プルプリントシステム、データ処理装置、データ処理プログラム、及び印刷装置
【課題】印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減するプルプリントシステムを提供する。
【解決手段】プルプリントシステムであって、印刷装置は、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを有し、データ処理装置は、いずれかの印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、印刷ジョブを印刷装置に送信する制御手段であって、判断手段で整合しないと判断された場合は印刷ジョブを送信しないか又は印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段とを有する。
【解決手段】プルプリントシステムであって、印刷装置は、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを有し、データ処理装置は、いずれかの印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、印刷ジョブを印刷装置に送信する制御手段であって、判断手段で整合しないと判断された場合は印刷ジョブを送信しないか又は印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルプリントシステム、データ処理装置、データ処理プログラム、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷クライアント端末、プリントサーバ、及びプルプリント印刷装置を備え、プルプリント印刷装置でユーザがプルプリントを要求すると、プルプリント印刷装置がプリントサーバから印刷ジョブを取得して印刷する印刷システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この印刷システムでは、印刷クライアント端末からプリントサーバへの印刷要求時に印刷先のプルプリント印刷装置を指定することなく印刷要求を送信し、プリントサーバはその印刷要求と印刷ドキュメントから印刷ジョブを生成してプリントキューに格納する。そして、ユーザがプルプリント印刷装置のUI操作によりプルプリントを要求すると、そのプルプリント印刷装置がプリントサーバから印刷ジョブを取得して印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−202723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷要求を行う場合、一般にユーザは印刷装置の印刷機能と整合する範囲内で印刷ジョブに各種の印刷設定を行う。
しかしながら、従来の印刷システムは印刷要求時に印刷先のプルプリント印刷装置を指定しないものであるので、印刷先のプルプリント印刷装置によっては印刷ジョブの印刷設定とそのプルプリント印刷装置の印刷機能とが整合しないことが起こり得る。
すなわち、従来の印刷システムは、プリントサーバで生成された印刷ジョブの印刷設定とプルプリント印刷装置の印刷機能とが整合することが前提であり、印刷ジョブの印刷設定とプルプリント印刷装置の印刷機能とが整合しない場合については考慮されていなかった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減するプルプリントシステム、データ処理装置、データ処理プログラム、及び印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、データ処理装置と、前記データ処理装置と通信可能に接続されている1以上の印刷装置とを備えるプルプリントシステムであって、前記印刷装置は、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを有し、前記データ処理装置は、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段とを有する。
【0008】
印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうと、実行途中でエラーとなってそれまでの時間が無駄になってしまう虞がある。例えば、印刷設定では両面印刷が設定されているのにプルプリント要求が入力された印刷装置は片面印刷しかできないとすると、実行途中でエラーが発生してしまい、ユーザがプルプリント要求を入力してからエラーが発生するまでの時間が無駄になってしまう虞がある。
【0009】
この発明によると、印刷ジョブの印刷設定とプルプリント要求が入力された印刷装置の印刷機能とが整合しない場合はその印刷ジョブを送信しないか又はその印刷ジョブの印刷設定を修正して送信するので、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。これにより、印刷ジョブの実行途中でエラーが発生してしまうことによる時間の無駄を低減できる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明のプルプリントシステムであって、前記印刷装置は、前記入力手段によってプルプリント要求が入力されると、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、前記判断手段は、前記選択手段によって選択された印刷ジョブの印刷設定が当該印刷装置の印刷機能と整合するか否かを判断し、前記制御手段は、前記判断手段で整合しないと判断された場合は当該印刷装置の印刷機能と整合するように当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する。
【0011】
この発明によると、ユーザにより選択された印刷ジョブの印刷設定とプルプリント要求が入力された印刷装置の印刷機能とが整合しない場合は印刷ジョブの印刷設定を修正して実行するので、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明のプルプリントシステムであって、前記制御手段は、前記判断手段で整合しないと判断された場合に、当該選択された印刷ジョブの印刷設定を当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を生成し、生成した整合情報を当該印刷装置に送信する整合情報送信手段を有し、前記印刷装置は、前記データ処理装置から整合情報を受信する整合情報受信手段と、前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段とを有し、前記制御手段は、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置から受信した修正情報に基づいて当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正するジョブ修正手段を有する。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブの印刷設定を修正する場合に、ユーザが印刷設定を修正することができる。
【0013】
第4の発明は、第1の発明のプルプリントシステムであって、前記判断手段は、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると前記ジョブ記憶手段に記憶されている各印刷ジョブについてその印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断し、前記印刷装置は、前記判断手段によって整合すると判断された印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、前記制御手段は、前記選択手段で選択された印刷ジョブを送信する。
【0014】
この発明によると、ユーザは印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合する印刷ジョブしか選択できないので、結果として印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブは実行されない。これにより、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0015】
第5の発明は、第1〜第4のいずれかの発明のプルプリントシステムであって、前記判断手段は、前記印刷装置の印刷機能を示す機能情報を外部から取得する取得手段と、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると、前記取得手段により当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の機能情報を取得し、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを前記機能情報に基づいて判断する機能情報判断手段とを有する。
【0016】
この発明によると、外部から印刷装置の印刷機能を示す機能情報を取得するので、データ処理装置の管理者は予めデータ処理装置に各印刷装置の印刷機能を示す機能情報を記憶させておかなくてもよい。これにより、管理者がデータ処理装置に各印刷装置の機能情報を記憶させる手間を低減できる。
【0017】
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明のプルプリントシステムであって、前記印刷ジョブはいずれの前記印刷装置にも依存しない形式のファイルであり、前記制御手段は、前記印刷ジョブを当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換する変換手段を有する。
【0018】
この発明によると、解釈可能な印刷ジョブの形式が印刷装置間で統一されていなくてもよいので、解釈可能な印刷ジョブの形式が互いに異なる複数の印刷装置でプルプリントシステムを構成することができる。したがって、プルプリントシステムをより柔軟に構成できる。
【0019】
第7の発明は、第6の発明のプルプリントシステムであって、前記データ処理装置は、プリンタドライバを記憶するためのドライバ記憶手段と、プルプリント要求が入力された前記印刷装置のプリンタドライバが前記ドライバ記憶手段に記憶されているか否かを判断するドライバ有無判断手段と、前記ドライバ有無判断手段によって否定判断された場合に、所定の装置から当該印刷装置のプリンタドライバをダウンロードして前記ドライバ記憶手段に記憶させるダウンロード手段とを有し、前記変換手段は、前記ドライバ記憶手段に記憶されているプリンタドライバを用いて前記印刷ジョブを変換する。
この発明によると、ドライバ記憶手段にプリンタドライバが記憶されていない印刷装置であってもその印刷装置で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換することができる。
【0020】
第8の発明は、第7の発明のプルプリントシステムであって、前記データ処理装置は、前記変換手段によって変換に用いられたプリンタドライバが前記ダウンロード手段によってダウンロードされたものである場合に、前記変換手段によって変換に用いられた後に当該プリンタドライバを前記ドライバ記憶手段から削除するドライバ削除手段を有する。
【0021】
この発明によると、例えば頻繁にプルプリントされない印刷装置のプリンタドライバはドライバ記憶手段に記憶しておかないようにしてその都度ダウンロードし、変換後はドライバ記憶手段から削除することにより、ドライバ記憶手段の記憶領域を節約できる。
一方、頻繁にプルプリントされる印刷装置のプリンタドライバについてはドライバ記憶手段に記憶させておくことにより、プリンタドライバのダウンロードに要する時間を不要にでき、より短時間に印刷結果を得ることができる。
【0022】
第9の発明は、第1〜第8のいずれかの発明のプルプリントシステムであって、前記データ処理装置は、前記制御手段によって印刷ジョブを送信すると、送信済みの印刷ジョブを削除するよう設定されているか否かを判断し、削除するよう設定されている場合は当該印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段から削除する印刷ジョブ削除手段を有する。
【0023】
データ処理装置に記憶されている印刷ジョブがプルプリントされるのは1回であるとは限らないので、印刷ジョブを送信した後に直ちにその印刷ジョブを削除するようにすると、ユーザにとって不便な場合がある。
この発明によると、送信済みの印刷ジョブを削除しないように設定されている場合は当該印刷ジョブをジョブ記憶手段から削除しないので、ユーザの利便性が向上する。
【0024】
第10の発明は、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置であって、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段と、を備える。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0025】
第11の発明は、データ処理プログラムであって、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置を、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段として機能させる。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0026】
第12の発明は、データ処理装置と通信可能に接続されている印刷装置であって、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、前記データ処理装置から、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定を当該印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を受信する整合情報受信手段と、前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段と、を備える。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブの印刷設定を修正する場合に、ユーザが印刷設定を修正することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係るプルプリントシステムの構成を示すブロック図。
【図2】プルプリントシステムのプログラム構成を示すブロック図。
【図3】中間ファイル記憶処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図4】中間ファイル記憶処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図5】ジョブ情報テーブルの模式図。
【図6】プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図7】プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図8】プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図9】中間ファイル管理処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図10】中間ファイル管理処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図11】ジョブ管理画面の模式図。
