説明

プログラム、情報記憶媒体、およびゲームシステム

【課題】 複数のディスプレイに表示されるゲームの内容を利用することで新たなゲーム性を付与できるプログラム、情報記憶媒体、およびゲームシステムを提供する。
【解決手段】 第1のディスプレイ11にゲーム画像が表示される第1のゲームを進行させるゲーム演算と、第2のディスプレイ12にゲーム画像が表示される第2のゲームを進行させるゲーム演算とを行うゲーム演算部110を含み、ゲーム演算部110が、一方のゲームのゲーム状況に応じて、他方のゲームを進行させるゲーム演算を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレーヤが複数のゲーム画像を見ながらゲームをプレイするゲームシステムが知られている。例えば特許文献1では、液晶モニタが備えられた携帯ゲーム機とテレビモニタとがビデオゲーム機に接続されたゲームシステムにおいて、ゲーム空間を上空から俯瞰したゲーム画像をテレビモニタに表示するとともに、当該ゲーム空間をプレーヤキャラクタの後方斜め上の視点位置から見たゲーム画像を液晶モニタに表示するゲームシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−325963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1で開示されたようなゲームシステムでは、各モニタに表示されるゲーム画像が同一のゲーム空間を異なる視点位置から見た画像であるため、ゲーム空間に登場する各キャラクタ相互の位置関係などのゲーム状況の把握が容易になるものの、新しいゲーム性の付与という観点からは、各モニタに表示されるゲームの内容を有効に活用できてはいなかった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のディスプレイに表示されるゲームの内容を利用することで新たなゲーム性を付与できるプログラム、情報記憶媒体、およびゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、プレーヤに第1のゲームと第2のゲームとをプレイさせるためのゲームシステムであって、第1の表示領域にゲーム画像が表示される前記第1のゲームを進行させるゲーム演算と、第2の表示領域にゲーム画像が表示される前記第2のゲームを進行させるゲーム演算とを行うゲーム演算部を含み、前記ゲーム演算部が、一方のゲームのゲーム状況に応じて、他方のゲームを進行させるゲーム演算を行うゲームシステムに関するものである。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、および上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関するものである。
【0006】
なお、「第1のゲーム」と「第2のゲーム」は異なるゲームであり、それぞれ別々のゲーム空間で行われるゲームである。また、「第1の表示領域、第2の表示領域」は、2以上の表示部を設けることで、それぞれの表示部を第1の表示領域、第2の表示領域としてもよいし、1の表示部内に2以上の表示領域を設けることで、それぞれの表示領域を第1の表示領域、第2の表示領域としてもよい。
【0007】
本発明では、一方のゲームのゲーム状況に応じて、他方のゲームを進行させるゲーム演算が行われるため、プレーヤは、第1の表示領域にゲーム画像が表示される第1のゲームの内容と第2の表示領域にゲーム画像が表示される第2のゲームの内容とに注意を払いながらゲームをプレイする必要がある。このため、ゲームの興趣性が増し、プレーヤは従来にないゲーム性を楽しみながらゲームをプレイすることができるようになる。
【0008】
(2)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、一方のゲームのゲーム状況に応じたコメントを他方のゲームのゲーム画像が表示される表示領域に表示させるゲーム演算を行うようにしてもよい。
【0009】
このようにすると、表示されるコメントの内容に応じて、他方のゲームに対するプレーヤの関心をより高めることができるようになり、ゲームの興趣性をより増大させることができる。
【0010】
(3)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、一方のゲームのゲーム状況に応じたコメント音声の出力制御を他方のゲームのゲーム演算として行うようにしてもよい。
【0011】
このようにすると、出力されるコメント音声の内容に応じて、他方のゲームに対するプレーヤの関心をより高めることができるようになり、ゲームの興趣性をより増大させることができる。
【0012】
(4)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、一方のゲームのゲーム状況に応じたイベントを他方のゲームにおいて発生させるゲーム演算を行うようにしてもよい。
【0013】
このようにすると、発生するイベントの内容に応じて、他方のゲームに対するプレーヤの関心をより高めることができるようになり、ゲームの興趣性をより増大させることができる。
【0014】
(5)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、一方のゲームにおいてイベントが発生したことに基づいて、当該イベントの発生に連動したゲーム演算を他方のゲームにおいて行うようにしてもよい。
