説明

プログラマブル表示器、制御システム及び電力消費状況の表示方法

【課題】多数の電力量計等の計測機器の設置や装置の追加をすることなく、安価かつリアルタイム性のある電力消費状況の表示を行う。
【解決手段】プログラマブル表示器1は、制御対象としてのデバイス、及び/又は、制御対象としてのデバイスを制御する制御装置と通信可能に接続するための通信部と、デバイスの部品画像を表示する表示画面11と、部品画像の押下による入力を受け付けるためのタッチパネル12と、各デバイスの動作状況に応じて、各デバイスの消費電力を求めるための消費電力データを記憶するデータメモリ15と、消費電力データに基づき、複数のデバイスの組み合わせで構成される配電系統の消費電力を推定値する演算を行う演算部と、を備え、表示画面11は、消費電力推定値により変化する電力消費状況画像3を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内に配され、タッチパネルを有する表示画面で制御対象の状況表示や操作入力を行うプログラマブル表示器に関する。又、プログラマブル表示器に制御対象として空調機器等を接続した制御システムに関する。又、プログラマブル表示器での電力消費状況の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、家庭等の各種建築物には、照明等の機器のON/OFFや、空調機器の温度設定など、各機器の動作の設定を、集中的に管理するため、制御盤が設けられることがある。そして、視覚的に動作状況等を把握可能とする等の目的からディスプレイ等によって表示機能を付加することがある。そして、近年の環境問題の観点から、及び、光熱費削減によるコスト低減の観点から、機器の動作状況だけではなく、ビル等での電力量の消費状況をディスプレイ等に表示させることがある。このような電力量消費状況の表示を行って、例えば、不必要な機器の停止や、空調の温度設定の変更等を促し、ユーザの省エネ意識を啓発しようとする。
【0003】
具体的に、家庭での電力量消費状況の表示に関する発明が特許文献1に記載されている。特許文献1記載のエネルギー管理システムは、家庭内に配置された電気機器に取り付けられ、電気機器の稼動状態を取得でき、且つ通信機能を有する機器アダプタと、機器アダプタと通信によりデータの送受信を行うデータセンタと、データセンタと通信によりデータの送受信を行う表示端末とを備え、データセンタは表示端末を経由して得られる電気機器の稼動状態のデータを収集管理するとともに、稼動状態のデータを演算処理して得られたメッセージを表示端末に送信する。(特許文献1:請求項1、図1等参照)。
【特許文献1】特開2003−162787
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、各機器の稼働状況等を考慮して、詳細な電力消費状況を知るには、多数の計測機器(例えば、電力計)が必要となる。更に、ビルのような建築物では、制御対象としての空調機器や照明機器等は多数配され、通常、各フロアには、複数のテナントが入居する場合がある。例えば、部屋、フロア、部署等の配電系統ごとに、空調、照明等の電力消費状況を知るには、少なくとも配電系統ごとに電力計等の設置が必要となる。従って、システム構築に多くのコストを要するという問題がある。又、既存設備として、電力計等が設置されていても、一般に、部署などの配電系統ごとに計測機器が設けられていることは希であり、計測したい配電系統ごとの電力消費状況を確認することはできない問題がある。
【0005】
又、たとえ、計測したい配電系統ごとに電力計等を設け、計測結果を収集した上で、電力消費の推移の予測演算処理等を行うには、例えば、BEMS(Building and Energy Management System)と呼ばれるような、高価な処理や制御を行うための装置一式(例えば新たな集中制御装置や演算装置や表示装置等)を追加設置する必要があり、費用がかかるという問題がある。
【0006】
更に、電力量計等を用い、電力の消費状況の表示を行う場合、空調や照明等の各負荷での動作の設定変更から、実際に消費電力量の変化が確認されるまで、時間を要する。従って、反応良く、リアルタイムに、電力消費状況の表示を行い難いという問題もある。又、電力の消費状況の表示にタイムラグがあれば、各機器での設定変更によって、どれほど省エネ効果があるか確認しづらく、ユーザに省エネの意識が根付き難いという問題もある。
【0007】
尚、特許文献1記載の発明をみると、電力供給の窓口としての分電盤に機器アダプタを1つ設置する態様の記載がある(特許文献1:請求項3等参照)。しかし、特に、ビルにおける場合など、分電盤に機器アダプタを設置するだけでは、部屋ごと、系統ごとに電力消費状況を確認することはできない。現に、詳細な電力消費状況を把握するため、電気機器ごとに設置されている形態も示されている(特許文献1:図1等参照)。従って、特許文献1記載の発明を、ビル管理に適用すると、大量の機器アダプタが必要となり、システム構築に多くのコストを要するという問題を解決できない。又、特許文献1記載の発明は、機器アダプタから、一定の時間(例えば1時間)ごとに消費電力量に関する情報を取得し(特許文献1:段落[0007]等参照)するので、リアルタイム性のある電力消費状況の表示を行えない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、多数の電力量計等の計測機器の設置や装置の追加をすることなく、安価かつリアルタイム性のある電力消費状況の表示を行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため請求項1に係るプログラマブル表示器は、制御対象としてのデバイス、及び/又は、制御対象としてのデバイスを制御するシーケンス制御装置と、通信するための通信部と、デバイスの状況表示や動作指示を行うための部品画像を表示する表示画面と、前記表示画面に表示された前記部品画像に対応した部分の押下による入力を受け付けるためのタッチパネルと、各デバイスの状況に応じた各デバイスの消費電力を求めるための消費電力データを記憶するデータメモリと、前記消費電力データに基づき、一又は複数のデバイスで構成される配電系統の消費電力を推定する値である消費電力推定値を求める演算を行う演算部と、を備え、前記表示画面は、前記消費電力推定値により変化する電力消費状況画像を表示することとした。
【0010】
この構成によれば、実際の計測結果ではなく、各デバイスのON/OFF等の動作状況から配電系統の消費電力の推定値の演算を行うので、電力消費状況の表示において、電力量計等の計測機器は不要となる。又、プログラマブル表示器は、デバイスの動作に関する設定、入力を受け付けるので、プログラマブル表示器単体で、電力消費状況に関する演算と表示が実現され、高価なBEMS等の装置や、部屋、フロア、部署、照明や空調の配電系統ごとの計測機器の追加は不要であり、電力消費状況の確認に要する構成を安価に済ますことができる。更に、実際の消費電力量の計測では、デバイスの設定変更の結果が計測結果として現れるまである程度の時間を要し、電力消費状況への反映まで時間遅れがあったが、本構成では、デバイスの設定変更は、リアルタイムに電力消費状況画像に反映される。従って、ユーザは操作した時点で直ちに省エネ効果や、無駄を認識でき、ユーザへの省エネの意識付けの徹底を図ることができる。
【0011】
