説明

プレピットの形成された情報記録媒体、記録/再生装置及び記録/再生方法

【課題】 情報記録媒体の最終化を速かにするための情報記録媒体及び記録/再生装置、記録/再生方法を提供する。
【解決手段】 本発明による情報記録媒体は、媒体の最終化のための領域にプレピットが既形成されている。本発明によれば、情報記録媒体の製造時に、このような情報記録媒体の最終化時にデータを満たさねばならない部分をプレピットとして既形成することにより、以後に情報記録媒体を使用してから、この媒体を最終化する時にかかる時間を節約して情報記録媒体の最終化を速かにしうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体に係り、さらに具体的には、このような情報記録媒体の最終化を速かにしうる構造を有する情報記録媒体、記録/再生装置及び記録/再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、光情報記録媒体、例えば、光ディスクは、非接触式に情報を記録/再生する光ピックアップ装置の情報記録媒体として広く採用され、情報記録容量によってコンパクトディスク(CD:Compact Disk)、デジタル多機能ディスク(DVD:Digital Versatile Disk)に区分される。そして、情報の記録、消去及び再生の可能な光ディスクとして、650MB CD−R、CD−RW、4.7GB DVD+R/RW、DVD−RAM(ランダム アクセス メモリ)、DVD−R/RWがあり、再生専用ディスクとして650MB CD、4.7GB DVD−ROM(リード オンリ メモリ)がある。さらに、記録容量が15GB以上であるHD(High Definition)DVDまたはBD(Blue−ray Disk)もあり、それ以上となるディスク、例えば、超解像再生技術を使用するスーパーレンズディスクも開発が進行中である。
【0003】
現在、4.7GB級の記録、消去及び再生の可能な光ディスクとして、DVD−RAMとDVD−RWとが挙げられる。特に、このような二つのディスクには、データ記録時に光ピックアップが円周方向に一定したトラックに沿うように、グルーブが作られており、このようなグルーブは、基板を製造するためのスタンパーの製造時、すなわち、マスタリング時に作られる。しかし、DVD−RAMとDVD−RWとの最も大きい差異点としては、記録領域が挙げられ、DVD−RAMは、グルーブ領域と二つの隣接したグルーブ領域の間に位置したランド領域との何れにも記録し、一定した物理的な単位でアクセスするために、各単位のアドレスが入っている物理的ID(IDentifier)領域がピット形態で形成されている。一方、DVD−RWの場合は、グルーブ領域にのみ記録し、別途のピットが形成されておらず、その代りに、ランド領域にピット形態でブロックアドレスが入っている。また、DVD−RWのグルーブの深さは、記録、再生の特性を代表するジッタ特性で最良の特性を表す深さ及び幅を使用している。DVD−RWの概略的なグルーブの深さは、20〜40nmであって、λ/12以下であり、これは、DVD−RAMで使用している深さ(λ/6)より浅い。しかし、ユーザによって変更されないピットによる信号及び情報が、DVD−RWでも必要となれば、λ/12以下の深さにピットを作るしかない。
【0004】
ピットの深さによる再生信号を波長650nm、NA 0.60、最小マーク長0.42μmで計算すれば、図1Aないし図1Dに示したように現れる。図1Aないし図1Dにおいて、横軸は、nsを表し、縦軸は、正規化されているため、単位はない。図1Aは、ピットの深さがλ/3である時に得られる再生信号を表し、図1Bは、ピットの深さがλ/4である時に得られる再生信号を表し、図1Cは、ピットの深さがλ/6である時に得られる再生信号を表し、図1Dは、ピットの深さがλ/12である時に得られる再生信号を表す。
【0005】
そして、これを最大値、すなわち、DVD−RAMの深さから出る信号で正規化させれば、図2に示したような結果が出る。図2に示された結果からλ/12(0.08λ)以下の深さにピットを形成する場合、3Tまたは14Tマークの再生信号がλ/4(0.25λ)の深さにおける結果に比べて、約30%以下の信号レベルを表す。したがって、このような信号としては、信頼性のあるピット信号を得られず、結果的にピットの深さを調節する必要がある。
【0006】
このため、DVD−RAMにおいて、ピット及びグルーブの深さをλ/6ほどにするので、グルーブによるプッシュプル信号とピットからの再生信号とが容易に得られる。
【0007】
しかし、DVD−RWのように記録されたマークの記録/再生のために、グルーブの深さが浅い場合には、グルーブの深さが勝手に調節できない。したがって、このような問題点を考慮して、米国特許5,501,926号明細書は、光ディスクで反応を起こす特殊フォトレジストを使用し、エッチング工程を使用して、深さの異なる2種類のピットまたはグルーブを製造する方案を提示している。しかし、この方法は、工程が複雑で、全体的な製造コストが高まるという短所がある。
