プレアプライド接着剤用アクティベーター手段
接着面を貼り合せる前に接着面にプレアプライドされた接着剤およびシーラント組成物を活性化させる、または再活性化させるのに使用するアクティベーター手段で、この手段は、このプレアプライドされた組成物に直接作用する複数の特徴部を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着面をそれが接着される表面または被接着体と合わせる前に接着面にプレアプライド(pre-applied)された接着剤およびシーラント組成物を活性化する、または再活性化するために使用される新規なアクティベーター手段に関する。ある1つの態様では、このアクティベーター手段は、プレアプライドされた熱活性化または再活性化接着剤およびシーラント組成物と共に使用される加熱されたアクティベーター手段であり、アクティベーター手段の熱が接着剤またはシーラントを流動状態にし、アクティベーター手段の活性化面が流動状態の接着剤またはシーラントを被着体面から持ち上げ、それを集め、被着体面の目的とする所望の形状のボンドラインに再度堆積させる。別の態様では、このアクティベーター手段は、加熱されない、または加熱されても最小限の熱しか供さないアクティベーターであり、その活性面は、接着剤がプレアプライドされた被着体の表面から接着剤を持ち上げることができ、プレアプライド接着剤を混合し、集めて、それを被着体の目的とするボンドラインの領域に再度堆積させることができる。このアクティベーター手段は、プレアプライド2液型硬化性または重合性接着剤またはシーラント組成物、特にカプセル化された組成物と共に使用し、その活性化面が2つの液を均質混合し、活性化された組成物を被着面の目的とするボンドラインの領域に再度堆積させる前に組成物を硬化または重合を活性化することができる特徴を有することが好ましい。また本発明は、上述のアクティベーター手段を含む工業的接着システムおよび装置、特に高速工業用のオートメート化された接着用途用のシステムおよび装置ならびに上述のアクティベーター手段を使用した接着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多液型接着剤およびシーラント組成物は、広く知られており、一般用および工業用または商業用として市販されている。これらの組成物は、一般には反応系としての特徴を有し、硬化または重合が開始すると、硬化性組成物の全ての成分が互いに均質に接触させられる。最も一般的な多液型接着剤およびシーラント組成物は、2液系のものである。2液型接着剤およびシーラント組成物は、色々な形状のものがあり、多くの用途に使用することができる。例えば、接着剤またはシーラント組成物は、第1の液、液Aは、液状の硬化性成分を含み、第2の液、液Bは、適当な溶媒にあるアクティベーターを含み、このアクティベーターは、液Aの存在下で、液体の硬化性成分の硬化または重合を開始または実行する。使用の際には、接着される一方の面または両面が液Bによって予備処理またはプライマー処理され、液Aがこれらの面に塗付され、両面を合わせた際に硬化または重合が開始する。
【0003】
これとは別に液AとBの両方が同じまたは異なる液体の硬化性成分を含んでもよく、液Aは、またアクティベーターを含み、このアクティベーターは、液Aの液体硬化性成分とは非反応性であるが、液Bと混合されると反応性になる。この場合、アクティベーターは、重合または硬化を行うが、それ自身は硬化した、または重合したポリマー内に化学的に組み込まれない(物理的にはその中に連行される場合もあるが)開始剤、促進剤、触媒などの化学添加剤であってもよく、または架橋剤またはハードナーなどの液Bの液体硬化性成分と共重合性の成分であってもよい。例えば、2液型エポキシ接着剤およびシーラント組成物は、並んでまたは同心に押し出されるパティー状の2液のリボン、ストリングス、ビーズ状のものがよく見られる。液状の硬化または重合系のように、これらの2つの成分を均質混合すると硬化または固化が開始する。
【0004】
工業的オペレーションでは、殆どの接着剤およびシーラント組成物は、使用時に塗付され、通常、2つの成分の相対比を計測し、吐出する際または直前に2つの成分を混合する高価で、複雑な吐出装置を介して塗付される。2つの成分の混合が吐出装置内で行われるかまたは吐出される際に行われるかは、材料の物性、その硬化特性、特に活性化材の硬化速度またはポットライフによって決まる。このような吐出装置は、大型の容器または貯蔵器から供給する、または吐出装置は、使い捨てのカートリッジを受けるように構成され、このカートリッジは、2つのチャンバーを含み、例えば二重バレルカートリッジなど、それぞれが所定量の2つの成分を含むように構成され、これら2つの成分が適当な割合で吐出される。前者の吐出装置は、貯蔵器が補充される限り、連続的に、またはほぼ連続的に吐出することが可能である。しかしながら、特に組み立てラインの停止または一時的な停止の際にミキサーヘッド内またはノズルオリフィスで2液型組成物が硬化することによって吐出ノズルが詰まってしまうという懸念がある。カートリッジの使用は、大きな容器を使用することが実用的でない、または容器を吐出ノズルの近隣に配置することができないシステムにおいては特に有用である。さらにこれらのシステムによって、使用したカートリッジを廃棄することができ、装置の汚染、大きな貯蔵器の設置または保管の心配がなくなる。さらに問題が生じたら、使い切っていないカートリッジは、新しいカートリッジに交換され、一方大型の貯蔵器に問題が生じた場合、貯蔵器を空にし、洗浄し、かつ、吐出前にパージされた吐出システムが再使用される。カートリッジの場合、カートリッジ集合体にノズルまたはミキサーが組み込まれている場合がある。従って、ノズルまたはミキサーヘッドは、カートリッジが交換されるごとに交換される。ノズルまたはミキサーヘッドが詰まるという問題が生じた場合、単にカートリッジ全体を取り替えるだけで済み、組立作業を進めることができる。その際の唯一の損失は、カートリッジの使い切っていない材料および組み立てライン工程の僅かな遅延だけである。ノズルまたはミキサーヘッドが一体化されている、またはされていないこのようなカートリッジは、このような特性を有するが、より高度な吐出装置の大型の貯蔵器に比較して比較的少量の材料しか貯蔵できないためにカートリッジを頻繁に交換しなければならない。この交換作業によって、一時的にではあるにせよ頻繁に組み立てラインを停止しなければならず、それに伴って処理量が影響を受ける。
【0005】
上記のシステムの最も不利な点は、高速で行われる工業的生産ラインでの液体材料の使用および塗布にある。確実に成分を適当な割合で混合するために細心の注意を払わなければならない。2つの成分が吐出される割合が僅かに変化しても材料の硬化が早くなり過ぎたり、遅くなり過ぎてしまったりする。このような割合の変化によって硬化が影響されないとしても、これによって吐出を行った際に得られる意図したものとは異なる性能特性または物理的形状を有する接着剤になりやすい。さらにこれらの吐出システムは、成分を吐出する際に直接的または間接的に圧力を利用しているため、圧力の変動が形成される接着剤および/またはボンドに悪影響を与える可能性がある。例えば、低圧力または圧力損失によって接着剤の吐出量が不十分になったり、接着剤の吐出にギャップが生じたりして接着が不十分になったり、接着不良になったりする場合がある。また圧力が大き過ぎたり、圧力が急激に高くなると材料が過剰に吐出され、被着体が使用に適さなくなったり、最悪の場合、接着剤が被着体上に広がってしまうだけでなく、組み立てラインの隣接する部材にも広がってしまう。後者の場合、組み立てラインを停止して、清掃しなけければならず、さらにより重要な問題が発生する場合がある。
【0006】
インラインで塗付される液体接着材料に関連する問題の多くを防ぐために、多くの製造工程ではプレアプライド接着剤が採用されている。これらの系の大半は、場合によっては特に高温、照射(例えば、UV,IRなど)、電磁場(例えば、RF、UHF、マイクロ波など)および/または超音波に晒されると活性化される、または再活性化される指触乾燥状態の熱可塑性(冷却された熱溶融液を含む)または熱硬化性接着材料の薄いフィルムを採用している。このような系の用途は、広いが、特に平面でない、または隙間が存在する表面同士の接着に関しては限界もある。さらに各系には、接着剤を活性化させる、または再活性化させるのに必要なエネルギーの発生によって、エネルギーが作用する被着体だけでなく、組み立てラインの活性化ステーションに隣接する関連装置ならびに特に組み立てラインのオペレーションおよびメインテナンスの責任者に対するその他の一般的な健康、安全および環境に関する問題が生じる。例えば、高速で行われるパッケージの形成および封止工程は、接着面に塗付されたプレアプライド熱可塑性または熱硬化性接着剤フィルムを使用しており、これは目的とするボンドラインに極めて高温の空気を噴射する1つ以上のヒーターエレメントによって、フィルムの活性または溶融温度にまで熱せられる。
【0007】
高温空気の噴射を方向付けることは可能であるが、空気源から被着体までの距離が遠くなるほど、噴射は、より広く拡散してしまう。また噴射が被着体に当たると、高温空気が被着体の表面に沿って分散する。感熱表面、コーティングなどを有する多くの被着体にとってこれは非常に重要な問題になり得る。例えば、パッケージは、多くの場合、その外面にコーティングまたはニスおよび/またはプリントが施されており、これらはプレアプライド接着剤を活性化するまたは反応させるのに必要な高温によって、特に熱が正確に接着剤層領域に加えられない場合、悪影響を受ける可能性がある。さらに組み立てラインに関する問題の処理を求められた作業員は、しばしば加熱装置またはそれから発せられる熱、特に高温空気噴射流に接近し、または接触することがあり、これによって重度の火傷を負う場合がある。従って、組み立てラインおよび加熱装置に安全手段および防護手段または設計変更を加えなければならず、これによって余分な費用が嵩み、システム自体がより複雑になってしまう。熱を直接加える以外に電磁エネルギー、紫外光などに依存するシステムでも上記と同じことが言える。最後にこれらのシステムは、接着が形成される前、または被着体を次の作業ステーションに移動することができるように充分な接着が得られる前に加熱された接着剤またはシーラントを充分に冷却するためにその工程に長期に亘って装置およびスペースの両方の点でさらなる追加の費用を加えなければならない。
【0008】
別の類のプレアプライド材としては、カプセル化された接着剤およびシーラントが知られている。このカプセル化された系は、Schwantes et. al.(米国特許第6,592,990号)のカプセル化されたPSAまたはEichel(米国特許第第2,986,477号)のカプセル化された粘着材などの1液型接着剤、Roesch et al.(米国特許第5,922,798号)およびEichel(米国特許第2,907,682号)に開示されているような溶剤系のカプセル化された接着剤系などの2またはそれ以上の液型接着剤系またはより一般的なBachmann et. al.(米国特許第3,814,156号および同第3,826,756号)、Chao(米国特許第6,375,872号)およびUsami et. al.(米国特許第5,397,812号)に開示されているような液体硬化性系などがある。最初に述べた系では、マイクロカプセルを粉砕することによりカプセル化されていた接着剤が接着を行うために利用可能となる。2番目の系では、マイクロカプセルを粉砕しても、接着剤にそれが活性化するまたは形成される機会を供するだけである。例えば、溶剤系の接着剤では、マイクロカプセルまたはその1種が別のマイクロカプセルに存在する接着剤を溶解または粘着性にする溶剤を粒子としてまたはマイクロカプセルを表面に保持するバインダーとして含んでいる。溶剤マイクロカプセルが粉砕されると、溶剤が放出され、接着剤を活性化する。これとは別に硬化性の系では、アクティベーター、触媒、または開始剤である必要ないくつかのキュラティブが互いにまたは重合性成分と接触するまで硬化を開始または活性化されない。マイクロカプセルを粉砕することによってこれら全ての成分が接触し、硬化が行われ、接着剤またはシーラントがイン−シツ形成される。
【0009】
上述したようにカプセル化された接着剤のより一般的なものは、2液型液体硬化性の系である。上述したインラインで塗布される液体硬化性の系のように、これらのカプセル化された接着剤は、あらゆる種類の特定の用途/エンドユーズに適合するおよび/または多くの性能特性を達成するために特別に配合される。しかしながら、これらの接着剤は、広い範囲の特性および性能を有しているにも拘らず、商業的用途は非常に限られている。これらの接着剤の最も一般的な用途は、機械的な締結用途、ねじ止めを利用した組み立てまたは固定用途である。ねじ止め用途の場合、接着剤はネジ止め作用によって活性化される。固定用途では、接着剤の活性化は、接着される2つの部材を組み立てることによって行われ、殆どの場合、部材の挿入による組み立て作業を伴う。例えば、Bonutti(米国特許第4,750,457号)は、エンジンブロックの受け孔内に挿入されるエンジンカッププラグの側壁の溝にカプセル化接着剤を使用している。締まりばめによって溝が変形し、マイクロカプセルを破砕し、それに含まれていた液体成分が流れ出す。同様にMuller et. al.(米国特許第4,100,954号)およびMederski(米国特許第5,965,866号)は、ボディーまたはカードの凹部にカプセル化された接着剤を使用しており、ここではこの凹部にドエルまたはマイクロチップを挿入する際の力によってマイクロカプセルが粉砕され、接着剤の硬化が開始する。
【0010】
カプセル化された接着剤は、強固な平坦または平面被着体の接着にも使用されるが、その用途は非常に限られている。活性化は、マイクロカプセルの粉砕によって開始され、マイクロカプセル自体は、非常に小さい粒径のものなので、その使用は、接着面が平面である、または曲線を描いている場合、その曲線同士が互いに鏡像となり、2枚の被着体を貼り合わせた際にボンドラインまたは接着界面での隙間が最小限になるような被着体に限定される。マイクロカプセルの直径より大きい隙間が存在する、またはカプセル壁の脆弱性または剛性によっては、マイクロカプセルの4分の3程度の大きさの隙間であっても、硬化性成分が放出されず、接着が生じないまたは接着不良になってしまう。一方、貼り合せが完全で、隙間が生じない場合、液体接着剤材料の全てまたは実質的に全てがマイクロカプセルを粉砕するために用いられる圧力下で押し出されてしまう懸念がある。ここでマイクロカプセル壁の残物が貼り合わされた表面間で隙間を維持する役割りを果たし、全ての接着剤材料が貼り合わせの際の圧力下で押し出されないようにする。ただこのようにしても、相当量の接着剤材料がボンドラインから押し出されてしまい、これにより接着強度が弱くなり、余分な接着剤を取り除かなければならない。
【0011】
カプセル化された接着剤の用途の成長している分野は、多孔質または半多孔質の可撓性シート媒体、特に紙および紙製品ならびに織物または不織布、シートおよびウェブ製品の接着である。例えば、Akridge et. al.(米国特許第5,794,409号)およびHaugwitz(米国特許第4,961,811号)は、手紙、ジャンクメールなどの紙封筒の製造および/または封止にカプセル化された液体硬化性接着剤を使用している。また最近では、Schwantes et. al.(米国特許第6,592,990号)は、ラベルの接着用途にカプセル化されたイン−シツ形成されたPSAを使用している。典型的には接着剤の活性化は、貼り合わされた面を1つ以上のピンチローラーの間を通過させ、1つ以上の固定ブレードの下、そして一組の回転ディスクまたは一連の対の回転ディスク、またはこれらを組み合わせたものの間を通過させることによって行われ(例えばWell et. al.、米国特許第6,726,796号参照)、このオペレーションによってマイクロカプセルを破砕し、2つの貼り合わされた被着体の間で接着剤が広げられる。これとは別に少なくともイン−シツ形成されたPSAでは、これらの活性化手段を接着される被着体を貼り合わせる前にプレアプライド接着剤に直接作用させてもよい。
【0012】
この系は成功しているが、これもまたカプセル化された液体硬化性接着剤に関する制限を有する。例えばそれらの低い粘度によって液体硬化性組成物は、多孔質被着体内に入り込みやすく、接着層を形成する接着のための隙間または界面に殆ど硬化性材料が残らなくなる。これは、液体材料が紙の表面層を満たし、それによって接着を行うのに充分な接着剤材料を供する従来の紙封筒の場合と同じように薄い媒体または非常に平滑な表面ではさほど問題にはならない。しかしながら、板紙および特にボール紙などの厚い媒体では、より重要な懸念および問題がある、というのは液体が表面下に吸収される、または入り込んで、殆どまたは僅かにしか界面に液体硬化性材料を残さず、これらの材料によく見られるむらに対応するには不充分な量になってしまうからである。一方、プレアプライドされた接着剤が上述のピンチローラー、ブレードおよび回転ブレードを使用して活性化されるこれらの被着体にとってある程度の孔またはむらは重要である。もし接着剤を受け皿の役割りを果たすこのような孔が無ければ、これらの手段によって接着剤材料を押しのけ、搾り出したり、掻き取ってしまい、ボンドラインまたは接着界面に殆ど接着剤材料が残らなくなってしまう。
【0013】
カプセル化された接着剤の使用を制限する別の要因としては、マイクロカプセルを破裂させるための充分な圧力を加えることができないおよび/またはカプセルを破裂させる効率が悪いということが挙げられる。この問題を悪化させているのは、早期の意図しないカプセルの破裂を防ぐために従来のカプセル化された接着剤およびシーラントによく見られるような厚い壁を有するカプセルの使用である。これらの問題は、紙、ボール紙など、特に上述したような活性化手段によって加えられる圧力を吸収するまたは和らげてしまう厚みのある部分において特に問題になる。圧力を増加させるという調整を行った場合、被着体を損なう、または変形させるという悪影響を及ぼしてしまう。柔軟性のない硬い被着体は、同様な問題点を有するが、その理由は異なる。具体的には硬い被着体に作用する圧力が接着界面を通過する際、被着体が不規則な表面を有する場合、接着界面に隙間が生じ、いくら圧力が加えられても、その隙間ではマイクロカプセルは粉砕されない。従って、接着不良または接着されない領域が存在する場合がある。
【0014】
上述の問題および懸念のいくつかは、機械的活性化手段がカプセル化された接着剤材料に直接作用するWells et. al.によるシステムによって軽減されるが、このような形態または方法は、カプセル化されたプレアプライド接着剤の大半には適していない、または利用することができない。従来の活性化装置および方法と同様に、Wells et. al.もマイクロカプセルを破砕するのに圧縮力に依存しているが、Wells et. al.では貼り合わされた被着体ではなく、接着剤に直接、作用するので、別の懸念が生じ、活性化された接着剤またはシーラントの全てを被着体表面から掻き出したり、押し出したりするのを防ぐ必要性に対処している。ここでは被着体に対する活性化手段の角度は、プレアプライドされた接着剤またはシーラントをすりつぶすには小さすぎ、活性化された接着剤またはシーラントが活性化手段の下を通過してしまう。いずれにしても、Wells et. al.の装置は、接着のために薄い接着剤フィルムだけに対処することができるまたは必要とするこれらの用途に限定されてしまう。
【0015】
特に組み立てラインから液体および/または溶融状態の接着剤を吐出することを除去することができるということに関するカプセル化された硬化性接着剤系の多くの特性にも拘らず、広い範囲の被着体および用途に利用できるところまで現在の技術は、進んでいないのが現状である。例えば、不可能ではないにしても、高粘度材料をマイクロカプセル化することが困難であるというマイクロカプセル化技術の限界によってカプセル化された接着剤またはシーラントは低粘度の材料のものに限定されてしまう。それでもこのような技術で足りないものは、カプセル化された接着剤の活性化に関することである。上述したように最も商業的な用途は、ネジ止め組み立て体の回転またはネジ止め作用を介して、または固定用途における1つの要素を別の要素を挿入する際の力を介して接着を行うために被着体の貼り合わせに依存している。上記Wells et. al.のローラー、ブレードおよび/または回転ディスクは、特定の被着体上でのこのようなカプセル化された接着剤の使用は促進されるが、硬いおよび/または非孔質の被着体での使用は、困難である。さらにこれらの装置は、接着剤材料の薄いフィルムのみを供するため、非平面の被着体または設計上、不充分な品質管理または被着体が製せられる材料の天然の屈折力によって隙間が生じる被着体には使用できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、プレアプライドされた感熱性の熱硬化性または熱可塑性接着剤またはシーラント組成物に直接熱を伝え、それでもその組成物の悪影響を与えるような温度に加熱する、および接着領域の外側の領域を加熱する心配がなく、組み立てラインの領域または作業において作業員が火傷または高温に晒される可能性を最小限にするために最少の加熱面を有する、このような接着剤またはシーラント組成物を活性化する、または再活性化する手段が望まれ、産業界では必要とされている。
【0017】
また別の点において、活性化または再活性化させるのに熱、照射、超音波、電磁エネルギーなどの使用を必要としない、そして熱を加えるとしても、それは活性化および再活性化を補助するためのものであり、比較的低温で加熱時間も限られているプレアプライド接着剤の活性化手段が望まれ、産業界では必要とされている。
【0018】
さらに2液型プレアプライド硬化性または重合性接着剤またはシーラント組成物を活性化し、効果的かつ効率的にカプセル化された接着剤またはシーラント組成物を放出し、簡単に使用でき、費用効果が高く、薄膜として以外にもこのようなことが可能な手段が望まれ、産業界では必要とされている。2液型プレアプライド接着剤またはシーラント組成物、特にカプセル化された液体硬化性接着剤またはシーラント組成物を効果的かつ効率的に活性化させ、その成分、特に高粘度および/または周囲条件で非流動性である成分を良好に均質混合することができ、適当なときに高度にカプセルを破壊し、活性化された接着剤を所定の形状またはビーズ状、特にプレアプライドされた材料の元の厚みと同じ厚みまたはそれ以上の厚みで被着体上に残することができる手段が望まれ、産業界では必要とされている。さらに特定の最終用途のために所定の厚みの特別なビーズ状に活性化された接着剤を堆積させることができる手段も望まれ、産業界では必要とされている。
【0019】
最後に液体の硬化性または溶融接着剤またはシーラント材をインラインで吐出する必要がなく、プレアプライド接着剤およびシーラント組成物を活性化するための現在のシステムと比較して、最小限の資本投下で高速の接着を行うことができる接着方法および装置が望まれ、産業界では必要とされている。さらに薄いプレアプライド接着剤またはシーラント組成物を使用することができ、所望の形状および/または厚みの接着剤またはシーラント材の活性化されたビーズをイン−シツ形成することができ、特に接着領域が隙間を有するおよび/またはボンドライン全体が隙間を有する被着体の接着に対応する高速で行われる工業的接着方法および装置が望まれ、産業界では必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明では少なくとも1つの活性面を有するアクティベーターヘッドを含むアクティベーター手段を提供し、この活性面は複数の特徴部を有し、これら特徴部は、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物と係合し、これを被着体から持ち上げ、直接または間接的に接着剤またはシーラント組成物を活性化または再活性化し、活性化または再活性化された該組成物の流れまたは移動を案内して被着体上に活性化または再活性化された接着剤またはシーラントを所定のパターンに再度堆積させる。これら活性面の特徴部は、その表面から延びた突起単独、または1つ以上の凹部またはチャネルとの組み合わせによって得られる。これらの突起は、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物をそれが塗布された被着体表面から持ち上げ、アクティベーター手段内で接着剤またはシーラント組成物の流れを分断し、その流れの中にせん断力を発生させ、および/または接着剤またはシーラント組成物の流れを案内する役割りを果たす。突起の数、形および大きさは、プレアプライドされた接着剤の組成およびパターンならびに場合によっては活性化後の被着体に残される活性化された接着剤の所望のパターンまたは断面形状によって変わる。好適な突起形状としては、せき板(dams)、リッジ、山歯(herringbones)、山形(chevrons)などの直線状の突起および半球体、半長円、斜交平行線(crosshatches)などの非直線状の突起が挙げられる。せき板およびリッジまたはその他の直線状突起を採用する場合、これらは、活性面の中心軸に対して角度を持って配向されるのが好ましく、これによりこれら突起に沿って、かつ、突起を過ぎて接着剤が連続的に流れるようになる。これらの突起のあらゆる組み合わせであってもある程度の活性が得られるが、突起は、特に山歯状パターンの少なくとも2つの直線状の突起または1つ以上のその他の突起と組み合わせた少なくとも1つの直線状の突起を含むことが好ましい。より好ましくは突起は、1種以上のその他の突起と組み合わされた好ましくは山歯または山形状の2つ以上の直線状の突起を含む。複数のせき板および/またはリッジを単独で使用する、または他の断面形状のものと組み合わせて使用することは、確実に接着剤またはシーラント組成物の成分を均質に混合し、適用可能な場合、マイクロカプセルを良好に破砕することができるので、2液型プレアプライド硬化性または重合性系、特にカプセル化された系に使用する場合に特に有益である。
【0021】
上述した事柄にも拘らず、次の(a)または(b)の条件を満たせば、1つ以上の直線状の突起が活性面の中央軸に対して垂直に配向されてもよい、(a)活性面に対して被着体が進行する際に突起の前部に堆積した接着剤が突起の端部の周囲および端部を通過するのに突起が充分短い、または(b)アクティベーターが往復移動するものであって、その往復移動が中央軸に対して垂直または実質的に垂直であって、これにより往復移動と被着体に対するアクティベーターの相対横移動との組み合わせすることによって突起の端部の周囲および端部を通過する接着剤の流れを促進する。これらの突起は、可能ではあるが、好ましくはない。
【0022】
任意ではあるが、活性面の特徴部は、1つ以上の凹部を含んでもよく、これら凹部は、多くの場合、接着剤またはシーラント組成物が凹部を出る前に接着剤またはシーラント組成物を一時的に保持、回収および/または混合する領域を供するために、せき板またはリッジの直前に位置する。これとは別にまたは加えて、凹部は、上述の突起より後方に位置する、活性面に形成された1つ以上のチャネル形状のものでもよく、これらのチャネルは、接着剤またはシーラントの流れる路を案内するまたは決定する役割を果たし、さらには接着剤またはシーラント組成物が集まり、混ざる追加のスペースを供する。これらのチャネルは、被着体面との組み合わせによって、活性化後の被着体に残される接着剤のパターンおよび断面形状に対応するダイを形成する。
【0023】
