説明

プリンタ情報処理方法、プリンタ情報処理プログラム、記録媒体、プリンタ操作端末

【課題】使用頻度が高いプリンタについて、プリンタ表示識別子を容易かつ迅速に見つけ出すことができ、利便性を向上する。
【解決手段】操作端末2に対しプリンタ3,110が新規に接続された際に、当該プリンタ3,110の識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成し、生成されたプリンタ表示識別子の識別情報に対応するプリンタ3,110が接続されているか否かを判定し、プリンタ3,110が接続されていないと判定された場合に、当該プリンタ3,110の使用頻度情報を取得し、取得した使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに接続可能な操作端末の制御手段が実行するプリンタ情報処理方法及びプリンタ情報処理プログラム、並びに当該プログラムを記録した記録媒体、並びに上記処理方法を実行するプリンタ操作端末に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタは、ネットワーク等を介してパソコン等の操作端末に接続されて用いられる。通常、操作端末に対しプリンタが新規に接続されると、プリンタの識別情報(例えば名称や型番等)を表すプリンタ表示識別子が生成される。これにより、ユーザが次回以降プリンタを利用する際には、操作端末のディスプレイ等の表示手段において、上記生成されたプリンタ表示識別子を選択操作することで使用するプリンタを特定し、対応するプリンタドライバを用いて、所望の印刷を行うことができる。このような、ネットワークを介して接続されるプリンタを操作端末より操作する技術として、例えば特許文献1に記載の手法が知られている。
【0003】
この従来技術では、操作端末より操作可能なプリンタに関する各種情報を、操作端末のCPUが取得する。また、上記プリンタの表示識別子(アイコン)が、操作端末の表示手段において表示される。そして、ユーザが、カーソルを操作して各プリンタの表示識別子近くに位置させることにより、当該プリンタに対応した上記各種情報が表示識別子の近くに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−187564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、一般に、操作端末に対し(上記プリンタ表示識別子が生成されていない)新たにプリンタが接続されるたびに、当該プリンタに対応したプリンタ表示識別子が生成される。この際、例えば過去のあるときに一度きり使用してそれ以降はほとんど使用していない使用頻度の低いプリンタであっても、日常的に使用し使用頻度の高いプリンタであっても、特に区別されることなくプリンタ表示識別子が生成され、それらが混在した形で上記表示手段で表示される。この結果、過去に接続されたプリンタの数が多くなり生成されたプリンタ表示識別子の数が多くなるほど、ユーザが使用時に選択すべきプリンタ表示識別子をユーザが見つけ出すのが困難となり、利便性が低下していた。
【0006】
本発明の目的は、使用頻度の高いプリンタを容易かつ迅速に見つけ出すことができ、ユーザの利便性を向上できるプリンタ情報処理方法、プリンタ情報処理プログラム、記録媒体、及びプリンタ操作端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、プリンタに接続可能な操作端末の制御手段が実行する、プリンタ情報処理方法であって、前記操作端末に対しプリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手順と、前記表示部生成手順で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手順と、前記接続判定手順で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手順と、前記情報取得手順で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手順と、を有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、プリンタが操作端末に接続されて用いられる。操作端末に対しプリンタが新規に接続されると、表示部生成手順において、プリンタの識別情報(例えば名称や型番等)を表すプリンタ表示識別子が生成される。これにより、ユーザが次回以降プリンタを利用する際には、例えばディスプレイ等の操作端末の表示手段において、上記生成されたプリンタ表示識別子を選択操作することで使用するプリンタを特定し、対応するプリンタドライバを用いて、所望の印刷を行うことができる。
【0009】
このようにして操作端末に対し(上記プリンタ表示識別子が生成されていない)新たにプリンタが接続されるたびに、表示部生成手順で、当該プリンタに対応したプリンタ表示識別子が生成される。例えば過去のあるときに一度きり使用してそれ以降はほとんど使用していない使用頻度のプリンタであっても、日常的に使用し使用頻度の高いプリンタであっても、特に区別されることなくプリンタ表示識別子が生成され、それらが混在した形で上記表示手段で表示される。この結果、過去に接続されたプリンタの数が多くなり生成されたプリンタ表示識別子の数が多くなるほど、ユーザが使用時に選択すべきプリンタ表示識別子をユーザが見つけ出すのが困難となり、利便性が低下する。
【0010】
そこで、本願第1発明においては、プリンタの使用頻度に対応し、ユーザの使用頻度が高いプリンタについてはユーザがプリンタ表示識別子を容易かつ迅速に見つけ出せるようにする。そのために、接続判定手順、情報取得手順、及び表示変更手順を実行する。まず、接続判定手順で、既にプリンタ表示識別子が生成されているプリンタが、その時点で接続されているかどうかを判定する。これは、当該時点で接続されているプリンタは準備完了状態であるから、プリンタ表示識別子に対し処理を行う対象から外すためである。接続判定手順でプリンタが接続されていないと判定された場合は、情報取得手順で、当該プリンタの使用頻度情報が取得される。これにより、当該プリンタの使用頻度が大きいか小さいか、例えば上記のように日常的に使用されているものであるか、逆にほとんど使用されていないものであるか、等の情報を得ることができる。
【0011】
そして、表示変更手順で、上記のようにして取得された使用頻度情報に応じて、プリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う。これにより、例えば上記のようにほとんど使用されておらず使用頻度が低いプリンタのプリンタ表示識別子については、これ以降は表示しないように非表示化したり、ユーザがこのプリンタ表示識別子を選択しにくくなるように表示態様の変更(目立たない色や形にする、目立たない位置に表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。逆に、例えば日常的に使用され使用頻度が高いプリンタのプリンタ表示識別子については、ユーザが選択しやすくなるように表示態様の変更(目立つ色や形にする、別途マークを追加表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。これにより、ユーザは、使用頻度が高いプリンタについて、プリンタ表示識別子を容易かつ迅速に見つけ出すことができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0012】
