プリント基板はんだ付け検査方法および検査装置
【目的】プリント基板のはんだのみの2値画像を得ることにより、高精度かつ迅速にはんだの外観を検査する検査方法および装置の提供する。
【構成】プリント基板上のはんだを外観検査する方法において、プリント基板を波長の異なる複数の照明で照射し、撮影装置で撮影し、得られる複数のプリント基板画像を、画像間演算し、プリント基板のはんだのみの2値画像を得ることにより、はんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査方法。
【構成】プリント基板上のはんだを外観検査する方法において、プリント基板を波長の異なる複数の照明で照射し、撮影装置で撮影し、得られる複数のプリント基板画像を、画像間演算し、プリント基板のはんだのみの2値画像を得ることにより、はんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板の表面のパターンの検査、例えば、プリント基板のはんだ付けの状態を、外観検査する検査方法および検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】部品をはんだ付けしたプリント基板では、そのはんだ付けに不良が生じていないかどうか、外観から検査を行なう必要がある。ところが、はんだ付け不良の外観の特徴(はんだブリッジや穴あきなど)が、プリント基板に印刷された、座標や部品を表示するための印刷文字(以下シルク文字と称す)の特徴と非常によく似ているために、両者の区別がつかず、検査を困難にしている。例えば、はんだブリッジとシルク文字の英数字の1は、面積、長さ、周囲長などの特徴に差がなく、また、はんだの穴あきは、シルク文字の6,8,9等の穴の形状と、特徴が同じであり、区別するのが困難である。
【0003】そこで、従来、シルク文字の影響をなくすため、特開昭60−256004号公報に記載されているような方法が提案されている。この方法は、テレビカメラ等で撮影したプリント基板の画像に対し、はんだ付け部に検査ウインドウを設定し、その検査ウインドウ内に、不良が存在するかどうか判断する検査方法である。また、外観検査の他の方法として、特開昭64−54303、特開昭64−73205号公報のように、実装する部品のリードを挿入するランドの孔形状パターンを、ランドパタ−ン記憶手段に予め記憶させておき、テレビカメラ等で撮影したプリント基板の画像を、明度に応じて2値化し、得られた2値画像と、記憶しているランドパターンとを重ねあわせ、比較することにより、はんだ付け不良を判定する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術において、はんだ付け検査ウインドウを用いる方法は、不良の発生する場所を予測してウインドウを設定するために、予期しない所に発生した不良については、ウインドウが設定されておらず、検出することができなかった。また、プリント基板の種類ごとに、はんだ付けの位置、およびシルク文字の位置が異なるため、プリント基板の種類が変わるたびに、検査ウインドウの設定を変更しなければならず、設定変更に多くの時間を要した。
【0005】ランドパタ−ンと重ね合わせ、比較をする方法は、シルク文字やマスキングテ−プが、はんだのすぐそばに存在する場合、はんだと区別することが困難であった。また、プリント基板の種類ごと、そのプリント基板上のはんだ検査ポイントごとに、ランドパタ−ンを記憶させなければならず、画像メモリと入力時間を多大に必要とした。
【0006】本発明は、プリント基板種類ごとに、前もって検査用のパターンを作成する必要がなく、プリント基板上のはんだを、はんだ以外のものから区別して、高精度かつ迅速に、はんだのみの画像を得て、外観検査を行なうことができる、プリント基板はんだ付け検査方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよび外観類似要素からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とから両者に共通ではない画像部分を除去して第3のプリント基板画像を得、この第3のプリント基板画像と上記第1のプリント基板画像とから両者に共通な画像部分を除去して、はんだの部分は画像要素として含まれるが外観類似要素の部分は画像要素として含まれない、第4のプリント基板画像を得て、この第4のプリント基板画像を用いて、外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法が提供される。
【0008】また本発明の第2の態様によれば、含まれる波長成分に相違がある2種の照明をプリント基板に照射する照明装置と、それぞれの照明でプリント基板を撮影する撮影装置と、得られた画像データからはんだの画像を要素として含む画像データを生成する画像処理装置とを備え、上記撮影装置は、はんだおよび外観類似要素が背景より相対的に強い光強度となるようにして撮影した第1の画像データと、はんだが外観類似要素および背景より相対的に弱い光強度となるようにして撮影した第2の画像データとを生成する手段を備え、上記画像処理装置は、撮影装置からの画像データを2値化処理して、はんだおよび外観類似要素の画像を要素として含む第1の2値画像、および、はんだの画像を要素として含まない第2の2値画像を生成する2値化手段と、両者の2値化画像について論理演算して、はんだの画像を要素として含み、かつ、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを生成する画像間演算手段とを備え、この画像データを用いてはんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査装置が提供される。
【0009】
【作用】本発明の第1の態様によるプリント基板はんだ付け検査方法の作用は、以下の通りである。はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板を照明し、はんだと外観類似要素が画像要素として含まれる第1のプリント基板画像と、はんだ以外の部分が画像要素として含まれる第2のプリント基板画像を撮影する。第1のプリント基板画像と、第2のプリント基板画像を、画像処理して、両者に共通でない部分を除いて、共通部分のみの画像を得て、それを第3のプリント基板画像とする。つぎに、第3のプリント基板画像と、第1のプリント基板画像から、共通な画像部分を除き、はんだは写っているが、外観類似要素は写っていない第4のプリント基板画像を得る。この第4のプリント基板画像を用いて、はんだの外観特徴から、はんだ付けの検査を自動的に行なう。
【0010】本発明の第2の態様であるプリント基板はんだ付け検査装置は、以下のように作用する。波長成分の異なる2種類の照明装置で、プリント基板を照明し、はんだが外的類似要素および背景より、相対的に強い光強度の第1の画像データと、はんだが外観類似要素および背景より、相対的に弱い光強度の第2の画像データとを、撮影装置で生成する。画像処理手段は、これらの画像データを適当なレベルで2値化処理することにより、第1の画像をデータを、はんだおよび外的類似要素を含む2値化画像に、第2の画像データを、はんだを画像処理要素として含まない2値化画像に処理する。更に、得られた2つの2値化画像を、論理演算して、はんだの画像を要素として含み、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを生成する。この画像を用いて、はんだ付けのはんだ部分の外観検査を自動的に行なう。
【0011】本発明のプリント基板はんだ付け検査方法および装置は、プリント基板の種類別に設定する必要のあるウインドウ等のデ−タを予め入力することなく、外観類似要素の画像を含まない、はんだの画像を得ることが可能であり、この画像を用いてはんだの外観を検査することにより、外観類似要素による虚報が、低減できる為、プリント基板はんだ付検査装置の操作性や、検査結果の信頼性向上に貢献できる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例の構成を、図2は、プリント基板の発光した螢光強度の波長依存性を、図3は、照明光の波長特性を、図4は、反射光の波長特性を、図5は、反射光の2値化画像を、図6は、画像処理の論理積結果画像を、図7は画像処理のマスク処理結果画像を、図8は画像処理のフローチャートを、図9は、はんだ付け部分の特徴的な形状を、図10は、はんだ穴あきの良否自動判定のフローチャートを、図11は、はんだブリッジの良否自動判定のフローチャートをそれぞれ示す。
【0014】本発明の一実施例のプリント基板はんだ付け検査システムの構成を、図1に示す。プリント基板には、図5(a)のように、背景となるはんだ付けレジスト2が塗布され、その上に表・裏面に座標や部品を表示するためのシルク文字1が印刷されており、さらに、部品(図示せず)が、はんだ3、16、17により、はんだ付けされている。ここで、シルク文字1は、はんだと外観が似ている要素として観察される。
