説明

プレス装置

【課題】 スライドのストローク量又は下死点位置を精度よく調節することができるプレス装置を提供すること。
【解決手段】 第1及び第2エキセン軸8,10は、第1及び第2回転軸部56,58と、第1及び第2回転軸部56,58に対して所定量だけ偏心された第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bと、を有している。調節機構100は、第1及び第2エキセン軸8,10を第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対して相対的に回転させることにより、第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対する第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bの相対的角度位置を調節し、これによりスライド14のストローク量又は下死点位置が調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドのストローク量又は下死点位置を調節することができるプレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被加工物をプレス加工する際にはプレス装置が用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。図10は従来のプレス装置であり、図示のプレス装置200は、フレーム202と、フレーム202に支持されたクランク軸204と、クランク軸204のクランク部(図示せず)に回転自在に連結された一対のコネクティングロッド206と、加工領域に向けて往復移動されるスライド208と、一対のコネクティングロッド206とスライド208とを相互に連結する一対のリンク210と、備えている。リンク210の一端部は、連結用ピン212を介してコネクティングロッド206の一端部に回転自在に連結され、またその他端部はスライド208に取り付けられたプランジャ214の一端部に回転自在に連結されている。またフレーム202には、左右方向(図7において左右方向)に延びるガイド用凹部216を有する一対のガイド手段218が支持されており、このガイド用凹部216には、連結用ピン212が滑子220を介して移動自在に受け入れられている。クランク軸204が回転すると、一対のコネクティングロッド206の各一端部がガイド用凹部216に沿ってそれぞれ左右方向に往復移動されるのに伴い、一対のリンク210の各々がプランジャ214の一端部を中心として左右方向に揺動され、これによりスライド208が上下方向に往復移動される。
【0003】
また、このようなプレス装置200では、フレーム202の熱変位量が変動することによってスライド208の下死点位置が変動する場合があり、このことに関連して、スライド208の下死点位置を調節するための下死点位置調節機構(図示せず)が設けられている。この下死点位置調節機構は、スライド208とプランジャ214との間に設けられたネジ機構(図示せず)から構成されている。このネジ機構を所要の通りに駆動させると、プランジャ214に対するスライド208の上下方向位置が調節され、これによりスライド208の下死点位置が調節される。
【0004】
【特許文献1】特開平8−118082号公報
【特許文献2】特開平7−51899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようなプレス装置200を用いてプレス加工を行う場合には、プレス加工の作業性を高めるために、被加工物の種類や大きさなどに応じてスライド208のストローク量を適宜調節する必要がある。しかしながら、従来のこの種のプレス装置200では、1つのクランク軸204に一対のコネクティングロッド206が回転自在に連結されているのみであるので、スライド208のストローク量を調節することができず、この種のプレス装置200においてストローク量の調節可能なものの実現が強く望まれている。また、上述した下死点調節機構によりスライド208の下死点位置を調節する際には、プレス装置200の運転を停止させなければならず、運転効率が低下するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述した形態のプレス装置において、スライドのストローク量を調節することができるプレス装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、プレス装置の運転中においてもスライドの下死点位置を調節することができるプレス装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載のプレス装置では、プレス装置本体と、前記プレス装置本体に回転自在に支持されたクランク軸並びに第1及び第2エキセン軸と、加工領域に向けて往復移動されるスライドと、前記クランク軸の回転運動を往復運動に変換して前記スライドに伝達するための第1及び第2往復駆動機構と、を備え、前記第1及び第2往復駆動機構は、前記クランク軸に回転自在に連結された第1及び第2コネクティングロッドと、前記第1及び第2コネクティングロッドと前記スライドとを相互に連結するための第1及び第2リンクと、を備え、前記第1及び第2エキセン軸は、第1及び第2回転軸部と、前記第1及び第2回転軸部に対して所定量だけ偏心された第1及び第2エキセン部と、を有し、前記第1及び第2回転軸部には前記第1及び第2リンクが回転自在に連結され、また前記第1及び第2エキセン部には前記第1及び第2コネクティングロッドが回転自在に連結されており、
