説明

プレゼンスサーバ及びプレゼンス情報管理システム

【課題】 ユーザのプレゼンス情報を自動登録する。
【解決手段】 プレゼンスサーバ1002は、セッションの確立・切断のためのメッセージを受信したSIPサーバ1001から、該メッセージに含まれるリクエストメソッドと送信先アドレス(Toヘッダ)と送信元アドレス(Fromヘッダ)とを受信する。また、プレゼンスサーバ1002は、リクエストメソッドと送信先アドレスと送信元アドレスとに対応してプレゼンス情報が予め記憶されたプレゼンス判定テーブルを参照し、受信された各情報に対応するプレゼンス情報を取得する。プレゼンスサーバ1002は、受信された送信先アドレス又は送信元アドレスと、プレゼンス情報とを、プレゼンス情報の被参照者(例えば端末1003a)のアドレスと、該被参照者のプレゼンス情報とが対応して記憶されるプレゼンス情報テーブルに記憶し、予め定められた参照者(例えば端末1003b)に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンスサーバ及びプレゼンス情報管理システムに係り、特に、ユーザや端末の状態を管理するプレゼンス情報管理システムにおいて、ユーザまたは端末に代わり、ユーザまたは端末の状態の取得及び登録を行うプレゼンスサーバ及びプレゼンス情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
「プレゼンス」とは、人や物の存在や状態を示し、「プレゼンスサービス」とは、人や物の存在や状態(例えば、社員が「在席中」、「会議中」など)を通知するサービスである。プレゼンスの概念は、IETF(Internet Engineering Task Force)のimpp(Instant Messaging and Presence Protocol)ワーキンググループを中心として検討が進められ(例えば、非特許文献1参照)、SIP(Session Initiation Protocol)という通信プロトコルを用いたプレゼンス情報の送受信方法などが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0003】
図13に、プレゼンスサービスの動作の例を示す。プレゼンスサービスのためのシステムは、例えば、プレゼンス情報の通知サービスを受けたい者(参照者)のクライアント6001、アプリケーション間のセッションの確立/切断の通信手順を実行するSIPサーバ6002、プレゼンス情報の管理や通知を行うプレゼンスサーバ6003、及び、プレゼンス情報を参照される者(被参照者)のクライアント6004で構成される。
【0004】
プレゼンスサービスの動作は、参照者6001が被参照者6004の情報通知を予約するために、プレゼンスサーバ6003に対し“SUBSCRIBE”(通知予約)メッセージを送信する(F601)。ここで、SIPメッセージの中継は、SIPサーバ6002が行うため、メッセージは、一旦SIPサーバ6002を経由してプレゼンスサーバ6003へ送信される(F602)。プレゼンスサーバ6003は、受信確認の応答である“200OK”をSIPサーバ6002を介して返信する(F603、F604)。また、プレゼンスサーバ6003は、SIPサーバ6002を介して、現在の被参照者6004のプレゼンス情報を“NOTIFY”メッセージで参照者6001に送信する(F605、F606)。参照者6001は、これに対し、SIPサーバ6002を介して受信確認応答“200OK”を返信する(F607、F608)。なお、参照者と被参照者は、サブスクリプションテーブルに登録される。
【0005】
通知予約(F601、602)を行うと被参照者6004のプレゼンス変更を契機に、プレゼンスサーバ6003が参照者6001にプレゼンス情報の通知を行う。具体的には、被参照者6004が、アプリケーション等を操作してプレゼンス情報の更新を行うと(F609)、プレゼンスサーバ6003が被参照者6004のプレゼンス情報の更新を検出し、SIPサーバ6002を介して参照者6001に対し、“NOTIFY”メッセージでプレゼンス情報の通知を行う(F610、F611)。参照者6001はこれに対し、受信確認応答“200OK”をSIPサーバ6002を介して返信する(F612、F613)。以上がプレゼンスサービスの動作例である。
【0006】
一方、実装では、いわゆるIM(Instant Message)にプレゼンスの概念が取り入れられており、メッセージを送信しようとする相手がオンラインになると、送信相手先にメッセージが通知される仕組みとして利用されている。また、IMクライアントのユーザインタフェースから「電話中」、「退席中」といった、プレゼンス情報を登録できるものも知られている。
【非特許文献1】RFC2778、IETF発行、2000年2月
【非特許文献2】RFC3265、IETF発行、2002年6月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術によるプレゼンスサービスでは、ユーザがクライアントアプリケーションを操作し、逐次ユーザ自身の状態をプレゼンス情報として登録する必要があり、煩わしい場合がある。例えば、電話をかける(または、受ける)場合、事前にクライアントアプリケーションを操作して電話中などのプレゼンスを登録する必要がある。また、操作が煩わしいためにユーザがプレゼンスの変更操作を怠ると正確なプレゼンス情報の把握ができず、相手の状態をリアルタイムに把握できるというプレゼンスサービスそのものが成り立たなくなる課題がある。
【0008】
本発明は以上の点に鑑み、IP電話や各種アプリケーションサーバ等の利用に関する、ユーザのプレゼンス情報の登録をプレゼンスサーバが自動で行うことを目的とする。また、本発明は、ユーザの操作負担の軽減を図ることを目的のひとつとする。また、本発明は、正確なプレゼンス情報の取得を可能とすることを目的とする。
【0009】