【0015】図1において、プリント基板12はx、y方向に移動することができる。プリント基板の上部には、複数の赤色発光ダイオード(波長660nm)を縦横に並べて形成した4枚のパネル状の赤色照明装置11が、プリント基板に接触しないように、固定されている。4枚のパネル状の赤色照明装置11は、発光面を内側にして互いに非接触に、向き合うように配置され、プリント基板12を照明する。赤色照明装置11のさらに上部には水銀照明装置8が固定されており、水銀照明装置8から照射された光は、フィルター9を通過した後、ミラー10により偏向されて、4枚の赤色照明装置11の間から、プリント基板12を照明する。カメラ4は、プリント基板12の上部に固定され、カラーフィルタ5または6を通して、4枚の赤色照明装置11の間から、プリント基板12を撮影する。カラーフィルタ5、6は、シリンダ7に固定されており、シリンダ7を動かすことによって、フィルタ5または6が選択される。カメラ4に撮影された画像は、カメラ4に接続された画像処理装置13により、画像処理を施され、画像処理装置13に接続された表示装置14に写し出される。更に、画像処理装置13では、はんだ部分の良否が判別される。
【0016】画像処理装置13は、例えば、図15に示すようなハードウエア構成を有する。すなわち、この画像処理装置13は、画像処理を主として行う画像処理部1320と、該画像処理部1320の制御を含む各種制御およびデータ処理を実行するデータ処理部1310とを備える。
【0017】データ処理部1310は、中央処理装置(CPU)1311と、このCPU1311の動作プログラムや処理データを格納する主記憶1312と、キーボード1314およびマウス1315等の入力機器が接続される入力インタフェース1313と、プログラムやデータを格納する磁気ディスク装置1316と、CRT等の表示装置14および図示していないプリンタ等が接続される出力インタフェース1317とを備える。これらの機器は、バス1319を介して接続される。また、バス1319には、画像処理部1320が接続される。主記憶1312には、例えば、図8に示す画像処理、図10に示すはんだ穴あき自動判定処理、図11に示すはんだブリッジ自動判定処理、図14に示す学習処理等の各種処理を、画像処理部1320と共に実行するための手順を示すプログラムが格納される。
【0018】画像処理部1320は、画像データの2値化、画像データ間の演算等の画像データの各種処理を分担実行する画像処理プロセッサ群1321と、この画像処理プロセッサ群1321の動作プログラムを格納する制御メモリ1322と、画像データを格納する画像メモリ1323と、2値化された画像データを格納する2値メモリ1324と、カメラ4と接続されて、撮影された画像データを取り込むためのインタフェース1325と、バス1319との接続を取るインタフェース1326とを備えている。制御メモリには、図8等に示される各種処理における画像処理を実行するための動作プログラムが格納されている。
【0019】次に、本実施例の動作について説明する。まず、検査を行う前に行われる、はんだ部分の画像を取りだすための画像処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。この処理は、同図に示すように、画像入力(ステップ801,803)と、2値化処理(ステップ802,804)と、論理積処理(ステップ805)と、ノイズ除去処理(ステップ806)と、画像反転処理(ステップ807)と、マスク処理(ステップ808)とを順次実行する。
【0020】まず、画像の入力を行う(ステップ801,803)。カメラ4に、カラーフィルタ(JIS記号B460)5をセットし、赤色照明装置11を点灯し、プリント基板12を照明し、反射光をカメラ4により撮影し、画像をインタフェース1325を介して、画像処理装置13の画像メモリ1323に取り込む。次に、シリンダ7により、カメラ4に、カラ−フィルタ−(Y52)6をセットし、赤色照明装置11を消灯し、水銀照明装置8を点灯する。水銀照明装置8の発光スペクトルの中から、435nm近辺のスペクトルのみを、カラ−フィルタ−(L42,B390)9により選択的に通過させ、反射ミラー10で偏向した後、プリント基板12に照射し、プリント基板12の発光する螢光を、カメラ4により撮影し、画像をインタフェース1325を介して、画像処理装置13の画像メモリ1323に取り込む。画像入力後、プリント基板12の移動と、画像処理を同時に行なう。処理終了後、以上の動作を繰り返す。
【0021】プリント基板に励起光を照射した時、発光する螢光強度の波長依存性を、図2に示す。はんだ付け後のプリント基板12の表面上には、シルク文字(樹脂:エポキシ樹脂,着色顔料:二酸化チタン)、はんだ付けレジスト(樹脂:ビスフェノ−ル固形・液状エポキシ,着色顔料:フタロシニアグリ−ン)、はんだの3種類の成分が存在する。有機物であるエポキシ系樹脂は、螢光を強く発光し、無機物であるはんだは、ほとんど螢光を発光しない、という特徴を有する。本実施例に使用した励起光の波長特性を、図2(a)に示す。図2(a)からわかるように、励起光は、435nmにピークを有する。プリント基板12に、この435nm近辺の励起光を照射して、それぞれの成分の発する螢光強度の波長依存性を測定したところ、図2(c)に示すような、螢光が得られた。励起光の反射光は、図2(b)に示すような、約500nmより波長の短い光をカットするカラーフィルタで取り除いた。図2(c)において、1はシルク文字、2ははんだ付けレジスト、3ははんだの発光する螢光強度の波長依存性を示す。プリント基板から発光する螢光強度は、図2(c)からわかるように、いずれも500から600nm付近にピークをもち、シルク文字1、はんだ付けレジスト2、はんだ3の順に強く発光される。
【0022】照明とカラ−フィルタ−の波長特性を、図3により説明する。赤色照明装置11の発光スペクトルは、図3(a)のように660nm近辺にピークを有する赤色光である。また、水銀照明装置8の発光スペクトルは、図3(b)のような特性であり、図3(c)のような波長透過特性を示すカラ−フィルタ−(L42,B390)9を用いて、図3(d)に示すような435nm付近にピークをもつスペクトルを選択して、励起光とし、プリント基板12に照射する。
【0023】次に、入力された画像の2値化を行う(図8、ステップ802,804)。2値化は、画像の光量(明るさ)を、あるしきい値でスライスすることにより行う。このしきい値は、取り出そうとする画像要素に応じて決められる。
【0024】ここで、この2値化について、図4,5に示す、プリント基板からの反射光および発光する螢光の特性を参照して説明する。赤色照明装置11使用時のプリント基板12の反射光は、図4(a)に示すような波長透過特性を有するカラ−フィルタ−(B460)5を通してカメラに撮影すると、図4(b)に示すように、シルク文字1と、はんだ3の部分が明るく映り、はんだ付けレジスト2部分が暗く映る。この画像を、図4(b)に示したように、はんだ付けレジストの反射光をカットするようなしきい値で、2値化する画像処理を施すと、図5(a)に示すように、赤色照明装置11の2値画像15は、シルク文字1とはんだ3の反射光が、”1”オンとして出力され、レジスト2の反射光は、”0”オフとして出力される。
【0025】水銀照明装置8使用時のプリント基板12からは、励起光の反射光と、プリント基板上の各成分が発する螢光が発光される。励起光をカラ−フィルタ−(Y52)6でカットすると、シルク文字1が明るく、レジスト2がやや明るく、はんだ3が暗く映る。この画像をあるしきい値で2値化する画像処理を施すと、図5(b)に示すように、水銀照明装置2の2値画像18は、シルク文字1と、背景のはんだ付けレジスト2のうち原因不明で局所的に螢光を強く発する部分30が”1”オンとなり、それ以外は、”0”オフとなる。
【0026】2値化と共に、画像処理部1320(図15)で行われる、論理積処理805、ノイズ除去処理806、画面反転処理807およびマスク処理808(図8)について説明する。なお、これらの処理が終わった後、外観検査等の不良判定(図8、ステップ800)が行われる。
【0027】図9に、はんだ付け部分の、特徴的な形状を示す。図9において、良品はんだを、はんだ21〜24、不良はんだを、はんだ16、25〜28に示す。
【0028】前述のように得られた赤色照明で撮影した2値画像15(図5)のみで、はんだ付け不良であるはんだブリッジ16や穴あき17(図9)を検出しようとすると、はんだブリッジ16は、良品のはんだ3と比較すると、面積、長さ、周囲長等で差があるので区別できるが、シルク文字1と比較すると、特徴が似ているので区別できない。又、穴あき17は、穴の面積や、穴の数等で検出することができるが、シルク文字1が英数字の”4,6,8,9”等である場合、判別できない。従って、シルク文字1によるはんだ不良の虚報が多く発生することになる。