前記スライドに関連して、前記スライドのストローク量又は下死点位置を調節するための調節機構が設けられており、前記調節機構は、前記第1及び第2エキセン軸を前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に回転させることにより、前記第1及び第2コネクティングロッドに対する前記第1及び第2エキセン部の相対的角度位置を調節し、これにより前記スライドのストローク量又は下死点位置が調節されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載のプレス装置では、前記第1及び第2コネクティングロッドと前記第1及び第2エキセン部との間にはそれぞれ第1及び第2偏心ブッシュが設けられ、前記調節機構は、前記第1及び第2偏心ブッシュを前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に回転させることにより、前記第1及び第2コネクティングロッドに対する前記第1及び第2偏心ブッシュの相対的角度位置を調節することを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の請求項3に記載のプレス装置では、前記調節機構は、第1及び第2回転駆動手段と、前記第1回転駆動手段からの回転駆動力を前記第1及び第2エキセン軸へそれぞれ同期して伝達させるための第1同期駆動伝達手段と、前記第2回転駆動手段からの回転駆動力を前記第1及び第2偏心ブッシュへそれぞれ同期して伝達させるための第2同期駆動伝達手段と、を備え、
前記スライドのストローク量又は下死点位置を調節する際には、前記第1回転駆動手段からの回転駆動力が前記第1同期駆動伝達手段を介して前記第1及び第2エキセン軸にそれぞれ同期して伝達され、これにより前記第1及び第2エキセン軸が前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に同期して回転され、また、前記第2回転駆動手段からの回転駆動力が前記第2同期駆動伝達手段を介して前記第1及び第2偏心ブッシュにそれぞれ同期して伝達され、これにより前記第1及び第2偏心ブッシュが前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に同期して回転されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載のプレス装置によれば、調節機構は、第1及び第2エキセン軸を第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に回転させるので、第1及び第2コネクティングロッドに対する第1及び第2エキセン部の相対的角度位置を調節することができる。従って、クランク軸と第1及び第2エキセン軸の第1及び第2回転軸部との離間距離が調節され、これによりクランク軸と第1及び第2リンクとの離間距離が調節され、スライドのストローク量又は下死点位置を所要の通りに調節することができる。また、このような第1及び第2エキセン軸の回転はプレス装置の運転中に行うことができるので、プレス装置の運転中においてもスライドの下死点位置を調節することができ、運転効率を高めることができる。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載のプレス装置によれば、調節機構は、第1及び第2偏心ブッシュを第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に回転させるので、第1及び第2コネクティングロッドに対する第1及び第2偏心ブッシュの相対的角度位置を調節することができる。従って、クランク軸と第1及び第2エキセン軸の第1及び第2回転軸部との離間距離が調節され、スライドのストローク量又は下死点位置をより細かく調節することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明の請求項3に記載のプレス装置によれば、第1及び第2エキセン軸が第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に同期して回転されるので、第1エキセン部の第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置と、第2エキセン部の第2コネクティングロッドに対する相対的角度位置との間に差異が生じるのが防止される。また、第1及び第2偏心ブッシュが第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に同期して回転されるので、第1偏心ブッシュの第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置と、第2偏心ブッシュの第2コネクティングロッドに対する相対的角度位置との間に差異が生じるのが防止される。従って、スライドのストローク量又は下死点位置を精度よく調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うプレス装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態によるプレス装置を示す概略断面図であり、図2は、図1中のA−A線によるプレス装置の概略断面図であり、図3は、図2中のB−B線によるプレス装置の概略部分断面図であり、図4は、第1の状態における第1エキセン部及び第1偏心ブッシュの第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図であり、図5は、第2の状態における第1エキセン部及び第1偏心ブッシュの第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図であり、図6は、第3の状態における第1エキセン部及び第1偏心ブッシュの第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図である。