アクティベーターは、これに組み込まれたまたはこれに関連するセンサーおよびモーター手段を有してもよく、これによって被着体の厚みが物品によって異なるまたは所定の物品でも被着体の厚みが異なっても、アクティベーターが作動する際に確実に活性面を被着体の表面と接触させる、またはこの表面から所定の距離を維持することができる。基本的にはこのセンサーは、被接着体の厚みまたは接着剤が載った被着体面の高さの変化を検出し、それら読み取ったものをプロセッサーに送り、プロセッサーは、必要に応じて、活性面を昇降させるモーターまたは昇降手段を作動させる。好ましくはセンサーおよびモーター手段は、活性面を被着体に接触した状態に維持するが、活性面が作用する被着体面を活性面が傷つける、または活性面が被着体を捕らえてシステムを詰まらせたり、一時的な障害を生じさせる力を加えない。
【0024】
アクティベーター手段が使用される接着剤またはシーラント組成物の特性に応じて、活性面は、加熱手段を含んでもよく、または加熱手段と熱伝導関係にあるものでもよく、これによってアクティベーターはそれと接触している接着剤またはシーラント組成物に熱を伝えることができる。熱活性化または再活性接着剤およびシーラント組成物の場合、発生させる熱は、接着剤またはシーラント組成物を溶融または活性化するのに必要な熱を得るために高くなければならない。硬化を開始する、または活性化するために熱を必要としない硬化性または重合性接着剤およびシーラント組成物の場合、突起および凹部を介しておよび通過する接着剤およびシーラント組成物の流れを促進するために活性面を低温に加熱することが望ましい場合がある。いずれの場合において、必要とされる熱エネルギーが活性面に供される限り、加熱エレメントは、アクティベーター手段内に組み込まれる、あるいは一部を構成してもよく、またはアクティベーター手段と熱伝導関係にあるものであってもよい。
【0025】
本発明のアクティベーターは、かなりの数の既存の接着装置内にそのアクティベーター手段に代えておよび/または液体または溶融接着剤、熱溶融接着剤吐出手段に変えて組み込むことが可能であり、これら既存の装置は、簡単な変更で本発明のアクティベーター手段を組み込むことができる。そのようにする場合、アクティベーター手段は、それが作用する被着体に対して動かないように固定した状態で保持されてもよく、または活性化工程中に被着体に対するアクティベーター手段の移動を制御する、および/または確実にアクティベーター手段をその固定された活性位置からスタンバイの位置に収納することができるロボットアームまたはそれに似た装置に取り付けてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、プレアプライドされた接着剤を活性化させるために使用する新規なアクティベーター手段に関する。このアクティベーター手段は、プレアプライドされた接着剤組成物に関する物性、化学的組成および活性化方法に応じていくつかの異なる形状または態様が可能である。例えば、以下に詳しく述べるが、ある1つの態様では、アクティベーター手段は、プレアプライドされた熱活性可能なまたは再活性可能な熱硬化性または熱可塑性接着剤またはシーラント組成物を活性化するまたは再活性化するために充分な熱を発生する加熱手段を含む、または加熱手段と関連するものであってもよい。一方、アクティベーター手段は、加熱手段と一体である必要はなく、またはそれと熱伝導する関係になくてもよく、加熱を必要とする場合、加熱手段は、アクティベーター手段の活性面を介したプレアプライド接着剤材料の流れをよくすることができる低温を発生させることができるだけで充分であり、プレアプライド接着剤を活性化するまたは再活性化するには不充分または不必要なものである。またアクティベーター手段は、活性化の際にそれが作用する被着体表面に対してアクティベーター手段を移動させるための往復移動手段および/または振動手段を含むまたはこれらと関連するものであってもよい。しかしながら、本発明のアクティベーター手段の種々の態様に共通する重要な要素は、プレアプライド接着剤またはシーラント材に直接作用し、そこから延びた突起単独または1つ以上の凹部またはチャネルとの組み合わせおよびこれらと関連する複数の特長を含むことであり、これらの特徴は、活性化されたまたは再活性化された接着剤またはシーラント組成物の流路を形成する。
【0027】
図1は、アクティベーター手段が作用する被着体に対するアクティベーター手段の相対的な位置を略式に示している。図1に示すように、アクティベーター手段1は、活性面2(図ではアクティベーター手段の下側)を有し、この活性面は、そこから延びた1つ以上の突起3を有する。アクティベーター手段は、中央線軸Aと横軸Bと2つの軸を有する。アクティベーター手段が作用する被着体4は、プレアプライドされた接着剤バンド5を有する。このプレアプライドされた接着剤バンド5は、アクティベーター手段の中央線軸Aに平行な中央線軸を有する。活性化の間、アクティベーター手段に対して被着体は、その中央線軸に沿って矢印Cの方向に相対移動する。いくつかの特定の態様において、アクティベーター手段も非常に僅かではあるが、横軸Bに沿って往復移動してもよい。その往復移動が実質的に振動である場合、横軸に沿った移動は、実質的にはナノメーターのレベルである。この往復移動がプレアプライドされた接着剤の流れまたは位置決めおよびマイクロカプセルが存在する場合、その破壊に重要な役割りを果たす場合、横軸に沿った移動距離は、数分の1ミリメートルから数ミリメートル程度である。この場合、1往復がボンド幅を形成する。従って、往復運動は、所定の接着に適したまたは必要な最小限の大きさであることが好ましい。
【0028】
以下に詳述するように、アクティベーター手段が往復移動することによって、一般的には接着剤またはシーラント組成物の成分の混合を高めることになるが、往復移動は、活性面を見下ろしたときに中央線軸に対して平行な突起の間に隙間が存在するように突起が配向されている活性面にとって特に重要である。このような隙間が存在するということは、隙間に対応する領域の被着体上のプレアプライド接着剤が活性面の横方向の移動、好ましくは隙間の幅の少なくとも半分である各方向の横方向の移動をしないと活性しないことを意味する。またアクティベーター手段の往復移動は、突起が直線状である場合、または直線状に配置されている場合、非直線状で中央軸に対して平行またはほぼ平行な場合、特に重要である。また往復移動は、幅が広く、かつ、中央軸に対して垂直またはほぼ垂直である直線状の突起を用いる場合にも重要である。後者の場合、往復移動が直線状の突起の端部を通過した活性化された接着剤またはシーラントの移動を補助する。これは、突起がそれが作用するプレアプライド接着剤またはシーラントのバンドと同じ幅またはそれより広い場合に特に重要である。当業者であればこのような往復移動がここで教示する内容を参照すればどのようなときに必要かは容易に認識するはずである。
【0029】
上記したように本発明のアクティベーター手段は、最小限、活性胴体部と少なくとも1つの活性面を含む。活性面は、活性胴体部と一体であって、その一部を形成してもよいし、図2に明瞭に示すように活性面は、活性胴体部に締結されたまたは接着された別個の部材であってもよい。図2は、山歯(herringbone)状に配置された2つの直線状の突起3を有する活性面2を示す。
【0030】
図2には示していないが、活性胴体部は、被着体にプレアプライドされた接着剤のインライン活性のためのより大型の装置またはその部材に活性胴体部を取り付ける1つ以上の取り付け手段を含むんでもよい。例えば、自動接着工程において活性または作動位置へとおよびこの位置からアクティベーター手段を進めたり、格納したりするロボットアームまたは手段に直接または間接的に取り付けてもよい。これとは別に活性化ステーションとして定義される自動接着システムおよび装置のフレームまたは上部構造物のその部分に直接または間接的に取り付けてもよい。後者の場合、使用の時のアクティベーター手段は、実質的に静止した状態で保持され、活性化される被着体が活性面を通過する。
【0031】
以下に詳述するように、アクティベーター手段は、センサー手段を有する、または有さない手動または電動リフト手段に取り付けられてもよく、またはこれと関連して動作するようにしてもよく、これにより(a)活性面の特徴部または突起の外面または最頂部と活性面が作用し、プレアプライド接着剤が塗付された被着体面との間の隙間または場合によっては(b)突起と被接着体が接触している際の被着体に対する突起部または特徴部の力の量を調整することができる。これとは別にまたは加えて、上述したようにアクティベーター手段は、活性面を好ましくはその中心線軸に対して垂直方向に往復移動させる往復移動手段と関連して作動するようにしてもよい。
【0032】
活性面および胴体部は、アクティベーター手段の特定の特性および用途に応じてあらゆる種類の材料で構成されてもよく、同じまたは異なる材料で構成されてもよい。好適な材料としては、金属、セラミック、プラスチックおよびカーバイドが挙げられ、特にアルミニウムおよび陽極酸化アルミなどの金属が挙げられる。具体的には材料は、アクティベーター手段の特定の最終用途およびそれが作用する接着剤またはシーラント材に対する感度または反応性によって選択される。例えば、アクティベーター手段が加熱する能力を有する場合、活性胴体部および活性面は、必要な熱がアクティベーター手段を破損させたりその寿命に影響を与えずに活性面の表面に留まってプレアプライドされた接着剤またはシーラント材に伝わるように良好な耐熱性および熱伝導特性を有する材料で形成されなければならない。
【0033】
一方、接着剤またはシーラント組成物がレドックス硬化性接着剤またはシーラント組成物である場合、接着剤またはシーラントを活性面に付着させてしまう鉄または鉄系化合物を含むまたはこれらを主成分とする特定の金属を避けるのが望ましい場合がある。またこのような金属を採用した場合、活性面を不活性(硬化性組成物に対して)コーティング組成物でコートして確実に金属または金属イオンが硬化性組成物に作用しないようにすることが望ましい。実質的には、活性頭部、特に活性面の材料は、それが未使用の状態または老化した状態にあっても、硬化性または重合性材料の硬化または重合を不利に干渉しないようなものでなければならない。ここで言う干渉とは、硬化に対する妨害または硬化を不利に促進させる効果であることを理解されたい。
【0034】
活性面、特にその突起の組成の選択において考慮すべき別の要因は、接着剤またはシーラント組成物の物性ならびに活性面が作用する被着体表面の摩損性である。この点に関して、プレアプライドされたカプセル化された接着剤の場合マイクロカプセル壁の残骸が、またはその他の接着剤の場合無機充填材が、特にプラスチック材で形成されている活性面を過剰に摩耗させてしまう場合がある。
【0035】
最後に上述の通り、活性面は、コーティングが施されてもよい。このコーティングは、接着剤組成物が活性面に晒されるのを防ぐバリアーとしての役割りを果たすおよび/または活性化した接着剤またはシーラントがアクティベーターに接着したり、または詰まらせたりせずにアクティベーターを介して流れるような滑りまたは非接着性を有する。例えば、コーティングは、シリコーン材またはポリテトラフルオロエチレンなどのリリース型のコーティングであってもよい。通常、コーティングの厚さは、約3乃至6ミルであるが、それより薄いものも好適に用いることが可能である。
【0036】
上述したように活性面は、アクティベーター手段の一部であってもよく、またはアクティベーター手段に機械的、化学的に取り付けられる別個の部材であってもよい。活性面がアクティベーター手段の一部を構成する場合、活性面を表わすパターンを活性面として機能するアクティベーター手段の面に機械加工してもよい。またアクティベーター手段またはその胴体部が成形作業によって作製されている場合、活性面のパターン形成は、アクティベーター手段の成形と同時に形成してもよい。活性面が活性胴体部に取り付けられる別個の部材である場合、活性面は、それに組み込まれる特徴部を含めて、加工素材を機械加工してもよく、成形工程で製造してもよい。
【0037】
本発明のアクティベーター手段の重要な部分は、活性面に形成された特徴部である。これらの特徴部は、活性面から上方に延びた突起、または活性面を介した接着剤またはシーラント材の流路またはその一部を形成する1つ以上の凹部またはチャネルとの組み合わせにある。最も重要なことは、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物と係合し、これを被着体から持ち上げ、直接または間接的にこの接着剤またはシーラント組成物を活性化または再活性化し、その流れまたは移動を案内して、活性化または再活性化された接着剤またはシーラント組成物を被着体に再度堆積させる突起である。ここで用いられている接着剤またはシーラントを被着体から持ち上げるという概念は、これらは被着体面と接触したままの状態であるが、これらを流動化させることを意味する。さほど重要ではないが、以下に具体的に説明するように、上述の突起の後にチャネルを加えることによって活性化された接着剤を所定のパターンまたは断面形状に堆積することが可能になる。
【0038】
突起は、その形、大きさおよび活性面上の位置ならびにプレアプライドされた接着剤の特性に応じて多くの機能を奏する。最も重要なのは、上述した通り、突起は、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物をそれが塗付されている被着体面から持ち上げ、および/または押し進めなければならない、そしてカプセル化された接着剤の場合、その内容物を放出するためにマイクロカプセルの破砕を補助するものでなければならない。接着剤またはシーラント組成物が硬化性または重合性組成物である場合、好ましくは活性面は、流路を変更または分断して硬化性または重合性組成物内でせん断を発生させる、またはこの組成物を混合するおよび/またはカプセル化された接着剤またはシーラント組成物の場合、マイクロカプセルの破砕または粉砕に関与する突起を含む。また活性面は、活性化した接着剤を集めて、堆積させて単独のビーズ、または突起の数および形状に応じて複数のビーズに形成する役割りを果たす1つ以上の突起を含んでもよい。この点に関しては、突起は、後述するように外形チャネル(profile channel)の前端を構成してもよい。また活性面は、単独のビーズを2つ以上のビーズに分割する1つ以上の突起を含んでもよい。当然のことながら、これらの突起の多くは、同時に複数の機能を奏することは明らかである。例えば、プレアプライドされた接着剤またはシーラントを持ち上げ、集める突起は、殆どの場合、集められた材料の塊りの内部で流れを発生させ、これら材料の混合の補助をする。
【0039】
一般的に言えば、活性面の突起の形状、大きさ、向きおよび位置は、それが果たす目的および機能によって異なる。この特徴、即ち突起の高さは、接着剤、アクティベーター手段から持ち上げられる所望の接着剤ビーズ、ラインスピード、突起が作用する被着体等によって異なる。シリアルまたはクッキーの箱などのボール紙容器の封止に使用するのに好適なアクティベーター手段の特徴部は、約18ミルの高さを有し、その2倍以上の高さのものもダンボール容器を封止する場合に必要になる。以下に詳細に述べるように、これらの突起は、3つの重複する類のもの、即ち直線状の突起、そらせ(diversionary)突起およびスプリッター(splitters)である。これらの形状の中で、当該突起は、直線状のせき板(dams)およびリッジ、山形(chevrons)、山歯(herringbones)、「V」字状または三日月形のせき板またはリッジ、角錐、半球体、半球状体、円筒状などの形状であってもよいが、これらに限定されない。活性面は、複数の同一または類似の形状の突起を有してもよいが、活性面が作用するものがカプセル化された組成物である場合、異なる形状の突起を組み合わせることが好ましい。このように異なる形状の突起を使用することによってマイクロカプセルを良好に破壊し、その成分の均質混合を促進し、さらに活性化された材料のビーズを良好に形成する。当業者および本明細書の教示内容を知ったものであれば、それらの特定のニーズに応じて適当な突起を選択し、それらの突起の適切な向きを設定することができることは容易に理解されるはずである。
【0040】
活性面に組み込まれるまたは設けられる突起に最も好ましいものは、せき板やリッジなどの直線状のものである。これらの直線状の突起は、被着体面からプレアプライドされた接着剤またはシーラントを持ち上げ、接着剤が直線状の突起の長さに沿って通過するように接着剤成分の流れを発生させ、これら成分を混合するのに適している。突起を単独で、またはその他の突起の後方に使用する場合、突起は、活性化された接着剤またはシーラントの流れを集め、案内し、好ましくは活性化された接着剤の1つ以上のビーズを発生させる役割りを果たす。Wells et. al.に記載されているように従来技術では、直線状のエッジブレードを採用しているが、ブレードの直線状のエッジは、それが作用する接着剤の中心線軸に対して垂直であり、被着体の面に対して角度が付けられており、これによりマイクロカプセル化された接着剤が粉砕され、ブレードエッジの下を通過することができる。ブレードエッジに加えられる力によって、マイクロカプセルが充分に破砕しない場合があるが、確実に破砕させるために圧力を増加させると、ブレードの後ろ側で持ち上がる接着剤膜が薄く、ほとんどの場合ブレードが作用した元のプレアプライドされた接着剤膜よりかなり薄くなってしまう。実際、従来技術での活性化は、接着剤の薄膜を形成することのほかにマイクロカプセルの成分の混合の度合いを制限してしまうすりつぶし作用によって行われる。例えば、Wells et. al.ではマイクロカプセルの成分は、圧縮力によって発生する流れによってのみ影響され、流れは、ブレードまたはローラーなどのアクティベーターエレメントの前方から外方に実質的に直線状に延びる。これは、種々の突起が被着体表面から持ち上げられた材料の塊りの中で非線状の流れおよびせん断を発生させる本発明のアクティベーター手段とは全く対照的である。
【0041】
さらに従来技術とは対照的に本発明による直線状の突起は、中央線軸に対して垂直に配向されておらず、2つ以上ある場合、その長さは、プレアプライドされた接着剤のバンド幅より短い、好ましくは実質的に短く、バンド幅に等しいまたはほぼ等しい場合、アクティベーター手段は、往復移動手段と連動し、これにより往復移動の各端部で直線状のせき板の端部がプレアプライドされた接着剤バンドおよび/または目的とするボンドライン内に位置する。一般的に垂直に配向された直線状のせき板が本発明のアクティベーターに存在する場合、往復移動を採用したとしても、これらのせき板は、その前面に接着剤が積層(build-up)するのを妨げるために極めて短いものであるのが好ましい。このように接着剤が積層すると、積層の量が突起の端部を越えて、積層した接着剤がこぼれ出ないで突起が積層を保持する量を超えるまで接着剤が良好に堆積しない。さらに垂直に配向された突起は、1つ以上の非線状の突起および/または1つ以上の中心線軸に対して角度をもって配向された突起と共に使用される場合がある。実際、これらの主要な機能は、従来技術で行われている接着剤を塗り付けることではなく、被接着体表面からプレアプライドされた接着剤を持ち上げることである。
【0042】
好ましくはないが、直線状の突起をアクティベーター手段の中心線軸に対して平行に配置してもよい。図18および19に示すように活性面は、1つ以上の直線状の突起を有するが、これらの場合、アクティベーター手段は、これら直線状の突起がプレアプライドされた接着剤バンドに作用することができるように中心線軸に対して横方向に往復移動しなければならない。もしこのように往復移動しなければ、直線状の突起とプレアプライドされた接着剤と接着するラインの接着剤だけが活性化されてしまう。このように横方向の活性化を使用することによって各突起の往復移動の終点で接着剤のビーズが形成される。往復移動の度合い、即ち横軸に沿った活性面の移動の大きさは、プレアプライドされた接着剤のバンドの全幅に作用するまたは最少でも意図するボンドラインの所望の幅が得られるのに充分な大きさにすべきである。図18に示すように単独の直線状の突起を採用することが可能であるが、場合によって図19に示すようにこのような突起を複数使用することが好ましい場合がある。このように複数の突起を設けることによって必要とされる往復移動の度合いまたは長さを減らすことができ、特に高速で行われる自動化された用途において確実により多くの接着剤を活性化させることが可能になる。図18(a)および19(a)に示すように、単独の直線状の突起は、活性化された接着剤の2つの平行なビーズを形成し、等間隔に配された複数の直線状の突起は、往復移動の度合いに応じて、X+1のビーズまたは2Xのビーズを形成する、ここでXは直線状の突起の数を表わす。複数のこのような直線状の突起を採用する場合、少なくとも突起が1方向において最も遠くまで移動した距離が隣接する突起の反対方向における最も遠くまで移動した距離と重なる、即ち突起の経路の末縁が隣接する突起の経路の末縁と重なるように往復移動することが好ましい。これによりX+1のビーズが形成され、より大きな接着剤ビーズの積層が得られる。短い移動、即ち経路が重ならない、または同じように終結しない場合、通常活性化された接着剤またはシーラントの粘度にもよるが、低断面の2Xのビーズが形成され、これらのビーズは、流れ、混ざり合って低断面の幅の広いビーズを形成する。
【0043】
最も好ましくは、直線状の突起、特にせき板およびリッジが活性面の中央線軸に対して角度をもって設置される。直線状突起の具体的な角度は、作用する接着剤またはシーラント、特にその流動特性および粘度ならびに直線状突起の数および機能などの多くの要件によって異なる。一般的にその角度は、突起が作用する接着剤バンドの幅が充分な量の接着剤ビーズを形成するには小さすぎるほど、小さい角度であってはならない。逆に大きすぎる角度、例えば90°またはそれに近い角度で長い直線状突起のせき板またはリッジは、接着剤の流れを妨げ、せき板またはリッジの前部に接着剤が積層し、かなりの時間滞留してしまい、究極の場合、それによって活性面が作用する被着体の面に乗ってしまう。その結果、隙間を含む不均一および/または不規則な活性化された接着剤ビーズとなってしまう。好ましくはプレアプライドされた接着剤バンドの中央線に対するせき板またはリッジの角度は、20°から70°、より好ましくは30°から60°、最も好ましくは40°から50°である。
【0044】
直線状の突起の向きも本発明のアクティベーターの性能および効能に重要な役割りを果たす。上述したようにある程度の範囲内で、直線状突起は、単独使用またはその他の突起と組み合わせて使用されても、多くの異なる形状に配向することができる。例えば、図3、4および6に示すように、後方の突起の前端が前方の突起の後端と重なる杉綾模様に直線状突起を配向してもよい。これとは別に例えば図7−10に示すように、直線状突起を山形を形成するように配向してもよい。この形状の場合、1つ以上のその他の突起が山形の後尾の隙間の前方および/または後方に存在するのが好ましい。これらのように配向することによって、1つ以上の実質的に均一な活性化された接着剤またはシーラントのビーズの収集および堆積が可能になる。また後述するように活性化された接着剤またはシーラントの1つ以上の隆起したバンドまたはビーズを、特定の山形と活性面における1つ以上の外形チャネル(profile channel)と組み合わせて選択することによって形成してもよい。直線状突起のその他の配向/設計としては、図20および21に示すような平行線模様単独およびそれと山形模様との組み合わせ、図13に示すような反転した「V」字状の模様などがある。最後に複数の密に配置された段が設けられた山形状のせき板を採用してもよく、これら各段は、先行の段より順次高くなっている。この形状の突起を図14に示し、これにより各連続する山形がプレアプライドされた接着剤またはシーラント内に深く切れ込み、高いせん断力と混合力を発生させるので、良好にせん断および混合を行える。
【0045】
活性面に組み込まれるまたは活性面から突出する別の種類の突起は、以下、「そらせ突起(diversionary projections)」と称されるものがある。このそらせ突起としては、例えば角錐、半球体、半球状体、砲台状など種々の形状のものが挙げられる。これらのそらせ突起は、特に被着体表面からプレアプライドされた接着剤を取り除く、そして活性化された接着剤またはシーラント材の流れを分断させ、かつ、せん断するのに適しており、これにより活性化された接着剤またはシーラント材の混合が促進される。これらのそらせ突起をカプセル化された接着剤に使用する場合、これらの突起がマイクロカプセルの崩壊を補助し、その内容物の放出および混合の補助をする。キュラティブが粘性を有する固体または半固体のキャリアー材に含まれるタイプのカプセル化された材料に使用される場合、これらのそらせ突起は、キャリアー材の混練およびすりつぶしの補助をし、これによりキャリアー材に含まれていたキュラティブを露出させ、利用可能にする。このタイプの突起の構成は、Schwantess et. al.による2005年8月31日に出願された米国特許出願第11/216516号に開示されており、その内容をすべてを本明細書に引用したものとする。
【0046】
必ずしも必要ではないが、そらせ突起は、通常好ましくは図4、8および9に示すように少なくとも1つの直線状突起と組み合わせて使用される。これらの各態様において、そらせ突起は、主にプレアプライドされた接着剤を流動化させる役割りを果たし、必要に応じて、マイクロカプセルを破砕し、後方の直線状突起が活性化された接着剤を収集し、案内する。しかしながら、図4、8および9に示した態様の直線状突起を取り除いた場合、得られる接着剤パターンは、活性化された接着剤の複数の断面形状の低いビーズまたはリッジ形状になる。さらにこれらのそらせ突起の配向によっては被着体表面に活性化されていない接着剤またはシーラントのストリップ状のものが残ってしまうという望ましくない結果になる。図8(a)に示すように図8の活性面の突起の経路にずれて重なり合う部分がないと、濃く示されている活性化された領域の間に薄い色のストリップで示されているように活性化されていない接着剤のストリップが形成される。一方、図9(a)に示すように図9の活性面の活性化パターンは、活性経路が重なっていることによってプレアプライドされた接着剤のすべてに作用していることが判る。従って、そらせ突起は、その作動領域が互いに重なるように互いにオフセットした複数の列に配置されるのが好ましく、これにより確実に全てのプレアプライドされた接着剤を活性化させることができる。当然のことながら、この目的を達成するための別の手段は、往復移動手段と連動するアクティベーター手段を採用することであり、活性面が往復移動することにより確実に全てのプレアプライド接着剤に作用することになる。またこのような往復移動によって接着剤がより多く混合され、図20(a)に示すような接着剤パターンと似たようなパターンを形成する。
【0047】
図8および9に示すようにあらゆる活性面が複数の異なる形状のそらせ突起を採用することができる。通常、各そらせ突起の高さは、同じであるが、必ずしも同じである必要はない。例えば、異なるそらせ突起が異なる高さを有する場合、高い方の突起は、被着体からプレアプライドされた接着剤を持ち上げるおよび/または流動化させる、そしてマイクロカプセルが存在する場合にはそれを破砕させる際により大きな役割りを果たす。一方、小さい断面形状の突起は、材料の流れのせん断または変化の度合いを高め、マイクロカプセルが存在する場合、その破砕を補助し、その内容物のすりつぶしおよび混練を補助する。
【0048】
