プログラム、印刷装置の制御装置、印刷装置
【目的】 印刷装置の経時変化、環境変動、バーコードの方向にかかわらず、常に安定した線幅の黒バーと白バーの線幅を再現して印刷できるようにする。
【構成】 コンピュータ30のバーコードデータ作成部32がバーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成し、方向検知部34が印刷データのバーコードのバーの方向を検知し、そのバーコードのバーの方向と現像方向との関係に基づいてドット補正部35が印刷データにドット補正処理を施し、その補正した印刷データをプリンタ20へ出力して記録紙にバーコードを印刷する。
【構成】 コンピュータ30のバーコードデータ作成部32がバーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成し、方向検知部34が印刷データのバーコードのバーの方向を検知し、そのバーコードのバーの方向と現像方向との関係に基づいてドット補正部35が印刷データにドット補正処理を施し、その補正した印刷データをプリンタ20へ出力して記録紙にバーコードを印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バーコード印刷データを作成するプログラム、バーコード印刷を行う印刷装置を制御する印刷装置の制御装置、バーコード印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置又はインクジェット装置等の印刷装置は、文字、図形等をドットと言われる点の集合で描画して印刷している。その点の大きさが小さい程、文字等を構成するドット数が増して精密な印刷が可能になる。
そして、その点の大きさを一般に解像度として表現している。
印刷装置の種類にもよるが、通常は、ドットの密度が100dpiから2400dpi程度の印刷装置が用途に応じて市販されている。
パソコン等に接続される印刷装置の多くは600dpiであり、中には1200dpiを超えるものもある。
それらの印刷装置でバーコードの印刷を行う場合には、各バーコードの規格に合致するドット構成で印刷を行う。
【0003】
例えば、コンビニエンスストア料金代理収納システムにて用いられているバーコード規格であるEAN−128バーコード(European Article Number128:国際EAN協会が標準化したバーコード)は、両側のクワイエットゾーンを含めたバーコードの全長が60mm以内とする必要があり、4種類の太さの線で構成される。
そのようなバーコードを解像度600dpiで印刷する場合、バーコードを構成するドット構成は、白の線(以下「白バー」という)と黒の線(以下「黒バー」という)ともに、4ドット(0.169mm)、8ドット、12ドット、16ドットで行い、1200dpでは白バーと黒バーがともに9ドット(0.190mm)、18ドット、27ドット、36ドットで行うのが一般的であり、線幅は非常に細く高密度になってきているために印刷が困難になっている。
【0004】
そこで従来、所定のバーコード幅に記録する情報量が増大したとき、線幅の条件によって読取率が低くなってしまわないように、バーコードの黒バーの太りがないように黒バー及び白バーの線幅を適切な幅に設定したバーコードフォントテーブルを用意することでバーコードの読取率低下を解決している印刷装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【特許文献1】特開2004−17399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の印刷装置では、印刷装置によっては黒白バー幅が印刷枚数が増えるに従い太くなるものや、また細くなるものもあり常に安定した太さを維持できず読取率の低下をまねいてしまうという問題があった。また、同様に温度や湿度といった周囲の環境によっても黒白バーの幅が変動し読み取りの問題が発生してしまう。
さらに、バーコードのバーの方向によっても、レーザビームのビーム径のバラツキや、紙搬送のスピードバラツキ等により機種によっては、現像方向に対し垂直方向と平行方向では黒白バーの太さが異なる問題が発生してしまう。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、印刷装置の経時変化、環境変動、バーコードの方向にかかわらず、常に安定した線幅の黒バーと白バーの線幅を再現して印刷できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の目的を達成するため、次のプログラム、印刷装置の制御装置、印刷装置を提供する。
(1)コンピュータに、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手順と、その作成手順によって作成した印刷データを補正する補正手順と、その補正手順によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手順を実行させるためのプログラム。
(2)上記(1)のプログラムにおいて、上記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手順を設けたプログラム。
(3)上記(1)のプログラムにおいて、上記補正手順は、上記印刷装置での印刷枚数に応じて上記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順であるプログラム。
【0007】
(4)上記(1)のプログラムにおいて、上記補正手順は、上記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて上記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順であるプログラム。
(5)上記(2)のプログラムにおいて、上記検知手順によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手順を設け、上記補正手順は、上記判断手順による判断結果に応じて上記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順であるプログラム。
【0008】
(6)バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、その作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、その補正手段によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手段を備えた印刷装置の制御装置。
(7)上記(6)の印刷装置の制御装置において、上記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けた印刷装置の制御装置。
(8)上記(6)の印刷装置の制御装置において、上記補正手段は、上記印刷装置での印刷枚数に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置の制御装置。
【0009】
(9)上記(6)の印刷装置の制御装置において、上記補正手段は、上記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置の制御装置。
(10)上記(7)の印刷装置の制御装置において、上記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、上記補正手段は、上記判断手段による判断結果に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置の制御装置。
【0010】
(11)バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、その作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、その補正手段によって補正した印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷する印刷手段を備えた印刷装置。
(12)上記(11)の印刷装置において、上記作成手段は、外部装置から与えられたバーコード情報を含む画像データを展開した上でバーコードの印刷データを作成する手段である印刷装置。
(13)上記(11)の印刷装置において、上記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けた印刷装置。
(14)上記(11)の印刷装置において、上記補正手段は、上記印刷装置での印刷枚数に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置。
【0011】
(15)上記(11)の印刷装置において、上記補正手段は、上記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置。