【0014】
図1〜図3を参照して、図示のプレス装置2は、プレス装置本体4と、プレス装置本体4に回転自在に支持されたクランク軸6並びに第1及び第2エキセン軸8,10と、加工領域12に向けて往復移動されるスライド14と、クランク軸6の回転運動を往復運動に変換してスライド14に伝達するための第1及び第2往復駆動機構16,18と、を備えている。以下、これら各構成要素について詳細に説明する。
【0015】
プレス装置本体4は、ベッド部20と、ベッド部20の上方に設けられたクラウン部22と、ベッド部20とクラウン部22との間に対向して設けられた一対のコラム部24と、を備えている。クラウン部22の天壁部には、クラウン部22の内部に向かって下方に延びるバランサポスト26が取り付けられている。クラウン部22の内部には、上下方向に貫通して延びる支持用孔28を有するバランサ本体30が配設され、このバランサ本体30の支持用孔28にはバランサポスト26が移動自在に挿入されており、これによりバランサ本体30は、バランサポスト26に沿って上下方向に自在に移動される。バランサ本体30の下端部における両端部には、第1及び第2バランサリンク32,34の各一端部が連結用ピン36,38を介して回転自在に連結されている。また、クラウン部22には、第1及び第2ガイド手段40,42が支持されており、この第1及び第2ガイド手段40,42は、対向して配設された第1及び第2ガイド部材44,46を有している。第1及び第2ガイド部材44,46はそれぞれ、上下に所定の間隔を置いて配設された第1ガイドブロック45a,45b及び第2ガイドブロック47a,47bを有している。第1ガイドブロック45a,45bの間及び第2ガイドブロック47a,47bの間にはそれぞれ水平方向に延びる第1及び第2ガイド空間48,50が形成されており、これら第1及び第2ガイド空間48,50にはそれぞれ第1及び第2滑子52,54が摺動自在に装着されている。
【0016】
クラウン部22には、第1及び第2エキセン軸8,10が回転自在に支持されている。これら第1及び第2エキセン軸8,10は水平方向に延び、第1及び第2回転軸部56,58と、第1及び第2回転軸部56,58に対して所定量D1だけ偏心された(即ち、その中心軸線N2が第1及び第2回転軸部56,58の中心軸線N1よりも所定量D1だけ偏倚された)第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bと、をそれぞれ有している。第1及び第2エキセン軸8,10の両端部はそれぞれ、第1及び第2滑子52,54を介して第1及び第2ガイド空間48,50に移動自在に受け入れられている。
【0017】
また、クラウン部22には、クランク軸6が軸受64を介して回転自在に支持されている。このクランク軸6は水平方向に延び、回転軸部66と、回転軸部66に対して所定量だけ偏心されたクランク部68と、を有している。
【0018】
第1及び第2往復駆動手段16,18は、クランク軸6に回転自在に連結された第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bと、第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bとスライド14とを相互に連結するための第1及び第2リンク74,76と、を備えている。
【0019】
第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bの各一端部は、クランク軸6のクランク部68に回転自在に連結され、またそれらの各他端部は、第1及び第2エキセン軸8,10の第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bに第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bを介してそれぞれ回転自在に連結されている。第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bは円筒状に構成され、第1及び第2エキセン軸8,10の第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62b並びに第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対して相対的に回転自在に装着されている。第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの断面において、第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの外周面により規定される円の中心N3は、その内周面により規定される円の中心N2(即ち、第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bの中心軸線N2)に対して所定量D2だけ偏倚(偏心)されている(図4〜図6参照)。
【0020】
また、第1エキセン軸8の第1回転軸部56には、第1バランサリンク32の他端部及び第1リンク74の一端部が回転スリーブ82aを介して回転自在に連結されている。回転スリーブ82aは、第1回転軸部56、第1バランサリンク32及び第1リンク74に対して相対的に回転自在に装着されている。第2エキセン軸10の第2回転軸部58には、第2リンク76の一端部が回転スリーブ82bを介して回転自在に連結されるとともに、第2バランサリンク34の他端部が回転スリーブ82cを介して回転自在に連結されている。回転スリーブ82bは、第2回転軸部58及び第2リンク76に対して回転自在に装着され、また回転スリーブ82cは、第2回転軸部58及び第2バランサリンク34に対して相対的に回転自在に装着されている。第1及び第2リンク74,76の各他端部は、ステー84を介して相互に連結されている。
