説明

プリンタ及びこのプリンタのリボンマスク

【課題】記録ヘッドが走査方向に移動する際に開口部がシートの角部に引っ掛かることがないリボンマスク、およびこのリボンマスクを用いたプリンタを提供する。
【解決手段】複数の記録ワイヤ20aのワイヤ75方向に延在する開口部72を有し、この開口部72から記録ワイヤ20aが突出するリボンマスクにおいて、ワイヤ列75に沿った開口部72の孔壁72cの端部が、この孔壁72cの終端に近づくに連れてワイヤ列75から離れる方向へ傾斜するように開口部72を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドの記録ワイヤが突出するための開口部が形成されたリボンマスク、及びこのリボンマスクを備えたプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から使用されているドットインパクトタイプのプリンタには、インクリボンとシートとの間に介在して、インクリボンがシートと接触するのを防止するためのリボンマスクが設けられており、このリボンマスクは、記録ヘッドの記録ワイヤが突出するための開口部を有している。この開口部は、記録ワイヤの列方向に延在しており、記録ヘッドの走査方向を左右にして正面から見たときに、略菱形の形状に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2001−199102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のドットインパクトプリンタでは、シートに印字する際に、シートの上辺となるべく隙間を空けないようにして印字したいという要望がある。そのため、上述の記録ヘッドは、開口部がシートの上辺に沿ってぎりぎりの領域を走行するように移動させる必要がある。しかしながら、上述のリボンマスクの開口部は、菱形形状であるため、例えば、記録ヘッドが走査方向の右側へ移動する際に、シートの上側の左角部が開口部の上側の左辺部(菱形形状の左上の孔壁部分)と接触してしまい、シートの角部を引っ掛けてしまう(シートの角部が捲れる)ことがあった。そのため、記録ヘッドがシートの角部を引きずりながら走査方向に移動してしまい、シートが破損する場合があった。
【0004】
一方、これを解決するために、上記特許文献1では、菱形の開口部を中心から上側の部分と下側の部分とに分けて、この下側の左辺部(菱形形状の左下の孔壁部分)がシートの角部を通過するようにしている。これは、下側の左辺部がシートの角部をすくい上げることがないためであり、これにより、シートを引っ掛けてしまうことを防止することができる。しかしながら、この方法では、1つの文字を印字するのに、文字の上半分を開口部の下側の部分で印字し、文字の下半分を開口部の上側の部分で印字するため、1つの文字を印字するのに記録ヘッドを走査方向に2回移動させなければならない。そのため、プリンタとしてのスループットが低くなるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドが走査方向に移動する際に開口部がシートの角部に引っ掛かることがなく、かつ、スループットが低くなることのないリボンマスク、およびこのリボンマスクを用いたプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、複数の記録ワイヤのワイヤ列方向に延在する開口部を有し、この開口部から前記記録ワイヤが突出するリボンマスクにおいて、前記ワイヤ列に沿った前記開口部の孔壁の端部が、この孔壁の終端に近づくに連れて前記ワイヤ列から離れる方向へ傾斜するように前記開口部を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、開口部の孔壁部分の上側端部がシートの上側角部を移動したとしても、シートの上側の角部と引っ掛からない(シートの角部が捲れない)ようにすることができる。同様に、開口部の孔壁部分の下側端部がシートの下側角部を移動したとしても、シートの下側の角部と引っ掛からないようにすることができる。
【0007】
この場合において、前記開口部は、前記開口部の延在方向と直交する方向においてくびれた形状に形成されていてもよい。
この構成によれば、くびれた形状を形作る4つの孔壁部分が、対応するシートの4つの角部をそれぞれ移動したとしても、孔壁がシートの角部と引っ掛からないようにすることができる。
【0008】
また、リボンマスクにおいて、前記開口部は、前記開口部の延在方向における中央部の幅が狭く形成されていてもよい。
この構成によれば、4つの孔壁がそれぞれ同じ長さに形成されるので、1つの孔壁が対応しないシートの角部を引っ掛けてしまうおそれを少なくすることができる。
【0009】