【図12】実施形態2に係るプルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図13】実施形態2に係るプルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
(1)プルプリントシステムの構成
図1は、本発明の実施形態1に係るプルプリントシステム1の構成を示すブロック図である。プルプリントシステム1は、いずれかのプリンタ20でプルプリント要求が入力されると、サーバ10に記憶されている印刷ジョブを当該プルプリント要求が入力されたプリンタ20に送信して印刷するシステムである。
【0030】
プルプリントシステム1は、サーバ10(データ処理装置の一例)と、1以上のプリンタ20(印刷装置の一例)とで構成されている。1以上のプリンタ20は互いに同じ機種であってもよいし、互いに異なる機種であってもよい。PC30は、サーバ10に印刷ジョブを記憶させるための装置である。サーバ10、プリンタ20、及びPC30は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide area network)などの通信ネットワーク2によって通信可能に接続されている。
なお、プリンタ20は、LANに接続されてユーザにその印刷機能が予め知られているものの他に、外部拠点(プルプリントサービスを提供する店舗など)に設置された印刷機能が予め知られていないものも対象としている。
【0031】
(1−1)サーバの電気的構成
サーバ10は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、及び、ネットワークインタフェース15を備えて構成されている。
CPU11(判断手段、制御手段、機能情報判断手段、ジョブ修正手段、変換手段、ドライバ有無判断手段、ドライバ削除手段、印刷ジョブ削除手段の一例)は、ROM12や記憶部14に記憶されている各種のプログラムを実行することによりサーバ10の各部を制御する。ROM12にはCPU11が実行するための各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM13はCPU11が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0032】
記憶部14(ジョブ記憶手段、ドライバ記憶手段の一例)は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体を用いて各種のプログラムやデータを記憶する外部記憶装置である。
ネットワークインタフェース15(整合情報送信手段、取得手段、ダウンロード手段の一例)は、通信ネットワーク2を介してプリンタ20などの外部の機器と接続されている。
【0033】
(1−2)プリンタの電気的構成
プリンタ20は、制御部21、印刷部22、操作部23、ネットワークインタフェース24などを備えて構成されている。
制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備えている。CPUはROMに記憶されているプリンタ制御プログラムを実行することによりプリンタ20の各部を制御する。ROMにはCPUが実行するための各種のプログラムやデータなどが記憶されている他、プリンタ20が備える印刷機能を示す機能情報も記憶されている。RAMはCPUが各種の制御を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0034】
印刷部22(印刷手段の一例)は、印刷ジョブを実行して紙などの被記録媒体にレーザー方式、LED方式、インクジェット方式などで画像を印刷する。
操作部23(入力手段、選択手段、修正情報入力手段の一例)は、ユーザがプリンタ20を操作するための各種のボタンや、液晶ディスプレイなどの表示装置を備えている。
ネットワークインタフェース24(整合情報受信手段、修正情報送信手段の一例)は、通信ネットワーク2を介してサーバ10などの外部の機器と接続されている。
【0035】
(1−3)PCの電気的構成
PC30は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶部34、表示部35、操作部36、及び、ネットワークインタフェース37を備えて構成されている。PC30の電気的構成は表示部35や操作部36を備えていることを除いてサーバ10と実質的に同一であるので説明は省略する。
【0036】
(2)プルプリントシステムのプログラム構成
図2は、プルプリントシステム1のプログラム構成を示すブロック図である。ここではプリンタ20のROMに記憶されている機能情報48も併せて示している。
先ず、PC30にインストールされるプログラム構成を説明する。
アプリケーションプログラム41(以下「アプリケーション」という)はOSを介してプリンタドライバに印刷対象ページの印刷を要求するプログラムであり、具体的にはワードプロセッサや表計算ソフトなどである。
プルプリント用のプリンタドライバ42(以下「プリンタドライバ」という)は、プリンタ20に依存しない形式の中間ファイル(印刷ジョブの一例)を生成するためのプログラムである。
【0037】
バックエンドプログラム43(以下「バックエンド」という)は、プリンタドライバ42で生成された中間ファイルをサーバ10に送信するためのプログラムである。
ジョブ管理プログラム44は、サーバ10に記憶されている印刷ジョブを管理するためのプログラムである。
【0038】
次に、サーバ10にインストールされるプログラム構成を説明する。
プルプリントデーモンプログラム45(データ処理プログラムの一例、以下「プルプリントデーモン」という)は常駐プログラムであり、プルプリントの全体を制御するプログラムである。
【0039】
プリンタ20用のプリンタドライバ46は、プリンタ20の機種毎に作成されたプログラムであって、中間ファイルをそのプリンタドライバ46に対応する機種のプリンタ20で解釈可能な形式の印刷データ(印刷ジョブの一例)に変換するためのプログラムである。ただし、サーバ10は全ての機種についてプリンタドライバ46を記憶しているとは限らず、機種によってはプリンタドライバ46がサーバ10に記憶されていない場合もある。
【0040】
次に、プリンタ20のプログラム構成を説明する。
プリンタ制御プログラム47は、サーバ10から受信した印刷ジョブを実行するためのプログラムである。
機能情報48は前述したようにプリンタ20が備える印刷機能を示す情報である。以下に機能情報48の一例を示す。ただし、ここでは理解を容易にするため一部の印刷機能のみを示している。
「被記録媒体のサイズ」=A5、A4、B5、及びB4のみ可
「片面/両面印刷」=片面のみ可
「カラー/モノクロ」=モノクロのみ可
プリンタ20の印刷機能は機種によって異なるので、機能情報48も機種によって異なる。なお、「被記録媒体のサイズ」はプリンタ20にセットされている被記録媒体のサイズに応じて変わるので同一機種であってもこの値は変わりうる。
【0041】
(3)プルプリントシステムの処理
プルプリントシステム1は、PC30とサーバ10とで実行される中間ファイル記憶処理(図3及び図4)、PC30とサーバ10とで実行される中間ファイル管理処理(図9及び図10)、及び、サーバ10とプリンタ20とで実行されるプルプリント処理(図6〜8)を実行する。
【0042】
(3−1)中間ファイル記憶処理
中間ファイル記憶処理は、プルプリントの対象となる中間ファイル(印刷ジョブの一例)をサーバ10に記憶させる処理である。
【0043】
図3及び図4は、中間ファイル記憶処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はアプリケーション41を実行するCPU31によって表示部35に表示されるメニューでユーザが印刷を選択すると開始される。この際、ユーザは印刷させるプリンタを決めておく必要はない。
以降の説明において単にアプリケーション41というときは、アプリケーション41を実行しているCPU31のことをいうものとする。他のプログラムについても同様である。
【0044】
S101では、アプリケーション41はプリンタ20を選択するためのプリンタ選択ウィンドウ(図示せず)を表示部35に表示する。プルプリントの対象となる中間ファイルをサーバ10に記憶させる場合には、ユーザは特定のプリンタ20を直接選択するのではなく、予め登録されているプルプリント用の仮想的なプリンタを選択するものとする。
【0045】
S102では、アプリケーション41はプリンタ選択ウィンドウで選択されたプリンタのプリンタドライバを呼び出す。上述した仮想的なプリンタを選択した場合には、プルプリント用のプリンタドライバ42が呼び出される。
【0046】
S103では、プリンタドライバ42は印刷設定ウィンドウ(図示せず)を表示してユーザに印刷設定を行わせる。
ここで印刷設定とは、被記録媒体のサイズ、片面/両面印刷、カラー/モノクロ、片面複数ページ印刷(片面2ページ印刷など)、被記録媒体の縦/横、印刷部数、解像度、画質、拡大/縮小率、削除設定などといった各種の印刷設定項目の設定値の組み合わせをいい、「印刷設定を行う」とは各印刷設定項目の設定値を設定することをいう。この時点では印刷するプリンタは確定していないので、プリンタドライバ42はプリンタが備える機能として知られている凡そほとんどの印刷機能についてその印刷機能に対応する印刷設定項目の設定値を設定可能とする。
印刷設定項目のうち削除設定は、後述する中間ファイルの送信後にその中間ファイルをサーバ10から削除するか否かを設定する項目であり、「印刷した中間ファイルを全て削除する」、「印刷した中間ファイルを全て残す」、「修正されている中間ファイル(図7のS218参照)のみ残す」の設定値が設定可能である。
【0047】
S104では、プリンタドライバ42は印刷設定を終了する。具体的には、印刷設定ウィンドウでユーザが[OK]ボタンを押すと、印刷設定ウィンドウが閉じてアプリケーション41に制御が戻る。
S105では、アプリケーション41は印刷対象ページに基づいてページデータを生成する。
【0048】
S106では、アプリケーション41は、生成したページデータと、以下に説明するジョブ情報とを、図示しないプリントスプーラを介してプリンタドライバ42に出力する。
ジョブ情報とは、印刷指示日時、印刷を指示したユーザのユーザ情報(ユーザ名、ユーザIDなど)、印刷を指示したPC30のアドレス(IPアドレス、ドメイン名など)、印刷を指示したアプリケーション名、印刷対象ページ名などである。アプリケーション41はこれらの情報を印刷対象ページやOSから取得する。ジョブ情報に含める情報は適宜選択可能であり、例えば前述した印刷設定ウィンドウでユーザに印刷ジョブの名称を入力させ、その名称をジョブ情報に含めてもよい。
【0049】
S107では、プリンタドライバ42は、プリントスプーラから出力されたページデータと、自身が表示した印刷設定ウィンドウで設定された印刷設定とに基づいて、特定のプリンタに依存しない形式の中間ファイル(印刷ジョブの一例)を生成する。この中間ファイルには上述したページデータと印刷設定とが含まれる。
【0050】
S108では、プリンタドライバ42はプリントスプーラから出力されたジョブ情報とS107で生成した中間ファイルとをバックエンド43に出力する。
S109では、バックエンド43はプリンタドライバ42から出力されたジョブ情報をプルプリントデーモン45に送信する。
【0051】
S110では、プルプリントデーモン45はバックエンド43から受信したジョブ情報をジョブ情報テーブルに登録する。
図5は、ジョブ情報テーブルの模式図である。ジョブ情報テーブルの1つのレコードは1つのジョブ情報に対応している。ジョブ情報テーブルにはバックエンド43から受信したジョブ情報の他、プルプルプリントデーモン45によって生成された情報も登録される。図示する例ではジョブ情報を一意に識別するための識別情報、ステータス、及びファイル書き込みパスがプルプルプリントデーモン45によって生成された情報である。ファイル書き込みパスとは、中間ファイルを書き込むディレクトリ(サーバ10の記憶部14のディレクトリ)と、中間ファイルに付与するファイル名とを示す情報である。この時点ではファイル書き込みパスは空白である。
【0052】
S111では、プルプリントデーモン45は所定の規則に従ってファイル書き込みパスを生成する。
S112では、プルプリントデーモン45はS110で登録したレコードの「ファイル書き込みパス」フィールドに、生成したファイル書き込みパスを登録する。
【0053】
S113では、プルプリントデーモン45は生成したファイル書き込みパスをバックエンド43に送信する。
S114では、バックエンド43は、S108でプリンタドライバ42から出力された中間ファイルを、ファイル書き込みパスによって示されるディレクトリ(サーバ10の記憶部14のディレクトリ)に、ファイル書き込みパスによって示されるファイル名で書き込む。これにより、ジョブ情報と中間ファイルとが対応付けられる。
【0054】
(3−2)プルプリント処理
PC30及びサーバ10に中間ファイル記憶処理を実行させた後、ユーザはそのPC30を携帯せずにプリンタ20の位置に移動する。プリンタ20は例えばプルプリントサービスを提供する店舗などの外部拠点に設置されたものであり、そのプリンタ20はユーザが想定していた印刷機能を備えない場合もありうる。このようなプリンタ20のいずれかで、ユーザが操作部23を操作してプルプリント要求を入力すると、サーバ10に記憶されている中間ファイルを当該プルプリント要求が入力されたプリンタ20に送信して実行するプルプリント処理が開始される。
【0055】
図6、図7、及び図8は、プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャートである。
S201では、プリンタ制御プログラム47(プルプリント要求が入力されたプリンタ20で実行されているプリンタ制御プログラム47)は、プルプリント要求を入力したユーザに、ユーザ情報とサーバ10のアドレスとを入力させる。サーバ10のアドレスを入力させるのは、必ずしもプリンタ20がサーバ10のアドレスを知っているとは限らないからである。
【0056】
S202では、プリンタ制御プログラム47は、ユーザによって入力されたアドレスによって特定されるサーバ10で実行されているプルプリントデーモン45に、ユーザによって入力されたユーザ情報と、当該プリンタ20のROMに記憶されている機能情報48とを送信する。
S203では、プルプリントデーモン45はジョブ情報テーブルからS202で受信したユーザ情報と一致するユーザ情報を有するジョブ情報を検索する。
【0057】
S204では、プルプリントデーモン45は検索されたジョブ情報の一覧を生成する。本実施形態ではジョブ情報の一覧として、以下に説明するジョブ情報ツリーを生成する。
【0058】
ジョブ情報ツリーは、ジョブ情報に対応する中間ファイルに含まれている印刷設定に基づいてジョブ情報をツリー構造に分類した情報である。例えば、ジョブ情報ツリーは、ジョブ情報を当該ジョブ情報に対応する中間ファイルに含まれている印刷設定の「モノクロ/カラー」の設定値によって分類した構成となっている。具体的には例えば、「モノクロ」の下位にジョブ情報の「JOB1」が分類され、「カラー」の下位に「JOB2」及び「JOB3」が分類される。ジョブ情報ツリーを生成することにより、ユーザが目的の中間ファイルを選択し易くすることができる。
【0059】
S205では、プルプリントデーモン45は生成したジョブ情報ツリーをプリンタ制御プログラム47に送信する。
S206では、プリンタ制御プログラム47は受信したジョブ情報ツリーを操作部23の表示装置に表示してユーザにジョブ情報を1つ以上選択させる。すなわち、実行する中間ファイルをユーザに選択させる。
S207では、プリンタ制御プログラム47はユーザによって選択されたジョブ情報を示すジョブ選択情報をプルプリントデーモン45に送信する。
【0060】