【0008】
また、米国特許5,500,850号明細書で提示した方法の場合、製造工程は、簡単であるが、深さの異なるグルーブを作るためには、二つのレーザの経路を非常に精密に合わせねばならない必要がある。
【0009】
また、エッチング工程を多数利用して製造する方法も提示された。すなわち、エッチングを利用して、二重深さのディスクを製造しうるが、工程が非常に複雑であり、収率が良くないので、結果的なディスクのコスト側面で非常に不利である。
【0010】
これを克服するために、本出願の発明者は、特許出願番号2000−0030034(米国特許6,906,994号明細書)で記録パワーを調節して、深さの異なるグルーブ及びピットを構成する方法を提示した。
【0011】
このように、深さの異なるグルーブ及びピットの形成が可能になるにつれて、これを利用して光ディスクの最終化を速かにしうる方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような要求によって光ディスクの最終化を速かにしうる情報記録媒体、記録/再生装置及び記録/再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明の一つの特徴は、情報記録媒体において、前記媒体の最終化のための領域にプレピットが既形成されていることである。前記最終化のための領域は、ミドル領域を備えることが望ましい。
【0014】
前記媒体には、グルーブがさらに形成されている。前記グルーブの深さと前記プレピットの深さとは、異なることが望ましい。前記グルーブの底部と前記プレピットの底部とは、同じ面に存在するか、または同一でない面に存在することが望ましい。前記媒体の最終化のための領域にプレピットが既形成されているか否かを表す情報が、前記媒体の所定領域に記録されていることが望ましい。前記所定領域は、前記媒体のリードイン領域または前記リードイン領域の制御データ領域を備えうる。
【0015】
本発明の他の特徴は、少なくとも一つの層を有する情報記録媒体において、ユーザデータが記録されるデータ領域と、前記媒体の最終化を速かにするためにプレピットが既形成されているミドル領域とを備える、前記媒体の最終化のための領域を備えることである。
【0016】
前記データ領域に記録されるデータ容量によってフレキシブルに配列されるフレキシブルミドル領域をさらに備え、前記フレキシブルミドル領域には、記録マーク形態でデータが記録されることが望ましい。
【0017】
本発明のさらに他の特徴は、情報記録媒体に/からデータを記録/再生する記録/再生装置において、前記情報記録媒体に/からデータを記録/読み取りする記録/読み取り部と、前記媒体の所定領域から最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報を読み取るように前記記録/読み取り部を制御し、前記情報から前記情報記録媒体の最終化時に前記媒体の最終化のための領域にデータを記録するか否かを決定する制御部と、を備えることである。
【0018】
前記制御部は、前記媒体の制御データ領域から前記最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報を読み取るように、前記記録/読み取り部をさらに制御することが望ましい。
【0019】
前記制御部は、前記情報が、前記最終化のための領域にプレピットが形成されていることを表す場合には、前記媒体の最終化時に、前記最終化のための領域にデータを記録しないように記録/読み取り部を制御し、前記最終化のための領域にプレピットが形成されていないことを表す場合には、前記媒体の最終化時に、前記最終化のための領域にデータを記録するように前記記録/読み取り部を制御することが望ましい。
【0020】
本発明のさらに他の特徴は、情報記録媒体に/からデータを記録/再生する記録/再生方法において、前記媒体の所定領域から最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報を読み取るステップと、前記情報から前記情報記録媒体の最終化時に前記媒体の最終化のための領域にデータを記録するか否かを決定するステップと、を含むことである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によって、情報記録媒体の製造時に、このような情報記録媒体の最終化時にデータを満たさねばならない部分をプレピットとして既形成すれば、以後に情報記録媒体を使用してからその媒体を最終化する時にかかる時間を節約して、情報記録媒体の最終化を速かにしうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】波長650nm、NA 0.60、最小マーク長0.42μmでピットの深さによる再生信号の特性を示すグラフである。
【図1B】波長650nm、NA 0.60、最小マーク長0.42μmでピットの深さによる再生信号の特性を示すグラフである。
