構およびプリンター

【課題】プリンターを傾斜あるいは持ち上げた場合にプリンターカバーの開閉動作を規制可能な機能を備えたプリンターカバーの開閉機構を提案すること。
【解決手段】プリンター1に取り付けたプリンターカバー3の開閉機構3bは、プリンター1の設置面Gに対するプリンター1の状態に応じて、設置面Gに当接した当接状態と設置面Gから離れた離間状態に切り替わる当接部材64を有している。また、当接部材64が当接状態ではプリンターカバー3の開閉動作を規制しない非規制状態に保持され、当接部材64が離間状態に切り替わるとプリンターカバー3の開閉動作を規制する規制状態に切り替わる規制部材66を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターに取り付けた開閉可能なプリンターカバーの開閉動作を、プリンターの設置状態、姿勢に応じて規制することのできる機能を備えたプリンターカバーの開閉機構、および、当該開閉機構を備えたプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターには、一般に、インクカートリッジ、記録紙などの消耗品の交換、内部のメンテナンスなどのために、プリンターカバーが開閉可能な状態で取り付けられている。例えば、ロール紙プリンターでは、そのロール紙収納部の開口部に、ロール紙交換などのために開閉されるプリンターカバーが取り付けられている。プリンターカバーは例えばプリンター前面に配置され、当該プリンターカバーの下端部を中心として起立した閉じ位置からプリンター手前側に倒れた開き位置までの間を開閉するようになっており、ロック機構によって閉じ位置にロックされている。この構成のロール紙プリンターは特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−101652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ロール紙プリンターなどのプリンターを、プリンターカバーを開けたままの状態で傾けると、プリンターカバーが勢いよく閉じることがある。例えば、プリンター前面にプリンターカバーが取り付けられている場合において、プリンターカバーが開いたままプリンターをプリンターカバーの閉じ方向であるプリンター後方に傾けると、開いているプリンターカバーの姿勢が全体として閉じ側に傾く。プリンターを大きく傾けると、プリンターカバーに作用している当該プリンターカバーの自重による開き方向のモーメントが減少し、あるいは、閉じ方向にモーメントが作用する。このため、プリンターカバーが勢いよく閉じる可能性がある。勢いよく閉じたプリンターカバーがプリンター本体側の部位に当たり、プリンター操作者が予期しない大きな衝突音が発生する可能性がある。さらに、プリンターカバーが不用意に閉じてしまうと、再度、プリンターカバーを開ける操作が必要になってしまう。
【0005】
また、プリンターカバーは一般にロック機構によって閉じ位置にロックされているが、ロックを解除した状態ではプリンターカバーは開閉方向に簡単に移動可能な不安定な状態になる。したがって、プリンターカバーのロックを解除した状態のままでプリンターを傾斜させた場合、あるいは、プリンターを持ち上げて移動させた場合には、プリンターカバーが開閉方向に大きく揺れ、プリンターを安定した状態で取り扱うことができないので不便である。
【0006】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、プリンターを傾けた場合や持ち上げた場合にプリンターカバーが勢いよく移動してしまうことを防止可能なプリンターカバーの開閉機構、および当該開閉機構を備えたプリンターを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のプリンターカバーの開閉機構は:本体ユニットに取り付けられて開閉するプリンターカバーと;前記プリンターを設置する設置面に対する前記プリンターの状態に応じて、前記設置面に当接もしくは離間する当接部材と;前記当接部材が前記設置面に当接するときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制せず、前記当接部材が前記設置面に対して離間したときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制する規制部材と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明のプリンターは:記録媒体に像を記録する記録部、及び前記記録媒体を収容する収容部を有し、支持部で設置面と当接する本体ユニットと;前記本体ユニットに取り付けられて開閉するプリンターカバーと;前記設置面と前記支持部との状態に応じて、前記設置面に当接もしくは離間する当接部材と;前記当接部材が前記設置面に当接するときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制せず、前記当接部材が前記設置面に対して離間したときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制する規制部材と、を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明では、当接部材がプリンターの設置面に当接している状態では、規制部材に規制されずにプリンターカバーの開閉動作を行うことができ、当接部材が設置面から離間すると規制部材によってプリンターカバーの開閉動作が規定される。