ここで、本発明における配電系統とは、照明機器や空調機器等の複数のデバイスのグループであって、例えば、部や課(例えば、人事部、経理課等)等の部署や、フロア、部屋単位で各デバイスをグループ分けすることができる。そして、本発明のプログラマブル表示器は、配電系統ごとに消費電力の推定値の演算を行い、電力消費状況表示を行う。又、本明細書において画像という用語には、いわゆるイメージやピクチャーのみならず、テキストファイル等、表示画面に表示されうる全てのデータを含むものとする。又、電力消費状況画像は、例えば、数値、文字のほか、模様、図形、及び、図形等の表示数、色分け等によって実現され、ユーザに現在消費している電力の大小を伝達できればよい。
【0012】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記配電系統が複数ある場合であって、前記タッチパネルへの入力、又は、前記通信部へのデータ送信により、制御対象としてのデバイスを、いずれの配電系統に属させるかを設定する配電系統設定部を備え、前記演算部は、前記配電系統ごとに消費電力推定値を求める演算を行い、前記表示画面は、前記配電系統ごとに、前記電力消費状況画像を表示することとした。
【0013】
この構成によれば、例えば、各デバイスを、フロア、部署、部屋などの任意の配電系統に振り分けることができ、かつ、配電系統ごとの電力消費状況を確認することができる。又、フロアにおけるレイアウト変更等にも柔軟に対応でき、電力量計等の設置位置の変更などの作業も必要なく、電力消費状況の表示を行うことができる。
【0014】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記データメモリは、前記消費電力推定値と比較を行うとともに前記配電系統ごとに定めた消費電力を設定する値である消費電力設定値も記憶し、前記演算部は、前記配電系統の前記電力消費推定値と前記電力消費設定値との比較を行い、前記消費電力推定値が前記消費電力設定値を超えている場合、警告画像を前記表示画面に表示することとした。
【0015】
この構成によれば、電力を消費しすぎであることをユーザに認識させることができる。従って、ユーザへの省エネの意識付けの徹底を図ることができる。尚、消費電力設定値は、消費電力推定値が消費電力設定値を超えた場合、電力を消費しすぎとして警告表示を行うための値であり、消費電力データと配電系統に含まれるデバイスの台数や種類、デバイスの運転状況を考慮して任意に定めることができる。
【0016】
又、請求項4に係る発明は、請求項1から3の発明において、前記表示画面は、ユーザによる前記タッチパネルへの入力がなくなってから所定時間経過後、スクリーンセーバ画像に切り替わり、前記電力消費状況画像を前記スクリーンセーバ画像で表示することとした。この構成によれば、表示画面の焼き付き防止等のためのスクリーンセーバ画像で電力消費状況画像を表示するので、現在の電力消費状況をユーザに認識させるとともに、ユーザへの省エネの意識付けの徹底を図ることができる。
【0017】
又、請求項5に係る制御システムは、請求項1から4の発明において、前記請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器と、前記プログラマブル表示器に接続されるデバイスとしての空調機器及び照明機器と、からなることとした。この構成によれば、デバイスは、空調機器や照明機器とで構成されるので、プログラマブル表示器と空調機器、照明機器等で構成される制御システムを、ビルなどの建築物の管理に用いることができる。尚、本発明は、好適な実施形態の1つである。
【0018】
又、請求項6に係る電力消費状況の表示方法は、制御対象としてのデバイス、及び/又は、制御対象としてのデバイスを制御するシーケンス制御装置と、プログラマブル表示器を通信可能とし、デバイスの状況表示や動作指示を行うための部品画像を表示画面に表示させるステップと、前記表示画面に表示された前記部品画像に対応したタッチパネルの部分の押下による入力を受け付けるステップと、前記プログラマブル表示器のデータメモリに記憶されたデバイスの動作状況に応じて、デバイスの消費電力を示す消費電力データを参照させるステップと、前記電力消費データに基づき、一又は複数のデバイスで構成される配電系統の消費電力を推定する値である消費電力推定値を求める演算を演算部に行わせるステップと、演算された消費電力推定値により変化する電力消費状況画像を前記表示画面に表示させるステップを有することとした。この方法は、請求項1記載の発明を方法として捉えたものであって、請求項1記載の発明と同様の効果を有する。
【発明の効果】
【0019】
上述したように、本発明によれば、プログラマブル表示器単体で、多数の電力量計等の計測機器の設置や装置の追加をすることなく、安価かつリアルタイム性のある電力消費状況の表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図1〜11を参照しつつ、本発明を説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0021】
(制御システム100のハードウェア構成の概略)
まず、図1及び図2に基づき、本発明の実施形態に係る制御システム100のハードウェア構成の一例を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る制御システム100の一例を示す模式図である。図2は、本発明の実施形態に係る制御システム100の構成の一例を示す説明図である。尚、本実施形態では、プログラマブル表示器1と、照明機器5(制御対象としてのデバイスに相当、例えば、蛍光灯)や空調機器6(制御対象としてのデバイスに相当、例えば、エアコン)とで構成されるビル管理用の制御システム100を例に挙げて説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態における制御システム100は、プログラマブル表示器1と、プログラマブル表示器1に通信可能に接続されて、後述する照明機器5や空調機器6をシーケンス制御する制御装置4(ダイレクトデジタルコントローラやプログラマブルロジックコントローラに相当)や、制御装置4と通信可能に接続される照明機器5や、空調機器6で構成される。又、プログラマブル表示器1に制御装置4の機能を持たせ、照明機器5や空調機器6を直接通信可能に接続することもできる。そして、ユーザの入力に基づき、プログラマブル表示器1は、制御装置4に制御信号を発し、各制御装置4に照明機器5や空調機器6を制御させ、或いは、直接的に照明機器5や空調機器6を制御し、ユーザの意思を反映させる。尚、プログラマブル表示器1には、ホストコンピュータ2を接続することができる。尚、ホストコンピュータ2の詳細は後述する。
【0023】
具体的に、制御装置4について説明すると、照明機器4や空調機器5等を制御するビル管理システムでの通信方式(通信プロトコル)には、現状、様々なものが存在する。例えば、互換性を高め、オープンなネットワークを構築する上で良く用いられるものとしてTCP/IP(LAN)、LonWorks(登録商標)、BACnet(登録商標)、Ethernet(登録商標)等が存在する。従って、プログラマブル表示器1には、これらのいずれか、若しくは、複数の規格に対応した制御装置4(ダイレクトデジタルコントローラやプログラマブルロジックコントローラ)を接続することができる。又、制御対象としてのデバイスとの関係で、ビル管理システムにおける通信方式(通信プロトコル)には、各メーカ独自の通信規格が用いられることもあり、プログラマブル表示器1には、各メーカ独自の通信規格に対応した制御装置4を接続することができる。尚、上記の規格に限られず、他の通信方式(規格)のものを、プログラマブル表示器1に接続可能としても良い。又、多様な通信規格に対応するため、制御装置4とプログラマブル表示器1との間、又は、制御装置4若しくはプログラマブル表示器1と、照明機器4や空調機器5との間に、プロトコル変換用のゲートウェイ(不図示)が設けられても良い。