【0021】
スライド14は、一対のコラム部24で囲まれた空間に配設され、スライド14の上端部には第1及び第2プランジャ86,88が取り付けられ、またその下端部には可動金型90が取り付けられている。第1及び第2プランジャ86,88の各一端部は、連結用ピン92,94を介して第1及び第2リンク74,76の各他端部にそれぞれ回転自在に連結されている。また、ベッド部20の上端部にはボルスタ96が取り付けられ、このボルスタ96の上端部には静止金型98が取り付けられている。
【0022】
上述したプレス装置2によるプレス加工について説明すると、次の通りである。クランク軸6が所定方向に回転すると、クランク軸6の回転運動が第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bにより往復運動に変換され、第1及び第2エキセン軸8,10の各両端部がそれぞれ第1及び第2ガイド部材44,46の第1及び第2ガイド空間48,50に沿って水平方向に往復移動される。この第1及び第2エキセン軸8,10の各両端部の往復移動に伴い、第1及び第2リンク74,76がそれぞれ連結用ピン92,94を中心として水平方向に揺動されるようになり、これによりスライド14が上下方向に往復移動される。即ち、第1及び第2エキセン軸8,10の各両端部がそれぞれ第1及び第2ガイド空間48,50の外側端部に移動すると、スライド14が上死点に位置付けられ、また第1及び第2エキセン軸8,10の各両端部がそれぞれ第1及び第2ガイド空間48,50の内側端部に移動すると、スライド14が下死点に位置付けられる。従って、第1及び第2エキセン軸8,10の各両端部がそれぞれ第1及び第2ガイド空間48,50の外側端部と内側端部との間を往復移動することにより、スライド14が上死点と下死点との間を往復移動される。
【0023】
スライド14が上死点から下方へ移動して下死点まで移動すると、可動金型90が加工領域12に配設された被加工物(図示せず)に作用し、可動金型90及び静止金型98によって被加工物にプレス加工が施される。クランク軸6が更に上記所定方向に回転すると、スライド14が下死点から上方へ移動して上記上死点に戻る。
【0024】
また、上述のように第1及び第2エキセン軸8,10の各両端部がそれぞれ第1及び第2ガイド空間48,50に沿って往復移動されると、第1及び第2バランサリンク32,34を介してバランサ本体30がバランサポスト26に沿って上下方向に往復移動される。即ち、スライド14が上死点から下死点に移動するときには、バランサ本体30が下方から上方に移動し、スライド14が下死点から上死点に移動するときには、バランサ本体30が上方から下方に移動し、このようにバランサ本体30がスライド14と反対方向に移動することによって、スライド14の上下動に対するバランスが保持される。
【0025】
上述のようなプレス加工においては、例えば被加工物の種類や大きさなどのプレス加工条件に応じて、スライド14のストローク量(即ち、上死点と下死点との間の往復距離)を調節する必要がある。以下、スライド14のストローク量の調節に関連する構成について説明する。
【0026】
図示のプレス装置2にはストローク量調節機構100(調節機構を構成する)が設けられている。このストローク量調節機構100は、第1及び第2回転駆動手段102,104と、第1回転駆動手段102からの回転駆動力を第1及び第2エキセン軸8,10へそれぞれ同期して伝達させるための第1同期駆動伝達手段106と、第2回転駆動手段104からの回転駆動力を第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bへそれぞれ同期して伝達させるための第2同期駆動伝達手段108と、を備えている。
【0027】
第1及び第2回転駆動手段102,104は例えばサーボモータなどから構成され、クラウン部22の外側部に設けられている。第1同期駆動伝達手段106は、第1回転駆動手段102に駆動連結された第1回転駆動軸110と、第1回転駆動軸110に取り付けられた一対の第1ウォームギア(図示せず)と、一対の第1ウォームギアとそれぞれ噛合された一対の第1ウォームホイール112a,112bと、一対の第1ウォームホイール112a,112bとそれぞれ駆動連結された一対の第1シュミットカップリング114a,114bとから構成されている。一対の第1シュミットカップリング114a,114bは、第1及び第2エキセン軸8,10の各一端部にそれぞれ駆動連結されている。また、一対の第1ウォームホイール112a,112bはそれぞれハウジング115a,115bの内部に回転自在に収容されている。
【0028】
第1回転駆動手段102が所定方向に回転すると、第1回転駆動軸110と一対の第1ウォームギアとが一体に回転され、これにより一対の第1ウォームホイール112a,112bが所定方向にそれぞれ同期して回転される。このように回転されると、一対の第1ウォームホイール112a,112bの回転駆動力が一対の第1シュミットカップリング114a,114bを介して第1及び第2エキセン軸8,10にそれぞれ伝達され、これら第1及び第2エキセン軸8,10が図4中の矢印Pで示す方向に同期して回転される。
【0029】