【図1C】波長650nm、NA 0.60、最小マーク長0.42μmでピットの深さによる再生信号の特性を示すグラフである。
【図1D】波長650nm、NA 0.60、最小マーク長0.42μmでピットの深さによる再生信号の特性を示すグラフである。
【図2】図1Cに示されたピットの深さλ/4の結果を基準に正規化した結果を示すグラフである。
【図3】本発明によって情報記録媒体の最終化のための領域がプレピット形態で形成された情報記録媒体を示す図である。
【図4】図3に示された本発明の一例であって、グルーブの底面と最終化のための領域のプレピットの底面とが同じ面上に位置し、グルーブの深さとプレピットの深さとは、異なる形態の例を示す図である。
【図5】図3に示された本発明の他の例であって、グルーブの底面と最終化のための領域のプレピットの底面とが異なる面上に位置し、グルーブの深さとプレピットの深さとは、異なる形態の例を示す図である。
【図6】本発明によって媒体の最終化のためのミドル領域にプレピットが形成された二重層情報記録媒体の構造の一例を示す図である。
【図7】本発明によって媒体の最終化のためのミドル領域にプレピットが形成された二重層情報記録媒体の構造の他の例を示す図である。
【図8】本発明によって媒体の最終化のための領域にプレピットが形成されたことを表す情報を記録するための領域の例を示す図である。
【図9】本発明によって媒体の最終化のための領域にプレピットが形成されたことを表す情報を読み取って利用する記録/再生装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0024】
図3は、本発明によって情報記録媒体の最終化のための領域がプレピット形態で形成された情報記録媒体を示す。図3を参照するに、本発明による情報記録媒体100には、このような情報記録媒体の最終化のための領域35がプレピットとして形成されている。
【0025】
情報記録媒体の“最終化”とは、媒体にデータを記録して使用し、それ以上データを記録せず、再生専用で媒体を使用するためのプロセスを称す。情報記録媒体の最終化のためのプロセスでは、例えば、前記媒体が最終化されたことを表す情報を、前記媒体の所定領域に記録すること、媒体の既定の特定領域に所定のデータを記録して満たすことを含む。従来には、媒体の最終化のために、このような特定の領域に所定のデータを満たさねばならないので、媒体の最終化に長時間がかかったが、本発明では、このような媒体の最終化のための特定領域を情報記録媒体の製造時にプレピットとして既形成することによって、媒体の最終化時に、この特定領域にデータを満たすのに必要な時間を短縮させうる。したがって、本発明による情報記録媒体によって媒体の最終化時間を速かにしうる。特に、多層の情報記録媒体の場合に、このような最終化時間の節約の効果は、さらに大きい。
【0026】
前記媒体の最終化時に、最終化のためのデータを満たさねばならない特定の領域は、情報記録媒体の規格によってその領域が変わりうる。例えば、このような特定領域は、ミドル領域を備え、情報記録媒体の規格によっては、媒体のリードイン領域やリードアウト領域の一部領域となることもできる。または、それ以外の他の領域となることもできる。
【0027】
このように、媒体の最終化のための領域にプレピットを形成するとき、媒体のデータ領域に設けられたグルーブの深さと媒体の最終化のための領域に形成されたプレピットの深さとは、異なることが望ましい。これは、前述したように、信頼性のあるプレピット信号を得るためである。
【0028】
また、前述したように、グルーブとピットとが共に存在する情報記録媒体を製造する方法は、多様であるため、いかなる方法を使用しても関係ない。但し、最終的に製造された基板及び光情報記録媒体は、グルーブ及びピットの深さが、図4または図5に示された形態となることができる。
【0029】
図4は、図3に示された本発明の一例として、グルーブの底面と最終化のための領域のプレピットの底面とが同じ面上に位置し、グルーブの深さとプレピットの深さとは、異なる形態の例を表す。図4を参照するに、本発明の一例による情報記録媒体100でデータ領域またはそれ以外の領域には、グルーブ31とランド32とからなるトラックが形成されており、媒体の最終化のための領域35には、プレピット36が形成されている。グルーブ31には、データの記録によって記録マーク33が形成され、ランド32には、ランドプレピット34が形成されている。
【0030】
図4に示された一例では、グルーブ31の底面と媒体の最終化のための領域35に形成されたプレピット36の底面とは、何れもb1であって、底面の高さは、同一であり、グルーブ31の深さは、d1であり、媒体の最終化のための領域35に形成されたプレピット36の深さは、d2であって、異なる。
【0031】
図5は、図3に示された本発明の他の例として、グルーブの底面と最終化のための領域のプレピットの底面とが異なる面上に位置し、グルーブの深さとプレピットの深さとは、異なる形態の例を表す。図5を参照するに、本発明の一例による情報記録媒体100で、データ領域またはそれ以外の領域には、グルーブ31とランド32とからなるトラックが形成されており、媒体の最終化のための領域35には、プレピット36が形成されている。グルーブ31には、データの記録によって記録マーク33が形成され、ランド32には、ランドプレピット34が形成されている。
