説明

プレゼンテーション支援システム、プレゼンテーション支援方法、及びプレゼンテーション支援プログラム

【課題】リスナーの反応がプレゼンターに伝達され易いプレゼンテーション支援システムを提供する。
【解決手段】プレゼンター端末にはメインウィンドウとサブウィンドウ40とが表示され、リスナー端末にはメインウィンドウと表示がリンクされたリンクウィンドウが表示される。リンクウィンドウには手書きでの書き込みが可能であり、書き込みが行われるとサブウィンドウ40に表示される詳細分析画面52が更新される。詳細分析画面52は、資料の各エリアを、書き込み数に応じて色分け表示するとともに、この種類毎の書き込み数を示す数値を各エリアに記載したものである。プレゼンターは、この詳細分析画面52を参照することで、リスナーの反応を知ることをできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーションを支援するプレゼンテーション支援システム、プレゼンテーション支援方法、及びプレゼンテーション支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載されているように、プレゼンター側の端末とリスナー側の端末とをインターネットなどの通信ネットワークを介して接続し、プレゼンター側の端末の画面切換に同期させリスナー側の端末の画面を切り替えることによって、スクリーンにスライドを表示する場合と同様の効果を得られるようにしたプレゼンテーション支援システムが知られている。
【0003】
また、下記特許文献1には、リスナー側の端末で質問を入力すると、この質問がプレゼンター側の端末に表示される質問機能や、プレゼンター側の端末とリスナー側の端末との接続状況を監視することによって途中参加者や途中退場者などの有無が判るようにした参加者把握機能や、リスナー側の端末でリスナーが後に参照するためのメモを入力できるメモ機能などの各種機能が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−047999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、リスナーの反応をプレゼンターに伝達し難く、例えば、リスナーが理解できていないのに、プレゼンターが話しを先に進めてしまうなどの問題があった。
【0006】
つまり、上記特許文献1のシステムでは、リスナーの反応をプレゼンターに伝達する際に、前述した質問機能が用いられることになる。しかし、リスナーにとっては、プレゼンターが話しをしている最中に、質問の文章を考えて入力することは難しい。また、プレゼンターにとっても、話をしながら質問の内容を確認することは難しく、かといって、質問が入力される毎に話を中断して質問の内容を確認するわけにもいかない。このように、上記特許文献1の質問機能は、リスナーの反応がプレゼンターに伝達され難かった。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、リスナーの反応がプレゼンターに伝達され易いプレゼンテーション支援システム、プレゼンテーション支援方法、及びプレゼンテーション支援プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明のプレゼンテーション支援システムは、プレゼンテーションを行うプレゼンターが所有するプレゼンター端末と、前記プレゼンター端末と通信ネットワークを介して接続され、プレゼンテーションを聴講するリスナーのそれぞれが所有する複数のリスナー端末とを有するプレゼンテーション支援システムにおいて、前記プレゼンター端末に表示された資料画像を各リスナー端末に表示させるとともに、前記プレゼンター端末に表示された資料画像の切り替えに同期して各リスナー端末に表示させる資料画像を切り替えるリスナー画面制御手段と、各リスナー端末に設けられ、表示された資料画像に対して手書き操作により追記を行うための入力手段と、各リスナー端末において追記された情報を収集し、収集した情報を追記の位置に基づいて資料画像上に重ねて表示することによって分析画像を生成し、生成した分析画像を前記プレゼンター端末の表示手段に表示させるプレゼンター画面制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
前記プレゼンター画面制御手段は、追記のなされた資料画像を解析し、この解析結果に基づいて、追記のなされた資料画像を複数のエリアに区分し、区分された各エリア毎の追記数をカウントし、各エリア上または各エリアの近傍に、対応するエリアへの追記数を表示することによって前記分析画像を生成するものでもよい。