S208では、プルプリントデーモン45は受信したジョブ選択情報によって示されるジョブ情報の中から一つを選択する。S208の実行が2回目以降である場合には、未だ選択していないジョブ情報を選択するものとする。
S209では、プルプリントデーモン45はS208で選択したジョブ情報に対応するファイル書き込みパスをジョブ情報テーブルから取得し、取得したファイル書き込みパスによって特定される中間ファイルから印刷設定を読み出す。
【0061】
S210では、プルプリントデーモン45は、読み出した印刷設定と、S202でプリンタ制御プログラム47から受信した機能情報48とを比較して、中間ファイルの印刷設定と当該プリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断する。
【0062】
具体的には例えば、前述した機能情報48の例で説明すると、中間ファイルから読み出した印刷設定の設定値が仮に「A4、両面、カラー」であったとすると、前述した例の機能情報48が示す印刷機能はA4に対応しているので「被記録媒体のサイズ」については設定値とプリンタ20の印刷機能とが整合することになるが、前述した例の機能情報48が示す印刷機能は両面、及びカラーには対応していないので「片面/両面印刷」及び「カラー/モノクロ」については整合しないことになる。
プルプリントデーモン45は、一つでも設定値が整合しない場合は整合しないと判断してS211に進み、全ての設定値が整合する場合は整合すると判断してS219に進む。
【0063】
S211では、プルプリントデーモン45は中間ファイルの印刷設定が当該プリンタ20の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を生成する。
具体的には例えば、上述した「A4、両面、カラー」の例でいうと、プルプリントデーモン45は「両面印刷はできません。カラー印刷はできません」という情報を整合情報として生成する。つまり、本実施形態において整合情報とは、印刷設定に含まれている設定値のうちプルプリント要求が入力されたプリンタ20の印刷機能と整合しない設定値を示す情報であるといえる。
【0064】
S212では、プルプリントデーモン45は生成した整合情報をプリンタ制御プログラム47に送信する。
S213では、プリンタ制御プログラム47は受信した整合情報を操作部23に表示する。
【0065】
S214では、プリンタ制御プログラム47は印刷設定を修正して実行する「修正」、印刷ジョブの実行を中止する「中止」、又は、印刷設定を修正せずに実行する「印刷」のいずれを実行するかをユーザに選択させる。
プリンタ制御プログラム47は、「修正」が選択された場合はS215に進み、「印刷」又は「中止」が選択された場合はS216に進む。
【0066】
S215では、プリンタ制御プログラム47はユーザに修正情報を入力させる。
具体的には例えば、S213で操作部23に「両面印刷はできません。カラーの印刷はできません」という整合情報が表示されたとすると、ユーザは印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合するようにするために、「片面/両面」の設定値として「片面」を指定し、「カラー/モノクロ」の設定値として「モノクロ」を指定する。これにより、「片面/両面=片面、カラー/モノクロ=モノクロ」という修正情報が入力される。
【0067】
なお、上述した例は一例であり、例えば印刷設定でA3が設定されていてプリンタ20の印刷機能がA3に対応していない場合に、ページデータが表す画像を縮小してA4の被記録媒体に印刷するよう修正してもよいし、ページデータが表す画像をA4の被記録媒体2枚に分けて印刷するよう修正してもよい。また、例えば片面複数ページ印刷に対応していない場合には、それら複数ページをそれぞれ1枚の被記録媒体に印刷するよう修正してもよい。さらにプリンタ20が両面印刷に対応していない場合は、中間ファイルの偶数ページと奇数ページとを分けて印刷するように修正して両面印刷を行ってもよい。具体的には、プリンタ20はまず偶数ページのみを印刷した後、ユーザに印刷済み被記録媒体を反転させて給紙トレイに載置するように表示し、その後印刷済みの被記録媒体の裏面に奇数ページを印刷すればよい。
【0068】
S216では、プリンタ制御プログラム47はS214で「修正」が選択された場合はS215でユーザにより入力された修正情報をプルプリントデーモン45に送信し、「印刷」が選択された場合は印刷指示を送信し、「中止」が選択された場合は中止指示を送信する。
S217では、プルプリントデーモン45はプリンタ制御プログラム47から修正情報、印刷指示、中止指示のいずれを受信したかを判定し、修正情報を受信した場合はS218に進み、印刷指示を受信した場合はS219に進む。一方、中止指示を受信した場合は処理を終了する。
【0069】
S218では、プルプリントデーモン45は、S208で選択したジョブ情報に対応する中間ファイルの印刷設定を、プリンタ制御プログラム47から受信した修正情報に従って修正する。
S219では、プルプリントデーモン45はプルプリント要求が入力されたプリンタ20用のプリンタドライバ46が記憶部14に記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合はS220に進み、記憶されている場合はS221に進む。
【0070】
S220では、プルプリントデーモン45は所定のダウンロードサーバ(所定の装置の一例)から当該プリンタ20用のプリンタドライバ46をダウンロード、インストールして記憶部14に記憶する。
S221では、プルプリントデーモン45は記憶部14から当該プリンタ20用のプリンタドライバ46を読み出し、読み出したプリンタドライバ46を実行することにより、中間ファイルを当該プリンタ20で解釈可能な形式の印刷データ(印刷ジョブの一例)に変換する。
【0071】
S222では、プルプリントデーモン45は変換した印刷データをプリンタ制御プログラム47に送信する。
S223では、プリンタ制御プログラム47は受信した印刷データを実行し、当該印刷データに含まれているページデータが表す画像を被記録媒体に印刷して処理を終了する。
S224では、プルプリントデーモン45は、送信した中間ファイルの印刷設定の削除設定に、送信後の中間ファイルを削除するよう設定されているか否かを判断し、削除するよう設定されている場合はS225に進み、削除するよう設定されていない場合はS226に進む。
【0072】
S225では、プルプリントデーモン45はS208で選択したジョブ情報をジョブ情報テーブルから削除すると供に、そのジョブ情報に対応する中間ファイルを記憶部14から削除する。
S226では、プルプリントデーモン45はユーザによって選択された全てのジョブ情報の選択が終了したか否かを判断し、終了している場合はS227に進み、終了していない場合はS208に戻って処理を繰り返す。
【0073】
S227では、プルプリントデーモン45はS221で中間ファイルの変換に用いたプリンタドライバ46がS220でダウンロードしたものであるか否かを判断し、ダウンロードしたものである場合にはS228に進み、ダウンロードしたものではない場合は処理を終了する。
S228では、プルプリントデーモン45はダウンロードしたプリンタドライバ46を記憶部14から削除するか否かをプリンタ20に予め作成されている設定ファイルに従って決定し、削除が設定されている場合はS229に進み、削除しないが設定されている場合は処理を終了する。なお、S228の判断は、S103の処理で設定された内容に従って決定してもよい。具体的には、印刷設定ウィンドウにプリンタドライバ46を削除するか否かの設定項目を設けてユーザに選択させる。選択結果は、S108、S109においてジョブ情報の一部としてプルプリントデーモン45に送信すればよい。
S229では、プルプリントデーモン45はダウンロードしたプリンタドライバ46を記憶部14から削除して処理を終了する。
【0074】
(3−3)中間ファイル管理処理
中間ファイル記憶処理の実行後にプルプリント処理を行わなかった場合や、S224においてジョブを残す設定にした場合などは、サーバ10に中間ファイルが溜まる。そのため本処理ではその溜まった中間ファイルを管理するためのジョブ管理プログラム44が用意されている。以下はそのジョブ管理プログラム44にて行われる中間ファイル管理処理の説明である。
【0075】
図9、及び図10は、中間ファイル管理処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はPC30でユーザがジョブ管理プログラム44の実行を指示すると開始される。
S301では、ジョブ管理プログラム44はプルプリントデーモン45に全てのジョブ情報の送信を要求する。
【0076】
S302では、プルプリントデーモン45はジョブ情報テーブルから全てのジョブ情報を取得してジョブ管理プログラム44に送信する。
S303では、ジョブ管理プログラム44は表示部35に図11に示すジョブ管理画面50を表示し、プルプリントデーモン45から受信した全てのジョブ情報を一覧表示する。
【0077】
S304では、ジョブ管理プログラム44はイベントを取得する。具体的には、ユーザがジョブ情報を選択する操作を行うか、あるいはいずれかのボタンを押す操作を行うと、その操作に応じたイベントがOSを介してジョブ管理プログラム44で取得される。
【0078】
S305では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「ジョブ選択」であるか否かを判定し、「ジョブ選択」である場合はS306に進み、それ以外である場合はS307に進む。
S306では、ジョブ管理プログラム44はユーザが選択したジョブ情報を選択状態にしてS304に戻る。
【0079】
S307では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「削除ボタン」であるか否かを判定し、「削除ボタン」である場合はS308に進み、それ以外である場合はS310に進む。
S308では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報の削除要求をプルプリントデーモン45に送信してS304に戻る。
【0080】
S309では、プルプリントデーモン45は削除要求されたジョブ情報をジョブ情報テーブルから削除するとともに、そのジョブ情報に対応する中間ファイルを記憶部14から削除する。
S310では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「修正ボタン」であるか否かを判定し、「修正ボタン」である場合はS311に進み、それ以外である場合はS314に進む。
【0081】
S311では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報を修正するための図示しないウィンドウを表示する。ユーザは表示されたウィンドウでジョブ情報の修正情報を入力することができる。ここで修正できる項目は、識別情報、印刷許可者などである。印刷許可者とはそのジョブ情報に対応する中間ファイルのプリプリントが許可されているユーザのユーザ情報であり、ジョブ情報に含まれているものとする。
S312では、ジョブ管理プログラム44は修正情報をプルプリントデーモン45に送信してS304に戻る。
【0082】
S313では、プルプリントデーモン45は選択されたジョブ情報を修正情報に従って修正する。
S314では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「複製ボタン」であるか否かを判定し、「複製ボタン」である場合はS315に進み、それ以外である場合はS317に進む。
S315では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報を複製するための複製要求をプルプリントデーモン45に送信してS304に戻る。
【0083】
S316では、プルプリントデーモン45は選択されたジョブ情報とそのジョブ情報に対応する中間ファイルとを複製する。
S317では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「画像ソフト起動ボタン」であるか否かを判定し、「画像ソフト起動ボタン」である場合はS318に進み、それ以外である場合はS323に進む。
【0084】
S318では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報に対応する中間ファイルの送信要求をプルプリントデーモン45に送信する。
S319では、プルプリントデーモン45は要求された中間ファイルをジョブ管理プログラム44に送信する。
S320では、ジョブ管理プログラム44は画像編集ソフトを起動する。ユーザは起動された画像編集ソフトにより、中間ファイルに含まれているページデータが表す画像を編集することができる。
【0085】
S321では、ジョブ管理プログラム44は編集された中間ファイルをプルプリントデーモン45に送信する。
S322では、プルプリントデーモン45は、記憶部14に記憶されている中間ファイルを、ジョブ管理プログラム44から受信した中間ファイルで更新する。
S323では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「終了ボタン」であるか否かを判定し、「終了ボタン」である場合は処理を終了し、それ以外である場合はS304に戻る。
なお、本処理はユーザの権限に応じて選択可能なイベントが制限されてもよい。また他のPC30にて起動されたジョブ管理プログラム44との排他制御が行われるとより好適である。
【0086】
(4)実施形態の効果
以上説明した本発明の実施形態1に係るプルプリントシステム1によると、サーバ10に記憶されている中間ファイル(印刷ジョブの一例)の印刷設定とプルプリント要求が入力されたプリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断し、整合しない場合は中間ファイルの印刷設定を修正してプリンタ20に送信するので、印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。これにより、印刷ジョブの実行途中でエラーが発生してしまうことによる時間の無駄を低減できる。
【0087】
更に、プルプリントシステム1によると、印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない中間ファイルの印刷設定を修正する場合に、ユーザが印刷設定を修正することができる。
【0088】
更に、プルプリントシステム1によると、各プリンタ20の印刷機能を示す機能情報48を外部(本実施形態ではプリンタ20)から取得するので、サーバ10の管理者は予めサーバ10に各プリンタ20の機能情報48を記憶させておかなくてもよい。これにより、管理者がサーバ10に各プリンタ20の機能情報48を記憶させる手間を低減できる。
【0089】
更に、プルプリントシステム1によると、印刷ジョブを特定のプリンタ20に依存しない形式の中間ファイルとして生成し、その中間ファイルを、プルプリント要求が入力されたプリンタ20で解釈可能な形式の印刷データに変換するので、解釈可能な印刷ジョブの形式がプリンタ20間で統一されていなくてもよい。これにより、解釈可能な印刷ジョブの形式が互いに異なる複数のプリンタ20でプルプリントシステム1を構成することができる。従って、プルプリントシステム1をより柔軟に構成できる。
【0090】
更に、プルプリントシステム1によると、プリンタ20用のプリンタドライバ46が記憶部14に記憶されていない場合は所定のダウンロードサーバからダウンロードするので、記憶部14にプリンタドライバ46が記憶されていないプリンタ20であってもそのプリンタ20で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換することができる。