【0015】
このようにすると、発生するイベントの内容に応じて、一方のゲームに対するプレーヤの関心をより高めることができるようになるとともに、イベントの発生に連動したゲーム演算の内容に応じて、他方のゲームに対するプレーヤの関心もより高めることができるようになり、ゲームの興趣性とともにゲームの複雑性を増大させることができる。
【0016】
(6)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、所与のゲーム装置と無線通信でデータの送受信を行う通信制御部として更にコンピュータを機能させ、前記ゲーム演算部が、前記所与のゲーム装置から受信したデータに基づいて、前記プレーヤと前記所与のゲーム装置でプレイする他のプレーヤとが参加する前記第1のゲームのゲーム演算と、前記プレーヤと前記他のプレーヤとが参加する前記第2のゲームのゲーム演算とを行うようにしてもよい。
【0017】
このようにすると、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤ型ゲームにおいても、第1の表示領域にゲーム画像が表示される第1のゲームの内容と第2の表示領域にゲーム画像が表示される第2のゲームの内容とに注意を払いながらゲームをプレイする必要があるため、ゲームの興趣性が増し、プレーヤは従来にないゲーム性を楽しみながらマルチプレーヤ型ゲームをプレイすることができるようになる。
【0018】
(7)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、前記所与のゲーム装置が表示させるゲーム画像と共通のゲーム画像である一方のゲームのゲーム画像を一方の表示領域に表示させるゲーム演算と、前記プレーヤからの所与の入力データに基づき決定される視点位置からのゲーム画像である他方のゲームのゲーム画像を他方の表示領域に表示させるゲーム演算とを行うようにしてもよい。
【0019】
このようにすると、各プレーヤは、当該プレーヤからの入力データに基づき決定される視点位置からのゲーム画像でマルチプレーヤ型ゲームを楽しむことができるようになる。
【0020】
(8)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記通信制御部が、前記他のプレーヤのステータスパラメータの一部を前記所与のゲーム装置から受信し、前記ゲーム演算部が、前記ステータスパラメータに基づいて、前記他のプレーヤが参加するゲームに前記プレーヤを参加させるゲーム演算を行うようにしてもよい。
【0021】
なお、「ステータスパラメータ」とは、各プレーヤに対応付けられたパラメータであり、当該パラメータの値に応じてゲームへの参加の可否(プレイの可否)が判断される。
【0022】
このようにすると、プレーヤは、他のプレーヤが参加するゲームに途中から参加することができるようになる。
【0023】
(9)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、所与の条件が成立したことに基づいて、前記他のプレーヤが参加するゲームへの前記プレーヤの参加を終了するゲーム演算を行い、前記通信制御部が、前記プレーヤの参加が終了したことに基づいて、前記プレーヤのゲーム結果を前記所与のゲーム装置に送信するようにしてもよい。
【0024】
このようにすると、他のプレーヤは、途中参加したプレーヤのゲーム結果を取得することができるようになる。
【0025】
(10)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、所与のゲーム装置と無線通信でデータの送受信を行う通信制御部として更にコンピュータを機能させ、前記通信制御部が、前記所与のゲーム装置でプレイする他のプレーヤのゲーム履歴を受信し、前記ゲーム演算部が、前記他のプレーヤのゲーム履歴に基づいて、前記他のプレーヤのゲーム状況を引き継いだ継続ゲームを開始するゲーム演算を行うようにしてもよい。
【0026】
このようにすると、プレーヤは、他のプレーヤのゲーム状況を引き継いでゲームをプレイすることができるようになる。
【0027】
(11)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、所与の条件が成立したことに基づいて、前記継続ゲームを終了するゲーム演算を行い、前記通信制御部が、前記継続ゲームが終了したことに基づいて、前記継続ゲームをプレイする前記プレーヤのゲーム履歴を前記所与のゲーム装置に送信するようにしてもよい。
【0028】
このようにすると、プレーヤが他のプレーヤから引き継いだゲームを、他のプレーヤが再度引き継いでプレイすることができるようになる。
【0029】
(12)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記第1のゲームに対する入力を受け付ける第1の入力モードと、前記第2のゲームに対する入力を受け付ける第2の入力モードとが排他的に設定されており、前記ゲーム演算部が、前記プレーヤからの特定の入力データに基づいて、前記第1の入力モードと前記第2の入力モードとを切り替えるゲーム演算を行うようにしてもよい。
【0030】
このようにすると、第1のゲームに対する入力と第2のゲームに対する入力とを排他的に行うことができるようになる。
【0031】
