説明

プリンタ

【課題】 プリンタ本体の周囲のスペースを狭めることなく、ファンフォールド紙を載置するスペースを確保できるようにし、スペース効率の向上を図る。
【解決手段】 一側面2にファンフォールド紙Sを取り入れる取入口3を有しこの取入口3からを取り入れたファンフォールド紙Sに対して印字を行なうプリンタ本体1を備え、プリンタ本体1を支持するベース部材10を備え、ベース部材10を介してプリンタ本体1を支持するとともに、プリンタ本体1の下部に取入口3に至るファンフォールド紙Sを収納する収納空間Eを形成する一対の脚部材20を設け、各脚部材20をベース部材10に折り畳み可能になるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンフォールド紙に対して印字を行なうプリンタ本体を備えたプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のプリンタは、例えば、一側面にファンフォールド紙を取り入れる取入口を有し、この取入口からを取り入れたファンフォールド紙に対して印字を行なうプリンタ本体を備えている(例えば、特開2006−68902号公報掲載)。
ファンフォールド紙としては、例えば、種々の物品に貼付されるラベル用のものが知られており、所定の幅ごとに折り曲げ方向を交互に変えて順次折り曲げて構成されている。
そして、プリンタ本体に取り入れられる前のファンフォールド紙は、例えば、プリンタ本体の側方あるいは後方においてトレーなどに折りたたまれた状態で載置され、この側方あるいは後方からプリンタ本体に取り込まれるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−68902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のプリンタにおいては、ファンフォールド紙をプリンタ本体の側方あるいは後方においてトレーなどに折りたたまれた状態で載置し、この側方からプリンタ本体に取り込むようにしているので、ファンフォールド紙を載置するスペースをプリンタ本体の周囲に確保しなければならないことから、それだけ、周囲のスペースを狭めてしまうという問題があった。特に、軽量で小型のプリンタにおいては、そのメリットが半減してしまう。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、プリンタ本体の周囲のスペースを狭めることなく、ファンフォールド紙を載置するスペースを確保できるようにし、スペース効率の向上を図ったプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のプリンタは、一側面にファンフォールド紙を取り入れる取入口を有し該取入口からを取り入れたファンフォールド紙に対して印字を行なうプリンタ本体を備えたプリンタにおいて、上記プリンタ本体を支持するとともに、上記プリンタ本体の下部に上記取入口に至るファンフォールド紙を収納する収納空間を形成する脚部材を備えた構成としている。
【0007】
これにより、プリンタ本体によって印字を行なうときは、折り畳まれたファンフォールド紙を収納空間に入れて載置し、ファンフォールド紙の先端を引き伸ばして、取入口へ差し込む。この状態で、印字を行なうと、ファンフォールド紙は、プリンタ本体の下部の収納空間から順次引き上げられて行く。この場合、ファンフォールド紙はプリンタ本体の下部に形成された収納空間に収納されるので、従来のように、プリンタ本体の周囲に位置しないことから、周囲のスペースを狭めることがなくなり、それだけ、スペース効率が向上させられる。
【0008】
この構成において、上記脚部材を、上記プリンタ本体に対して折り畳み可能にしたことが有効である。
あるいはまた、上記脚部材を、上記プリンタ本体に対して着脱可能にしたことが有効である。
これにより、倉庫への収納時や搬送時などプリンタの未使用時においては、脚部材を折り畳んでおくことができる。あるいは、脚部材を取外しておくことができる。そのため、全体がコンパクトになり、プリンタの収納スペースを小さいものにすることができる。
【0009】
また、必要に応じ、上記プリンタ本体を支持するベース部材を備え、上記脚部材を、上記ベース部材に設けた構成としている。脚部材をプリンタ本体に直接設けるようにしてもよいが、ベース部材に脚部材を設けることにより、プリンタ本体に、脚部材を取り付ける特別の加工を施すことをしなくてもよいことから、既存のプリンタに適用することができ、汎用性が増加させられる。
【0010】
更に、必要に応じ、上記プリンタ本体の一側面に、上記収納空間から上記取入口に至るファンフォールド紙が摺接し、該プリンタ本体の一側面の一部を覆うプロテクタを設けた構成としている。これにより、プリンタ本体の一側面の一部に、例えば、配線用のコネクタが突出している場合でも、プロテクタにより覆うことができる。そのため、印字時において、ファンフォールド紙が、収納空間から順次引き上げられて行く際には、プロテクタを摺接するので、プロテクタに覆われたコネクタに干渉することがなく、それだけ、ファンフォールド紙の移行が円滑に行なわれる。
【0011】