第2発明は、上記第1発明において、前記情報取得手順は、印刷回数、印刷枚数、オフライン時間、及び、プリンタ設定の使用回数のうち、少なくとも1つを含む印刷関連パラメータを入力するパラメータ入力手順と、前記パラメータ入力手順で入力された前記印刷関連パラメータに対し所定の重み付け処理を行って、前記使用頻度情報を算出する頻度算出手順と、を含み、かつ、前記頻度算出手順で算出された前記使用頻度情報が所定のしきい値よりも小さいかどうかを判定する頻度判定手順を設けたことを特徴とする。
【0013】
本願第2発明では、各プリンタについて、印刷が実行された回数や、そのときの印刷枚数や、一度印刷が実行されてから現在まで(あるいは過去のある印刷時から次の印刷時まで)に経過したオフライン時間(=操作端末に対して非接続となっていた時間)や、各種プリンタ設定を使用したり変更したりした回数、等のパラメータをパラメータ入力手順で取得する。そして、そのパラメータに対し頻度算出手順で適宜の重み付けを行って使用頻度情報とし、その使用頻度情報が所定のしきい値より小さいかどうかを、頻度判定手順で判定する。これにより、しきい値より小さければ使用頻度が低いプリンタであるとみなすことができる。このように、通常のプリンタにおいて容易に収集できる各種パラメータを用いて使用が低頻度であるプリンタを確実に特定し、ユーザがそのプリンタのプリンタ表示識別子を選択しにくくなるような処理を確実に行うことができる。
【0014】
第3発明は、上記第2発明において、前記表示処理手順は、前記頻度判定手順で前記使用頻度情報が前記所定のしきい値よりも小さいと判定された場合に、前記変更処理として、前記プリンタ表示識別子の非表示化処理を行う非表示化手順であることを特徴とする。
【0015】
これにより、使用が低頻度であるプリンタのプリンタ表示識別子が表示されなくなるので、ユーザがそのプリンタ表示識別子を選択することがなくなる。この結果、ユーザは、それ以外の、比較的使用が高頻度であるプリンタのプリンタ表示識別子を、容易かつ迅速に見つけ出すことができる。
【0016】
第4発明は、上記第3発明において、前記非表示化手順は、処理対象となるプリンタの識別情報を保持しつつ、当該識別情報を表す前記プリンタ表示識別子を非表示とする手順であることを特徴とする。
【0017】
これにより、使用が低頻度であるプリンタのプリンタ表示識別子が表示されなくなるので、当該プリンタ表示識別子をユーザが選択するのを防止することができる。また、識別情報を削除するのではなく非表示扱いとすることで、これ以降、必要に応じて、当該識別情報の表示を復活させることも可能である。
【0018】
第5発明は、上記第3発明において、前記非表示化手順は、処理対象となるプリンタの識別情報を消去する手順であることを特徴とする。
【0019】
これにより、使用が低頻度であるプリンタのプリンタ表示識別子は消失し存在しなくなるので、ユーザが当該プリンタ表示識別子を選択するのを確実に防止することができる。
【0020】
第6発明は、上記第2発明において、前記頻度判定手順で前記使用頻度情報が前記所定のしきい値以上であると判定された場合に、前記変更処理として、当該プリンタ表示識別子が表す前記識別情報を変更する情報変更手順である
ことを特徴とする。
【0021】
これにより、例えば、使用頻度が低いプリンタのプリンタ表示識別子をユーザが選択しにくくなるような目立たない名称とする一方、使用頻度が高いプリンタのプリンタ表示識別子をユーザが容易に選択できるような目立つ名称とすることが可能となる。その際、表示手段の表示位置や表示順序に、名称に基づく一定の規則性(アルファベット順、五十音順等)が予め設定されている場合には、当該規則性を利用して、使用頻度が高いプリンタのプリンタ表示識別子をユーザから見て最も目立つ位置に表示させ、使用頻度が低いプリンタのプリンタ表示識別子をユーザから見て最も目立たない位置に表示させる、等も可能となる。あるいは、識別情報に最近の使用日時情報を含ませる等により、使用頻度の高低がユーザにとって一目瞭然となるようにすることもできる。これらにより、ユーザの利便性を確実に向上することができる。
【0022】
上記目的を達成するために、第7の発明のプリンタ情報処理プログラムは、プリンタに接続可能な操作端末の制御手段に対し、前記操作端末に対しプリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手順と、前記表示部生成手順で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手順と、前記接続判定手順で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手順と、前記情報取得手順で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手順と、を実行させる。
【0023】
本願第7発明のプログラムを制御手段が実行する操作端末は、プリンタに接続されて用いられる。操作端末に対しプリンタが新規に接続されると、制御手段が表示部生成手順を実行することで、プリンタの識別情報(例えば名称や型番等)を表すプリンタ表示識別子が生成される。これにより、ユーザが次回以降プリンタを利用する際には、例えばディスプレイ等の操作端末の表示手段において、上記生成されたプリンタ表示識別子を選択操作することで使用するプリンタを特定し、対応するプリンタドライバを用いて、所望の印刷を行うことができる。
【0024】
その後、制御手段が接続判定手順を実行することで、既にプリンタ表示識別子が生成されているプリンタが、その時点で接続されているかどうかを判定する。接続判定手順でプリンタが接続されていないと判定された場合は、制御手段が情報取得手順を実行することで、当該プリンタの使用頻度情報が取得される。
【0025】
そして、制御手段が表示変更手順を実行することで、上記のようにして取得された使用頻度情報に応じて、プリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う。これにより、例えば上記のようにほとんど使用されておらず使用頻度が低いプリンタのプリンタ表示識別子については、これ以降は表示しないように非表示化したり、ユーザがこのプリンタ表示識別子を選択しにくくなるように表示態様の変更(目立たない色や形にする、目立たない位置に表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。逆に、例えば日常的に使用され使用頻度が高いプリンタのプリンタ表示識別子については、ユーザが選択しやすくなるように表示態様の変更(目立つ色や形にする、別途マークを追加表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。これにより、ユーザは、使用頻度が高いプリンタについて、プリンタ表示識別子を容易かつ迅速に見つけ出すことができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0026】