プリンターの設置面に対するプリンターの状態が、例えば、設置面に対して所定角度以上傾斜した状態となった場合に、当接部材が設置面から離間するように設定しておくことができる。このようにすれば、プリンターを傾けると、当接部材が設置面から離間し、これに伴って、規制部材によってプリンターカバーの開閉動作が規制される。よって、プリンターを傾けた場合に、不用意にプリンターカバーが開方向あるいは閉方向に移動してしまうことを防止できる。また、例えば、プリンターを設置面に対して所定高さ以上持ち上げた状態となった場合に、当接部材が設置面から離間するようにすれば、プリンターカバーを開けたままプリンターを持ち上げて移動させる場合に、規制部材によって、プリンターカバーを開閉方向に揺れないように規制できるので、開いた状態のプリンターカバーが開閉方向に揺れてプリンターが不安定な状態になることを防止できる。
【0010】
本発明のプリンターにおいて、前記本体ユニットの前記支持部が前記設置面と当接するときに、前記当接部材は前記設置面に当接し、前記支持部の少なくとも一部が前記設置面に対して所定量離間したときに、前記当接部材は前記設置面から離間するようにすることができる。
【0011】
プリンターが設置面に正しく設置されている場合には支持部が設置面に当接し、プリンターが設置面に対して傾いた場合、浮き上がった場合(持ち上げられた場合)等においては、支持部の少なくとも一部が設置面から離間する。したがって、プリンターを傾けた場合に、不用意にプリンターカバーが開方向あるいは閉方向に移動してしまうことを防止できる。また、プリンターカバーを開けたままプリンターを持ち上げて移動させる場合に、規制部材によって、プリンターカバーを開閉方向に揺れないように規制できるので、開いた状態のプリンターカバーが開閉方向に揺れてプリンターが不安定な状態になることを防止できる。
【0012】
本発明のプリンターは、前記当接部材が前記設置面に当接する方向に付勢する付勢部材を有していてもよい。付勢部材によって、当接部材が不用意に設置面から離間した状態に切り替わってしまうこと等を防止できる。
【0013】
本発明のプリンターは、揺動中心で揺動し、前記揺動中心と異なる位置に前記規制部材を配設した揺動レバーを有し、前記揺動レバーは、前記当接部材の動作に応じて揺動し、前記規制部材を移動させるようになっていてもよい。当接部材と規制部材との連動機構を、単一の揺動レバーを用いて、小型・コンパクトで、設置スペースを多く必要としない簡単な構成とすることができる。
【0014】
本発明のプリンターにおいて、前記規制部材は、前記プリンターカバーが開いているときに、前記プリンターカバーが閉じることを規制する部材とすることができる。このようにすれば、プリンターカバーを開けたまま、プリンターを傾けた場合、持ち上げた場合等において、プリンターカバーが勢いよく閉じてしまうことや、プリンターカバーが開閉方向に揺動する不安定な状態になってしまうことを防止できる。
【0015】
本発明のプリンターにおいて、前記支持部は、前記プリンターカバー側に配された第1の脚部と、前記第1の脚部よりも前記プリンターカバーから離れた位置に配された第2の脚部を有し、前記当接部材は前記第1の脚部が前記設置面から離間したときに、前記設置面から離間するようになっていてもよい。この構成によれば、第1の脚部が設置面から離間する状態にプリンターを設置面に対して傾けた場合等に、プリンターカバーの開閉動作を規制して、プリンターカバーが勢いよく開閉してしまうことを防止できる。
【0016】
本発明のプリンターは、前記プリンターカバーが閉じる方向に付勢するカバー付勢部材を有していてもよい。カバー付勢部材の付勢力によって、プリンターカバーが勢いよく開いてしまうことを防止できると共に、プリンターカバーを閉じる操作を小さな力で簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用したロール紙プリンターの斜視図である。
【図2】プリンターカバーを開いた状態でのロール紙プリンターの斜視図である。
【図3】ロール紙プリンターの概略縦断面図である。
【図4】プリンターカバーを開いた状態でのロール紙プリンターの概略縦断面図である。
【図5】プリンターカバーの開閉機構の斜視図である。
【図6】プリンターカバー閉状態のロール紙プリンターの側面図である。