第2同期駆動伝達手段108は、第2回転駆動手段104に駆動連結された第2回転駆動軸116と、第2回転駆動軸116に取り付けられた一対の第2ウォームギア118と、一対の第2ウォームギア118とそれぞれ噛合された一対の第2ウォームホイール120a,120bと、一対の第2ウォームホイール120a,120bにそれぞれ駆動連結された一対の第2シュミットカップリング122a,122bと、第2シュミットカップリング122aに駆動連結された回転スリーブ82aと、回転スリーブ82a及び第1偏心ブッシュ78の一端部の間に駆動連結されたオルダムカップリング124aと、第2シュミットカップリング122bに駆動連結された回転スリーブ82bと、回転スリーブ82b及び第2偏心ブッシュ80aの一端部の間に駆動連結されたオルダムカップリング124bと、第2偏心ブッシュ80aの他端部に駆動連結されたオルダムカップリング124cと、オルダムカップリング124cに駆動連結された回転スリーブ82cと、回転スリーブ82c及び第2偏心ブッシュ80bの一端部の間に駆動連結されたオルダムカップリング124dとから構成されている。一対の第2ウォームホイール120a,120bはそれぞれハウジング125a,125bの内部に回転自在に収容されている。なお、第1シュミットカップリング114a,114b、第2シュミットカップリング122a,122b及びオルダムカップリング124a〜124dはそれ自体周知のものでよい。
【0030】
第2回転駆動手段104が所定方向に回転すると、第2回転駆動軸116と一対の第2ウォームギア118とが一体に回転され、これにより一対の第2ウォームホイール120a,120bが所定方向にそれぞれ同期して回転される。このように回転されると、第2ウォームホイール120aの回転駆動力が第2シュミットカップリング122a、回転スリーブ82a及びオルダムカップリング124aを介して第1偏心ブッシュ78に伝達され、また、第2ウォームホイール120bの回転駆動力が第2シュミットカップリング122b、回転スリーブ82b及びオルダムカップリング124bを介して第2偏心ブッシュ80aに伝達されるとともに、更にこの第2偏心ブッシュ80aの回転駆動力がオルダムカップリング124c、回転スリーブ82c及びオルダムカップリング124dを介して第2偏心ブッシュ80bに伝達され、これにより第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bが図5中の矢印Qで示す方向に同期して回転される。
【0031】
更に、図示のプレス装置2には、第1ウォームホイール112a,112b及び第2ウォームホイール120a,120bに関連して第1位置決め手段(図示せず)及び第2位置決め手段126が設けられている。この第1位置決め手段及び第2位置決め手段126は実質上同一の構成であり、図3を参照して第2位置決め手段126について説明すると、この第2位置決め手段126は、第2ウォームホイール120a,120bの外周面に設けられた円環状の係止用凹部128と、ハウジング125a,125bに移動自在に設けられた固定用ピン130と、を有している。固定用ピン130は、その先端部が係止用凹部128に係止される突出位置と、その先端部が係止用凹部128から離脱される収納位置との間を移動自在に構成されている。プレス加工運転中においては、固定用ピン130は突出位置に位置付けられ、これにより第2ウォームホイール120a,120bの回転が阻止され、また、プレス加工運転停止中において後述するようにしてスライド14のストローク量を調節するときには、固定用ピン130が収納位置に位置付けられ、これにより第2ウォームホイール120a,120bの回転の阻止が解除される。
【0032】
次に、図4〜図6をも参照して、上述したストローク量調節機構100を用いたスライド14のストローク量の調節方法について説明する。なお、図4〜図6においては、第1往復駆動機構16側の構成のみを図示してある。図4に示す第1の状態では、第1及び第2エキセン軸8,10の第1エキセン部60及び第2エキセン部60a,60b並びに第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの各偏心部132,134a,134bがそれぞれ外側(図1において左右外側)を向くように配設され、第1及び第2エキセン軸8,10の第1及び第2回転軸部56,58の中心軸線N1とクランク軸6のクランク部68の中心軸線N0との離間距離はL1となって最も短い状態となる。このように離間距離L1が短いと、第1及び第2リンク74,76の各一端部がクランク軸6に近接する方向(図1中の矢印Xで示す方向)にそれぞれ移動される。これにより第1及び第2リンク74,76がクランク軸6に近接した位置で揺動され、これにより第1及び第2リンク74,76の揺動がスライド14の往復動へ変換される効率が小さくなり、スライド14のストローク量が小さくなる。
【0033】
第1の状態よりスライド14のストローク量を調節する際には、第1位置決め手段の固定用ピン(図示せず)が突出位置から収納位置に移動された状態において、第1回転駆動手段102が所定方向に回転される。これにより、上述したように第1回転駆動手段102からの回転駆動力が第1及び第2エキセン軸8,10へそれぞれ同期して伝達され、第1及び第2エキセン軸8,10の第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対する相対的角度位置が調節される。第1及び第2エキセン軸8,10が図4中の矢印Pで示す方向にそれぞれ約180度の回転角度でもって同期して回転されると、図5に示す第2の状態となり、第1回転駆動手段102の回転が停止され、第1位置決め手段の固定用ピンが収納位置から突出位置に移動される。
【0034】