上記目的を達成するために、第8の発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プリンタに接続可能な操作端末に対しプリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手順と、前記表示部生成手順で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手順と、前記接続判定手順で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手順と、前記情報取得手順で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手順とを、前記操作端末の制御手段に実行させるためのプリンタ情報処理プログラムを記録する。
【0027】
本願第8発明の記録媒体に記憶されたプログラムを制御手段が実行する操作端末は、プリンタに接続されて用いられる。操作端末に対しプリンタが新規に接続されると、記録媒体から読み出されたプログラムを用いて制御手段が表示部生成手順を実行することで、プリンタの識別情報(例えば名称や型番等)を表すプリンタ表示識別子が生成される。これにより、ユーザが次回以降プリンタを利用する際には、例えばディスプレイ等の操作端末の表示手段において、上記生成されたプリンタ表示識別子を選択操作することで使用するプリンタを特定し、対応するプリンタドライバを用いて、所望の印刷を行うことができる。
【0028】
その後、制御手段が接続判定手順を実行することで、既にプリンタ表示識別子が生成されているプリンタが、その時点で接続されているかどうかを判定する。接続判定手順でプリンタが接続されていないと判定された場合は、制御手段が情報取得手順を実行することで、当該プリンタの使用頻度情報が取得される。
【0029】
そして、制御手段が表示変更手順を実行することで、上記のようにして取得された使用頻度情報に応じて、プリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う。これにより、例えば上記のようにほとんど使用されておらず使用頻度が低いプリンタのプリンタ表示識別子については、これ以降は表示しないように非表示化したり、ユーザがこのプリンタ表示識別子を選択しにくくなるように表示態様の変更(目立たない色や形にする、目立たない位置に表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。逆に、例えば日常的に使用され使用頻度が高いプリンタのプリンタ表示識別子については、ユーザが選択しやすくなるように表示態様の変更(目立つ色や形にする、別途マークを追加表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。これにより、ユーザは、使用頻度が高いプリンタについて、プリンタ表示識別子を容易かつ迅速に見つけ出すことができる。したがって、利便性を向上することができる。
【0030】
上記目的を達成するために、第9の発明は、プリンタに接続可能なプリンタ操作端末であって、プリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手段と、前記表示部生成手段で生成されたプリンタ表示識別子を表示可能な表示手段と、前記表示部生成手段で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手段と、前記接続判定手段で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手段と、を有することを特徴とする。
【0031】
本願第9発明のプリンタ操作端末は、プリンタに接続されて用いられる。プリンタが新規に接続されると、表示部生成手段が、プリンタの識別情報(例えば名称や型番等)を表すプリンタ表示識別子を生成する。生成されたプリンタ表示識別子を、例えばディスプレイ等の表示手段が表示する。これにより、ユーザが次回以降プリンタを利用する際には、上記生成されたプリンタ表示識別子を表示手段上で確認しつつ選択操作することで使用するプリンタを特定し、対応するプリンタドライバを用いて、所望の印刷を行うことができる。
【0032】
その後、接続判定手段が、既にプリンタ表示識別子が生成されているプリンタが、その時点で接続されているかどうかを判定する。接続判定手段がプリンタが接続されていないと判定した場合は、情報取得手段が、当該プリンタの使用頻度情報を取得する。そして、表示変更手段が、上記のようにして取得された使用頻度情報に応じて、プリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う。
【0033】
これにより、例えば上記のようにほとんど使用されておらず使用頻度が低いプリンタのプリンタ表示識別子については、これ以降は表示しないように非表示化したり、ユーザがこのプリンタ表示識別子を選択しにくくなるように表示態様の変更(目立たない色や形にする、目立たない位置に表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。逆に、例えば日常的に使用され使用頻度が高いプリンタのプリンタ表示識別子については、ユーザが選択しやすくなるように表示態様の変更(目立つ色や形にする、別途マークを追加表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行うことが可能となる。これにより、ユーザは、使用頻度が高いプリンタについて、プリンタ表示識別子を容易かつ迅速に見つけ出すことができる。したがって、利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、使用頻度の高いプリンタを容易かつ迅速に見つけ出すことができ、ユーザの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態によるプリンタ情報処理システム全体を表すシステム構成図である。
【図2】プリンタ情報処理システムの詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図3】操作端末内における処理制御上の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図4】比較例による操作端末の表示部の表示例を表す図である。
【図5】本実施形態における操作端末の表示部の表示例を表す図である。
【図6】本実施形態における操作端末の表示部の表示例を表す図である。
【図7】操作端末のCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図8】プリンタ使用履歴ファイルの一例を表す図である。
【図9】各プリンタごとの印刷パラメータの内容を概念的に表す説明図である。
【図10】識別情報を変更する変形例における、操作端末の表示部の表示例を表す図である。
【図11】使用頻度の高い順に全ての表示識別子を表示する変形例における、操作端末の表示部の表示例を表す図である。
【図12】使用頻度に応じてマークを付加して表示する変形例における、操作端末の表示部の表示例を表す図である。
【図13】専用のアプリケーションを常駐させ、プリンタ識別情報を消去処理する変形例における、操作端末の表示部の処理制御上の機能的構成の例を表すブロック図である。