(16)上記(12)の印刷装置において、上記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、上記補正手段は、上記判断手段による判断結果に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置。
【発明の効果】
【0012】
この発明によるプログラム、印刷装置の制御装置、印刷装置は、印刷装置の経時変化及び環境変動、印刷装置の経時変化、環境変動、バーコードの方向にかかわらず、常に安定した線幅の黒バーと白バーの線幅を再現して印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔実施例〕
図2は、この発明の印刷装置の実施例である電子写真プリンタ(以下「プリンタ」という)の構成を示すブロック図である。
同図の(a)プリンタ全体の概略構成図を示し、同図の(b)はプリンタ本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジの構成を示している。
図2において、プリンタ20は画像形成装置であり、潜像担持体としての感光体1の周面は、所定の周速度で回転駆動されながら、帯電装置2によって正又は負の所定電位に一様に帯電せしめられた後、スリット露光やレーザビーム走査露光等の像露光装置3によって画像情報に基づいた走査露光処理がなされて静電潜像が形成される。
【0014】
感光体1上に形成された静電潜像は、現像装置4によって現像されてトナー像となる。
感光体1上に形成されたトナー像は、給紙カセット5からレジストローラ6、搬送ガイド板7上を通過して感光体1と転写ローラ8との間に感光体1の回転と同期して給送された転写材上に、転写ローラ8によって転写される。
このようにして、トナー像が転写された転写材は、感光体1の周面から分離されて像定着装置9に送り出され、ここでトナー像が定着せしめられた後、複写物(コピー)としてプリンタ20の外に排出される。
【0015】
なお、像転写後の感光体1上の表面は、クリーニング装置10によって転写残トナーが除去されて清浄面化され、図示を省略した公知の除電装置によって除電され、次の画像形成に使用される。
そして、上述した感光体1、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置10の各構成要素は、一体に構成されたプロセスカートリッジ11としてプリンタ20の本体に着脱可能に支持されている。
また、同図では図示を省略したが、CPU、ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現される制御部も備えており、その制御部がプリンタ20の全体の処理の制御を司る。
【0016】
図1は、この発明の実施例である印刷システムの構成を示すブロック図である。
この印刷システムは、この発明の印刷装置の一実施例であるプリンタ20と、この発明の印刷装置の制御装置の一実施例であるコンピュータ30とからなる。
コンピュータ30は、CPU、ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現されるメモリ31、バーコードデータ作成部32、方向検知部34、ドット補正部35を有し、プリンタドライバ33はプリンタ20に印刷させるための情報である。
すなわち、この発明に係るバーコード印刷をコンピュータ30の制御によって実現する場合、コンピュータ30のRAMにこの発明に係るプログラムを格納し、CPUがそのプログラムを実行することによってバーコードデータ作成部32がこの発明の印刷装置の制御装置に係る作成手段の機能を果たし、方向検知部34がこの発明の印刷装置の制御装置に係る検知手段と判断手段の機能を果たし、ドット補正部35がこの発明の印刷装置の制御装置に係る補正手段と出力手段の機能を果たす。
【0017】
一方、プリンタ20は、図2に示した各部を備えると共に、図2では図示を省略したプリンタ20の全体の制御を司る制御部21を有し、この発明に係るバーコード印刷をプリンタ20で実現する場合、その制御部21が、この発明の印刷装置に係る作成手段、検知手段、判断手段、補正手段の各手段の機能を果たし、制御部21と図2に示した各部が印刷手段の機能を果たす。
【0018】
この印刷システムによって通常のバーコード印刷を行うと、図3に示すように記録紙の印刷枚数が増えるに従って黒バーの1モジュール幅が細く(狭く)なる場合がある。
1モジュール幅とは、図4に示すように、バーコードを構成する4種類の太さのバー40〜43のうち、最も細いバー40のことであり、そのバー40の線幅が細くなる。
その他のバーは、1モジュール幅のバー40の2倍の線幅のバー41、3倍の線幅のバー42、4倍の線幅のバー43である。バーコードは以上4種類の線幅のバーで構成されており、その4種類の線幅は同図の(a)に示す白バーと同図の(b)に示す黒バー共にそれぞれ同じ幅である。
【0019】
上述した印刷枚数に応じて黒バーの線幅が細くなるのは、2成分現像による現像剤の帯電量の上昇が原因であり、上述したバーコードの印刷を行う際に、常に安定した太さを維持できないためにバーコード読取率低下を招いてしまう問題がある。
その問題を解決するために、この印刷システムは、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図5に示すように、その印刷データについて、バーコードの黒バー及び白バー(「白スペース」ともいう)の線幅のドット数を印刷枚数が増えるに従って1モジュール幅のドット数を補正するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷する。
【0020】
図6は、400dpi、600dpi、1200dpiの各解像度でのバーコードの黒バーと白バーの1モジュール幅を印刷するときのドット数を示した図である。
同図に示すように、解像度によって1モジュール幅を形成するドット数が異なる事がわかる。
例えば、解像度1200dpiでの印刷時に行った場合、上記ドット補正処理を、印刷データの黒バーのドット数を増やして白バーのドット数を減らすというドット数を可変する補正を行う。
【0021】
解像度1200dpiでの初期の1モジュール幅のドット数は黒バー、白バー共に9ドットであり、図5に示す印刷枚数(通紙枚数)0枚での補正値0は、白バー、黒バーともに初期値の9ドットを意味する。また、解像度1200dpiでの1ドットは約0.021mmである。
さらに、上記ドット補正処理は、黒バーと白バーのドット数を足した値は変えずに白バーと黒バーの割合だけを可変するものである。
図7は、印刷枚数によるドット補正処理後の1モジュール幅の推移を示す図であるが、印刷枚数に応じて黒バーの線幅が細くなる場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、同図に示すように、印刷枚数が増えてもバーコードの線幅の太さの変動を所定範囲内に抑えることができ、バーコードの線幅の太さを安定して維持することができる。
【0022】
次に、図8に示すように、記録紙の印刷枚数に応じてバーコードの黒バーの線幅が太く(広く)なる場合もある。
それは主に1成分現像によるものであり、初期から印刷枚数が増えるに従ってトナーの帯電量が上昇して初期よりも現像性が向上するためである。このように、当然太くなる事でも、太さを維持できないのでバーコードの読取率低下を招くこととなる。
そこで、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図9に示すように、その印刷データについて、バーコードの黒バー及び白バーの線幅のドット数を印刷枚数が増えるに従って1モジュール幅のドット数を補正するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷するとよい。
【0023】
この場合のドット補正処理では、図9に示すように、印刷枚数に応じてバーコードの黒バーの線幅が狭くなるように黒バーのドット数を減らして白バーのドット数を増やしていくというドット数を可変する補正を行う。
このようにして、印刷枚数に応じて黒バーの線幅が太くなる場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、図10に示すように、印刷枚数が増えても線幅の太さを安定して維持することができる。
【0024】
次に、図11によって、コンピュータ30側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷の処理について説明する。
まず、ステップ(図中「S」で示す)1でコンピュータの制御部からプリンタへ印刷枚数カウンタの数値を要求する。
印刷枚数カウンタとは、印刷する記録紙1枚毎の通紙に1カウントづつカウントアップされるものであり、プリンタ20の本体側に内蔵されるものである。
ステップ2でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの印刷枚数カウンタの数値の要求を受信すると、ステップ3でコンピュータへ印刷枚数カウンタの数値を返信する。