第3の種類の突起および上述の種類の突起、特に直線状突起と重なるものは、スプリッター突起としての特徴を有する。このスプリッター突起は、典型的には三日月形、半円および反転した「V」字状であり、上述の直線状突起および/またはそらせ突起のいずれかの後方に位置する。これらは2つの重要な役割りを果たし、その1つは、さらに作用しなければならない経路のすべての残りのプレアプライド接着剤を活性化すること、およびより重要な役割として活性化された接着剤ビーズを分割すること、もしこれが無い場合は、その前に形成された活性化された接着剤膜を2つ以上のビーズに分割することである。当然のことながら、スプリッター突起は、確実にマイクロカプセルを破砕させ、均質混合するために接着剤材料の良好な流れを発生させる。このスプリッター突起の幅によってこの突起よって形成されるビーズの間の間隔が決まる。例えば、図6の短い半月形の突起は、図6(a)に示すように2つの接近して平行に配された活性化された接着剤のビーズを製する。これとは対照的に図11の幅の広い反転した「V」字状のスプリッター突起は、図11(a)に示すように2つの広く離れた平行な活性化された接着剤のビーズを形成する。また図12および12(a)ならびに図13および13(a)に示すように、一連のカスケード形のスプリッター突起を採用することによって多くのビーズを形成することができ、これにより1つのスプリッター突起から生じる分割された各ビーズは、さらに後続のスプリッター突起によって分割される。
【0049】
突起、特に直線状突起の組み合わせ、数および/または大きさまたは長さは、アクティベーター手段の効果に関与する。より多くの突起および/または長い直線状突起、特にせき板またはリッジは、接着剤を被着体から持ち上げる効率を向上させ、活性化された接着剤が被着体に再度堆積する前に接着剤成分の混合の度合いを向上させるが、これらの要因は、活性面の外形寸法にも影響を与え、従ってアクティベーターに影響を与え、さらに重要なことはアクティベーターに接着剤またはシーラントが保持される時間にも影響を与える。この点に関し、流路および従って保持時間を可能な限り短くすることが望ましく、可能な最も短い流路は、中央線軸に対して平行であり、往復移動によって活性化される突起によってのみ達成される直線である。しかしながら、本発明の好ましい態様は活性化の間突起の形、大きさ、数および向きによってのみ生じる接着剤材料の横方向の動きを伴うので、元来、接着剤は活性面が最初に作用するポイントから中央線軸上である必要はないが、中央線軸に沿ったあるポイントへと変位する。この保持時間および従って接着剤の変位の度合いは、活性面の複雑さ、特に活性面における接着剤の横方向の移動の長さおよび作用を受ける材料の粘度によって異なる。例えば、図15に示す活性面は、図10に示した同様の活性面より接着剤またはシーラント組成物をより均質に混合するが、図10に示した活性面の方が保持時間は、短くなる。従って、この点を考慮して所定の用途の活性面を設計しなければならない。例えば、10立方フィートの大きな厚紙の箱などの大きなものに使用する場合、1インチ以上ビーズが変位してもそれほど問題にはならないが、紙巻タバコのパッケージ程度の大きさの箱のように小さいものでは、半インチ以下程度の変位であれば許容され得る場合もあるが、1インチ以上の変位は、許容されない。
【0050】
これとは別にまたは加えて、活性化された接着剤の性質および活性面の親和性によっては、突起に沿ったおよび突起を通過する流路は、活性化された接着剤またはシーラントが最終的に最後の突起の端部を通過し、被着体に堆積する前に準備されなければならない。この場合、最初の被着体から活性化ステーションを通過するプレアプライドされた接着剤の全てまたは一部は、接着剤がプレアプライドされた次の被着体が活性ステーションを通過するまで、アクティベーター手段に残り、これにより新しく収集された接着剤材料がその前に保持された活性化された材料をアクティベーター手段を介して被着体上に押すことになる。基本的に第1の被着体からの接着剤材料は、その次の接着剤材料の形成を促進する。ここでの保持時間は、活性面内の接着剤材料の横方向の動きによる遅れを反映するだけでなく、1つの被着体上の活性化と次の被着体上の活性化の間の時間間隔を反映するので、実質的に長くなる。
【0051】
活性面に組み込むことが可能な別の特徴部は、凹部であり、これは突起におよび突起の間に位置するプールおよび/またはチャネルまたは活性面からの接着剤の出口または排出口を形成する外形チャネル(profile channel)である。これらのプールおよびチャネルは、突起の底部によって形成される面の下方に位置し、接着剤またはシーラント組成物の貯蔵部および混合チャンバーならびに突起を介して通過する活性化された接着剤またはシーラントの流れの通路の役割りを果たす。このようなチャネルが存在する場合、これらはその容積を最小限にするために浅く、従って接着剤が保持される時間への影響を小さくしている。
【0052】
一方、活性化された接着剤またはシーラントの出口経路を形成する外形チャネルは、特に特定の形状寸法または断面形状の接着剤またはシーラントビーズを1つ以上形成することを目的とする場合に望ましい。これらの外形チャネルは、漏斗のような機能を有し、活性化された材料を集め、それを1つ以上の特定の形状のビーズとして通過させる。通常、これらの外形チャネルは、山形または山形のような形状の前方端部を有し、この端部は、活性面の残りの長さを延びる狭い経路になる。外形チャネルの幅および深さ、即ち側壁の高さによってアクティベーターによって生じるビーズが形成される。最初に外形チャネルの前端における深さが突起の底部と同一面にあるが、外形チャネルを横断するにつれてその深さは、所望の最終的なビーズに応じて深くなったり、浅くなったりする。外形チャネルが深くなる場合、チャネルの幅は狭くなる、またはテーパー状になるのが好ましく、これにより狭く高い活性化された接着剤またはシーラントのビーズが形成される。また外形チャネルが浅くなる場合、その幅は広くなるのが好ましく、これにより低く幅の広い活性化された接着剤またはシーラントのビーズが形成される。
【0053】
さらに活性化された接着剤またはシーラントの粘度は、その安定性に影響を与えるが、外形チャネルも定められた外形または断面のビーズを形成するために構成することが可能である。例えば、外形チャネルの側壁に角度をつけてその最深部で交わるようにしてもよく、これにより三角形状の活性化された材料のビーズが形成される。これとは別に外形チャネルの側壁に丸みをつけて丸いビーズを形成してもよい。後者の態様では、チャネルは、通常の漏斗のような長さ方向の断面を有するように見える。基本的に中央線軸に垂直な外形チャネルの尾端での断面は、ダイを形成し、そこから活性化された接着剤またはシーラントが押し出され、活性化された接着剤またはシーラントのビーズがアクティベーターから得られる。当然のことながら、活性化された接着剤の粘度によってもそのビーズの形状がどの程度良好にそして長く活性面を出た後に維持されるか決まる。高速で行われる工業的な接着用途では被接着体が活性化ステーション出る時と接着工程の貼り合わせ工程との間に殆ど時間がないので、粘度は、殆ど考慮しなくてもよい場合がある。最後にビーズの外形に影響を与えるほかに、活性化された接着剤の粘度と被着体表面に対する活性面の親和性の組み合わせも材料がどの程度良好にチャネルを横断し、吐出されるかに影響を与える。どの程度良好にチャネルを横断するかということについて、低粘度の材料の場合、チャネルは、毛管作用を生じさせ、これにより活性化された接着剤は、次に接着剤が充填されるおよび/または力と相互作用の組み合わせが被着体の表面に沿ってビーズのドローダウン(drawdown)またはストリンギング(stringing)が生じさせるまでチャネルに留まる。また高粘度の材料では、皮膜引張強さおよび接着剤材料の流れに対する抵抗がチャネル内で保持される時間に影響を与え、活性面から活性化された接着剤を最適に突出または排出するために連続的な充填が必要になる。接着剤を適切に選択することによりこれらの懸念はある程度対処可能である。
【0054】
上述のように所定の活性面は、出口経路を形成する1つ以上の外形チャネルを含んでもよい。図16は、前方に半円または半月状のせき板とそれに続く外形チャネルを有する活性面を示し、外形チャネルの入り口は、山形のダム形状であり、これは接着剤またはシーラント組成物を持ち上げ、収集し、移動させる役割りも果たす。図17は、半円または半月状のせき板の後に続く山形の突起によって共される2つの外形チャネルを有する別の態様を示す。この態様では、外形チャネルの共通の壁の前端がスプリッター突起として機能し、山形突起から出てくる接着剤またはシーラント組成物を分割し、2つの外形チャネル内に供給する。図に示したようにチャネルの前端、例えば山形または山形状の入り口または収集部は、接着剤またはシーラントを持ち上げ混合する直線状突起としての役割りを果たしてもよいが、このような外形チャネルは、上述のその他の突起の1つ以上、特に1つ以上の直線状突起と組み合わせて使用するのが好ましい。
【0055】
活性面の寸法は、作業時に使用されるプレアプライドされた接着剤の塗布量または塗付速度、活性面の種々の特徴部の数、種類および複雑さ、活性面から出る接着剤のパターンおよび外形によって変化し、これらの全ての要因は、活性化される物品および形成される接着層または接着領域によって異なる。勿論、プレアプライドされた接着剤またはシーラント材の利用を最適化するために、活性面の作用領域の幅、即ち活性面の一方の側の最も外側に位置する突起またはその一部から反対側の最も外側に位置する突起またはその一部までの活性面の横方向軸に沿った距離は、活性面が作用するプレアプライドされた接着剤またはシーラント材のバンドまたはパターンと少なくとも同じ幅になる。高速で行われる、自動化された接着ラインでは、プレアプライドされた接着剤が1つのロットの被着体とその他のロットの被着体では同じ場所に位置する、処理ラインにおいて被着体がずれないという保証は無いので、活性面の活性幅は、作業するプレアプライドされた接着剤の幅よりいくぶん広い方がよい。また所望のビーズを堆積させるのに必要とされる以上に幅の広い接着剤のバンドを塗付して、このようなオフセットを想定して確実に充分な接着剤に作用するようにしてもよい。
【0056】
活性面の長さは、所定の用途に応じて妥当にかつ実際的に短くするほうがよい。これに関して、活性面の寸法は、活性化した際の接着剤またはシーラントの物性、例えば硬化速度、作用面の特徴部の種類、長さ、数および複雑さ、アクティベーター手段のそれが作用する被着体に対する速度、確実に良好な硬化速度および接着強度を得るために必要とされる混合量、プレアプライドされた接着剤および意図するボンドラインの寸法および位置によって異なる。一般的に言えば、横方向の流路、即ち中央線軸に対して横方向に材料が流れる距離および流路の容積またはスペースを最小限にすることによって、活性面の接着剤の滞留または保持時間が短縮され、その結果、中央線軸に沿った接着剤の変位を減少させることができる。また上述したように滞留時間の短縮は、変位の減少につながり、硬化性および熱硬化性材料の場合、組成物が硬化していないこと、硬化が始まってからも硬化の度合いが接着剤が接着を行うのに役に立たなくなる程度を超えないようにする。
【0057】
一般的に言えば、活性面の寸法および設計は、多くの相互関係を有する要因およびパラメーターによって異なる。上述したように所定の活性面に組み込まれる特徴部、特に突起の数、種類、形、向きまたは配向およびパターンは、活性面が作用するプレアプライドされた接着剤またはシーラント材の化学的または物理的特性、プレアプライドされた接着剤の量、接着される被着体および所望の接着またはボンドラインによって大きく異なる。また上記段落で述べたように活性面の寸法は、特徴部の数、種類、形、向きまたは配向およびパターンによって大きく異なる。実質的に所定の化学的性質の所定のプレアプライドされた接着剤のバンドを活性化するために活性面の種々の特徴を必要とし、その後確実にそれに適した活性および活性化された接着剤またはシーラントの適切な堆積を行うために活性面の必要とされる特徴部を配置するための適当なスペースも必要になる。
【0058】
殆どの用途の場合、突起のピークによって形成される活性面は、実質的に平面になるが、上述したように1つ以上の突起の高さがその他の突起より低くてもよい。例えば、図14について説明したように段差のある一連の直線状突起を採用してもよく、連続する輪郭形状が被着体からプレアプライドされた接着剤またはシーラントを一度に剥ぎ取る。同様に高さの異なるそらせ突起を採用してもよく、さらに突起のピークの周囲および下でせん断および混合を生じさせ、カプセル化された材料の内容物のすりつぶしおよび混練の度合いが高められる。活性面が1つ以上の外形チャネルを含む場合、その側壁の頂部もまた突起のピークと同じ面または実質的に同じ面にあってもよく、あるいは少なくともこれらのピークのうち最も高いものと同じ面にあってもよい。
【0059】
上述のことに拘らず、アクティベーター手段、特に活性面を非平面状の表面、例えば管状または曲面を有する表面で作業できるような形状にすることも可能である。これらの例では、活性面は、その面の輪郭がそれが作用する被着体の輪郭に合うように形成される。ここで活性面またはそれに設けられた突起の底部によって形成された面について言及した場合、これらの例の面は、同じピークまたは底部によって形成された平面の円弧となる。
【0060】
特定の用途では、活性面に熱を必要とする場合がある。そのような場合、活性胴体部は、抵抗ワイヤー、超音波ホーンなどの加熱手段を有しても、または組み込んでいてもよく、または加熱手段と熱が移動する関係にあってもよく、これにより必要な熱が活性胴体部を介して活性面に移動する。プレアプライドされた接着剤の従来のヒーター、特にホットエアーヒーターと異なり、本発明による加熱手段は、発生した熱が活性面および/または活性胴体部で局所化される。活性面は、かなり小さく、活性面および活性胴体部の側部はケースで包むまたは断熱することができるので、作業者の不慮の火傷などを避けることができる。さらに活性面だけが被着体表面と接触するので、被着体への熱による影響は、ボンドラインに限定される。そして高速で行われる処理ラインにおいて、被着体と活性面が接触している時間は、非常に短いので、実質的にはほとんど熱は、活性面から被着体に伝わらず、伝わったとしても極僅かである。実際には全てのまたは実質的に全ての熱は、活性面と接着剤材料の間で伝わり、被接着体には伝わったとしても僅かな熱しか伝わらない。さらに接着剤と活性面の接触時間は、特に高速で行われる自動化された用途では、非常に短いので、接着剤/活性面界面の接着剤材料の単層以外には熱は殆ど接着剤には伝わらず、伝わったとしても僅かである。
【0061】
本発明のアクティベーター手段は、活性面を動かす往復、揺動または振動手段を組み込んでもよく、またはこれらと動作を伝導する関係を有してもよい。これらの手段は、当業界ではよく知られており、例えば電動または空気モーターとそれに付随するカムで構成される。上述したように突起が中央線軸と平行または実質的に平行である活性面、または中央線軸に対して垂直な長い直線状突起を含む活性面の場合、往復運動手段の動きの程度は、一般的には1ミリ程度、好ましくは数ミリ程度である。その他の用途の殆どの場合、活性面に与えられる動きは、ごく小さいものであり、好ましくは1ミリ以下、最も好ましくは0.5ミリ未満である。勿論、多くの用途では、活性面を動かす主目的が接着剤またはシーラント組成物の混合、必要に応じてマイクロカプセルおよびその内容物のすりつぶしおよび混練の度合いを増加させることである場合、活性面の動きは、ナノメーター程度で充分である。
【0062】
さらにアクティベーター手段は、活性面とそれが作用する被着体表面との間に所定の圧力を加えてまたは加えずに隙間を設けるか否かという初期設定をオペレーターが行えるようにする調節手段を組み込むまたはこれと関連して動作するのが好ましい。最も好ましくはこの調節手段は、手動または自動調節機能を有し、これにより初期または所望の高さが設定され、システムが特に完全に自動化された組み立て工程中に被着体の高さまたは厚みの変化に対応するために自動的に調節を行うことができる。好適な調節手段は、設計および構造が単純なものである。例えば、調節手段は、引張手段、例えばスプリングを含んでもよく、これにより被着体との圧力による接触を維持するためにアクティベーター手段上で一定のまたはほぼ一定の力を維持し、活性面によってプレアプライドされた接着剤またはシーラントを被着体表面から持ち上げた際であっても突起の最上面が被着体表面との接触し続けるのに充分な張力または力が得られる、即ち張力が活性面が突起の前に積層されたプレアプライドされた接着剤または接着剤の塊りの上に乗ってしまわないようにするのに充分であることが好ましい。このような引張手段によってアクティベーター手段の調節が可能になり、被着体または以後の被着体がアクティベーター手段を通過する際、これら被着体の厚みの変動に対処することができる。
【0063】
これとは別に調節手段は、複雑で被着体がアクティベーター手段および調節手段に入った際にその高さまたは厚みの変動を特定するセンサーを含み、このセンサーに応じてこのような変動に対処するために活性面の高さを自動的に調節して活性面と被着体表面との間の所望の関係を維持するより高度な機械的および/または複雑な電気的システムであってもよい。このようなシステムは、厚さの変動をミクロン単位であっても対処し、調節する。
【0064】
上述したようにアクティベーター手段の作動中、活性面とそれが作用する被着体表面との間に隙間が生じる場合があり、その隙間は、被着体上のプレアプライドされた接着剤またはシーラントの高さまたは厚み未満、好ましくは1/2を超えない、最も好ましくは1/3を超えない。隙間がこれ以上大きくなると、活性化される接着剤またはシーラントの量は好適な接着または封止を行うには不充分になる。隙間についてはカプセル化された接着剤およびシーラントの場合、マイクロカプセルの平均粒径の1/2を超える隙間は、カプセル化された成分の破砕を不充分にし、従って好適な接着または封止を行うには硬化および/または接着剤の量が不充分になるためにより重要な問題になる。さらにSchwantes et. al.の組成物のような組成物では、このような隙間が存在すると、マイクロカプセルの破砕が不充分になるだけでなく、好適な接着または封止を行うために充分なキュラティブを放出するまたは利用可能にするためのキャリアーの混練が不充分になる。
【0065】
本発明のアクティベーター手段の使用の好ましい設定において、活性面と被着体表面との間に隙間は存在しない。必ずしも必要ではないが、活性化胴体部は、活性面の上面の特徴部とそれが作用する被着体表面の間に干渉(interference)が存在するように設定されるのが望ましい。表面が硬い場合、干渉は、ごく僅かなものまたは触れる程度の干渉となり、最も好ましくはアクティベーター手段は、被着体表面の下方、約0.1から約0.5ミルの深さ、好ましくは約0.1から0.3ミルの深さに設定される。しかしながら、ボール紙、厚紙のように表面が軟らかい場合、より大きな干渉が望ましい。ここでは活性胴体は、活性面の特徴部の上面が被着体の表面から約10ミル以下、好ましくは5ミル以下に位置するように設定される。干渉は必ずしも必要ではないが、より軟らかい表面では少なくとも約0.1ミル、最も好ましくは0.3ミルであることが好ましい。干渉を小さく維持することによってプレアプライドされた接着剤またはシーラントの全てを確実に被着体表面から持ち上げるのを意図しながら被着体表面の損傷を最小限にする。これによって活性面の特徴部の前面に積層された接着剤またはシーラント材によって活性面が被着体表面上に確実に乗ってしまわないようにすることを補助する。このようにすることで接着または封止を形成するのに利用可能な活性化された接着剤またはシーラントの量を最大限にし、被着体表面に直接接着剤で良好に湿ったきれいな表面を供する。さらにこの設定によって作動中に被着体表面に活性面が乗ってしまう傾向を最小限にし、これに対処する、即ち活性化された接着剤材料上でハイドロプレーニングする活性面の不慮の事態を最小限にし、対処することができる。隙間が存在するまたは作動中に被着体面に活性面が乗ってしまわないようにするには力が不充分な場合、プレアプライドされた接着剤またはシーラントの薄膜が残ってしまい、活性化された接着剤またはシーラントは、被着体表面よりむしろその薄膜に付着しやすくなる。同時に上述したように活性面が被着体表面より下方に位置する度合い、即ち活性面と被着体表面との間の圧縮力を最小限にすることが好ましく、これにより活性面の突起またはその他の特徴部が被着体表面上の凹凸または欠陥部分に引っ掛かってしまう可能性またはこのような突起などが被着体表面を傷つけてしまう可能性を避けるまたは最小限にし、さらに圧縮力が被着体を干渉して、被着体がアクティベーター手段を通過するのを妨げたり、被着体の配向をずらしてしまう可能性を避けるまたは最小限にする。後者は、処理量に影響を与え、形成される製品の品質に影響を与える場合があり、一方前者は、特に高速で行われる自動化されたオペレーションにおいて、例えば生産ラインの完全な停止などの重大かつ破滅的な結果をもたらす場合がある。
【0066】
上述したように活性化されるプレアプライドされた接着剤またはシーラントの種類、化学的特徴および形状は、少なくとも部分的に活性面の突起の選択および位置または配向ならびにアクティベーター手段のその他の特徴または能力を決定する。例えば、プレアプライドされた熱活性/熱再活性可能な熱硬化性または熱可塑性材料の場合、活性面に対する要件は、非常に単純なものであり、活性面が熱源を有するまたは熱源と熱伝導性を有することおよび除雪器のように見え、かつ除雪器のような機能を有する直線状突起を1つ有するということである。接着層を形成するための複数のビーズを必要とする場合、反転した「V」字状の突起を使用すればよい。しかしながら、プレアプライドされた接着剤またはシーラントの幅が広い場合、特に加熱された接着剤またはシーラントがかなりの粘性を有する場合、1つの直線状突起では適さない場合がある。この場合、直線状突起の長さと粘性を有する材料の流れの悪さが組み合わさって、活性化された材料の充分なビーズが直線状突起の端部を出る前の保持時間が長くなってしまうという状況が発生する。従って、複数の短い直線状突起、最も好ましくは図3に示すような山歯状のものまたは山形の突起を採用するのが好ましい。図7、7(a)および10に示すように、山形構造は、通常、前方直線状またはそらせ突起を有し、確実に山形の後端によって形成される隙間が作用する。これら図に示した両方の山形構造には活性化された接着剤またはシーラントを集めてより大きな塊りにして活性面から出すという利点を有する。山歯構造は、単独の隆起したビーズを形成し、一方山形は、2つのビーズを形成する、または隙間が充分小さい場合、幅の広い単独のビーズを形成する。これらの隆起したビーズは、良好な接着性能を供し、このようなプレアプライドされた熱可塑性および熱硬化性接着剤を採用することができる用途の数および種類が広がる。勿論、活性化された接着剤の隆起したビーズによってより多孔質の面の平坦でない表面の接着に本発明の技術を使用することが可能になる。
【0067】
一方、プレアプライドされたカプセル化された硬化性接着剤およびシーラントの場合は、マイクロカプセルを高効率で破砕しなければならず、かつ、その内容物を混合して確実に良好なおよび/または効率的な硬化を行わなければならないので、より困難な状況が発生する。前者は、厚いカプセル壁および/または小さい粒径のマイクロカプセルを有するカプセル化された材料の場合に最も懸念される。後者の場合、単にマイクロカプセルを破砕しただけでは全てのカプセル化された成分および/または完全なまたは充分な硬化を開始するのに必要な充分の量の成分を放出または利用可能にすることができないという上述のSchwantes et. al.の組成物などにおいて最も懸念される。従って、硬化性接着剤およびシーラント組成物に使用する活性面は、複数の突起を使用する、最も好ましくは異なる種類の複数の突起を使用するというように、より複雑な構造を有する。このように活性面を変えることによって、確実に接着剤またはシーラントの流動化を良好にし、より高効率でマイクロカプセルを破砕し、接着剤またはシーラント成分のせん断および混合の度合いを増加させることが可能になる。最も好ましくは、活性面は、複数の直線状突起または1つ以上の直線状突起と1つ以上のそらせおよび/またはスプリッター突起とを組み合わせたものを含む。
【0068】
マイクロカプセルおよび/またはその内容物の性質に応じて、必ずしも必要ではないが、アクティベーター手段の性能を良好にするために活性面を加熱することが好ましい場合がある。硬化性組成物は、Schwantes et. al.に開示されているように熱で活性化されないことが好ましいが、特定のキャリアー材、例えば低溶融ワックスなどは、それに含まれるキュラティブを硬化性組成物のその他の成分と接触させるために高い温度を必要とする場合がある。さらに低温の熱、通常400°F以下、好ましくは約175°Fから約350°F、最も好ましくは約200°Fから約250°Fの熱が活性面に沿ってそして突起を介して活性化された材料を流れやすくする。当然のことながら、実際のまたは好ましい温度は、使用する接着剤によって変わり、試行錯誤によって簡単に決められる。正確な機構は知られていないが、氷とアイススケートの歯との間に水の膜が形成されるのと同じような原理で熱が接着剤/活性面界面により低粘度のフィルムを形成すると考えられている。このスケートの例のように接触時間が短いので、熱伝導が分子の界面に制限され、接着剤またはシーラントの大部分は、加熱されない。
【0069】
接着剤またはシーラントの化学的性質に関係なく、プレアプライドされた材料の接着層またはパターンの幅が極めて広い場合、例えば3/4インチ幅以上の場合、プレアプライド接着剤バンドの全幅に亘って並んで延びた複数の直線状突起、例えば山歯または山形の突起を使用するのが望ましい。複数の並んだ反転した「V」字状のスプリッター突起と組み合わされた並んで配された反転した「V」字状直線状突起を使用したこのような構成を図13に示す。この構造により図13(a)に示すように活性化された組成物の平行に並んだ複数のビーズが発生し、幅の広い接着剤バンドを活性化させるのに必要とされる活性面の長さを最小限にする。また活性面は、プレアプライドされた接着剤またはシーラントのバンドの全幅に亘って、好ましくは交互に延びた複数のそらせ突起を有し、プレアプライドされた接着剤の全体が活性化されるようにすることも可能である。このような活性面によって砂浜の砂の上部を1インチほど指でなぞることによって形成されるパターンのように隆起した縁部を有する平行に並んだ一連の轍が供される。この活性面に往復運動を加えることによって、突起の列の間隔および数に応じて、図20(a)および21(a)に示すようなパターンと類似した隆起した縁部を有する平行に並んだ一連の轍のリボン状のパターンまたはこのような轍が編組されたようなパターンが形成される。またこの往復移動により、接着剤またはシーラント組成物の均質混合が必要とされる場合にこれが確実に行われるようにする。
【0070】
プレアプライドされた接着剤の活性化は、活性化胴体部と活性面を組み込んだ携帯装置を手動で用いる、または好ましくは活性化胴体部と活性面を保持するまたは組み込んだ自動化された機械設備を自動で用いて行ってもよい。これらの装置を使用する際にどちらの装置も使用できる場合がかなりあるが、活性化された硬化性組成物の硬化速度が非常に速い、例えば1秒以下である硬化性のカプセル化された接着剤およびシーラントの場合、インラインで自動化された活性化および組み立て装置が必要になる。例えば、開放時間があるような硬化速度が遅い場合は、手動のオペレーションは、特に有益であり、そしてアクティベーター手段が独立型の装置である、または後続の組立工程が自動化された工程ではなく、手動で行われる工程である場合または自動化されたシステムにおいて、接着される表面が合わせられる前に活性部位からアクティベーター手段を格納しなければならない場合にも有益である。