【図14】プリンタ使用履歴ファイルを概念的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0037】
図1は、本実施形態のプリンタ情報処理システム全体を表すシステム構成図である。
【0038】
図1において、プリンタ情報処理システム1は、サーバRSと、例えば汎用パーソナルコンピュータで構成される操作端末2と、例えばUSB等のインターフェースを介して操作端末2に接続された複数のプリンタ(この例では複数のラベルプリンタ3及び複数の複合機110。以下適宜、「プリンタ3,110」のように称する)と、を有している。そして、サーバRS、操作端末2、ラベルプリンタ3、及び複合機110は、有線又は無線によるネットワークNWを介して互いに接続されている。
【0039】
ラベルプリンタ3は、操作端末2との間で各種の情報と指示信号を送受し、操作端末2からの印刷データに基づき所望の文字や図形などの印字を備えた印字ラベルLを作成する。同様に、複合機110は、操作端末2との間で各種の情報と指示信号を送受し、操作端末2からの印刷データに基づき所望の文字や図形などの印刷を被印刷用紙に行うことができる。
【0040】
図2は、上記操作端末2及びプリンタ3,110の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【0041】
図2において、操作端末2は、CPU12と、例えばRAMやROM等からなり、本実施形態のプリンタ情報処理方法を実行するためのプリンタ情報処理プログラムを記憶したメモリ13(記録媒体)と、ユーザからの指示や情報が入力される操作部14と、各種情報やメッセージを表示する表示部17(表示手段)と、ハードディスク装置からなり各種情報を記憶する大容量記憶装置16と、ネットワークNWを介してプリンタ3,110との情報信号の授受の制御を行う通信制御部15とを備えている。
【0042】
CPU12は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。CPU12は、上記信号処理により、プリンタ3,110との間で、ネットワークNWを通じて各種の指示信号・情報信号の送受を行う。
【0043】
ラベルプリンタ3は、被印字媒体としてのテープ(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)203を巻回したテープロール204を着脱可能な(又はテープロール204を備えたカートリッジを着脱可能な)テープロールホルダ部210と、このテープロール204から繰り出されたテープ203に所望の印刷(印字)を行う印字ヘッド205と、印字が終了したテープ203を所定の長さに切断して印字ラベルLとするカッタ207と、印字ヘッド205に対向して設けられ、制御回路202により制御されてテープロール204からのテープ203を搬送する搬送装置209とを有する。そして、制御回路202は通信制御部208を介しネットワークNWによって操作端末2の通信制御部15と接続されており、操作端末2と情報の送受が可能となっている。
【0044】
ユーザが上記ラベルプリンタ3により印字ラベルLを作成する際には、操作端末2において起動されたアプリケーションに基づき、操作部14で適宜の操作を行うことで、印字ラベルLの表面に印刷(印字)する文字や図形等の設定入力を行う。これにより、上記設定入力に対応した印刷データがCPU12によって生成される。そして、ユーザが操作部14を用いた適宜の操作により印字ラベルLの作成指示入力を行うことにより、上記印刷データが操作端末2からラベルプリンタ3の制御回路202へ送信され、制御回路202の制御によって上記印刷データに基づいた印字ヘッド205による印刷(印字)が行われ、印字ラベルLが作成される。
【0045】
複合機110は、ファックス機能、プリンタ機能、コピー機能、及び通話機能を有している。すなわち複合機110は、表示部160と、印字部127と、スキャナ部105と、電話回線通信制御部122と、ネットワーク通信制御部123と、操作部103と、メモリ124と、CPU121とを備えている。
【0046】
電話回線通信制御部122は、電話回線網に接続して通話機能の音声信号又はファックス機能の情報信号の送受を行う。ネットワーク通信制御部123は、上記ネットワークNWを介し操作端末2の通信制御部15との間で情報の送受を行う。スキャナ部105は、イメージスキャナを有して原稿の画像を読み取る。表示部160は、各種情報やメッセージの表示を行う。印字部127は、上記プリンタ部を備えており、画像情報や印字情報の印刷(印字)を行う。操作部103は、操作者により適宜の操作が入力される。
【0047】
メモリ124は、例えばRAMやROM等から構成されている。CPU121は、メモリ124の記憶内容に基づき、複合機110全体の動作を制御する。具体的には、メモリ124を構成するRAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。
【0048】
上記の複合機110において、例えばユーザがプリンタ機能の使用時には、操作端末2において起動されたアプリケーションに基づき、操作部14で適宜の操作を行うことで、被印刷用紙(図示せず)の表面に印字する文字や図形等の設定入力を行う。これにより、上記設定入力に対応した印刷データがCPU12によって生成される。そして、ユーザが操作部14を用いた適宜の操作により印刷指示入力を行うことにより、上記印刷データが操作端末2から複合機110のCPU121へ送信され、CPU121の制御によって上記印刷データに基づく印字部127による被印刷用紙への印刷が行われる。
【0049】
図3は、操作端末2内における処理制御上の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0050】
図3において、この例では、操作端末2の上記メモリ(RAM)13上に、上記印刷データの作成に係わるアプリケーション(印刷アプリケーション)APとプリンタドライバPDとのそれぞれのプログラムが展開して起動しており、相互に指示信号と情報信号とを送受可能となっている。そしてアプリケーションAPはプリンタドライバPDに対して信号を送受する。プリンタドライバPDは、上記通信制御部15と通信制御部208及びネットワーク通信制御部123とのネットワークNWによる接続を介し、ラベルプリンタ3及び複合機110と信号を送受するようになっている。
【0051】
アプリケーションAPは、プリンタ3,110で必要とされる各種設定情報を設定し印刷データを生成するとともに、当該印刷データを含む指令をプリンタドライバPDに出力する。プリンタドライバPDは、アプリケーションAPから出力された指令を受け付け、プリンタ3,110に対し対応するコマンドを出力する。
【0052】
なお、アプリケーションAPとプリンタドライバPDは、いずれも操作端末2が備える一つのCPU12によって実行されるものであるが、例えばタイムシェアリングシステム(TSS)などの時分割での割り込み制御によって、それぞれ個別に独立して実行される。またプリンタドライバPDについては、汎用パーソナルコンピュータで構成される操作端末2の基本OSに予め組み込まれたものでもよいし、他のアプリケーションと同様にOS上で個別に起動されるプログラムであってもよい。
【0053】