【0091】
更に、プルプリントシステム1によると、変換に用いられたプリンタドライバ46がダウンロードされたものである場合に、変換に用いられた後に当該プリンタドライバ46を記憶部14から削除する。これにより、例えば頻繁にプルプリントされないプリンタ20のプリンタドライバ46は記憶部14に記憶しておかないようにしてその都度ダウンロードし、変換後は記憶部14から削除することにより、記憶部14の記憶領域を節約できる。一方、頻繁にプルプリントされるプリンタ20のプリンタドライバ46については記憶部14に記憶させておくことにより、プリンタドライバ46のダウンロードに要する時間を不要にでき、より短時間に印刷結果を得ることができる。
【0092】
更に、プルプリントシステム1によると、送信済みの中間ファイルをサーバ10から削除するか否かをユーザが設定することができるので、ユーザの利便性が向上する。
より具体的に説明すると、サーバ10に記憶されている中間ファイルがプルプリントされるのは1回であるとは限らないので、中間ファイルを実行した後に直ちにその中間ファイルを削除するようにすると、ユーザにとって不便な場合がある。例えば、中間ファイルの印刷設定とプリンタ20の印刷機能とが整合していない場合に、ユーザは取り急ぎ印刷結果を得るためにユーザが本来望んでいる印刷設定を修正してプルプリントを行い、その後に中間ファイルの印刷設定と整合する印刷機能を有する別のプリンタ20であらためてプルプリントを行うことも考えられる。その場合、中間ファイルを実行した後に直ちにその中間ファイルを削除するようにするとユーザにとって不便である。一方、送信済みの中間ファイルをいつまでも記憶しておくとサーバ10の記憶領域が無駄に占有されてしまう。
【0093】
プルプリントシステム1によると、送信済みの中間ファイルをサーバ10から削除するか否かをユーザが設定することができるので、ユーザは送信済みの中間ファイルを再度プルプリントする可能性がある場合は削除しないように「印刷した中間ファイルを全て残す」を設定することで利便性が向上する。一方、再度プルプリントする可能性が低い場合は、ユーザは「印刷した中間ファイルを全て削除する」を設定することでサーバ10の記憶領域が無駄に占有されてしまうことを低減することができる。更に「修正されている中間ファイルのみ残す」を設定することにより、予定と違う設定で印刷した場合にのみ再度印刷を可能とすることもできる。
【0094】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図12ないし図13によって説明する。
実施形態2では、いずれかのプリンタ20でプルプリント要求が入力されると、ユーザ情報が一致する全ての中間ファイルについてその中間ファイルの印刷設定と当該プリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断し、整合すると判断した中間ファイルの中からユーザに実行する中間ファイルを選択させる。
【0095】
図12、及び図13は、実施形態2に係るプルプリント処理の流れを示すシーケンスチャートである。ここでは実施形態1と実質的に同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
S401では、プルプリントデーモン45は検索されたジョブ情報の中から一つを選択する。S401の実行が2回目以降である場合には未だ選択していないジョブ情報を選択するものとする。
【0096】
S402では、プルプリントデーモン45はS401で選択したジョブ情報に対応するファイル書き込みパスをジョブ情報テーブルから取得し、取得したファイル書き込みパスによって特定される中間ファイルから印刷設定を読み出す。
S403では、プルプリントデーモン45は印刷設定とプリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断し、整合すると判断した場合はS404に進み、整合しないと判断した場合はS405に進む。
【0097】
S404では、プルプリントデーモン45はジョブ情報をジョブ情報ツリーに追加する。
S405では、プルプリントデーモン45は検索された全てのジョブ情報の選択が終了したか否かを判断し、終了している場合はS406に進み、終了していない場合はS401に戻って処理を繰り返す。
【0098】
S406では、プルプリントデーモン45は生成したジョブ情報ツリーをプリンタ制御プログラム47に送信する。
S407では、プリンタ制御プログラム47は受信したジョブ情報ツリーを操作部23に表示してユーザにジョブ情報を1つ以上選択させる。すなわち、実行する中間ファイルをユーザに選択させる。
S408では、プリンタ制御プログラム47はユーザによって選択されたジョブ情報を示すジョブ選択情報をプルプリントデーモン45に送信する。
【0099】
S409では、プルプリントデーモン45はプリンタ制御プログラム47から受信したジョブ選択情報によって示されるジョブ情報の中から一つを選択する。S409の実行が2回目以降である場合には未だ選択していないジョブ情報を選択するものとする。
【0100】
S410では、プルプリントデーモン45は選択された全てのジョブ情報の選択が終了したか否かを判断し、終了している場合はS227(図示せず)に進み、終了していない場合はS409に戻って処理を繰り返す。
S410以降の処理は実施形態1と同一であるので説明は省略する。
【0101】
以上説明した本発明の実施形態2に係るプルプリントシステムによると、ユーザは印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合する中間ファイルしか選択できないので、結果として印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない中間ファイルは実行されない。これにより、印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない中間ファイルが実行されてしまうことを低減することができる。
【0102】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
(1)上記実施形態ではサーバ10とPC30とが別構成である場合を例に説明したが、サーバ10がPC30を兼ねていてもよい。
【0104】
(2)上記実施形態では印刷設定と印刷機能とが整合していない場合はユーザに修正情報を入力させているが、印刷設定と印刷機能とが整合するようプルプリントデーモン45が自動で修正するようにしてもよい。
【0105】
(3)上記実施形態ではプリンタ20から機能情報48を取得する場合を例に説明したが、複数の機種の機能情報48を記憶している外部のサーバからダウンロードしてもよい。
【0106】
(4)上記実施形態ではサーバ10の記憶部14に印刷ジョブが記憶される場合を例に説明したが、印刷ジョブは外部のファイルサーバに記憶されてもよい。
【0107】
(5)上記実施形態ではPC30でジョブ管理プログラムが実行される場合を例に説明したが、プリンタ20でジョブ管理プログラムを実行するようにしてもよい。
【0108】
(6)上記実施形態ではS103において中間ファイルの印刷設定の削除設定をユーザに選択させていたが、プルプリント処理時にプリンタ20でユーザに選択させてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1・・・プルプリントシステム
2・・・通信ネットワーク
10・・・サーバ
11・・・CPU
12・・・ROM
13・・・RAM
14・・・記憶部
15・・・ネットワークインタフェース
20・・・プリンタ
21・・・制御部
22・・・印刷部
23・・・操作部
24・・・ネットワークインタフェース
41・・・アプリケーションプログラム
42・・・プルプリント用のプリンタドライバ
43・・・バックエンドプログラム
44・・・プルプリントデーモンプログラム
45・・・プリンタ用のプリンタドライバ
46・・・プリンタ制御プログラム
47・・・ジョブ管理プログラム
48・・・機能情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルプリントシステム、データ処理装置、データ処理プログラム、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷クライアント端末、プリントサーバ、及びプルプリント印刷装置を備え、プルプリント印刷装置でユーザがプルプリントを要求すると、プルプリント印刷装置がプリントサーバから印刷ジョブを取得して印刷する印刷システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この印刷システムでは、印刷クライアント端末からプリントサーバへの印刷要求時に印刷先のプルプリント印刷装置を指定することなく印刷要求を送信し、プリントサーバはその印刷要求と印刷ドキュメントから印刷ジョブを生成してプリントキューに格納する。そして、ユーザがプルプリント印刷装置のUI操作によりプルプリントを要求すると、そのプルプリント印刷装置がプリントサーバから印刷ジョブを取得して印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−202723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷要求を行う場合、一般にユーザは印刷装置の印刷機能と整合する範囲内で印刷ジョブに各種の印刷設定を行う。
しかしながら、従来の印刷システムは印刷要求時に印刷先のプルプリント印刷装置を指定しないものであるので、印刷先のプルプリント印刷装置によっては印刷ジョブの印刷設定とそのプルプリント印刷装置の印刷機能とが整合しないことが起こり得る。
すなわち、従来の印刷システムは、プリントサーバで生成された印刷ジョブの印刷設定とプルプリント印刷装置の印刷機能とが整合することが前提であり、印刷ジョブの印刷設定とプルプリント印刷装置の印刷機能とが整合しない場合については考慮されていなかった。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減するプルプリントシステム、データ処理装置、データ処理プログラム、及び印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、データ処理装置と、前記データ処理装置と通信可能に接続されている1以上の印刷装置とを備えるプルプリントシステムであって、前記印刷装置は、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを有し、前記データ処理装置は、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段とを有する。
【0008】
印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうと、実行途中でエラーとなってそれまでの時間が無駄になってしまう虞がある。例えば、印刷設定では両面印刷が設定されているのにプルプリント要求が入力された印刷装置は片面印刷しかできないとすると、実行途中でエラーが発生してしまい、ユーザがプルプリント要求を入力してからエラーが発生するまでの時間が無駄になってしまう虞がある。
【0009】
この発明によると、印刷ジョブの印刷設定とプルプリント要求が入力された印刷装置の印刷機能とが整合しない場合はその印刷ジョブを送信しないか又はその印刷ジョブの印刷設定を修正して送信するので、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。これにより、印刷ジョブの実行途中でエラーが発生してしまうことによる時間の無駄を低減できる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明のプルプリントシステムであって、前記印刷装置は、前記入力手段によってプルプリント要求が入力されると、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、前記判断手段は、前記選択手段によって選択された印刷ジョブの印刷設定が当該印刷装置の印刷機能と整合するか否かを判断し、前記制御手段は、前記判断手段で整合しないと判断された場合は当該印刷装置の印刷機能と整合するように当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する。
【0011】
この発明によると、ユーザにより選択された印刷ジョブの印刷設定とプルプリント要求が入力された印刷装置の印刷機能とが整合しない場合は印刷ジョブの印刷設定を修正して実行するので、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明のプルプリントシステムであって、前記制御手段は、前記判断手段で整合しないと判断された場合に、当該選択された印刷ジョブの印刷設定を当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を生成し、生成した整合情報を当該印刷装置に送信する整合情報送信手段を有し、前記印刷装置は、前記データ処理装置から整合情報を受信する整合情報受信手段と、前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段とを有し、前記制御手段は、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置から受信した修正情報に基づいて当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正するジョブ修正手段を有する。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブの印刷設定を修正する場合に、ユーザが印刷設定を修正することができる。
【0013】
第4の発明は、第1の発明のプルプリントシステムであって、前記判断手段は、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると前記ジョブ記憶手段に記憶されている各印刷ジョブについてその印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断し、前記印刷装置は、前記判断手段によって整合すると判断された印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、前記制御手段は、前記選択手段で選択された印刷ジョブを送信する。
【0014】
この発明によると、ユーザは印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合する印刷ジョブしか選択できないので、結果として印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブは実行されない。これにより、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0015】
第5の発明は、第1〜第4のいずれかの発明のプルプリントシステムであって、前記判断手段は、前記印刷装置の印刷機能を示す機能情報を外部から取得する取得手段と、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると、前記取得手段により当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の機能情報を取得し、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを前記機能情報に基づいて判断する機能情報判断手段とを有する。
【0016】