【0029】そこで、シルク文字1のみの画像を得るために、赤色照明装置11の2値画像15と、水銀照明装置8の2値画像18との論理積(AND)処理(図8、ステップ805)を行なったのが、図6の論理積結果画像19である。図6に示すように、シルク文字1のみの2値画像が得られる。この論理積結果画像19を白黒反転し(ステップ807)、マスクパタ−ンとして、赤色照明装置11の2値画像15に重ねる(ステップ808:マスク処理)と、図7のマスク処理結果画像20のような、シルク文字1を除去した、はんだ3のみの2値画像を得ることができる。
【0030】ここで、赤色照明装置11の2値化画像15と水銀照明装置8の2値化画像18との論理積(AND)処理(ステップ805)は、背景であるはんだ付けレジスト中に存在する、局所的に螢光を強く発する部分30を、除くために行なった手法である。背景中に、このような局所的に螢光を強く発する部分30が生じない場合や、2値化処理で、局所的に螢光を強く発する部分30も0”オフ”とできる場合や、局所的に螢光を強く発する部分30の外観が、はんだの外観と似ておらず誤認する可能性が無い場合には、ステップ805の論理積処理を行なわず、直接水銀照明装置8の2値化画像18をマスクパターンとして、ステップ808を行なうことができる。
【0031】次に、得られたはんだの画像を用いて、はんだ部分についての検査を行う。本実施例では、はんだ穴あき検査と、はんだブリッジ検査の例を示す。なお、これらの検査は、検査として、よく知られたものであるので、概要を説明するに止める。
【0032】はんだ穴あき検査は、図10のフローチャートに示す手順にしたがって、実行される。画像処理部1320は、2値化されたはんだの画像データを2値メモリ1324から読みだし(ステップ101)、図9に示すようなはんだ穴17について、ヒストグラム処理を行って、穴の面積を求める(ステップ102)。そして、CPU1311は、求めた穴の面積を、予め設定した基準画素数(ここでは、19)と比較して、穴面積が19以上であれば、不良と判定する(ステップ104)。また、穴面積が19未満であれば、良品と判定する(ステップ105)。
【0033】はんだブリッジ検査は、図11のフローチャートに示す手順にしたがって、実行される。画像処理部1320は、2値化されたはんだの画像データを2値メモリ1324から読みだし(ステップ1101)、ノイズ除去処理(ステップ1102)を行う。次に、図9に示すようなはんだ部分について、そのx,y方向の長さおよび面積をヒストグラム処理により求める(ステップ1103)。その結果を用いて、CPU1311は、xy比と、面積に対するxyの比(面積比)を求める(ステップ1104)。そして、xy比と面積比とが、85<xy比<115, 60<面積比<140であれば、良品と判定する(ステップ1105,1109)。
【0034】一方、この条件を満たさない場合、上記x,yとは45度傾いた方向について、長辺と短辺とを求める(ステップ1106)。求めた短辺と長辺とについて、28≦短辺, 40<(長−短)
であれば、不良品と判定する(ステップ1108)。この関係を満たさなければ、良品と判定する(ステップ1109)。
【0035】また、図9に示す、沿面距離不足のはんだ付け27を検査する場合には、隣接するはんだ画像を、例えば、2回膨張させる(ステップ1110)。その後、独立のはんだ付け部分の数(物体個数)係数する。この個数をn2、膨張前の個数をn1として、n1−n2>0であれば、膨張後に、隣接するはんだ付け部分が連結して、独立のはんだ付け部分が減少したことになり、直前に処理したものが、沿面距離不足であることがわかる(ステップ1111)。
【0036】以上のように、本実施例を用いることにより、前もって検査用のパターンを作成することなく、シルク文字を除いた、はんだのみの2値画像を、プリント基板全面にわたって得ることができる。従って、この画像を用いることにより、前もって予測することなく、また、シルク文字による虚報を低減し、プリント基板全面にわたって、はんだ付け不良を、自動的に、高精度で、迅速に検出することができる。
【0037】上述した実施例では、プリント基板1枚一撮影部位ごとにシルク文字のみのマスクを作成し、マスク処理を行ない、はんだのみの2値画像を得て、はんだ付け検査を行ない、次にプリント基板を移動して撮影部位を移動し、同様の検査を行なう、検査方法を説明した。同一のシルク文字が印刷されたプリント基板を、多数検査する場合においては、一枚目のプリント基板で、プリント基板のシルク文字のマスクを作成、記憶し、このマスクを2枚目以降のプリント基板の検査に使用する、シルク文字マスク学習機能を有する検査方法も可能である。この検査方法においては、シルク文字のみのマスクを作成する動作が、最初の1枚目のみでよいため、検査動作を減少することができ、より迅速に、コストを押さえた検査を行なうことが可能である。
【0038】図14に、この処理のフローチャートを示す。図14に示すフローチャートは、1枚目の処理については、基本的に、図8に示すフローチャートと同じである。すなわち、赤色照明画像入力(ステップ801)、2値化(ステップ802)、水銀照明画像入力(ステップ803)、2値化(ステップ804)、画像間演算(ステップ805)、ノイズ除去(ステップ806)、マスクパターン作成(ステップ807)、マスク処理(ステップ808)、不良判定(ステップ800)の各処理を行う。この他に、作成されたマスクパターンを画像メモリに格納する処理(ステップ1401)と、1枚目が終了か否か判定する処理(ステップ1402)と、判定結果を出力する処理(ステップ1403)とが加わる。また、2枚目以降に付いての処理は、赤色照明画像入力処理(ステップ801)の後、画像メモリからマスクパターンを読みだして、マスク処理(ステップ808)を行う。そして、不良判定(ステップ800)を行って、当該基板についての処理が終了したか否か判定し(ステップ1404)、その結果を出力する(ステップ1405)。以後、これを繰り返す。
【0039】本実施例では、波長435nmの励起光を使用したが、励起光の波長は、この波長に限定されるものではなく、はんだ付けレジスト、シルク文字、はんだの発する螢光強度に差が生じる波長であればよい。発光する螢光の波長は、励起光の波長より長くなるという特性を有するため、螢光の波長が可視光になるように、励起光の波長を選択することが好ましい。この場合、螢光を撮影するカメラは、通常の可視光用カメラを使用することができる。また、発光する螢光が、赤外光になるような励起光の波長を使用しても良く、この場合、螢光を撮影するカメラは、赤外線カメラなどのように、発光する螢光を撮影可能なカメラを使用すれば良く、同様に、本発明を実施することができる。
【0040】従って、使用する水銀照明のスペクトルは、435nm近辺のスペクトルに限らず、405nm等、他のスペクトルでもよい。この405nm近辺のスペクトルを使用する場合の、カラーフィルタの使用例を図12に示す。図12(a)に示す発光スペクトルを有する水銀照明に、図12(b)に示す透過率特性を有する2枚のカラーフィルタ(B−370、L−39)を使用することにより、図12(c)に示す405nm近辺のスペクトルを選択できる。このようなスペクトルを励起光として、プリント基板に照射し、プリント基板板画像を撮影する際に、図12(c)に示す透過特性を有するカラーフィルタY−48を使用することにより、励起光の反射光が除かれ、螢光のみの画像を得ることができる。
【0041】また、励起光用の照明装置は、水銀照明装置に限らず、励起光として使用する波長に、強いスペクトルを有するものであればよい。例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプなどが、使用可能である。使用可能なランプのスペクトル例を、図13に示す。図13(a)に示したのは、キセノンランプをベースにしたランプ(商品名DeepUVランプ、ウシオ電機社製)の発光スペクトルであり、図13(b)に示したのはハロゲンランプ(商品名HTI、OSRAM社製)の発光スペクトルである。これらのランプのスペクトルを、カラーフィルタによって、選択して使用することができる。また、発光ダイオード、レーザー光源を使用することもできる。これらの光源を使用した場合には、励起光の波長選択フィルターを使用しなくてもよい。
【0042】また、本実施例では、赤色照明装置11を使用したが、この照明に限定されるものではなく、照明したときの反射光の強度が、シルク文字とはんだは相対的に強く、はんだ付けレジストは相対的に弱くなるものであれば良い。画像処理により、本実施例と同様の効果を得ることが可能である。
【0043】本実施例においては、画像処理により得られた図7のはんだのみの2値画像を用いて、はんだの外観検査を行なったが、図6のシルク文字1のみの2値画像を用いて、シルク文字1の外観検査を行なうことが可能である。更に、図5(b)の局所的に螢光を強く発するはんだ付けレジスト30およびシルク文字1の2値画像と、図6のシルク文字1のみの2値画像を、差分処理するすることにより、局所的に螢光を強く発するはんだ付けレジスト30のみの2値画像を得ることができる。この局所的に螢光を強く発するはんだ付けレジストのみの2値画像を用いて、はんだ付けレジストの外観検査を行なうことが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、プリント基板種類ごとに、前もって検査用のパターンを作成する必要がなく、プリント基板上のはんだを、はんだ以外のものから区別して、高精度かつ迅速に、はんだのみの画像を得て、外観検査を行なうことができる、プリント基板はんだ付け検査方法および装置を提供することができる。