本発明は、ユーザがネットワークアプリケーションを利用するだけで、ユーザクライアントとアプリケーションサーバのセッション情報から、ユーザによるプレゼンス設定の操作なしにプレゼンスサーバが適切なプレゼンスを自動で登録することを目的とする。また、本発明は、ユーザによる登録漏れをなくしてプレゼンスを正確に把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では、例えば、プレゼンスサーバに、ネットワークに流れるユーザクライアントとアプリケーションサーバもしくは接続相手のクライアントとのセッション情報(例えばSIPプロトコル)を収集する機能と、収集したセッション情報の各項目値の組み合わせに対するプレゼンスの状態をマッチングさせる機能と、1つのマッチングパターンに対し1つもしくは複数のプレゼンスを設定できる機能を設ける。
【0011】
上記のセッション情報の収集機能は、ネットワークモニタリングソフトのようにネットワークに流れる情報(例えば、IPネットワークではパケット)をすべて参照し、その中からプレゼンスサーバの加入者に関するセッション情報のみをフィルタリングして収集を行うことができる。または、SIPによるネットワークでは、セッションの確立/切断などセッションの管理はSIPサーバが行うため、SIPサーバがプレゼンスサーバに、セッションの確立/切断を契機にセッション情報を通知する方式でもよい。
【0012】
上記のセッション情報とプレゼンスのマッチングは、セッション情報を含むセッション設定パケット(例えば、SIPメッセージではINVITEメッセージなど)から抽出される特定の情報項目の内容と登録すべきプレゼンス情報との関係を予め定義した複数のエントリを有するプレゼンス判定テーブルをプレゼンスサーバが備える。また、プレゼンスサーバは、クライアントから特定アプリケーションサーバへのセッション設定要求パケットの受信時に、上記プレゼンス判定テーブルを参照して、受信パケットに含まれる情報に対応するプレゼンス情報を検索して、プレゼンス情報テーブルに登録する。
【0013】
上記の1つのマッチングパターンに対し1つもしくは複数のプレゼンスを設定できる機能と、被参照者が予め設定する被参照者、参照者、プレゼンス項目及び粒度を関連付ける粒度判定テーブルとにより、同じマッチングパターンでも、参照者毎に通知するプレゼンス情報の粒度を指定することができる。例えば、親しい人にはより詳しい情報を通知し、そうでない人には、大まかな情報を通知するような運用が可能となる。例えば、親しい人(又は粒度Aとして設定している端末)には“写真がテーマのチャットルームに参加中”というプレゼンスを通知し、そうでない人(又は粒度Bとして設定している端末)には“チャット中”というプレゼンスを通知することができる。
【0014】
例えば、本発明は、セッションの確立を行う、少なくとも2つの通信アプリケーションと、前記アプリケーションのいずれかの状態を管理するプレゼンス管理装置と、前記通信アプリケーションが動作する装置、前記プレゼンス管理装置を接続する通信回線を備えたネットワークシステムにおいて、
前記プレゼンス管理装置は、
ネットワークから前記通信アプリケーションのセッション確立のためのセッション設定情報を取得する手段と、取得した前記セッション設定情報に含まれる各要素値の組み合わせと前記通信アプリケーションの状態を示すプレゼンス情報とをマッピングするテーブルを備え、前記通信アプリケーションのセッション設定情報によるセッション状態変化の検出を契機に、前記マッピングテーブルを検索する手段と、該検索結果をプレゼンス情報として登録する手段を有することを特徴のひとつとする。
【0015】
本発明の第1の解決手段によると、
クライアント端末間又はクライアント端末とアプリケーションサーバ間のセッションを管理するセッション管理サーバと、クライアント端末及びアプリケーションサーバの状態を示すプレゼンス情報を管理し、該プレゼンス情報を予め定められたクライアント端末及びアプリケーションサーバに通知するためのプレゼンスサーバとを備えた通信システムにおける前記プレゼンスサーバであって、
前記クライアント端末間又は前記クライアント端末と前記アプリケーションサーバ間で送受信されるセッションの確立又は切断のためのメッセージ中の、要求の目的を表すリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に対応して、該端末又はサーバの状態を示すプレゼンス情報が予め記憶されたプレゼンス判定テーブルと、
前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報と、該クライアント端末又は該アプリケーションサーバのプレゼンス情報とが対応して記憶されるプレゼンス情報テーブルと、
前記セッション管理サーバからの所定の情報に基づいてプレゼンス情報を特定し、前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報テーブルに登録するための処理部と
を備え、
前記処理部は、
プレゼンス情報が参照される被参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報を含む通知要求を、参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバから受信し、
セッションの確立又は切断のためのメッセージを受信した前記セッション管理サーバから、該メッセージに含まれるリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を受信し、
受信されたリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に基づき、前記プレゼンス判定テーブルを参照して、対応するプレゼンス情報を取得し、
受信された送信先識別情報又は送信元識別情報と、取得されたプレゼンス情報とを対応して前記プレゼンス情報テーブルに記憶し、
前記送信先識別情報又は送信元識別情報を含む通知要求を受信した参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバに、該プレゼンス情報を通知する前記プレゼンスサーバが提供される。