【0025】
ステップ4で、コンピュータの制御部がプリンタからの印刷枚数カウンタの数値を受信すると、ステップ5でバーコードデータ作成部がバーコード情報を含む画像データに基づいてプリンタのエンジンの解像度に合わせたバーコードの印刷データを作成し、ステップ6でその印刷データにプリンタからの印刷枚数カウンタの数値による印刷枚数に応じた上述したドット補正処理を施し、ステップ7でドット補正処理後の印刷データをプリンタの本体エンジンの制御部へ送信(コンピュータからプリンタへ出力)する。
ステップ8でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの印刷データを受信すると、ステップ9でその印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷して、この処理を終了する。
【0026】
また、プリンタ20側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷を行う場合の処理は、プリンタ20の制御部21が、外部装置であるコンピュータ30から与えられたバーコード情報を含む画像データを内部メモリ上に展開した上でバーコードの印刷データを作成し、その作成した印刷データに上述と同様なドット補正処理を施し、その補正した印刷データに基づいてエンジン部によって記録紙にバーコードを印刷する。
【0027】
次に、図12に示すように、バーコード印刷時の周囲の温度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合がある。
それは、周囲の温度環境によって現像剤の帯電量が変動することが影響であり、温度が低いときは帯電量が上昇するために現像能力が低くなって黒バーの線幅が細く(狭く)なり、反対に温度が高いときは帯電量が下がって現像性が上がることでトナー量が多く現像されるために黒バーの線幅が太く(広く)なる。
【0028】
そこで、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図13に示すように、その印刷データについて、プリンタ20の周囲の温度に応じて印刷データの黒バーの線幅のドット数及び白バーの線幅のドット数をそれぞれ可変するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷するとよい。
例えば、プリンタ20の周囲の温度が31度以上のときに上記ドット補正処理を行うとよい。
このようにして、バーコード印刷時の周囲の温度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、図14に示すように、線幅の太さを安定して維持することができる。
【0029】
次に、図15に示すように、バーコード印刷時の周囲の湿度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合もある。
そこで、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図16に示すように、その印刷データについて、プリンタ20の周囲の湿度に応じて印刷データの黒バーの線幅のドット数及び白バーの線幅のドット数をそれぞれ可変するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷するとよい。
このようにして、バーコード印刷時の周囲の湿度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、図17に示すように、線幅の太さを安定して維持することができる。
【0030】
次に、図18によって、コンピュータ30側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷の処理について説明する。
まず、ステップ(図中「S」で示す)11でコンピュータの制御部からプリンタへ周囲の温度と湿度の数値を要求する。
プリンタ20の本体側には印刷のエンジン部の周囲の温度と湿度をそれぞれ測定する温度センサと湿度センサを内蔵しているものとする。
ステップ12でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの温度と湿度の数値の要求を受信すると、ステップ13で内蔵した温度センサと湿度センサによってそれぞれ測定した温度と湿度の数値をコンピュータへ返信する。
【0031】
ステップ14で、コンピュータの制御部がプリンタからの温度と湿度の数値を受信すると、ステップ15でバーコードデータ作成部がバーコード情報を含む画像データに基づいてプリンタのエンジンの解像度に合わせたバーコードの印刷データを作成し、ステップ16でその印刷データにプリンタからの温度と湿度の数値に応じた上述したドット補正処理を施し、ステップ17でドット補正処理後の印刷データをプリンタの本体エンジンの制御部へ送信(コンピュータからプリンタへ出力)する。
ステップ18でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの印刷データを受信すると、ステップ19でその印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷して、この処理を終了する。
【0032】
なお、上記温度と湿度を別々に制御するようにしてもよいが、上述のように温度と湿度を同時に検出してドット補正処理するようにすれば、印刷時の黒バーの線幅の変動を抑えるのにより有効である。
また、この実施例ではプリンタに内蔵した温度センサと湿度センサを用いてプリンタの印刷に係るエンジン部の周囲の温度と湿度を測定する場合について説明したが、それ以外の測定方法で温度と湿度を測定するようにしてもよい。
例えば、転写ローラ等のゴムローラの抵抗値を検出し、その抵抗値に基づいて温度と湿度を検出するなどの方法も有効である。
【0033】
また、プリンタ20側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷を行う場合の処理は、プリンタ20の制御部21が、外部装置であるコンピュータ30から与えられたバーコード情報を含む画像データを内部メモリ上に展開した上でバーコードの印刷データを作成し、その作成した印刷データに上述と同様なドット補正処理を施し、その補正した印刷データに基づいてエンジン部によって記録紙にバーコードを印刷する。
【0034】
次に、印刷時のバーコードのバーの方向によって黒バー及び白バーの線幅が異なってしまう場合もある。
図19はバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向に平行なものと垂直なものを示す図であり、バーコードのバーの方向が印刷時の現像方向に平行なものと垂直なものとで印刷した黒バー及び白バーの線幅が異なってしまうことがある。
それは、プリンタの露光手段であるレーザの感光体像面でのレーザビーム径による差、及び現像スリーブ上の現像剤による現像ブラシが感光体上に形成されたトナー像の進行方向の後端部を掻きとってしまう等の原因であることがわかっている。
それらの原因によって、印刷時の現像方向に対して垂直なバーコードの黒バーの線幅は平行な黒バーの線幅に比べ細く(狭く)なってしまう。
【0035】
その問題を解決するために、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、その印刷データのバーコードのバーの方向を検知し、その検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断し、その判断結果に応じて上記作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行うとよい。
【0036】
まず、コンピュータ30へバーコード情報を含む画像データ及びバーコードを印刷する記録紙の用紙設定情報を入力し、バーコードデータ作成部32でバーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成し、方向検知部34がその印刷データのバーコードのバーの方向を検知する。そのバーの方向を検知するには画像データの黒の部分が予め設定した長さ(バーの最低の長さ)以上連続しているか否かを見れば良い。
そして、その検知したバーコードのバーの方向が、記録紙の印刷方向に対して(すなわち、印刷時の現像方向に対して)、図19の(a)に示すように垂直方向か、同図の(b)に示すように並行方向かを判断する。すなわち、この判断によって、検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する。
【0037】
上記判断の結果に基づいて印刷データのドット補正処理を行うが、バーコードのバーの方向が現像方向と垂直であると判断したときと、平行であると判断したときのバーコードの白バー及び黒バーのドット数を可変する補正処理をそれぞれ異ならせる。