この発明によると、外部から印刷装置の印刷機能を示す機能情報を取得するので、データ処理装置の管理者は予めデータ処理装置に各印刷装置の印刷機能を示す機能情報を記憶させておかなくてもよい。これにより、管理者がデータ処理装置に各印刷装置の機能情報を記憶させる手間を低減できる。
【0017】
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明のプルプリントシステムであって、前記印刷ジョブはいずれの前記印刷装置にも依存しない形式のファイルであり、前記制御手段は、前記印刷ジョブを当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換する変換手段を有する。
【0018】
この発明によると、解釈可能な印刷ジョブの形式が印刷装置間で統一されていなくてもよいので、解釈可能な印刷ジョブの形式が互いに異なる複数の印刷装置でプルプリントシステムを構成することができる。したがって、プルプリントシステムをより柔軟に構成できる。
【0019】
第7の発明は、第6の発明のプルプリントシステムであって、前記データ処理装置は、プリンタドライバを記憶するためのドライバ記憶手段と、プルプリント要求が入力された前記印刷装置のプリンタドライバが前記ドライバ記憶手段に記憶されているか否かを判断するドライバ有無判断手段と、前記ドライバ有無判断手段によって否定判断された場合に、所定の装置から当該印刷装置のプリンタドライバをダウンロードして前記ドライバ記憶手段に記憶させるダウンロード手段とを有し、前記変換手段は、前記ドライバ記憶手段に記憶されているプリンタドライバを用いて前記印刷ジョブを変換する。
この発明によると、ドライバ記憶手段にプリンタドライバが記憶されていない印刷装置であってもその印刷装置で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換することができる。
【0020】
第8の発明は、第7の発明のプルプリントシステムであって、前記データ処理装置は、前記変換手段によって変換に用いられたプリンタドライバが前記ダウンロード手段によってダウンロードされたものである場合に、前記変換手段によって変換に用いられた後に当該プリンタドライバを前記ドライバ記憶手段から削除するドライバ削除手段を有する。
【0021】
この発明によると、例えば頻繁にプルプリントされない印刷装置のプリンタドライバはドライバ記憶手段に記憶しておかないようにしてその都度ダウンロードし、変換後はドライバ記憶手段から削除することにより、ドライバ記憶手段の記憶領域を節約できる。
一方、頻繁にプルプリントされる印刷装置のプリンタドライバについてはドライバ記憶手段に記憶させておくことにより、プリンタドライバのダウンロードに要する時間を不要にでき、より短時間に印刷結果を得ることができる。
【0022】
第9の発明は、第1〜第8のいずれかの発明のプルプリントシステムであって、前記データ処理装置は、前記制御手段によって印刷ジョブを送信すると、送信済みの印刷ジョブを削除するよう設定されているか否かを判断し、削除するよう設定されている場合は当該印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段から削除する印刷ジョブ削除手段を有する。
【0023】
データ処理装置に記憶されている印刷ジョブがプルプリントされるのは1回であるとは限らないので、印刷ジョブを送信した後に直ちにその印刷ジョブを削除するようにすると、ユーザにとって不便な場合がある。
この発明によると、送信済みの印刷ジョブを削除しないように設定されている場合は当該印刷ジョブをジョブ記憶手段から削除しないので、ユーザの利便性が向上する。
【0024】
第10の発明は、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置であって、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段と、を備える。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0025】
第11の発明は、データ処理プログラムであって、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置を、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段として機能させる。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。
【0026】
第12の発明は、データ処理装置と通信可能に接続されている印刷装置であって、ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、前記データ処理装置から、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定を当該印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を受信する整合情報受信手段と、前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段と、を備える。
この発明によると、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブの印刷設定を修正する場合に、ユーザが印刷設定を修正することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、印刷設定が印刷装置の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係るプルプリントシステムの構成を示すブロック図。
【図2】プルプリントシステムのプログラム構成を示すブロック図。
【図3】中間ファイル記憶処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図4】中間ファイル記憶処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図5】ジョブ情報テーブルの模式図。
【図6】プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図7】プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図8】プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図9】中間ファイル管理処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図10】中間ファイル管理処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図11】ジョブ管理画面の模式図。
【図12】実施形態2に係るプルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【図13】実施形態2に係るプルプリント処理の流れを示すシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
(1)プルプリントシステムの構成
図1は、本発明の実施形態1に係るプルプリントシステム1の構成を示すブロック図である。プルプリントシステム1は、いずれかのプリンタ20でプルプリント要求が入力されると、サーバ10に記憶されている印刷ジョブを当該プルプリント要求が入力されたプリンタ20に送信して印刷するシステムである。
【0030】
プルプリントシステム1は、サーバ10(データ処理装置の一例)と、1以上のプリンタ20(印刷装置の一例)とで構成されている。1以上のプリンタ20は互いに同じ機種であってもよいし、互いに異なる機種であってもよい。PC30は、サーバ10に印刷ジョブを記憶させるための装置である。サーバ10、プリンタ20、及びPC30は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide area network)などの通信ネットワーク2によって通信可能に接続されている。
なお、プリンタ20は、LANに接続されてユーザにその印刷機能が予め知られているものの他に、外部拠点(プルプリントサービスを提供する店舗など)に設置された印刷機能が予め知られていないものも対象としている。
【0031】
(1−1)サーバの電気的構成
サーバ10は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、及び、ネットワークインタフェース15を備えて構成されている。
CPU11(判断手段、制御手段、機能情報判断手段、ジョブ修正手段、変換手段、ドライバ有無判断手段、ドライバ削除手段、印刷ジョブ削除手段の一例)は、ROM12や記憶部14に記憶されている各種のプログラムを実行することによりサーバ10の各部を制御する。ROM12にはCPU11が実行するための各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM13はCPU11が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0032】
記憶部14(ジョブ記憶手段、ドライバ記憶手段の一例)は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体を用いて各種のプログラムやデータを記憶する外部記憶装置である。
ネットワークインタフェース15(整合情報送信手段、取得手段、ダウンロード手段の一例)は、通信ネットワーク2を介してプリンタ20などの外部の機器と接続されている。
【0033】
(1−2)プリンタの電気的構成
プリンタ20は、制御部21、印刷部22、操作部23、ネットワークインタフェース24などを備えて構成されている。
制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備えている。CPUはROMに記憶されているプリンタ制御プログラムを実行することによりプリンタ20の各部を制御する。ROMにはCPUが実行するための各種のプログラムやデータなどが記憶されている他、プリンタ20が備える印刷機能を示す機能情報も記憶されている。RAMはCPUが各種の制御を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0034】
印刷部22(印刷手段の一例)は、印刷ジョブを実行して紙などの被記録媒体にレーザー方式、LED方式、インクジェット方式などで画像を印刷する。
操作部23(入力手段、選択手段、修正情報入力手段の一例)は、ユーザがプリンタ20を操作するための各種のボタンや、液晶ディスプレイなどの表示装置を備えている。
ネットワークインタフェース24(整合情報受信手段、修正情報送信手段の一例)は、通信ネットワーク2を介してサーバ10などの外部の機器と接続されている。
【0035】
(1−3)PCの電気的構成
PC30は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶部34、表示部35、操作部36、及び、ネットワークインタフェース37を備えて構成されている。PC30の電気的構成は表示部35や操作部36を備えていることを除いてサーバ10と実質的に同一であるので説明は省略する。
【0036】
(2)プルプリントシステムのプログラム構成
図2は、プルプリントシステム1のプログラム構成を示すブロック図である。ここではプリンタ20のROMに記憶されている機能情報48も併せて示している。
先ず、PC30にインストールされるプログラム構成を説明する。
アプリケーションプログラム41(以下「アプリケーション」という)はOSを介してプリンタドライバに印刷対象ページの印刷を要求するプログラムであり、具体的にはワードプロセッサや表計算ソフトなどである。
プルプリント用のプリンタドライバ42(以下「プリンタドライバ」という)は、プリンタ20に依存しない形式の中間ファイル(印刷ジョブの一例)を生成するためのプログラムである。
【0037】
バックエンドプログラム43(以下「バックエンド」という)は、プリンタドライバ42で生成された中間ファイルをサーバ10に送信するためのプログラムである。
ジョブ管理プログラム44は、サーバ10に記憶されている印刷ジョブを管理するためのプログラムである。
【0038】
次に、サーバ10にインストールされるプログラム構成を説明する。
プルプリントデーモンプログラム45(データ処理プログラムの一例、以下「プルプリントデーモン」という)は常駐プログラムであり、プルプリントの全体を制御するプログラムである。
【0039】
プリンタ20用のプリンタドライバ46は、プリンタ20の機種毎に作成されたプログラムであって、中間ファイルをそのプリンタドライバ46に対応する機種のプリンタ20で解釈可能な形式の印刷データ(印刷ジョブの一例)に変換するためのプログラムである。ただし、サーバ10は全ての機種についてプリンタドライバ46を記憶しているとは限らず、機種によってはプリンタドライバ46がサーバ10に記憶されていない場合もある。
【0040】
次に、プリンタ20のプログラム構成を説明する。
プリンタ制御プログラム47は、サーバ10から受信した印刷ジョブを実行するためのプログラムである。
機能情報48は前述したようにプリンタ20が備える印刷機能を示す情報である。以下に機能情報48の一例を示す。ただし、ここでは理解を容易にするため一部の印刷機能のみを示している。
「被記録媒体のサイズ」=A5、A4、B5、及びB4のみ可
「片面/両面印刷」=片面のみ可
「カラー/モノクロ」=モノクロのみ可
プリンタ20の印刷機能は機種によって異なるので、機能情報48も機種によって異なる。なお、「被記録媒体のサイズ」はプリンタ20にセットされている被記録媒体のサイズに応じて変わるので同一機種であってもこの値は変わりうる。
【0041】
(3)プルプリントシステムの処理
プルプリントシステム1は、PC30とサーバ10とで実行される中間ファイル記憶処理(図3及び図4)、PC30とサーバ10とで実行される中間ファイル管理処理(図9及び図10)、及び、サーバ10とプリンタ20とで実行されるプルプリント処理(図6〜8)を実行する。
【0042】
(3−1)中間ファイル記憶処理
中間ファイル記憶処理は、プルプリントの対象となる中間ファイル(印刷ジョブの一例)をサーバ10に記憶させる処理である。
【0043】
図3及び図4は、中間ファイル記憶処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はアプリケーション41を実行するCPU31によって表示部35に表示されるメニューでユーザが印刷を選択すると開始される。この際、ユーザは印刷させるプリンタを決めておく必要はない。
以降の説明において単にアプリケーション41というときは、アプリケーション41を実行しているCPU31のことをいうものとする。他のプログラムについても同様である。
【0044】
S101では、アプリケーション41はプリンタ20を選択するためのプリンタ選択ウィンドウ(図示せず)を表示部35に表示する。プルプリントの対象となる中間ファイルをサーバ10に記憶させる場合には、ユーザは特定のプリンタ20を直接選択するのではなく、予め登録されているプルプリント用の仮想的なプリンタを選択するものとする。
【0045】
S102では、アプリケーション41はプリンタ選択ウィンドウで選択されたプリンタのプリンタドライバを呼び出す。上述した仮想的なプリンタを選択した場合には、プルプリント用のプリンタドライバ42が呼び出される。
【0046】
S103では、プリンタドライバ42は印刷設定ウィンドウ(図示せず)を表示してユーザに印刷設定を行わせる。