この第2の状態では、第1及び第2エキセン軸8,10の第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bが内側(図1において左右内側)を向くように配設されるとともに、第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの各偏心部132,134a,134bが外側を向くように配設され、第1及び第2エキセン軸8,10の第1及び第2回転軸部56,58の中心軸線N1とクランク軸6のクランク部68の中心軸線N0との離間距離は、上記離間距離L1よりも距離D1(即ち、第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bの偏心量)だけ長いL2となる。このように離間距離L2が上記離間距離L1よりも長くなると、第1及び第2リンク74,76の各一端部がクランク軸6より幾分離隔する方向(図1中の矢印Yで示す方向)にそれぞれ移動される。これにより第1及び第2リンク74,76がクランク軸6より幾分離隔した位置で揺動され、これにより第1及び第2リンク74,76の揺動がスライド14の往復動へ変換される効率が幾分大きくなり、スライド14のストローク量が幾分大きくなる。
【0035】
第2の状態より更にスライド14のストローク量を調節する際には、第2位置決め手段126の固定用ピン130が突出位置から収納位置に移動された状態において、第2回転駆動手段104が所定方向に回転される。これにより、上述したように第2回転駆動手段104からの回転駆動力が第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bへそれぞれ同期して伝達され、第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対する相対的角度位置が調節される。第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bが図5中の矢印Qで示す方向にそれぞれ約180度の回転角度でもって同期して回転されると、図6に示す第3の状態となり、第2回転駆動手段104の回転が停止され、第2位置決め手段126の固定用ピン130が収納位置から突出位置に移動される。
【0036】
この第3の状態では、第1及び第2エキセン軸8,10の第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62b並びに第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの各偏心部132,134a,134bがそれぞれ内側を向くように配設され、第1及び第2エキセン軸8,10の第1及び第2回転軸部56,58の中心軸線N1とクランク軸6のクランク部68の中心軸線N0との離間距離は、上記離間距離L2よりも距離D1+D2(即ち、第1エキセン部60及び第2エキセン部62a,62bの偏心量と第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの偏心量との和)だけ長いL3となり、最も長い状態となる。このように離間距離L3が長いと、第1及び第2リンク74,76の各一端部がクランク軸6より離隔する方向に大きく移動される。これにより第1及び第2リンク74,76がクランク軸6より離隔した位置で揺動され、これにより第1及び第2リンク74,76の揺動がスライド14の往復動へ変換される効率が大きくなり、スライド14のストローク量がより大きくなる。
【0037】
本実施形態のプレス装置2では、第1及び第2エキセン軸8,10を第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対して相対的に回転させるとともに、第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bを第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対して相対的に回転させることによって、スライド14のストローク量を段階的に(本実施形態では3段階に)調節することができる。
【0038】
また、第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの偏心量を第1及び第2エキセン軸8,10の偏心量よりも大きく(又は小さく)設定することにより、スライド14のストローク量をより細かく(例えば4段階に)設定することができる。あるいは、第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bの偏心量と第1及び第2エキセン軸8,10の偏心量とを一致させるように構成してもよい。
【0039】
また、本実施形態では、第1及び第2エキセン軸8,10並びに第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bをそれぞれ約180度ずつ回転させるように構成したが、これに限られず、例えば20度ずつあるいは30度ずつなど、適宜の回転角度ずつ回転させるように構成してもよい。また、第1及び第2エキセン軸8,10並びに第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bを第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対して相対的に同時に回転させてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、ストローク量調節機構100によってスライド14のストローク量を調節するように構成したが、後述するようにして、ストローク量調節機構100によって第1及び第2エキセン軸8,10並びに第1偏心ブッシュ78及び第2偏心ブッシュ80a,80bをそれぞれ微小回転角度(例えば約2度)ずつ回転させることにより、スライド14の下死点位置をも調節することができる。
【0041】