【図7】プリンターカバー開状態のロール紙プリンターの側面図である。
【図8】プリンターカバー開状態のロール紙プリンターを傾けた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したプリンターカバーの開閉機構を備えたプリンターの実施の形態を説明する。
【0019】
(プリンターの全体構成)
図1は本実施の形態に係るインクジェット式のロール紙プリンターの外観斜視図であり、図2はプリンターカバーを開いた状態のロール紙プリンターの外観斜視図である。これらの図に示すように、ロール紙プリンター1は全体としてほぼ直方体形状をしたプリンター本体2(本体ユニット)と、当該プリンター本体2の前面に取り付けたプリンターカバー3とを有している。プリンター本体2の外装ケース2aの前面には所定幅の記録紙排出口4が形成されている。記録紙排出口4の下側には排紙ガイド5が前方に突出しており、当該排紙ガイド5の側方にはカバー開閉レバー6が配置されている。排紙ガイド5およびカバー開閉レバー6の下側(設置面側)には、ロール紙出し入れ用の矩形の開口部2bが形成されており、この開口部2bがプリンターカバー3によって封鎖されている。プリンター本体2の前面において、プリンターカバー3の隣には、インクカートリッジあるいはインクタンクの収納部7の開口を覆っているカバー7aが配置されている。
【0020】
カバー開閉レバー6を操作するとプリンターカバー3を閉じ位置にロックしているロック機構によるロックが解除されるようになっている。ロック機構としては公知のものを用いることができるので説明および図示を省略する。ロック解除後、排紙ガイド5を前方に引くと、プリンターカバー3は、当該プリンターカバー3の前面部分を構成しているカバーケース3aの背面側に取り付けられている開閉機構3b(図4参照)によって、その下端部を中心として前方にほぼ水平な姿勢となる位置まで開く。プリンターカバー3が図1に示すように垂直に起立した状態の閉じ位置3Aから図2に示すようにプリンター前方側に略水平に倒れた状態の開き位置3B(フルオープン位置)まで開くと、プリンター内部に形成されているロール紙収納部11が開放状態となり、同時に、ロール紙収納部11から記録紙排出口4に到る記録紙搬送路が開放状態となり、プリンター前方からロール紙の交換作業などを簡単に行うことができる。ここで、プリンターカバー3が開き位置3Bにある状態では、図示しない位置規制部材によって、プリンターカバー3は開き位置3Bに保持されるように規制される。
【0021】
(プリンターの支持部)
図3はロール紙プリンター1の内部構造を示す概略縦断面図であり、図4はプリンターカバー3が開き位置3Bにある状態の概略縦断面図である。ロール紙プリンター1の内部に配置されている各部品は、板金製などの剛性の高い素材からなるプリンター本体フレーム10に組み付けられている。プリンター本体フレーム10の底板部分10aには、プリンター本体2の支持部が取り付けられている。本例の支持部は、底板部分10aの裏面において、そのプリンター前端部分におけるプリンター幅方向の両側の部位に配置されている一対の第1の脚部13と、プリンター後端部分におけるプリンター幅方向の両側の部位に配置されている一対の第2の脚部14とを備えている。ロール紙プリンター1を設置面G(図6〜図8参照)に置くと、前後の第1、第2の脚部13、14が設置面Gに当接した状態になる。
【0022】
(プリンターの内部構造)
図3、図4を参照してロール紙プリンター1の内部構造を説明する。ロール紙プリンター1の内部にはロール紙収納部11(記録媒体の収容部)が形成されている。ロール紙収納部11には、ロール紙12(記録媒体)がプリンター幅方向に向いた横置き状態で転動可能に収納される。ロール紙収納部11の後側の上方位置には繰り出しローラー15が配置されており、繰り出しローラー15は、プリンター本体フレーム10によってプリンター幅方向に水平に架け渡された状態で支持されている。繰り出しローラー15には前側から紙押えローラー16が押しつけられている。繰り出しローラー15はプリンター本体フレーム10に取り付けられた繰り出しモーター17によって回転駆動される。紙押えローラー16は、プリンターカバー3の側に取り付けた支持レバー18によって支持されており、プリンターカバー3を開くと、紙押えローラー16が繰り出しローラー15から離れるようになっている。
【0023】
ロール紙収納部11の上方には、プリンター本体フレーム10の上端にヘッドユニットフレーム20が水平に取り付けられている。ヘッドユニットフレーム20にはプリンター幅方向にキャリッジガイド軸21が水平に架け渡されている。このキャリッジガイド軸21に沿って、キャリッジ23がプリンター幅方向に往復移動可能である。キャリッジ23には、インクジェットヘッド22(記録部)が下向き状態で搭載されている。キャリッジ23は、公知のキャリッジ搬送機構、例えば、キャリッジモーターおよびタイミングベルトを備えたキャリッジ搬送機構によって、プリンター幅方向に往復移動される。