【0071】
好ましい態様では、プレアプライドされた接着剤の活性化は、プレアプライドされた接着剤を単に活性化するだけの独立型装置または機械装置として、または大型の工業用アセンブリーまたは製造装置に組み込まれたインラインアクティベーター手段として自動化されたアクティベーター手段を介して行われる。いずれの場合において、アクティベーター手段は、据え置き型であってもよく、またはロボットアームまたはそれに類似した装置に取り付けられたまたはこのような装置の一部を構成するものであってもよい。後者の場合、非平面形状または変わった形状の被着体に使用するのに特に好適であり、これにより被着体がアクティベーター手段を通過する際、アクティベーター手段の妨害する経路がなくなる。この場合、アクティベーター手段は、活性化ワークステーションのインラインであるアクティブモードから、およびオフラインである、活性化ワークステーションの実際の作業部位から収納されるアイドルモードから移動することができる。これとは別に接着剤ビーズの中央線が組み立てラインに対して垂直になる状況があり得る。このような場合、活性化工程中のアクティベーター手段は、組み立てライン装置に対して静止せず、プレアプライドされた接着剤が載った被着体の部分を連続的にまたは非連続的にアクティベーターが通過するように移動する。いずれの場合において、これらの装置は、直接組み立てラインに一体化され、既存のラインの場合、液体または流動性接着剤を以前に塗付していた、そして場合によってはこれを硬化させたワークステーションまたは必要に応じて従来のプレアプライドされた熱活性化された接着剤に使用した加熱ステーションに代えることができる。
【0072】
特に好ましい本発明の態様は、被着体が平坦または被着体がアクティベーターワークステーションを通過する際に据え置き型アクティベーター手段がプレアプライド接着剤に作用することができるような被着体の場合である。このような場合、その工程は、出力速度またはレベルが組み立てまたは製造工程の残りの段階の速度または出力によってのみ制限される連続的な工程である。実質的に本発明は、接着剤の塗付および/または接着段階が障害にならない方法を提供する。
【0073】
2005年3月25日に出願された米国暫定特許出願第60/665,134号および2005年6月1日に出願された同第60/692,008号(これらの内容を参照し、本明細書に引用したものとする)に開示されているように、プレアプライド接着剤またはシーラントを有するストック材、特にストックパッケージ材またはブランクに使用するのに特に適している。これらストックパッケージ材または少なくとも接着剤が塗付されるフラップまたは部分は平坦であるので、これらの被着体は、高速で行われる工業的なパッケージ形成および/または封止作業に特に適している。当然のことながら、板紙ブランク状のストック材を使用する自動パッケージ形成工程は、本発明によるアクティベーター手段によって活性化を行った場合、毎分300フィート以上の速度で行うことが可能である。それ以下であっても毎分250フィート以上の速度を充分に達成することが可能である。このように早い組み立て速度は、毎分150フィート程度の速度しか達成されない最も一般的な自動組立作業とは大いに異なる。
【0074】
図3から図21に示した活性面の構造のいずれも効果的であるが、その効果は、特にカプセル化された硬化性接着剤組成物の活性化に使用した場合に異なる。種々の活性面の相対的な効果を評価するためにインライン高速接着装置を模倣したテストワークステーション10を図22に示すように構成した。この装置は、積載ステーションAと、活性化ステーションBと、貼り合せステーションCと、最終ステーション(図示せず)との4つのワークステーションで構成されている。作業用そり11がレール15に沿って各ワークステーションを試験用の5インチx3.5インチの板紙カードを搬送した。試験用カードには、Schwantes et. al.の教示内容に従って製せられた幅0.5インチ、長さ4インチ、厚さ18ミルのプレアプライドされたカプセル化接着剤バンドをカードの前縁から始まって、その後端から約インチの処で終了するように中央線に沿って塗付した。この接着剤は、コーティングブロックを使用してカードに手動で塗付した。
【0075】
図23により具体的に示すように作業用そり11は、基部14とプラットホーム16とを含む。プラットホーム16に一体化されているのは、導管19を介して吸引手段(図示せず)に取り付けられた4つの吸引ポート18である。試験中、積載ステーションAにおいて、カードは、接着剤を上にしてプラットホーム16の中心に置かれ、カードを所定の位置に保持するために吸引される。この吸引は、接着されたカードが終了ステーションに位置するまで維持される。また積載ステーションAは、活性化ステーションBの電動または好ましくは空気圧式の昇降手段22と連通したカードの表面の高さを検知するレーザーセンサー13を含む。昇降手段22に取り付けられているのは、アクティベーター手段21であり、その下側に活性面(図示せず)を有する。昇降手段は、レーザーセンサー13によって供給されたデーターに応じて、アクティベーター手段の高さを調節し、従って活性面の高さを調節し、確実に活性面の突起の上面がプレアプライド接着剤が塗付された板紙カードの表面と接触するようにしている。
【0076】
活性化の間、そりおよび従って試験カードは、毎分250フィートの速度で活性化ステーションを横断する。活性化された試験カードを支持するそりは、その後、貼り合わせステーションに入り、貼り合わせ手段30が5インチx3.5インチの第2の板紙ボードを活性化されたカードに貼り合わせる際に止まる。貼り合わせ手段30は、作業プラットホーム32とこの下側に第2のカードを保持するための吸引ポート(図示せず)とを含む。貼り合わせ段階の間、ピストン33は2枚のカードが約5psiの圧力で貼り合わされるまで、作業プラットホームを下降させる。その後、作業プラットホームは、収納され、作業そりは、終了ステーションへと移動する。組み立てられた試験カードは、そりから取り除かれ、放置した。続いて組み立てられた試験カードの接着強度およびこの用途の目的のためにマイクロカプセルの破砕度を評価した。後者は、アクティベーター手段に晒されたカードと晒されていないカードの溶剤抽出およびこれに伴ってこれら抽出物のガスクロマトグラフィーによって測定し、活性化工程中に放出された液体モノマーの量とプレアプライド接着剤に存在する液体モノマーの総量を測定した。ただしここではプレアプライド接着材として不活性、即ち放出された液体が硬化しないようにキュラティブ成分が欠けているものを使用した。
【0077】
このマイクロカプセル破砕評価に基づいて、図3、4および6に示すようにスプリッターを有するまたは有さない単純な山歯構造は25乃至30パーセントのマイクロカプセルの破砕しか成功しなかったことを確認した。一方、複数の異なる種類の突起を有する図8、9および12のより複雑な活性面は、同じ組成であっても50乃至60パーセントのより多くのマイクロカプセルを破砕した。これらの発見に基づいて、図20および21の斜交平行線模様型のようなその他の活性面は、特に往復移動を伴った場合、より良好にマイクロカプセルを破砕するはずである。
【0078】
上記マイクロカプセルの破砕の度合いの数値は低く出るが、本発明のアクティベーター手段の破砕効率は、従来のアクティベーター手段と互角か、またはそれより良い。当然のことながら、カプセル化された接着剤の化学的性質または構成を変えることによって破砕効率に影響を与える。例えば、高破砕性能はSchwantes et. al.のカプセル化された固体および半固体キャリアーとは対照的にマイクロカプセル化された液体接着剤で認められることが予測される。さらに本発明のアクティベーター手段は、従来のアクティベーター手段では性能が減少または劣るSchwantes et. al.のマイクロカプセル化された材料を効果的に使用するのに必要な混練およびすりつぶしの必要な度合いを供するという利点がある。より重要なことは、本発明のアクティベーター手段は、薄膜ではなく、プレアプライドされた接着剤の使用される用途を広げる活性化された接着剤のビーズを形成することができるということである。
【0079】
本発明によるアクティベーター手段を例えば典型的にはシリアルボックスの充填および密封用の変形された熱溶融吐出ステーションを採用していない自動パッキングラインで評価した。この装置は、当業界ではよく知られており、通常、カートンブランクを保持するためのマガジンと、生産ラインに沿ってカートンブランクを移動させるコンベア手段と、コンベア手段にカートンブランクを載せる供給手段と、カートンブランクを箱状にする形成手段と、カートンブランクの端部フラップに熱溶融接着剤を塗布するための接着剤吐出手段と、フラップを閉じてそのまま保持し、接着剤を冷却し、カートンを封止する閉鎖手段とを含む。しかしながら、ここでは接着剤のディスペンサーの代わりに装置は、本発明によるアクティベーター手段を2つ含み、カートンを箱状にするおよび/または充填作業後で閉鎖作業前の地点にコンベアの両側に位置させた。またここではカートンブランクは、外方端部フラップの内面にプレアプライドされたカプセル化された接着剤を有する。この接着剤を塗布するのに種々の技術が採用可能であるが、一連の試験において、カプセル化された接着剤をフレキソ印刷によって、接着剤をひし形に堆積させるアニロックスロールおよび0.25インチの厚みを有するフレキソプレートを用いて塗布した。カートンブランクがアクティベーター手段を通過する際、装置は、毎分150フィートのライン速度で、毎分250フィートの速度も得られるが、活性面の特徴部をプレアプライドされた接着剤に作用させた。カートンブランクが通過を続けている際、閉鎖手段が端部フラップを閉じ、形成されたカートンが装置を出るまで、フラップを閉じた状態に保持した。装置を出たカートンは、各端部でシールされ、アクティベーター手段の効果を示すのに使用した。
【0080】
本発明を特定の態様および例を参照して、説明してきたが、本発明の概念を利用したその他の態様も本発明の範囲を越えることなく可能である。従って本発明は、ここに記載した原理の範囲内で特許請求の範囲に記載した要素およびあらゆる全ての変形、変更および同等のものによって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】作動中の被着体に対するアクティベーター手段の配置を示す略図。
【図2】活性面が装着されたアクティベーター胴体の斜視図。
【図3】山歯状パターンの2つのせき板を有する活性面の部分平面図。
【図4】山歯状の2つのせき板と複数の半球体状の隆起物を有する活性面の部分平面図。
【図5】図4の活性面の5−5線に沿った断面図。
【図6】山歯状パターンの2つのせき板とビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図6a】図6の活性面によって発生した接着剤パターンの写真。
【図7】前方に反転した「V」字状のせき板とそれに続く山形状の2つの直線状せき板を有する活性面の部分平面図。
【図7a】図7の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図8】複数の環状突起、山形のせき板およびビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図8a】図8の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図9】複数の卵形突起、山形のせき板およびビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図9a】図9の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図10】前方の半円形せき板と広い口の山形のせき板を有する活性面の部分平面図。
【図11】半円形せき板、山形のせき板および広いビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図11a】図11の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図12】半円形せき板、山形のせき板および2列のビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図12a】図12の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図13】千鳥状に配された複数列の反転した「V」字状のせき板を有する活性面の部分平面図。
【図13a】図13の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図14】半円形のせき板、段差のある山形のダムおよびビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図15】繰り返し配された複数のスプリッターと山形のダムを有する活性面の部分平面図。
【図16】半円形のせき板および山形のせき板を有し、広いチャネルを形成した活性面の部分平面図。
【図17】半円形のせき板、山形のせき板およびビーズスプリッターを有し、2つのチャネルを形成した活性面の部分平面図。
【図18】活性面の中心軸に平行な単独の線状せき板を有する活性面の部分平面図。
【図18a】図18の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図19】活性面の中心軸に対して平行な複数の直線状のせき板を有する活性面の部分平面図。
【図19a】図19の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図20】斜交平行線模様の突起を有する活性面の部分平面図。
【図20a】図20の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図21】斜交平行線模様と山形パターンを組み合わせた突起を有する活性面の部分平面図。
【図21a】図21の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図22】本発明による活性手段を採用した組み立て装置の図。
【図23】図22の組み立て装置のそり手段の図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着面をそれが接着される表面または被接着体と合わせる前に接着面にプレアプライド(pre-applied)された接着剤およびシーラント組成物を活性化する、または再活性化するために使用される新規なアクティベーター手段に関する。ある1つの態様では、このアクティベーター手段は、プレアプライドされた熱活性化または再活性化接着剤およびシーラント組成物と共に使用される加熱されたアクティベーター手段であり、アクティベーター手段の熱が接着剤またはシーラントを流動状態にし、アクティベーター手段の活性化面が流動状態の接着剤またはシーラントを被着体面から持ち上げ、それを集め、被着体面の目的とする所望の形状のボンドラインに再度堆積させる。別の態様では、このアクティベーター手段は、加熱されない、または加熱されても最小限の熱しか供さないアクティベーターであり、その活性面は、接着剤がプレアプライドされた被着体の表面から接着剤を持ち上げることができ、プレアプライド接着剤を混合し、集めて、それを被着体の目的とするボンドラインの領域に再度堆積させることができる。このアクティベーター手段は、プレアプライド2液型硬化性または重合性接着剤またはシーラント組成物、特にカプセル化された組成物と共に使用し、その活性化面が2つの液を均質混合し、活性化された組成物を被着面の目的とするボンドラインの領域に再度堆積させる前に組成物を硬化または重合を活性化することができる特徴を有することが好ましい。また本発明は、上述のアクティベーター手段を含む工業的接着システムおよび装置、特に高速工業用のオートメート化された接着用途用のシステムおよび装置ならびに上述のアクティベーター手段を使用した接着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多液型接着剤およびシーラント組成物は、広く知られており、一般用および工業用または商業用として市販されている。これらの組成物は、一般には反応系としての特徴を有し、硬化または重合が開始すると、硬化性組成物の全ての成分が互いに均質に接触させられる。最も一般的な多液型接着剤およびシーラント組成物は、2液系のものである。2液型接着剤およびシーラント組成物は、色々な形状のものがあり、多くの用途に使用することができる。例えば、接着剤またはシーラント組成物は、第1の液、液Aは、液状の硬化性成分を含み、第2の液、液Bは、適当な溶媒にあるアクティベーターを含み、このアクティベーターは、液Aの存在下で、液体の硬化性成分の硬化または重合を開始または実行する。使用の際には、接着される一方の面または両面が液Bによって予備処理またはプライマー処理され、液Aがこれらの面に塗付され、両面を合わせた際に硬化または重合が開始する。
【0003】
これとは別に液AとBの両方が同じまたは異なる液体の硬化性成分を含んでもよく、液Aは、またアクティベーターを含み、このアクティベーターは、液Aの液体硬化性成分とは非反応性であるが、液Bと混合されると反応性になる。この場合、アクティベーターは、重合または硬化を行うが、それ自身は硬化した、または重合したポリマー内に化学的に組み込まれない(物理的にはその中に連行される場合もあるが)開始剤、促進剤、触媒などの化学添加剤であってもよく、または架橋剤またはハードナーなどの液Bの液体硬化性成分と共重合性の成分であってもよい。例えば、2液型エポキシ接着剤およびシーラント組成物は、並んでまたは同心に押し出されるパティー状の2液のリボン、ストリングス、ビーズ状のものがよく見られる。液状の硬化または重合系のように、これらの2つの成分を均質混合すると硬化または固化が開始する。
【0004】
工業的オペレーションでは、殆どの接着剤およびシーラント組成物は、使用時に塗付され、通常、2つの成分の相対比を計測し、吐出する際または直前に2つの成分を混合する高価で、複雑な吐出装置を介して塗付される。2つの成分の混合が吐出装置内で行われるかまたは吐出される際に行われるかは、材料の物性、その硬化特性、特に活性化材の硬化速度またはポットライフによって決まる。このような吐出装置は、大型の容器または貯蔵器から供給する、または吐出装置は、使い捨てのカートリッジを受けるように構成され、このカートリッジは、2つのチャンバーを含み、例えば二重バレルカートリッジなど、それぞれが所定量の2つの成分を含むように構成され、これら2つの成分が適当な割合で吐出される。前者の吐出装置は、貯蔵器が補充される限り、連続的に、またはほぼ連続的に吐出することが可能である。しかしながら、特に組み立てラインの停止または一時的な停止の際にミキサーヘッド内またはノズルオリフィスで2液型組成物が硬化することによって吐出ノズルが詰まってしまうという懸念がある。カートリッジの使用は、大きな容器を使用することが実用的でない、または容器を吐出ノズルの近隣に配置することができないシステムにおいては特に有用である。さらにこれらのシステムによって、使用したカートリッジを廃棄することができ、装置の汚染、大きな貯蔵器の設置または保管の心配がなくなる。さらに問題が生じたら、使い切っていないカートリッジは、新しいカートリッジに交換され、一方大型の貯蔵器に問題が生じた場合、貯蔵器を空にし、洗浄し、かつ、吐出前にパージされた吐出システムが再使用される。カートリッジの場合、カートリッジ集合体にノズルまたはミキサーが組み込まれている場合がある。従って、ノズルまたはミキサーヘッドは、カートリッジが交換されるごとに交換される。ノズルまたはミキサーヘッドが詰まるという問題が生じた場合、単にカートリッジ全体を取り替えるだけで済み、組立作業を進めることができる。その際の唯一の損失は、カートリッジの使い切っていない材料および組み立てライン工程の僅かな遅延だけである。ノズルまたはミキサーヘッドが一体化されている、またはされていないこのようなカートリッジは、このような特性を有するが、より高度な吐出装置の大型の貯蔵器に比較して比較的少量の材料しか貯蔵できないためにカートリッジを頻繁に交換しなければならない。この交換作業によって、一時的にではあるにせよ頻繁に組み立てラインを停止しなければならず、それに伴って処理量が影響を受ける。
【0005】
上記のシステムの最も不利な点は、高速で行われる工業的生産ラインでの液体材料の使用および塗布にある。確実に成分を適当な割合で混合するために細心の注意を払わなければならない。2つの成分が吐出される割合が僅かに変化しても材料の硬化が早くなり過ぎたり、遅くなり過ぎてしまったりする。このような割合の変化によって硬化が影響されないとしても、これによって吐出を行った際に得られる意図したものとは異なる性能特性または物理的形状を有する接着剤になりやすい。さらにこれらの吐出システムは、成分を吐出する際に直接的または間接的に圧力を利用しているため、圧力の変動が形成される接着剤および/またはボンドに悪影響を与える可能性がある。例えば、低圧力または圧力損失によって接着剤の吐出量が不十分になったり、接着剤の吐出にギャップが生じたりして接着が不十分になったり、接着不良になったりする場合がある。また圧力が大き過ぎたり、圧力が急激に高くなると材料が過剰に吐出され、被着体が使用に適さなくなったり、最悪の場合、接着剤が被着体上に広がってしまうだけでなく、組み立てラインの隣接する部材にも広がってしまう。後者の場合、組み立てラインを停止して、清掃しなけければならず、さらにより重要な問題が発生する場合がある。
【0006】
インラインで塗付される液体接着材料に関連する問題の多くを防ぐために、多くの製造工程ではプレアプライド接着剤が採用されている。これらの系の大半は、場合によっては特に高温、照射(例えば、UV,IRなど)、電磁場(例えば、RF、UHF、マイクロ波など)および/または超音波に晒されると活性化される、または再活性化される指触乾燥状態の熱可塑性(冷却された熱溶融液を含む)または熱硬化性接着材料の薄いフィルムを採用している。このような系の用途は、広いが、特に平面でない、または隙間が存在する表面同士の接着に関しては限界もある。さらに各系には、接着剤を活性化させる、または再活性化させるのに必要なエネルギーの発生によって、エネルギーが作用する被着体だけでなく、組み立てラインの活性化ステーションに隣接する関連装置ならびに特に組み立てラインのオペレーションおよびメインテナンスの責任者に対するその他の一般的な健康、安全および環境に関する問題が生じる。例えば、高速で行われるパッケージの形成および封止工程は、接着面に塗付されたプレアプライド熱可塑性または熱硬化性接着剤フィルムを使用しており、これは目的とするボンドラインに極めて高温の空気を噴射する1つ以上のヒーターエレメントによって、フィルムの活性または溶融温度にまで熱せられる。
【0007】
高温空気の噴射を方向付けることは可能であるが、空気源から被着体までの距離が遠くなるほど、噴射は、より広く拡散してしまう。また噴射が被着体に当たると、高温空気が被着体の表面に沿って分散する。感熱表面、コーティングなどを有する多くの被着体にとってこれは非常に重要な問題になり得る。例えば、パッケージは、多くの場合、その外面にコーティングまたはニスおよび/またはプリントが施されており、これらはプレアプライド接着剤を活性化するまたは反応させるのに必要な高温によって、特に熱が正確に接着剤層領域に加えられない場合、悪影響を受ける可能性がある。さらに組み立てラインに関する問題の処理を求められた作業員は、しばしば加熱装置またはそれから発せられる熱、特に高温空気噴射流に接近し、または接触することがあり、これによって重度の火傷を負う場合がある。従って、組み立てラインおよび加熱装置に安全手段および防護手段または設計変更を加えなければならず、これによって余分な費用が嵩み、システム自体がより複雑になってしまう。熱を直接加える以外に電磁エネルギー、紫外光などに依存するシステムでも上記と同じことが言える。最後にこれらのシステムは、接着が形成される前、または被着体を次の作業ステーションに移動することができるように充分な接着が得られる前に加熱された接着剤またはシーラントを充分に冷却するためにその工程に長期に亘って装置およびスペースの両方の点でさらなる追加の費用を加えなければならない。
【0008】
別の類のプレアプライド材としては、カプセル化された接着剤およびシーラントが知られている。このカプセル化された系は、Schwantes et. al.(米国特許第6,592,990号)のカプセル化されたPSAまたはEichel(米国特許第第2,986,477号)のカプセル化された粘着材などの1液型接着剤、Roesch et al.(米国特許第5,922,798号)およびEichel(米国特許第2,907,682号)に開示されているような溶剤系のカプセル化された接着剤系などの2またはそれ以上の液型接着剤系またはより一般的なBachmann et. al.(米国特許第3,814,156号および同第3,826,756号)、Chao(米国特許第6,375,872号)およびUsami et. al.(米国特許第5,397,812号)に開示されているような液体硬化性系などがある。最初に述べた系では、マイクロカプセルを粉砕することによりカプセル化されていた接着剤が接着を行うために利用可能となる。2番目の系では、マイクロカプセルを粉砕しても、接着剤にそれが活性化するまたは形成される機会を供するだけである。例えば、溶剤系の接着剤では、マイクロカプセルまたはその1種が別のマイクロカプセルに存在する接着剤を溶解または粘着性にする溶剤を粒子としてまたはマイクロカプセルを表面に保持するバインダーとして含んでいる。溶剤マイクロカプセルが粉砕されると、溶剤が放出され、接着剤を活性化する。これとは別に硬化性の系では、アクティベーター、触媒、または開始剤である必要ないくつかのキュラティブが互いにまたは重合性成分と接触するまで硬化を開始または活性化されない。マイクロカプセルを粉砕することによってこれら全ての成分が接触し、硬化が行われ、接着剤またはシーラントがイン−シツ形成される。
【0009】
上述したようにカプセル化された接着剤のより一般的なものは、2液型液体硬化性の系である。上述したインラインで塗布される液体硬化性の系のように、これらのカプセル化された接着剤は、あらゆる種類の特定の用途/エンドユーズに適合するおよび/または多くの性能特性を達成するために特別に配合される。しかしながら、これらの接着剤は、広い範囲の特性および性能を有しているにも拘らず、商業的用途は非常に限られている。これらの接着剤の最も一般的な用途は、機械的な締結用途、ねじ止めを利用した組み立てまたは固定用途である。ねじ止め用途の場合、接着剤はネジ止め作用によって活性化される。固定用途では、接着剤の活性化は、接着される2つの部材を組み立てることによって行われ、殆どの場合、部材の挿入による組み立て作業を伴う。例えば、Bonutti(米国特許第4,750,457号)は、エンジンブロックの受け孔内に挿入されるエンジンカッププラグの側壁の溝にカプセル化接着剤を使用している。締まりばめによって溝が変形し、マイクロカプセルを破砕し、それに含まれていた液体成分が流れ出す。同様にMuller et. al.(米国特許第4,100,954号)およびMederski(米国特許第5,965,866号)は、ボディーまたはカードの凹部にカプセル化された接着剤を使用しており、ここではこの凹部にドエルまたはマイクロチップを挿入する際の力によってマイクロカプセルが粉砕され、接着剤の硬化が開始する。