【0045】プリント基板の入力画像から、はんだと外観が類似しているシルク文字を除去し、はんだのみの2値画像が得られるので、画面内のはんだ付不良を一括処理し、シルク文字による虚報を、低減できる。又、プリント基板の種類別にウインドウ等のデ−タを作成する必要が無くなり、デ−タ作成時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を説明する図。
【図2】プリント基板の発光する螢光強度の波長依存性を示す図。
【図3】照明光とカラ−フィルタ−の波長特性を示す図。
【図4】反射光とカラ−フィルタ−の波長特性を示す図。
【図5】反射光と螢光の2値画像を示す図。
【図6】2つの2値画像の論理積演算結果を示す図。
【図7】マスク処理結果画像を示す図。
【図8】画像処理の方法を説明するフロ−チャ−ト。
【図9】特徴的なはんだの形状を示す図。
【図10】はんだ穴あきの自動判定を説明するフローチャート。
【図11】はんだブリッジの自動判定を説明するフローチャート。
【図12】励起光スペクトルの別の実施例を示す図。
【図13】励起光用照明ランプの別の例を示す図。
【図14】学習機能を有するプリント基板はんだ付け検査方法の一例を示すフローチャート。
【図15】本発明の一実施例のシステム構成図。
【符号の説明】
1…シルク文字、2…はんだ付けレジスト、3…はんだ、4…カメラ、5…カラーフィルター(B460)、6…カラーフィルター(Y52)、7…シリンダー、8…水銀照明装置、9…カラーフィルター、10…反射ミラー、11…赤色照明装置、12…プリント基板、13…画像処理装置、14…モニター、15…赤色照明2値画像、16…はんだブリッジ、17…穴あき、18…水銀照明2値画像、19…論理積結果画像、20…マスク処理結果画像
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板の表面のパターンの検査、例えば、プリント基板のはんだ付けの状態を、外観検査する検査方法および検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】部品をはんだ付けしたプリント基板では、そのはんだ付けに不良が生じていないかどうか、外観から検査を行なう必要がある。ところが、はんだ付け不良の外観の特徴(はんだブリッジや穴あきなど)が、プリント基板に印刷された、座標や部品を表示するための印刷文字(以下シルク文字と称す)の特徴と非常によく似ているために、両者の区別がつかず、検査を困難にしている。例えば、はんだブリッジとシルク文字の英数字の1は、面積、長さ、周囲長などの特徴に差がなく、また、はんだの穴あきは、シルク文字の6,8,9等の穴の形状と、特徴が同じであり、区別するのが困難である。
【0003】そこで、従来、シルク文字の影響をなくすため、特開昭60−256004号公報に記載されているような方法が提案されている。この方法は、テレビカメラ等で撮影したプリント基板の画像に対し、はんだ付け部に検査ウインドウを設定し、その検査ウインドウ内に、不良が存在するかどうか判断する検査方法である。また、外観検査の他の方法として、特開昭64−54303、特開昭64−73205号公報のように、実装する部品のリードを挿入するランドの孔形状パターンを、ランドパタ−ン記憶手段に予め記憶させておき、テレビカメラ等で撮影したプリント基板の画像を、明度に応じて2値化し、得られた2値画像と、記憶しているランドパターンとを重ねあわせ、比較することにより、はんだ付け不良を判定する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の技術において、はんだ付け検査ウインドウを用いる方法は、不良の発生する場所を予測してウインドウを設定するために、予期しない所に発生した不良については、ウインドウが設定されておらず、検出することができなかった。また、プリント基板の種類ごとに、はんだ付けの位置、およびシルク文字の位置が異なるため、プリント基板の種類が変わるたびに、検査ウインドウの設定を変更しなければならず、設定変更に多くの時間を要した。
【0005】ランドパタ−ンと重ね合わせ、比較をする方法は、シルク文字やマスキングテ−プが、はんだのすぐそばに存在する場合、はんだと区別することが困難であった。また、プリント基板の種類ごと、そのプリント基板上のはんだ検査ポイントごとに、ランドパタ−ンを記憶させなければならず、画像メモリと入力時間を多大に必要とした。
【0006】本発明は、プリント基板種類ごとに、前もって検査用のパターンを作成する必要がなく、プリント基板上のはんだを、はんだ以外のものから区別して、高精度かつ迅速に、はんだのみの画像を得て、外観検査を行なうことができる、プリント基板はんだ付け検査方法および装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよび外観類似要素からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とから両者に共通ではない画像部分を除去して第3のプリント基板画像を得、この第3のプリント基板画像と上記第1のプリント基板画像とから両者に共通な画像部分を除去して、はんだの部分は画像要素として含まれるが外観類似要素の部分は画像要素として含まれない、第4のプリント基板画像を得て、この第4のプリント基板画像を用いて、外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法が提供される。
【0008】また本発明の第2の態様によれば、含まれる波長成分に相違がある2種の照明をプリント基板に照射する照明装置と、それぞれの照明でプリント基板を撮影する撮影装置と、得られた画像データからはんだの画像を要素として含む画像データを生成する画像処理装置とを備え、上記撮影装置は、はんだおよび外観類似要素が背景より相対的に強い光強度となるようにして撮影した第1の画像データと、はんだが外観類似要素および背景より相対的に弱い光強度となるようにして撮影した第2の画像データとを生成する手段を備え、上記画像処理装置は、撮影装置からの画像データを2値化処理して、はんだおよび外観類似要素の画像を要素として含む第1の2値画像、および、はんだの画像を要素として含まない第2の2値画像を生成する2値化手段と、両者の2値化画像について論理演算して、はんだの画像を要素として含み、かつ、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを生成する画像間演算手段とを備え、この画像データを用いてはんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査装置が提供される。
【0009】
【作用】本発明の第1の態様によるプリント基板はんだ付け検査方法の作用は、以下の通りである。はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板を照明し、はんだと外観類似要素が画像要素として含まれる第1のプリント基板画像と、はんだ以外の部分が画像要素として含まれる第2のプリント基板画像を撮影する。第1のプリント基板画像と、第2のプリント基板画像を、画像処理して、両者に共通でない部分を除いて、共通部分のみの画像を得て、それを第3のプリント基板画像とする。つぎに、第3のプリント基板画像と、第1のプリント基板画像から、共通な画像部分を除き、はんだは写っているが、外観類似要素は写っていない第4のプリント基板画像を得る。この第4のプリント基板画像を用いて、はんだの外観特徴から、はんだ付けの検査を自動的に行なう。
【0010】本発明の第2の態様であるプリント基板はんだ付け検査装置は、以下のように作用する。波長成分の異なる2種類の照明装置で、プリント基板を照明し、はんだが外的類似要素および背景より、相対的に強い光強度の第1の画像データと、はんだが外観類似要素および背景より、相対的に弱い光強度の第2の画像データとを、撮影装置で生成する。画像処理手段は、これらの画像データを適当なレベルで2値化処理することにより、第1の画像をデータを、はんだおよび外的類似要素を含む2値化画像に、第2の画像データを、はんだを画像処理要素として含まない2値化画像に処理する。更に、得られた2つの2値化画像を、論理演算して、はんだの画像を要素として含み、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを生成する。この画像を用いて、はんだ付けのはんだ部分の外観検査を自動的に行なう。