プリンタ3,110は、プリンタドライバPDから上記コマンドが入力されることによって印字ラベルLへの印字又は被印刷用紙に対する印刷を行う。すなわち、コマンドに含まれる上記印刷データに基づき、印字又は印刷を行う。なお、以下、ラベル作成装置3の印字と複合機110での印字との両方を含め、単に「印刷」と称する。
【0054】
上記構成において、操作端末2に対しプリンタ3,110が接続されていると、当該プリンタ3,110の識別情報(例えば機器名称、型番、適宜にユーザが作成した愛称、等)を表す表示識別子(プリンタ表示識別子)が、表示部17に選択可能に表示される(後述の図4参照)。すなわち、複数のプリンタ3,110が接続されている場合には、それらの識別情報が選択可能に表される。また、現在接続されていなくても過去に接続されたプリンタ3,110があった場合は、それらの識別情報を含む表示識別子が全て選択可能に表される。そして、操作端末2に対し(上記表示識別子が生成されていない)新たにプリンタ3,110が接続された場合、そのたびに、当該プリンタ3,110に対応した上記表示識別子が追加して生成され、表示部17において表示される。これにより、ユーザが当該プリンタ3,110を利用する際に、ユーザが表示部17において当該表示識別子を選択操作することで、ユーザが使用するプリンタ3,110が特定され、対応するプリンタドライバPDを用いて、所望の印刷が行うことができる。
【0055】
本実施形態の特徴は、上記のように表示部17に複数のプリンタ3,110の表示識別子を表示するとき、ユーザの使用頻度が高いプリンタ3,110の表示識別子をユーザが容易かつ迅速に見つけ出せるように、CPU12が、上記アプリケーションAPを用いつつ表示内容を制御することにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
【0056】
<比較例での表示例>
まず、従来技術にほぼ相当する比較例を説明する。上記実施形態の構成に対応する部分には、同一の符号を用いて説明する。図4は、操作端末2の表示部17における入力操作画面17Aの表示例である。
【0057】
図4において、入力操作画面17Aに配置された機器表示ボックス17aに、プリンタ3,110の識別情報を表す上記表示識別子(「ラベルプリンタA」「ラベルプリンタB」・・等)が選択可能に表示されている。このとき表示される表示識別子の表す識別情報は、前述したように、操作端末2に対し少なくとも接続可能なプリンタ3,110の識別情報となる(現在接続されているもの、過去に接続されたもの、まだ接続されたことはないが予め接続が予定されているもの、等)。この例では、機器表示ボックス17aの表示識別子は、識別情報としての複数のプリンタ3,110の機種名を表しており、各機種名に対応した複数の表示識別子(「ラベルプリンタA」、「ラベルプリンタB」、「ラベルプリンタC」)が一括して表示(この例ではプルダウン表示)されている。なお、この例ではこの操作端末2に接続可能なプリンタ3以外に、操作端末2に接続可能な全ての他種の機器(この例では複合機110)の機種名(「複合機D」「複合機E」「複合機F」)も表示されている。
【0058】
ユーザは、操作部14の操作により、このようにして表示されたプリンタ3,110の機種名に対応した表示識別子のうち、いずれか1つを選択する。これにより、前述したように、ユーザが使用するプリンタ3,110が特定される。そして、さらに「Print」ボタン17bを操作することにより、対応するプリンタドライバPDを用いて、所望の印刷が行うことができる。図5は、上記のようにして「ラベルプリンタC」の表示識別子が選択された状態を表している。
【0059】
ところで、図4に示した例では、操作端末2に対し、3つの機種のラベルプリンタ3(ラベルプリンタA、ラベルプリンタB、ラベルプリンタC)と、3つの機種の複合機110(複合機D、複合機E、複合機F)とが、過去に接続されたことがあり、それらに対応した合計6つの表示識別子(「ラベルプリンタA」、「ラベルプリンタB」、「ラベルプリンタC」「複合機D」「複合機E」「複合機F」)が生成されている。これら6つの表示識別子は、例えば過去のあるときに一度きり使用してそれ以降はほとんど使用していない使用頻度の低いプリンタ3,110の表示識別子であっても、日常的に使用し使用頻度の高いプリンタ3,110の表示識別子であっても、特に区別されることなく、それらが混在した形で表示部17に表示されている。この結果、過去に接続されたプリンタ3,110の数が多くなり生成された表示識別子の数が多くなるほど、ユーザが使用時に選択すべき表示識別子をユーザが見つけ出すのが困難となり、利便性が低下する。
【0060】
<実施形態での表示例>
そこで、本実施形態においては、上記のように既に生成済みのプリンタ3,110の表示識別子について、各プリンタの使用頻度が大きいか小さいかに応じて、プリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う。図6はその一例を表しており、この例では、上記ラベルプリンタA〜C、複合機D〜Fのうち、あまり使用されておらず使用頻度が低いラベルプリンタA及び複合機D,Fのプリンタ表示識別子については、表示していない。この結果、例えば日常的に使用され使用頻度が比較的高い、残りのラベルプリンタC,B及び複合機Eのプリンタ表示識別子「ラベルプリンタC」「ラベルプリンタB」「複合機E」のみが機器表示ボックス17aに表示されている。なおこの例ではこれら3つの機種についても使用頻度順に並んでおり、ラベルプリンタCが最も使用頻度が高く、その次にラベルプリンタBが使用頻度が高く、この3つの中では複合機Eが最も使用頻度が低くなっている。
【0061】
なお、上記のように使用頻度が低いプリンタ3,110の表示識別子を非表示化する以外に、ユーザがこのプリンタ表示識別子を選択しにくくなるように表示態様の変更(目立たない色や形にする、目立たない位置に表示する、等)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行ってもよい(後述の(1)の変形例も参照)。
【0062】
また、使用頻度が高いプリンタ3,110のプリンタ表示識別子については、ユーザが選択しやすくなるように表示態様の変更(目立つ色や形にする、別途マークを追加表示する、等。後述の(3)の変形例も参照)や識別情報自体の変更(最近の使用日時情報を含ませる等)を行ってもよい(後述の(1)の変形例も参照)。
【0063】
以上の機能を実行するために操作端末2のCPU12によって実行される制御手順を、図7に示すフローチャートにより説明する。
【0064】
まず、ステップS10において、操作端末2のCPU12は、まだ表示識別子が生成されていない、通信制御部15を介し新規に接続されたプリンタ3,110があるかどうかを判定する。新規に接続されたプリンタ3,110があった場合判定が満たされ、ステップS20に移る。一方、新規に接続されたプリンタ3,110がなければステップS10の判定は満たされず、後述のステップS30に移る。
【0065】
ステップS20では、CPU12は、プリンタ3,110の識別情報(例えば名称や型番等)を表す前述の表示識別子を生成し、メモリ13に記憶する。なお、このステップS20が各請求項の表示部生成手順に相当するとともに、表示部生成手段として機能する。その後、ステップS30に移る。
【0066】