【0024】
インクジェットヘッド22の下側にはプリンター前後方向に水平に延びるプラテンフレーム24が配置されている。プラテンフレーム24には、インクジェットヘッド22に一定のギャップで対峙している吸引プラテン25がプリンター幅方向に水平に取り付けられており、この吸引プラテン25によってインクジェットヘッド22の印刷位置が規定されている。
【0025】
プラテンフレーム24の後端には、ロール紙収納部11に収納されたロール紙12から引き出される長尺状の記録紙12aが架け渡されるテンションガイド27が配置されている。テンションガイド27は、プラテンフレーム24の後端においてプリンター幅方向に水平に架け渡した支軸を中心として上下に旋回可能に取り付けられている。支軸には捩じりバネなどの付勢部材が取り付けられており、この付勢部材によって、テンションガイド27の凸曲面状の記録紙ガイド面28が記録紙12a側に付勢されている。
【0026】
次に、プラテンフレーム24におけるテンションガイド27よりも前側の位置には、紙送りローラー31がプリンター幅方向に水平に架け渡されている。紙送りローラー31には、記録紙12aを介して、ヘッドユニットフレーム20の側に取り付けられている紙押えローラー32が所定の押圧力で上側から押し付けられている。プラテンフレーム24における吸引プラテン25の前端側の部位には、前側紙送りローラー33がプリンター幅方向に水平に架け渡されている。この前側紙送りローラー33には、記録紙12aを介して、ヘッドユニットフレーム20の側に取り付けられている前側紙押えローラー34が上側から押し付けられている。
【0027】
紙送りローラー31および前側紙送りローラー33は、ロール紙収納部11の後側においてプリンター本体フレーム10に取り付けられている紙送りモーター35によって駆動される。本例では、プラテンフレーム24に不図示の減速歯車列が搭載されており、この減速歯車列を介して、紙送りモーター35の回転力が紙送りローラー31および前側紙送りローラー33に伝達され、紙送りローラー31と前側紙送りローラー33が同期回転する。
【0028】
ロール紙収納部11に収納されているロール紙12から上方に引き出される記録紙12aは、図3において太い一点鎖線で示す搬送路Aに沿って搬送される。搬送路Aは、繰り出しローラー15および紙押えローラー16の間を介して上方に向かい、テンションガイド27を経由して前方に屈曲した後、紙送りローラー31および紙押えローラー32の間、インクジェットヘッド22と吸引プラテン25の間、および、前側紙送りローラー33および前側紙押えローラー34の間を通って、記録紙排出口4に至る。この搬送路Aにセットされた記録紙12aによってテンションガイド27が下方に押し込まれ、テンションガイド27側からの付勢力によって記録紙12aは所定の張力が付与された状態になる。
【0029】
(プリンターカバーの開閉機構)
図5はプリンターカバー3の開閉機構3bを示す図であり、プリンター左側斜め前方から見た場合の斜視図である。なお、この図においてはプリンターカバー3のカバーケース3aを省略してある。この図から分かるように、プリンターカバー3の開閉機構3bは、4節の平行リンク機構によってプリンター前方に開閉可能な状態でプリンター本体2に支持されている。平行リンク機構は、カバーケース3aが取り付けられる左右一対の前側平行リンク41、42(第1リンク)と、左右一対の後側平行リンク43、44(第2リンク)とを備えている。前側平行リンク41、42の下端部は、それぞれ、プリンター本体フレーム10の底板部分10a(図3、図4参照)によって回動軸46を中心に前後に回動自在に支持され、後側平行リンク43、44も底板部分10aによって回動軸47を中心に前後に回動自在に支持されている。
【0030】
前側平行リンク41、42は、ロール紙の残量確認用の窓45aが形成されたフレーム前面パネル45によって一体に連結されている。カバーケース3aには、この窓45aと重なる位置に窓3cが形成されている(図1参照)。プリンターカバー3が閉じ位置にあるときには、窓3cおよび窓45aを介して、外部からロール紙収納部11に収納されたロール紙12を確認することができる。
【0031】
前側平行リンク41、42の上端部は、プラテンフレーム24の前端部に対して回動軸48を中心に回動自在に連結されている。これに対して、後側平行リンク43、44の上端部と、プラテンフレーム24の後端部との間は、上下に一定量だけ移動可能な状態で連結されている。本例では、プラテンフレーム24の側に上下に長い長孔24aが形成されており、ここに、後側平行リンク43、44の上端部に取り付けた回動軸49が回転可能およびスライド可能な状態で挿入されている。
【0032】