【0024】
ここで、空調機器6の種類は多様であるが、本実施形態の説明では、空調機器6は、エアコンの室外機と室内機で構成されているとして説明を続ける。又、本実施形態では、室外機は、外気温度(室外気温)を測定するための温度センサを有し、室内機は室内の温度を計測するための温度センサを有する。尚、各空調機器6は、これらの温度センサを備えるものとして説明を続ける。又、温度センサを有さない空調機器6に、温度センサを後付してもよい。
【0025】
次に、図2に基づき、制御システム100の構成を詳細に説明する。そこで、まず、ホストコンピュータ2の説明を行う。ホストコンピュータ2は、例えば、パーソナルコンピュータ等であって、制御部21、記憶部22、I/F部23、入出力装置24等を備える。
【0026】
ホストコンピュータ2内の基板上に構成される制御部21には、CPU25や、作業メモリ26が配される。そして、制御部21には、不揮発的に各種データ、プログラム等を記憶しておく記憶部22(例えば、Hard Disk Drive)が接続される。又、I/F部23は、図1に示すように、プログラマブル表示器1のI/F部13に対応するインタフェースであり、プログラマブル表示器1のHMI制御部10(演算部、配電系統設定部に相当)とホストコンピュータ2の制御部21との通信を仲介する。又、入出力装置24は、ホストコンピュータ2のディスプレイやキーボート、マウス(不図示)等で構成され、ホストコンピュータ2で操作を行うための装置である。又、記憶部22には、多種多様なデータやプログラムが記憶されるが、例えば、画像データ作成プログラム27や、画像データファイル28や、制御プログラム29等を記憶することができる。
【0027】
画像データ作成プログラム27は、プログラマブル表示器1の表示画面11で表示される画像データを設計、作成するためのソフトウェアである。この画像データ作成プログラム27では、プログラマブル表示器1で表示される背景画像や、背景上に配される部品画像Pの作成、設定を行うことができる。尚、画像データ作成プログラム27は、いわゆるイメージやピクチャーのみならず、テキストファイルの他、表計算ソフト等の他のアプリケーションで作成されたデータ(例えば、ホストコンピュータ2の記憶部22に記憶される)のリンク表示等、プログラマブル表示器1の表示画面11に表示されうる全てのデータを、基礎画像や部品画像Pなどの「画像データ」として扱うことができる。
【0028】
そして、各部品画像Pには、例えば、各照明機器5の点消灯の状況を表示するものや、各空調機器6の運転/停止の状況を表示するものが含まれる。又、各部品画像Pには、例えば、各照明機器5や空調機器6等の動作を指示や、プログラマブル表示器1での表示の切り替え指示等を行うための入力キーとして機能するものも含まれる。そして、プログラマブル表示器1の表示画面11に表示された動作を指示するための部品画像Pの押下により、例えば、照明機器5の点消灯や、空調機器6の運転の設定することができる。又、プログラマブル表示器1のデータ受信や、プログラマブル表示器1からのデータ送信等、プログラマブル表示器1の動作を指示する入力キーとして機能する画像データも部品画像Pとして含むことができる。
【0029】
そして、画像データ作成プログラム27では、各部品画像Pについて、表示画面11に表示される画像データに関連して行われる各種の処理等を規定する処理規定情報(タグ)を定めることができる。この処理規定情報は、各部品画像P毎に定めることができる。例えば、処理規定情報としては、部品画像Pが表示される基礎画像のファイル番号(ファイル名)や、事象(例えば、テキストの表示や、状況表示の内容や、入力キーとして機能する場合は押下で実行される動作)、参照する制御装置4や照明機器5、空調機器6やプログラマブル表示器1内でのメモリ等のアドレス情報、部品画像Pの基礎画像での座標情報等を含むことができる。
【0030】
画像データファイル28は、画像データ作成プログラム27での設計、作成の結果生成されるファイルであり、例えば、プログラマブル表示器1で表示される1画面単位で1つのファイルにまとめられる(フォルダ形式でも良い)。例えば、画像データファイル28には、基礎画像の画像データや、複数の部品画像Pの画像データや、各部品画像Pに付随する処理規定情報等を含む。そして、画像データファイル28は、例えば、記憶部22や、プログラマブル表示器1に送信して、プログラマブル表示器1内のデータメモリ15に記憶させておくことができる。
【0031】
制御プログラム29は、例えば、プログラマブル表示器1の制御プログラムや、プログラマブル表示器1に接続される各制御装置4や、照明機器5、空調機器6用等の制御プログラムであり、画像データ作成プログラム27で作成することもできる。尚、制御プログラム29は、後述のプログラマブル表示器1内のデータメモリ15への送信で記憶させること可能である。又、各制御装置4は、ホストコンピュータ2やプログラマブル表示器1から制御プログラム29を取得することができる。例えば、制御プログラム29では、データの転送、ループ、演算、各種の動作指示や、プログラムの対象となる制御装置4や照明機器5、空調機器6等のアドレス指定等を行うことができる。制御装置4やプログラマブル表示器1は、制御プログラム29を実行し、照明機器5や空調機器6等の制御を行う。
【0032】
次に、プログラマブル表示器1の説明を行う。本実施形態のプログラマブル表示器1は、画像データ作成プログラム27でユーザが作成した入力操作および表示用の画像(画像データファイル28)を表示し、特有の操作機能および表示機能を実現、提供する専用の表示器である(本説明ではビル管理機能)。そして、プログラマブル表示器1は、後述の表示画面11での表示や、タッチパネル12への入力結果の判定や、ホストコンピュータ2やプログラマブル表示器1に接続される制御対象との通信等、各種制御を行うため、HMI制御部10(HMI=human machine interface)を備える。例えば、このHMI制御部10には、制御用に中央演算処理装置としてプロセッサ10aや各種時間制御に必要となる計時部10b等を備える。又、本発明に関し、消費電力データ(詳細は後述)に基づき、複数のデバイスの組み合わせで構成される配電系統の消費電力の推定値を求める演算を行う。
【0033】
そして、プログラマブル表示器1は、HMI制御部10の他、表示画面11と、タッチパネル12と、ホストコンピュータ2との通信用のI/F部13(インタフェース部)と、制御対象とのインプット/アウトプット用のI/F部14(通信部に相当)と、データメモリ15と、ワークメモリ16等を備える。
【0034】
表示画面11は、HMI制御部10の表示コントローラ10cからの制御信号に基づき、例えば、デバイスの部品画像P(部品画像)を表示する。例えば、表示画面11は、データメモリ15に記憶される画像データファイル28や、ホストコンピュータ2からプログラマブル表示器1に送信される画像データファイル28に基づき、表示を行う。そして、表示画面11の表示形式に特に制限はないが、プログラマブル表示器1を薄型のものとするため、表示画面11には、液晶、有機EL、プラズマ方式等のものを採用することができる。又、表示画面11のサイズは、例えば、3.8インチ以上である。
【0035】
タッチパネル12は、ユーザの入力用のものであって、部品画像P(部品画像に相当)の押下による入力を受け付けるため、表示画面11の表面に設けられ、表示画面11に対する押下位置、座標を特定する。ユーザの表示画面11での押下位置の座標は、タッチパネル12と、タッチパネル12の出力信号を処理するタッチパネルコントローラ10dで特定される。本実施形態のプログラマブル表示器1では、透明抵抗膜方式のもののほか、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等、採用されうるタッチパネル12の方式は多様である。そして、タッチパネル12による押下位置の座標検出結果を元に、HMI制御部10は、表示画面11に表示された入力キーとしての部品画像Pのうち、押下されたものを特定し、プログラマブル表示器1になされた入力を判定できる。