ステップS30では、CPU12は、上記ステップS20でメモリ13に既に保存されている表示識別子に対応するプリンタ3,110が、通信制御部15を介し現在接続されているかどうかを判定する。これは、当該時点で接続されているプリンタ3,110は準備完了状態であるから、表示識別子に対し処理を行う対象から外すためである。ここで、上記準備完了状態とは、プリンタ3,110が通信回線を介して操作端末2からの印刷ジョブを即座に受付可能な状態である。既存の表示識別子に対応するプリンタ3,110が現在接続されていればステップS30の判定が満たされ、後述するステップS70に移る。このステップS30が各請求項の接続判定手順に相当するとともに、接続判定手段として機能する。一方、既存の表示識別子に対応するプリンタ3,110が現在接続されていなければステップS30の判定が満たされず、ステップS40に移る。
【0067】
ステップS40では、CPU12は、各プリンタ3,110ごとに、使用頻度を算出するための印刷関連パラメータを取得する。この印刷関連パラメータには、各プリンタ3,110の印刷回数C1(回)、印刷枚数C2(枚)、操作端末2に対して非接続となっていた時間であるオフライン時間T(分)、及び、プリンタ設定の使用回数S(回)のうち、少なくとも1つが含まれる。この印刷関連パラメータは、例えば図8に示すような各プリンタ3,110ごとのプリンタ使用履歴ファイル13Aとして、操作端末2の大容量記憶装置16に記憶されている。その際、上記アプリケーションAPの機能により、例えばそれらプリンタ使用履歴ファイル13Aと各表示識別子とは連動して(あるいは一体的に)構成されている。したがって、プリンタ使用履歴ファイル13Aが削除された場合には、自動的に対応する表示識別子も消滅し、それ以降は表示されないようになっている(後述の(4)の変形例参照)。このステップS40では、そのときに処理対象としたいプリンタ3,110の識別情報をキーとして、CPU12が対応するプリンタ使用履歴ファイル13Aにアクセスすることにより、当該プリンタ使用履歴ファイル13Aに含まれる上記印刷関連パラメータが取得される。なお、このステップS40が各請求項記載のパラメータ入力手順に相当する。その後、ステップS50に移る。
【0068】
ステップS50では、CPU12は、上記ステップS40で入力された印刷関連パラメータに対し所定の重み付け処理を行って重み付け合計値(使用頻度情報)を算出する。このときの計算式は、
重み付け合計値=
(印刷回数C1(回)+印刷枚数C2(枚)+0.5×プリンタ設定の使用回数S(回))−(0,001×オフライン時間T(分))
によって算出している。これにより、当該プリンタ3,110の使用頻度が大きいか小さいか、例えば上記のように日常的に使用されているものであるか、逆にほとんど使用されていないものであるか、等の情報を得ることができる。なお、このステップS50が、各請求項の頻度算出手順に相当する。またステップS40及びステップS50が、情報取得手順に相当するとともに、情報取得手段として機能する。
【0069】
そして、ステップS60に移り、CPU12は、上記ステップS50で算出された使用頻度情報が所定のしきい値よりも小さいかどうかを判定する。これにより、しきい値より小さければ使用頻度が低いプリンタ3,110であるとみなすことができる。なお、このステップS60が、各請求項の頻度判定手順に相当する。
【0070】
図9に、各プリンタ3,110ごとの印刷パラメータの値と、当該印刷パラメータに上記の式を適用して算出された重み付け合計値と、の組合せの例を示す。なお、この例では、上記の判定基準のしきい値として0を用いており、重み付け合計値が0より小さい場合に使用頻度を「低」とし、重み付け合計値が0より大きい場合に使用頻度を「高」としている。
【0071】
図9において、上述の例に沿い、3つのラベルプリンタA、ラベルプリンタB、ラベルプリンタCと、3つの複合機D、複合機E、複合機Fそれぞれの印刷パラメータの例と、算出された使用頻度と、頻度判定結果とが示されている。
【0072】
複合機Dでは、印刷回数C1が40回、印刷枚数C2が40枚、プリンタ設定の使用回数Sが20回、オフライン時間Tが100000分であり、これらを用いて算出された重み付け合計値が−10となっている。この結果、使用頻度は「低」と判定されている。複合機Fでは、印刷回数C1が10回、印刷枚数C2が10枚、プリンタ設定の使用回数Sが0回、オフライン時間Tが25000分であり、これらを用いて算出された重み付け合計値が−5となっている。この結果、使用頻度は「低」と判定されている。ラベルプリンタBでは、印刷回数C1が90回、印刷枚数C2が180枚、プリンタ設定の使用回数Sが10回、オフライン時間Tが43200分であり、これらを用いて算出された重み付け合計値が231.8となっている。この結果、使用頻度は「高」に判定されている。複合機Eでは、印刷回数C1が120回、印刷枚数C2が120枚、プリンタ設定の使用回数Sが0回、オフライン時間Tが43200分であり、これらを用いて算出された重み付け合計値が196.8となっている。この結果、使用頻度は「高」と判定されている。ラベルプリンタCでは、印刷回数C1が150回、印刷枚数C2が150枚、プリンタ設定の使用回数Sが0回、オフライン時間Tが0分であり、これらを用いて算出された重み付け合計値が300となっている。この結果、使用頻度は「高」に判定されている。ラベルプリンタAでは、印刷回数C1が50回、印刷枚数C2が50枚、プリンタ設定の使用回数Sが50回、オフライン時間Tが129600分であり、これらを用いて算出された重み付け合計値が−4.6となっている。この結果、使用頻度は「低」に判定されている。
【0073】
以上の結果、使用頻度が最も高いのは、ラベルプリンタBであり、最も低いのは複合機Dである、と判定される。
【0074】
なお、上記のステップS50での算出結果(重み合計値)やステップS60での判定結果は、例えば図8に示した使用履歴ファイル13Aに併せて書き込まれ、保存されるようにしてもよい。あるいは、それらの結果のみ、使用履歴ファイル13Aとは別の形で記憶するようにしてもよい。
【0075】
以上のようにしてステップS60が終了したら、ステップS70に移る。ステップS70では、CPU12は、全てのプリンタ3,110に対して上記ステップS30〜ステップS60の処理が実行されたかどうかを判定する。まだ処理が実行されていないプリンタ3,110が残っている間は判定が満たされず、ステップS30に戻り、ステップS30〜ステップS70までの手順が繰り返される。こうして、全てのプリンタ3,110に対する上記ステップS30〜ステップS60の処理が実行された場合にはステップS70の判定が満たされて、ステップS80に移る。
【0076】
ステップS80では、CPU12は、使用頻度情報に応じた表示識別子の表示態様の変更処理を行う。この例では、上記したように、使用頻度が高い順に、ラベルプリンタC、ラベルプリンタB、複合機Eとなり、これら3つが使用頻度「高」と認定されている。また、残りのラベルプリンタA、複合機C、複合機Dは使用頻度「低」と認定されている。これにより、前述の図6に示したように、入力操作画面17Aの機器表示ボックス17aにおいて、使用頻度の多い順に上から下へ「ラベルプリンタC」「ラベルプリンタB」「複合機E」の3つの表示識別子のみが表示され、それら以外の使用頻度の低い機種の識別子は非表示化される(非表示化処理)。なお、この非表示化処理は、図8に示した各プリンタ3,110に関わる識別情報を削除することなく、使用履歴ファイル13Aは残したままで、アプリケーションAPにより表示識別子の表示のみが行われないような適宜のフィルタ処理等がなされることで、実行される。このように、プリンタ3,110の識別情報を削除するのではなく表示識別子を非表示扱いとすることで、これ以降、必要に応じて、当該識別情報の表示を復活させることも可能である。その後、このフローを終了する。なお、このステップS80が、各請求項の表示変更手順、特に非表示化手順に相当するとともに、表示変更手段として機能する