プラテンフレーム24の右側の側面には、このプラテンフレーム24に回転自在の状態でガイドローラー50が取り付けられている。プリンターカバー3が閉じ位置3Aにあるときには、このガイドローラー50がプリンター本体フレーム10の側に形成された不図示の傾斜段面に乗り上げた状態になる。これにより、プラテンフレーム24がほぼ水平に保持され、ここに取り付けられている吸引プラテン25が一定のギャップでインクジェットヘッド22のノズル面に対峙して印刷位置を規定する。
【0033】
プリンターカバー3を開閉すると、プラテンフレーム24に搭載されている吸引プラテン25、テンションガイド27、紙送りローラー31などの部品も一緒に開閉して移動する。前側平行リンク41、42の回動軸46を中心としてプリンターカバー3を前方に倒すと、前側平行リンク41、42と、後側平行リンク43、44の間に架け渡されているプラテンフレーム24も全体として前方および下方に移動する。この移動により、プラテンフレーム24のガイドローラー50がプリンター本体フレーム10の不図示の傾斜段面に沿って滑り落ちる。プリンターカバー3が開き位置3Bにあるときには、プラテンフレーム24の側に前側平行リンク41、42および後側平行リンク43、44がほぼ水平に折り畳まれた状態になる。
【0034】
ここで、図3、図4に示すように、プリンターカバー3とプリンター本体フレーム10の間には引張コイルバネ55が架け渡されており、プリンターカバー3は閉じ方向に付勢されている。引張コイルバネ55の前端は、プラテンフレーム24における支持レバー18を前後方向に揺動可能に支持している支軸56に掛けてあり、引張コイルバネ55の後端は、プリンター本体フレーム10における背面板部分10bの下端部分に掛けてある。閉じ位置3Aにロックされているプリンターカバー3のロックを解除した際に、バネ力によって、プリンターカバー3が自重により開いてしまうことが防止される。また、図4から分かるように、プリンターカバー3を開けると引張コイルバネ55が伸び、開き位置3Bにあるプリンターカバー3に対して閉じ方向に大きなバネ力が作用する。したがって、開き位置3Bのプリンターカバー3を小さな力で持ち上げて閉じることができる。
【0035】
(開閉規制機構)
次に、図6〜図8を参照して、プリンターカバー3の開閉機構3bに付設されているプリンターカバー3の開閉動作を規制する開閉規制機構を説明する。図6はロール紙プリンター1の脚部(支持部)が設置面に当接した正立設置状態のロール紙プリンター1の側面図である。図7は正立設置状態のロール紙プリンターを図6と同一の側から見た場合の側面図であり、プリンターカバー3が開き位置3Bまで開いた状態を示す。図8(a)はロール紙プリンター1を図6と同一の側から見た場合の側面図であり、プリンターカバー3が開いたままロール紙プリンター1を後方に傾けた状態を示す。すなわち、ロール紙プリンター1のプリンターカバー3側の第1の脚部13が設置面から離間した状態である。また、図8(b)は開閉規制機構の部分を拡大して示す説明図である。なお、図6、図7および図8(a)においては、プリンターカバー3の開閉機構3bおよび開閉規制機構60を示すために、外装ケース2aの側面部分の一部等を切り欠いた状態で示してあり、図8(b)においては前側並行リンク42に斜線を付した状態で示してある。
【0036】
図6を参照して説明すると、開閉規制機構60は、ロール紙プリンター1の設置面Gに対する状態(位置関係)に応じてプリンターカバー3の開閉軌跡内の位置および開閉軌跡外の位置に移動する板金製の揺動レバー61を備えている。揺動レバー61は、プリンターカバー3における開閉機構3bを構成している4節の平行リンク機構における前側平行リンク42の外側に沿って、プリンター前後方向に配置されている。この揺動レバー61は、プリンター本体フレーム10に水平に取り付けた揺動中心軸62を中心として、プリンター上下方向に揺動可能な状態で、当該プリンター本体フレーム10によって支持されている。揺動中心軸62は、プリンターカバー3の開閉中心を規定している回動軸46の後側の位置に配置されている。
【0037】
揺動レバー61における揺動中心軸62からプリンター後方に延びている後方側レバー部分61aの端部にはバネ掛け61bが形成されている。このバネ掛け61bよりもプリンター後方側および上方側の位置には、プリンター本体フレーム10に形成したバネ掛け10cが位置している。これらバネ掛け61b、10cの間に、レバー付勢用の引張コイルバネ63が架け渡されている。揺動レバー61における揺動中心軸62からプリンター前方に延びている前方側レバー部分61cは、引張コイルバネ63のバネ力によって下方に向かう方向に常時付勢されている。
【0038】