【0010】
前記プレゼンター画面制御手段は、追記のなされた資料画像を解析し、この解析結果に基づいて、追記のなされた前記資料画像を複数のエリアに区分するとともに、区分された各エリア毎の追記数をカウントし、各エリアを追記数に応じた色に着色することによって前記分析画像を生成するものでもよい。
【0011】
前記プレゼンター画面制御手段は、追記のなされた資料画像を解析し、この解析結果に基づいて、追記のなされた資料画像を複数のエリアに区分し、区分された各エリア毎の追記数をカウントし、各エリア上または各エリアの近傍に、対応するエリアへの追記数を表示するとともに、各エリアを追記数に応じた色に着色することによって前記分析画像を生成するものでもよい。
【0012】
前記プレゼンター画面制御手段は、各リスナー端末で行われた追記を追記毎に前記資料画像に重ねて表示することによって前記分析画像を生成するものでもよい。
【0013】
前記追記の内容を他端末に公開するか否かを前記リスナーに選択させるための公開可否選択手段を備え、前記プレゼンター画面制御手段は、公開の許容された追記に基づいて前記分析画像を生成するものでもよい。
【0014】
前記追記の種別を前記リスナーに選択させるための追記種別選択手段を備え、前記プレゼンター画面制御手段は、前記追記の種別毎に複数種類の分析画像を生成するものでもよい。
【0015】
前記複数種類の分析画像のいずれを表示させるかを前記プレゼンターに選択させるための表示画像選択手段を備え、前記プレゼンター画面制御手段は、選択された分析画像を表示させるものでもよい。
【0016】
前記プレゼンター端末及び前記リスナー端末と前記通信ネットワークを介して接続されたサーバ端末を備え、前記サーバ端末に、前記リスナー画面制御手段、前記プレゼンター画面制御手段を設けてもよい。
【0017】
前記サーバ端末は、前記資料画像及び前記追記の内容を記憶する記憶手段を備えているものでもよい。
【0018】
前記記憶手段は、前記資料画像の表示切換の時期と前記追記の時期とを対応付けして記憶するものでもよい。
【0019】
また、本発明のプレゼンテーション支援方法は、プレゼンテーションを行うプレゼンター端末に表示された資料画像を、プレゼンテーションを聴講する各リスナー端末に表示させるとともに、前記プレゼンター端末に表示された資料画像の切り替えに同期して各リスナー端末に表示させる資料画像を切り替えるリスナー画面制御ステップと、各リスナー端末に表示された資料画像に対して手書き操作による追記を許容するとともに、追記された情報を収集する収集ステップと、収集した追記の情報を追記の位置に基づいて資料画像上に重ねて表示することによって分析画像を生成する画像生成ステップと、生成された分析画像を前記プレゼンター端末に表示させるプレゼンター画面制御ステップとを備えたことを特徴としている。
【0020】
さらに、本発明のプレゼンテーション支援プログラムは、プレゼンテーションを行うプレゼンター端末に表示された資料画像を、プレゼンテーションを聴講する各リスナー端末に表示させるとともに、前記プレゼンター端末に表示された資料画像の切り替えに同期して各リスナー端末に表示させる資料画像を切り替えるリスナー画面制御機能と、各リスナー端末に表示された資料画像に対して手書き操作による追記を許容するとともに、追記された情報を収集する収集機能と、収集した追記の情報を追記の位置に基づいて資料画像上に重ねて表示することによって分析画像を生成する画像生成機能と、生成された分析画像を前記プレゼンター端末に表示させるプレゼンター画面制御機能とをコンピュータに実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、リスナーの手書きのメモがプレゼンターに伝達されるので、質問入力欄へ質問をタイプして入力する場合と比較して伝達が簡単であり、リスナーの反応がプレゼンターに伝わり易い。また、メモやメモの集計結果をこのメモの位置に基づいて資料画像に重ねて表示するので、質問表示欄に質問が羅列される場合と比較して、説明(資料画像)のどの部分に対してリスナーが反応を示しているのかを、プレゼンターが直感的に分かり易い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】プレゼンテーション支援システムの構成を示す構成図である。
【図2】プレゼンター端末にメインウィンドウと設定タグとが表示された状態を示す説明図である。
【図3】メインウィンドウとリンクウィンドウの表示をリンクさせる手順を示すフローチャートである。
【図4】サブウィンドウの表示の更新手順を示すフローチャートである。