【0077】
以上説明したように、本実施形態においては、プリンタ3,110それぞれについて取得された使用頻度情報に応じて、表示識別子の表示態様の変更処理を行う。すなわち、例えばほとんど使用されておらず使用頻度が低いプリンタ3,110の表示識別子については、これ以降は表示しないように非表示化したり、ユーザがこの表示識別子を選択しにくくなるように表示態様の変更や識別情報自体の変更を行う。逆に、例えば日常的に使用され使用頻度が高いプリンタの表示識別子については、ユーザが選択しやすくなるように表示態様の変更や識別情報自体の変更を行うことが可能となる。これにより、ユーザは、使用頻度が高いプリンタ3,110について、表示識別子を容易かつ迅速に見つけ出すことができる。また、上記の使用頻度が低いプリンタ3,110に関わる表示識別子を非表示とする。これにより、ユーザが当該表示識別子を選択することがなくなる。したがって、利便性を向上することができる。
【0078】
また、本実施形態では特に、通常のプリンタ3,110より容易に収集できる、上記印刷回数C1、印刷枚数C2、プリンタ設定使用回数S、オフライン時間T等の各種パラメータを用いて、使用が低頻度であるプリンタ3,110を確実に特定する。これにより、ユーザがそのプリンタ3,110の表示識別子を選択しにくくなるような処理を確実に行うことができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例について説明する。
【0080】
(1)識別情報を変更する場合
例えば、上記のように使用頻度の大小に応じてプリンタ3,110の表示識別子の表示・非表示を切り替えるのではなく、表示識別子の表す識別情報の内容を変更するようにしてもよい。
【0081】
図10は、本変形例における、操作端末2の表示部17の上記入力操作画面17Aでの表示例を表す図である。図10に示すように、使用頻度情報が上記所定のしきい値以上である(すなわち高頻度である)と判定された場合に、当該プリンタ3,110に関わる表示識別子が表す識別情報が、他の名称に変更される(各請求項記載の情報変更手順に相当)。すなわち、使用頻度が低いプリンタ3,110の表示識別子をユーザが選択しにくくなるような目立たない名称とする一方、使用頻度が高いプリンタ3,110の表示識別子をユーザが容易に選択できるような目立つ名称とする。
【0082】
この例では、入力操作画面17Aの機器表示ボックス17aの表示位置や表示順序に、名称に基づく一定の規則性が予め設定されており、当該規則性を利用して、使用頻度が高いプリンタ3,110の表示識別子をユーザから見て最も目立つ位置に表示させ、使用頻度が低いプリンタ3,110の表示識別子をユーザから見て最も目立たない位置に表示させている。すなわち、この例では、上記規則性として数字が含まれる場合に当該数字の昇順により表示することが予め設定されている。そこで、これに対応し、識別情報に最近の使用日時情報を含ませるようにしている。最も使用頻度が高いラベルプリンタCに関わる表示識別子が「100802device」と変更されて最も上位に表示され、ラベルプリンタBに関わる表示識別子が「100625device」と変更されて2番目に表示され、複合機Eが「100511device」と変更されて3番目に表示され、使用頻度の高低がユーザにとって一目瞭然となるようにしている。なお、上記の規則性の他の例として、アルファベット順や五十音順により表示するようにしてもよい。
【0083】
本変形例によっても、上記実施形態と同様、ユーザの利便性を確実に向上することができる。
【0084】
(2)使用頻度の高い順に全て表示する場合
図11は、本変形例における、操作端末2の表示部17の上記入力操作画面17Aでの表示例を表す図である。図11に示すように、プリンタ3,110の表示識別子を、使用頻度が高い順に表示させるようにしてもよい。図示の例では、前述の例に沿っており、使用頻度(図9に示した重み付け合計値参照)が高いものから低いものに向かって、「ラベルプリンタC」、「ラベルプリンタB」、「複合機E」、「ラベルプリンタA」、「複合機F」、「複合機D」の順番に、各表示識別子が機器表示ボックス17aに表示されている。
【0085】
本変形例によっても、上記実施形態と同様、ユーザの利便性を確実に向上することができる。
【0086】
(3)使用頻度に応じてマークを付加して表示する場合
図12は、本変形例における、操作端末2の表示部17の上記入力操作画面17Aでの表示例を表す図である。図12に示すように、使用頻度情報が上記所定のしきい値以上である(すなわち高頻度である)と判定された場合に、当該プリンタ3,110に関わる表示識別子が表す識別情報に対し、所定のマーク(この例では星印)が付加される。すなわち、使用頻度が高いプリンタ3,110の表示識別子をユーザが容易に選択できるように目立たせる。図12では、前述の例に沿い、使用頻度の最も高いラベルプリンタCの表示識別子において、左端に黒塗りの★マークが表示されている。また、2番目に使用頻度の高いラベルプリンタBの表示識別子、及び、3番目に使用頻度の高い複合機Eの表示識別子のそれぞれの左端に、白塗り(又は色無しの)☆マークが表示されている。
【0087】
本変形例によっても、上記実施形態と同様、ユーザの利便性を確実に向上することができる。
【0088】
(4)専用のアプリケーションを常駐させ、プリンタ識別情報を消去処理する場合
すなわち、以上は、図3を用いて前述したように、CPU12は、メモリ13上に起動させ展開させた上記アプリケーションAPの機能を用いて、プリンタ3,110の表示識別子の表示内容を制御した。言い換えれば、本来は印刷データを生成するために用いられるアプリケーションAPに、上記プリンタ3,110の表示識別子の表示制御機能が付加されていた。本変形例では、上記とは異なり、プリンタ3,110の表示識別子の表示制御のために、上記印刷データ生成用のアプリケーションとは別の、専用のアプリケーションが用いられる。
【0089】
図13は、本変形例における操作端末2内の処理制御上の機能的構成の一例を表すブロック図であり、上記図3に対応する図である。図13に示すように、本変形例では、操作端末2の上記メモリ(RAM)13上に、表示識別子の表示制御がなく通常の印刷データ生成のみに係わる印刷アプリケーションAP1と、表示識別子の表示制御(この例では消去処理)に係わる常駐アプリケーションAP2と、プリンタドライバPDとのそれぞれのプログラムが展開して起動し、相互に指示信号と情報信号とが送受可能となっている。そして印刷アプリケーションAP1、常駐アプリケーションAP2は、ともにプリンタドライバPDに対して信号を送受する。プリンタドライバPDは、上記同様、ネットワークNWによる接続を介し、プリンタ3,110と信号を送受する。
【0090】