【0036】
I/F部13は、プログラマブル表示器1がホストコンピュータ2との間の通信を行うためのものであり、各種コネクタ、ソケット等を有する。例えば、I/F部13は、LAN用コネクタを有し、プログラマブル表示器1とホストコンピュータ2をネットワーク経由で通信可能に接続する。又、I/F部13には、プログラマブル表示器1とホストコンピュータ2を直接的にケーブルで接続するためのコネクタ、ソケット等(例えば、USBソケット)を設けてもよい。即ち、プログラマブル表示器1は、ホストコンピュータ2と、ネットワーク経由や直接的に、通信可能に接続される。
【0037】
I/F部14は、制御対象としてのデバイス、及び/又は、制御対象としてのデバイスを制御する制御装置4と、通信可能に接続するため、HMI制御部10とプログラマブル表示器1に接続される制御装置4や照明機器5、空調機器6等との間の信号の授受を仲介するインタフェースであり、複数の通信用ポートを備える。更に、I/F部14は、入出力メモリ、D/A変換器、A/D変換器などを備えることができる。
【0038】
具体的に、プログラマブル表示器1は、制御装置4との接続、通信のため、例えば、Ethernet(登録商標)ポートや2wire式の複数種の通信用ポートを設けることができる。これにより、TCP/IP(LAN)等の各種規格に応じて、プログラマブル表示器1と制御装置4を通信可能に接続することができる。又、製造メーカ独自の通信方式でもプログラマブル表示器1と制御装置4等とを通信可能とするため、I/F部14に製造メーカ独自の通信方式に対応した通信ポートを設けても良い。又、制御装置4がEthernet(登録商標)ポートを持たない場合等に備え、I/F部14に、RS232C/422/485等の複数種のシリアル通信用ポートを備えるようにしてもよい。このように、本実施形態のプログラマブル表示器1は、多様な通信方式に対応でき、制御装置4と通信可能に接続できる。
【0039】
このI/F部14を利用することにより、図2に示すように、プログラマブル表示器1には、ケーブル、ネットワーク等による接続により、1又は複数の制御装置4を通信可能に接続することができる。そして、制御装置4には、制御対象としての照明機器5、空調機器6が接続される。照明機器5、空調機器6の他、ビル等の建築物管理のため、換気設備、バルブ、スイッチ、監視カメラ、ランプ等、多種多様な機器、装置を制御装置4又はプログラマブル表示器1に接続することができる。言い換えると、外部からの制御を受け付ける機器、装置であれば、接続できる。尚、以下の本実施形態の説明では、プログラマブル表示器1は、照明機器5、空調機器6を中心的に制御するものとして説明を行う。
【0040】
更に、プログラマブル表示器1は、複数の制御装置4と通信でき制御装置4を介して、各照明機器5、空調機器6の状況を示すデータを取得できる。又、プログラマブル表示器1は、直接接続された照明機器5、空調機器6等と通信でき、照明機器5、空調機器6等の状況を示すデータを取得できる。尚、この場合におけるデータとは、機器がON状態であるかOFF状態であるか、空調機器6であれば、温度や風量設定のほか、室内温度、外気温度等の情報を含む。又、表示画面11でのユーザの入力結果を制御装置4等に伝達できるので、プログラマブル表示器1のタッチパネル12への入力で、各照明機器5、空調機器6の動作の制御も行える。
【0041】
データメモリ15は、画像データファイル28や、プログラマブル表示器1や照明機器5、空調機器6等の制御プログラム29などを不揮発的に格納しておくメモリであり、書換、読出可能なFEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)等を用いることができる。又、詳細は後述するが、本発明の実施に関し、データメモリ15は、各デバイスの動作状況に応じて、各デバイスの消費電力を求めるための消費電力データを記憶する。
【0042】
ワークメモリ16は、例えば、DRAMによって構成され、プログラマブル表示器1の表示制御プログラムや、画像データファイル28、制御プログラム29の展開、実行等の演算処理時における作業用の記憶領域である。又、ワークメモリ16は、表示画面11に表示する画像データの展開や、制御装置4等から取得した照明機器5、空調機器6等のデータの一時的な記憶に用いられる。
【0043】
(プログラマブル表示器1での表示、入力)
図3に基づき、上述した制御システム100でのビル等の管理におけるプログラマブル表示器1での表示、入力の一例を説明する。図3は、本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器1での表示の一例を示す説明図である。尚、本説明では、ビル中の1フロアの更にその一部の領域における照明、空調等の管理について説明する。
【0044】
図3は、例えば、プログラマブル表示器1の表示画面11での初期画面を示す。図3に示すように、初期画面では、表示画面11の大部分を占めるフロアの俯瞰図を示す部品画像Pとしてのエリア選択画像P1が表示される。このビルでは、中央に、エレベータ等の共用部分が配され、共用部分を取り囲むように事務所としてのスペースが配される。事務所としてのスペースは、4つの部屋に分割され、本説明におけるユーザは、2部屋を占有する。又、図3に示す部屋R1には、人事部、経理部、監査部といった部署が配され、他方の部屋R2には、広報部、事業企画部、商品開発部といった部署が配される。
【0045】
そして、初期画面では、ユーザは、空調等の制御、管理を行う場合、エリア選択画像P1中の管理したい部屋を押下することで、制御を行うエリアを選択することができる。尚、図3における網掛部分は、例えば、他のテナントが借りている部分又は空室であり、網掛部分を押下しても、制御は行えない。そのため、プログラマブル表示器1は、少なくとも、図3の下方の2部屋に1つ設けられる。
【0046】
そして、図3に示すように、初期画面の右側の上部から「メインメニュー」のテキストデータからなる部品画像Pが表示され、その下方に、複数の入力キーとしての部品画像Pが配される。具体的には、照明の点消灯を行う際に押下される照明キーP2と、空調の設定を行う際に押下される空調キーP3と、電力の消費状況を示すエコ表示に関する設定を行う際に押下されるエコ表示キーP4が配される。尚、これらのキーについての詳細は、後述する。
【0047】
そして、初期画面の下方には、例えば、部品画像Pとしての3つの表示欄が配され、左方から、エコ表示欄P5、時刻表示欄P6、外気温度表示欄P7が設けられる。尚、その他、天気や湿度を表示する欄など、画像データ作成プログラム27により任意に追加することができる。そして、エコ表示欄P5は、照明の点消灯状況や空調の運転状況から、現在の電力の消費状況を示すための欄である(図11参照、詳細は後述)。外気温度表示欄P7は、外気温度(室外の気温)を表示するための欄である。例えば、空調機器6としての室外機は、外気温度測定用の温度センサを有するので、プログラマブル表示器1は室外機等の空調機器6から外気温度を取得し、外気温度表示欄P7に表示する。
【0048】
(照明制御)