【0032】
図5に示された一例では、グルーブ31の底面は、b2であり、媒体の最終化のための領域35に形成されたプレピット36の底面は、b3であって、底面の高さは、異なる。そして、グルーブ31の深さは、d1であり、媒体の最終化のための領域35に形成されたプレピット36の深さは、d2であって、異なる。
【0033】
図6は、本発明によって媒体の最終化のためのミドル領域にプレピットが形成された二重層情報記録媒体の構造の一例を示す。図6を参照するに、情報記録媒体200は、レイヤ#0(L0)とレイヤ#1(L1)とを含む二重層構造である。レイヤ#0は、データ領域59、第1固定されたミドル領域51、第1未使用領域52、第1バッファ領域53、第1専用領域54を備え、レイヤ#1は、データ領域60、第2固定されたミドル領域55、第2専用領域56、第2バッファ領域57、第2未使用領域58を備える。
【0034】
本発明によって第1固定されたミドル領域51と第2固定されたミドル領域55とには、情報記録媒体200の製造時にプレピットが形成されている。
【0035】
残りの領域をさらに紹介すれば、データ領域59,60には、データがレイヤ#0から記録され始めてレイヤ#1に記録される。第1専用領域54と第2専用領域56とは、所定の目的のために所定のデータが記録される部分であって、例えば、テスト領域または最適パワー制御領域として使われる。第1未使用領域52と第2未使用領域58とは、それぞれ第2専用領域56及び第1専用領域54の使用のために未使用として残す領域であり、第1バッファ領域53と第2バッファ領域57とも、第2専用領域56及び第1専用領域54の効果的な使用のためにバッファリングの役割を行う領域である。
【0036】
図7は、本発明によって媒体の最終化のためのミドル領域にプレピットが形成された二重層情報記録媒体の構造の他の例を示す。図7を参照するに、情報記録媒体300は、レイヤ#0(L0)とレイヤ#1(L1)とを含む二重層構造である。レイヤ#0は、データ領域61、第1フレキシブルミドル領域62、未記録領域63、第1固定されたミドル領域51、第1未使用領域52、第1バッファ領域53、第1専用領域54を備え、レイヤ#1は、データ領域64、第2フレキシブルミドル領域65、未記録領域66、第2固定されたミドル領域55、第2専用領域56、第2バッファ領域57、第2未使用領域58を備える。
【0037】
本発明によって第1固定されたミドル領域51と第2固定されたミドル領域55とには、情報記録媒体200の製造時にプレピットが形成されている。第1フレキシブルミドル領域62と第2フレキシブルミドル領域65とは、データ領域に記録するデータ容量によってフレキシブルにその位置が配列されるので、情報記録媒体の製造時にプレピット形態で形成されず、例えば、グルーブトラックに記録マーク形態でデータが記録される。フレキシブルミドル領域は除いても、固定されたミドル領域を、このように情報記録媒体の製造時にプレピットとして形成することによって、以後の情報記録媒体の最終化時に固定されたミドル領域にデータを満たさねばならない時間を節約することによって、結局、情報記録媒体の最終化を速かにしうる。
【0038】
このように、フレキシブルにミドル領域が配列される構造で、ドライブシステムは、媒体に記録するデータ容量を把握してから、レイヤ#0とレイヤ#1とに記録される容量が類似するようにレイヤ#0とレイヤ#1とにデータを記録してから、データの記録が終了したことを表すために、データの記録が終了された部分以後に、図7に示したように、フレキシブルにミドル領域62,65を配し、残りの領域は、記録されない状態にする。このように、フレキシブルにミドル領域を配列することによって、データ領域の残りの空間を何れも満たさなくてもよいので、情報記録媒体の最終化にかかる時間を節約しうる。残りの領域51〜58は、図6に示された領域の説明と同じであるので、それ以上の説明は省略する。
【0039】
以上の実施例と関連した説明では、情報記録媒体の最終化のための領域としてミドル領域のみを例として挙げたが、最終化に使われる時間を減らせる他の領域がある場合には、その領域も同一にプレピットとして形成させればよい。したがって、本発明で情報記録媒体の最終化のために製造時にプレピット形態で形成する領域は、ミドル領域に限定しないということを、当業者ならば、十分に理解できるであろう。
【0040】
図8は、本発明によって媒体の最終化のための領域にプレピットが形成されたことを表す情報を記録するための領域の例を示す。図8を参照するに、本発明による情報記録媒体100は、リードイン領域10と、ユーザデータ領域20と、媒体の最終化のための領域35と、を備える。
【0041】
ユーザデータ領域20は、ユーザデータを記録するための領域であり、媒体の最終化のための領域35は、プレピットが既形成されている。前述したように、媒体の最終化のための領域35は、ミドル領域となりうる。