次に、図7〜図9を参照して、プレス装置の他の実施形態について説明する。図7は、本発明の他の実施形態によるプレス装置の概略断面図であり、図8は、スライドの下死点位置を上昇させる際における第1及び第2エキセン部の第1及び第2コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図であり、図9は、スライドの下死点位置を下降させる際における第1及び第2エキセン部の第1及び第2コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図である。なお、図7〜図9において、図1〜図6に示す実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0042】
この他の実施形態によるプレス装置2Aでは、第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bの各他端部と第1エキセン部60A及び第2エキセン部62Aa,62Abとの間には、上述した第1及び第2偏心ブッシュは設けられておらず、また、第1及び第2偏心ブッシュに関連する構成(上述した第2回転駆動手段及び第2同期駆動伝達手段)も設けられていない。
【0043】
このプレス装置2Aには下死点位置調節機構136(調節機構を構成する)が設けられており、この下死点位置調節機構136は、回転駆動手段102Aと、回転駆動手段102Aからの回転駆動力を第1及び第2エキセン軸8A,10Aへそれぞれ同期して伝達させるための同期駆動伝達手段106Aと、を備えている。上記実施形態と同様に、回転駆動手段102Aが所定方向に回転すると、回転駆動手段102Aからの回転駆動力が同期駆動伝達手段106Aを介して第1及び第2エキセン軸8A,10Aにそれぞれ同期して伝達され、これにより第1及び第2エキセン軸8A,10Aが図8中の矢印Rで示す方向(又は図9中の矢印Sで示す方向)に同期して回転される。
【0044】
上述した下死点位置調節機構136を用いたスライド14の下死点位置の調節方法について説明すると、次の通りである。まず、図8に示す状態よりスライド14の下死点位置を上昇させる方法について説明する。図8に示す状態においては、第1及び第2エキセン軸8A,10Aの第1エキセン部60A及び第2エキセン部62Aa,62Abの各偏心部138,140a,140bがそれぞれ外側(図8において左右外側)を向くように配設され、第1及び第2リンク74,76がクランク軸6に近接した位置で揺動される。回転駆動手段102Aが所定方向に回転されると、上述したように回転駆動手段102Aからの回転駆動力が第1及び第2エキセン軸8A,10Aへそれぞれ同期して伝達され、第1及び第2エキセン軸8A,10Aの第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対する相対的角度位置が調節される。第1及び第2エキセン軸8A,10Aが図8中の矢印Rで示す方向にそれぞれ微小回転角度(例えば約2度)でもって同期して回転されると、第1及び第2リンク74,76の各一端部がクランク軸6より幾分離隔する方向(図8中の矢印Mで示す方向)にそれぞれ移動され、これによりスライド14の下死点位置が幾分上昇される。
【0045】
次に、図9に示す状態よりスライド14の下死点位置を下降させる方法について説明する。図9に示す状態においては、第1及び第2エキセン軸8A,10Aの第1エキセン部60A及び第2エキセン部62Aa,62Abの各偏心部138,140a,140bがそれぞれ内側(図9において左右内側)を向くように配設され、第1及び第2リンク74,76がクランク軸6から離隔した位置で揺動される。回転駆動手段102Aが所定方向に回転されると、上述したように回転駆動手段102Aからの回転駆動力が第1及び第2エキセン軸8A,10Aへそれぞれ同期して伝達され、第1及び第2エキセン軸8A,10Aの第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対する相対的角度位置が調節される。第1及び第2エキセン軸8A,10Aが図9中の矢印Sで示す方向にそれぞれ微小回転角度(例えば約2度)でもって同期して回転されると、第1及び第2リンク74,76の各一端部がクランク軸6に幾分近接する方向(図9中の矢印Nで示す方向)にそれぞれ移動され、これによりスライド14の下死点位置が幾分下降される。
【0046】
従って、本実施形態のプレス装置2Aでは、第1及び第2エキセン軸8A,10Aを第1コネクティングロッド70及び第2コネクティングロッド72a,72bに対して相対的に回転させることによって、スライド14の下死点位置を調節することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、図8及び図9に示す状態より第1及び第2エキセン軸8A,10Aをそれぞれ回転させたが、第1及び第2エキセン軸8A,10Aをそれぞれ任意の角度位置に位置付けた状態よりこれらを回転させるようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、下死点位置調節機構136によってスライド14の下死点位置を調節するように構成したが、上記実施形態と同様に、この下死点位置調節機構136によって第1及び第2エキセン軸8A,10Aをそれぞれ例えば約180度ずつ同期して回転させるように構成してよく、これによりスライド14のストローク量をも調節することができる。
【0049】
以上、本発明に従うプレス装置の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態によるプレス装置を示す概略断面図である。
【図2】図1中のA−A線によるプレス装置の概略断面図である。