次に、図4に基づき、照明の点消灯制御の一例を説明する。図4は、本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器1での照明制御用の表示の一例を示す説明図である。尚、本説明では、人事部等のある部屋R1を選択し、又、各部署には、それぞれ3つの照明機器5(例えば、天井取付型蛍光灯、計9個)が取り付けられている例を説明する。
【0049】
図4に示すように、部屋を選択し、照明キーP2を押した際、表示画面11には、各部署に配されたそれぞれの照明機器5を示す部品画像Pとしての照明機器キーP8〜P16が表示される。そして、ユーザは、照明機器キーP8〜P16を押下することにより、各照明機器5の点消灯を制御することができる。尚、図4の照明機器キーP8〜P16において、蛍光灯を模した図形のうち、白抜のものは点灯状況を示し、塗りつぶしたものは、消灯状況を示す。例えば、図4では、監査部の照明は全て消灯状況であることを示している。即ち、照明機器キーP8〜P16は、点消灯のスイッチとして機能するとともに、点消灯状況によって表示が切り替わる。
【0050】
そして、各照明機器キーP8〜P16の上方には、部屋での照明の全体的な点消灯制御を行うため、部品画像Pとして、例えば、照明一括ONキーP17、照明間引き点灯キーP18、照明一括OFFキーP19などが配される。照明一括ONキーP17を押下すれば、部屋内の全照明機器5が点灯状況となる。照明間引きキーを押下すれば、部屋内の一部(例えば、約半数、4つ又は5つ)が点灯状況となり、電力の節減をはかる。又、照明一括OFFキーP19を押下すれば、部屋内の全照明機器5が消灯状況となる。このように、ユーザは、プログラマブル表示器1の表示画面11への押下によって照明の点消灯制御を行える。尚、調光型の照明機器5が取り付けられていれば、光の強弱の設定を行えるようにしても良い。
【0051】
(空調制御)
次に、図5に基づき、空調制御の一例を説明する。図5は、本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器1での空調制御用の表示の一例を示す説明図である。尚、本説明では、人事部等のある部屋R1を選択し、又、各部署には、それぞれ1又は2つの室内機型(例えば、天井取付型空調機、計5個)が取り付けられている例を説明する。
【0052】
図5(a)に示すように、部屋を選択し、空調キーP3を押した際、表示画面11に、各部署に割り当てられたそれぞれの空調機器6を示す部品画像Pとしての空調機器キーP20〜P24が表示される。そして、ユーザは、各空調機器キーP20〜P24を押下することにより、各空調機器6の動作の設定を行うことができる。尚、各空調機器キーP20〜P24では、例えば、空調機器6の運転状況を示すため、「運転中」、「停止中」の文字が表示される。
【0053】
そして、図5(b)に示すように、空調機器キーP20〜P24を押した際に、表示画面11には、部品画像Pとして、空調設定パネルP25が表示される。空調設定パネルP25内には、更に、入力キー(部品画像P)として、空調機器6の運転、停止を指示するための運転キーP26、停止キーP27や、運転種別を指示するための冷房キーP28、暖房キーP29、ユーザの所望する設定温度を上下させるための上キーP30、下キーP31や、風量設定を行うための強風キーP32、弱風キーP33、微風キーP34が配される。尚、押下により選択されたキーは、反転表示される(図5(b)では、黒字に白文字のキーを選択されているキーとして図示)。ユーザは、空調設定パネルP25内の各キーを押下することにより、各空調機器6の動作設定を行うことができる。即ち、各空調機器キーP20〜P24は、温度や風量等の空調設定パネルP25の呼び出しキーとして機能するとともに、運転、停止状況によって表示が切り替わる。
【0054】
そして、各空調機器キーP20〜P24の上方には、空調機器6の全体的な運転制御を行うため、部品画像Pとして、例えば、空調一括ONキーP35、空調間引き運転キーP36、空調一括OFFキーP37などが配される。空調一括ONキーP35を押下すれば、全空調機器6が運転状況となる。例えば、換気のためなど、空調間引きキーを押下すれば、部屋内の一部(例えば、2つ又は3つ)が運転状況となり、電力の節減をはかる。又、空調一括OFFキーP37を押下すれば、部屋内の全空調機器6が停止状況となる。このように、ユーザは、プログラマブル表示器1の表示画面11への押下によって空調機器6の制御を行える。
【0055】
(消費電力の推定値の演算)
次に、図6に基づき、本発明の実施形態に係る部署や部屋やフロアなど、配電系統ごとの消費電力の推定値の演算について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る配電系統ごとの消費電力の推定値を演算する際の消費電力データの一例としてのテーブルを示す図である。尚、図6では、照明機器5や空調機器6の機種によって異なり得るので、A、B1、B2、Xa〜Xc、Ya、Yb、Za、Zbとして示しているが、実際には、いずれも具体的な数値である。
【0056】
本発明では、例えば、人事部や経理部等の部署、その他、フロア、部屋単位といった配電系統ごとに配されるデバイスの現在の消費電力の推定値を演算し、得られた推定値に基づき配電系統での電力消費状況の表示を行う。従って、1つの配電系統には、基本的に複数の照明機器5や空調機器6などのデバイスが含まれる。
【0057】
そこで、まず本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器1での配電系統の設定を説明する。各照明機器5や各空調機器6がいずれの配電系統に属するかは、ホストコンピュータ2の画像データ作成プログラム27を用いて設定できる。例えば、各照明機器5や各空調機器6には制御上アドレスが割り当てられるので、アドレスを基準として、各照明機器5や各空調機器6が人事部や部屋R1等、いずれの配電系統に属するか設定できるようにしても良い。そして、プログラマブル表示器1は、ホストコンピュータ2からI/F部13を介して、各照明機器5や各空調機器6がいずれの配電系統に属するか設定されたデータを受信し、データメモリ15に記憶する。
【0058】
又、画像データ作成プログラム27によって、各照明機器5や各空調機器6がいずれの配電系統に属するか設定するための設定用画面を作成し、表示画面11に表示させて、プログラマブル表示器1で各照明機器5や各空調機器6がいずれの配電系統に属するか決定できるようにしても良い。このように、各照明機器5や各空調機器6がいずれの配電系統に属するか、ユーザは任意に設定できる。従って、部屋でのレイアウト変更や、照明機器5、空調機器6の増設、撤去等があっても、柔軟に対応することができる。又、配電系統の設定では、例えば、1つのデバイスについて、「ユーザ名(全体)」→「フロア名」→「部屋」→「部署名」→「課名」というように、ツリー状に配電系統を設定するようにしてもよい。これにより、ユーザがビルにおいて複数階(複数フロア)にわたって占有する場合でも、全体、フロアごと、部屋、部署ごとと言うように、各デバイスを複数種に配電系統付けすることができる。
【0059】
次に、配電系統ごとの消費電力の推定値の演算について説明する。配電系統ごとの消費電力の推定値の演算は、例えば、図6に示すような消費電力データ(テーブル)を用いて演算を行う。尚、消費電力データは、例えば、プログラマブル表示器1のデータメモリ15に記憶される。又、図6(b)に示すテーブルは、暖房及び冷房の共用であるが、暖房用、冷房用のそれぞれのテーブルを用意し、暖房、冷房によって、差を持たせても良い。
【0060】