(13)また本発明のゲームシステム、プログラムおよび情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部が、一方の表示領域に表示されるゲーム画像を、他方の表示領域内の所与の領域に表示させるゲーム演算を行うようにしてもよい。
【0032】
このようにすれば、第1のゲームと第2のゲームとの関係をより明確にすることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態(本実施形態)について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0034】
1.ゲームシステムの構成
図1は、本実施形態のゲームシステムの外観図の一例である。
【0035】
本実施形態のゲームシステム1(携帯型ゲーム装置)は、第1のディスプレイ11が設けられた本体上部2と第2のディスプレイ12が設けられた本体下部4とヒンジ部6とから構成されている。本体上部2と本体下部4とはヒンジ部6により接合されており、本体上部2と本体下部4とがヒンジ軸回りに回動可能に形成されている。
【0036】
本体下部4には、十字キー14、操作ボタン16、スタートボタン18、セレクトボタン20、サイドボタン22などの操作部や、操作者が音入力(音声入力)を行うための音入力装置40(マイク)が設けられている。本体上部2や本体下部4には、ゲーム音などの各種の音声を出力するスピーカ(図示省略)が設けられている。第2のディスプレイ12は、液晶ディスプレイとタッチパネルとが積層されて構成されており、タッチペン30による接触操作位置を検出できるようになっている。
【0037】
本実施形態のゲームシステムでは、シューティングゲームである第1のゲームと、第1のゲームをプレイするプレーヤキャラクタPC1が登場する第2のゲームとが行われ、第1のゲームのゲーム画像が第1のディスプレイ11に表示され、第2のゲームのゲーム画像が第2のディスプレイ12に表示される。プレーヤは、第2のディスプレイ12に表示されるゲーム画像を参照しながら、第2のゲームに登場するプレーヤキャラクタPC1を操作して第2のゲームをプレイするとともに、第2のゲームのゲーム空間内で第1のゲームが開始されると、第1のディスプレイ11に表示されるゲーム画像を参照しながら第1のゲームに登場する移動体PO1を操作して第1のゲームをプレイする。
【0038】
このように本実施形態の第1のゲームとは、第2のゲーム空間に登場するプレーヤキャラクタがプレイするゲームであるため、第1のゲームのゲーム空間内で生じた出来事が第2のゲームに反映されるとともに、第2のゲームのゲーム空間内で生じた出来事が第1のゲームに反映されることになり、プレーヤは従来にないゲーム性を楽しみながらゲームをプレイすることができる。
【0039】
図2は、本実施形態のゲームシステムの機能ブロック図の一例である。なお本実施形態のゲームシステムでは、図2の構成要素(各部)を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0040】
入力部160は、プレーヤが行った操作やプレーヤの声などの音声をデータとして入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マウス、マイク、タッチパネル、トラックボール、コントローラなどのハードウェアにより実現できる。
【0041】
本実施形態のゲームシステムでは、図1に示す第2のディスプレイ12が液晶ディスプレイとタッチパネルとが積層されたタッチパネル型ディスプレイとして構成されているため、第2のディスプレイ12は入力部160として機能するとともに表示部190としても機能する。タッチパネルには、抵抗膜方式(4線式、5線式)タッチパネル、静電容量結合方式タッチパネル、超音波表面弾性波方式タッチパネル、赤外線走査方式タッチパネルなどを用いることができる。なお、第2のディスプレイ12への接触操作は、図1に示すタッチペン30などの入力機器を用いて行っても良いし、プレーヤの指先を用いて行ってもよい。
【0042】
また入力部160は、プレーヤが操作データを入力するためのコントローラ(コントローラと一体化されたゲーム装置等も含む)に内蔵され、当該コントローラ自体の動きに応じて変化する情報を検出する検出部であってもよい。この場合、入力部160は検出された情報をデータとして入力する。
【0043】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などのハードウェアにより実現できる。そして本実施形態では、記憶部170が、ワーク領域として使用される主記憶部171、表示部190に出力されるコメントのデータが記憶されるコメント記憶部172、音出力部192から出力されるコメント音声のデータが記憶されるコメント音声記憶部173、イベントテーブルが記憶されるイベントテーブル記憶部174、ゲーム履歴が記憶されるゲーム履歴記憶部175、入力モードが記憶される入力モード記憶部178を含んで構成される。またゲーム履歴記憶部175が、ゲームキャラクタのステータス等を設定するパラメータを記憶するパラメータ記憶部176、ゲームで獲得した得点を記憶する得点記憶部177を含んで構成される。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0044】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。そして処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)や携帯型情報記憶装置194から読み出されたデータなどに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記録媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。なお携帯型情報記憶装置194は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置194としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。