【0010】
カプセル化された接着剤は、強固な平坦または平面被着体の接着にも使用されるが、その用途は非常に限られている。活性化は、マイクロカプセルの粉砕によって開始され、マイクロカプセル自体は、非常に小さい粒径のものなので、その使用は、接着面が平面である、または曲線を描いている場合、その曲線同士が互いに鏡像となり、2枚の被着体を貼り合わせた際にボンドラインまたは接着界面での隙間が最小限になるような被着体に限定される。マイクロカプセルの直径より大きい隙間が存在する、またはカプセル壁の脆弱性または剛性によっては、マイクロカプセルの4分の3程度の大きさの隙間であっても、硬化性成分が放出されず、接着が生じないまたは接着不良になってしまう。一方、貼り合せが完全で、隙間が生じない場合、液体接着剤材料の全てまたは実質的に全てがマイクロカプセルを粉砕するために用いられる圧力下で押し出されてしまう懸念がある。ここでマイクロカプセル壁の残物が貼り合わされた表面間で隙間を維持する役割りを果たし、全ての接着剤材料が貼り合わせの際の圧力下で押し出されないようにする。ただこのようにしても、相当量の接着剤材料がボンドラインから押し出されてしまい、これにより接着強度が弱くなり、余分な接着剤を取り除かなければならない。
【0011】
カプセル化された接着剤の用途の成長している分野は、多孔質または半多孔質の可撓性シート媒体、特に紙および紙製品ならびに織物または不織布、シートおよびウェブ製品の接着である。例えば、Akridge et. al.(米国特許第5,794,409号)およびHaugwitz(米国特許第4,961,811号)は、手紙、ジャンクメールなどの紙封筒の製造および/または封止にカプセル化された液体硬化性接着剤を使用している。また最近では、Schwantes et. al.(米国特許第6,592,990号)は、ラベルの接着用途にカプセル化されたイン−シツ形成されたPSAを使用している。典型的には接着剤の活性化は、貼り合わされた面を1つ以上のピンチローラーの間を通過させ、1つ以上の固定ブレードの下、そして一組の回転ディスクまたは一連の対の回転ディスク、またはこれらを組み合わせたものの間を通過させることによって行われ(例えばWell et. al.、米国特許第6,726,796号参照)、このオペレーションによってマイクロカプセルを破砕し、2つの貼り合わされた被着体の間で接着剤が広げられる。これとは別に少なくともイン−シツ形成されたPSAでは、これらの活性化手段を接着される被着体を貼り合わせる前にプレアプライド接着剤に直接作用させてもよい。
【0012】
この系は成功しているが、これもまたカプセル化された液体硬化性接着剤に関する制限を有する。例えばそれらの低い粘度によって液体硬化性組成物は、多孔質被着体内に入り込みやすく、接着層を形成する接着のための隙間または界面に殆ど硬化性材料が残らなくなる。これは、液体材料が紙の表面層を満たし、それによって接着を行うのに充分な接着剤材料を供する従来の紙封筒の場合と同じように薄い媒体または非常に平滑な表面ではさほど問題にはならない。しかしながら、板紙および特にボール紙などの厚い媒体では、より重要な懸念および問題がある、というのは液体が表面下に吸収される、または入り込んで、殆どまたは僅かにしか界面に液体硬化性材料を残さず、これらの材料によく見られるむらに対応するには不充分な量になってしまうからである。一方、プレアプライドされた接着剤が上述のピンチローラー、ブレードおよび回転ブレードを使用して活性化されるこれらの被着体にとってある程度の孔またはむらは重要である。もし接着剤を受け皿の役割りを果たすこのような孔が無ければ、これらの手段によって接着剤材料を押しのけ、搾り出したり、掻き取ってしまい、ボンドラインまたは接着界面に殆ど接着剤材料が残らなくなってしまう。
【0013】
カプセル化された接着剤の使用を制限する別の要因としては、マイクロカプセルを破裂させるための充分な圧力を加えることができないおよび/またはカプセルを破裂させる効率が悪いということが挙げられる。この問題を悪化させているのは、早期の意図しないカプセルの破裂を防ぐために従来のカプセル化された接着剤およびシーラントによく見られるような厚い壁を有するカプセルの使用である。これらの問題は、紙、ボール紙など、特に上述したような活性化手段によって加えられる圧力を吸収するまたは和らげてしまう厚みのある部分において特に問題になる。圧力を増加させるという調整を行った場合、被着体を損なう、または変形させるという悪影響を及ぼしてしまう。柔軟性のない硬い被着体は、同様な問題点を有するが、その理由は異なる。具体的には硬い被着体に作用する圧力が接着界面を通過する際、被着体が不規則な表面を有する場合、接着界面に隙間が生じ、いくら圧力が加えられても、その隙間ではマイクロカプセルは粉砕されない。従って、接着不良または接着されない領域が存在する場合がある。
【0014】
上述の問題および懸念のいくつかは、機械的活性化手段がカプセル化された接着剤材料に直接作用するWells et. al.によるシステムによって軽減されるが、このような形態または方法は、カプセル化されたプレアプライド接着剤の大半には適していない、または利用することができない。従来の活性化装置および方法と同様に、Wells et. al.もマイクロカプセルを破砕するのに圧縮力に依存しているが、Wells et. al.では貼り合わされた被着体ではなく、接着剤に直接、作用するので、別の懸念が生じ、活性化された接着剤またはシーラントの全てを被着体表面から掻き出したり、押し出したりするのを防ぐ必要性に対処している。ここでは被着体に対する活性化手段の角度は、プレアプライドされた接着剤またはシーラントをすりつぶすには小さすぎ、活性化された接着剤またはシーラントが活性化手段の下を通過してしまう。いずれにしても、Wells et. al.の装置は、接着のために薄い接着剤フィルムだけに対処することができるまたは必要とするこれらの用途に限定されてしまう。
【0015】
特に組み立てラインから液体および/または溶融状態の接着剤を吐出することを除去することができるということに関するカプセル化された硬化性接着剤系の多くの特性にも拘らず、広い範囲の被着体および用途に利用できるところまで現在の技術は、進んでいないのが現状である。例えば、不可能ではないにしても、高粘度材料をマイクロカプセル化することが困難であるというマイクロカプセル化技術の限界によってカプセル化された接着剤またはシーラントは低粘度の材料のものに限定されてしまう。それでもこのような技術で足りないものは、カプセル化された接着剤の活性化に関することである。上述したように最も商業的な用途は、ネジ止め組み立て体の回転またはネジ止め作用を介して、または固定用途における1つの要素を別の要素を挿入する際の力を介して接着を行うために被着体の貼り合わせに依存している。上記Wells et. al.のローラー、ブレードおよび/または回転ディスクは、特定の被着体上でのこのようなカプセル化された接着剤の使用は促進されるが、硬いおよび/または非孔質の被着体での使用は、困難である。さらにこれらの装置は、接着剤材料の薄いフィルムのみを供するため、非平面の被着体または設計上、不充分な品質管理または被着体が製せられる材料の天然の屈折力によって隙間が生じる被着体には使用できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、プレアプライドされた感熱性の熱硬化性または熱可塑性接着剤またはシーラント組成物に直接熱を伝え、それでもその組成物の悪影響を与えるような温度に加熱する、および接着領域の外側の領域を加熱する心配がなく、組み立てラインの領域または作業において作業員が火傷または高温に晒される可能性を最小限にするために最少の加熱面を有する、このような接着剤またはシーラント組成物を活性化する、または再活性化する手段が望まれ、産業界では必要とされている。
【0017】
また別の点において、活性化または再活性化させるのに熱、照射、超音波、電磁エネルギーなどの使用を必要としない、そして熱を加えるとしても、それは活性化および再活性化を補助するためのものであり、比較的低温で加熱時間も限られているプレアプライド接着剤の活性化手段が望まれ、産業界では必要とされている。
【0018】
さらに2液型プレアプライド硬化性または重合性接着剤またはシーラント組成物を活性化し、効果的かつ効率的にカプセル化された接着剤またはシーラント組成物を放出し、簡単に使用でき、費用効果が高く、薄膜として以外にもこのようなことが可能な手段が望まれ、産業界では必要とされている。2液型プレアプライド接着剤またはシーラント組成物、特にカプセル化された液体硬化性接着剤またはシーラント組成物を効果的かつ効率的に活性化させ、その成分、特に高粘度および/または周囲条件で非流動性である成分を良好に均質混合することができ、適当なときに高度にカプセルを破壊し、活性化された接着剤を所定の形状またはビーズ状、特にプレアプライドされた材料の元の厚みと同じ厚みまたはそれ以上の厚みで被着体上に残することができる手段が望まれ、産業界では必要とされている。さらに特定の最終用途のために所定の厚みの特別なビーズ状に活性化された接着剤を堆積させることができる手段も望まれ、産業界では必要とされている。
【0019】
最後に液体の硬化性または溶融接着剤またはシーラント材をインラインで吐出する必要がなく、プレアプライド接着剤およびシーラント組成物を活性化するための現在のシステムと比較して、最小限の資本投下で高速の接着を行うことができる接着方法および装置が望まれ、産業界では必要とされている。さらに薄いプレアプライド接着剤またはシーラント組成物を使用することができ、所望の形状および/または厚みの接着剤またはシーラント材の活性化されたビーズをイン−シツ形成することができ、特に接着領域が隙間を有するおよび/またはボンドライン全体が隙間を有する被着体の接着に対応する高速で行われる工業的接着方法および装置が望まれ、産業界では必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明では少なくとも1つの活性面を有するアクティベーターヘッドを含むアクティベーター手段を提供し、この活性面は複数の特徴部を有し、これら特徴部は、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物と係合し、これを被着体から持ち上げ、直接または間接的に接着剤またはシーラント組成物を活性化または再活性化し、活性化または再活性化された該組成物の流れまたは移動を案内して被着体上に活性化または再活性化された接着剤またはシーラントを所定のパターンに再度堆積させる。これら活性面の特徴部は、その表面から延びた突起単独、または1つ以上の凹部またはチャネルとの組み合わせによって得られる。これらの突起は、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物をそれが塗布された被着体表面から持ち上げ、アクティベーター手段内で接着剤またはシーラント組成物の流れを分断し、その流れの中にせん断力を発生させ、および/または接着剤またはシーラント組成物の流れを案内する役割りを果たす。突起の数、形および大きさは、プレアプライドされた接着剤の組成およびパターンならびに場合によっては活性化後の被着体に残される活性化された接着剤の所望のパターンまたは断面形状によって変わる。好適な突起形状としては、せき板(dams)、リッジ、山歯(herringbones)、山形(chevrons)などの直線状の突起および半球体、半長円、斜交平行線(crosshatches)などの非直線状の突起が挙げられる。せき板およびリッジまたはその他の直線状突起を採用する場合、これらは、活性面の中心軸に対して角度を持って配向されるのが好ましく、これによりこれら突起に沿って、かつ、突起を過ぎて接着剤が連続的に流れるようになる。これらの突起のあらゆる組み合わせであってもある程度の活性が得られるが、突起は、特に山歯状パターンの少なくとも2つの直線状の突起または1つ以上のその他の突起と組み合わせた少なくとも1つの直線状の突起を含むことが好ましい。より好ましくは突起は、1種以上のその他の突起と組み合わされた好ましくは山歯または山形状の2つ以上の直線状の突起を含む。複数のせき板および/またはリッジを単独で使用する、または他の断面形状のものと組み合わせて使用することは、確実に接着剤またはシーラント組成物の成分を均質に混合し、適用可能な場合、マイクロカプセルを良好に破砕することができるので、2液型プレアプライド硬化性または重合性系、特にカプセル化された系に使用する場合に特に有益である。
【0021】
上述した事柄にも拘らず、次の(a)または(b)の条件を満たせば、1つ以上の直線状の突起が活性面の中央軸に対して垂直に配向されてもよい、(a)活性面に対して被着体が進行する際に突起の前部に堆積した接着剤が突起の端部の周囲および端部を通過するのに突起が充分短い、または(b)アクティベーターが往復移動するものであって、その往復移動が中央軸に対して垂直または実質的に垂直であって、これにより往復移動と被着体に対するアクティベーターの相対横移動との組み合わせすることによって突起の端部の周囲および端部を通過する接着剤の流れを促進する。これらの突起は、可能ではあるが、好ましくはない。
【0022】
任意ではあるが、活性面の特徴部は、1つ以上の凹部を含んでもよく、これら凹部は、多くの場合、接着剤またはシーラント組成物が凹部を出る前に接着剤またはシーラント組成物を一時的に保持、回収および/または混合する領域を供するために、せき板またはリッジの直前に位置する。これとは別にまたは加えて、凹部は、上述の突起より後方に位置する、活性面に形成された1つ以上のチャネル形状のものでもよく、これらのチャネルは、接着剤またはシーラントの流れる路を案内するまたは決定する役割を果たし、さらには接着剤またはシーラント組成物が集まり、混ざる追加のスペースを供する。これらのチャネルは、被着体面との組み合わせによって、活性化後の被着体に残される接着剤のパターンおよび断面形状に対応するダイを形成する。
【0023】
アクティベーターは、これに組み込まれたまたはこれに関連するセンサーおよびモーター手段を有してもよく、これによって被着体の厚みが物品によって異なるまたは所定の物品でも被着体の厚みが異なっても、アクティベーターが作動する際に確実に活性面を被着体の表面と接触させる、またはこの表面から所定の距離を維持することができる。基本的にはこのセンサーは、被接着体の厚みまたは接着剤が載った被着体面の高さの変化を検出し、それら読み取ったものをプロセッサーに送り、プロセッサーは、必要に応じて、活性面を昇降させるモーターまたは昇降手段を作動させる。好ましくはセンサーおよびモーター手段は、活性面を被着体に接触した状態に維持するが、活性面が作用する被着体面を活性面が傷つける、または活性面が被着体を捕らえてシステムを詰まらせたり、一時的な障害を生じさせる力を加えない。
【0024】
アクティベーター手段が使用される接着剤またはシーラント組成物の特性に応じて、活性面は、加熱手段を含んでもよく、または加熱手段と熱伝導関係にあるものでもよく、これによってアクティベーターはそれと接触している接着剤またはシーラント組成物に熱を伝えることができる。熱活性化または再活性接着剤およびシーラント組成物の場合、発生させる熱は、接着剤またはシーラント組成物を溶融または活性化するのに必要な熱を得るために高くなければならない。硬化を開始する、または活性化するために熱を必要としない硬化性または重合性接着剤およびシーラント組成物の場合、突起および凹部を介しておよび通過する接着剤およびシーラント組成物の流れを促進するために活性面を低温に加熱することが望ましい場合がある。いずれの場合において、必要とされる熱エネルギーが活性面に供される限り、加熱エレメントは、アクティベーター手段内に組み込まれる、あるいは一部を構成してもよく、またはアクティベーター手段と熱伝導関係にあるものであってもよい。
【0025】
本発明のアクティベーターは、かなりの数の既存の接着装置内にそのアクティベーター手段に代えておよび/または液体または溶融接着剤、熱溶融接着剤吐出手段に変えて組み込むことが可能であり、これら既存の装置は、簡単な変更で本発明のアクティベーター手段を組み込むことができる。そのようにする場合、アクティベーター手段は、それが作用する被着体に対して動かないように固定した状態で保持されてもよく、または活性化工程中に被着体に対するアクティベーター手段の移動を制御する、および/または確実にアクティベーター手段をその固定された活性位置からスタンバイの位置に収納することができるロボットアームまたはそれに似た装置に取り付けてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、プレアプライドされた接着剤を活性化させるために使用する新規なアクティベーター手段に関する。このアクティベーター手段は、プレアプライドされた接着剤組成物に関する物性、化学的組成および活性化方法に応じていくつかの異なる形状または態様が可能である。例えば、以下に詳しく述べるが、ある1つの態様では、アクティベーター手段は、プレアプライドされた熱活性可能なまたは再活性可能な熱硬化性または熱可塑性接着剤またはシーラント組成物を活性化するまたは再活性化するために充分な熱を発生する加熱手段を含む、または加熱手段と関連するものであってもよい。一方、アクティベーター手段は、加熱手段と一体である必要はなく、またはそれと熱伝導する関係になくてもよく、加熱を必要とする場合、加熱手段は、アクティベーター手段の活性面を介したプレアプライド接着剤材料の流れをよくすることができる低温を発生させることができるだけで充分であり、プレアプライド接着剤を活性化するまたは再活性化するには不充分または不必要なものである。またアクティベーター手段は、活性化の際にそれが作用する被着体表面に対してアクティベーター手段を移動させるための往復移動手段および/または振動手段を含むまたはこれらと関連するものであってもよい。しかしながら、本発明のアクティベーター手段の種々の態様に共通する重要な要素は、プレアプライド接着剤またはシーラント材に直接作用し、そこから延びた突起単独または1つ以上の凹部またはチャネルとの組み合わせおよびこれらと関連する複数の特長を含むことであり、これらの特徴は、活性化されたまたは再活性化された接着剤またはシーラント組成物の流路を形成する。
【0027】
図1は、アクティベーター手段が作用する被着体に対するアクティベーター手段の相対的な位置を略式に示している。図1に示すように、アクティベーター手段1は、活性面2(図ではアクティベーター手段の下側)を有し、この活性面は、そこから延びた1つ以上の突起3を有する。アクティベーター手段は、中央線軸Aと横軸Bと2つの軸を有する。アクティベーター手段が作用する被着体4は、プレアプライドされた接着剤バンド5を有する。このプレアプライドされた接着剤バンド5は、アクティベーター手段の中央線軸Aに平行な中央線軸を有する。活性化の間、アクティベーター手段に対して被着体は、その中央線軸に沿って矢印Cの方向に相対移動する。いくつかの特定の態様において、アクティベーター手段も非常に僅かではあるが、横軸Bに沿って往復移動してもよい。その往復移動が実質的に振動である場合、横軸に沿った移動は、実質的にはナノメーターのレベルである。この往復移動がプレアプライドされた接着剤の流れまたは位置決めおよびマイクロカプセルが存在する場合、その破壊に重要な役割りを果たす場合、横軸に沿った移動距離は、数分の1ミリメートルから数ミリメートル程度である。この場合、1往復がボンド幅を形成する。従って、往復運動は、所定の接着に適したまたは必要な最小限の大きさであることが好ましい。
【0028】
以下に詳述するように、アクティベーター手段が往復移動することによって、一般的には接着剤またはシーラント組成物の成分の混合を高めることになるが、往復移動は、活性面を見下ろしたときに中央線軸に対して平行な突起の間に隙間が存在するように突起が配向されている活性面にとって特に重要である。このような隙間が存在するということは、隙間に対応する領域の被着体上のプレアプライド接着剤が活性面の横方向の移動、好ましくは隙間の幅の少なくとも半分である各方向の横方向の移動をしないと活性しないことを意味する。またアクティベーター手段の往復移動は、突起が直線状である場合、または直線状に配置されている場合、非直線状で中央軸に対して平行またはほぼ平行な場合、特に重要である。また往復移動は、幅が広く、かつ、中央軸に対して垂直またはほぼ垂直である直線状の突起を用いる場合にも重要である。後者の場合、往復移動が直線状の突起の端部を通過した活性化された接着剤またはシーラントの移動を補助する。これは、突起がそれが作用するプレアプライド接着剤またはシーラントのバンドと同じ幅またはそれより広い場合に特に重要である。当業者であればこのような往復移動がここで教示する内容を参照すればどのようなときに必要かは容易に認識するはずである。
【0029】
上記したように本発明のアクティベーター手段は、最小限、活性胴体部と少なくとも1つの活性面を含む。活性面は、活性胴体部と一体であって、その一部を形成してもよいし、図2に明瞭に示すように活性面は、活性胴体部に締結されたまたは接着された別個の部材であってもよい。図2は、山歯(herringbone)状に配置された2つの直線状の突起3を有する活性面2を示す。
【0030】
図2には示していないが、活性胴体部は、被着体にプレアプライドされた接着剤のインライン活性のためのより大型の装置またはその部材に活性胴体部を取り付ける1つ以上の取り付け手段を含むんでもよい。例えば、自動接着工程において活性または作動位置へとおよびこの位置からアクティベーター手段を進めたり、格納したりするロボットアームまたは手段に直接または間接的に取り付けてもよい。これとは別に活性化ステーションとして定義される自動接着システムおよび装置のフレームまたは上部構造物のその部分に直接または間接的に取り付けてもよい。後者の場合、使用の時のアクティベーター手段は、実質的に静止した状態で保持され、活性化される被着体が活性面を通過する。
【0031】
以下に詳述するように、アクティベーター手段は、センサー手段を有する、または有さない手動または電動リフト手段に取り付けられてもよく、またはこれと関連して動作するようにしてもよく、これにより(a)活性面の特徴部または突起の外面または最頂部と活性面が作用し、プレアプライド接着剤が塗付された被着体面との間の隙間または場合によっては(b)突起と被接着体が接触している際の被着体に対する突起部または特徴部の力の量を調整することができる。これとは別にまたは加えて、上述したようにアクティベーター手段は、活性面を好ましくはその中心線軸に対して垂直方向に往復移動させる往復移動手段と関連して作動するようにしてもよい。
【0032】
活性面および胴体部は、アクティベーター手段の特定の特性および用途に応じてあらゆる種類の材料で構成されてもよく、同じまたは異なる材料で構成されてもよい。好適な材料としては、金属、セラミック、プラスチックおよびカーバイドが挙げられ、特にアルミニウムおよび陽極酸化アルミなどの金属が挙げられる。具体的には材料は、アクティベーター手段の特定の最終用途およびそれが作用する接着剤またはシーラント材に対する感度または反応性によって選択される。例えば、アクティベーター手段が加熱する能力を有する場合、活性胴体部および活性面は、必要な熱がアクティベーター手段を破損させたりその寿命に影響を与えずに活性面の表面に留まってプレアプライドされた接着剤またはシーラント材に伝わるように良好な耐熱性および熱伝導特性を有する材料で形成されなければならない。
【0033】
一方、接着剤またはシーラント組成物がレドックス硬化性接着剤またはシーラント組成物である場合、接着剤またはシーラントを活性面に付着させてしまう鉄または鉄系化合物を含むまたはこれらを主成分とする特定の金属を避けるのが望ましい場合がある。またこのような金属を採用した場合、活性面を不活性(硬化性組成物に対して)コーティング組成物でコートして確実に金属または金属イオンが硬化性組成物に作用しないようにすることが望ましい。実質的には、活性頭部、特に活性面の材料は、それが未使用の状態または老化した状態にあっても、硬化性または重合性材料の硬化または重合を不利に干渉しないようなものでなければならない。ここで言う干渉とは、硬化に対する妨害または硬化を不利に促進させる効果であることを理解されたい。
【0034】
活性面、特にその突起の組成の選択において考慮すべき別の要因は、接着剤またはシーラント組成物の物性ならびに活性面が作用する被着体表面の摩損性である。この点に関して、プレアプライドされたカプセル化された接着剤の場合マイクロカプセル壁の残骸が、またはその他の接着剤の場合無機充填材が、特にプラスチック材で形成されている活性面を過剰に摩耗させてしまう場合がある。
【0035】
最後に上述の通り、活性面は、コーティングが施されてもよい。このコーティングは、接着剤組成物が活性面に晒されるのを防ぐバリアーとしての役割りを果たすおよび/または活性化した接着剤またはシーラントがアクティベーターに接着したり、または詰まらせたりせずにアクティベーターを介して流れるような滑りまたは非接着性を有する。例えば、コーティングは、シリコーン材またはポリテトラフルオロエチレンなどのリリース型のコーティングであってもよい。通常、コーティングの厚さは、約3乃至6ミルであるが、それより薄いものも好適に用いることが可能である。
【0036】
上述したように活性面は、アクティベーター手段の一部であってもよく、またはアクティベーター手段に機械的、化学的に取り付けられる別個の部材であってもよい。活性面がアクティベーター手段の一部を構成する場合、活性面を表わすパターンを活性面として機能するアクティベーター手段の面に機械加工してもよい。またアクティベーター手段またはその胴体部が成形作業によって作製されている場合、活性面のパターン形成は、アクティベーター手段の成形と同時に形成してもよい。活性面が活性胴体部に取り付けられる別個の部材である場合、活性面は、それに組み込まれる特徴部を含めて、加工素材を機械加工してもよく、成形工程で製造してもよい。
【0037】
本発明のアクティベーター手段の重要な部分は、活性面に形成された特徴部である。これらの特徴部は、活性面から上方に延びた突起、または活性面を介した接着剤またはシーラント材の流路またはその一部を形成する1つ以上の凹部またはチャネルとの組み合わせにある。最も重要なことは、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物と係合し、これを被着体から持ち上げ、直接または間接的にこの接着剤またはシーラント組成物を活性化または再活性化し、その流れまたは移動を案内して、活性化または再活性化された接着剤またはシーラント組成物を被着体に再度堆積させる突起である。ここで用いられている接着剤またはシーラントを被着体から持ち上げるという概念は、これらは被着体面と接触したままの状態であるが、これらを流動化させることを意味する。さほど重要ではないが、以下に具体的に説明するように、上述の突起の後にチャネルを加えることによって活性化された接着剤を所定のパターンまたは断面形状に堆積することが可能になる。
【0038】