【0042】
リードイン領域10は、既記録領域11と再記録可能領域12とを備える。既記録領域11は、制御データ領域13を備え、制御データ領域13には、媒体に関連した情報が既記録されている。特に、本発明によって最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報は、このような制御データ領域13に記録されることが望ましい。最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報は、いかなる形態で表示されても良いが、一例として、次のように表示される。
【0043】
00b:最終化のための領域にプレピットが形成されていない。
【0044】
01b:最終化のための領域にプレピットが形成されている。
【0045】
もちろん、最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報は、制御データ領域13以外の他の領域に記録されることもある。
【0046】
再記録可能領域12は、バッファ14と、次の使用のための予約領域15と、媒体のテストのためのテスト領域16と、ドライブまたはディスク状態関連情報を含む情報領域17と、を備える。
【0047】
図9は、本発明によって媒体の最終化のための領域にプレピットが形成されたことを表す情報を読み取って利用する記録/再生装置の概略図を示す。図9を参照するに、本発明による記録/再生装置90は、記録及び/または再生が可能な装置であって、記録/読み取り部91及び制御部92を備える。便宜上、記録/再生装置は、全体的にまたは部分的に、ホストに連結された別途のボックスにハウジングされた外部的ドライブシステムまたはホスト内にハウジングされた内部的ドライブシステムと言及される。
【0048】
記録/読み取り部91は、制御部92の制御によって、本発明による情報記録媒体100に/からデータを記録/再生する。制御部92は、ホストの命令によって情報記録媒体100に/からデータを記録/読み取りするように記録/読み取り部91を制御するか、または記録/読み取り部91によって読み取られたデータを処理して有効なデータを得る。ホストは、記録/再生装置90の外部に配列されることもあり、記録/再生装置90の内部に配列されるように具現されることもある。
【0049】
特に、本発明によって、制御部92は、情報記録媒体100を最終化しようとするとき、媒体100の制御データ領域13にある“最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報”を読み取るように記録/読み取り部91を制御する。記録/読み取り部91が制御部92の制御によって媒体100の制御データ領域13から“最終化のための領域にプレピットが形成されているか否かを表す情報”を読み取って制御部92に提供すれば、制御部92は、前記提供された情報から媒体の最終化のための領域にプレピットが形成されたか否かを判断する。
【0050】
判断結果、媒体の最終化のための領域にプレピットが形成されている場合には、媒体の最終化時に、このような媒体の最終化のための領域に再びデータを記録するように記録/読み取り部91を無用に制御することを防止しうる。
【0051】
判断結果、媒体の最終化のための領域にプレピットが形成されていない場合には、もちろん媒体の最終化時に、このような媒体の最終化のための領域にデータを記録するように記録/読み取り部91を制御する。
【0052】
以上、本発明についてその望ましい実施例を中心に説明した。当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現されるということが理解できるであろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に現れており、それと同等な範囲内にある全ての差異点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。例えば、情報記録媒体は、データ保存容量を増加させるためにマルチ記録層で構成される。また、最終化領域に既形成のプレピットは、プレピットから強い再生信号を保証するために必要ないかなる深さにもなり、情報記録媒体のいかなる位置にも配列されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体において、
ユーザデータを保存するためのユーザデータ領域と、
製造メーカによって選択的にエンボスされる固定されたミドル領域と、
前記固定されたミドル領域の外周に順次に形成される未記録領域、バッファ領域、専用領域と、
前記固定されたミドル領域がエンボスされているか否かを表す情報を保存する所定領域と、
前記データ領域に記録されるデータのサイズによって配列されるフレキシブルミドル領域と、
を備えることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項2】