例えば、図19の(b)に示すように、記録紙の印刷方向に対してバーコードのバーの方向が平行方向の場合は、ドット補正部によってドット数を可変する補正は行わず、図19の(a)に示すように、記録紙の印刷方向に対してバーコードのバーの方向が垂直方向の場合は、ドット補正部によって実際の黒バーの線幅が細くなるために黒バーの線幅を1ドット増やして白バーの線幅を1ドット減らす補正を行い、その補正後の印刷データをプリンタへ出力する。
【0038】
また、プリンタ20側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷を行う場合の処理は、プリンタ20の制御部21が、外部装置であるコンピュータ30から与えられたバーコード情報を含む画像データを内部メモリ上に展開した上でバーコードの印刷データを作成し、その印刷データのバーコードのバーの方向を検知し、その検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断し、その判断結果に応じて上記作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行い、その補正した印刷データに基づいてエンジン部によって記録紙にバーコードを印刷する。
【0039】
このようにして、印刷枚数、温度湿度環境、バーコードのバーの伸びる方向に応じた黒バーと白バーのドット数の補正をそれぞれの単独で行うようにしても良いが、それらを複数組み合わせた制御を行うようにすれば、バーコードの黒バーの線幅を高精度に補正することができ、バーコードの印刷後の黒バーの線幅の太さを安定して維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明による印刷装置は、複写装置、ファクシミリ装置においても適用することができる。また、この発明による印刷装置の制御装置は、デスクトップパソコン,ノートブックパソコンにおいても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施例であるバーコード印刷の印刷装置及びその制御装置であるコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すプリンタの全体の概略構成とプロセスカートリッジの概略構成図である。
【図3】バーコードの印刷枚数と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図4】バーコードで使用する4種類の線幅構成の説明図である。
【0042】
【図5】バーコードの印刷枚数に応じたバーコードの1モジュール幅のドット補正数を示す図である。
【図6】複数種類の解像度の1モジュール幅を形成するドット数を示す図である。
【図7】バーコードの印刷枚数と印刷データのドット補正処理後のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図8】バーコードの印刷枚数と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との他の関係を示す図である。
【0043】
【図9】バーコードの印刷枚数に応じたバーコードの1モジュール幅の他のドット補正数を示す図である。
【図10】バーコードの印刷枚数と印刷データのドット補正処理後のバーコードの1モジュール幅との他の関係を示す図である。
【図11】印刷枚数に応じたドット数補正の処理動作を示すフローチャート図である。
【図12】温度と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【0044】
【図13】温度に応じたバーコードの1モジュール幅のドット補正数を示す図である。
【図14】温度と印刷データの補正後のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図15】湿度と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【0045】
【図16】湿度に応じたバーコードの1モジュール幅のドット補正数を示す図である。
【図17】湿度と印刷データの補正後のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図18】温度と湿度に応じたドット数補正の処理動作を示すフローチャート図である。
【図19】バーコードの方向の説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1:感光体 2:帯電装置 3:像露光装置 4:現像装置 5:給紙カセット 6:レジストローラ 7:搬送ガイド板 8:転写ローラ 9:像定着装置 10:クリーニング装置 11:プロセスカートリッジ 20:プリンタ 21:制御部 30:コンピュータ 31:メモリ 32:バーコードデータ作成部 33:プリンタドライバ 34:方向検知部 35:ドット補正部
【技術分野】
【0001】
この発明は、バーコード印刷データを作成するプログラム、バーコード印刷を行う印刷装置を制御する印刷装置の制御装置、バーコード印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置又はインクジェット装置等の印刷装置は、文字、図形等をドットと言われる点の集合で描画して印刷している。その点の大きさが小さい程、文字等を構成するドット数が増して精密な印刷が可能になる。
そして、その点の大きさを一般に解像度として表現している。
印刷装置の種類にもよるが、通常は、ドットの密度が100dpiから2400dpi程度の印刷装置が用途に応じて市販されている。
パソコン等に接続される印刷装置の多くは600dpiであり、中には1200dpiを超えるものもある。
それらの印刷装置でバーコードの印刷を行う場合には、各バーコードの規格に合致するドット構成で印刷を行う。
【0003】
例えば、コンビニエンスストア料金代理収納システムにて用いられているバーコード規格であるEAN−128バーコード(European Article Number128:国際EAN協会が標準化したバーコード)は、両側のクワイエットゾーンを含めたバーコードの全長が60mm以内とする必要があり、4種類の太さの線で構成される。
そのようなバーコードを解像度600dpiで印刷する場合、バーコードを構成するドット構成は、白の線(以下「白バー」という)と黒の線(以下「黒バー」という)ともに、4ドット(0.169mm)、8ドット、12ドット、16ドットで行い、1200dpでは白バーと黒バーがともに9ドット(0.190mm)、18ドット、27ドット、36ドットで行うのが一般的であり、線幅は非常に細く高密度になってきているために印刷が困難になっている。
【0004】
そこで従来、所定のバーコード幅に記録する情報量が増大したとき、線幅の条件によって読取率が低くなってしまわないように、バーコードの黒バーの太りがないように黒バー及び白バーの線幅を適切な幅に設定したバーコードフォントテーブルを用意することでバーコードの読取率低下を解決している印刷装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【特許文献1】特開2004−17399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の印刷装置では、印刷装置によっては黒白バー幅が印刷枚数が増えるに従い太くなるものや、また細くなるものもあり常に安定した太さを維持できず読取率の低下をまねいてしまうという問題があった。また、同様に温度や湿度といった周囲の環境によっても黒白バーの幅が変動し読み取りの問題が発生してしまう。
さらに、バーコードのバーの方向によっても、レーザビームのビーム径のバラツキや、紙搬送のスピードバラツキ等により機種によっては、現像方向に対し垂直方向と平行方向では黒白バーの太さが異なる問題が発生してしまう。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、印刷装置の経時変化、環境変動、バーコードの方向にかかわらず、常に安定した線幅の黒バーと白バーの線幅を再現して印刷できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の目的を達成するため、次のプログラム、印刷装置の制御装置、印刷装置を提供する。
(1)コンピュータに、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手順と、その作成手順によって作成した印刷データを補正する補正手順と、その補正手順によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手順を実行させるためのプログラム。
(2)上記(1)のプログラムにおいて、上記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手順を設けたプログラム。