突起は、その形、大きさおよび活性面上の位置ならびにプレアプライドされた接着剤の特性に応じて多くの機能を奏する。最も重要なのは、上述した通り、突起は、プレアプライドされた接着剤またはシーラント組成物をそれが塗付されている被着体面から持ち上げ、および/または押し進めなければならない、そしてカプセル化された接着剤の場合、その内容物を放出するためにマイクロカプセルの破砕を補助するものでなければならない。接着剤またはシーラント組成物が硬化性または重合性組成物である場合、好ましくは活性面は、流路を変更または分断して硬化性または重合性組成物内でせん断を発生させる、またはこの組成物を混合するおよび/またはカプセル化された接着剤またはシーラント組成物の場合、マイクロカプセルの破砕または粉砕に関与する突起を含む。また活性面は、活性化した接着剤を集めて、堆積させて単独のビーズ、または突起の数および形状に応じて複数のビーズに形成する役割りを果たす1つ以上の突起を含んでもよい。この点に関しては、突起は、後述するように外形チャネル(profile channel)の前端を構成してもよい。また活性面は、単独のビーズを2つ以上のビーズに分割する1つ以上の突起を含んでもよい。当然のことながら、これらの突起の多くは、同時に複数の機能を奏することは明らかである。例えば、プレアプライドされた接着剤またはシーラントを持ち上げ、集める突起は、殆どの場合、集められた材料の塊りの内部で流れを発生させ、これら材料の混合の補助をする。
【0039】
一般的に言えば、活性面の突起の形状、大きさ、向きおよび位置は、それが果たす目的および機能によって異なる。この特徴、即ち突起の高さは、接着剤、アクティベーター手段から持ち上げられる所望の接着剤ビーズ、ラインスピード、突起が作用する被着体等によって異なる。シリアルまたはクッキーの箱などのボール紙容器の封止に使用するのに好適なアクティベーター手段の特徴部は、約18ミルの高さを有し、その2倍以上の高さのものもダンボール容器を封止する場合に必要になる。以下に詳細に述べるように、これらの突起は、3つの重複する類のもの、即ち直線状の突起、そらせ(diversionary)突起およびスプリッター(splitters)である。これらの形状の中で、当該突起は、直線状のせき板(dams)およびリッジ、山形(chevrons)、山歯(herringbones)、「V」字状または三日月形のせき板またはリッジ、角錐、半球体、半球状体、円筒状などの形状であってもよいが、これらに限定されない。活性面は、複数の同一または類似の形状の突起を有してもよいが、活性面が作用するものがカプセル化された組成物である場合、異なる形状の突起を組み合わせることが好ましい。このように異なる形状の突起を使用することによってマイクロカプセルを良好に破壊し、その成分の均質混合を促進し、さらに活性化された材料のビーズを良好に形成する。当業者および本明細書の教示内容を知ったものであれば、それらの特定のニーズに応じて適当な突起を選択し、それらの突起の適切な向きを設定することができることは容易に理解されるはずである。
【0040】
活性面に組み込まれるまたは設けられる突起に最も好ましいものは、せき板やリッジなどの直線状のものである。これらの直線状の突起は、被着体面からプレアプライドされた接着剤またはシーラントを持ち上げ、接着剤が直線状の突起の長さに沿って通過するように接着剤成分の流れを発生させ、これら成分を混合するのに適している。突起を単独で、またはその他の突起の後方に使用する場合、突起は、活性化された接着剤またはシーラントの流れを集め、案内し、好ましくは活性化された接着剤の1つ以上のビーズを発生させる役割りを果たす。Wells et. al.に記載されているように従来技術では、直線状のエッジブレードを採用しているが、ブレードの直線状のエッジは、それが作用する接着剤の中心線軸に対して垂直であり、被着体の面に対して角度が付けられており、これによりマイクロカプセル化された接着剤が粉砕され、ブレードエッジの下を通過することができる。ブレードエッジに加えられる力によって、マイクロカプセルが充分に破砕しない場合があるが、確実に破砕させるために圧力を増加させると、ブレードの後ろ側で持ち上がる接着剤膜が薄く、ほとんどの場合ブレードが作用した元のプレアプライドされた接着剤膜よりかなり薄くなってしまう。実際、従来技術での活性化は、接着剤の薄膜を形成することのほかにマイクロカプセルの成分の混合の度合いを制限してしまうすりつぶし作用によって行われる。例えば、Wells et. al.ではマイクロカプセルの成分は、圧縮力によって発生する流れによってのみ影響され、流れは、ブレードまたはローラーなどのアクティベーターエレメントの前方から外方に実質的に直線状に延びる。これは、種々の突起が被着体表面から持ち上げられた材料の塊りの中で非線状の流れおよびせん断を発生させる本発明のアクティベーター手段とは全く対照的である。
【0041】
さらに従来技術とは対照的に本発明による直線状の突起は、中央線軸に対して垂直に配向されておらず、2つ以上ある場合、その長さは、プレアプライドされた接着剤のバンド幅より短い、好ましくは実質的に短く、バンド幅に等しいまたはほぼ等しい場合、アクティベーター手段は、往復移動手段と連動し、これにより往復移動の各端部で直線状のせき板の端部がプレアプライドされた接着剤バンドおよび/または目的とするボンドライン内に位置する。一般的に垂直に配向された直線状のせき板が本発明のアクティベーターに存在する場合、往復移動を採用したとしても、これらのせき板は、その前面に接着剤が積層(build-up)するのを妨げるために極めて短いものであるのが好ましい。このように接着剤が積層すると、積層の量が突起の端部を越えて、積層した接着剤がこぼれ出ないで突起が積層を保持する量を超えるまで接着剤が良好に堆積しない。さらに垂直に配向された突起は、1つ以上の非線状の突起および/または1つ以上の中心線軸に対して角度をもって配向された突起と共に使用される場合がある。実際、これらの主要な機能は、従来技術で行われている接着剤を塗り付けることではなく、被接着体表面からプレアプライドされた接着剤を持ち上げることである。
【0042】
好ましくはないが、直線状の突起をアクティベーター手段の中心線軸に対して平行に配置してもよい。図18および19に示すように活性面は、1つ以上の直線状の突起を有するが、これらの場合、アクティベーター手段は、これら直線状の突起がプレアプライドされた接着剤バンドに作用することができるように中心線軸に対して横方向に往復移動しなければならない。もしこのように往復移動しなければ、直線状の突起とプレアプライドされた接着剤と接着するラインの接着剤だけが活性化されてしまう。このように横方向の活性化を使用することによって各突起の往復移動の終点で接着剤のビーズが形成される。往復移動の度合い、即ち横軸に沿った活性面の移動の大きさは、プレアプライドされた接着剤のバンドの全幅に作用するまたは最少でも意図するボンドラインの所望の幅が得られるのに充分な大きさにすべきである。図18に示すように単独の直線状の突起を採用することが可能であるが、場合によって図19に示すようにこのような突起を複数使用することが好ましい場合がある。このように複数の突起を設けることによって必要とされる往復移動の度合いまたは長さを減らすことができ、特に高速で行われる自動化された用途において確実により多くの接着剤を活性化させることが可能になる。図18(a)および19(a)に示すように、単独の直線状の突起は、活性化された接着剤の2つの平行なビーズを形成し、等間隔に配された複数の直線状の突起は、往復移動の度合いに応じて、X+1のビーズまたは2Xのビーズを形成する、ここでXは直線状の突起の数を表わす。複数のこのような直線状の突起を採用する場合、少なくとも突起が1方向において最も遠くまで移動した距離が隣接する突起の反対方向における最も遠くまで移動した距離と重なる、即ち突起の経路の末縁が隣接する突起の経路の末縁と重なるように往復移動することが好ましい。これによりX+1のビーズが形成され、より大きな接着剤ビーズの積層が得られる。短い移動、即ち経路が重ならない、または同じように終結しない場合、通常活性化された接着剤またはシーラントの粘度にもよるが、低断面の2Xのビーズが形成され、これらのビーズは、流れ、混ざり合って低断面の幅の広いビーズを形成する。
【0043】
最も好ましくは、直線状の突起、特にせき板およびリッジが活性面の中央線軸に対して角度をもって設置される。直線状突起の具体的な角度は、作用する接着剤またはシーラント、特にその流動特性および粘度ならびに直線状突起の数および機能などの多くの要件によって異なる。一般的にその角度は、突起が作用する接着剤バンドの幅が充分な量の接着剤ビーズを形成するには小さすぎるほど、小さい角度であってはならない。逆に大きすぎる角度、例えば90°またはそれに近い角度で長い直線状突起のせき板またはリッジは、接着剤の流れを妨げ、せき板またはリッジの前部に接着剤が積層し、かなりの時間滞留してしまい、究極の場合、それによって活性面が作用する被着体の面に乗ってしまう。その結果、隙間を含む不均一および/または不規則な活性化された接着剤ビーズとなってしまう。好ましくはプレアプライドされた接着剤バンドの中央線に対するせき板またはリッジの角度は、20°から70°、より好ましくは30°から60°、最も好ましくは40°から50°である。
【0044】
直線状の突起の向きも本発明のアクティベーターの性能および効能に重要な役割りを果たす。上述したようにある程度の範囲内で、直線状突起は、単独使用またはその他の突起と組み合わせて使用されても、多くの異なる形状に配向することができる。例えば、図3、4および6に示すように、後方の突起の前端が前方の突起の後端と重なる杉綾模様に直線状突起を配向してもよい。これとは別に例えば図7−10に示すように、直線状突起を山形を形成するように配向してもよい。この形状の場合、1つ以上のその他の突起が山形の後尾の隙間の前方および/または後方に存在するのが好ましい。これらのように配向することによって、1つ以上の実質的に均一な活性化された接着剤またはシーラントのビーズの収集および堆積が可能になる。また後述するように活性化された接着剤またはシーラントの1つ以上の隆起したバンドまたはビーズを、特定の山形と活性面における1つ以上の外形チャネル(profile channel)と組み合わせて選択することによって形成してもよい。直線状突起のその他の配向/設計としては、図20および21に示すような平行線模様単独およびそれと山形模様との組み合わせ、図13に示すような反転した「V」字状の模様などがある。最後に複数の密に配置された段が設けられた山形状のせき板を採用してもよく、これら各段は、先行の段より順次高くなっている。この形状の突起を図14に示し、これにより各連続する山形がプレアプライドされた接着剤またはシーラント内に深く切れ込み、高いせん断力と混合力を発生させるので、良好にせん断および混合を行える。
【0045】
活性面に組み込まれるまたは活性面から突出する別の種類の突起は、以下、「そらせ突起(diversionary projections)」と称されるものがある。このそらせ突起としては、例えば角錐、半球体、半球状体、砲台状など種々の形状のものが挙げられる。これらのそらせ突起は、特に被着体表面からプレアプライドされた接着剤を取り除く、そして活性化された接着剤またはシーラント材の流れを分断させ、かつ、せん断するのに適しており、これにより活性化された接着剤またはシーラント材の混合が促進される。これらのそらせ突起をカプセル化された接着剤に使用する場合、これらの突起がマイクロカプセルの崩壊を補助し、その内容物の放出および混合の補助をする。キュラティブが粘性を有する固体または半固体のキャリアー材に含まれるタイプのカプセル化された材料に使用される場合、これらのそらせ突起は、キャリアー材の混練およびすりつぶしの補助をし、これによりキャリアー材に含まれていたキュラティブを露出させ、利用可能にする。このタイプの突起の構成は、Schwantess et. al.による2005年8月31日に出願された米国特許出願第11/216516号に開示されており、その内容をすべてを本明細書に引用したものとする。
【0046】
必ずしも必要ではないが、そらせ突起は、通常好ましくは図4、8および9に示すように少なくとも1つの直線状突起と組み合わせて使用される。これらの各態様において、そらせ突起は、主にプレアプライドされた接着剤を流動化させる役割りを果たし、必要に応じて、マイクロカプセルを破砕し、後方の直線状突起が活性化された接着剤を収集し、案内する。しかしながら、図4、8および9に示した態様の直線状突起を取り除いた場合、得られる接着剤パターンは、活性化された接着剤の複数の断面形状の低いビーズまたはリッジ形状になる。さらにこれらのそらせ突起の配向によっては被着体表面に活性化されていない接着剤またはシーラントのストリップ状のものが残ってしまうという望ましくない結果になる。図8(a)に示すように図8の活性面の突起の経路にずれて重なり合う部分がないと、濃く示されている活性化された領域の間に薄い色のストリップで示されているように活性化されていない接着剤のストリップが形成される。一方、図9(a)に示すように図9の活性面の活性化パターンは、活性経路が重なっていることによってプレアプライドされた接着剤のすべてに作用していることが判る。従って、そらせ突起は、その作動領域が互いに重なるように互いにオフセットした複数の列に配置されるのが好ましく、これにより確実に全てのプレアプライドされた接着剤を活性化させることができる。当然のことながら、この目的を達成するための別の手段は、往復移動手段と連動するアクティベーター手段を採用することであり、活性面が往復移動することにより確実に全てのプレアプライド接着剤に作用することになる。またこのような往復移動によって接着剤がより多く混合され、図20(a)に示すような接着剤パターンと似たようなパターンを形成する。
【0047】
図8および9に示すようにあらゆる活性面が複数の異なる形状のそらせ突起を採用することができる。通常、各そらせ突起の高さは、同じであるが、必ずしも同じである必要はない。例えば、異なるそらせ突起が異なる高さを有する場合、高い方の突起は、被着体からプレアプライドされた接着剤を持ち上げるおよび/または流動化させる、そしてマイクロカプセルが存在する場合にはそれを破砕させる際により大きな役割りを果たす。一方、小さい断面形状の突起は、材料の流れのせん断または変化の度合いを高め、マイクロカプセルが存在する場合、その破砕を補助し、その内容物のすりつぶしおよび混練を補助する。
【0048】
第3の種類の突起および上述の種類の突起、特に直線状突起と重なるものは、スプリッター突起としての特徴を有する。このスプリッター突起は、典型的には三日月形、半円および反転した「V」字状であり、上述の直線状突起および/またはそらせ突起のいずれかの後方に位置する。これらは2つの重要な役割りを果たし、その1つは、さらに作用しなければならない経路のすべての残りのプレアプライド接着剤を活性化すること、およびより重要な役割として活性化された接着剤ビーズを分割すること、もしこれが無い場合は、その前に形成された活性化された接着剤膜を2つ以上のビーズに分割することである。当然のことながら、スプリッター突起は、確実にマイクロカプセルを破砕させ、均質混合するために接着剤材料の良好な流れを発生させる。このスプリッター突起の幅によってこの突起よって形成されるビーズの間の間隔が決まる。例えば、図6の短い半月形の突起は、図6(a)に示すように2つの接近して平行に配された活性化された接着剤のビーズを製する。これとは対照的に図11の幅の広い反転した「V」字状のスプリッター突起は、図11(a)に示すように2つの広く離れた平行な活性化された接着剤のビーズを形成する。また図12および12(a)ならびに図13および13(a)に示すように、一連のカスケード形のスプリッター突起を採用することによって多くのビーズを形成することができ、これにより1つのスプリッター突起から生じる分割された各ビーズは、さらに後続のスプリッター突起によって分割される。
【0049】
突起、特に直線状突起の組み合わせ、数および/または大きさまたは長さは、アクティベーター手段の効果に関与する。より多くの突起および/または長い直線状突起、特にせき板またはリッジは、接着剤を被着体から持ち上げる効率を向上させ、活性化された接着剤が被着体に再度堆積する前に接着剤成分の混合の度合いを向上させるが、これらの要因は、活性面の外形寸法にも影響を与え、従ってアクティベーターに影響を与え、さらに重要なことはアクティベーターに接着剤またはシーラントが保持される時間にも影響を与える。この点に関し、流路および従って保持時間を可能な限り短くすることが望ましく、可能な最も短い流路は、中央線軸に対して平行であり、往復移動によって活性化される突起によってのみ達成される直線である。しかしながら、本発明の好ましい態様は活性化の間突起の形、大きさ、数および向きによってのみ生じる接着剤材料の横方向の動きを伴うので、元来、接着剤は活性面が最初に作用するポイントから中央線軸上である必要はないが、中央線軸に沿ったあるポイントへと変位する。この保持時間および従って接着剤の変位の度合いは、活性面の複雑さ、特に活性面における接着剤の横方向の移動の長さおよび作用を受ける材料の粘度によって異なる。例えば、図15に示す活性面は、図10に示した同様の活性面より接着剤またはシーラント組成物をより均質に混合するが、図10に示した活性面の方が保持時間は、短くなる。従って、この点を考慮して所定の用途の活性面を設計しなければならない。例えば、10立方フィートの大きな厚紙の箱などの大きなものに使用する場合、1インチ以上ビーズが変位してもそれほど問題にはならないが、紙巻タバコのパッケージ程度の大きさの箱のように小さいものでは、半インチ以下程度の変位であれば許容され得る場合もあるが、1インチ以上の変位は、許容されない。
【0050】
これとは別にまたは加えて、活性化された接着剤の性質および活性面の親和性によっては、突起に沿ったおよび突起を通過する流路は、活性化された接着剤またはシーラントが最終的に最後の突起の端部を通過し、被着体に堆積する前に準備されなければならない。この場合、最初の被着体から活性化ステーションを通過するプレアプライドされた接着剤の全てまたは一部は、接着剤がプレアプライドされた次の被着体が活性ステーションを通過するまで、アクティベーター手段に残り、これにより新しく収集された接着剤材料がその前に保持された活性化された材料をアクティベーター手段を介して被着体上に押すことになる。基本的に第1の被着体からの接着剤材料は、その次の接着剤材料の形成を促進する。ここでの保持時間は、活性面内の接着剤材料の横方向の動きによる遅れを反映するだけでなく、1つの被着体上の活性化と次の被着体上の活性化の間の時間間隔を反映するので、実質的に長くなる。
【0051】
活性面に組み込むことが可能な別の特徴部は、凹部であり、これは突起におよび突起の間に位置するプールおよび/またはチャネルまたは活性面からの接着剤の出口または排出口を形成する外形チャネル(profile channel)である。これらのプールおよびチャネルは、突起の底部によって形成される面の下方に位置し、接着剤またはシーラント組成物の貯蔵部および混合チャンバーならびに突起を介して通過する活性化された接着剤またはシーラントの流れの通路の役割りを果たす。このようなチャネルが存在する場合、これらはその容積を最小限にするために浅く、従って接着剤が保持される時間への影響を小さくしている。
【0052】
一方、活性化された接着剤またはシーラントの出口経路を形成する外形チャネルは、特に特定の形状寸法または断面形状の接着剤またはシーラントビーズを1つ以上形成することを目的とする場合に望ましい。これらの外形チャネルは、漏斗のような機能を有し、活性化された材料を集め、それを1つ以上の特定の形状のビーズとして通過させる。通常、これらの外形チャネルは、山形または山形のような形状の前方端部を有し、この端部は、活性面の残りの長さを延びる狭い経路になる。外形チャネルの幅および深さ、即ち側壁の高さによってアクティベーターによって生じるビーズが形成される。最初に外形チャネルの前端における深さが突起の底部と同一面にあるが、外形チャネルを横断するにつれてその深さは、所望の最終的なビーズに応じて深くなったり、浅くなったりする。外形チャネルが深くなる場合、チャネルの幅は狭くなる、またはテーパー状になるのが好ましく、これにより狭く高い活性化された接着剤またはシーラントのビーズが形成される。また外形チャネルが浅くなる場合、その幅は広くなるのが好ましく、これにより低く幅の広い活性化された接着剤またはシーラントのビーズが形成される。
【0053】
さらに活性化された接着剤またはシーラントの粘度は、その安定性に影響を与えるが、外形チャネルも定められた外形または断面のビーズを形成するために構成することが可能である。例えば、外形チャネルの側壁に角度をつけてその最深部で交わるようにしてもよく、これにより三角形状の活性化された材料のビーズが形成される。これとは別に外形チャネルの側壁に丸みをつけて丸いビーズを形成してもよい。後者の態様では、チャネルは、通常の漏斗のような長さ方向の断面を有するように見える。基本的に中央線軸に垂直な外形チャネルの尾端での断面は、ダイを形成し、そこから活性化された接着剤またはシーラントが押し出され、活性化された接着剤またはシーラントのビーズがアクティベーターから得られる。当然のことながら、活性化された接着剤の粘度によってもそのビーズの形状がどの程度良好にそして長く活性面を出た後に維持されるか決まる。高速で行われる工業的な接着用途では被接着体が活性化ステーション出る時と接着工程の貼り合わせ工程との間に殆ど時間がないので、粘度は、殆ど考慮しなくてもよい場合がある。最後にビーズの外形に影響を与えるほかに、活性化された接着剤の粘度と被着体表面に対する活性面の親和性の組み合わせも材料がどの程度良好にチャネルを横断し、吐出されるかに影響を与える。どの程度良好にチャネルを横断するかということについて、低粘度の材料の場合、チャネルは、毛管作用を生じさせ、これにより活性化された接着剤は、次に接着剤が充填されるおよび/または力と相互作用の組み合わせが被着体の表面に沿ってビーズのドローダウン(drawdown)またはストリンギング(stringing)が生じさせるまでチャネルに留まる。また高粘度の材料では、皮膜引張強さおよび接着剤材料の流れに対する抵抗がチャネル内で保持される時間に影響を与え、活性面から活性化された接着剤を最適に突出または排出するために連続的な充填が必要になる。接着剤を適切に選択することによりこれらの懸念はある程度対処可能である。
【0054】
上述のように所定の活性面は、出口経路を形成する1つ以上の外形チャネルを含んでもよい。図16は、前方に半円または半月状のせき板とそれに続く外形チャネルを有する活性面を示し、外形チャネルの入り口は、山形のダム形状であり、これは接着剤またはシーラント組成物を持ち上げ、収集し、移動させる役割りも果たす。図17は、半円または半月状のせき板の後に続く山形の突起によって共される2つの外形チャネルを有する別の態様を示す。この態様では、外形チャネルの共通の壁の前端がスプリッター突起として機能し、山形突起から出てくる接着剤またはシーラント組成物を分割し、2つの外形チャネル内に供給する。図に示したようにチャネルの前端、例えば山形または山形状の入り口または収集部は、接着剤またはシーラントを持ち上げ混合する直線状突起としての役割りを果たしてもよいが、このような外形チャネルは、上述のその他の突起の1つ以上、特に1つ以上の直線状突起と組み合わせて使用するのが好ましい。
【0055】
活性面の寸法は、作業時に使用されるプレアプライドされた接着剤の塗布量または塗付速度、活性面の種々の特徴部の数、種類および複雑さ、活性面から出る接着剤のパターンおよび外形によって変化し、これらの全ての要因は、活性化される物品および形成される接着層または接着領域によって異なる。勿論、プレアプライドされた接着剤またはシーラント材の利用を最適化するために、活性面の作用領域の幅、即ち活性面の一方の側の最も外側に位置する突起またはその一部から反対側の最も外側に位置する突起またはその一部までの活性面の横方向軸に沿った距離は、活性面が作用するプレアプライドされた接着剤またはシーラント材のバンドまたはパターンと少なくとも同じ幅になる。高速で行われる、自動化された接着ラインでは、プレアプライドされた接着剤が1つのロットの被着体とその他のロットの被着体では同じ場所に位置する、処理ラインにおいて被着体がずれないという保証は無いので、活性面の活性幅は、作業するプレアプライドされた接着剤の幅よりいくぶん広い方がよい。また所望のビーズを堆積させるのに必要とされる以上に幅の広い接着剤のバンドを塗付して、このようなオフセットを想定して確実に充分な接着剤に作用するようにしてもよい。
【0056】
活性面の長さは、所定の用途に応じて妥当にかつ実際的に短くするほうがよい。これに関して、活性面の寸法は、活性化した際の接着剤またはシーラントの物性、例えば硬化速度、作用面の特徴部の種類、長さ、数および複雑さ、アクティベーター手段のそれが作用する被着体に対する速度、確実に良好な硬化速度および接着強度を得るために必要とされる混合量、プレアプライドされた接着剤および意図するボンドラインの寸法および位置によって異なる。一般的に言えば、横方向の流路、即ち中央線軸に対して横方向に材料が流れる距離および流路の容積またはスペースを最小限にすることによって、活性面の接着剤の滞留または保持時間が短縮され、その結果、中央線軸に沿った接着剤の変位を減少させることができる。また上述したように滞留時間の短縮は、変位の減少につながり、硬化性および熱硬化性材料の場合、組成物が硬化していないこと、硬化が始まってからも硬化の度合いが接着剤が接着を行うのに役に立たなくなる程度を超えないようにする。
【0057】
一般的に言えば、活性面の寸法および設計は、多くの相互関係を有する要因およびパラメーターによって異なる。上述したように所定の活性面に組み込まれる特徴部、特に突起の数、種類、形、向きまたは配向およびパターンは、活性面が作用するプレアプライドされた接着剤またはシーラント材の化学的または物理的特性、プレアプライドされた接着剤の量、接着される被着体および所望の接着またはボンドラインによって大きく異なる。また上記段落で述べたように活性面の寸法は、特徴部の数、種類、形、向きまたは配向およびパターンによって大きく異なる。実質的に所定の化学的性質の所定のプレアプライドされた接着剤のバンドを活性化するために活性面の種々の特徴を必要とし、その後確実にそれに適した活性および活性化された接着剤またはシーラントの適切な堆積を行うために活性面の必要とされる特徴部を配置するための適当なスペースも必要になる。
【0058】
殆どの用途の場合、突起のピークによって形成される活性面は、実質的に平面になるが、上述したように1つ以上の突起の高さがその他の突起より低くてもよい。例えば、図14について説明したように段差のある一連の直線状突起を採用してもよく、連続する輪郭形状が被着体からプレアプライドされた接着剤またはシーラントを一度に剥ぎ取る。同様に高さの異なるそらせ突起を採用してもよく、さらに突起のピークの周囲および下でせん断および混合を生じさせ、カプセル化された材料の内容物のすりつぶしおよび混練の度合いが高められる。活性面が1つ以上の外形チャネルを含む場合、その側壁の頂部もまた突起のピークと同じ面または実質的に同じ面にあってもよく、あるいは少なくともこれらのピークのうち最も高いものと同じ面にあってもよい。
【0059】
上述のことに拘らず、アクティベーター手段、特に活性面を非平面状の表面、例えば管状または曲面を有する表面で作業できるような形状にすることも可能である。これらの例では、活性面は、その面の輪郭がそれが作用する被着体の輪郭に合うように形成される。ここで活性面またはそれに設けられた突起の底部によって形成された面について言及した場合、これらの例の面は、同じピークまたは底部によって形成された平面の円弧となる。
【0060】