前記媒体には、グルーブがさらに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記ミドル領域はプレピットを含み、前記グルーブの深さと前記プレピットの深さとは、異なることを特徴とする請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記グルーブの底部と前記プレピットの底部とは、同一面に存在するか、または同一でない面に存在することを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記所定領域は、前記媒体のリードイン領域または前記リードイン領域の制御データ領域を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記フレキシブルミドル領域には、記録マーク形態でデータが記録されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項7】
前記未記録領域、前記バッファ領域、前記専用領域は前記媒体の最終化時最終化目的のデータが記録されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項8】
情報記録媒体に/からデータを記録/再生する記録/再生装置において、
前記情報記録媒体に/からデータを記録/読み取りする記録/読み取り部と、
前記媒体の所定領域から固定されたミドル領域がエンボスされているか否かを表す情報を読み取るように前記記録/読み取り部を制御し、前記情報を用いてデータ記録動作を制御する制御部と、を備え、
情報記録媒体は、
データ領域と、
製造メーカによって選択的にエンボスされる固定されたミドル領域と、
前記固定されたミドル領域の外周に順次に形成される未記録領域、バッファ領域、専用領域と、
前記固定されたミドル領域がエンボスされているか否かを表す情報を保存する所定領域と、
前記データ領域に記録されたデータのサイズによって配列されるフレキシブルミドル領域を含むことを特徴とする記録/再生装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記情報が、前記ミドル領域がエンボスされていることを表す場合には、前記媒体の最終化時に前記ミドル領域にデータを記録しないように記録/読み取り部を制御し、前記ミドル領域がエンボスされていないことを表す場合には、前記媒体の最終化時に前記ミドル領域にデータを記録するように前記記録/読み取り部を制御することを特徴とする請求項8に記載の記録/再生装置。
【請求項10】
前記未記録領域、前記バッファ領域、前記専用領域は前記媒体の最終化時最終化目的のデータが記録されることを特徴とする請求項8に記載の記録/再生装置。
【請求項11】
情報記録媒体に/からデータを記録/再生する記録/再生方法において、
前記媒体の所定領域からミドル領域がエンボスされているか否かを表す情報を読み取るステップと、
前記情報を用いてデータ記録動作を制御するステップと、を含み、
前記情報記録媒体は、
データ領域と、
製造メーカによって選択的にエンボスされる固定されたミドル領域と、
前記固定されたミドル領域の外周に順次に形成される未記録領域、バッファ領域、専用領域と、
前記固定されたミドル領域がエンボスされているか否かを表す情報を保存する所定領域と、
前記データ領域に記録されたデータのサイズによって配列されるフレキシブルミドル領域を含むことを特徴とする記録/再生方法。
【請求項12】
前記読み取りステップは、
前記媒体の制御データ領域から前記情報を読み取るステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の記録/再生方法。
【請求項13】
前記情報が、前記ミドル領域がエンボスされていることを表す場合には、前記媒体の最終化時に前記ミドル領域にデータを記録しないように制御し、前記ミドル領域がエンボスされていないことを表す場合には、前記媒体の最終化時に前記ミドル領域にデータを記録するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の記録/再生方法。
【請求項14】
前記未記録領域、前記バッファ領域、前記専用領域は前記媒体の最終化時最終化目的のデータが記録されることを特徴とする請求項11に記載の記録/再生方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−227995(P2011−227995A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179850(P2011−179850)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【分割の表示】特願2008−537591(P2008−537591)の分割
【原出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】