【0011】本発明のプリント基板はんだ付け検査方法および装置は、プリント基板の種類別に設定する必要のあるウインドウ等のデ−タを予め入力することなく、外観類似要素の画像を含まない、はんだの画像を得ることが可能であり、この画像を用いてはんだの外観を検査することにより、外観類似要素による虚報が、低減できる為、プリント基板はんだ付検査装置の操作性や、検査結果の信頼性向上に貢献できる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例の構成を、図2は、プリント基板の発光した螢光強度の波長依存性を、図3は、照明光の波長特性を、図4は、反射光の波長特性を、図5は、反射光の2値化画像を、図6は、画像処理の論理積結果画像を、図7は画像処理のマスク処理結果画像を、図8は画像処理のフローチャートを、図9は、はんだ付け部分の特徴的な形状を、図10は、はんだ穴あきの良否自動判定のフローチャートを、図11は、はんだブリッジの良否自動判定のフローチャートをそれぞれ示す。
【0014】本発明の一実施例のプリント基板はんだ付け検査システムの構成を、図1に示す。プリント基板には、図5(a)のように、背景となるはんだ付けレジスト2が塗布され、その上に表・裏面に座標や部品を表示するためのシルク文字1が印刷されており、さらに、部品(図示せず)が、はんだ3、16、17により、はんだ付けされている。ここで、シルク文字1は、はんだと外観が似ている要素として観察される。
【0015】図1において、プリント基板12はx、y方向に移動することができる。プリント基板の上部には、複数の赤色発光ダイオード(波長660nm)を縦横に並べて形成した4枚のパネル状の赤色照明装置11が、プリント基板に接触しないように、固定されている。4枚のパネル状の赤色照明装置11は、発光面を内側にして互いに非接触に、向き合うように配置され、プリント基板12を照明する。赤色照明装置11のさらに上部には水銀照明装置8が固定されており、水銀照明装置8から照射された光は、フィルター9を通過した後、ミラー10により偏向されて、4枚の赤色照明装置11の間から、プリント基板12を照明する。カメラ4は、プリント基板12の上部に固定され、カラーフィルタ5または6を通して、4枚の赤色照明装置11の間から、プリント基板12を撮影する。カラーフィルタ5、6は、シリンダ7に固定されており、シリンダ7を動かすことによって、フィルタ5または6が選択される。カメラ4に撮影された画像は、カメラ4に接続された画像処理装置13により、画像処理を施され、画像処理装置13に接続された表示装置14に写し出される。更に、画像処理装置13では、はんだ部分の良否が判別される。
【0016】画像処理装置13は、例えば、図15に示すようなハードウエア構成を有する。すなわち、この画像処理装置13は、画像処理を主として行う画像処理部1320と、該画像処理部1320の制御を含む各種制御およびデータ処理を実行するデータ処理部1310とを備える。
【0017】データ処理部1310は、中央処理装置(CPU)1311と、このCPU1311の動作プログラムや処理データを格納する主記憶1312と、キーボード1314およびマウス1315等の入力機器が接続される入力インタフェース1313と、プログラムやデータを格納する磁気ディスク装置1316と、CRT等の表示装置14および図示していないプリンタ等が接続される出力インタフェース1317とを備える。これらの機器は、バス1319を介して接続される。また、バス1319には、画像処理部1320が接続される。主記憶1312には、例えば、図8に示す画像処理、図10に示すはんだ穴あき自動判定処理、図11に示すはんだブリッジ自動判定処理、図14に示す学習処理等の各種処理を、画像処理部1320と共に実行するための手順を示すプログラムが格納される。
【0018】画像処理部1320は、画像データの2値化、画像データ間の演算等の画像データの各種処理を分担実行する画像処理プロセッサ群1321と、この画像処理プロセッサ群1321の動作プログラムを格納する制御メモリ1322と、画像データを格納する画像メモリ1323と、2値化された画像データを格納する2値メモリ1324と、カメラ4と接続されて、撮影された画像データを取り込むためのインタフェース1325と、バス1319との接続を取るインタフェース1326とを備えている。制御メモリには、図8等に示される各種処理における画像処理を実行するための動作プログラムが格納されている。
【0019】次に、本実施例の動作について説明する。まず、検査を行う前に行われる、はんだ部分の画像を取りだすための画像処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。この処理は、同図に示すように、画像入力(ステップ801,803)と、2値化処理(ステップ802,804)と、論理積処理(ステップ805)と、ノイズ除去処理(ステップ806)と、画像反転処理(ステップ807)と、マスク処理(ステップ808)とを順次実行する。
【0020】まず、画像の入力を行う(ステップ801,803)。カメラ4に、カラーフィルタ(JIS記号B460)5をセットし、赤色照明装置11を点灯し、プリント基板12を照明し、反射光をカメラ4により撮影し、画像をインタフェース1325を介して、画像処理装置13の画像メモリ1323に取り込む。次に、シリンダ7により、カメラ4に、カラ−フィルタ−(Y52)6をセットし、赤色照明装置11を消灯し、水銀照明装置8を点灯する。水銀照明装置8の発光スペクトルの中から、435nm近辺のスペクトルのみを、カラ−フィルタ−(L42,B390)9により選択的に通過させ、反射ミラー10で偏向した後、プリント基板12に照射し、プリント基板12の発光する螢光を、カメラ4により撮影し、画像をインタフェース1325を介して、画像処理装置13の画像メモリ1323に取り込む。画像入力後、プリント基板12の移動と、画像処理を同時に行なう。処理終了後、以上の動作を繰り返す。
【0021】プリント基板に励起光を照射した時、発光する螢光強度の波長依存性を、図2に示す。はんだ付け後のプリント基板12の表面上には、シルク文字(樹脂:エポキシ樹脂,着色顔料:二酸化チタン)、はんだ付けレジスト(樹脂:ビスフェノ−ル固形・液状エポキシ,着色顔料:フタロシニアグリ−ン)、はんだの3種類の成分が存在する。有機物であるエポキシ系樹脂は、螢光を強く発光し、無機物であるはんだは、ほとんど螢光を発光しない、という特徴を有する。本実施例に使用した励起光の波長特性を、図2(a)に示す。図2(a)からわかるように、励起光は、435nmにピークを有する。プリント基板12に、この435nm近辺の励起光を照射して、それぞれの成分の発する螢光強度の波長依存性を測定したところ、図2(c)に示すような、螢光が得られた。励起光の反射光は、図2(b)に示すような、約500nmより波長の短い光をカットするカラーフィルタで取り除いた。図2(c)において、1はシルク文字、2ははんだ付けレジスト、3ははんだの発光する螢光強度の波長依存性を示す。プリント基板から発光する螢光強度は、図2(c)からわかるように、いずれも500から600nm付近にピークをもち、シルク文字1、はんだ付けレジスト2、はんだ3の順に強く発光される。
【0022】照明とカラ−フィルタ−の波長特性を、図3により説明する。赤色照明装置11の発光スペクトルは、図3(a)のように660nm近辺にピークを有する赤色光である。また、水銀照明装置8の発光スペクトルは、図3(b)のような特性であり、図3(c)のような波長透過特性を示すカラ−フィルタ−(L42,B390)9を用いて、図3(d)に示すような435nm付近にピークをもつスペクトルを選択して、励起光とし、プリント基板12に照射する。
【0023】次に、入力された画像の2値化を行う(図8、ステップ802,804)。2値化は、画像の光量(明るさ)を、あるしきい値でスライスすることにより行う。このしきい値は、取り出そうとする画像要素に応じて決められる。
【0024】ここで、この2値化について、図4,5に示す、プリント基板からの反射光および発光する螢光の特性を参照して説明する。赤色照明装置11使用時のプリント基板12の反射光は、図4(a)に示すような波長透過特性を有するカラ−フィルタ−(B460)5を通してカメラに撮影すると、図4(b)に示すように、シルク文字1と、はんだ3の部分が明るく映り、はんだ付けレジスト2部分が暗く映る。この画像を、図4(b)に示したように、はんだ付けレジストの反射光をカットするようなしきい値で、2値化する画像処理を施すと、図5(a)に示すように、赤色照明装置11の2値画像15は、シルク文字1とはんだ3の反射光が、”1”オンとして出力され、レジスト2の反射光は、”0”オフとして出力される。
【0025】水銀照明装置8使用時のプリント基板12からは、励起光の反射光と、プリント基板上の各成分が発する螢光が発光される。励起光をカラ−フィルタ−(Y52)6でカットすると、シルク文字1が明るく、レジスト2がやや明るく、はんだ3が暗く映る。この画像をあるしきい値で2値化する画像処理を施すと、図5(b)に示すように、水銀照明装置2の2値画像18は、シルク文字1と、背景のはんだ付けレジスト2のうち原因不明で局所的に螢光を強く発する部分30が”1”オンとなり、それ以外は、”0”オフとなる。