特定の用途では、活性面に熱を必要とする場合がある。そのような場合、活性胴体部は、抵抗ワイヤー、超音波ホーンなどの加熱手段を有しても、または組み込んでいてもよく、または加熱手段と熱が移動する関係にあってもよく、これにより必要な熱が活性胴体部を介して活性面に移動する。プレアプライドされた接着剤の従来のヒーター、特にホットエアーヒーターと異なり、本発明による加熱手段は、発生した熱が活性面および/または活性胴体部で局所化される。活性面は、かなり小さく、活性面および活性胴体部の側部はケースで包むまたは断熱することができるので、作業者の不慮の火傷などを避けることができる。さらに活性面だけが被着体表面と接触するので、被着体への熱による影響は、ボンドラインに限定される。そして高速で行われる処理ラインにおいて、被着体と活性面が接触している時間は、非常に短いので、実質的にはほとんど熱は、活性面から被着体に伝わらず、伝わったとしても極僅かである。実際には全てのまたは実質的に全ての熱は、活性面と接着剤材料の間で伝わり、被接着体には伝わったとしても僅かな熱しか伝わらない。さらに接着剤と活性面の接触時間は、特に高速で行われる自動化された用途では、非常に短いので、接着剤/活性面界面の接着剤材料の単層以外には熱は殆ど接着剤には伝わらず、伝わったとしても僅かである。
【0061】
本発明のアクティベーター手段は、活性面を動かす往復、揺動または振動手段を組み込んでもよく、またはこれらと動作を伝導する関係を有してもよい。これらの手段は、当業界ではよく知られており、例えば電動または空気モーターとそれに付随するカムで構成される。上述したように突起が中央線軸と平行または実質的に平行である活性面、または中央線軸に対して垂直な長い直線状突起を含む活性面の場合、往復運動手段の動きの程度は、一般的には1ミリ程度、好ましくは数ミリ程度である。その他の用途の殆どの場合、活性面に与えられる動きは、ごく小さいものであり、好ましくは1ミリ以下、最も好ましくは0.5ミリ未満である。勿論、多くの用途では、活性面を動かす主目的が接着剤またはシーラント組成物の混合、必要に応じてマイクロカプセルおよびその内容物のすりつぶしおよび混練の度合いを増加させることである場合、活性面の動きは、ナノメーター程度で充分である。
【0062】
さらにアクティベーター手段は、活性面とそれが作用する被着体表面との間に所定の圧力を加えてまたは加えずに隙間を設けるか否かという初期設定をオペレーターが行えるようにする調節手段を組み込むまたはこれと関連して動作するのが好ましい。最も好ましくはこの調節手段は、手動または自動調節機能を有し、これにより初期または所望の高さが設定され、システムが特に完全に自動化された組み立て工程中に被着体の高さまたは厚みの変化に対応するために自動的に調節を行うことができる。好適な調節手段は、設計および構造が単純なものである。例えば、調節手段は、引張手段、例えばスプリングを含んでもよく、これにより被着体との圧力による接触を維持するためにアクティベーター手段上で一定のまたはほぼ一定の力を維持し、活性面によってプレアプライドされた接着剤またはシーラントを被着体表面から持ち上げた際であっても突起の最上面が被着体表面との接触し続けるのに充分な張力または力が得られる、即ち張力が活性面が突起の前に積層されたプレアプライドされた接着剤または接着剤の塊りの上に乗ってしまわないようにするのに充分であることが好ましい。このような引張手段によってアクティベーター手段の調節が可能になり、被着体または以後の被着体がアクティベーター手段を通過する際、これら被着体の厚みの変動に対処することができる。
【0063】
これとは別に調節手段は、複雑で被着体がアクティベーター手段および調節手段に入った際にその高さまたは厚みの変動を特定するセンサーを含み、このセンサーに応じてこのような変動に対処するために活性面の高さを自動的に調節して活性面と被着体表面との間の所望の関係を維持するより高度な機械的および/または複雑な電気的システムであってもよい。このようなシステムは、厚さの変動をミクロン単位であっても対処し、調節する。
【0064】
上述したようにアクティベーター手段の作動中、活性面とそれが作用する被着体表面との間に隙間が生じる場合があり、その隙間は、被着体上のプレアプライドされた接着剤またはシーラントの高さまたは厚み未満、好ましくは1/2を超えない、最も好ましくは1/3を超えない。隙間がこれ以上大きくなると、活性化される接着剤またはシーラントの量は好適な接着または封止を行うには不充分になる。隙間についてはカプセル化された接着剤およびシーラントの場合、マイクロカプセルの平均粒径の1/2を超える隙間は、カプセル化された成分の破砕を不充分にし、従って好適な接着または封止を行うには硬化および/または接着剤の量が不充分になるためにより重要な問題になる。さらにSchwantes et. al.の組成物のような組成物では、このような隙間が存在すると、マイクロカプセルの破砕が不充分になるだけでなく、好適な接着または封止を行うために充分なキュラティブを放出するまたは利用可能にするためのキャリアーの混練が不充分になる。
【0065】
本発明のアクティベーター手段の使用の好ましい設定において、活性面と被着体表面との間に隙間は存在しない。必ずしも必要ではないが、活性化胴体部は、活性面の上面の特徴部とそれが作用する被着体表面の間に干渉(interference)が存在するように設定されるのが望ましい。表面が硬い場合、干渉は、ごく僅かなものまたは触れる程度の干渉となり、最も好ましくはアクティベーター手段は、被着体表面の下方、約0.1から約0.5ミルの深さ、好ましくは約0.1から0.3ミルの深さに設定される。しかしながら、ボール紙、厚紙のように表面が軟らかい場合、より大きな干渉が望ましい。ここでは活性胴体は、活性面の特徴部の上面が被着体の表面から約10ミル以下、好ましくは5ミル以下に位置するように設定される。干渉は必ずしも必要ではないが、より軟らかい表面では少なくとも約0.1ミル、最も好ましくは0.3ミルであることが好ましい。干渉を小さく維持することによってプレアプライドされた接着剤またはシーラントの全てを確実に被着体表面から持ち上げるのを意図しながら被着体表面の損傷を最小限にする。これによって活性面の特徴部の前面に積層された接着剤またはシーラント材によって活性面が被着体表面上に確実に乗ってしまわないようにすることを補助する。このようにすることで接着または封止を形成するのに利用可能な活性化された接着剤またはシーラントの量を最大限にし、被着体表面に直接接着剤で良好に湿ったきれいな表面を供する。さらにこの設定によって作動中に被着体表面に活性面が乗ってしまう傾向を最小限にし、これに対処する、即ち活性化された接着剤材料上でハイドロプレーニングする活性面の不慮の事態を最小限にし、対処することができる。隙間が存在するまたは作動中に被着体面に活性面が乗ってしまわないようにするには力が不充分な場合、プレアプライドされた接着剤またはシーラントの薄膜が残ってしまい、活性化された接着剤またはシーラントは、被着体表面よりむしろその薄膜に付着しやすくなる。同時に上述したように活性面が被着体表面より下方に位置する度合い、即ち活性面と被着体表面との間の圧縮力を最小限にすることが好ましく、これにより活性面の突起またはその他の特徴部が被着体表面上の凹凸または欠陥部分に引っ掛かってしまう可能性またはこのような突起などが被着体表面を傷つけてしまう可能性を避けるまたは最小限にし、さらに圧縮力が被着体を干渉して、被着体がアクティベーター手段を通過するのを妨げたり、被着体の配向をずらしてしまう可能性を避けるまたは最小限にする。後者は、処理量に影響を与え、形成される製品の品質に影響を与える場合があり、一方前者は、特に高速で行われる自動化されたオペレーションにおいて、例えば生産ラインの完全な停止などの重大かつ破滅的な結果をもたらす場合がある。
【0066】
上述したように活性化されるプレアプライドされた接着剤またはシーラントの種類、化学的特徴および形状は、少なくとも部分的に活性面の突起の選択および位置または配向ならびにアクティベーター手段のその他の特徴または能力を決定する。例えば、プレアプライドされた熱活性/熱再活性可能な熱硬化性または熱可塑性材料の場合、活性面に対する要件は、非常に単純なものであり、活性面が熱源を有するまたは熱源と熱伝導性を有することおよび除雪器のように見え、かつ除雪器のような機能を有する直線状突起を1つ有するということである。接着層を形成するための複数のビーズを必要とする場合、反転した「V」字状の突起を使用すればよい。しかしながら、プレアプライドされた接着剤またはシーラントの幅が広い場合、特に加熱された接着剤またはシーラントがかなりの粘性を有する場合、1つの直線状突起では適さない場合がある。この場合、直線状突起の長さと粘性を有する材料の流れの悪さが組み合わさって、活性化された材料の充分なビーズが直線状突起の端部を出る前の保持時間が長くなってしまうという状況が発生する。従って、複数の短い直線状突起、最も好ましくは図3に示すような山歯状のものまたは山形の突起を採用するのが好ましい。図7、7(a)および10に示すように、山形構造は、通常、前方直線状またはそらせ突起を有し、確実に山形の後端によって形成される隙間が作用する。これら図に示した両方の山形構造には活性化された接着剤またはシーラントを集めてより大きな塊りにして活性面から出すという利点を有する。山歯構造は、単独の隆起したビーズを形成し、一方山形は、2つのビーズを形成する、または隙間が充分小さい場合、幅の広い単独のビーズを形成する。これらの隆起したビーズは、良好な接着性能を供し、このようなプレアプライドされた熱可塑性および熱硬化性接着剤を採用することができる用途の数および種類が広がる。勿論、活性化された接着剤の隆起したビーズによってより多孔質の面の平坦でない表面の接着に本発明の技術を使用することが可能になる。
【0067】
一方、プレアプライドされたカプセル化された硬化性接着剤およびシーラントの場合は、マイクロカプセルを高効率で破砕しなければならず、かつ、その内容物を混合して確実に良好なおよび/または効率的な硬化を行わなければならないので、より困難な状況が発生する。前者は、厚いカプセル壁および/または小さい粒径のマイクロカプセルを有するカプセル化された材料の場合に最も懸念される。後者の場合、単にマイクロカプセルを破砕しただけでは全てのカプセル化された成分および/または完全なまたは充分な硬化を開始するのに必要な充分の量の成分を放出または利用可能にすることができないという上述のSchwantes et. al.の組成物などにおいて最も懸念される。従って、硬化性接着剤およびシーラント組成物に使用する活性面は、複数の突起を使用する、最も好ましくは異なる種類の複数の突起を使用するというように、より複雑な構造を有する。このように活性面を変えることによって、確実に接着剤またはシーラントの流動化を良好にし、より高効率でマイクロカプセルを破砕し、接着剤またはシーラント成分のせん断および混合の度合いを増加させることが可能になる。最も好ましくは、活性面は、複数の直線状突起または1つ以上の直線状突起と1つ以上のそらせおよび/またはスプリッター突起とを組み合わせたものを含む。
【0068】
マイクロカプセルおよび/またはその内容物の性質に応じて、必ずしも必要ではないが、アクティベーター手段の性能を良好にするために活性面を加熱することが好ましい場合がある。硬化性組成物は、Schwantes et. al.に開示されているように熱で活性化されないことが好ましいが、特定のキャリアー材、例えば低溶融ワックスなどは、それに含まれるキュラティブを硬化性組成物のその他の成分と接触させるために高い温度を必要とする場合がある。さらに低温の熱、通常400°F以下、好ましくは約175°Fから約350°F、最も好ましくは約200°Fから約250°Fの熱が活性面に沿ってそして突起を介して活性化された材料を流れやすくする。当然のことながら、実際のまたは好ましい温度は、使用する接着剤によって変わり、試行錯誤によって簡単に決められる。正確な機構は知られていないが、氷とアイススケートの歯との間に水の膜が形成されるのと同じような原理で熱が接着剤/活性面界面により低粘度のフィルムを形成すると考えられている。このスケートの例のように接触時間が短いので、熱伝導が分子の界面に制限され、接着剤またはシーラントの大部分は、加熱されない。
【0069】
接着剤またはシーラントの化学的性質に関係なく、プレアプライドされた材料の接着層またはパターンの幅が極めて広い場合、例えば3/4インチ幅以上の場合、プレアプライド接着剤バンドの全幅に亘って並んで延びた複数の直線状突起、例えば山歯または山形の突起を使用するのが望ましい。複数の並んだ反転した「V」字状のスプリッター突起と組み合わされた並んで配された反転した「V」字状直線状突起を使用したこのような構成を図13に示す。この構造により図13(a)に示すように活性化された組成物の平行に並んだ複数のビーズが発生し、幅の広い接着剤バンドを活性化させるのに必要とされる活性面の長さを最小限にする。また活性面は、プレアプライドされた接着剤またはシーラントのバンドの全幅に亘って、好ましくは交互に延びた複数のそらせ突起を有し、プレアプライドされた接着剤の全体が活性化されるようにすることも可能である。このような活性面によって砂浜の砂の上部を1インチほど指でなぞることによって形成されるパターンのように隆起した縁部を有する平行に並んだ一連の轍が供される。この活性面に往復運動を加えることによって、突起の列の間隔および数に応じて、図20(a)および21(a)に示すようなパターンと類似した隆起した縁部を有する平行に並んだ一連の轍のリボン状のパターンまたはこのような轍が編組されたようなパターンが形成される。またこの往復移動により、接着剤またはシーラント組成物の均質混合が必要とされる場合にこれが確実に行われるようにする。
【0070】
プレアプライドされた接着剤の活性化は、活性化胴体部と活性面を組み込んだ携帯装置を手動で用いる、または好ましくは活性化胴体部と活性面を保持するまたは組み込んだ自動化された機械設備を自動で用いて行ってもよい。これらの装置を使用する際にどちらの装置も使用できる場合がかなりあるが、活性化された硬化性組成物の硬化速度が非常に速い、例えば1秒以下である硬化性のカプセル化された接着剤およびシーラントの場合、インラインで自動化された活性化および組み立て装置が必要になる。例えば、開放時間があるような硬化速度が遅い場合は、手動のオペレーションは、特に有益であり、そしてアクティベーター手段が独立型の装置である、または後続の組立工程が自動化された工程ではなく、手動で行われる工程である場合または自動化されたシステムにおいて、接着される表面が合わせられる前に活性部位からアクティベーター手段を格納しなければならない場合にも有益である。
【0071】
好ましい態様では、プレアプライドされた接着剤の活性化は、プレアプライドされた接着剤を単に活性化するだけの独立型装置または機械装置として、または大型の工業用アセンブリーまたは製造装置に組み込まれたインラインアクティベーター手段として自動化されたアクティベーター手段を介して行われる。いずれの場合において、アクティベーター手段は、据え置き型であってもよく、またはロボットアームまたはそれに類似した装置に取り付けられたまたはこのような装置の一部を構成するものであってもよい。後者の場合、非平面形状または変わった形状の被着体に使用するのに特に好適であり、これにより被着体がアクティベーター手段を通過する際、アクティベーター手段の妨害する経路がなくなる。この場合、アクティベーター手段は、活性化ワークステーションのインラインであるアクティブモードから、およびオフラインである、活性化ワークステーションの実際の作業部位から収納されるアイドルモードから移動することができる。これとは別に接着剤ビーズの中央線が組み立てラインに対して垂直になる状況があり得る。このような場合、活性化工程中のアクティベーター手段は、組み立てライン装置に対して静止せず、プレアプライドされた接着剤が載った被着体の部分を連続的にまたは非連続的にアクティベーターが通過するように移動する。いずれの場合において、これらの装置は、直接組み立てラインに一体化され、既存のラインの場合、液体または流動性接着剤を以前に塗付していた、そして場合によってはこれを硬化させたワークステーションまたは必要に応じて従来のプレアプライドされた熱活性化された接着剤に使用した加熱ステーションに代えることができる。
【0072】
特に好ましい本発明の態様は、被着体が平坦または被着体がアクティベーターワークステーションを通過する際に据え置き型アクティベーター手段がプレアプライド接着剤に作用することができるような被着体の場合である。このような場合、その工程は、出力速度またはレベルが組み立てまたは製造工程の残りの段階の速度または出力によってのみ制限される連続的な工程である。実質的に本発明は、接着剤の塗付および/または接着段階が障害にならない方法を提供する。
【0073】
2005年3月25日に出願された米国暫定特許出願第60/665,134号および2005年6月1日に出願された同第60/692,008号(これらの内容を参照し、本明細書に引用したものとする)に開示されているように、プレアプライド接着剤またはシーラントを有するストック材、特にストックパッケージ材またはブランクに使用するのに特に適している。これらストックパッケージ材または少なくとも接着剤が塗付されるフラップまたは部分は平坦であるので、これらの被着体は、高速で行われる工業的なパッケージ形成および/または封止作業に特に適している。当然のことながら、板紙ブランク状のストック材を使用する自動パッケージ形成工程は、本発明によるアクティベーター手段によって活性化を行った場合、毎分300フィート以上の速度で行うことが可能である。それ以下であっても毎分250フィート以上の速度を充分に達成することが可能である。このように早い組み立て速度は、毎分150フィート程度の速度しか達成されない最も一般的な自動組立作業とは大いに異なる。
【0074】
図3から図21に示した活性面の構造のいずれも効果的であるが、その効果は、特にカプセル化された硬化性接着剤組成物の活性化に使用した場合に異なる。種々の活性面の相対的な効果を評価するためにインライン高速接着装置を模倣したテストワークステーション10を図22に示すように構成した。この装置は、積載ステーションAと、活性化ステーションBと、貼り合せステーションCと、最終ステーション(図示せず)との4つのワークステーションで構成されている。作業用そり11がレール15に沿って各ワークステーションを試験用の5インチx3.5インチの板紙カードを搬送した。試験用カードには、Schwantes et. al.の教示内容に従って製せられた幅0.5インチ、長さ4インチ、厚さ18ミルのプレアプライドされたカプセル化接着剤バンドをカードの前縁から始まって、その後端から約インチの処で終了するように中央線に沿って塗付した。この接着剤は、コーティングブロックを使用してカードに手動で塗付した。
【0075】
図23により具体的に示すように作業用そり11は、基部14とプラットホーム16とを含む。プラットホーム16に一体化されているのは、導管19を介して吸引手段(図示せず)に取り付けられた4つの吸引ポート18である。試験中、積載ステーションAにおいて、カードは、接着剤を上にしてプラットホーム16の中心に置かれ、カードを所定の位置に保持するために吸引される。この吸引は、接着されたカードが終了ステーションに位置するまで維持される。また積載ステーションAは、活性化ステーションBの電動または好ましくは空気圧式の昇降手段22と連通したカードの表面の高さを検知するレーザーセンサー13を含む。昇降手段22に取り付けられているのは、アクティベーター手段21であり、その下側に活性面(図示せず)を有する。昇降手段は、レーザーセンサー13によって供給されたデーターに応じて、アクティベーター手段の高さを調節し、従って活性面の高さを調節し、確実に活性面の突起の上面がプレアプライド接着剤が塗付された板紙カードの表面と接触するようにしている。
【0076】
活性化の間、そりおよび従って試験カードは、毎分250フィートの速度で活性化ステーションを横断する。活性化された試験カードを支持するそりは、その後、貼り合わせステーションに入り、貼り合わせ手段30が5インチx3.5インチの第2の板紙ボードを活性化されたカードに貼り合わせる際に止まる。貼り合わせ手段30は、作業プラットホーム32とこの下側に第2のカードを保持するための吸引ポート(図示せず)とを含む。貼り合わせ段階の間、ピストン33は2枚のカードが約5psiの圧力で貼り合わされるまで、作業プラットホームを下降させる。その後、作業プラットホームは、収納され、作業そりは、終了ステーションへと移動する。組み立てられた試験カードは、そりから取り除かれ、放置した。続いて組み立てられた試験カードの接着強度およびこの用途の目的のためにマイクロカプセルの破砕度を評価した。後者は、アクティベーター手段に晒されたカードと晒されていないカードの溶剤抽出およびこれに伴ってこれら抽出物のガスクロマトグラフィーによって測定し、活性化工程中に放出された液体モノマーの量とプレアプライド接着剤に存在する液体モノマーの総量を測定した。ただしここではプレアプライド接着材として不活性、即ち放出された液体が硬化しないようにキュラティブ成分が欠けているものを使用した。
【0077】
このマイクロカプセル破砕評価に基づいて、図3、4および6に示すようにスプリッターを有するまたは有さない単純な山歯構造は25乃至30パーセントのマイクロカプセルの破砕しか成功しなかったことを確認した。一方、複数の異なる種類の突起を有する図8、9および12のより複雑な活性面は、同じ組成であっても50乃至60パーセントのより多くのマイクロカプセルを破砕した。これらの発見に基づいて、図20および21の斜交平行線模様型のようなその他の活性面は、特に往復移動を伴った場合、より良好にマイクロカプセルを破砕するはずである。
【0078】
上記マイクロカプセルの破砕の度合いの数値は低く出るが、本発明のアクティベーター手段の破砕効率は、従来のアクティベーター手段と互角か、またはそれより良い。当然のことながら、カプセル化された接着剤の化学的性質または構成を変えることによって破砕効率に影響を与える。例えば、高破砕性能はSchwantes et. al.のカプセル化された固体および半固体キャリアーとは対照的にマイクロカプセル化された液体接着剤で認められることが予測される。さらに本発明のアクティベーター手段は、従来のアクティベーター手段では性能が減少または劣るSchwantes et. al.のマイクロカプセル化された材料を効果的に使用するのに必要な混練およびすりつぶしの必要な度合いを供するという利点がある。より重要なことは、本発明のアクティベーター手段は、薄膜ではなく、プレアプライドされた接着剤の使用される用途を広げる活性化された接着剤のビーズを形成することができるということである。
【0079】
本発明によるアクティベーター手段を例えば典型的にはシリアルボックスの充填および密封用の変形された熱溶融吐出ステーションを採用していない自動パッキングラインで評価した。この装置は、当業界ではよく知られており、通常、カートンブランクを保持するためのマガジンと、生産ラインに沿ってカートンブランクを移動させるコンベア手段と、コンベア手段にカートンブランクを載せる供給手段と、カートンブランクを箱状にする形成手段と、カートンブランクの端部フラップに熱溶融接着剤を塗布するための接着剤吐出手段と、フラップを閉じてそのまま保持し、接着剤を冷却し、カートンを封止する閉鎖手段とを含む。しかしながら、ここでは接着剤のディスペンサーの代わりに装置は、本発明によるアクティベーター手段を2つ含み、カートンを箱状にするおよび/または充填作業後で閉鎖作業前の地点にコンベアの両側に位置させた。またここではカートンブランクは、外方端部フラップの内面にプレアプライドされたカプセル化された接着剤を有する。この接着剤を塗布するのに種々の技術が採用可能であるが、一連の試験において、カプセル化された接着剤をフレキソ印刷によって、接着剤をひし形に堆積させるアニロックスロールおよび0.25インチの厚みを有するフレキソプレートを用いて塗布した。カートンブランクがアクティベーター手段を通過する際、装置は、毎分150フィートのライン速度で、毎分250フィートの速度も得られるが、活性面の特徴部をプレアプライドされた接着剤に作用させた。カートンブランクが通過を続けている際、閉鎖手段が端部フラップを閉じ、形成されたカートンが装置を出るまで、フラップを閉じた状態に保持した。装置を出たカートンは、各端部でシールされ、アクティベーター手段の効果を示すのに使用した。
【0080】
本発明を特定の態様および例を参照して、説明してきたが、本発明の概念を利用したその他の態様も本発明の範囲を越えることなく可能である。従って本発明は、ここに記載した原理の範囲内で特許請求の範囲に記載した要素およびあらゆる全ての変形、変更および同等のものによって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】作動中の被着体に対するアクティベーター手段の配置を示す略図。
【図2】活性面が装着されたアクティベーター胴体の斜視図。
【図3】山歯状パターンの2つのせき板を有する活性面の部分平面図。
【図4】山歯状の2つのせき板と複数の半球体状の隆起物を有する活性面の部分平面図。
【図5】図4の活性面の5−5線に沿った断面図。
【図6】山歯状パターンの2つのせき板とビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図6a】図6の活性面によって発生した接着剤パターンの写真。
【図7】前方に反転した「V」字状のせき板とそれに続く山形状の2つの直線状せき板を有する活性面の部分平面図。
【図7a】図7の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図8】複数の環状突起、山形のせき板およびビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図8a】図8の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図9】複数の卵形突起、山形のせき板およびビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図9a】図9の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図10】前方の半円形せき板と広い口の山形のせき板を有する活性面の部分平面図。
【図11】半円形せき板、山形のせき板および広いビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図11a】図11の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図12】半円形せき板、山形のせき板および2列のビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図12a】図12の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図13】千鳥状に配された複数列の反転した「V」字状のせき板を有する活性面の部分平面図。
【図13a】図13の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図14】半円形のせき板、段差のある山形のダムおよびビーズスプリッターを有する活性面の部分平面図。
【図15】繰り返し配された複数のスプリッターと山形のダムを有する活性面の部分平面図。
【図16】半円形のせき板および山形のせき板を有し、広いチャネルを形成した活性面の部分平面図。
【図17】半円形のせき板、山形のせき板およびビーズスプリッターを有し、2つのチャネルを形成した活性面の部分平面図。