【0045】
表示部190は、処理部100により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRTディスプレイ、LCD(液晶ディスプレイ)、OELD(有機ELディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのハードウェアにより実現できる。
【0046】
本実施形態のゲームシステムでは、表示部190は、第1のディスプレイ11と第2のディスプレイ12とを含んで構成されており、第2のディスプレイ12は、タッチパネルディスプレイを用いることによりプレーヤがゲーム操作を行う入力部160としても機能する。なお、1つのディスプレイに2以上の表示領域を設け、少なくとも一方の表示領域を、接触操作位置を検出する検出領域として機能させるようにしてもよい。
【0047】
音出力部192は、処理部100により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどのハードウェアにより実現できる。
【0048】
通信部196は、外部(例えばホスト装置や他のゲーム装置)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。また、外部(他の携帯型ゲーム装置)との間で無線通信を行うための各種制御を行う場合には、その機能は、無線LANやIrDA等などにより実現できる。
【0049】
なお、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバ)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信するようにしてもよい。このようなホスト装置(サーバ)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲に含まれる。
【0050】
処理部100(プロセッサ)は、入力部160からの入力データや情報記憶媒体180から記憶部170に展開されたプログラムなどに基づいて、ゲーム演算処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。処理部100が行うゲーム演算処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、キャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。なお、処理部100は記憶部170をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0051】
また本実施形態の処理部100は、ゲーム演算部110、タイマ部120、通信制御部130、描画部140、音生成部150を含んで構成される。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0052】
ゲーム演算部110は、第1のディスプレイ11にゲーム画像が表示される第1のゲームを進行させるゲーム演算と、第2のディスプレイ12にゲーム画像が表示される第2のゲームを進行させるゲーム演算とを行い、一方のゲームのゲーム状況に応じて、他方のゲームを進行させるゲーム演算を行う。また、所与のゲーム装置から受信したデータに基づいて、プレーヤと所与のゲーム装置でプレイする他のプレーヤとが参加する第1のゲームのゲーム演算と、プレーヤと他のプレーヤとが参加する第2のゲームのゲーム演算とを行うようにしてもよい。
【0053】
特に本実施形態のゲーム演算部110は、ゲーム進行制御部112、表示制御部114、音制御部116、入力モード切替部118を含んで構成される。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0054】
ゲーム進行制御部112は、シューティングゲーム、レースゲーム、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、スポーツゲームなど種々のゲームである第1のゲームの進行制御を行う。また、第1のゲームの課題(クリア条件)を指定するとともに、当該課題が達成されると、ゲーム内の時間を進行させ、新たなゲームソフトの発売等のイベントを発生させることで、プレーヤがプレイ可能な第1のゲームを増やしていく第2のゲームの進行制御を行う。
【0055】
また、ゲーム進行制御部112は、イベントテーブル記憶部174に記憶されたイベントテーブルに基づいて、一方のゲームのゲーム状況に応じたイベントを他方のゲームにおいて発生させる処理を行う。また、一方のゲームにおいてイベントが発生したことに基づいて、当該イベントの発生に連動したゲーム演算を他方のゲームにおいて行う。