【図5】収集処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】集計処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】プレゼンター端末にメインウィンドウとサブウィンドウとが表示された状態を示す説明図である。
【図8】サブウィンドウに通常分析画面が表示された状態を示す説明図である。
【図9】サブウィンドウに詳細分析画面が表示された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1において、プレゼンテーション支援システム10は、プレゼンター端末12と、リスナー端末14と、サーバ16とから構成される。プレゼンター端末12及びリスナー端末14は、インターネットやLANなど周知の通信ネットワーク18を介してサーバ16と接続されている。
【0024】
プレゼンター端末12は、プレゼンテーション支援システム10を利用してプレゼンテーションを行うプレゼンターが使用する端末である。本実施形態では、プレゼンター端末12として周知のノート型のパソコンを用いている。一方、リスナー端末14は、プレゼンテーション支援システム10を利用してプレゼンテーションを聴講するリスナーが使用する端末である。本実施形態では、リスナー端末14としてタッチパネル式のディスプレイを備えた周知のタブレット型のパソコンを用いている。
【0025】
サーバ16には、通信部20、記憶部22、制御部24が設けられている。通信部20は、通信ネットワーク18を介してプレゼンター端末12及びリスナー端末14と接続されており、接続された端末との間で情報の送受信を行う。記憶部22には、制御プログラムや制御データ、プレゼンテーションの支援プログラム、支援プログラムの実行時に使用されるプレゼンテーションの予約情報や識別情報などの各種情報が記憶されている。
【0026】
制御部24は、記憶部22から情報を読み出し、読み出した情報に基づいてサーバ16の各部を駆動制御する。また、制御部24は、支援プログラムが起動されると、この支援プログラムに基づいて、プレゼンター端末12のディスプレイ12a、及び、リスナー端末14のディスプレイ14aを制御し、これらディスプレイ12a、14aに各種画面を表示させる。
【0027】
支援プログラムは、プレゼンター端末12がサーバ16にアクセスし、予め登録されたユーザー名やパスワードを入力するなどしてログインした後、サーバ16に対して起動指示や終了指示を入力することによって起動及び終了できる。支援プログラムが起動されると、初期画面がプレゼンター端末12に表示される。初期画面には、予約、予約の変更、プレゼンテーション実行など各種タグが表示され、プレゼンターは、プレゼンター端末12を操作してこれらのタグのいずれかを選択できる。
【0028】
予約タグを選択すると、予約するプレゼンテーションのタイトルや開始日時などを入力する入力画面が表示され、この入力画面に従って情報(タイトルや開催日時)を入力することで、新たなプレゼンテーションの予約を行うことができる。そして、予約が完了すると、この予約されたプレゼンテーションに、他のプレゼンテーションと区別するための識別番号が付与され、付与された識別番号がプレゼンター端末12に通知される。
【0029】
予約変更タグを選択すると、予約済みのプレゼンテーションの識別番号を入力する入力画面が表示され、識別番号を入力すると、この識別番号に対応するプレゼンテーションの予約内容を変更できる。また、プレゼンテーション実行タグを選択すると、予約済みのプレゼンテーションの識別番号を入力する入力画面が表示され、識別番号を入力すると、この識別番号に対応するプレゼンテーションの支援処理が開始される。
【0030】
図2に示すように、支援処理が開始されると、制御部24は、プレゼンター端末12のディスプレイ12aに、メインウィンドウ30、設定タグ32を表示させる。メインウィンドウ30には、プレゼンターがプレゼンテーションで用いるスライドなどの資料が表示される。メインウィンドウ30の表示は、プレゼンター端末12を操作することで自由に切り替えることができる。
【0031】
設定タグ32は、選択することで各種設定を行うためのメニュー画面が表示される。そして、このメニュー画面に従ってプレゼンター端末12を操作することによって、各種設定を行ったり、支援処理を終了させたり、後述するサブウィンドウ40(図7〜9参照)の表示または非表示を選択できる。
【0032】