【0016】
本発明の第2の解決手段によると、
クライアント端末間又はクライアント端末とアプリケーションサーバ間のセッションを管理するセッション管理サーバと、
クライアント端末及びアプリケーションサーバの状態を示すプレゼンス情報を管理し、該プレゼンス情報を予め定められたクライアント端末及びアプリケーションサーバに通知するためのプレゼンスサーバと
を備え、
前記プレゼンスサーバは、
前記クライアント端末間又は前記クライアント端末と前記アプリケーションサーバ間で送受信されるセッションの確立又は切断のためのメッセージ中の、要求の目的を表すリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に対応して、該クライアント端末又は該アプリケーションサーバの状態を示すプレゼンス情報が予め記憶されたプレゼンス判定テーブルと、
前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報と、該端末又は該サーバのプレゼンス情報とが対応して記憶されるプレゼンス情報テーブルと、
前記セッション管理サーバからの所定の情報に基づいてプレゼンス情報を特定し、前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報テーブルに登録するための処理部と
を有し、
前記セッション管理サーバは、セッションの確立又は切断のためのメッセージを受信し、該メッセージに含まれるリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を前記プレゼンスサーバへ送信し、
前記プレゼンスサーバは、
プレゼンス情報が参照される被参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報を含む通知要求を、参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバから受信し、
セッションの確立又は切断のための、メッセージを受信した前記セッション管理サーバから、該メッセージに含まれるリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を受信し、
受信されたリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に基づき、前記プレゼンス判定テーブルを参照して、対応するプレゼンス情報を取得し、
受信された送信先識別情報又は送信元識別情報と、取得されたプレゼンス情報とを対応して前記プレゼンス情報テーブルに記憶し、
前記送信先識別情報又は送信元識別情報を含む通知要求を受信した参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバに、該プレゼンス情報を通知するセッション情報管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、IP電話や各種アプリケーションサーバ等の利用に関する、ユーザのプレゼンス情報の登録をプレゼンスサーバが自動で行うことができる。また、本発明によると、ユーザの操作負担の軽減を図ることができる。また、本発明によると、正確なプレゼンス情報の取得を可能とすることができる。
【0018】
本発明によると、ユーザがネットワークアプリケーションを利用するだけで、ユーザクライアントとアプリケーションサーバのセッション情報から、ユーザの操作なしにプレゼンスサーバが適切なプレゼンスを自動で登録することができる。また、本発明によると、ユーザによる登録漏れがないためにプレゼンスを正確に把握できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(ハード構成)
図1に、本実施の形態のSIPサーバ(セッション管理サーバ)およびプレゼンスサーバ(プレゼンス情報管理システム)が適用される通信ネットワークシステムの一例を示す。通信ネットワークシステムは、ネットワーク1006に接続された複数のクライアント端末1003(1003a、1003b、・・・)と、セッション管理機能を備えたSIPサーバ1001と、プレゼンスサーバ1002と、クライアント端末1003に情報サービスを提供するひとつ又は複数のアプリケーションサーバ1004とを備える。
【0020】
アプリケーションサーバ1004としては、例えばクライアントに映画を配信する映画配信サーバ1004aや、複数のクライアント間でチャットするためのチャットサーバ1004b、ネットワークを介して仲間と一緒に参加できるネットワークゲームサーバ1004d〜f、複数のクライアント間のTV会議をサポートするTV会議サーバ1004cなどが含まれる。なお、これら以外にも適宜のアプリケーションサーバを含んでもよいし、上述の中のいくつかを含んでもよい。ここで、図1において各装置に付随して括弧内に示した文字列は、SIPプロトコルで使用されるアドレス(SIP−URI)を示している。各クライアント端末1003とアプリケーションサーバ1004との接続(セッションの設定)は、SIPサーバ1001を介して行われる。
【0021】
なお、プレゼンス情報の被参照者及び参照者は、サービスによって、クライアント端末やアプリケーションサーバ等の場合がある。例えば、これから通信を行う通信相手の状態を知りたい場合は、相手クライアント端末が被参照者であり、駐車場の空き状況をリアルタイムに配信するような情報配信サービスでは、アプリケーションサーバが被参照者となる。なお、ここではSIPサーバとプレゼンスサーバを分けて記述しているが、一体となった構成でもよい。
【0022】
図2は、プレゼンスサーバ1002のブロック構成図を示す。プレゼンスサーバ1002は、ネットワーク1006に接続するためのネットワークインタフェース2001と、プロセッサ(CPU)2002と、メモリ2006とを有する。さらに、その他のデータファイルが蓄積される記憶装置2007(例えば、大容量メモリ、ハードディスクなどの大容量記憶装置)を有してもよい。なお、本実施の形態では大容量としているが、この容量は問わない。メモリ2003は、プロセッサ2002が実行する各種のプログラム2003と、プレゼンス判定テーブル2004と、粒度判定テーブル2005と、プレゼンス情報テーブル2009と、サブスクリプションテーブル2010とが記憶される。なお、各テーブルの構成については後に詳細に説明する。