【0026】2値化と共に、画像処理部1320(図15)で行われる、論理積処理805、ノイズ除去処理806、画面反転処理807およびマスク処理808(図8)について説明する。なお、これらの処理が終わった後、外観検査等の不良判定(図8、ステップ800)が行われる。
【0027】図9に、はんだ付け部分の、特徴的な形状を示す。図9において、良品はんだを、はんだ21〜24、不良はんだを、はんだ16、25〜28に示す。
【0028】前述のように得られた赤色照明で撮影した2値画像15(図5)のみで、はんだ付け不良であるはんだブリッジ16や穴あき17(図9)を検出しようとすると、はんだブリッジ16は、良品のはんだ3と比較すると、面積、長さ、周囲長等で差があるので区別できるが、シルク文字1と比較すると、特徴が似ているので区別できない。又、穴あき17は、穴の面積や、穴の数等で検出することができるが、シルク文字1が英数字の”4,6,8,9”等である場合、判別できない。従って、シルク文字1によるはんだ不良の虚報が多く発生することになる。
【0029】そこで、シルク文字1のみの画像を得るために、赤色照明装置11の2値画像15と、水銀照明装置8の2値画像18との論理積(AND)処理(図8、ステップ805)を行なったのが、図6の論理積結果画像19である。図6に示すように、シルク文字1のみの2値画像が得られる。この論理積結果画像19を白黒反転し(ステップ807)、マスクパタ−ンとして、赤色照明装置11の2値画像15に重ねる(ステップ808:マスク処理)と、図7のマスク処理結果画像20のような、シルク文字1を除去した、はんだ3のみの2値画像を得ることができる。
【0030】ここで、赤色照明装置11の2値化画像15と水銀照明装置8の2値化画像18との論理積(AND)処理(ステップ805)は、背景であるはんだ付けレジスト中に存在する、局所的に螢光を強く発する部分30を、除くために行なった手法である。背景中に、このような局所的に螢光を強く発する部分30が生じない場合や、2値化処理で、局所的に螢光を強く発する部分30も0”オフ”とできる場合や、局所的に螢光を強く発する部分30の外観が、はんだの外観と似ておらず誤認する可能性が無い場合には、ステップ805の論理積処理を行なわず、直接水銀照明装置8の2値化画像18をマスクパターンとして、ステップ808を行なうことができる。
【0031】次に、得られたはんだの画像を用いて、はんだ部分についての検査を行う。本実施例では、はんだ穴あき検査と、はんだブリッジ検査の例を示す。なお、これらの検査は、検査として、よく知られたものであるので、概要を説明するに止める。
【0032】はんだ穴あき検査は、図10のフローチャートに示す手順にしたがって、実行される。画像処理部1320は、2値化されたはんだの画像データを2値メモリ1324から読みだし(ステップ101)、図9に示すようなはんだ穴17について、ヒストグラム処理を行って、穴の面積を求める(ステップ102)。そして、CPU1311は、求めた穴の面積を、予め設定した基準画素数(ここでは、19)と比較して、穴面積が19以上であれば、不良と判定する(ステップ104)。また、穴面積が19未満であれば、良品と判定する(ステップ105)。
【0033】はんだブリッジ検査は、図11のフローチャートに示す手順にしたがって、実行される。画像処理部1320は、2値化されたはんだの画像データを2値メモリ1324から読みだし(ステップ1101)、ノイズ除去処理(ステップ1102)を行う。次に、図9に示すようなはんだ部分について、そのx,y方向の長さおよび面積をヒストグラム処理により求める(ステップ1103)。その結果を用いて、CPU1311は、xy比と、面積に対するxyの比(面積比)を求める(ステップ1104)。そして、xy比と面積比とが、85<xy比<115, 60<面積比<140であれば、良品と判定する(ステップ1105,1109)。
【0034】一方、この条件を満たさない場合、上記x,yとは45度傾いた方向について、長辺と短辺とを求める(ステップ1106)。求めた短辺と長辺とについて、28≦短辺, 40<(長−短)
であれば、不良品と判定する(ステップ1108)。この関係を満たさなければ、良品と判定する(ステップ1109)。
【0035】また、図9に示す、沿面距離不足のはんだ付け27を検査する場合には、隣接するはんだ画像を、例えば、2回膨張させる(ステップ1110)。その後、独立のはんだ付け部分の数(物体個数)係数する。この個数をn2、膨張前の個数をn1として、n1−n2>0であれば、膨張後に、隣接するはんだ付け部分が連結して、独立のはんだ付け部分が減少したことになり、直前に処理したものが、沿面距離不足であることがわかる(ステップ1111)。
【0036】以上のように、本実施例を用いることにより、前もって検査用のパターンを作成することなく、シルク文字を除いた、はんだのみの2値画像を、プリント基板全面にわたって得ることができる。従って、この画像を用いることにより、前もって予測することなく、また、シルク文字による虚報を低減し、プリント基板全面にわたって、はんだ付け不良を、自動的に、高精度で、迅速に検出することができる。
【0037】上述した実施例では、プリント基板1枚一撮影部位ごとにシルク文字のみのマスクを作成し、マスク処理を行ない、はんだのみの2値画像を得て、はんだ付け検査を行ない、次にプリント基板を移動して撮影部位を移動し、同様の検査を行なう、検査方法を説明した。同一のシルク文字が印刷されたプリント基板を、多数検査する場合においては、一枚目のプリント基板で、プリント基板のシルク文字のマスクを作成、記憶し、このマスクを2枚目以降のプリント基板の検査に使用する、シルク文字マスク学習機能を有する検査方法も可能である。この検査方法においては、シルク文字のみのマスクを作成する動作が、最初の1枚目のみでよいため、検査動作を減少することができ、より迅速に、コストを押さえた検査を行なうことが可能である。
【0038】図14に、この処理のフローチャートを示す。図14に示すフローチャートは、1枚目の処理については、基本的に、図8に示すフローチャートと同じである。すなわち、赤色照明画像入力(ステップ801)、2値化(ステップ802)、水銀照明画像入力(ステップ803)、2値化(ステップ804)、画像間演算(ステップ805)、ノイズ除去(ステップ806)、マスクパターン作成(ステップ807)、マスク処理(ステップ808)、不良判定(ステップ800)の各処理を行う。この他に、作成されたマスクパターンを画像メモリに格納する処理(ステップ1401)と、1枚目が終了か否か判定する処理(ステップ1402)と、判定結果を出力する処理(ステップ1403)とが加わる。また、2枚目以降に付いての処理は、赤色照明画像入力処理(ステップ801)の後、画像メモリからマスクパターンを読みだして、マスク処理(ステップ808)を行う。そして、不良判定(ステップ800)を行って、当該基板についての処理が終了したか否か判定し(ステップ1404)、その結果を出力する(ステップ1405)。以後、これを繰り返す。
【0039】本実施例では、波長435nmの励起光を使用したが、励起光の波長は、この波長に限定されるものではなく、はんだ付けレジスト、シルク文字、はんだの発する螢光強度に差が生じる波長であればよい。発光する螢光の波長は、励起光の波長より長くなるという特性を有するため、螢光の波長が可視光になるように、励起光の波長を選択することが好ましい。この場合、螢光を撮影するカメラは、通常の可視光用カメラを使用することができる。また、発光する螢光が、赤外光になるような励起光の波長を使用しても良く、この場合、螢光を撮影するカメラは、赤外線カメラなどのように、発光する螢光を撮影可能なカメラを使用すれば良く、同様に、本発明を実施することができる。
【0040】従って、使用する水銀照明のスペクトルは、435nm近辺のスペクトルに限らず、405nm等、他のスペクトルでもよい。この405nm近辺のスペクトルを使用する場合の、カラーフィルタの使用例を図12に示す。図12(a)に示す発光スペクトルを有する水銀照明に、図12(b)に示す透過率特性を有する2枚のカラーフィルタ(B−370、L−39)を使用することにより、図12(c)に示す405nm近辺のスペクトルを選択できる。このようなスペクトルを励起光として、プリント基板に照射し、プリント基板板画像を撮影する際に、図12(c)に示す透過特性を有するカラーフィルタY−48を使用することにより、励起光の反射光が除かれ、螢光のみの画像を得ることができる。
【0041】また、励起光用の照明装置は、水銀照明装置に限らず、励起光として使用する波長に、強いスペクトルを有するものであればよい。例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプなどが、使用可能である。使用可能なランプのスペクトル例を、図13に示す。図13(a)に示したのは、キセノンランプをベースにしたランプ(商品名DeepUVランプ、ウシオ電機社製)の発光スペクトルであり、図13(b)に示したのはハロゲンランプ(商品名HTI、OSRAM社製)の発光スペクトルである。これらのランプのスペクトルを、カラーフィルタによって、選択して使用することができる。また、発光ダイオード、レーザー光源を使用することもできる。これらの光源を使用した場合には、励起光の波長選択フィルターを使用しなくてもよい。