(3)上記(1)のプログラムにおいて、上記補正手順は、上記印刷装置での印刷枚数に応じて上記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順であるプログラム。
【0007】
(4)上記(1)のプログラムにおいて、上記補正手順は、上記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて上記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順であるプログラム。
(5)上記(2)のプログラムにおいて、上記検知手順によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手順を設け、上記補正手順は、上記判断手順による判断結果に応じて上記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順であるプログラム。
【0008】
(6)バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、その作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、その補正手段によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手段を備えた印刷装置の制御装置。
(7)上記(6)の印刷装置の制御装置において、上記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けた印刷装置の制御装置。
(8)上記(6)の印刷装置の制御装置において、上記補正手段は、上記印刷装置での印刷枚数に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置の制御装置。
【0009】
(9)上記(6)の印刷装置の制御装置において、上記補正手段は、上記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置の制御装置。
(10)上記(7)の印刷装置の制御装置において、上記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、上記補正手段は、上記判断手段による判断結果に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置の制御装置。
【0010】
(11)バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、その作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、その補正手段によって補正した印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷する印刷手段を備えた印刷装置。
(12)上記(11)の印刷装置において、上記作成手段は、外部装置から与えられたバーコード情報を含む画像データを展開した上でバーコードの印刷データを作成する手段である印刷装置。
(13)上記(11)の印刷装置において、上記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けた印刷装置。
(14)上記(11)の印刷装置において、上記補正手段は、上記印刷装置での印刷枚数に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置。
【0011】
(15)上記(11)の印刷装置において、上記補正手段は、上記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置。
(16)上記(12)の印刷装置において、上記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、上記補正手段は、上記判断手段による判断結果に応じて上記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段である印刷装置。
【発明の効果】
【0012】
この発明によるプログラム、印刷装置の制御装置、印刷装置は、印刷装置の経時変化及び環境変動、印刷装置の経時変化、環境変動、バーコードの方向にかかわらず、常に安定した線幅の黒バーと白バーの線幅を再現して印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔実施例〕
図2は、この発明の印刷装置の実施例である電子写真プリンタ(以下「プリンタ」という)の構成を示すブロック図である。
同図の(a)プリンタ全体の概略構成図を示し、同図の(b)はプリンタ本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジの構成を示している。
図2において、プリンタ20は画像形成装置であり、潜像担持体としての感光体1の周面は、所定の周速度で回転駆動されながら、帯電装置2によって正又は負の所定電位に一様に帯電せしめられた後、スリット露光やレーザビーム走査露光等の像露光装置3によって画像情報に基づいた走査露光処理がなされて静電潜像が形成される。
【0014】
感光体1上に形成された静電潜像は、現像装置4によって現像されてトナー像となる。
感光体1上に形成されたトナー像は、給紙カセット5からレジストローラ6、搬送ガイド板7上を通過して感光体1と転写ローラ8との間に感光体1の回転と同期して給送された転写材上に、転写ローラ8によって転写される。
このようにして、トナー像が転写された転写材は、感光体1の周面から分離されて像定着装置9に送り出され、ここでトナー像が定着せしめられた後、複写物(コピー)としてプリンタ20の外に排出される。
【0015】
なお、像転写後の感光体1上の表面は、クリーニング装置10によって転写残トナーが除去されて清浄面化され、図示を省略した公知の除電装置によって除電され、次の画像形成に使用される。
そして、上述した感光体1、帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置10の各構成要素は、一体に構成されたプロセスカートリッジ11としてプリンタ20の本体に着脱可能に支持されている。
また、同図では図示を省略したが、CPU、ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現される制御部も備えており、その制御部がプリンタ20の全体の処理の制御を司る。
【0016】
図1は、この発明の実施例である印刷システムの構成を示すブロック図である。
この印刷システムは、この発明の印刷装置の一実施例であるプリンタ20と、この発明の印刷装置の制御装置の一実施例であるコンピュータ30とからなる。
コンピュータ30は、CPU、ROM及びRAMからなるマイクロコンピュータによって実現されるメモリ31、バーコードデータ作成部32、方向検知部34、ドット補正部35を有し、プリンタドライバ33はプリンタ20に印刷させるための情報である。
すなわち、この発明に係るバーコード印刷をコンピュータ30の制御によって実現する場合、コンピュータ30のRAMにこの発明に係るプログラムを格納し、CPUがそのプログラムを実行することによってバーコードデータ作成部32がこの発明の印刷装置の制御装置に係る作成手段の機能を果たし、方向検知部34がこの発明の印刷装置の制御装置に係る検知手段と判断手段の機能を果たし、ドット補正部35がこの発明の印刷装置の制御装置に係る補正手段と出力手段の機能を果たす。
【0017】
一方、プリンタ20は、図2に示した各部を備えると共に、図2では図示を省略したプリンタ20の全体の制御を司る制御部21を有し、この発明に係るバーコード印刷をプリンタ20で実現する場合、その制御部21が、この発明の印刷装置に係る作成手段、検知手段、判断手段、補正手段の各手段の機能を果たし、制御部21と図2に示した各部が印刷手段の機能を果たす。
【0018】
この印刷システムによって通常のバーコード印刷を行うと、図3に示すように記録紙の印刷枚数が増えるに従って黒バーの1モジュール幅が細く(狭く)なる場合がある。
1モジュール幅とは、図4に示すように、バーコードを構成する4種類の太さのバー40〜43のうち、最も細いバー40のことであり、そのバー40の線幅が細くなる。
その他のバーは、1モジュール幅のバー40の2倍の線幅のバー41、3倍の線幅のバー42、4倍の線幅のバー43である。バーコードは以上4種類の線幅のバーで構成されており、その4種類の線幅は同図の(a)に示す白バーと同図の(b)に示す黒バー共にそれぞれ同じ幅である。
【0019】
上述した印刷枚数に応じて黒バーの線幅が細くなるのは、2成分現像による現像剤の帯電量の上昇が原因であり、上述したバーコードの印刷を行う際に、常に安定した太さを維持できないためにバーコード読取率低下を招いてしまう問題がある。