そして、本変形例では、上記図7のフローのステップS80における表示変更処理において、CPU12は、上記常駐アプリケーションAP2の機能を用いて、使用頻度情報に応じた表示識別子の表示態様の変更処理(削除処理)を行う。すなわち、前述の例に沿うと、使用頻度の少ない、ラベルプリンタA、複合機D、複合機Fの3つの識別情報が削除される。これに伴い、図8に対応する図14に概念的に示すように、当該ラベルプリンタA、複合機D、複合機Fに関わる使用履歴ファイル13Aもそれぞれ削除される。このように、本変形例では、使用が低頻度であるプリンタ3,110の表示識別子は完全に消失し存在しなくなるので、ユーザが当該表示識別子を選択するのを確実に防止することができる。
【0091】
(5)その他
以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。例えば、上記(4)の変形例で説明した表示識別子の削除処理を、上記常駐アプリケーションAP2ではなく、上記実施形態における印刷データ生成用のアプリケーションAPの機能により実行するようにしてもよい。また、上記実施形態で説明した表示識別子の非表示化処理を、上記(4)の変形例における常駐アプリケーションAP2の機能により実行するようにしてもよい。
【0092】
なお、以上において、図3、図13等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0093】
また、図7に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0094】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0095】
1 プリンタ情報処理システム
2 操作端末
3 ラベルプリンタ(プリンタ)
12 CPU
13 メモリ
14 操作部
17 表示部
110 複合機(プリンタ)
PD プリンタドライバ
AP1,AP2 アプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタに接続可能な操作端末の制御手段が実行する、プリンタ情報処理方法であって、
前記操作端末に対しプリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手順と、
前記表示部生成手順で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手順と、
前記接続判定手順で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手順と、
前記情報取得手順で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手順と、
を有することを特徴とするプリンタ情報処理方法。
【請求項2】
請求項1記載のプリンタ情報処理方法において、
前記情報取得手順は、
印刷回数、印刷枚数、オフライン時間、及び、プリンタ設定の使用回数のうち、少なくとも1つを含む印刷関連パラメータを入力するパラメータ入力手順と、
前記パラメータ入力手順で入力された前記印刷関連パラメータに対し所定の重み付け処理を行って、前記使用頻度情報を算出する頻度算出手順と、
を含み、
かつ、
前記頻度算出手順で算出された前記使用頻度情報が所定のしきい値よりも小さいかどうかを判定する頻度判定手順を設けた
ことを特徴とするプリンタ情報処理方法。
【請求項3】
請求項2記載のプリンタ情報処理方法において、
前記表示処理手順は、
前記頻度判定手順で前記使用頻度情報が前記所定のしきい値よりも小さいと判定された場合に、前記変更処理として、前記プリンタ表示識別子の非表示化処理を行う非表示化手順である
ことを特徴とするプリンタ情報処理方法。
【請求項4】
請求項3記載のプリンタ情報処理方法において、
前記非表示化手順は、
処理対象となるプリンタの識別情報を保持しつつ、当該識別情報を表す前記プリンタ表示識別子を非表示とする手順である
ことを特徴とするプリンタ情報処理方法。
【請求項5】
請求項3記載のプリンタ情報処理方法において、
前記非表示化手順は、
処理対象となるプリンタの識別情報を消去する手順である
ことを特徴とするプリンタ情報処理方法。
【請求項6】
請求項2記載のプリンタ情報処理方法において、
前記頻度判定手順で前記使用頻度情報が前記所定のしきい値以上であると判定された場合に、前記変更処理として、当該プリンタ表示識別子が表す前記識別情報を変更する情報変更手順である
ことを特徴とするプリンタ情報処理方法。
【請求項7】
プリンタに接続可能な操作端末の制御手段に対し、
前記操作端末に対しプリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手順と、
前記表示部生成手順で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手順と、
前記接続判定手順で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手順と、
前記情報取得手順で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手順と、
を実行させるための、プリンタ情報処理プログラム。
【請求項8】
プリンタに接続可能な操作端末に対しプリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手順と、
前記表示部生成手順で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手順と、
前記接続判定手順で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手順と、
前記情報取得手順で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手順とを、前記操作端末の制御手段に実行させるためのプリンタ情報処理プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
プリンタに接続可能なプリンタ操作端末であって、
プリンタが新規に接続された際に、当該プリンタの識別情報を表すプリンタ表示識別子を生成する表示部生成手段と、
前記表示部生成手段で生成されたプリンタ表示識別子を表示可能な表示手段と、
前記表示部生成手段で生成されたプリンタ表示識別子の前記識別情報に対応する前記プリンタが、接続されているか否かを判定する接続判定手段と、
前記接続判定手段で前記プリンタが接続されていないと判定された場合に、当該プリンタの使用頻度情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記使用頻度情報に応じ、対応するプリンタ表示識別子の表示態様の変更処理を行う、表示変更手段と、
を有することを特徴とするプリンタ操作端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−78882(P2012−78882A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220434(P2010−220434)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】