【0023】
メモリ2006のプログラム2003には、本実施の形態が関係するプログラムとして、例えば、セッション情報取得処理ルーチン、プレゼンスマッチング処理ルーチン、プレゼンス情報登録処理ルーチン、プレゼンス情報通知ルーチン、サブスクリプション管理ルーチン、SIPプロトコル処理ルーチンが用意されている。なお、各ルーチンの処理については後述する。
【0024】
図3は、SIPサーバ1001のブロック構成図を示す。SIPサーバ1001は、ネットワーク1006に接続するためのネットワークインタフェース3001と、プロセッサ(CPU)3002と、プロセッサ3002が実行する各種のプログラム3003を記憶したメモリ3004とを有する。さらに、その他のデータファイルが蓄積される大容量記憶装置3005(例えば大容量メモリ、ハードディスクなどの大容量記憶装置)を有してもよい。なお、本実施の形態では大容量としているが、この容量は問わない。プログラム3003には、本実施の形態が関係するプログラムとして、セッション情報通知処理ルーチン、SIPプロトコル処理ルーチンが用意されている。なお、各ルーチンの処理については後述する。
【0025】
本実施の形態の特徴のひとつは、接続要求セッション設定パケット(INVITEメッセージ)を受信しセッションが確立したときに、SIPサーバ1001が、上記の接続要求セッション設定パケットの情報を、プレゼンスサーバ1002に通知し、プレゼンスサーバ1002が、上記接続要求パケットの情報をキーに該装置にあるプレゼンス判定テーブル2004を検索することにより、ユーザのセッションの状態に応じたプレゼンス情報をプレゼンス情報テーブル2009に自動登録することにある。すなわち、クライアント1003が意識的にプレゼンスの更新をしなくても、プレゼンスサーバ1002が自動的にプレゼンスを登録することができる。
【0026】
また、本実施の形態の他の特徴のひとつは、切断要求セッション設定パケット(BYEメッセージ)を受信しセッションが切断したときに、SIPサーバ1001が、上記の接続要求セッション設定パケットの情報を、プレゼンスサーバ1002に通知し、プレゼンスサーバ1002が、上記切断要求パケットの情報をキーに該装置にあるプレゼンス判定テーブル2004を検索することにより、ユーザのセッションの状態に応じたプレゼンス情報をプレゼンス情報テーブル2009に自動登録することにある。
【0027】
(データフォーマット)
図4は、接続要求セッション設定パケットの1つであるINVITEメッセージの一例を示す図である。INVITEメッセージを含むSIPメッセージは、SIPメッセージの種類(Request−Method、ここではINVITE)及び宛先(Request−URI)を表すスタートライン8001と、送信元(From、又は送信元識別情報、送信元アドレス)、宛先(To、又は送信先識別情報、送信先アドレス)、経路情報(Via)などの情報を含むヘッダフィールド8002と、その他情報を格納するボディ8004とを含む。また、空行8003を含む。なお、INVITEメッセージは、例えば、セッションを設定する際に送受信されるメッセージである。SIPセッションの記述には、SDP(Session Description Protocol)がボディに適用される。SDPには、セッション名(s)、コネクション情報(c)、メディア種別(m)など、セッションに関する情報が含まれている。
【0028】
図5は、SIPサーバ1001が、プレゼンスサーバ1002に通知するセッション情報通知パケット(又はメッセージ)の一例を示す。セッション情報通知パケットは、スタートライン9001と、ヘッダフィールド9002と、ボディ9004とを含む。また、空行9003を含む。本実施の形態では、REGISTERメッセージを利用し、ボディ9004に、例えば上述の接続要求セッション設定パケット(INVITEメッセージ)8005を含めてプレゼンスサーバ1002に通知する。本実施の形態では、SIPメッセージ(REGISTERメッセージ)による通知を例として挙げているが、セッション情報の通知が目的のため、セッション情報を通知できれば規格化されていない独自のフォーマット、手順等を使用してもよい。
【0029】
図6は、プレゼンスサーバ1002が備える、サブスクリプションテーブル2010の一例を示す。サブスクリプションテーブル2010は、通知予約(図6:F601、602)を行っている参照者(通知サービスを受けたいユーザ)の識別情報11002と、被参照者(プレゼンス情報を参照されるユーザ)の識別情報11001との関係が、対応づけられて予め記憶されている。例えば、被参照者と参照者はSUBSCRIBEメソッドの情報を基に登録される。例えば、被参照者はSubscribeメッセージのFromであり、参照者はSubscribeメッセージのTo又はリクエストURIである。識別情報としては、例えば、SIP−URI(図1参照)を用いることができる。例えば、図13のような予約通知の一連の手順(F601〜608)の完了を契機に、プレゼンスサーバ1002のプログラム2003にあるサブスクリプション管理ルーチンが、通知予約(F601、602)の参照者と被参照者の識別情報をサブスクリプションテーブル2010に登録する。例えば、プレゼンスサーバ1002は、SUBSCRIBEメッセージに含まれる参照者の識別情報及び被参照者の識別情報をサブスクリプションテーブル2010に登録する。サブスクリプションテーブル2010には、これら以外にも予約通知の有効時間11003の情報などを含むことができるが、これは例えばSIPの仕様を満たすための情報であるため、ここでは説明を省略する。
【0030】