【0056】
また、ゲーム進行制御部112は、ゲームの進行に応じて、ゲーム履歴をゲーム履歴記憶部175に記憶させる処理、ゲームキャラクタのステータス(プレイ回数、体力パラメータ)等を設定するパラメータをパラメータ記憶部176に記憶させる処理、ゲームで獲得した得点を得点記憶部177に記憶させる処理等を行う。
【0057】
また、ゲーム進行制御部112は、ステータスパラメータに基づいて、他のプレーヤが参加するゲームにプレーヤを参加させる処理を行う。また、所与の条件が成立したことに基づいて、他のプレーヤが参加するゲームへのプレーヤの参加を終了する処理を行う。なお、「所与の条件が成立したこと」とは、例えば、ステータスパラメータが所与の値に達したこと、プレーヤからの参加終了指示などが該当する。
【0058】
また、ゲーム進行制御部112は、他のプレーヤのゲーム履歴に基づいて、他のプレーヤのゲーム状況を引き継いだ継続ゲームを開始する処理を行う。また、所与の条件が成立したことに基づいて、継続ゲームを終了する処理を行う。なお、「所与の条件が成立したこと」とは、例えば、ステータスパラメータが所与の値に達したこと、プレーヤからの継続ゲーム終了指示などが該当する。
【0059】
表示制御部114は、表示部190に表示出力される表示物(オブジェクト)の表示制御を行う。具体的には、表示物(ゲームキャラクタ、背景、標的、車、ボール、アイテム、建物、樹木、柱、壁、マップ)を発生させたり、表示物の表示位置を指示したり、表示物を消滅させたりするなどの表示制御を行う。即ち発生した表示物を表示物リストに登録したり、表示物リストを描画部140等に転送したり、消滅した表示物を表示物リストから削除したりするなどの表示制御を行う。
【0060】
また表示制御部114は、ゲームキャラクタを移動させたり動作させたりするアニメーション処理を行う。アニメーション処理としては、ゲームフィールド(2次元又は3次元のゲーム空間)でゲームキャラクタ(2次元データ又は3次元データで定義される表示物)を移動させるための処理を行うことができる。具体的にはプレーヤが入力した入力データや、プログラム(移動アルゴリズム)や、各種データなどに基づいて、表示物を移動させるアニメーション処理を行う。より具体的には、表示物の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める処理を行う。なおフレームは、表示物の移動や動作を制御する処理や画像を生成する描画処理を行う時間の単位である。
【0061】
またアニメーション処理としては、表示物を動作させるための処理も行うことができる。即ち、プレーヤが入力した入力データや、プログラム(動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、表示物を動作(モーション)させるアニメーション処理を行う。より具体的には、表示物の動作情報(各パーツの位置、回転角度、或いは形状)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める処理を行う。
【0062】
また本実施形態の表示制御部114は、一方のゲームのゲーム状況に応じたコメントデータをコメント記憶部172から読み出して、他方のゲームのゲーム画像が表示される表示部190に表示させる。
【0063】
また本実施形態の表示制御部114は、前記所与のゲーム装置が表示させるゲーム画像と共通のゲーム画像である一方のゲームのゲーム画像を一方の表示部190に表示させ、プレーヤからの所与の入力データに基づき決定される視点位置からのゲーム画像である他方のゲームのゲーム画像を他方の表示部190に表示させる。
【0064】
なお。一方の表示部190に表示されるゲーム画像を、他方の表示部190の所与の領域に表示させるようにしてもよい。
【0065】
音制御部116は、ゲーム音の出力制御を行う。
【0066】
また、本実施形態の音制御部116は、コメント音声記憶部173からコメント音声データを読み出して、一方のゲームのゲーム状況に応じたコメント音声の出力制御を他方のゲームの音制御として行う。
【0067】
入力モード切替部118は、第1のゲームに対する入力を受け付ける第1の入力モードと、第2のゲームに対する入力を受け付ける第2の入力モードとが排他的に設定されている場合に、プレーヤからの特定の入力データに基づいて、第1の入力モードと第2の入力モードとを切り替える処理を行う。なお、入力モードの情報は入力モード記憶部178に記憶される。
【0068】
タイマ部120は、タイマ値を計測する処理を行う。
【0069】
通信制御部130は、所与のゲーム装置と無線通信でデータの送受信を行う。
【0070】
また、本実施形態の音制御部116は、他のプレーヤのステータスパラメータの一部を他の携帯型ゲーム装置から受信する。また、プレーヤの参加が終了したことに基づいて、プレーヤのゲーム結果を他の携帯型ゲーム装置に送信する。また、他の携帯型ゲーム装置でプレイする他のプレーヤのゲーム履歴を受信する。また、継続ゲームが終了したことに基づいて、継続ゲームをプレイするプレーヤのゲーム履歴を他の携帯型ゲーム装置に送信する。
【0071】