まず、各照明機器5の消費電力は、図6(a)に示すような消費電力データに基づき、例えば、各照明機器5が点灯、消灯のいずれかによって定めることができる。もし、照明機器5が点灯状況ならば、その照明機器5の消費電力は、Aとして定められる。ここで、Aは、任意に定めることができ、Aは、照明機器5の実際の定格消費電力の値であってもよいし、一定の基準の下、照明機器5の実際の定格消費電力を他の値に置き換えた数字(言い換えると、電力消費の指標としての値)でもよい(図6(b)におけるB1、B2、Xa〜Xc、Ya、Yb、Za、Zbも同様)。尚、プログラマブル表示器1が制御する照明機器5が2機種以上であれば、照明に関する消費電力データは、複数種設ければよい。従って、配電系統における照明機器5の使用のため消費している電力の推定値は以下の式で表される。
(式1) 照明機器5の消費電力(推定値)W0=A×点灯中台数
【0061】
次に、各空調機器6の消費電力の推定値は、図6(b)に示すような消費電力データに基づき、各空調機器6の運転状況によって求められる。まず、図6(b)に示す台数固定負荷とは、室外機で消費される電力、言い換えると、1台でも室内機に相当する空調機器6が運転状況であれば消費する電力に対応する。そして、台数固定負荷としての消費電力の値は、図6(b)では、B1となる。尚、室外機を他の部署等の配電系統と共用している場合は、例えば、同ランクの配電系統で均等に割り振ることができる。従って、部署等の1配電系統中における室外機に相当する空調機器6での消費電力は、以下の式で示される。
(式2) 室外機の消費電力(推定値)W1=B1/共用配電系統数
【0062】
次に、図6(b)に示す台数変動負荷とは、運転中の室内機に相当する空調機器6の1台当たりの消費電力に対応し、1台あたりB2として表される。従って、部署等の1配電系統中における室内機に相当する空調機器6での基本的な消費電力は、以下の式で示される。
(式3) 室内機の基本消費電力(推定値)W2=B2×運転中台数
【0063】
次に、図6(b)に示す設定変動負荷とは、空調機器6の設定により消費電力が変化することを考慮して定められる値である。尚、空調機器6の設定内容は、室外機、室内機の両方での消費電力に影響を与え得るが、ここでは、室外機、室内機の区別を考えず、室内機ごとに、設定変動負荷を考える。
【0064】
まず、設定変動負荷1とは、室内機から吹き出される風の風量が多いほど消費する電力は多くなることを勘案したものである。風量に応じて各消費電力を示す値Xa、Xb、Xcの各値が定められる。例えば、Xa>Xb>Xcの関係を持たせることができる。
【0065】
そして、設定変動負荷2とは、一般に、空調機器6はプログラマブル表示器1で設定した温度と、室内機で計測された温度との差が大きいほど、電力を消費して温度差を埋めるので、温度差が大きいほど消費する電力は多くなることを勘案したものである。そこで、温度差に応じて各消費電力を示すYa、Ybの各値が定められる。例えば、Ya<Ybの関係を持たせることができる。尚、室内温度は、室内機に相当する空調機器6に設けられた温度センサを用いて計測できる。
【0066】
更に、設定変動負荷3とは、一般に空調機器6は、室内温度と外気温度との差によって効率が変化することがある(例えば、温度差が大きいほど消費する電力は多くなる)ことを勘案したものである。そこで、温度差に応じて各消費電力に関する係数Za、Zbの各値が定められる。例えば、Za<Zbの関係を持たせることができる。尚、外気温度は、室外機に相当する空調機器6に設けられた温度センサを用いて検出できる。
【0067】
そこで、上記のXa〜Xc、Ya、Yb、Za、Zbを利用し、室内機に相当する空調機器6の設定に応じて変動する室内機に相当する空調機器6の1台当たりの消費電力は、以下の式で表される。ここで、式4では、Xa〜Xcのうち該当する値をX、Ya、Ybのうち該当する値をY、Za、Zbのうち該当する係数をZとする。
(式4)設定変動消費電力(推定値)W3=X+(Y×Z)
更に、本実施形態での室内機に相当する各空調機器6の温度や風量設定は異ならせることが可能であり、設定に応じ、消費電力はそれぞれ異なるので、部署等の配電系統における空調機器6の1台ずつについて総和を取り、この総和の値をW31とおく。
そうすると、部署等の配電系統における消費電力の推定値は、以下の式で求められる。
(式5)消費電力(推定値)W=W0+W1+W2+W31
【0068】
(電力消費状況画像3の表示制御)
次に、図7に基づき、本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器1での電力消費状況画像3の表示制御(図8(a)参照)の一例を説明する。図7は、本発明の実施形態に係る電力消費状況画像3の表示を行う際の制御の一例を示すフローチャートである。
【0069】
尚、電力消費状況画像3の表示制御は、一定周期(例えば、数秒〜数十秒間隔)で行っても良いが、ユーザが照明機器5の点消灯や空調機器6の動作設定を行った際に消費電力は必ず変動するので、電力消費状況画像3の表示制御は、ユーザが、プログラマブル表示器1に対し、照明機器5や空調機器6の設定、操作を行った際に行うものとして以下説明する。又、制御対象としてのデバイス、及び/又は、デバイスを制御する制御装置4と、プログラマブル表示器1は通信可能な状況である。
【0070】
まず、デバイスの動作指示用の部品画像Pをプログラマブル表示器1の表示画面11に表示させる(ステップ♯1)。次に、タッチパネル12により、部品画像Pの押下による入力を受け付ける(ステップ♯2)。次に、HMI制御部10は、制御装置4に接続され、又、プログラマブル表示器1に直接接続される照明機器5、即ち、プログラマブル表示器1が管轄する各照明機器5の点消灯状況を把握する(ステップ♯3)。更に、HMI制御部10は運転状況か停止状況か、設定温度、室内温度、外気温度、風量の強さなど、制御装置4に接続され、又、プログラマブル表示器1に直接接続される空調機器6、即ち、プログラマブル表示器1が管轄する各空調機器6の運転状況を把握する(ステップ♯4)。
【0071】
その後、プログラマブル表示器1のデータメモリ15記憶されたデバイスの動作状況に応じ、デバイスの消費電力を示す消費電力データを参照する(ステップ♯5)。そして、HMI制御部10に、図6を用いて説明したように、消費電力データに基づき、管轄する複数のデバイスの組み合わせである配電系統ごとのの消費電力を推定する演算を行わせる(ステップ♯6)。HMI制御部10は、求められた推定値を元に部署等の配電系統ごとに部品画像Pとして表示すべき電力消費状況画像3を決定し(ステップ♯7)、演算された消費電力の推定値の大小により変化する電力消費状況画像3を表示画面11に表示させる(図8(b)参照、ステップ♯8→エンド)。即ち、本実施形態のプログラマブル表示器1の表示画面11は、推定値の大小により変化する電力消費状況画像3を表示する。
【0072】
(電力消費状況画像3の決定)
次に、図8及び図9に基づき、本発明の実施形態に係る表示画面11に表示される電力消費状況画像3とその決定の一例を説明する。図8は、本発明の実施形態に係る電力消費状況画像3の一例を示す模式図である。図9は、本発明の実施形態に係る表示画面11に表示される電力消費状況画像3を決定するためのデータの一例を示す説明図である。
【0073】
まず、図8(a)は、電力消費状況によって段階的に変更される各電気系統での電力消費状況画像3の一例を示している。図8(a)では、顔型図形を用いる例を示している。そして、図8(a)に示すように、本実施形態での電力消費状況画像3は、演算された配電系統における消費電力の推定値の大小によって4段階(便宜的に、それぞれの段階を優、良、可、不可と称する)に変化し、図8(a)に示す例では、右側のものほど、演算された推定値が小さく、右側のものほど、省エネ度が良い(高い)ことになる。
【0074】