その問題を解決するために、この印刷システムは、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図5に示すように、その印刷データについて、バーコードの黒バー及び白バー(「白スペース」ともいう)の線幅のドット数を印刷枚数が増えるに従って1モジュール幅のドット数を補正するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷する。
【0020】
図6は、400dpi、600dpi、1200dpiの各解像度でのバーコードの黒バーと白バーの1モジュール幅を印刷するときのドット数を示した図である。
同図に示すように、解像度によって1モジュール幅を形成するドット数が異なる事がわかる。
例えば、解像度1200dpiでの印刷時に行った場合、上記ドット補正処理を、印刷データの黒バーのドット数を増やして白バーのドット数を減らすというドット数を可変する補正を行う。
【0021】
解像度1200dpiでの初期の1モジュール幅のドット数は黒バー、白バー共に9ドットであり、図5に示す印刷枚数(通紙枚数)0枚での補正値0は、白バー、黒バーともに初期値の9ドットを意味する。また、解像度1200dpiでの1ドットは約0.021mmである。
さらに、上記ドット補正処理は、黒バーと白バーのドット数を足した値は変えずに白バーと黒バーの割合だけを可変するものである。
図7は、印刷枚数によるドット補正処理後の1モジュール幅の推移を示す図であるが、印刷枚数に応じて黒バーの線幅が細くなる場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、同図に示すように、印刷枚数が増えてもバーコードの線幅の太さの変動を所定範囲内に抑えることができ、バーコードの線幅の太さを安定して維持することができる。
【0022】
次に、図8に示すように、記録紙の印刷枚数に応じてバーコードの黒バーの線幅が太く(広く)なる場合もある。
それは主に1成分現像によるものであり、初期から印刷枚数が増えるに従ってトナーの帯電量が上昇して初期よりも現像性が向上するためである。このように、当然太くなる事でも、太さを維持できないのでバーコードの読取率低下を招くこととなる。
そこで、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図9に示すように、その印刷データについて、バーコードの黒バー及び白バーの線幅のドット数を印刷枚数が増えるに従って1モジュール幅のドット数を補正するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷するとよい。
【0023】
この場合のドット補正処理では、図9に示すように、印刷枚数に応じてバーコードの黒バーの線幅が狭くなるように黒バーのドット数を減らして白バーのドット数を増やしていくというドット数を可変する補正を行う。
このようにして、印刷枚数に応じて黒バーの線幅が太くなる場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、図10に示すように、印刷枚数が増えても線幅の太さを安定して維持することができる。
【0024】
次に、図11によって、コンピュータ30側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷の処理について説明する。
まず、ステップ(図中「S」で示す)1でコンピュータの制御部からプリンタへ印刷枚数カウンタの数値を要求する。
印刷枚数カウンタとは、印刷する記録紙1枚毎の通紙に1カウントづつカウントアップされるものであり、プリンタ20の本体側に内蔵されるものである。
ステップ2でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの印刷枚数カウンタの数値の要求を受信すると、ステップ3でコンピュータへ印刷枚数カウンタの数値を返信する。
【0025】
ステップ4で、コンピュータの制御部がプリンタからの印刷枚数カウンタの数値を受信すると、ステップ5でバーコードデータ作成部がバーコード情報を含む画像データに基づいてプリンタのエンジンの解像度に合わせたバーコードの印刷データを作成し、ステップ6でその印刷データにプリンタからの印刷枚数カウンタの数値による印刷枚数に応じた上述したドット補正処理を施し、ステップ7でドット補正処理後の印刷データをプリンタの本体エンジンの制御部へ送信(コンピュータからプリンタへ出力)する。
ステップ8でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの印刷データを受信すると、ステップ9でその印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷して、この処理を終了する。
【0026】
また、プリンタ20側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷を行う場合の処理は、プリンタ20の制御部21が、外部装置であるコンピュータ30から与えられたバーコード情報を含む画像データを内部メモリ上に展開した上でバーコードの印刷データを作成し、その作成した印刷データに上述と同様なドット補正処理を施し、その補正した印刷データに基づいてエンジン部によって記録紙にバーコードを印刷する。
【0027】
次に、図12に示すように、バーコード印刷時の周囲の温度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合がある。
それは、周囲の温度環境によって現像剤の帯電量が変動することが影響であり、温度が低いときは帯電量が上昇するために現像能力が低くなって黒バーの線幅が細く(狭く)なり、反対に温度が高いときは帯電量が下がって現像性が上がることでトナー量が多く現像されるために黒バーの線幅が太く(広く)なる。
【0028】
そこで、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図13に示すように、その印刷データについて、プリンタ20の周囲の温度に応じて印刷データの黒バーの線幅のドット数及び白バーの線幅のドット数をそれぞれ可変するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷するとよい。
例えば、プリンタ20の周囲の温度が31度以上のときに上記ドット補正処理を行うとよい。
このようにして、バーコード印刷時の周囲の温度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、図14に示すように、線幅の太さを安定して維持することができる。
【0029】
次に、図15に示すように、バーコード印刷時の周囲の湿度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合もある。
そこで、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、図16に示すように、その印刷データについて、プリンタ20の周囲の湿度に応じて印刷データの黒バーの線幅のドット数及び白バーの線幅のドット数をそれぞれ可変するドット補正処理を行い、その補正後の印刷データで記録紙にバーコードを印刷するとよい。
このようにして、バーコード印刷時の周囲の湿度に応じてバーコードの黒バーの線幅が変動する場合でも、上記ドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷によって、図17に示すように、線幅の太さを安定して維持することができる。
【0030】
次に、図18によって、コンピュータ30側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷の処理について説明する。
まず、ステップ(図中「S」で示す)11でコンピュータの制御部からプリンタへ周囲の温度と湿度の数値を要求する。
プリンタ20の本体側には印刷のエンジン部の周囲の温度と湿度をそれぞれ測定する温度センサと湿度センサを内蔵しているものとする。
ステップ12でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの温度と湿度の数値の要求を受信すると、ステップ13で内蔵した温度センサと湿度センサによってそれぞれ測定した温度と湿度の数値をコンピュータへ返信する。
【0031】
ステップ14で、コンピュータの制御部がプリンタからの温度と湿度の数値を受信すると、ステップ15でバーコードデータ作成部がバーコード情報を含む画像データに基づいてプリンタのエンジンの解像度に合わせたバーコードの印刷データを作成し、ステップ16でその印刷データにプリンタからの温度と湿度の数値に応じた上述したドット補正処理を施し、ステップ17でドット補正処理後の印刷データをプリンタの本体エンジンの制御部へ送信(コンピュータからプリンタへ出力)する。
ステップ18でプリンタの本体エンジンの制御部がコンピュータからの印刷データを受信すると、ステップ19でその印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷して、この処理を終了する。
【0032】