【図3】図2中のB−B線によるプレス装置の概略部分断面図である。
【図4】第1の状態における第1エキセン部及び第1偏心ブッシュの第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図である。
【図5】第2の状態における第1エキセン部及び第1偏心ブッシュの第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図である。
【図6】第3の状態における第1エキセン部及び第1偏心ブッシュの第1コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるプレス装置の概略断面図である。
【図8】スライドの下死点位置を上昇させる際における第1及び第2エキセン部の第1及び第2コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図である。
【図9】スライドの下死点位置を下降させる際における第1及び第2エキセン部の第1及び第2コネクティングロッドに対する相対的角度位置を示す概略図である。
【図10】従来のプレス装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0051】
2,2A プレス装置
4,4A プレス装置本体
6 クランク軸
8,8A 第1エキセン軸
10,10A 第2エキセン軸
14 スライド
16 第1往復駆動機構
18 第2往復駆動機構
56,56A 第1回転軸部
58,58A 第2回転軸部
60,60A 第1エキセン部
62a,62b,62Aa,62Ab 第2エキセン部
70 第1コネクティングロッド
72a,72b 第2コネクティングロッド
74 第1リンク
76 第2リンク
78 第1偏心ブッシュ
80a,80b 第2偏心ブッシュ
100 ストローク量調節機構
102,102A 第1回転駆動手段
104 第2回転駆動手段
106,106A 第1同期駆動伝達手段
108 第2同期駆動伝達手段
136 下死点位置調節機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス装置本体と、前記プレス装置本体に回転自在に支持されたクランク軸並びに第1及び第2エキセン軸と、加工領域に向けて往復移動されるスライドと、前記クランク軸の回転運動を往復運動に変換して前記スライドに伝達するための第1及び第2往復駆動機構と、を備え、前記第1及び第2往復駆動機構は、前記クランク軸に回転自在に連結された第1及び第2コネクティングロッドと、前記第1及び第2コネクティングロッドと前記スライドとを相互に連結するための第1及び第2リンクと、を備え、前記第1及び第2エキセン軸は、第1及び第2回転軸部と、前記第1及び第2回転軸部に対して所定量だけ偏心された第1及び第2エキセン部と、を有し、前記第1及び第2回転軸部には前記第1及び第2リンクが回転自在に連結され、また前記第1及び第2エキセン部には前記第1及び第2コネクティングロッドが回転自在に連結されており、
前記スライドに関連して、前記スライドのストローク量又は下死点位置を調節するための調節機構が設けられており、前記調節機構は、前記第1及び第2エキセン軸を前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に回転させることにより、前記第1及び第2コネクティングロッドに対する前記第1及び第2エキセン部の相対的角度位置を調節し、これにより前記スライドのストローク量又は下死点位置が調節されることを特徴とするプレス装置。
【請求項2】
前記第1及び第2コネクティングロッドと前記第1及び第2エキセン部との間にはそれぞれ第1及び第2偏心ブッシュが設けられ、前記調節機構は、前記第1及び第2偏心ブッシュを前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に回転させることにより、前記第1及び第2コネクティングロッドに対する前記第1及び第2偏心ブッシュの相対的角度位置を調節することを特徴とする請求項1に記載のプレス装置。
【請求項3】
前記調節機構は、第1及び第2回転駆動手段と、前記第1回転駆動手段からの回転駆動力を前記第1及び第2エキセン軸へそれぞれ同期して伝達させるための第1同期駆動伝達手段と、前記第2回転駆動手段からの回転駆動力を前記第1及び第2偏心ブッシュへそれぞれ同期して伝達させるための第2同期駆動伝達手段と、を備え、
前記スライドのストローク量又は下死点位置を調節する際には、前記第1回転駆動手段からの回転駆動力が前記第1同期駆動伝達手段を介して前記第1及び第2エキセン軸にそれぞれ同期して伝達され、これにより前記第1及び第2エキセン軸が前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に同期して回転され、また、前記第2回転駆動手段からの回転駆動力が前記第2同期駆動伝達手段を介して前記第1及び第2偏心ブッシュにそれぞれ同期して伝達され、これにより前記第1及び第2偏心ブッシュが前記第1及び第2コネクティングロッドに対して相対的に同期して回転されることを特徴とする請求項2に記載のプレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−131892(P2009−131892A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153838(P2008−153838)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(591041749)日本電産キョーリ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】