プレゼンス情報に更新(図13ではF609に相当、本実施の形態では自動で更新)があると、例えば、プレゼンスサーバ1002のプログラム2003にあるプレゼンス情報通知ルーチンが、プレゼンス情報に更新のあったユーザをキーにサブスクリプションテーブル2010の被参照者11001を検索し、対応する参照者11002によりプレゼンス情報を通知すべき参照者11002を特定し、その参照者11002に、更新された被参照者のプレゼンス情報を通知(図13ではF610、F611に相当)する。
【0031】
図7は、プレゼンスサーバ1002が備える、プレゼンス判定テーブル2004の一例を示す。プレゼンス判定テーブル2004は、クライアント端末およびアプリケーションサーバが発行するSIPメッセージの内容(セッション情報)4001と、プレゼンス4002との関連を予め定義した複数のエントリを有する。SIPメッセージの内容4001としては、プレゼンスの特定に必要となる複数の情報項目、例えば、SIPメッセージの種類を示すリクエストメソッド(リクエストの識別子)4005、リクエストURI4006、送信先アドレス(To)4007、送信元アドレス(FROM)4008、セッション名(S)4009が含まれる。なお、その他の情報4010を含んでもよいし、上述の各情報項目のうちの適宜の項目を含むようにしてもよい。また、プレゼンス4002は、粒度毎のプレゼンス情報4003(4003a、4003b)と、プレゼンスID4004とを含む。
【0032】
プレゼンスIDは、プレゼンスの項目を一意にする予め定められた識別子である。本実施の形態では、例えばプレゼンスID「003」は、ユーザのテレビ会議システムの利用状況を意味するプレゼンスを指し、プレゼンスID「005」は、ネットワークゲームの利用状況を意味するプレゼンスを指す。
【0033】
なお、図7に示すプレゼンス判定テーブル2004にある“*”はワイルドカードを示す。エントリ4011の例では、リクエストメソッド4005が“INVITE”であり、かつ、リクエストURI4006および送信先アドレス4007がそれぞれ“conf@abc.com”であり、かつ、セッション名4009が“conf”の場合は、送信元アドレス4008が何であっても、プレゼンス情報テーブル2009のプレゼンスIDが003のプレゼンス情報として、粒度1及び2ともに“TV会議中”を登録する。これは、例えば、クライアント1003からTV会議サーバ1004cに接続要求を行う場合が該当する。一方、エントリ4012の例では、会議の招集を行う際のTV会議サーバ1004cからクライアント1003に接続要求を行う場合が該当する。
【0034】
エントリ4016の例では、リクエストメソッドが“INVITE”であり、かつ、セッション名4009が“voice”であれば、他の項目が何であっても、プレゼンス情報テーブル2009に“電話中”を登録する。これは、IP電話など、サーバを介さず端末間で直接通信を行う場合が該当する。ただし、IP電話のセッション名を例えば“voice”等と予め割り当てておく。
【0035】
エントリ4013、4014は、粒度毎にプレゼンス情報が異なる例である。粒度とは、プレゼンス情報の具体化の分解能を示すものである。粒度1では、被参照ユーザのプレゼンスが例えば“オンラインゲーム中”となるが、粒度2では例えば“オンラインゲームAに参加中”等となり、より具体的な情報を通知できる。
【0036】
エントリ4015は、マッチングの優先度の例である。プレゼンス判定テーブルは、例えばテーブルの上位の行(図の上の行)から検索・判定されることができ、上位ほど優先度が高い。エントリ4013〜4015を例に具体的に説明すると、ゲームサーバ“game_b@abc.com”に、あるクライアントが接続した場合、宛先(To)が“game_b@abc.com”であるエントリ4014が検索結果となる。一方、ゲームサーバ“game_z@abc.com”にクライアントが接続した場合は、宛先(To)が“game_z@abc.com”に該当するエントリはなく、ワイルドカードのエントリ4015が検索結果となる。このように優先度を利用することにより、非該当(この例では、プレゼンス判定テーブルに未登録のゲームサーバ)の場合に、デフォルトのプレゼンスを登録できる。
【0037】
図8は、プレゼンスサーバ1002が備える、プレゼンス情報テーブル2009の一例を示す。プレゼンス情報テーブル2009は、プレゼンス所有者(被参照者)の識別情報10001に対応して、プレゼンス所有者10001のプレゼンス情報をプレゼンスID毎に登録したテーブルである。プレゼンス所有者の識別情報は、例えば、SIP−URIを用いることができる。プレゼンス情報は、各プレゼンスIDに対して、例えば、粒度1のプレゼンス情報10002と、粒度2のプレゼンス情報10003とを含む。
【0038】
図9は、プレゼンスサーバが備える粒度判定テーブルの構成の一例を示す。
粒度判定テーブル2005は、例えば、被参照者の識別情報と、参照者の識別情報と、プレゼンスID毎の粒度とが対応して記憶される。例えば、被参照者が、参照者に対して、プレゼンス情報をどの程度の粒度(この例では、粒度1又は粒度2のいずれか)で提供するかが予め記憶される。例えば、被参照者が事前に粒度判定テーブル2005に粒度を登録することで、被参照者が参照者に対してプレゼンスID毎に公開する情報の粒度を設定することができる。図9に示す例では、被参照者(user_a@abc.com)は、参照者(user_b@abc.com)に対して、プレゼンスID“003”については粒度1のプレゼンス情報を通知し、プレゼンスID“005”についても粒度1のプレゼンス情報を通知する。一方、被参照者(user_a@abc.com)は、参照者(user_c@abc.com)に対して、プレゼンスID“003”については粒度1のプレゼンス情報を通知し、プレゼンスID“005”については粒度2のプレゼンス情報を通知する。なお、粒度は、粒度1、粒度2の2段階に限らず、適宜の数であってもよい。
【0039】