ここで印刷設定とは、被記録媒体のサイズ、片面/両面印刷、カラー/モノクロ、片面複数ページ印刷(片面2ページ印刷など)、被記録媒体の縦/横、印刷部数、解像度、画質、拡大/縮小率、削除設定などといった各種の印刷設定項目の設定値の組み合わせをいい、「印刷設定を行う」とは各印刷設定項目の設定値を設定することをいう。この時点では印刷するプリンタは確定していないので、プリンタドライバ42はプリンタが備える機能として知られている凡そほとんどの印刷機能についてその印刷機能に対応する印刷設定項目の設定値を設定可能とする。
印刷設定項目のうち削除設定は、後述する中間ファイルの送信後にその中間ファイルをサーバ10から削除するか否かを設定する項目であり、「印刷した中間ファイルを全て削除する」、「印刷した中間ファイルを全て残す」、「修正されている中間ファイル(図7のS218参照)のみ残す」の設定値が設定可能である。
【0047】
S104では、プリンタドライバ42は印刷設定を終了する。具体的には、印刷設定ウィンドウでユーザが[OK]ボタンを押すと、印刷設定ウィンドウが閉じてアプリケーション41に制御が戻る。
S105では、アプリケーション41は印刷対象ページに基づいてページデータを生成する。
【0048】
S106では、アプリケーション41は、生成したページデータと、以下に説明するジョブ情報とを、図示しないプリントスプーラを介してプリンタドライバ42に出力する。
ジョブ情報とは、印刷指示日時、印刷を指示したユーザのユーザ情報(ユーザ名、ユーザIDなど)、印刷を指示したPC30のアドレス(IPアドレス、ドメイン名など)、印刷を指示したアプリケーション名、印刷対象ページ名などである。アプリケーション41はこれらの情報を印刷対象ページやOSから取得する。ジョブ情報に含める情報は適宜選択可能であり、例えば前述した印刷設定ウィンドウでユーザに印刷ジョブの名称を入力させ、その名称をジョブ情報に含めてもよい。
【0049】
S107では、プリンタドライバ42は、プリントスプーラから出力されたページデータと、自身が表示した印刷設定ウィンドウで設定された印刷設定とに基づいて、特定のプリンタに依存しない形式の中間ファイル(印刷ジョブの一例)を生成する。この中間ファイルには上述したページデータと印刷設定とが含まれる。
【0050】
S108では、プリンタドライバ42はプリントスプーラから出力されたジョブ情報とS107で生成した中間ファイルとをバックエンド43に出力する。
S109では、バックエンド43はプリンタドライバ42から出力されたジョブ情報をプルプリントデーモン45に送信する。
【0051】
S110では、プルプリントデーモン45はバックエンド43から受信したジョブ情報をジョブ情報テーブルに登録する。
図5は、ジョブ情報テーブルの模式図である。ジョブ情報テーブルの1つのレコードは1つのジョブ情報に対応している。ジョブ情報テーブルにはバックエンド43から受信したジョブ情報の他、プルプルプリントデーモン45によって生成された情報も登録される。図示する例ではジョブ情報を一意に識別するための識別情報、ステータス、及びファイル書き込みパスがプルプルプリントデーモン45によって生成された情報である。ファイル書き込みパスとは、中間ファイルを書き込むディレクトリ(サーバ10の記憶部14のディレクトリ)と、中間ファイルに付与するファイル名とを示す情報である。この時点ではファイル書き込みパスは空白である。
【0052】
S111では、プルプリントデーモン45は所定の規則に従ってファイル書き込みパスを生成する。
S112では、プルプリントデーモン45はS110で登録したレコードの「ファイル書き込みパス」フィールドに、生成したファイル書き込みパスを登録する。
【0053】
S113では、プルプリントデーモン45は生成したファイル書き込みパスをバックエンド43に送信する。
S114では、バックエンド43は、S108でプリンタドライバ42から出力された中間ファイルを、ファイル書き込みパスによって示されるディレクトリ(サーバ10の記憶部14のディレクトリ)に、ファイル書き込みパスによって示されるファイル名で書き込む。これにより、ジョブ情報と中間ファイルとが対応付けられる。
【0054】
(3−2)プルプリント処理
PC30及びサーバ10に中間ファイル記憶処理を実行させた後、ユーザはそのPC30を携帯せずにプリンタ20の位置に移動する。プリンタ20は例えばプルプリントサービスを提供する店舗などの外部拠点に設置されたものであり、そのプリンタ20はユーザが想定していた印刷機能を備えない場合もありうる。このようなプリンタ20のいずれかで、ユーザが操作部23を操作してプルプリント要求を入力すると、サーバ10に記憶されている中間ファイルを当該プルプリント要求が入力されたプリンタ20に送信して実行するプルプリント処理が開始される。
【0055】
図6、図7、及び図8は、プルプリント処理の流れを示すシーケンスチャートである。
S201では、プリンタ制御プログラム47(プルプリント要求が入力されたプリンタ20で実行されているプリンタ制御プログラム47)は、プルプリント要求を入力したユーザに、ユーザ情報とサーバ10のアドレスとを入力させる。サーバ10のアドレスを入力させるのは、必ずしもプリンタ20がサーバ10のアドレスを知っているとは限らないからである。
【0056】
S202では、プリンタ制御プログラム47は、ユーザによって入力されたアドレスによって特定されるサーバ10で実行されているプルプリントデーモン45に、ユーザによって入力されたユーザ情報と、当該プリンタ20のROMに記憶されている機能情報48とを送信する。
S203では、プルプリントデーモン45はジョブ情報テーブルからS202で受信したユーザ情報と一致するユーザ情報を有するジョブ情報を検索する。
【0057】
S204では、プルプリントデーモン45は検索されたジョブ情報の一覧を生成する。本実施形態ではジョブ情報の一覧として、以下に説明するジョブ情報ツリーを生成する。
【0058】
ジョブ情報ツリーは、ジョブ情報に対応する中間ファイルに含まれている印刷設定に基づいてジョブ情報をツリー構造に分類した情報である。例えば、ジョブ情報ツリーは、ジョブ情報を当該ジョブ情報に対応する中間ファイルに含まれている印刷設定の「モノクロ/カラー」の設定値によって分類した構成となっている。具体的には例えば、「モノクロ」の下位にジョブ情報の「JOB1」が分類され、「カラー」の下位に「JOB2」及び「JOB3」が分類される。ジョブ情報ツリーを生成することにより、ユーザが目的の中間ファイルを選択し易くすることができる。
【0059】
S205では、プルプリントデーモン45は生成したジョブ情報ツリーをプリンタ制御プログラム47に送信する。
S206では、プリンタ制御プログラム47は受信したジョブ情報ツリーを操作部23の表示装置に表示してユーザにジョブ情報を1つ以上選択させる。すなわち、実行する中間ファイルをユーザに選択させる。
S207では、プリンタ制御プログラム47はユーザによって選択されたジョブ情報を示すジョブ選択情報をプルプリントデーモン45に送信する。
【0060】
S208では、プルプリントデーモン45は受信したジョブ選択情報によって示されるジョブ情報の中から一つを選択する。S208の実行が2回目以降である場合には、未だ選択していないジョブ情報を選択するものとする。
S209では、プルプリントデーモン45はS208で選択したジョブ情報に対応するファイル書き込みパスをジョブ情報テーブルから取得し、取得したファイル書き込みパスによって特定される中間ファイルから印刷設定を読み出す。
【0061】
S210では、プルプリントデーモン45は、読み出した印刷設定と、S202でプリンタ制御プログラム47から受信した機能情報48とを比較して、中間ファイルの印刷設定と当該プリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断する。
【0062】
具体的には例えば、前述した機能情報48の例で説明すると、中間ファイルから読み出した印刷設定の設定値が仮に「A4、両面、カラー」であったとすると、前述した例の機能情報48が示す印刷機能はA4に対応しているので「被記録媒体のサイズ」については設定値とプリンタ20の印刷機能とが整合することになるが、前述した例の機能情報48が示す印刷機能は両面、及びカラーには対応していないので「片面/両面印刷」及び「カラー/モノクロ」については整合しないことになる。
プルプリントデーモン45は、一つでも設定値が整合しない場合は整合しないと判断してS211に進み、全ての設定値が整合する場合は整合すると判断してS219に進む。
【0063】
S211では、プルプリントデーモン45は中間ファイルの印刷設定が当該プリンタ20の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を生成する。
具体的には例えば、上述した「A4、両面、カラー」の例でいうと、プルプリントデーモン45は「両面印刷はできません。カラー印刷はできません」という情報を整合情報として生成する。つまり、本実施形態において整合情報とは、印刷設定に含まれている設定値のうちプルプリント要求が入力されたプリンタ20の印刷機能と整合しない設定値を示す情報であるといえる。
【0064】
S212では、プルプリントデーモン45は生成した整合情報をプリンタ制御プログラム47に送信する。
S213では、プリンタ制御プログラム47は受信した整合情報を操作部23に表示する。
【0065】
S214では、プリンタ制御プログラム47は印刷設定を修正して実行する「修正」、印刷ジョブの実行を中止する「中止」、又は、印刷設定を修正せずに実行する「印刷」のいずれを実行するかをユーザに選択させる。
プリンタ制御プログラム47は、「修正」が選択された場合はS215に進み、「印刷」又は「中止」が選択された場合はS216に進む。
【0066】
S215では、プリンタ制御プログラム47はユーザに修正情報を入力させる。
具体的には例えば、S213で操作部23に「両面印刷はできません。カラーの印刷はできません」という整合情報が表示されたとすると、ユーザは印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合するようにするために、「片面/両面」の設定値として「片面」を指定し、「カラー/モノクロ」の設定値として「モノクロ」を指定する。これにより、「片面/両面=片面、カラー/モノクロ=モノクロ」という修正情報が入力される。
【0067】
なお、上述した例は一例であり、例えば印刷設定でA3が設定されていてプリンタ20の印刷機能がA3に対応していない場合に、ページデータが表す画像を縮小してA4の被記録媒体に印刷するよう修正してもよいし、ページデータが表す画像をA4の被記録媒体2枚に分けて印刷するよう修正してもよい。また、例えば片面複数ページ印刷に対応していない場合には、それら複数ページをそれぞれ1枚の被記録媒体に印刷するよう修正してもよい。さらにプリンタ20が両面印刷に対応していない場合は、中間ファイルの偶数ページと奇数ページとを分けて印刷するように修正して両面印刷を行ってもよい。具体的には、プリンタ20はまず偶数ページのみを印刷した後、ユーザに印刷済み被記録媒体を反転させて給紙トレイに載置するように表示し、その後印刷済みの被記録媒体の裏面に奇数ページを印刷すればよい。
【0068】
S216では、プリンタ制御プログラム47はS214で「修正」が選択された場合はS215でユーザにより入力された修正情報をプルプリントデーモン45に送信し、「印刷」が選択された場合は印刷指示を送信し、「中止」が選択された場合は中止指示を送信する。
S217では、プルプリントデーモン45はプリンタ制御プログラム47から修正情報、印刷指示、中止指示のいずれを受信したかを判定し、修正情報を受信した場合はS218に進み、印刷指示を受信した場合はS219に進む。一方、中止指示を受信した場合は処理を終了する。
【0069】
S218では、プルプリントデーモン45は、S208で選択したジョブ情報に対応する中間ファイルの印刷設定を、プリンタ制御プログラム47から受信した修正情報に従って修正する。
S219では、プルプリントデーモン45はプルプリント要求が入力されたプリンタ20用のプリンタドライバ46が記憶部14に記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合はS220に進み、記憶されている場合はS221に進む。
【0070】
S220では、プルプリントデーモン45は所定のダウンロードサーバ(所定の装置の一例)から当該プリンタ20用のプリンタドライバ46をダウンロード、インストールして記憶部14に記憶する。
S221では、プルプリントデーモン45は記憶部14から当該プリンタ20用のプリンタドライバ46を読み出し、読み出したプリンタドライバ46を実行することにより、中間ファイルを当該プリンタ20で解釈可能な形式の印刷データ(印刷ジョブの一例)に変換する。
【0071】
S222では、プルプリントデーモン45は変換した印刷データをプリンタ制御プログラム47に送信する。
S223では、プリンタ制御プログラム47は受信した印刷データを実行し、当該印刷データに含まれているページデータが表す画像を被記録媒体に印刷して処理を終了する。
S224では、プルプリントデーモン45は、送信した中間ファイルの印刷設定の削除設定に、送信後の中間ファイルを削除するよう設定されているか否かを判断し、削除するよう設定されている場合はS225に進み、削除するよう設定されていない場合はS226に進む。
【0072】
S225では、プルプリントデーモン45はS208で選択したジョブ情報をジョブ情報テーブルから削除すると供に、そのジョブ情報に対応する中間ファイルを記憶部14から削除する。
S226では、プルプリントデーモン45はユーザによって選択された全てのジョブ情報の選択が終了したか否かを判断し、終了している場合はS227に進み、終了していない場合はS208に戻って処理を繰り返す。
【0073】
S227では、プルプリントデーモン45はS221で中間ファイルの変換に用いたプリンタドライバ46がS220でダウンロードしたものであるか否かを判断し、ダウンロードしたものである場合にはS228に進み、ダウンロードしたものではない場合は処理を終了する。
S228では、プルプリントデーモン45はダウンロードしたプリンタドライバ46を記憶部14から削除するか否かをプリンタ20に予め作成されている設定ファイルに従って決定し、削除が設定されている場合はS229に進み、削除しないが設定されている場合は処理を終了する。なお、S228の判断は、S103の処理で設定された内容に従って決定してもよい。具体的には、印刷設定ウィンドウにプリンタドライバ46を削除するか否かの設定項目を設けてユーザに選択させる。選択結果は、S108、S109においてジョブ情報の一部としてプルプリントデーモン45に送信すればよい。
S229では、プルプリントデーモン45はダウンロードしたプリンタドライバ46を記憶部14から削除して処理を終了する。
【0074】
(3−3)中間ファイル管理処理
中間ファイル記憶処理の実行後にプルプリント処理を行わなかった場合や、S224においてジョブを残す設定にした場合などは、サーバ10に中間ファイルが溜まる。そのため本処理ではその溜まった中間ファイルを管理するためのジョブ管理プログラム44が用意されている。以下はそのジョブ管理プログラム44にて行われる中間ファイル管理処理の説明である。
【0075】
図9、及び図10は、中間ファイル管理処理の流れを示すシーケンスチャートである。本処理はPC30でユーザがジョブ管理プログラム44の実行を指示すると開始される。
S301では、ジョブ管理プログラム44はプルプリントデーモン45に全てのジョブ情報の送信を要求する。
【0076】
S302では、プルプリントデーモン45はジョブ情報テーブルから全てのジョブ情報を取得してジョブ管理プログラム44に送信する。
S303では、ジョブ管理プログラム44は表示部35に図11に示すジョブ管理画面50を表示し、プルプリントデーモン45から受信した全てのジョブ情報を一覧表示する。
【0077】