そして、図8(b)は、電力消費状況画像3の表示(図7のステップ♯8)を行った際の表示画面11での表示の一例である。図8(b)に示すように、各部署ごとに電力消費状況画像3を表示することができる。又、部屋ごと(部屋R1、部屋R2)に複数の部署の組み合わせや、部屋R1、部屋R2を合わせた全体を1つの配電系統として扱って、電力消費状況画像3を表示することが可能である。
【0075】
次に、演算された配電系統における消費電力の推定値に対し、どのように表示する電力消費状況画像3を決定するか(図7におけるステップ♯7)を図9に基づき説明する。図9に示すように、各配電系統には予め定められた各配電系統の消費電力の推定値と比較される設定値(図9においてT1〜T9として図示)が設けられる。各配電系統では、設置される照明機器5や空調機器6の個数、機種等が異なる場合があるので、設定値は任意に定めることができ、各配電系統によって設定値は異なっても良い。
【0076】
そして、各配電系統において、設定値よりも小さな値の範囲で、いずれの電力消費状況画像3を表示するか決定するための閾値が設けられる(図9において閾値をTH1〜TH18として図示)。閾値は、任意に定めることができるが、例えば、図9に示す例で言えば、広報部において、閾値TH1を設定値T1の1/3の値とし、閾値TH2を設定値T1の2/3の値としてもよい。そうすると、推定値が、0〜設定値の約33%の値に収まれば、「優」の電力消費状況画像3aが選択される。又、推定値が、設定値の約33%〜約67%の値に収まれば、「良」の電力消費状況画像3bが選択される。又、推定値が、設定値の約67%〜設定値に収まれば、「可」の電力消費状況画像3cが選択される。そして、推定値が設定値を超えるならば、明らかに過剰な電力消費状況であると判断できるので、「不可」の電力消費状況画像3dが選択される。
【0077】
ここで、設定値について説明する。設定値の定め方は様々であり、任意に定めることができるが、例えば、1つの配電系統において、空調機器6の温度設定をクールビズにおける冷房推奨温度(例えば、28°C)やウォームビズにおける暖房推奨温度(例えば17°C)に設定し、外気温度は、その地方での夏期の日中平均気温又は冬期の日中平均気温と仮定し、照明機器5を全て点灯させた状況を仮定し、その状況について、HMI制御部10に推定値を演算させる。この得られた推定値や得られた推定値にある程度のマージンを持たせた値を、その配電系統における設定値と定めると、クールビズやウォームビズを基準とした電力消費状況の表示を行うことができる。又、1つの配電系統において、ユーザが好むだけ照明機器5を点灯し、ユーザの好む空調機器6の設定温度で運転させた際に得られた推定値をその配電系統における設定値としてもよい。又、社内での光熱費削減の目標(例えば10%削減等)があれば、現状の設定値の90%の値を新たに設定値とすれば、光熱費削減の目標を達成する際の目安とすることができる。即ち、設定値は、消費電力上、超えるべきではない目安として、設定することができる。
【0078】
更に、図8(b)に示すように、電力消費状況画像3の表示にメッセージ欄P40を設けることができる。そして、メッセージ欄P40では、演算された消費電力推定値が消費電力設定値を超える配電系統について、電力を消費しすぎである旨の警告表示が表示される。例えば、図9に示すように、「広報部は電気の使い過ぎです。」といった、部署名を含めた警告表示がなされる。
【0079】
即ち、本実施形態のプログラマブル表示器1は、タッチパネル12への入力、又は、I/F部14へのデータ送信により、制御対象としてのデバイスが、いずれの配電系統に属するか設定可能であり、HMI制御部10は、配電系統ごとに消費電力を推定する演算を行い、表示画面11は、配電系統ごとに、電力消費状況画像3を表示する。更に、データメモリ15は、消費電力推定値との比較を行い、電力を消費しすぎているか確認を行うための配電系統ごとに定められた消費電力設定値も記憶し、HMI制御部10は、配電系統の消費電力推定値と消費電力設定値との比較を行い、表示画面11は、比較の結果、消費電力推定値が消費電力設定値を超えることにより電力を消費しすぎであると認められた場合、警告画像を表示する。
【0080】
(スクリーンセーバ)
次に、図10に基づき、本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器1でのスクリーンセーバの一例を説明する。図10は、本発明の実施形態に係るプログラマブル表示器1でのスクリーンセーバの一例を示す説明図である。
【0081】
一般に、表示装置では、表示画面11の表示方式にもよるが、焼き付きが発生する場合がある。特に、本実施形態のプログラマブル表示器1は、例えば、画像データ作成プログラム27で作成されたビル等の建築物の管理に関する一定の画像データを表示するので、テレビやパソコンほど表示内容が多様ではない。従って、本実施形態のHMI制御部10は、表示画面11の保護のため、所定時間(例えば、数分、計時部10bが計時)、ユーザからの入力がないと、例えば、データメモリ15に記憶されるスクリーンセーバのソフトウェアを起動する。
【0082】
そして、図10に一例として示すように、本実施形態のプログラマブル表示器1では、スクリーンセーバとして表示画面11に各配電系統での電力消費状況画像3を表示することができる。図10に示す例では、吹き出し状図形P50中に、配電系統としての部署名を示すテキストの部品画像Pと、これに付随して電力消費状況画像3が配される。そして、例えば、吹き出し状図形P50が移動して、テキストと電力消費状況画像3も移動する。このようなスクリーンセーバ画像11aとすることにより、各ユーザの省エネの意識付けを図ることができる。即ち、表示画面11は、タッチパネル12への入力がなくなってから所定時間経過後、スクリーンセーバ画像11aに切り替え、電力消費状況画像3をスクリーンセーバ画像11aで表示する。
【0083】
(エコ表示欄P5での表示例)
次に、図11を用いて、本発明の実施形態に係る表示画面11でのエコ表示欄P5の表示例を説明する。図11は、本発明の実施形態に係る表示画面11でのエコ表示欄P5の表示例の説明図である。エコ表示欄P5は、図3〜図5などに示すように、表示画面11で常駐的に表示される。従って、このエコ表示欄P5に、電力消費状況画像3を表示させても、ユーザに省エネの意識付けを行える。尚、エコ表示欄P5では、多数の部署(配電系統)の電力消費状況の表示を行ってもよいが、本例では、全体での電力消費状況をエコ表示欄P5に表示するものとして説明する。
【0084】
まず、図11(a)に示す例では、上述したように、顔型図形(3a〜3d)を電力消費状況画像3として用いる。そして、全部署の消費電力の推定値に応じて、表示が切り替わる。一方、星形図形3eや葉型図形3fは、電気機器等で省エネの度合を示す図形として比較的良く用いられるので、エコ表示欄P5の表示では、顔型図形に変えて、図11(b)に示すような星形図形3eを電力消費状況画像3として用いてもよく、又、図11(c)に示すように葉型図形3fを電力消費状況画像3として用いてもよい。そして、星形図形3eや葉型図形3fを用いた場合、例えば、個数によって、電力消費の度合を表現しても良い。例えば、図11(b)、(c)に示すように、全部署の消費電力の推定値が小さいほど、星形図形3eや葉型図形3fの個数が増え、全部署の消費電力の推定値が設定値を超えた場合、星形図形3eや葉型図形3fが無くなると言うように、電力消費状況の表示が行われる。
【0085】
又、図11(a)〜(c)に示す例では、電力消費状況画像3とその下方に、電力消費状況に対応した帯グラフが配される。帯グラフは、電力消費状況画像3の各段階に対応し、演算された推定値が小さく、消費電力が少ない時ほど、網掛部分が図11の右方に延びる。そして、演算された消費電力推定値が消費電力設定値を超え、電力の消費が過剰である場合は、網掛部分がなくなる。尚、網掛でなく、異色を重ねる等の手法により、帯グラフで電力消費状況が表現されても良い。