他方、複数の記録ワイヤのワイヤ列方向に延在する開口部を有し、この開口部から前記記録ワイヤが突出するリボンマスクを備えたプリンタにおいて、前記ワイヤ列に沿った前記開口部の孔壁の端部が、この孔壁の終端に近づくに連れて前記ワイヤ列から離れる方向へ傾斜するように前記開口部を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、開口部の孔壁部分の上側端部がシートの上側角部を移動したとしても、シートの上側の角部と引っ掛からない(シートの角部が捲れない)ようにすることができる。同様に、開口部の孔壁部分の下側端部がシートの下側角部を移動したとしても、シートの下側の角部と引っ掛からないようにすることができる。
【0010】
この場合において、前記開口部は、前記開口部の延在方向と直交する方向においてくびれた形状であって、前記開口部の延在方向における中央部の幅が狭く形成されていてもよい。
この構成によれば、くびれた形状を形作る4つの孔壁部分が、対応するシートの4つの角部をそれぞれ移動したとしても、孔壁がシートの角部と引っ掛からないようにすることができる。また、4つの孔壁がそれぞれ同じ長さに形成されるので、1つの孔壁が対応しないシートの角部を引っ掛けてしまうおそれを少なくすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開口部がシートの上辺又は下辺に沿ってぎりぎりの領域を走行したとしても、開口部がシートの角部に引っ掛からないようにすることができる。そのため、紙詰まりを低減させることができ、さらには、シートの角部又はリボンマスクの開口部が破損することを防止することができる。また、印字ヘッドを走査方向に1回移動させるだけで1つの文字を印字することができるので、プリンタとしてのスループットを低くすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。なお、以下に示す実施形態では、本発明の一態様として、ドットインパクトプリンタを用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明に係るプリンタの外観を示す斜視図である。
このプリンタ10は、多数の記録ワイヤを、インクリボンを介してシートに打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷する。このプリンタ10に使用可能なシートとしては、所定長さに切断されたカットシートと、複数枚が連接された連続シートとがある。カットシートとしては、例えば単票紙、単票複写紙又はカットフィルム等があり、連続シートとしては連続紙、連続複写紙がある。
【0014】
上記ドットインパクトプリンタ10は、大別すると、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、プリンタ本体11に装着されたプッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13と、プリンタ本体11の上方、下方のそれぞれを覆う外装体としてのアッパケース14A及びロアケース14Bとを備えている。
【0015】
図2は、図1のプリンタ10からアッパケース14A、ロアケース14Bを取り外して斜め右側から見た状態を示す斜視図である。また、図3は、図2を右側から見た断面図である。
プリンタ本体11は、図2に示すように、本体フレームとしてのベースフレーム15、フロントフレーム16、リアフレーム17(図3参照)、左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19と、記録ヘッド20及びキャリッジ21を備えた記録機構部22とを主に備えている。
ベースフレーム15、フロントフレーム16及びリアフレーム17は、それぞれの略両端部が左サイドフレーム18及び右サイドフレーム19に固定されている。これら左サイドフレーム18と右サイドフレーム19との間には、図3に示すように、キャリッジ軸31及びプラテン23が架け渡されており、それぞれが回動自在に枢支されている。更に、左サイドフレーム18と右サイドフレーム19との間には、シート案内24がリアフレーム17上に配設されている。
【0016】
図3に示すプリンタ本体11におけるフロント側及びリア側の各々には、トラクタユニット装着部40A、40Bが設けられており、各々にプッシュトラクタユニットが着脱自在に装着することができる。なお、図2及び図3は、プリンタ本体11のリア側にのみプッシュトラクタユニット12が装着された状態を示す。
プリンタ本体11のリア側に装着されるプッシュトラクタユニット12は、連続シート(例えば連続紙)を、リア側の第1シート搬送機構部27へ供給するものであり、フロント側に装着されるプッシュトラクタユニットは、フロント側の第2シート搬送機構部30へ供給するものである。
【0017】