また、支援処理が開始されると、リスナー端末14からサーバ16へアクセス可能な状態となり、リスナーは、リスナー端末14を操作してサーバ16にアクセスし、参加するプレゼンテーションの認識番号を入力することでプレゼンテーションに参加できる。なお、サーバ16へのアクセス方法やレゼンテーションの認識番号は、予約を行ったプレゼンターが、例えば、電子メールなどを用いて各リスナー宛に通知したり、プレゼンテーションの会場で口頭で伝えるなど周知の各種方法でリスナーに伝達できる。
【0033】
前述のように、識別番号を入力することによってリスナーがプレゼンテーションに参加すると、制御部24は、リスナー端末14のディスプレイ14aにリンクウィンドウ(図示せず)を表示させる。リンクウィンドウには、メインウィンドウ30と同じ画面が表示されるようになっており、メインウィンドウ30の表示が切り替わると、これに同期してリンクウィンドウの表示も切り替わる。
【0034】
図3に示すように、制御部24は、支援処理中はメインウィンドウ30の表示を監視し、表示が切り替えられると、これに同期してリンクウィンドウの表示を切り替える。このように、制御部24は、リスナー画面制御手段として機能する。なお、メインウィンドウとリンクウィンドウとを完全にリンクさせなくてもよい。例えば、リスナー端末からの操作によって画像の一部を拡大、縮小できるようにしてもよい。また、過去にリンクウィンドウに表示された資料についてはリスナー端末からの操作により遡って表示できるようにしてもよい。
【0035】
リンクウィンドウに表示された資料には、メモなどを書き込むことができるようになっている。また、書き込みを行う際には、例えば、メモ、質問など、書き込みの種類を指定できるようになっている。リスナーは、例えば、リンクウィンドウが表示された状態でメニューを立ち上げて書き込みを選択し、この後、書き込みの種類を指定して書き込み可能な状態へと移行させてからディスプレイ14aにタッチ操作を行うことにより表示された資料に対して直接手書きでメモや質問などを書き込むことができる。このように、ディスプレイ14aは、手書きによる入力手段として機能する。
【0036】
図4に示すように、制御部24は、支援処理中は常に書き込みの有無を監視しており、書き込みが行われると、収集処理と、集計処理とを行う。図5に示すように、収集処理では、書き込みをそのまま画像データとして記憶部22に記憶する。また、制御部24は、この画像データに対応付けして、書き込みが行われたときに表示されていた資料(資料の何頁目に書き込みがなされたかなど)を示す情報、書き込みの種類(メモであるか質問であるか)を示す情報、及び、書き込み日時を示す情報からなる書き込み関連情報を記憶部22に記憶する。
【0037】
図6に示すように、集計処理では、資料を複数のエリアに区画し、いずれのエリアに対して書き込みがなされたかを判定し、書き込みの種類毎及び各エリア毎の書き込み数を算出する。資料の区画は、例えば、資料がHTML形式である場合は、この資料をコード解析することで資料中の文章や画像がどのように区画(エリア分け)されて配置されているかが判るので、これに基づいて段落毎、画像、写真毎にエリア分けを行えばよい。また、資料が前述したHTMLのように予め区画されたものでない場合は、周知の画像解析により、文章と画像を区画したり、情報の集中状態(文字の集合度合い)に応じて文章の段落を識別して段落毎に区画するなどすればよい。
【0038】
いずれのエリアに対して書き込みがなされたかの判定は、例えば、書き込みとの重複度合いが最も高いエリアや、書き込みと最も近接しているエリアに対して書き込みがなされていると判定すればよい。また、書き込み数を算出は、新たに書き込みがなされる毎に、このエリアの書き込み数をカウントするカウンタのうち、新たな書き込みと同じ種類の書き込み数をカウントしているカウンタの数値を1ずつ加算すればよい。
【0039】
このように、収集・集計された書き込みに関する情報は、プレゼンター端末12において設定タグ32を選択し、サブウィンドウ40を表示させることで確認できる。例えば、図7に示すように、サブウィンドウ40は、表示直後はディスプレイ12aの隅にメインウィンドウ30よりも小さく表示され、サブウィンドウ40をクリックすることで表示領域を拡大できる。
【0040】
サブウィンドウ40には、図8に示す通常分析画面50と、図9に示す詳細分析画面52とが表示される。これら各画面50、52は、各画面50、52に表示された通常分析タグ60、詳細分析タグ62を選択することで切り替えることができる。
【0041】
図8において、通常分析画面50は、収集処理の結果を示すものであり、リンクウィンドウに表示された資料に書き込まれた書き込みそのものを、その種類毎に、書き込みの行われた資料に重ねて表示したものである。通常分析画面50にはタグ50a、50b、50cが表示され、タグ50aを選択すると、全ての種類の書き込みが資料に重ねて表示され、タグ50bを選択すると、メモとして書き込まれた書き込みが資料に重ねて表示され、タグ50cを選択すると、質問として書き込まれた書き込みが資料に重ねて表示される。