【0042】また、本実施例では、赤色照明装置11を使用したが、この照明に限定されるものではなく、照明したときの反射光の強度が、シルク文字とはんだは相対的に強く、はんだ付けレジストは相対的に弱くなるものであれば良い。画像処理により、本実施例と同様の効果を得ることが可能である。
【0043】本実施例においては、画像処理により得られた図7のはんだのみの2値画像を用いて、はんだの外観検査を行なったが、図6のシルク文字1のみの2値画像を用いて、シルク文字1の外観検査を行なうことが可能である。更に、図5(b)の局所的に螢光を強く発するはんだ付けレジスト30およびシルク文字1の2値画像と、図6のシルク文字1のみの2値画像を、差分処理するすることにより、局所的に螢光を強く発するはんだ付けレジスト30のみの2値画像を得ることができる。この局所的に螢光を強く発するはんだ付けレジストのみの2値画像を用いて、はんだ付けレジストの外観検査を行なうことが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、プリント基板種類ごとに、前もって検査用のパターンを作成する必要がなく、プリント基板上のはんだを、はんだ以外のものから区別して、高精度かつ迅速に、はんだのみの画像を得て、外観検査を行なうことができる、プリント基板はんだ付け検査方法および装置を提供することができる。
【0045】プリント基板の入力画像から、はんだと外観が類似しているシルク文字を除去し、はんだのみの2値画像が得られるので、画面内のはんだ付不良を一括処理し、シルク文字による虚報を、低減できる。又、プリント基板の種類別にウインドウ等のデ−タを作成する必要が無くなり、デ−タ作成時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を説明する図。
【図2】プリント基板の発光する螢光強度の波長依存性を示す図。
【図3】照明光とカラ−フィルタ−の波長特性を示す図。
【図4】反射光とカラ−フィルタ−の波長特性を示す図。
【図5】反射光と螢光の2値画像を示す図。
【図6】2つの2値画像の論理積演算結果を示す図。
【図7】マスク処理結果画像を示す図。
【図8】画像処理の方法を説明するフロ−チャ−ト。
【図9】特徴的なはんだの形状を示す図。
【図10】はんだ穴あきの自動判定を説明するフローチャート。
【図11】はんだブリッジの自動判定を説明するフローチャート。
【図12】励起光スペクトルの別の実施例を示す図。
【図13】励起光用照明ランプの別の例を示す図。
【図14】学習機能を有するプリント基板はんだ付け検査方法の一例を示すフローチャート。
【図15】本発明の一実施例のシステム構成図。
【符号の説明】
1…シルク文字、2…はんだ付けレジスト、3…はんだ、4…カメラ、5…カラーフィルター(B460)、6…カラーフィルター(Y52)、7…シリンダー、8…水銀照明装置、9…カラーフィルター、10…反射ミラー、11…赤色照明装置、12…プリント基板、13…画像処理装置、14…モニター、15…赤色照明2値画像、16…はんだブリッジ、17…穴あき、18…水銀照明2値画像、19…論理積結果画像、20…マスク処理結果画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよび外観類似要素からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とから両者に共通ではない画像部分を除去して第3のプリント基板画像を得、この第3のプリント基板画像と上記第1のプリント基板画像とから両者に共通な画像部分を除去して、はんだの部分は画像要素として含まれるが外観類似要素の部分は画像要素として含まれない、第4のプリント基板画像を得て、この第4のプリント基板画像を用いて、外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項2】はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよび外観類似要素からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像から第2のプリント基板画像を除去して、はんだの部分は画像要素として含まれるが外観類似要素の部分は画像要素として含まれない、第3のプリント基板画像を得て、この第3のプリント基板画像を用いて、外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項3】請求項1または2において、含まれる波長成分に相違がある2種の照明を用いて、第1のプリント基板画像を生成するための照明と、第2のプリント基板画像を生成するための照明とを行う、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項4】請求項1、2または3において、第2のプリント基板画像を生成する際、外観類似要素からの放射光をフィルタを用いて選択的に受光することを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項5】請求項1、2、3または4において、外観類似要素からの螢光を受光して第2のプリント基板画像を生成する、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項6】請求項1、2、3、4または5において、外観類似要素が、プリント基板上に描かれるシルク文字である、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6において、第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とを、それぞれ2値画像として生成する、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項8】はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、含まれる波長成分に相違がある2種の照明を用いてプリント基板を照明し、それぞれの照明でプリント基板を撮影すると共に、2値化処理して、はんだおよび外観類似要素の画像を要素として含む第1の2値画像と、はんだの画像を要素として含まない第2の2値画像とを生成し、両者の画像データについて論理演算して、はんだの画像を要素として含み、かつ、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを得て、この画像データを用いてはんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項9】含まれる波長成分に相違がある2種の照明をプリント基板に照射する照明装置と、それぞれの照明でプリント基板を撮影する撮影装置と、得られた画像データからはんだの画像を要素として含む画像データを生成する画像処理装置とを備え、上記撮影装置は、はんだおよび外観類似要素が背景より相対的に強い光強度となるようにして撮影した第1の画像データと、はんだが外観類似要素および背景より相対的に弱い光強度となるようにして撮影した第2の画像データとを生成する手段を備え、上記画像処理装置は、撮影装置からの画像データを2値化処理して、はんだおよび外観類似要素の画像を要素として含む第1の2値画像、および、はんだの画像を要素として含まない第2の2値画像を生成する2値化手段と、両者の2値化画像について論理演算して、はんだの画像を要素として含み、かつ、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを生成する画像間演算手段とを備え、この画像データを用いてはんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項10】請求項9において、前記の照明装置は、前記第1の画像データが可視光についての画像となる光を照射する照明装置と、前記第2の画像データが螢光についての画像となる励起光を照射する照明装置である、プリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項11】請求項9または10において、前記照明装置は、波長成分が600から700nmの範囲にある光を照射する照明装置と、波長成分が500nm以下の範囲にある励起光を照射する照明装置である、プリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項12】請求項9、10または11において、前記撮影装置の第2の画像データを生成する手段は、外観類似要素からの放射光を選択的に透過させるフィルタを有することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項13】請求項9、10、11または12において、外観類似要素が、プリント基板上に描かれるシルク文字である、プリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項14】はんだと、外観がはんだと似ているシルク文字と、はんだ付けレジストとが表われているプリント基板について、シルク文字またははんだ付けレジストの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよびシルク文字からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とから両者に共通ではない画像部分を除去してシルク文字の部分のみの画像を要素として含む第3のプリント基板画像を得、この第3のプリント基板画像と上記第2のプリント基板画像とから両者に共通な画像部分を除去して、はんだ付けレジストの局所的に放射光の強い部分のみの画像を要素として含む、第4のプリント基板画像を得て、この第3のプリント基板画像を用いて、シルク文字の外観検査を行ない、第4のプリント基板画像を用いてはんだ付けレジストの外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板検査方法。