【0086】
このようにして、本発明の構成によれば、実際の計測結果ではなく、各デバイスのON/OFF等の動作状況から配電系統の消費電力の推定値の演算を行うので、電力消費状況の表示において、電力量計等の計測機器は不要となる。又、プログラマブル表示器1は、デバイスの動作に関する設定、入力を受け付けるので、プログラマブル表示器1単体で、電力消費状況に関する演算と表示が実現され、高価なBEMS等の装置や、部屋、フロア、部署、照明や空調の配電系統ごとの計測機器の追加は不要であり、電力消費状況の確認に要する構成を安価に済ますことができる。更に、実際の消費電力量の計測では、デバイスの設定変更の結果が計測結果として現れるまである程度の時間を要し、電力消費状況への反映まで時間遅れがあったが、本構成では、デバイスの設定変更は、リアルタイムに電力消費状況画像3に反映される。従って、ユーザは操作した時点で直ちに省エネ効果や、無駄を認識でき、ユーザへの省エネの意識付けの徹底を図ることができる。
【0087】
又、例えば、各デバイスを、フロア、部署、部屋などの任意の配電系統に振り分けることができ、かつ、配電系統ごとの電力消費状況を確認することができる。又、フロアにおけるレイアウト変更等にも柔軟に対応でき、電力量計等の設置位置の変更などの作業も必要なく、電力消費状況の表示を行うことができる。又、警告表示によって、電力を消費しすぎであることをユーザに認識させることができる。従って、ユーザへの省エネの意識付けの徹底を図ることができる。又、表示画面11の焼き付き防止等のためのスクリーンセーバ画像において、電力消費状況画像3を表示するので、現在の電力消費状況をユーザに認識させるとともに、ユーザへの省エネの意識付けの徹底を図ることができる。又、デバイスは、空調機器6や照明機器5とで構成されるので、プログラマブル表示器1と空調機器6、照明機器5等で構成される制御システム100を、ビルなどの建築物の管理に用いることができる。又、本発明は、図7に示すように、電力消費状況の表示方法して捉えることができる。
【0088】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、プログラマブル表示器、及びプログラマブル表示器と照明機器や空調機器からなる制御システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施形態に係る制御システムの一例を示す模式図である。
【図2】実施形態に係る制御システムの構成の一例を示す説明図である。
【図3】実施形態に係るプログラマブル表示器での表示の一例を示す説明図である。
【図4】実施形態に係るプログラマブル表示器での照明制御用の表示の一例を示す説明図である。
【図5】実施形態に係るプログラマブル表示器での空調制御用の表示の一例を示す説明図である。
【図6】実施形態に係る配電系統ごとの消費電力の推定値を演算する際の消費電力データの一例としてのテーブルを示す図である。
【図7】実施形態に係る電力消費状況画像の表示を行う際の制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係る電力消費状況画像の一例を示す模式図である。
【図9】実施形態に係る表示画面に表示される電力消費状況画像を決定するためのデータの一例を示す説明図である。
【図10】実施形態に係るプログラマブル表示器でのスクリーンセーバの一例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る表示画面でのエコ表示欄の表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0091】
1 プログラマブル表示器 10 HMI制御部(演算部、配電系統設定部)
11 表示画面 11 スクリーンセーバ画像
12 タッチパネル 14 I/F部(通信部)
15 データメモリ 3(3a〜3f) 電力消費状況画像
4 制御装置4(ダイレクトデジタルコントローラ、プログラマブルコントローラ)
5 照明機器(制御対象、デバイス) 6 空調機器(制御対象、デバイス)
100 制御システム
P(P1〜P37、P40、P50) 部品画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象としてのデバイス、及び/又は、制御対象としてのデバイスを制御するシーケンス制御装置と、通信するための通信部と、
デバイスの状況表示や動作指示を行うための部品画像を表示する表示画面と、
前記表示画面に表示された前記部品画像に対応した部分の押下による入力を受け付けるためのタッチパネルと、
各デバイスの状況に応じた各デバイスの消費電力を求めるための消費電力データを記憶するデータメモリと、
前記消費電力データに基づき、一又は複数のデバイスで構成される配電系統の消費電力を推定する値である電力消費推定値を求める演算を行う演算部と、を備え、
前記表示画面は、前記消費電力推定値により変化する電力消費状況画像を表示することを特徴とするプログラマブル表示器。
【請求項2】
前記配電系統が複数ある場合であって、
前記タッチパネルへの入力、又は、前記通信部へのデータ送信により、制御対象としてのデバイスを、いずれの配電系統に属させるかを設定する配電系統設定部を備え、
前記演算部は、前記配電系統ごとに消費電力推定値を求める演算を行い、
前記表示画面は、前記配電系統ごとに、前記電力消費状況画像を表示することを特徴とする請求項1記載のプログラマブル表示器。
【請求項3】
前記データメモリは、前記消費電力推定値と比較を行うとともに前記配電系統ごとに定めた消費電力を設定する値である消費電力設定値も記憶し、
前記演算部は、前記配電系統の前記消費電力推定値と前記消費電力設定値との比較を行い、
前記消費電力推定値が前記消費電力設定値を超えている場合、警告画像を前記表示画面に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラマブル表示器。
【請求項4】
前記表示画面は、ユーザによる前記タッチパネルへの入力がなくなってから所定時間経過後、スクリーンセーバ画像に切り替わり、前記電力消費状況画像を前記スクリーンセーバ画像として表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器と、
前記プログラマブル表示器に接続されるデバイスとしての空調機器及び照明機器と、からなる制御システム。
【請求項6】
制御対象としてのデバイス、及び/又は、制御対象としてのデバイスを制御するシーケンス制御装置と、プログラマブル表示器を通信可能とし、
デバイスの状況表示や動作指示を行うための部品画像を表示画面に表示させるステップと、
前記表示画面に表示された前記部品画像に対応したタッチパネルの部分の押下による入力を受け付けるステップと、
前記プログラマブル表示器のデータメモリに記憶されたデバイスの動作状況に応じて、デバイスの消費電力を示す消費電力データを参照させるステップと、
前記消費電力データに基づき、一又は複数のデバイスで構成される配電系統の消費電力を推定する値である消費電力推定値を求める演算を演算部に行わせるステップと、
演算された消費電力推定値により変化する電力消費状況画像を前記表示画面に表示させるステップを有することを特徴とする電力消費状況の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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