【0042】
図9において、詳細分析画面52は、集計処理の結果を示すものであり、資料の各エリアを、種類毎の書き込み数に応じて色分け表示するとともに、この種類毎の書き込み数を示す数値を各エリアに記載したものである。詳細分析画面52には、タグ52a、52b、52cが表示され、タグ52aを選択すると、全ての種類の書き込み数に応じて色分け表示と数値の記載とが行われ、タグ52bを選択すると、メモとして書き込まれた書き込みの書き込み数に応じて色分け表示と数値の記載とが行われ、タグ52cを選択すると、質問として書き込まれた書き込みの書き込み数に応じて色分け表示と数値の記載とが行われる。
【0043】
なお、図9では、資料がエリア70、71、72、73、74、75の6つのエリアに区分され、エリア70には選択されたタグに対応する種類の書き込みが無く、エリア71には2つの書き込みがあり、エリア72には5つの書き込みがあり、エリア73には7つの書き込みがあり、エリア74には12の書き込みがあり、エリア75には15の書き込みがある例を示している。
【0044】
また、図9では、書き込みが無いエリア(すなわちエリア70)は着色せず、書き込みが1〜3のエリア(すなわちエリア71)は薄い黄色で着色し、書き込みが4〜6のエリア(すなわちエリア72)は黄色で着色し、書き込みが7〜9のエリア(すなわちエリア73)は薄いオレンジで着色し、書き込みが10〜12のエリア(すなわちエリア74)はオレンジで着色し、書き込みが13以上のエリア(すなわち、エリア75)は赤で着色した例を示している。
【0045】
前述のように、制御部24は、支援処理中は常に書き込みの有無を監視しており、書き込みが行われる毎に前述した収集処理、集計処理を行う。そして、この収集処理及び集計処理の結果に基づいてサブウィンドウ40の表示画面(通常分析画面50及び詳細分析画面52)をリアルタイムで更新する(図4参照)。このように、制御部24は、プレゼンター画面制御手段として機能する。
【0046】
以上のようにプレゼンテーション支援システム10では、プレゼンテーション中に通常分析画面や詳細分析画面を観察することでリスナーの反応が直感的に分かりやすい形式でプレゼンターに伝達される。また、手書きにより書き込みを行えるので、リスナーの反応がよりプレゼンターに伝わりやすい。これにより、リスナーが理解できていないのに、プレゼンターが話しを先に進めてしまうなどの問題を防止できる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、細部の構成は適宜変更できる。例えば、上記実施形態では、プレゼンター端末とリスナー端末とサーバとからプレゼンテーション支援システムを構成する例で説明をしたが、サーバを廃止してもよい。この場合、サーバの制御部や記憶部に対応する機能をプレゼンター端末に設けるとともに、サーバを介さずにプレゼンター端末とリスナー端末とを直接接続すればよい。
【0048】
また、上記実施形態では、プレゼンター端末としてノート型のパソコンを用いる例で説明をしたが、プレゼンター端末は、サーバと通信する通信機能、各種画面を表示する表示機能、各種操作を行うための操作機能を有していればよいので、ノート型のパソコンに限定されず、例えば、デスクトップ型のパソコン、タブレット型のパソコン、スマートフォン、PDAなど周知の各種端末を用いることができる。
【0049】
また、上記実施形態では、リスナー端末としてタブレット型のパソコンを用いる例で説明をしたが、リスナー端末は、前述したプレゼンター端末の機能に加え、手書きでメモを入力できる機能を有していればよいので、タブレット型のパソコンに限定されず、デスクトップ型のパソコン、ノート型のパソコン、スマートフォン、PDAなど周知の各種端末を用いることができる。
【0050】
また、上記実施形態では、リンクウィンドウに表示された資料が、閲覧のみを対象としている例で説明をしたが、リンクウィンドウに表示された資料をリスナー端末に保存できるようにしてもよい。さらに、例えば、プレゼンター端末側で保存を許容するか否かを示す属性情報を資料毎(または資料の部分毎)に予め登録しておき、保存が許容された資料(または、資料の一部)についてはリスナー端末へ保存できるようにし、保存が許容されていない資料(または、資料の一部)についてはリスナー端末で閲覧のみできるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、リスナー端末の書き込みの全てが収集、集計されてプレゼンター端末に伝達(公開)される例で説明をしたが、書き込みの種類として、公開されない種類(例えば、プライベート)を設け、書き込みの種類としてプライベートを選択することでこの書き込みがプレゼンター端末に公開されないようにしてもよい。