このプッシュトラクタユニット12は、図2に示すように、左右に一対のトラクタ36を備えている。これらのトラクタ36は、トラクタ駆動軸37に回転一体且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ駆動プーリ(不図示)と、トラクタガイド軸38に回転自在且つ軸方向摺動自在に軸支されたトラクタ従動駆動プーリ(不図示)とにトラクタベルト39(図3参照)が巻き掛けられている。
一対のトラクタ36間の距離は、搬送すべき連続シート(連続紙)の幅寸法に応じて調整可能とされる。また、トラクタベルト39の全外周には複数のピンが突設され、連続シートの幅方向両側に穿設された穴に係合可能とされる。
【0018】
キャリッジ軸31には、図2に示すように、この軸に沿って移動可能なキャリッジ21が取り付けられている。このキャリッジ21は、キャリッジ軸31に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド20が搭載されている。また、キャリッジ21は、キャリッジ軸31がプラテン23と平行に配置されることから、これらプラテン23、キャリッジ軸31の軸方向と一致する主走査方向(図2の左向き又は右向き)に走行(走査)可能である。
このキャリッジ21は、図2に示すキャリッジ駆動モータ41の正転又は逆転により、タイミングベルトを介し、キャリッジ軸31の主走査方向の両方向に走行することができる。ここで、キャリッジ駆動モータ41は、シート搬送モータ35とともに、例えばステッピングモータで構成することができる。
【0019】
キャリッジ軸31の前方左側には、リボン駆動軸(不図示)が設けられている。このリボン駆動軸は、図2に示すリボンカセット44内のインクリボン69aを移動させるものである。このインクリボン69aは、記録ヘッド20とプラテン23との間を引き回されるようになっている。
記録ヘッド20は、多数の記録ワイヤ20a(図4参照)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方にインクリボン69aが送られてくる。記録ヘッド20は、キャリッジ21と共に主走査方向に走行される間に、記録ワイヤ20aを突出させてインクリボン69aに打ち当て、このインクリボン69aのインクを、プラテン23と記録ヘッド20との間に搬送されるシートに付着させて、このシートに文字を含む画像を記録する。
【0020】
この記録ヘッド20による記録動作は、キャリッジ21が主走査方向左向き又は右向きに走行される間に、記録ヘッド20の記録ワイヤ20aにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、上記第1シート搬送機構部27又は第2シート搬送機構部30が、それぞれシートを所定長(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
【0021】
他方、図2に示すように、右サイドフレーム19の外側には、レリースレバー47が設けられている。このレリースレバー47は、図2に示すシート搬送モータ35の駆動力をプッシュトラクタユニット12に伝達したり、または、レバー47を切り替えることによって駆動力の伝達を切断するためのものである。
また、左サイドフレーム18の外側には、アジャストレバー50が設けられている。このアジャストレバー50は、その操作量に応じた分だけキャリッジ軸31がプラテン23から離間又は接近するように構成されている。従って、アジャストレバー50の手動操作によって、記録ヘッド20とプラテン23との間のプラテンギャップを、シート厚等に応じて調整することができるようになっている。
【0022】
図4は、X1,X2方向に移動可能なキャリッジ21に搭載された記録ヘッド20を、プラテン23側から見た状態である。
インクリボンカートリッジ69内から送られるインクリボン69aとプラテン23に搬送されたシートSとの間には、図4に示すように、リボンマスク71が配設されている。このリボンマスク71は、インクリボン69aがシートSに接触しないように、インクリボン69aを覆うためのものである。また、記録ヘッド20側には、インクリボン69aをガイドするためのリボンガイド70が取り付けられている。なお、インクリボン69aは、図4において、Y方向へ送られる。
【0023】
リボンマスク71は、図4に示すように、金属板が略台形状に折り曲げられて形成されており、記録ヘッド20のノーズ部の先端ガイドが対向する正面板部71aと、この正面板部71aの両端の斜めに延びる側板部71bと、側板部71bに連なり、正面板部71a略平行に延びる延出板部71cとを備えている。このリボンマスク71は、図4に示すように、正面板部71aから突出した突出部71dを介してキャリッジ21に取り付けられている。