被参照者がゲームサーバ(game_a@abc.com)とセッションを接続した場合(例えば、プレゼンスID005)、図9の例では、被参照者(user_a@abc.com)が、参照者(user_b@abc.com)には、プレゼンスID“005”について“粒度1”で通知し、一方、参照ユーザ(user_c@abc.com)には、プレゼンスID“005”について“粒度2”で通知することとなる。したがって、参照者(user_b@abc.com)には“オンラインゲーム中”、参照者(user_c@abc.com)には“オンラインゲームAに参加中”というプレゼンスが通知される。
【0040】
図10では、本実施の形態の動作手順の一例を示す。この例は、セッション接続プロトコルにSIPを用いた例である。SIPでは、セッションの確立に、INVITEメッセージを用いる。F701からF708の手順で端末間の調整を行い、その結果にしたがい、セッションを確立する。なお、F701〜F708は、例えばプロトコルで定められた所定の手順と同様の手順とすることができる。音声や映像の場合は、RTP(Real−time Transport Protocol、RFC1889)で音声データや映像データの送受信を行う。
【0041】
F708のACKの送信によるセッションの確立を契機に、SIPサーバ1001(例えば、セッション情報処理ルーチン)がプレゼンスサーバ1002に、セッション情報を含むセッション情報通知パケット9007(F701のINVITEパケット8005の情報を含む)を通信する(F709)。プレゼンスサーバ1002は、SIPサーバ1001から受信したセッション情報をキーに、プレゼンス判定テーブル2004を検索して、プレゼンス情報の登録を行う。
【0042】
図11は、プレゼンス情報登録の処理のフローチャートである。
まず、プレゼンスサーバ1002(例えば、CPU2002、以下同様)は、SIPサーバ1001からセッション情報通知パケット9007を受信すると(S101)、例えば、セッション情報取得処理ルーチンがセッション情報通知パケット9007のボディ部9004から、プレゼンス判定テーブル2004の項目4005〜4010に相当する情報を抽出する(S103)。図5の例では、まず、セッション情報取得処理ルーチンは、セッション情報通知パケット9007のボディ9004から、リクエストメソッド(Request−Method;INVITE)と、リクエストURI(Request−URI;sip:game_a@abc.com)と、送信先アドレス9005(To;game_a<sip:game_a@abc.com>)と、送信元アドレス9006(From;user_a<sip:user_a@abc.com>)と、セッション名(s;Game)とを抽出する。
【0043】
次に、プレゼンスマッチング処理ルーチンが、プレゼンス判定テーブル2004を参照し、抽出された各情報が該当するエントリを検索する。図5のパケットの例では、エントリ4013が該当する。また、該当するエントリのプレゼンス情報4002(例えば、粒度毎のプレゼンス情報4003a及びb、プレゼンスID4004)を取得する(S105)。図5のパケットの例では、エントリ4013から、粒度1のプレゼンス情報として「オンラインゲーム中」、粒度2のプレゼンス情報として「オンラインゲームAに参加中」、プレゼンスIDとして「005」が取得される。
【0044】
次に、プレゼンスサーバは、プレゼンス情報テーブル2009にプレゼンス情報を登録する(S107)。例えば、まずプレゼンス情報登録処理ルーチンが、プレゼンス情報テーブル2009のプレゼンス所有者10001を参照し、確立したセッションの接続元(セッション情報通知パケット9007内のFROMヘッダ9006)、又は、接続先(セッション情報9007内のTOヘッダ9005)と一致するエントリを検索する。図5のパケットの例では、Fromヘッダが、user_a@abc.comであるので、エントリ10004が該当する。
【0045】
プレゼンス情報登録処理ルーチンは、該当するエントリに対して、プレゼンスマッチング処理ルーチンが取得したプレゼンスID4004と一致するプレゼンスIDのフィールドに、取得されたプレゼンス情報4003を登録する。例えば、該当するエントリ10004のプレゼンスID=005の粒度1に、取得された粒度1のプレゼンス情報「オンラインゲーム中」を登録し、プレゼンスID=005の粒度2に、取得された粒度2のプレゼンス情報「オンラインゲームAに参加中」を登録する。図8は、登録後のテーブルの状態を示す。また、Toヘッダとプレゼンス所有者10001が一致するエントリに、上述と同様にしてプレゼンス情報を登録してもよいし、FromヘッダとToヘッダのそれぞれについてプレゼンス情報を登録してもよい。
【0046】
このように、プレゼンスサーバ1002が、SIPサーバ1001からセッション情報通知パケット9007を受信すると、自動的にプレゼンス情報テーブル2009が更新され、以下の処理により、更新された情報が参照者に提供される。
【0047】
プレゼンスサーバ1002は、アプリケーション(サービス)の開始又は終了をプレゼンス情報の更新として検出して、参照者(例えば、user_b、user_c)にプレゼンス情報の通知を行う(F711〜F718)。user_bとuser_cは、予めuser_aにSUBSCRIBEを送信して、サブスクリプションテーブル2010に予め登録されることができる。
【0048】
図12は、プレゼンス情報通知の処理のフローチャートである。
まず、プレゼンス情報更新の検出(S201)を契機に、プレゼンスサーバ1002のプレゼンス情報通知ルーチンが、プレゼンス情報テーブル2009から該当ユーザに関するプレゼンス情報を取得する(S203)。例えば、プレゼンス情報通知ルーチンは、プレゼンス情報テーブル2009のプレゼンス情報が更新されたエントリから、プレゼンス所有者の識別情報10001(例えば、user_a@abc.com)と、更新されたプレゼンス情報のプレゼンスID(例えば、005)と、粒度1及び粒度2のプレゼンス情報(例えば、オンラインゲーム中、オンラインゲームAに参加中)を取得する。
【0049】