【0052】
また、書き込みの色を選択可能とし、色によって書き込みの種類を区別してもよい。さらに、書き込みの種類として、例えば、メモを選択した際は書き込みが黄色でなされ、質問を選択した際は書き込みが青色でなされるといったように、書き込みの種類に応じて書き込みの色を変化させてもよい。また、反対に、書き込む際の色を指定するだけで書き込みの種類が変化するようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、1画面(または1ページ)毎に資料をエリア分けする例で説明をしたが、資料のエリア分割手法は適宜変更できる。例えば、1連の画像からなるアニメーションなどを1つのエリアとして区分したり、アニメーションを構成する各画像のそれぞれを1つのエリアとして区分したり、アニメーションを構成する各画像のそれぞれをさらに複数のエリアに区分してもよい。
【0054】
また、書き込みがいずれのエリアに対してなされたものであるかの判定手法も適宜変更できる。例えば、矢印や引き出し線、吹き出しなど、書き込みに含まれる特徴的な記号を画像解析などの手法を用いて検出し、これら記号により指し示されたエリアに対して書き込みがなされたと判定してもよい。
【0055】
さらに、書き込みに含まれる特徴的な記号を画像解析などの手法を用いて検出し、書き込みの種類が自動的に判定されるようにしてもよい。この場合、例えば、クエスチョンマークが検出されたか否か、感嘆符やエクスクラメーションマークが検出されたか否か、文章に付された下線やハイライト表示が検出されたか否かなどに基づいて、書き込みの種類を判定すればよい。
【0056】
また、サブウィンドウに表示する画面は、リスナーの反応がプレゼンターに伝わりやすければよいので、上記実施形態に限定されず、例えば、通常分析画面において、書き込み数に応じて資料上に重ねて表示する書き込みの色が変化するようにしてもよい。もちろん、エリア毎に区別し、書き込みの多いエリアと書き込みの少ないエリアとで資料上に重ねて表示する書き込みの色が異なるようにしてもよい。さらに、書き込み数に応じて、資料上に重ねて表示する書き込み表示態様(点灯や点滅、点滅スピード)を変化させてもよい。
【0057】
同様に、詳細分析画面において、各エリアの書き込み数に応じて、各エリアの表示態様や、各エリアに表示された書き込み数を表す数字の表示態様を変化させてもよい。さらに、書き込み数が多くなるほど、書き込み数を表す数字の大きさを大きくしたり、数字の線の太さを太くしてもよい。さらに、書き込み数を表す数字をエリアに重ねて表示する例で説明をしたが、エリアの近傍に表示してもよい。
【0058】
また、書き込みの収集・集計結果に加え、プレゼンテーションに参加しているリスナーの参加数をプレゼンター端末に表示してもよい。参加数は、制御部がリスナー端末の新規アクセスやアクセスの切断を監視することによって検出できる。もちろん、現時点の参加者の数だけでなく、途中参加者数や途中退場者数を表示してもよい。また、参加者数と、時間や資料の何ページ目が表示されているかなどメインディスプレイの表示とを関連付けした図表を作成し、これを表示してもよい。
【0059】
さらに、プレゼンテーションに参加する際に参加者に識別情報(氏名や年齢、性別、社員番号や会員番号など)を入力させることによって、どのような参加者が参加しているのかをより詳しく表示してもよい。もちろん、リスナー端末のIPアドレスなど参加者の識別情報をサーバやプレゼンター端末が自動的に取得するようにしてもよい。また、予め、参加予定者の識別情報を登録しておき、予定された参加者が欠席したり、予定されていない参加者が参加した旨を表示してもよい。
【0060】
さらに、上記実施形態では、リスナーはプレゼンテーションの識別番号を入力するだけでプレゼンテーションに参加できる例で説明をしたが、プレゼンター(端末)と同様にリスナー(端末)も登録制とし、プレゼンテーションに参加する際に、登録されたIDやパスワードなどを入力させるようにしてもよい。また、参加を許可する参加者の識別情報を登録しておき、登録されている参加者のみプレゼンテーションへの参加を許容するようにしてもよい。こうすることによってセキュリティ性を向上できる。
【0061】