このリボンマスク71の正面板部71aには、図4に示すように、記録ヘッド20のノーズ部の先端ガイドをシートS側に臨ませるための開口部72が形成されている。記録ヘッド20の記録ワイヤ20aは、このノーズ部の先端ガイドから突出され、記録ワイヤ20aをこの開口部72を通じインクリボン38aを介してシートSに打ち付けるようになっている。
【0024】
図5は、リボンマスク71の開口部72の拡大図であって、印字されるシートSを空想線で示したものである。
この開口部72は、図5に示すように、開口部の上辺を形成する上孔壁73aと、下辺を形成する下孔壁73bと、左上側辺部を形成する左上孔壁73cと、左下側辺部を形成する左下孔壁73dと、右上側辺部を形成する右上孔壁73eと、右下側辺部を形成する右下孔壁73fとを備えている。
上孔壁73a及び下孔壁73bは、記録ヘッドの走査方向(図5における左右方向)と平行であり、記録ワイヤ20aの上端及び下端よりも外側に位置している。
孔壁73c〜73fは、開口部72の左右の側壁をなしており、シートの搬送方向(図5における上下方向)と所定の角度をそれぞれ有している。すなわち、孔壁73c〜73fで構成された側壁は、記録ワイヤ20aの列75に向けてくびれた形状になっており、中央部にくびれ部74を有している。
【0025】
詳細には、左上孔壁73cは、上下方向の中央部から上方に向かって記録ワイヤ20aの列75から離れる方向(図5における左斜め上方向であって、開口部72の外方向)に傾斜しており、上端(孔壁73cの終端)が上孔壁73aの左端部と連続し、下端が左下孔壁73dの上端と連続している。
左下孔壁73dは上下方向の中央部から下方に向かって記録ワイヤ20aの列75から離れる方向(図5における左斜め下方向であって、開口部72の外方向)に傾斜しており、下端(孔壁73dの終端)が下孔壁73bの左端部と連続し、上端が上下孔壁73cの下端と連続している。
同様に、右上孔壁73eは上下方向の中央部から上方に向かって記録ワイヤ20aの列75から離れる方向(図5における右斜め上方向であって、開口部72の外方向)に傾斜しており、上端(孔壁73eの終端)が上孔壁73aの右端部と連続し、下端が右下孔壁73dの上端と連続している。
【0026】
また、右下孔壁73fは上下方向の中央部から下方に向かって記録ワイヤ20aの列75から離れる方向(図5における右斜め下方向であって、開口部72の外方向)に傾斜しており、下端(孔壁73fの終端)が下孔壁73bの右端部と連続し、上端が右上孔壁73dの下端と連続している。
すなわち、この開口部72は、図5の左右方向(キャリッジの走査方向)において、その両側の孔壁が開口部72の中央に向けてくびれた形状を有している。
【0027】
次に、本発明の実施の形態に係るリボンマスクの作用について、図5を参照しながら説明する。
シートSの上辺S1となるべく隙間を空けないように印字を行う場合、シートSと開口部72との位置関係は、図5に示すように、シートの上辺S1よりも開口部72の上孔壁73aが上になる。また、シートの左辺S2とも隙間を空けないように印字しようとすると、シートの上側の角部S3は、図5に示すように、開口部72の開口の内側に位置することになる。また、シートSと開口部72とは、図5の紙面奥行き方向にずれているが、角部S3が開口部72側に反っている場合には、角部S3が開口部72の内部に入り込み、図5の紙面奥行き方向においてほぼ同一の位置になる。
【0028】
この状態からキャリッジ21を走査方向の右側X2に移動させた場合、角部S3は、左上孔壁73cと接触することになる。さらにキャリッジ21を移動させると、角部S3は、開口部72の外方へ傾斜する左上孔壁73cの傾斜によって開口部72の外側に誘導されることになる。すなわち、左上孔壁73cはシートSの反りを戻すように作用し、左上孔壁73cが角部S3を引っ掛けて、シートSが捲れることがない。
同様に、シートの左下の角部には開口部72の左下孔壁73dを接触させ、シートの右上の角部には右上孔壁73eを接触させ、シートの右下の角部には右下孔壁73fを接触させることにより、それぞれの角部が開口部72に引っ掛かることがない。
【0029】
本発明の実施の形態に係るリボンマスクによれば、シートの角部S3が孔壁73cと接触しても、角部S3を開口部72の外側へ逃がすように作用するので、シートSが開口部72に引っ掛けられて、捲りあげられないようにすることができる。そのため、印字部での紙詰まりを低減させることができ、さらには、シートの角部又はリボンマスクの開口部が破損することを防止することができる。
【0030】