なお、上記温度と湿度を別々に制御するようにしてもよいが、上述のように温度と湿度を同時に検出してドット補正処理するようにすれば、印刷時の黒バーの線幅の変動を抑えるのにより有効である。
また、この実施例ではプリンタに内蔵した温度センサと湿度センサを用いてプリンタの印刷に係るエンジン部の周囲の温度と湿度を測定する場合について説明したが、それ以外の測定方法で温度と湿度を測定するようにしてもよい。
例えば、転写ローラ等のゴムローラの抵抗値を検出し、その抵抗値に基づいて温度と湿度を検出するなどの方法も有効である。
【0033】
また、プリンタ20側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷を行う場合の処理は、プリンタ20の制御部21が、外部装置であるコンピュータ30から与えられたバーコード情報を含む画像データを内部メモリ上に展開した上でバーコードの印刷データを作成し、その作成した印刷データに上述と同様なドット補正処理を施し、その補正した印刷データに基づいてエンジン部によって記録紙にバーコードを印刷する。
【0034】
次に、印刷時のバーコードのバーの方向によって黒バー及び白バーの線幅が異なってしまう場合もある。
図19はバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向に平行なものと垂直なものを示す図であり、バーコードのバーの方向が印刷時の現像方向に平行なものと垂直なものとで印刷した黒バー及び白バーの線幅が異なってしまうことがある。
それは、プリンタの露光手段であるレーザの感光体像面でのレーザビーム径による差、及び現像スリーブ上の現像剤による現像ブラシが感光体上に形成されたトナー像の進行方向の後端部を掻きとってしまう等の原因であることがわかっている。
それらの原因によって、印刷時の現像方向に対して垂直なバーコードの黒バーの線幅は平行な黒バーの線幅に比べ細く(狭く)なってしまう。
【0035】
その問題を解決するために、この印刷システムにおいて、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成した後、その印刷データのバーコードのバーの方向を検知し、その検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断し、その判断結果に応じて上記作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行うとよい。
【0036】
まず、コンピュータ30へバーコード情報を含む画像データ及びバーコードを印刷する記録紙の用紙設定情報を入力し、バーコードデータ作成部32でバーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成し、方向検知部34がその印刷データのバーコードのバーの方向を検知する。そのバーの方向を検知するには画像データの黒の部分が予め設定した長さ(バーの最低の長さ)以上連続しているか否かを見れば良い。
そして、その検知したバーコードのバーの方向が、記録紙の印刷方向に対して(すなわち、印刷時の現像方向に対して)、図19の(a)に示すように垂直方向か、同図の(b)に示すように並行方向かを判断する。すなわち、この判断によって、検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する。
【0037】
上記判断の結果に基づいて印刷データのドット補正処理を行うが、バーコードのバーの方向が現像方向と垂直であると判断したときと、平行であると判断したときのバーコードの白バー及び黒バーのドット数を可変する補正処理をそれぞれ異ならせる。
例えば、図19の(b)に示すように、記録紙の印刷方向に対してバーコードのバーの方向が平行方向の場合は、ドット補正部によってドット数を可変する補正は行わず、図19の(a)に示すように、記録紙の印刷方向に対してバーコードのバーの方向が垂直方向の場合は、ドット補正部によって実際の黒バーの線幅が細くなるために黒バーの線幅を1ドット増やして白バーの線幅を1ドット減らす補正を行い、その補正後の印刷データをプリンタへ出力する。
【0038】
また、プリンタ20側でドット補正処理を施した印刷データに基づくバーコード印刷を行う場合の処理は、プリンタ20の制御部21が、外部装置であるコンピュータ30から与えられたバーコード情報を含む画像データを内部メモリ上に展開した上でバーコードの印刷データを作成し、その印刷データのバーコードのバーの方向を検知し、その検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断し、その判断結果に応じて上記作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行い、その補正した印刷データに基づいてエンジン部によって記録紙にバーコードを印刷する。
【0039】
このようにして、印刷枚数、温度湿度環境、バーコードのバーの伸びる方向に応じた黒バーと白バーのドット数の補正をそれぞれの単独で行うようにしても良いが、それらを複数組み合わせた制御を行うようにすれば、バーコードの黒バーの線幅を高精度に補正することができ、バーコードの印刷後の黒バーの線幅の太さを安定して維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明による印刷装置は、複写装置、ファクシミリ装置においても適用することができる。また、この発明による印刷装置の制御装置は、デスクトップパソコン,ノートブックパソコンにおいても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施例であるバーコード印刷の印刷装置及びその制御装置であるコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すプリンタの全体の概略構成とプロセスカートリッジの概略構成図である。
【図3】バーコードの印刷枚数と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図4】バーコードで使用する4種類の線幅構成の説明図である。
【0042】
【図5】バーコードの印刷枚数に応じたバーコードの1モジュール幅のドット補正数を示す図である。
【図6】複数種類の解像度の1モジュール幅を形成するドット数を示す図である。
【図7】バーコードの印刷枚数と印刷データのドット補正処理後のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図8】バーコードの印刷枚数と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との他の関係を示す図である。
【0043】
【図9】バーコードの印刷枚数に応じたバーコードの1モジュール幅の他のドット補正数を示す図である。
【図10】バーコードの印刷枚数と印刷データのドット補正処理後のバーコードの1モジュール幅との他の関係を示す図である。
【図11】印刷枚数に応じたドット数補正の処理動作を示すフローチャート図である。
【図12】温度と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【0044】
【図13】温度に応じたバーコードの1モジュール幅のドット補正数を示す図である。
【図14】温度と印刷データの補正後のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図15】湿度と印刷データの補正前のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【0045】
【図16】湿度に応じたバーコードの1モジュール幅のドット補正数を示す図である。
【図17】湿度と印刷データの補正後のバーコードの1モジュール幅との関係を示す図である。
【図18】温度と湿度に応じたドット数補正の処理動作を示すフローチャート図である。
【図19】バーコードの方向の説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1:感光体 2:帯電装置 3:像露光装置 4:現像装置 5:給紙カセット 6:レジストローラ 7:搬送ガイド板 8:転写ローラ 9:像定着装置 10:クリーニング装置 11:プロセスカートリッジ 20:プリンタ 21:制御部 30:コンピュータ 31:メモリ 32:バーコードデータ作成部 33:プリンタドライバ 34:方向検知部 35:ドット補正部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手順と、該作成手順によって作成した印刷データを補正する補正手順と、該補正手順によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手順を設けた請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記補正手順は、前記印刷装置での印刷枚数に応じて前記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順である請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記補正手順は、前記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて前記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順である請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記検知手順によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手順を設け、前記補正手順は、前記判断手順による判断結果に応じて前記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順である請求項2記載のプログラム。