次に、プレゼンス情報通知ルーチンは、サブスクリプションテーブル2010を検索し、プレゼンス通知対象(プレゼンス情報が更新された被参照者に対応する参照者)を取得する(S205)。例えば、プレゼンス情報通知ルーチンは、取得されたプレゼンス所有者の識別情報をキーにサブスクリプションテーブル2010の被参照者の欄を検索し、対応する参照者(例えば、user_b@abc.com)を取得する。
【0050】
次に、プレゼンス情報通知ルーチンは、被参照者(又は取得されたプレゼンス所有者の識別情報)、参照者及び取得されたプレゼンスIDをキーに、粒度判定テーブル2005を検索し、対応する粒度(例えば、図9の例では粒度1)を決定する(S207)。プレゼンス情報通知ルーチンは、既に取得したプレゼンス情報から、取得された粒度のプレゼンス情報(例えば、オンラインゲーム中)を、“NOTIFY”メッセージに添付して参照者(例えば、クライアント端末1003b)に送信する(S209、図10F711、F712に相当)。
【0051】
一方、クライアント端末1003bは、SIPサーバ1001を介してプレゼンスサーバ1002に200OKを送信する。また、クライアント端末1003cが参照者であれば、上述と同様にクライアント1003cに対してNOTIFYメッセージを送信する(F715〜F718)
【0052】
なお、この例では、セッションの確立の契機をF708としたが、サービスの運用方式等により、F705の“200OK”の受信でも、F701の“INVITE”を契機としてもよい。また、本発明の変形例として、SIPサーバ1001がセッション情報をプレゼンスサーバ1002に通知するのではなく、プレゼンスサーバ1002が、ネットワークのパケットをモニタし、加入者のセッション情報のみをフィルタリングして取得するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、例えば、ユーザ又は端末の状態を通知又は管理する通信システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明が適用される通信ネットワークシステムの構成の一例を示す図。
【図2】本発明によるプレゼンスサーバのブロック図。
【図3】本発明によるSIPサーバのブロック図。
【図4】接続要求セッション設定パケットのメッセージフォーマットの一例。
【図5】セッション情報通知パケットのメッセージフォーマットの一例。
【図6】プレゼンスサーバが備えるサブスクリプションテーブルの構成の一例。
【図7】プレゼンスサーバが備えるプレゼンス判定テーブルの構成の一例。
【図8】プレゼンスサーバが備えるプレゼンス情報テーブルの構成の一例。
【図9】プレゼンスサーバが備える粒度判定テーブルの構成の一例。
【図10】本発明によるプレゼンス登録シーケンスの一例。
【図11】プレゼンス情報登録の処理のフローチャート。
【図12】プレゼンス情報通知の処理のフローチャート。
【図13】プレゼンスサービスの基本動作シーケンスを示す図。
【符号の説明】
【0055】
1001…SIPサーバ
1002…プレゼンスサーバ
1003…クライアント
1004…アプリケーションサーバ
1006…ネットワーク
2004…プレゼンス判定テーブル
2005…粒度判定テーブル
2009…プレゼンス情報テーブル
2010…サブスクリプションテーブル
2001、3001…ネットワークインタフェース
2002、3002…CPU
2003、3003…プログラム
2006、3004…メモリ
2007、3005…大容量記憶装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末間又はクライアント端末とアプリケーションサーバ間のセッションを管理するセッション管理サーバと、クライアント端末及びアプリケーションサーバの状態を示すプレゼンス情報を管理し、該プレゼンス情報を予め定められたクライアント端末及びアプリケーションサーバに通知するためのプレゼンスサーバとを備えた通信システムにおける前記プレゼンスサーバであって、
前記クライアント端末間又は前記クライアント端末と前記アプリケーションサーバ間で送受信されるセッションの確立又は切断のためのメッセージ中の、要求の目的を表すリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に対応して、該端末又はサーバの状態を示すプレゼンス情報が予め記憶されたプレゼンス判定テーブルと、
前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報と、該クライアント端末又は該アプリケーションサーバのプレゼンス情報とが対応して記憶されるプレゼンス情報テーブルと、
前記セッション管理サーバからの所定の情報に基づいてプレゼンス情報を特定し、前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報テーブルに登録するための処理部と
を備え、
前記処理部は、
プレゼンス情報が参照される被参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報を含む通知要求を、参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバから受信し、
セッションの確立又は切断のためのメッセージを受信した前記セッション管理サーバから、該メッセージに含まれるリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を受信し、
受信されたリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に基づき、前記プレゼンス判定テーブルを参照して、対応するプレゼンス情報を取得し、
受信された送信先識別情報又は送信元識別情報と、取得されたプレゼンス情報とを対応して前記プレゼンス情報テーブルに記憶し、
前記送信先識別情報又は送信元識別情報を含む通知要求を受信した参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバに、該プレゼンス情報を通知する前記プレゼンスサーバ。