【図18】活性面の中心軸に平行な単独の線状せき板を有する活性面の部分平面図。
【図18a】図18の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図19】活性面の中心軸に対して平行な複数の直線状のせき板を有する活性面の部分平面図。
【図19a】図19の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図20】斜交平行線模様の突起を有する活性面の部分平面図。
【図20a】図20の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図21】斜交平行線模様と山形パターンを組み合わせた突起を有する活性面の部分平面図。
【図21a】図21の活性面によって発生する接着剤パターンの写真。
【図22】本発明による活性手段を採用した組み立て装置の図。
【図23】図22の組み立て装置のそり手段の図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体表面から不活性なプレアプライドされた接着剤を持ち上げることができ、活性化された状態にあるこの接着剤をこの被接着体表面に堆積することができるアクティベーター手段であって、このアクティベーター手段は、中心線軸と、それに垂直な横軸を有し、前記中央線軸は、プレアプライドされた接着剤の活性化中、アクティベーター手段が作用する被着体に対する相対移動の方向と平行であり、かつ、整列し、前記アクティベーター手段は、少なくとも1つの活性面を有する活性胴体部を含み、前記活性面は、(a)使用の際、それが作用する被着体表面に向いた面と、(b)この面から延び、使用時にプレアプライドされた接着剤と係合して、接着剤を持ち上げ、活性化された状態の接着剤を所定のパターンまたは形状に堆積させる複数の突起とを有する、但し少なくとも1つの突起が前記中心線軸に対して垂直な直線状の突起である場合、その突起の長さは、それが作用するプレアプライドされた接着剤の幅より実質的に短いことを特徴とするアクティベーター手段。
【請求項2】
使用時にプレアプライドされた接着剤が前記突起とプレアプライドされた接着剤との係合と同時に活性化されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項3】
活性面の表面が活性面が作用する被着体表面の外形を模した形状になっていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項4】
活性面の表面をその中心線軸の方向に見たとき、突起が活性面が作用するプレアプライドされた接着剤の幅に対応する幅の壁を形成しているように見えることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項5】
活性面の表面をその中心線軸の方向に見たとき、突起が中央線軸から最も遠く、中央線軸の対向する側に位置する2つの突起の間を延びた壁を形成するように見え、この壁は1つ以上の隙間を有することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項6】
活性面を前記横軸に沿って前後に移動させる往復運動手段をさらに含むことを特徴とする請求項5記載のアクティベーター手段。
【請求項7】
往復移動手段によって活性面に付与される動きの中心軸を外れる度合いは、各方向において前記隙間の幅の約1/2であることを特徴とする請求項6記載のアクティベーター手段。
【請求項8】
突起が直線状のせき板およびリッジ、山形、山歯、反転した「V」字状または半月状のせき板またはリッジ、角錐、半球体、半球状体、円筒状およびこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項9】
中央線軸の方向に見たとき、1つの突起の少なくとも一部が別の突起の一部と重ならないように突起が中央線軸に沿って交互に位置するが、必ずしも中央線軸とは交わらないことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項10】
少なくとも1つの直線状の突起または1つ以上のその他の実質的に非直線状の突起の後方に直線状の部分を有する突起を有することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項11】
前記非直線状の突起が反転した半月状のもの、小さい反転した「V」字状のもの、半球体、半球状体、角錐および円筒状のものからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項12】
少なくとも1つの突起が直線状の突起または直線状部分または腕部を有する突起であることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項13】
直線状の突起または部分が中心線軸に対して20°から70°の角度を持って配置されていることを特徴とする請求項12記載のアクティベーター手段。
【請求項14】
直線状の突起または部分が中心線軸に対して30°から60°の角度を持って配置されていることを特徴とする請求項12記載のアクティベーター手段。
【請求項15】
突起が横軸に対して平行な直線状に並べられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項16】
突起が横軸に平行な複数の列に並べられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項17】
1つの列の突起がその隣の列の突起に対して交互に配置されていることを特徴とする請求項16記載のアクティベーター手段。
【請求項18】
活性面がさらに突起の後方に位置する1つ以上のチャネルを含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項19】
チャネルを形成する部材の前面も接着剤材料を持ち上げ、移動させる突起としての役割りを果たすことを特徴とする請求項18記載のアクティベーター手段。
【請求項20】
チャネルの深さおよび幅が所望の幅と高さの活性化された接着剤のビーズを押出しするように予め定められていることを特徴とする請求項18記載のアクティベーター手段。
【請求項21】
突起が直線状の突起、そらせ突起、スプリッターおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項22】
活性面が金属、プラスチック、カーバイドまたはセラミックで構成されていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項23】
活性面が耐熱性で、良好な熱伝導性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項24】
突起を含む活性面の表面が活性化される接着剤に対して不活性なコーティングを有することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項25】
コーティングがポリテトラフルオロエチレンおよびシリコーン材から選択されることを特徴とする請求項24記載のアクティベーター手段。
【請求項26】
活性面が活性胴体部と一体であることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項27】
活性面が活性胴体部に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項28】
さらに加熱手段を含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項29】
活性面が加熱手段と熱伝導する関係にあることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項30】
活性面を往復移動させるために往復運動手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項31】
活性面を往復移動させるために往復運動手段と連動することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項32】
活性面とそれが作用する被着体との間の距離を調節するための昇降手段をさらに含むまたはこの昇降手段と連動することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項33】
アクティベーター手段の調節を行えるように活性面の位置に対する活性面が作用する被着体表面の高さの変動を検知するセンサー手段をさらに含むことを特徴とする請求項32記載のアクティベーター手段。
【請求項34】
プレアプライドされた接着剤のインライン活性化の装置内にアクティベーター手段を組み込むための取り付け手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項35】
突起および存在する場合全てのチャネルが活性面の製造と同時に活性面に成形されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項36】
活性面が突起および存在する場合全てのチャネルがフライス削りによって形成されているストック材で製せられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項37】
被着体表面から不活性なプレアプライドされた接着剤を持ち上げることができ、活性化された状態にあるこの接着剤をこの被接着体表面に堆積することができるアクティベーター手段であって、このアクティベーター手段は、中心線軸と、それに垂直な横軸を有し、前記中央線軸は、プレアプライドされた接着剤の活性化中、アクティベーター手段が作用する被着体に対する相対移動の方向と平行であり、かつ、整列し、前記アクティベーター手段は、(a)使用の際、作用する被着体表面に向いた面を有する少なくとも1つの活性面とこの活性面の面から延びた直線状の突起とを有する活性胴体部と、(b)横軸に沿った活性面の二次的な移動を行うための往復運動手段とを含み、
前記直線状の突起が中心軸に対して実質的に垂直である場合、その突起の長さは、それが作用するプレアプライドされた接着剤の幅より実質的に短く、アクティベーター手段が被着体表面に対して中央線軸に沿って移動する際に有効量の接着剤が直線状の突起を通過できるように活性面が横軸に沿って充分に移動し、
前記直線状の突起が中心軸に対して実質的に平行である場合、アクティベーター手段が被着体表面に対して中央線軸に沿って移動する際に有効量のプレアプライドされた接着剤に作用するのに活性面が横軸に沿って充分に移動することを特徴とするアクティベーター手段。
【請求項38】
活性面が中心線軸に対して実質的に平行な複数の直線状突起を有することを特徴とする請求項37記載のアクティベーター手段。
【請求項39】
活性面が中心線軸に対して実質的に平行な複数の直線状突起を有し、これら直線状突起が中央線軸に沿って同一線上または交互に配置される、またはその両方であるが、必ずしも中央線軸とは交わらないことを特徴とする請求項37記載のアクティベーター手段。
【請求項40】
活性面が中心線軸に対して実質的に平行な複数の直線状突起を有し、これら直線状突起が中央線軸に沿って交互に配置されるが、必ずしも中央線軸とは交わらないことを特徴とする請求項37記載のアクティベーター手段。
【請求項41】
アクティベーター手段をプレアプライドされた接着剤上を通過させる工程を含む被着体の表面でプレアプライドされた接着剤を活性化する改良された方法であって、その改良点は、中心線軸とそれに垂直な横軸とを有するアクティベーター手段の使用にあり、前記中心線軸は、プレアプライドされた接着剤の活性化中、アクティベーター手段が作用する被着体に対する相対移動の方向と平行であり、かつ、整列し、前記アクティベーター手段は、少なくとも1つの活性面を有する活性胴体部を含み、前記活性面は、(a)使用の際、それが作用する被着体表面に向いた面と、(b)この面から延び、使用時にプレアプライドされた接着剤と係合して、接着剤を持ち上げ、活性化された状態の接着剤を所定のパターンまたは形状に堆積させる複数の突起とを有する、但し少なくとも1つの突起が前記中心線軸に対して垂直な直線状の突起である場合、その突起の長さは、それが作用するプレアプライドされた接着剤の幅より実質的に短いことを特徴とする方法。
【請求項42】
前記プレアプライドされた接着剤が熱可塑性の接着剤であり、前記アクティベーター手段が、さらに加熱手段を含むまたは加熱手段と連動し、熱が活性面によって加熱手段から熱可塑性接着剤へと伝わることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記プレアプライドされた接着剤がカプセル化された接着剤であり、前記突起が接着剤成分を含むマイクロカプセルを破砕し、接着剤を被着体に堆積する前に活性化を行うために接着剤の塊りの中に充分な流れを形成することを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項1】
被着体表面から不活性なプレアプライドされた接着剤を持ち上げることができ、活性化された状態にあるこの接着剤をこの被接着体表面に堆積することができるアクティベーター手段であって、このアクティベーター手段は、中心線軸と、それに垂直な横軸を有し、前記中央線軸は、プレアプライドされた接着剤の活性化中、アクティベーター手段が作用する被着体に対する相対移動の方向と平行であり、かつ、整列し、前記アクティベーター手段は、少なくとも1つの活性面を有する活性胴体部を含み、前記活性面は、(a)使用の際、それが作用する被着体表面に向いた面と、(b)この面から延び、使用時にプレアプライドされた接着剤と係合して、接着剤を持ち上げ、活性化された状態の接着剤を所定のパターンまたは形状に堆積させる複数の突起とを有する、但し少なくとも1つの突起が前記中心線軸に対して垂直な直線状の突起である場合、その突起の長さは、それが作用するプレアプライドされた接着剤の幅より実質的に短いことを特徴とするアクティベーター手段。
【請求項2】
使用時にプレアプライドされた接着剤が前記突起とプレアプライドされた接着剤との係合と同時に活性化されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項3】
活性面の表面が活性面が作用する被着体表面の外形を模した形状になっていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項4】
活性面の表面をその中心線軸の方向に見たとき、突起が活性面が作用するプレアプライドされた接着剤の幅に対応する幅の壁を形成しているように見えることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項5】
活性面の表面をその中心線軸の方向に見たとき、突起が中央線軸から最も遠く、中央線軸の対向する側に位置する2つの突起の間を延びた壁を形成するように見え、この壁は1つ以上の隙間を有することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項6】
活性面を前記横軸に沿って前後に移動させる往復運動手段をさらに含むことを特徴とする請求項5記載のアクティベーター手段。
【請求項7】
往復移動手段によって活性面に付与される動きの中心軸を外れる度合いは、各方向において前記隙間の幅の約1/2であることを特徴とする請求項6記載のアクティベーター手段。
【請求項8】
突起が直線状のせき板およびリッジ、山形、山歯、反転した「V」字状または半月状のせき板またはリッジ、角錐、半球体、半球状体、円筒状およびこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項9】
中央線軸の方向に見たとき、1つの突起の少なくとも一部が別の突起の一部と重ならないように突起が中央線軸に沿って交互に位置するが、必ずしも中央線軸とは交わらないことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項10】
少なくとも1つの直線状の突起または1つ以上のその他の実質的に非直線状の突起の後方に直線状の部分を有する突起を有することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項11】
前記非直線状の突起が反転した半月状のもの、小さい反転した「V」字状のもの、半球体、半球状体、角錐および円筒状のものからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項12】
少なくとも1つの突起が直線状の突起または直線状部分または腕部を有する突起であることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項13】
直線状の突起または部分が中心線軸に対して20°から70°の角度を持って配置されていることを特徴とする請求項12記載のアクティベーター手段。
【請求項14】
直線状の突起または部分が中心線軸に対して30°から60°の角度を持って配置されていることを特徴とする請求項12記載のアクティベーター手段。
【請求項15】
突起が横軸に対して平行な直線状に並べられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項16】
突起が横軸に平行な複数の列に並べられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項17】
1つの列の突起がその隣の列の突起に対して交互に配置されていることを特徴とする請求項16記載のアクティベーター手段。
【請求項18】
活性面がさらに突起の後方に位置する1つ以上のチャネルを含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項19】
チャネルを形成する部材の前面も接着剤材料を持ち上げ、移動させる突起としての役割りを果たすことを特徴とする請求項18記載のアクティベーター手段。
【請求項20】
チャネルの深さおよび幅が所望の幅と高さの活性化された接着剤のビーズを押出しするように予め定められていることを特徴とする請求項18記載のアクティベーター手段。
【請求項21】
突起が直線状の突起、そらせ突起、スプリッターおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項22】
活性面が金属、プラスチック、カーバイドまたはセラミックで構成されていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項23】
活性面が耐熱性で、良好な熱伝導性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項24】
突起を含む活性面の表面が活性化される接着剤に対して不活性なコーティングを有することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項25】
コーティングがポリテトラフルオロエチレンおよびシリコーン材から選択されることを特徴とする請求項24記載のアクティベーター手段。
【請求項26】
活性面が活性胴体部と一体であることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項27】
活性面が活性胴体部に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項28】
さらに加熱手段を含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項29】
活性面が加熱手段と熱伝導する関係にあることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項30】
活性面を往復移動させるために往復運動手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項31】
活性面を往復移動させるために往復運動手段と連動することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項32】
活性面とそれが作用する被着体との間の距離を調節するための昇降手段をさらに含むまたはこの昇降手段と連動することを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項33】
アクティベーター手段の調節を行えるように活性面の位置に対する活性面が作用する被着体表面の高さの変動を検知するセンサー手段をさらに含むことを特徴とする請求項32記載のアクティベーター手段。
【請求項34】
プレアプライドされた接着剤のインライン活性化の装置内にアクティベーター手段を組み込むための取り付け手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項35】
突起および存在する場合全てのチャネルが活性面の製造と同時に活性面に成形されることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項36】
活性面が突起および存在する場合全てのチャネルがフライス削りによって形成されているストック材で製せられていることを特徴とする請求項1記載のアクティベーター手段。
【請求項37】
被着体表面から不活性なプレアプライドされた接着剤を持ち上げることができ、活性化された状態にあるこの接着剤をこの被接着体表面に堆積することができるアクティベーター手段であって、このアクティベーター手段は、中心線軸と、それに垂直な横軸を有し、前記中央線軸は、プレアプライドされた接着剤の活性化中、アクティベーター手段が作用する被着体に対する相対移動の方向と平行であり、かつ、整列し、前記アクティベーター手段は、(a)使用の際、作用する被着体表面に向いた面を有する少なくとも1つの活性面とこの活性面の面から延びた直線状の突起とを有する活性胴体部と、(b)横軸に沿った活性面の二次的な移動を行うための往復運動手段とを含み、
前記直線状の突起が中心軸に対して実質的に垂直である場合、その突起の長さは、それが作用するプレアプライドされた接着剤の幅より実質的に短く、アクティベーター手段が被着体表面に対して中央線軸に沿って移動する際に有効量の接着剤が直線状の突起を通過できるように活性面が横軸に沿って充分に移動し、
前記直線状の突起が中心軸に対して実質的に平行である場合、アクティベーター手段が被着体表面に対して中央線軸に沿って移動する際に有効量のプレアプライドされた接着剤に作用するのに活性面が横軸に沿って充分に移動することを特徴とするアクティベーター手段。
【請求項38】
活性面が中心線軸に対して実質的に平行な複数の直線状突起を有することを特徴とする請求項37記載のアクティベーター手段。
【請求項39】
活性面が中心線軸に対して実質的に平行な複数の直線状突起を有し、これら直線状突起が中央線軸に沿って同一線上または交互に配置される、またはその両方であるが、必ずしも中央線軸とは交わらないことを特徴とする請求項37記載のアクティベーター手段。
【請求項40】
活性面が中心線軸に対して実質的に平行な複数の直線状突起を有し、これら直線状突起が中央線軸に沿って交互に配置されるが、必ずしも中央線軸とは交わらないことを特徴とする請求項37記載のアクティベーター手段。
【請求項41】
アクティベーター手段をプレアプライドされた接着剤上を通過させる工程を含む被着体の表面でプレアプライドされた接着剤を活性化する改良された方法であって、その改良点は、中心線軸とそれに垂直な横軸とを有するアクティベーター手段の使用にあり、前記中心線軸は、プレアプライドされた接着剤の活性化中、アクティベーター手段が作用する被着体に対する相対移動の方向と平行であり、かつ、整列し、前記アクティベーター手段は、少なくとも1つの活性面を有する活性胴体部を含み、前記活性面は、(a)使用の際、それが作用する被着体表面に向いた面と、(b)この面から延び、使用時にプレアプライドされた接着剤と係合して、接着剤を持ち上げ、活性化された状態の接着剤を所定のパターンまたは形状に堆積させる複数の突起とを有する、但し少なくとも1つの突起が前記中心線軸に対して垂直な直線状の突起である場合、その突起の長さは、それが作用するプレアプライドされた接着剤の幅より実質的に短いことを特徴とする方法。
【請求項42】
前記プレアプライドされた接着剤が熱可塑性の接着剤であり、前記アクティベーター手段が、さらに加熱手段を含むまたは加熱手段と連動し、熱が活性面によって加熱手段から熱可塑性接着剤へと伝わることを特徴とする請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記プレアプライドされた接着剤がカプセル化された接着剤であり、前記突起が接着剤成分を含むマイクロカプセルを破砕し、接着剤を被着体に堆積する前に活性化を行うために接着剤の塊りの中に充分な流れを形成することを特徴とする請求項41記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6(a)】
【図7】
【図7(a)】
【図8】
【図8(a)】
【図9】
【図9(a)】
【図10】
【図11】
【図11(a)】
【図12】
【図12(a)】
【図13】
【図13(a)】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18(a)】
【図19】
【図19(a)】
【図20】
【図20(a)】
【図21】
【図21(a)】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6(a)】
【図7】
【図7(a)】
【図8】
【図8(a)】
【図9】
【図9(a)】
【図10】
【図11】
【図11(a)】
【図12】
【図12(a)】
【図13】
【図13(a)】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18(a)】
【図19】
【図19(a)】
【図20】
【図20(a)】
【図21】
【図21(a)】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2008−534713(P2008−534713A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503001(P2008−503001)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/007043
【国際公開番号】WO2006/104625
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(591154670)アップルトン ペーパーズ インコーポレイテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】APPLETON PAPERS INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/007043
【国際公開番号】WO2006/104625
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(591154670)アップルトン ペーパーズ インコーポレイテッド (9)
【氏名又は名称原語表記】APPLETON PAPERS INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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