また、必要に応じ、上記脚部材を高さ可変に形成している。収容空間内に載置されるファンフォールド紙は、用紙の厚みや枚数により高さが異なるが、脚部材の高さが可変なので、脚部財の高さ調整を行なって、ファンフォールド紙をその高さに応じて収容できるようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のプリンタによれば、ファンフォールド紙をプリンタ本体の下部に形成された収納空間に収納することができるので、従来のように、ファンフォールド紙をプリンタ本体の周囲に位置させなくてもよくなり、そのため、周囲のスペースを狭めることがなくなり、それだけ、スペース効率を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るプリンタについて詳細に説明する。
図1乃至図4には、本発明の実施の形態に係るプリンタを示している。この実施の形態に係るプリンタPは、一側面2(実施の形態では後側面)にファンフォールド紙Sを取り入れる取入口3を有し、取入口3からを取り入れたファンフォールド紙Sに対して印字を行なうプリンタ本体1を備えている。ファンフォールド紙Sとしては、例えば、種々の物品に貼付されるラベル用のものが知られており、所定の幅ごとに折り曲げ方向を交互に変えて順次折り曲げて構成されている。また、プリンタ本体1の一側面2であって、取入口3の下側の一部には、配線が接続されたコネクタ4が突設されている。
【0014】
また、プリンタPは、プリンタ本体1を支持する矩形板状のベース部材10を備えている。ベース部材10の上面には、プリンタ本体1の底部に係合しプリンタ本体1の位置ずれを規制する複数(実施の形態では4つ)の位置決めピン11が突設されている。
【0015】
ベース部材10には、このベース部材10を介してプリンタ本体1を支持するとともに、プリンタ本体1の下部に取入口3に至るファンフォールド紙Sを収納する収納空間Eを形成する一対の脚部材20が設けられている。各脚部材20は、矩形板状に形成されており、プリンタ本体1に対して折り畳み可能になるように、ファンフォールド紙Sの移動方向左右において、ベース部材10の下側縁部に、夫々設けられている。詳しくは、脚部材20の一側縁部は、ヒンジ21を介してベース部材10の下側縁部に回動可能に設けられており、この回動により、脚部材20は、ファンフォールド紙Sを収納する収納空間Eを形成する立設位置X及び折り畳まれてベース部材10と平行に密着する倒置位置Yの2位置に位置させられる。符号22は、脚部材20の立設位置Xにおいて、ベース部材10の上側縁部から脚部材20の一側縁部に差し込まれて、脚部材20の回動をロックするロックピンである。
【0016】
また、プリンタ本体1の一側面2には、収納空間Eから取入口3に至るファンフォールド紙Sが摺接し、プリンタ本体1のコネクタ4のある一側面2の一部を覆う例えば樹脂製のプロテクタ30が設けられている。プロテクタ30は、例えば、上に凸になるように湾曲形成され、一端が取入口3の下部に取り付けられ、他端側が垂下している。
【0017】
従って、この実施の形態に係るプリンタPによれば、倉庫への収納時や搬送時など未使用時においては、脚部材20を倒置位置Yに折り畳み、ベース部材10と平行に密着させておく。そのため、全体がコンパクトになり、プリンタPの収納スペースを小さいものにすることができる。
【0018】
また、プリンタPを設置して使用するときは、脚部材20を倒置位置Yから立設位置Xに回動させ、ロックピン22を差し込んで組み立てる。これにより、プリンタ本体1の下部には、ファンフォールド紙Sを収納する収納空間Eが形成される。そして、プリンタ本体1によって印字を行なうときは、折り畳まれたファンフォールド紙Sを収納空間Eに入れて載置し、ファンフォールド紙Sの先端を引き伸ばして、プロテクタ30の上面に当接させて取入口3へ差し込む。この状態で、印字を行なうと、ファンフォールド紙Sは、プリンタ本体1の下部の収納空間Eから順次引き上げられて行く。
【0019】
この場合、ファンフォールド紙Sはプリンタ本体1の下部に形成された収納空間Eに収納されるので、従来のように、プリンタ本体1の周囲に位置しないことから、周囲のスペースを狭めることがなくなり、それだけ、スペース効率が向上させられる。
また、ファンフォールド紙Sが、収納空間Eから順次引き上げられて行く際には、プロテクタ30を摺接するので、プロテクタ30に覆われたコネクタ4に干渉することがなく、それだけ、移行が円滑に行なわれる。
【0020】
図5には、別の実施の形態に係るプリンタPのベース部材10及び脚部材20を示している。これは、上記と略同様に構成されるが、上記と異なって、各脚部材20がプリンタ本体1に対して着脱可能になるように、ファンフォールド紙Sの移動方向左右において、ベース部材10の下側縁部に、夫々設けられている。詳しくは、ベース部材10の両下側縁部には、長手方向に沿ってアリ溝40が形成されている一方、脚部材20の一側縁部にはアリ溝40に係合するホゾ41が形成されており、このアリ溝40に、ホゾ41をスライドさせて挿通することにより、脚部材20は、ベース部材10に対して装着されるようになっている。
【0021】
従って、この実施の形態に係るプリンタPによれば、倉庫への収納時や搬送時など未使用時においては、脚部材20をベース部材10から外しておく。そのため、全体がコンパクトになり、プリンタPの収納スペースを小さいものにすることができる。