また、上記実施形態では、書き込みの収集・集計結果(通常分析画面や詳細分析画面)を、プレゼンター端末に表示する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。書き込みの収集・集計結果(通常分析画面や詳細分析画面)を、リスナー端末に表示させてもよい。こうすることで、リスナーが他のリスナーの反応を知ることができ(リスナー同士が反応を共有でき)、便利である。
【0062】
さらに、上記実施形態では、プレゼンテーション中に、書き込みの収集・集計結果(通常分析画面や詳細分析画面)を表示する例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、書き込みそのものの画像データ及び書き込み関連情報に、書き込みが行われた時のメインウィンドウの表示(資料の何ページ目が表示されていたかなど)を対応付けして記憶しておき、プレゼンテーション中のメインウィンドウやリンクウィンドウ、サブウィンドウの表示の推移を、プレゼンテーションの終了後に、再現できるようにしてもよい。こうすることで、各書き込みがどのような状況でなされたか(書き込みがなされた時間やそのとき表示されていたメインウィンドウの画面(資料の何ページ目が表示されていたかなど))が判るのでプレゼンテーションの様子を振り返って今後に生かすことが可能であり便利である。
【0063】
もちろん、プレゼンター端末において、プレゼンテーション終了後にプレゼンテーションの様子を再現するだけでなく、リスナー端末において、プレゼンテーション終了後にプレゼンテーションの様子を再現できるようにしてもよい。なお、リスナー端末においてプレゼンテーションの様子を再現する際には、自身が書き込んだ書き込みのみを再現するようにしてもよい。さらに、書き込みそのものの画像データをリスナー端末にも記憶させ、自身の書き込みを自由なタイミングで確認できるようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、通常分析画面と詳細分析画面との2つの画面を表示できる例で説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、これらのいずれか一方だけを表示してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、書き込みが行われる毎に収集・集計する例で説明を行う例で説明をしたが、収集・集計のタイミングは適宜変更できる。例えば、一定時間毎、表示された資料が切り替わる毎に収集・集計を行ってもよい。同様に、集計・収集結果の反映(通常分析画面と詳細分析画面の更新)タイミングも適宜変更できる。
【符号の説明】
【0066】
10 プレゼンテーション支援システム
12 プレゼンター端末
12a ディスプレイ
14 リスナー端末
14a ディスプレイ
16 サーバ
18 通信ネットワーク
20 通信部
22 記憶部
24 制御部
30 メインウィンドウ
40 サブウィンドウ
50 通常分析画面
52 詳細分析画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレゼンテーションを行うプレゼンターが所有するプレゼンター端末と、前記プレゼンター端末と通信ネットワークを介して接続され、プレゼンテーションを聴講するリスナーのそれぞれが所有する複数のリスナー端末とを有するプレゼンテーション支援システムにおいて、
前記プレゼンター端末に表示された資料画像を各リスナー端末に表示させるとともに、前記プレゼンター端末に表示された資料画像の切り替えに同期して各リスナー端末に表示させる資料画像を切り替えるリスナー画面制御手段と、
各リスナー端末に設けられ、表示された資料画像に対して手書き操作により追記を行うための入力手段と、
各リスナー端末において追記された情報を収集し、収集した情報を追記の位置に基づいて資料画像上に重ねて表示することによって分析画像を生成し、生成した分析画像を前記プレゼンター端末の表示手段に表示させるプレゼンター画面制御手段とを備えたことを特徴とするプレゼンテーション支援システム。
【請求項2】
前記プレゼンター画面制御手段は、追記のなされた資料画像を解析し、この解析結果に基づいて、追記のなされた資料画像を複数のエリアに区分し、区分された各エリア毎の追記数をカウントし、各エリア上または各エリアの近傍に、対応するエリアへの追記数を表示することによって前記分析画像を生成することを特徴とする請求項1記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項3】