【請求項2】
前記処理部は、
セッション確立又は切断のための、リクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を含むメッセージを含めて作成されたセッション情報通知パケットを受信し、該パケットから前記リクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を抽出し、
抽出された各情報に基づき前記プレゼンス判定テーブルが参照されて、対応するプレゼンス情報が取得される請求項1に記載のプレゼンスサーバ。
【請求項3】
プレゼンス情報の参照者としての前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報と、プレゼンス情報が参照される被参照者としての前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報とが、対応して登録されるサブスクリプションテーブル
をさらに備え、
前記処理部は、
前記プレゼンス情報テーブルに記憶されるプレゼンス情報が更新又は新たに登録されると、該プレゼンス情報と、対応する被参照者の識別情報とを、前記プレゼンス情報テーブルから取得し、
取得された被参照者の識別情報に基づいて前記サブスクリプションテーブルを参照し、対応する参照者の識別情報を取得し、
該参照者の識別情報に従い、取得されたプレゼンス情報を前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバに通知する請求項1又は2に記載のプレゼンスサーバ。
【請求項4】
被参照者の識別情報と参照者の識別情報とに対応して、被参照者が参照者に示す情報の細かさを示す粒度が、予め登録される粒度判定テーブル
をさらに備え、
前記プレゼンス判定テーブルのプレゼンス情報は、粒度毎のプレゼンス情報を含み、
前記処理部は、
前記プレゼンス情報テーブルから取得された被参照者の識別情報と、前記サブスクリプションテーブルから取得された参照者の識別情報とに基づいて、前記粒度判定テーブルから対応する粒度を取得し、
前記プレゼンス情報テーブルのプレゼンス情報のうち該粒度のプレゼンス情報を、参照者としての前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバに通知する請求項3に記載のプレゼンスサーバ。
【請求項5】
前記プレゼンス判定テーブルは、リクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に対応してプレゼンス識別子がさらに記憶され、
前記プレゼンス情報テーブルは、各識別情報について、プレゼンス識別子毎のプレゼンス情報が記憶され、
前記粒度判定テーブルは、プレゼンス識別子毎の粒度が記憶される請求項1乃至4のいずれかに記載のプレゼンスサーバ。
【請求項6】
前記送信先識別情報は、SIPメッセージのToヘッダ情報であり、
前記送信元識別情報は、SIPメッセージのFromヘッダ情報である請求項1に記載のプレゼンスサーバ。
【請求項7】
クライアント端末間又はクライアント端末とアプリケーションサーバ間のセッションを管理するセッション管理サーバと、
クライアント端末及びアプリケーションサーバの状態を示すプレゼンス情報を管理し、該プレゼンス情報を予め定められたクライアント端末及びアプリケーションサーバに通知するためのプレゼンスサーバと
を備え、
前記プレゼンスサーバは、
前記クライアント端末間又は前記クライアント端末と前記アプリケーションサーバ間で送受信されるセッションの確立又は切断のためのメッセージ中の、要求の目的を表すリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に対応して、該クライアント端末又は該アプリケーションサーバの状態を示すプレゼンス情報が予め記憶されたプレゼンス判定テーブルと、
前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報と、該端末又は該サーバのプレゼンス情報とが対応して記憶されるプレゼンス情報テーブルと、
前記セッション管理サーバからの所定の情報に基づいてプレゼンス情報を特定し、前記プレゼンス情報を前記プレゼンス情報テーブルに登録するための処理部と
を有し、
前記セッション管理サーバは、セッションの確立又は切断のためのメッセージを受信し、該メッセージに含まれるリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を前記プレゼンスサーバへ送信し、
前記プレゼンスサーバは、
プレゼンス情報が参照される被参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバの識別情報を含む通知要求を、参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバから受信し、
セッションの確立又は切断のための、メッセージを受信した前記セッション管理サーバから、該メッセージに含まれるリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報を受信し、
受信されたリクエストメソッド又はセッション名と送信先識別情報と送信元識別情報とを含むセッション情報に基づき、前記プレゼンス判定テーブルを参照して、対応するプレゼンス情報を取得し、
受信された送信先識別情報又は送信元識別情報と、取得されたプレゼンス情報とを対応して前記プレゼンス情報テーブルに記憶し、
前記送信先識別情報又は送信元識別情報を含む通知要求を受信した参照者の前記クライアント端末又は前記アプリケーションサーバに、該プレゼンス情報を通知するセッション情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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