また、プリンタPを設置して使用するときは、脚部材20をそのホゾ41をベース部材10のアリ溝40に挿通させて係合し、組み立てる。これにより、プリンタ本体1の下部には、ファンフォールド紙Sを収納する収納空間Eが形成される。これにより、上記と同様の作用,効果が奏される。
【0022】
図6には、また別の実施の形態に係るプリンタPの脚部材20を示している。これは、図5に示す脚部材20と略同様に構成されるが、上記と異なって、各脚部材20が高さ可変に形成されている。詳しくは、各脚部材20は、長尺分割体20Aと、1つまたは複数(実施の形態では1つ)の短尺分割体20Bに互いに連結可能に分割形成されている。詳しくは、長尺分割体20A及び短尺分割体20Bの上端縁には、ベース部材10のアリ溝40に係合可能な形状のホゾ41が形成されており、これらの下端縁にはこれらのホゾ41が係合可能な形状のアリ溝40が形成されている。
【0023】
従って、この実施の形態に係るプリンタPによれば、先ず、脚部材20の長尺分割体20Aをベース部材10に取り付ける。そして、必要に応じ、短尺分割体20Bを長尺分割体20Aに連結する。これにより、収容空間E内に載置されるファンフォールド紙Sは、用紙の厚みや枚数により高さが異なるが、脚部材20の高さが可変なるので、脚部材20の高さ調整を行なって、ファンフォールド紙Sをその高さに応じて収容できるようになる。他の作用,効果は上記と同様である。
尚、上記短尺分割体20Bは、1つではなく、複数設けるようにしてよい。その場合には、高さ調整の自由度が増す。
尚また、上記実施例では脚部材20の高さ調整は、分割体20A,20Bの連結若しくは解除を行なうことにより実現したが、必ずしもこれに眼底されるものではなく、脚部材20を伸縮可能に形成して実現するなど、適宜変更して差支えない。
【0024】
また、上記実施の形態において、脚部材20をベース部材10に設けたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、プリンタ本体1に直接設けるようにしてもよく、適宜変更して差支えない。しかし、脚部材20をベース部材10に設けた方が、プリンタ本体1に加工を施すことをしなくてもよいことから、汎用性が増し、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタを示す一部切欠き正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリンタを示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプリンタにおいて脚部材の倒置位置の状態を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るプリンタにおいて脚部材の倒置位置及び立設位置の状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に係るプリンタのベース部材及び脚部材を示す斜視図である。
【図6】本発明のまた別の実施の形態に係るプリンタのベース部材及び脚部材を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
P プリンタ
S ファンフォールド紙
1 プリンタ本体
2 一側面
3 取入口
4 コネクタ
10 ベース部材
11 位置決めピン
20 脚部材
E 収納空間
X 立設位置
Y 倒置位置
20A 長尺分割体
20B 短尺分割体
21 ヒンジ
22 ロックピン
30 プロテクタ
40 アリ溝
41 ホゾ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面にファンフォールド紙を取り入れる取入口を有し該取入口からを取り入れたファンフォールド紙に対して印字を行なうプリンタ本体を備えたプリンタにおいて、
上記プリンタ本体を支持するとともに、上記プリンタ本体の下部に上記取入口に至るファンフォールド紙を収納する収納空間を形成する脚部材を備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
上記脚部材を、上記プリンタ本体に対して折り畳み可能にしたことを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
上記脚部材を、上記プリンタ本体に対して着脱可能にしたことを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項4】
上記プリンタ本体を支持するベース部材を備え、上記脚部材を、上記ベース部材に設けたことを特徴とする請求項2または3記載のプリンタ。
【請求項5】
上記プリンタ本体の一側面に、上記収納空間から上記取入口に至るファンフォールド紙が摺接し、該プリンタ本体の一側面の一部を覆うプロテクタを設けたことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のプリンタ。
【請求項6】
上記脚部材を高さ可変に形成したことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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