【請求項6】
バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、該作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、該補正手段によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手段とを備えたことを特徴とする印刷装置の制御装置。
【請求項7】
前記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の印刷装置の制御装置。
【請求項8】
前記補正手段は、前記印刷装置での印刷枚数に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項6記載の印刷装置の制御装置。
【請求項9】
前記補正手段は、前記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項6記載の印刷装置の制御装置。
【請求項10】
前記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、前記補正手段は、前記判断手段による判断結果に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項7記載の印刷装置の制御装置。
【請求項11】
バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、該作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、該補正手段によって補正した印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷する印刷手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
前記作成手段は、外部装置から与えられたバーコード情報を含む画像データを展開した上でバーコードの印刷データを作成する手段であることを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項13】
前記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項14】
前記補正手段は、前記印刷装置での印刷枚数に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項15】
前記補正手段は、前記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項16】
前記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、前記補正手段は、前記判断手段による判断結果に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項13記載の印刷装置。
【請求項1】
コンピュータに、バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手順と、該作成手順によって作成した印刷データを補正する補正手順と、該補正手順によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手順を設けた請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記補正手順は、前記印刷装置での印刷枚数に応じて前記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順である請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記補正手順は、前記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて前記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順である請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記検知手順によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手順を設け、前記補正手順は、前記判断手順による判断結果に応じて前記作成手順によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手順である請求項2記載のプログラム。
【請求項6】
バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、該作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、該補正手段によって補正した印刷データを印刷装置へ出力する出力手段とを備えたことを特徴とする印刷装置の制御装置。
【請求項7】
前記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の印刷装置の制御装置。
【請求項8】
前記補正手段は、前記印刷装置での印刷枚数に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項6記載の印刷装置の制御装置。
【請求項9】
前記補正手段は、前記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項6記載の印刷装置の制御装置。
【請求項10】
前記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、前記補正手段は、前記判断手段による判断結果に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項7記載の印刷装置の制御装置。
【請求項11】
バーコード情報を含む画像データに基づいてバーコードの印刷データを作成する作成手段と、該作成手段によって作成した印刷データを補正する補正手段と、該補正手段によって補正した印刷データに基づいて記録紙にバーコードを印刷する印刷手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項12】
前記作成手段は、外部装置から与えられたバーコード情報を含む画像データを展開した上でバーコードの印刷データを作成する手段であることを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項13】
前記印刷データのバーコードのバーの方向を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項14】
前記補正手段は、前記印刷装置での印刷枚数に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項15】
前記補正手段は、前記印刷装置の周囲の温度又は湿度に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項11記載の印刷装置。
【請求項16】
前記検知手段によって検知したバーコードのバーの方向が印刷時の現像方向と一致するか否かを判断する判断手段を設け、前記補正手段は、前記判断手段による判断結果に応じて前記作成手段によって作成した印刷データの黒バーのドット数及び白バーのドット数を可変する補正を行う手段であることを特徴とする請求項13記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−293916(P2006−293916A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117209(P2005−117209)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]