揺動レバー61における前方側レバー部分61cの端部にはプリンター下方に突出した状態で当接部材64の上端部が取り付けられている。当接部材64の上端部は、揺動レバー61に固定した水平連結ピン67を中心として旋回可能な状態で、当該揺動レバー61に連結されている。当接部材64の下端部分64aは、プリンター本体フレーム10の底板部分10aに形成した開口を通って下方に突出している。また、前方側レバー部分61cにおける揺動中心軸62と当接部材64の間の部位には、揺動レバー61の揺動方向に延びるガイド孔61dおよびガイド溝61eが形成されている。ガイド孔61dにはプリンター本体フレーム10の側に水平に取り付けたガイドピン65がスライド可能な状態で差し通されている。ガイド溝61eには、その下向きの開口側からプリンターカバー3の開閉中心を規定している回動軸46がスライド可能な状態で挿入されている。これらの部位によって、揺動レバー61の揺動がガイドされると共に揺動レバー61の揺動範囲が規定されている。
【0039】
図6、図7に示すように、ロール紙プリンター1が水平なテーブル面などの設置面Gに置かれた場合には、ロール紙プリンター1の裏面の前後一対の第1の脚部13および第2の脚部14が設置面Gに当接して、ロール紙プリンター1はプリンター上下方向が設置面Gに正立姿勢で設置された正立設置状態1Aになる。この正立設置状態1Aにおいては、図7から分かるように、底板部分10aの第1の脚部13よりも下方に突出している揺動レバー61の当接部材64が、設置面Gによって上方に所定量だけ押し上げられた状態になる。したがって、揺動レバー61は、その前側がプリンター上方に所定量だけ旋回した揺動位置になる。
【0040】
これに対して、図8に示すように、正立設置状態1Aのロール紙プリンター1の後側の第2の脚部14を支点として当該ロール紙プリンター1の前側を持ち上げて斜めにすると、前側(プリンターカバー3の側)の第1の脚部13が設置面Gから離間して浮き上がる。これに伴って、バネ力によってプリンター下方に付勢されている当接部材64は、設置面Gと当接した状態を維持したままプリンター下方に向けて突出量が漸増し、揺動レバー61は矢印Bの方向に揺動する。ロール紙プリンター1の前側の第1の脚部13が設置面Gに対して所定量以上、離間すると(持ち上げられると)、当接部材64が設置面Gから上方に離間し、底板部分10aから下方に突出している当接部材64の下端部分64aの突出量が最大の状態になる。すなわち、第1の脚部13から下方に突出している当接部材64の下端部分64aの突出量が最大の状態になる。
【0041】
ここで、揺動レバー61におけるガイド孔61dとガイド溝61eの間の部位には、プリンター幅方向に水平に突出した状態でカバー係合ピン66が固定されている。カバー係合ピン66は、プリンターカバー3の前側平行リンク42の下端部分に対して、プリンター後側に位置している。揺動レバー61の揺動位置に応じて、カバー係合ピン66は、プリンターカバー3の前側平行リンク42の開閉軌跡内の位置および当該開閉軌跡外の位置に移動する。
【0042】
前側平行リンク42の下端面におけるプリンター後端側の角42aの開閉軌跡42Aは、プリンターカバー3の開閉に伴って、開閉中心を規定している回動軸46を中心とする円弧を描く。カバー係合ピン66は、図7に示すように、当接部材64が設置面Gによって押し上げられている状態(設置面Gに当接している状態)では開閉軌跡42Aからプリンター後方に外れた位置にある。ロール紙プリンター1の前側部分を設置面Gから持ち上げると、揺動レバー61がバネ力によって揺動する。この結果、カバー係合ピン66は、図8に示すように、開閉軌跡42A内の位置に移動する。この位置に移動したカバー係合ピン66に、開き位置3Bから閉じ方向に移動しようとする前側平行リンク42の角42aが当たるので、プリンターカバー3の開き方向の移動が阻止され、プリンターカバー3が開き位置3Bに保持される。すなわち、カバー係合ピン66はプリンターカバー3の開閉動作を規制するための規制部材として機能する。
【0043】
この構成の開閉規制機構60によるプリンターカバー3の開閉規制動作を説明する。ロール紙プリンター1が、図6、図7に示す正立設置状態1Aの場合には、揺動レバー61の当接部材64が設置面Gによって押し上げられており(当接部材64が設置面Gに当接しており)、カバー係合ピン66が開閉軌跡42Aからプリンター後方に外れた位置、すなわち、プリンターカバー3の開閉動作を規制しない位置にある。したがって、開き位置3Bにあるプリンターカバー3を閉じる際にカバー係合ピン66に邪魔されることなく閉じることができる。また、カバー付勢用の引張コイルバネ55(図4参照)によってプリンターカバー3は閉じ方向に常に引張られているので、小さな操作力で簡単にプリンターカバー3を閉じることができる。プリンターカバー3を閉じると、不図示のロック機構によってプリンターカバー3が閉じ位置3Aにロックされるので、プリンターカバー3が不用意に開くことがない。
【0044】