【請求項1】はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよび外観類似要素からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とから両者に共通ではない画像部分を除去して第3のプリント基板画像を得、この第3のプリント基板画像と上記第1のプリント基板画像とから両者に共通な画像部分を除去して、はんだの部分は画像要素として含まれるが外観類似要素の部分は画像要素として含まれない、第4のプリント基板画像を得て、この第4のプリント基板画像を用いて、外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項2】はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよび外観類似要素からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像から第2のプリント基板画像を除去して、はんだの部分は画像要素として含まれるが外観類似要素の部分は画像要素として含まれない、第3のプリント基板画像を得て、この第3のプリント基板画像を用いて、外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項3】請求項1または2において、含まれる波長成分に相違がある2種の照明を用いて、第1のプリント基板画像を生成するための照明と、第2のプリント基板画像を生成するための照明とを行う、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項4】請求項1、2または3において、第2のプリント基板画像を生成する際、外観類似要素からの放射光をフィルタを用いて選択的に受光することを特徴とする、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項5】請求項1、2、3または4において、外観類似要素からの螢光を受光して第2のプリント基板画像を生成する、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項6】請求項1、2、3、4または5において、外観類似要素が、プリント基板上に描かれるシルク文字である、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6において、第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とを、それぞれ2値画像として生成する、プリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項8】はんだと、外観がはんだと似ている外観類似要素と、背景とが表われているプリント基板について、はんだの外観を検査する場合において、含まれる波長成分に相違がある2種の照明を用いてプリント基板を照明し、それぞれの照明でプリント基板を撮影すると共に、2値化処理して、はんだおよび外観類似要素の画像を要素として含む第1の2値画像と、はんだの画像を要素として含まない第2の2値画像とを生成し、両者の画像データについて論理演算して、はんだの画像を要素として含み、かつ、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを得て、この画像データを用いてはんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査方法。
【請求項9】含まれる波長成分に相違がある2種の照明をプリント基板に照射する照明装置と、それぞれの照明でプリント基板を撮影する撮影装置と、得られた画像データからはんだの画像を要素として含む画像データを生成する画像処理装置とを備え、上記撮影装置は、はんだおよび外観類似要素が背景より相対的に強い光強度となるようにして撮影した第1の画像データと、はんだが外観類似要素および背景より相対的に弱い光強度となるようにして撮影した第2の画像データとを生成する手段を備え、上記画像処理装置は、撮影装置からの画像データを2値化処理して、はんだおよび外観類似要素の画像を要素として含む第1の2値画像、および、はんだの画像を要素として含まない第2の2値画像を生成する2値化手段と、両者の2値化画像について論理演算して、はんだの画像を要素として含み、かつ、外観類似要素の画像を要素として含まない画像データを生成する画像間演算手段とを備え、この画像データを用いてはんだの外観を検査することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項10】請求項9において、前記の照明装置は、前記第1の画像データが可視光についての画像となる光を照射する照明装置と、前記第2の画像データが螢光についての画像となる励起光を照射する照明装置である、プリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項11】請求項9または10において、前記照明装置は、波長成分が600から700nmの範囲にある光を照射する照明装置と、波長成分が500nm以下の範囲にある励起光を照射する照明装置である、プリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項12】請求項9、10または11において、前記撮影装置の第2の画像データを生成する手段は、外観類似要素からの放射光を選択的に透過させるフィルタを有することを特徴とするプリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項13】請求項9、10、11または12において、外観類似要素が、プリント基板上に描かれるシルク文字である、プリント基板はんだ付け検査装置。
【請求項14】はんだと、外観がはんだと似ているシルク文字と、はんだ付けレジストとが表われているプリント基板について、シルク文字またははんだ付けレジストの外観を検査する場合において、上記プリント基板を照明し、はんだおよびシルク文字からの放射光を受光して第1のプリント基板画像を生成し、上記プリント基板を照明し、はんだ以外の部分からの放射光を受光して第2のプリント基板画像を生成し、上記第1のプリント基板画像と第2のプリント基板画像とから両者に共通ではない画像部分を除去してシルク文字の部分のみの画像を要素として含む第3のプリント基板画像を得、この第3のプリント基板画像と上記第2のプリント基板画像とから両者に共通な画像部分を除去して、はんだ付けレジストの局所的に放射光の強い部分のみの画像を要素として含む、第4のプリント基板画像を得て、この第3のプリント基板画像を用いて、シルク文字の外観検査を行ない、第4のプリント基板画像を用いてはんだ付けレジストの外観検査を行うことを特徴とする、プリント基板検査方法。
【図1】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図9】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開平5−26636
【公開日】平成5年(1993)2月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−150568
【出願日】平成3年(1991)6月21日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【公開日】平成5年(1993)2月2日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)6月21日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
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