S304では、ジョブ管理プログラム44はイベントを取得する。具体的には、ユーザがジョブ情報を選択する操作を行うか、あるいはいずれかのボタンを押す操作を行うと、その操作に応じたイベントがOSを介してジョブ管理プログラム44で取得される。
【0078】
S305では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「ジョブ選択」であるか否かを判定し、「ジョブ選択」である場合はS306に進み、それ以外である場合はS307に進む。
S306では、ジョブ管理プログラム44はユーザが選択したジョブ情報を選択状態にしてS304に戻る。
【0079】
S307では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「削除ボタン」であるか否かを判定し、「削除ボタン」である場合はS308に進み、それ以外である場合はS310に進む。
S308では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報の削除要求をプルプリントデーモン45に送信してS304に戻る。
【0080】
S309では、プルプリントデーモン45は削除要求されたジョブ情報をジョブ情報テーブルから削除するとともに、そのジョブ情報に対応する中間ファイルを記憶部14から削除する。
S310では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「修正ボタン」であるか否かを判定し、「修正ボタン」である場合はS311に進み、それ以外である場合はS314に進む。
【0081】
S311では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報を修正するための図示しないウィンドウを表示する。ユーザは表示されたウィンドウでジョブ情報の修正情報を入力することができる。ここで修正できる項目は、識別情報、印刷許可者などである。印刷許可者とはそのジョブ情報に対応する中間ファイルのプリプリントが許可されているユーザのユーザ情報であり、ジョブ情報に含まれているものとする。
S312では、ジョブ管理プログラム44は修正情報をプルプリントデーモン45に送信してS304に戻る。
【0082】
S313では、プルプリントデーモン45は選択されたジョブ情報を修正情報に従って修正する。
S314では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「複製ボタン」であるか否かを判定し、「複製ボタン」である場合はS315に進み、それ以外である場合はS317に進む。
S315では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報を複製するための複製要求をプルプリントデーモン45に送信してS304に戻る。
【0083】
S316では、プルプリントデーモン45は選択されたジョブ情報とそのジョブ情報に対応する中間ファイルとを複製する。
S317では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「画像ソフト起動ボタン」であるか否かを判定し、「画像ソフト起動ボタン」である場合はS318に進み、それ以外である場合はS323に進む。
【0084】
S318では、ジョブ管理プログラム44は選択状態になっているジョブ情報に対応する中間ファイルの送信要求をプルプリントデーモン45に送信する。
S319では、プルプリントデーモン45は要求された中間ファイルをジョブ管理プログラム44に送信する。
S320では、ジョブ管理プログラム44は画像編集ソフトを起動する。ユーザは起動された画像編集ソフトにより、中間ファイルに含まれているページデータが表す画像を編集することができる。
【0085】
S321では、ジョブ管理プログラム44は編集された中間ファイルをプルプリントデーモン45に送信する。
S322では、プルプリントデーモン45は、記憶部14に記憶されている中間ファイルを、ジョブ管理プログラム44から受信した中間ファイルで更新する。
S323では、ジョブ管理プログラム44は取得したイベントが「終了ボタン」であるか否かを判定し、「終了ボタン」である場合は処理を終了し、それ以外である場合はS304に戻る。
なお、本処理はユーザの権限に応じて選択可能なイベントが制限されてもよい。また他のPC30にて起動されたジョブ管理プログラム44との排他制御が行われるとより好適である。
【0086】
(4)実施形態の効果
以上説明した本発明の実施形態1に係るプルプリントシステム1によると、サーバ10に記憶されている中間ファイル(印刷ジョブの一例)の印刷設定とプルプリント要求が入力されたプリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断し、整合しない場合は中間ファイルの印刷設定を修正してプリンタ20に送信するので、印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない印刷ジョブが実行されてしまうことを低減することができる。これにより、印刷ジョブの実行途中でエラーが発生してしまうことによる時間の無駄を低減できる。
【0087】
更に、プルプリントシステム1によると、印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない中間ファイルの印刷設定を修正する場合に、ユーザが印刷設定を修正することができる。
【0088】
更に、プルプリントシステム1によると、各プリンタ20の印刷機能を示す機能情報48を外部(本実施形態ではプリンタ20)から取得するので、サーバ10の管理者は予めサーバ10に各プリンタ20の機能情報48を記憶させておかなくてもよい。これにより、管理者がサーバ10に各プリンタ20の機能情報48を記憶させる手間を低減できる。
【0089】
更に、プルプリントシステム1によると、印刷ジョブを特定のプリンタ20に依存しない形式の中間ファイルとして生成し、その中間ファイルを、プルプリント要求が入力されたプリンタ20で解釈可能な形式の印刷データに変換するので、解釈可能な印刷ジョブの形式がプリンタ20間で統一されていなくてもよい。これにより、解釈可能な印刷ジョブの形式が互いに異なる複数のプリンタ20でプルプリントシステム1を構成することができる。従って、プルプリントシステム1をより柔軟に構成できる。
【0090】
更に、プルプリントシステム1によると、プリンタ20用のプリンタドライバ46が記憶部14に記憶されていない場合は所定のダウンロードサーバからダウンロードするので、記憶部14にプリンタドライバ46が記憶されていないプリンタ20であってもそのプリンタ20で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換することができる。
【0091】
更に、プルプリントシステム1によると、変換に用いられたプリンタドライバ46がダウンロードされたものである場合に、変換に用いられた後に当該プリンタドライバ46を記憶部14から削除する。これにより、例えば頻繁にプルプリントされないプリンタ20のプリンタドライバ46は記憶部14に記憶しておかないようにしてその都度ダウンロードし、変換後は記憶部14から削除することにより、記憶部14の記憶領域を節約できる。一方、頻繁にプルプリントされるプリンタ20のプリンタドライバ46については記憶部14に記憶させておくことにより、プリンタドライバ46のダウンロードに要する時間を不要にでき、より短時間に印刷結果を得ることができる。
【0092】
更に、プルプリントシステム1によると、送信済みの中間ファイルをサーバ10から削除するか否かをユーザが設定することができるので、ユーザの利便性が向上する。
より具体的に説明すると、サーバ10に記憶されている中間ファイルがプルプリントされるのは1回であるとは限らないので、中間ファイルを実行した後に直ちにその中間ファイルを削除するようにすると、ユーザにとって不便な場合がある。例えば、中間ファイルの印刷設定とプリンタ20の印刷機能とが整合していない場合に、ユーザは取り急ぎ印刷結果を得るためにユーザが本来望んでいる印刷設定を修正してプルプリントを行い、その後に中間ファイルの印刷設定と整合する印刷機能を有する別のプリンタ20であらためてプルプリントを行うことも考えられる。その場合、中間ファイルを実行した後に直ちにその中間ファイルを削除するようにするとユーザにとって不便である。一方、送信済みの中間ファイルをいつまでも記憶しておくとサーバ10の記憶領域が無駄に占有されてしまう。
【0093】
プルプリントシステム1によると、送信済みの中間ファイルをサーバ10から削除するか否かをユーザが設定することができるので、ユーザは送信済みの中間ファイルを再度プルプリントする可能性がある場合は削除しないように「印刷した中間ファイルを全て残す」を設定することで利便性が向上する。一方、再度プルプリントする可能性が低い場合は、ユーザは「印刷した中間ファイルを全て削除する」を設定することでサーバ10の記憶領域が無駄に占有されてしまうことを低減することができる。更に「修正されている中間ファイルのみ残す」を設定することにより、予定と違う設定で印刷した場合にのみ再度印刷を可能とすることもできる。
【0094】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図12ないし図13によって説明する。
実施形態2では、いずれかのプリンタ20でプルプリント要求が入力されると、ユーザ情報が一致する全ての中間ファイルについてその中間ファイルの印刷設定と当該プリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断し、整合すると判断した中間ファイルの中からユーザに実行する中間ファイルを選択させる。
【0095】
図12、及び図13は、実施形態2に係るプルプリント処理の流れを示すシーケンスチャートである。ここでは実施形態1と実質的に同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
S401では、プルプリントデーモン45は検索されたジョブ情報の中から一つを選択する。S401の実行が2回目以降である場合には未だ選択していないジョブ情報を選択するものとする。
【0096】
S402では、プルプリントデーモン45はS401で選択したジョブ情報に対応するファイル書き込みパスをジョブ情報テーブルから取得し、取得したファイル書き込みパスによって特定される中間ファイルから印刷設定を読み出す。
S403では、プルプリントデーモン45は印刷設定とプリンタ20の印刷機能とが整合するか否かを判断し、整合すると判断した場合はS404に進み、整合しないと判断した場合はS405に進む。
【0097】
S404では、プルプリントデーモン45はジョブ情報をジョブ情報ツリーに追加する。
S405では、プルプリントデーモン45は検索された全てのジョブ情報の選択が終了したか否かを判断し、終了している場合はS406に進み、終了していない場合はS401に戻って処理を繰り返す。
【0098】
S406では、プルプリントデーモン45は生成したジョブ情報ツリーをプリンタ制御プログラム47に送信する。
S407では、プリンタ制御プログラム47は受信したジョブ情報ツリーを操作部23に表示してユーザにジョブ情報を1つ以上選択させる。すなわち、実行する中間ファイルをユーザに選択させる。
S408では、プリンタ制御プログラム47はユーザによって選択されたジョブ情報を示すジョブ選択情報をプルプリントデーモン45に送信する。
【0099】
S409では、プルプリントデーモン45はプリンタ制御プログラム47から受信したジョブ選択情報によって示されるジョブ情報の中から一つを選択する。S409の実行が2回目以降である場合には未だ選択していないジョブ情報を選択するものとする。
【0100】
S410では、プルプリントデーモン45は選択された全てのジョブ情報の選択が終了したか否かを判断し、終了している場合はS227(図示せず)に進み、終了していない場合はS409に戻って処理を繰り返す。
S410以降の処理は実施形態1と同一であるので説明は省略する。
【0101】
以上説明した本発明の実施形態2に係るプルプリントシステムによると、ユーザは印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合する中間ファイルしか選択できないので、結果として印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない中間ファイルは実行されない。これにより、印刷設定がプリンタ20の印刷機能と整合しない中間ファイルが実行されてしまうことを低減することができる。
【0102】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0103】
(1)上記実施形態ではサーバ10とPC30とが別構成である場合を例に説明したが、サーバ10がPC30を兼ねていてもよい。
【0104】
(2)上記実施形態では印刷設定と印刷機能とが整合していない場合はユーザに修正情報を入力させているが、印刷設定と印刷機能とが整合するようプルプリントデーモン45が自動で修正するようにしてもよい。
【0105】
(3)上記実施形態ではプリンタ20から機能情報48を取得する場合を例に説明したが、複数の機種の機能情報48を記憶している外部のサーバからダウンロードしてもよい。
【0106】
(4)上記実施形態ではサーバ10の記憶部14に印刷ジョブが記憶される場合を例に説明したが、印刷ジョブは外部のファイルサーバに記憶されてもよい。
【0107】
(5)上記実施形態ではPC30でジョブ管理プログラムが実行される場合を例に説明したが、プリンタ20でジョブ管理プログラムを実行するようにしてもよい。
【0108】
(6)上記実施形態ではS103において中間ファイルの印刷設定の削除設定をユーザに選択させていたが、プルプリント処理時にプリンタ20でユーザに選択させてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1・・・プルプリントシステム
2・・・通信ネットワーク
10・・・サーバ
11・・・CPU
12・・・ROM
13・・・RAM
14・・・記憶部
15・・・ネットワークインタフェース
20・・・プリンタ
21・・・制御部
22・・・印刷部
23・・・操作部
24・・・ネットワークインタフェース
41・・・アプリケーションプログラム
42・・・プルプリント用のプリンタドライバ
43・・・バックエンドプログラム
44・・・プルプリントデーモンプログラム
45・・・プリンタ用のプリンタドライバ
46・・・プリンタ制御プログラム
47・・・ジョブ管理プログラム
48・・・機能情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置と、前記データ処理装置と通信可能に接続されている1以上の印刷装置とを備えるプルプリントシステムであって、
前記印刷装置は、
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、
前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを有し、
前記データ処理装置は、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、
前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段とを有する、プルプリントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプルプリントシステムであって、
前記印刷装置は、
前記入力手段によってプルプリント要求が入力されると、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、