また、図8に示すように、プリンターカバー3が開いたままの状態のロール紙プリンター1を後方に傾けた場合には、ロール紙プリンター1の底面の前端側の部分が設置面Gから浮き上がる。この結果、設置面Gに当接していた第1の脚部13が当該設置面Gから離間して、揺動レバー61が設置面Gによる押し上げ状態から解放されてバネ力によって下方に揺動する。これにより、揺動レバー61のカバー係合ピン66がプリンターカバー3の側の開閉軌跡42A内の位置に入り込む。よって、この傾斜状態1Bでプリンターカバー3を閉じようとしても、当該プリンターカバー3がカバー係合ピン66に当たるので、プリンターカバー3は開き位置3Bに保持される。
【0045】
特に、図8に示すようにロール紙プリンター1を後方に傾けた場合、換言すると、プリンター前側の第1の脚部13が設置面Gから離間する方向に傾けた場合には、ロール紙プリンター1がプリンターカバー3の閉じ方向に傾く。この場合には、プリンターカバー3の自重による開き方向のモーメントが減少するので、引張コイルバネ55のバネ力によってプリンターカバー3が不用意に閉まってしまうことがある。また、プリンターカバー3が勢いよく閉まると、プリンターカバー3がロール紙収納部11の開口部の縁部分などに衝突し、操作者にとって予期しない大きな衝突音が発生することがある。本例では、プリンターカバー3の閉じ方向にロール紙プリンター1を傾けた場合には、上記のように揺動レバー61が揺動してカバー係合ピン66がプリンターカバー3の開き動作を阻止する。よって、プリンターカバー3が開き位置に保持されるので、このような事態の発生を回避できる。
【0046】
また、揺動レバー61の当接部材64はプリンターカバー3の開閉中心の下側に位置している。したがって、ロール紙プリンター1の前側の第1の脚部13が僅かに浮き上がった場合でも(僅かにロール紙プリンター1が傾斜した場合でも)、揺動レバー61が確実に揺動してカバー係合ピン66が、開き状態のプリンターカバー3の動きを阻止できる位置に移動する。よって、プリンターカバー3が勢いよく閉まるおそれのある傾斜方向にロール紙プリンター1を傾けた場合に、確実かつ迅速にプリンターカバー3の動きを阻止できる。
【0047】
さらに、ロール紙プリンター1を全体的に設置面Gから所定量以上持ち上げたときにも、開閉規制機構60が動作する。すなわち、揺動レバー61が揺動して、カバー係合ピン66がプリンターカバー3の開閉の移動軌跡内に移動する。この結果、プリンターカバー3の開閉動作が規制され、不用意にプリンターカバー3が開閉してしまうことがない。特に、プリンターカバー3が開いたままの状態でロール紙プリンター1を持ち上げて移動させるなどの操作において、プリンターカバー3が開閉方向に振れると、ロール紙プリンター1が不安定な状態となる。本例ではプリンターカバー3が開き位置3Bに保持されるので、プリンターカバー3の揺動によってロール紙プリンター1が不安定になり、その取扱い性が低下してしまうことを防止できる。
【0048】
(その他の実施の形態)
上記の開閉規制機構60では、ロール紙プリンター1を傾けると揺動レバー61が揺動するようになっている。揺動レバー61の代わりに、上下方向にスライド可能なスライドレバーを用いることもできる。この場合には、バネ力などの付勢力によってスライドレバーをプリンター下方に押し付けておけばよい。
【0049】
また、上記の例では引張コイルバネ63のバネ力を利用して揺動レバー61を付勢している。この代わりに、あるいは、これと共に、揺動レバー61の自重によって揺動レバー61を移動させるようにすることもできる。例えば、揺動レバー61における前方側レバー部分61cの側に錘を付けておけば、ロール紙プリンター1を持ち上げた場合に、揺動レバー61が自重によって揺動して、図8に示すように、当接部材64を下方に突出させた状態にすることができる。
【0050】
さらに、上記の例では揺動レバー61を揺動させて、カバー係合ピン66をプリンターカバー3の開閉機構3bの前側平行リンク42に係合できるようにしてある。この代わりに、プリンターカバー3の開閉機構3bにおける他の構成部品に、カバー係合ピン66を係合可能にしておいてもよいことは勿論である。
【0051】
さらには、上記の例では、揺動レバー61に、当接部材64と、規制部材であるカバー係合ピン66を取り付けてある。揺動レバー61以外の連動機構を介して、当接部材64の移動を、カバー係合ピン66などの規制部材に伝達し、当該規制部材によってプリンターカバー3の開閉動作を規制するようにしてもよい。また、単一の部材に、当接部材として機能する当接部および規制部材として機能する規制部を形成した構成とすることも可能である。
【0052】
一方、上記の例はロール紙プリンター1のロール紙収納部11を開閉するためのプリンターカバー3の開閉機構3bに開閉規制機構60を取り付けた場合の例である。本発明は、ロール紙収納部の開口部以外の部位を開閉するためのプリンターカバーに対しても同様に適用することができる。
【0053】
上記の説明では、ロール紙プリンター1を傾けた時、ロール紙プリンター1の第1の脚部13が設置面Gから離間した場合を説明したが、底板部分10a(基部)が直接、設置面Gに対して接触する構成でも利用可能である。この場合、底板部分10aの少なくともプリンターカバー3の側の一部が設置面Gから離間したときに、当接部材64が設置面Gから離間する構成とする。