以上、本発明を実施するための最良の形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、開口部72の側部孔壁73c〜73fの全長を用紙搬送方向に対して傾斜させているが、用紙の角部S3と引っ掛かるおそれのある部分の孔壁のみを実施の形態に記載の態様で傾斜させてあればよい。例えば、図5において、上辺S1とぎりぎりの場所を印字する場合に、ワイヤ列75の上端部の横方向に位置する左上孔壁73cが角部と最も引っ掛かり易いため、少なくとも当該ワイヤ列75の横方向に位置する左上孔壁73cの部分が、記録ワイヤ20aの列75から離れる方向(図5における左斜め上方向であって、開口部72の外方向)に傾斜していればよい。すなわち、左上孔壁73cの端部が、左上孔壁73cの終端(上孔壁73cと連結する端部)に近づくに連れてワイヤ列75から離れる方向(左斜め上側に向く方向)へ傾斜するようになっていればよい。
【0031】
また、本実施の形態では開口部72のくびれ部74を上下方向の中央部に形成しているが、シートSのそれぞれの角部が孔壁に引っ掛からないようにすることができる範囲内で、上側又は下側に寄せた位置にくびれ部74を形成してもよい。また、図5において左右のそれぞれのくびれ部74を上下方向において同じ高さ位置に記載したが、上下方向の位置を揃えずに、それぞれ異なる高さ位置にあってもよい。さらには、図5において、くびれ部74が開口部72の内側に向けて角部を有するように記載したが、R面取りまたはC面取りがなされていてもよい。
【0032】
さらには、開口部の上辺の形状は、図6に示すような形状に形成することができる。この開口部82は、上辺83aが開口部82の上側に向けて傾斜する態様で形成されている。これにより、用紙Sを紙送り方向X3(図6における上方向)に搬送したとしても、用紙Sの上辺S1が上辺83aと引っ掛からないようにすることもできる。同様に、開口部82の下辺83bを開口部82の下側へ向けて傾斜する態様で形成することにより、用紙Sを紙送り方向X4(図6における下方向)に搬送したとしても、図示しない用紙Sの下辺が下辺83bと引っ掛からないようにすることもできる。さらには、上辺83a及び下辺83bを開口部82の内側にくびれさせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタの正面斜視図である。
【図2】プリンタ本体を示す斜視図である。
【図3】プリンタ本体の右側断面図である。
【図4】記録ヘッドをプラテン側から見た正面図である。
【図5】リボンマスクの開口部の拡大図である。
【図6】リボンマスクの開口部の他の実施例を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0034】
10…プリンタ、11…プリンタ本体、20…記録ヘッド、20a…記録ワイヤ、23…プラテン、30…キャリッジ、24…シート案内、41…キャリッジ駆動モータ、69…リボンカートリッジ、69a…インクリボン、71…リボンマスク、72…開口部、73…孔壁、74…くびれ部、75…ワイヤ列。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録ワイヤのワイヤ列方向に延在する開口部を有し、この開口部から前記記録ワイヤが突出するリボンマスクにおいて、
前記ワイヤ列に沿った前記開口部の孔壁の端部が、この孔壁の終端に近づくに連れて前記ワイヤ列から離れる方向へ傾斜するように前記開口部を形成したことを特徴とするリボンマスク。
【請求項2】
前記開口部は、前記開口部の延在方向と直交する方向においてくびれた形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリボンマスク。
【請求項3】
前記開口部は、前記開口部の延在方向における中央部の幅が狭く形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリボンマスク。
【請求項4】
複数の記録ワイヤのワイヤ列方向に延在する開口部を有し、この開口部から前記記録ワイヤが突出するリボンマスクを備えたプリンタにおいて、
前記ワイヤ列に沿った前記開口部の孔壁の端部が、この孔壁の終端に近づくに連れて前記ワイヤ列から離れる方向へ傾斜するように前記開口部を形成したことを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
前記開口部は、前記開口部の延在方向と直交する方向においてくびれた形状であって、前記開口部の延在方向における中央部の幅が狭く形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプリンタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−223221(P2007−223221A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48962(P2006−48962)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】