前記判断手段は、前記選択手段によって選択された印刷ジョブの印刷設定が当該印刷装置の印刷機能と整合するか否かを判断し、
前記制御手段は、前記判断手段で整合しないと判断された場合は当該印刷装置の印刷機能と整合するように当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する、プルプリントシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプルプリントシステムであって、
前記制御手段は、
前記判断手段で整合しないと判断された場合に、当該選択された印刷ジョブの印刷設定を当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を生成し、生成した整合情報を当該印刷装置に送信する整合情報送信手段を有し、
前記印刷装置は、
前記データ処理装置から整合情報を受信する整合情報受信手段と、
前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、
前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段とを有し、
前記制御手段は、
当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置から受信した修正情報に基づいて当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正するジョブ修正手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のプルプリントシステムであって、
前記判断手段は、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると前記ジョブ記憶手段に記憶されている各印刷ジョブについてその印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断し、
前記印刷装置は、
前記判断手段によって整合すると判断された印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、
前記制御手段は、前記選択手段で選択された印刷ジョブを送信する、プルプリントシステム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のプルプリントシステムであって、
前記判断手段は、
前記印刷装置の印刷機能を示す機能情報を外部から取得する取得手段と、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると、前記取得手段により当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の機能情報を取得し、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを前記機能情報に基づいて判断する機能情報判断手段とを有する、プルプリントシステム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のプルプリントシステムであって、
前記印刷ジョブはいずれの前記印刷装置にも依存しない形式のファイルであり、
前記制御手段は、
前記印刷ジョブを当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換する変換手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のプルプリントシステムであって、
前記データ処理装置は、
プリンタドライバを記憶するためのドライバ記憶手段と、
プルプリント要求が入力された前記印刷装置のプリンタドライバが前記ドライバ記憶手段に記憶されているか否かを判断するドライバ有無判断手段と、
前記ドライバ有無判断手段によって否定判断された場合に、所定の装置から当該印刷装置のプリンタドライバをダウンロードして前記ドライバ記憶手段に記憶させるダウンロード手段とを有し、
前記変換手段は、前記ドライバ記憶手段に記憶されているプリンタドライバを用いて前記印刷ジョブを変換する、プルプリントシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のプルプリントシステムであって、
前記データ処理装置は、
前記変換手段によって変換に用いられたプリンタドライバが前記ダウンロード手段によってダウンロードされたものである場合に、前記変換手段によって変換に用いられた後に当該プリンタドライバを前記ドライバ記憶手段から削除するドライバ削除手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のプルプリントシステムであって、
前記データ処理装置は、
前記制御手段によって印刷ジョブを送信すると、送信済みの印刷ジョブを削除するよう設定されているか否かを判断し、削除するよう設定されている場合は当該印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段から削除する印刷ジョブ削除手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項10】
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置であって、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、
前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段と、
を備える、データ処理装置。
【請求項11】
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置を、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、
前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段として機能させるデータ処理プログラム。
【請求項12】
データ処理装置と通信可能に接続されている印刷装置であって、
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、
前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、
前記データ処理装置から、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定を当該印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を受信する整合情報受信手段と、
前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、
前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段と、
を備える印刷装置。
【請求項1】
データ処理装置と、前記データ処理装置と通信可能に接続されている1以上の印刷装置とを備えるプルプリントシステムであって、
前記印刷装置は、
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、
前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段とを有し、
前記データ処理装置は、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、
前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段とを有する、プルプリントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプルプリントシステムであって、
前記印刷装置は、
前記入力手段によってプルプリント要求が入力されると、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、
前記判断手段は、前記選択手段によって選択された印刷ジョブの印刷設定が当該印刷装置の印刷機能と整合するか否かを判断し、
前記制御手段は、前記判断手段で整合しないと判断された場合は当該印刷装置の印刷機能と整合するように当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する、プルプリントシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプルプリントシステムであって、
前記制御手段は、
前記判断手段で整合しないと判断された場合に、当該選択された印刷ジョブの印刷設定を当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を生成し、生成した整合情報を当該印刷装置に送信する整合情報送信手段を有し、
前記印刷装置は、
前記データ処理装置から整合情報を受信する整合情報受信手段と、
前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、
前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段とを有し、
前記制御手段は、
当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置から受信した修正情報に基づいて当該選択された印刷ジョブの印刷設定を修正するジョブ修正手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のプルプリントシステムであって、
前記判断手段は、いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると前記ジョブ記憶手段に記憶されている各印刷ジョブについてその印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断し、
前記印刷装置は、
前記判断手段によって整合すると判断された印刷ジョブの中から実行する印刷ジョブをユーザに選択させる選択手段を有し、
前記制御手段は、前記選択手段で選択された印刷ジョブを送信する、プルプリントシステム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のプルプリントシステムであって、
前記判断手段は、
前記印刷装置の印刷機能を示す機能情報を外部から取得する取得手段と、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されると、前記取得手段により当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の機能情報を取得し、前記ジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と当該印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを前記機能情報に基づいて判断する機能情報判断手段とを有する、プルプリントシステム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のプルプリントシステムであって、
前記印刷ジョブはいずれの前記印刷装置にも依存しない形式のファイルであり、
前記制御手段は、
前記印刷ジョブを当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置で解釈可能な形式の印刷ジョブに変換する変換手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のプルプリントシステムであって、
前記データ処理装置は、
プリンタドライバを記憶するためのドライバ記憶手段と、
プルプリント要求が入力された前記印刷装置のプリンタドライバが前記ドライバ記憶手段に記憶されているか否かを判断するドライバ有無判断手段と、
前記ドライバ有無判断手段によって否定判断された場合に、所定の装置から当該印刷装置のプリンタドライバをダウンロードして前記ドライバ記憶手段に記憶させるダウンロード手段とを有し、
前記変換手段は、前記ドライバ記憶手段に記憶されているプリンタドライバを用いて前記印刷ジョブを変換する、プルプリントシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のプルプリントシステムであって、
前記データ処理装置は、
前記変換手段によって変換に用いられたプリンタドライバが前記ダウンロード手段によってダウンロードされたものである場合に、前記変換手段によって変換に用いられた後に当該プリンタドライバを前記ドライバ記憶手段から削除するドライバ削除手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のプルプリントシステムであって、
前記データ処理装置は、
前記制御手段によって印刷ジョブを送信すると、送信済みの印刷ジョブを削除するよう設定されているか否かを判断し、削除するよう設定されている場合は当該印刷ジョブを前記ジョブ記憶手段から削除する印刷ジョブ削除手段を有する、プルプリントシステム。
【請求項10】
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置であって、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、
前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段と、
を備える、データ処理装置。
【請求項11】
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段を有する1以上の印刷装置と通信可能に接続されているデータ処理装置を、
いずれかの前記印刷装置でプルプリント要求が入力されたことを条件として、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定と、当該プルプリント要求が入力された前記印刷装置の印刷機能とが整合するか否かを判断する判断手段と、
前記印刷ジョブを前記印刷装置に送信する制御手段であって、前記判断手段で整合しないと判断された場合は前記印刷ジョブを送信しないか又は前記印刷ジョブの印刷設定を修正して送信する制御手段として機能させるデータ処理プログラム。
【請求項12】
データ処理装置と通信可能に接続されている印刷装置であって、
ユーザがプルプリント要求を入力するための入力手段と、
前記データ処理装置から受信した印刷ジョブを実行して被記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、
前記データ処理装置から、所定のジョブ記憶手段に記憶されている印刷ジョブの印刷設定を当該印刷装置の印刷機能と整合するように修正するための整合情報を受信する整合情報受信手段と、
前記整合情報受信手段によって受信した整合情報に基づいてユーザに印刷ジョブの印刷設定を修正するための修正情報を入力させる修正情報入力手段と、
前記修正情報入力手段によって入力された修正情報を前記データ処理装置に送信する修正情報送信手段と、
を備える印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−158946(P2011−158946A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17808(P2010−17808)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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