【符号の説明】
【0054】
1…ロール紙プリンター、1A…正立設置状態、1B…傾斜状態、2…プリンター本体、2a…外装ケース、2b…開口部、3…プリンターカバー、3a…カバーケース、3b…開閉機構、3c…窓、3A…閉じ位置、3B…開き位置、4…記録紙排出口、5…排紙ガイド、6…カバー開閉レバー、7…収納部、10…プリンター本体フレーム、10a…底板部分、10b…背面板部分、10c…バネ掛け、11…ロール紙収納部、12…ロール紙、12a…記録紙、13…第1の脚部、14…第2の脚部、15…繰り出しローラー、16…紙押えローラー、17…繰り出しモーター、18…支持レバー、20…ヘッドユニットフレーム、21…キャリッジガイド軸、22…インクジェットヘッド、23…キャリッジ、24…プラテンフレーム、24a…長孔、25…吸引プラテン、27…テンションガイド、28…記録紙ガイド面、31…紙送りローラー、32…紙押えローラー、33…前側紙送りローラー、34…前側紙押えローラー、35…紙送りモーター、41、42…前側平行リンク、42a…角、42A…開閉軌跡、43、44…後側平行リンク、45…フレーム前面パネル、45a…窓、46〜49…回動軸、50…ガイドローラー、55…引張コイルバネ、56…支軸、60…開閉規制機構、61…揺動レバー、61a…後方側レバー部分、61b…バネ掛け、61c…前方側レバー部分、61d…ガイド孔、61e…ガイド溝、62 揺動中心軸、63 引張コイルバネ、64…当接部材、64a…下端部分、65…ガイドピン、66…カバー係合ピン(規制部材)、67…水平連結ピン、A…搬送路、B…方向、G…設置面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ユニットに取り付けられて開閉するプリンターカバーと、
前記プリンターを設置する設置面に対する前記プリンターの状態に応じて、前記設置面に当接もしくは離間する当接部材と、
前記当接部材が前記設置面に当接するときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制せず、前記当接部材が前記設置面に対して離間したときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制する規制部材と、
を備えることを特徴とするプリンターカバーの開閉機構。
【請求項2】
記録媒体に像を記録する記録部、及び前記記録媒体を収容する収容部を有し、支持部で設置面と当接する本体ユニットと、
前記本体ユニットに取り付けられて開閉するプリンターカバーと、
前記設置面と前記支持部との状態に応じて、前記設置面に当接もしくは離間する当接部材と、
前記当接部材が前記設置面に当接するときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制せず、前記当接部材が前記設置面に対して離間したときに前記プリンターカバーの開閉動作を規制する規制部材と、
を備えることを特徴とするプリンター。
【請求項3】
前記本体ユニットの前記支持部が前記設置面と当接するときに、前記当接部材は前記設置面に当接し、
前記支持部の少なくとも一部が前記設置面に対して所定量離間したときに、前記当接部材は前記設置面から離間する請求項2に記載のプリンター。
【請求項4】
前記当接部材が前記設置面に当接する方向に付勢する付勢部材を有する請求項2または3に記載のプリンター。
【請求項5】
揺動中心で揺動し、前記揺動中心と異なる位置に前記規制部材を配設した揺動レバーを有し、
前記揺動レバーは、前記当接部材の動作に応じて揺動し、前記規制部材を移動させる請求項2乃至4のいずれか1項に記載のプリンター。
【請求項6】
前記規制部材は、前記プリンターカバーが開いているときに、前記プリンターカバーが閉じることを規制する部材である請求項2乃至5のいずれか1項に記載のプリンター。
【請求項7】
前記支持部は、前記プリンターカバー側に配された第1の脚部と、前記第1の脚部よりも前記プリンターカバーから離れた位置に配された第2の脚部を有し、前記当接部材は前記第1の脚部が前記設置面から離間したときに、前記設置面から離間する請求項2に記載のプリンター。
【請求項8】
前記プリンターカバーが閉じる方向に付勢するカバー付勢部材を有する請求項2乃至7のいずれか1項に記載のプリンター。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−95082(P2013−95082A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240926(P2011−240926)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】