前記プレゼンター画面制御手段は、追記のなされた資料画像を解析し、この解析結果に基づいて、追記のなされた前記資料画像を複数のエリアに区分するとともに、区分された各エリア毎の追記数をカウントし、各エリアを追記数に応じた色に着色することによって前記分析画像を生成することを特徴とする請求項1記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項4】
前記プレゼンター画面制御手段は、追記のなされた資料画像を解析し、この解析結果に基づいて、追記のなされた資料画像を複数のエリアに区分し、区分された各エリア毎の追記数をカウントし、各エリア上または各エリアの近傍に、対応するエリアへの追記数を表示するとともに、各エリアを追記数に応じた色に着色することによって前記分析画像を生成することを特徴とする請求項1記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項5】
前記プレゼンター画面制御手段は、各リスナー端末で行われた追記を追記毎に前記資料画像に重ねて表示することによって前記分析画像を生成することを特徴とする請求項1記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項6】
前記追記の内容を他端末に公開するか否かを前記リスナーに選択させるための公開可否選択手段を備え、
前記プレゼンター画面制御手段は、公開の許容された追記に基づいて前記分析画像を生成することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項7】
前記追記の種別を前記リスナーに選択させるための追記種別選択手段を備え、
前記プレゼンター画面制御手段は、前記追記の種別毎に複数種類の分析画像を生成することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項8】
前記複数種類の分析画像のいずれを表示させるかを前記プレゼンターに選択させるための表示画像選択手段を備え、
前記プレゼンター画面制御手段は、選択された分析画像を表示させることを特徴とする請求項7記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項9】
前記プレゼンター端末及び前記リスナー端末と前記通信ネットワークを介して接続されたサーバ端末を備え、
前記サーバ端末に、前記リスナー画面制御手段、前記プレゼンター画面制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項10】
前記サーバ端末は、前記資料画像及び前記追記の内容を記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項11】
前記記憶手段は、前記資料画像の表示切換の時期と前記追記の時期とを対応付けして記憶することを特徴とする請求項10記載のプレゼンテーション支援システム。
【請求項12】
プレゼンテーションを行うプレゼンター端末に表示された資料画像を、プレゼンテーションを聴講する各リスナー端末に表示させるとともに、前記プレゼンター端末に表示された資料画像の切り替えに同期して各リスナー端末に表示させる資料画像を切り替えるリスナー画面制御ステップと、
各リスナー端末に表示された資料画像に対して手書き操作による追記を許容するとともに、追記された情報を収集する収集ステップと、
収集した追記の情報を追記の位置に基づいて資料画像上に重ねて表示することによって分析画像を生成する画像生成ステップと、
生成された分析画像を前記プレゼンター端末に表示させるプレゼンター画面制御ステップとを備えたことを特徴とするプレゼンテーション支援方法。
【請求項13】
プレゼンテーションを行うプレゼンター端末に表示された資料画像を、プレゼンテーションを聴講する各リスナー端末に表示させるとともに、前記プレゼンター端末に表示された資料画像の切り替えに同期して各リスナー端末に表示させる資料画像を切り替えるリスナー画面制御機能と、
各リスナー端末に表示された資料画像に対して手書き操作による追記を許容するとともに、追記された情報を収集する収集機能と、
収集した追記の情報を追記の位置に基づいて資料画像上に重ねて表示することによって分析画像を生成する画像生成機能と、
生成された分析画像を前記プレゼンター端末に表示させるプレゼンター画面制御機能とをコンピュータに実現させるためのプレゼンテーション支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−77167(P2013−77167A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216682(P2011−216682)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】