描画部140は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム演算処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。この場合、描画部140が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。そして3次元画像を生成する場合には、まず、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、或いは透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブデータ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)の表示物(1又は複数プリミティブ)を描画バッファ(フレームバッファあるいは中間バッファなどのピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に描画する。これにより、ゲーム空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0072】
音生成部150は、処理部100で行われる種々の処理(ゲーム演算処理)の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0073】
なお、本実施形態のゲームシステムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
【0074】
2.本実施形態の制御手法
2−1:第1のゲームと第2のゲームとの連動処理手法
上述したように本実施形態のゲームシステムでは、第1のゲームと、第1のゲームをプレイするプレーヤキャラクタPC1が登場する第2のゲームとが行われ、第1のゲームのゲーム画像が第1のディスプレイ11に表示され、第2のゲームのゲーム画像が第2のディスプレイ12に表示される。以下では、図3〜図16を参照しながら、本実施形態のゲームシステムで実現される第1のゲームと第2のゲームとの連動処理手法について説明する。なお以下では、第1のゲームとしてシューティングゲームを採用した場合を例にとり説明するが、本実施形態はこれに限定されず、シューティングゲーム意外にも、例えば、レースゲーム、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、スポーツゲームなど種々のゲームを第1のゲームとして採用することができる。
【0075】
2−1−1:コメント表示制御、コメント音制御
図3は、連動処理として行われるコメント表示制御、コメント音制御の一例を説明するための図であり、図4は、連動処理として行われるコメント表示制御、コメント音制御の一例を説明するためのフローチャート図であり、図5は、連動処理として行われるコメント表示制御、コメント音制御を行う際に参照されるテーブルデータの一例である。
【0076】
図3の第1のディスプレイ11に表示されたゲーム画像が示すように、第1のゲームにおいて敵オブジェクトEOの攻撃を受けて移動体PO1がやられると(敵オブジェクトEOの攻撃を受けて移動体PO1が爆発すると)、図3の第2のディスプレイ12に表示されたゲーム画像が示すように、第2のゲームにおいて移動体PO1を操作するプレーヤキャラクタPC1に対するコンピュータキャラクタCCの「あかんやんか〜!」というコメントが第2のディスプレイ12に表示されるとともに、「あかんやんか〜!」というコメント音声がスピーカから出力される。
【0077】
連動処理として行われるコメント表示制御、コメント音制御について図4のフローチャート図を用いて具体的に説明すると、本実施形態のゲームシステムでは、第1のゲームにおいて図5に示すコメント出力条件が成立するか否かをそれぞれのコメント出力条件に対応付けられたフラグ等の値によって監視している(ステップS100、ステップS102)。そして、図4に示すコメント出力条件のいずれかが成立すると(ステップS102でY)、第2のゲームにおいて、当該成立したコメント出力条件に応じたコメントデータをコメント記憶部172から読み出して第2のディスプレイ12に表示させるとともに、当該成立したコメント出力条件に応じたコメント音声データをコメント音声記憶部173から読み出してスピーカから再生する処理を行う(ステップS104)。
【0078】
また、移動体PO1の爆発以外にも、例えば、第1のゲームの1面をクリアすると、第2のゲームにおいて、移動体PO1を操作するプレーヤキャラクタPC1に対するコンピュータキャラクタCCの「おっ1面クリアしたな〜!」というコメントが第2のディスプレイ12に表示されるとともに、「おっ1面クリアしたな〜!」というコメント音声がスピーカから出力される。なお、本実施形態では、コメント表示制御、コメント音制御の両制御を行っているがいずれか一方の制御のみを行うようにしてもよい。
【0079】
また、第1のゲームに格闘ゲームなどのアクションゲームを採用した場合には、キャラクタが特殊技を繰り出すための所定のキー操作(いわゆる、コンボ)の入力に成功すると、「おっコンボ成功や〜!」等のコメントを第2のディスプレイ12に表示させるとともに、「おっコンボ成功や〜!」等のコメント音声をスピーカから出力させるようにしてもよい。
【0080】
2−1−2:イベント発生制御
図6は、連動処理として行われるイベント発生制御の一例を説明するための図であり、図7は、連動処理として行われるイベント発生制御の一例を説明するためのフローチャート図であり、図8は、連動処理として行われるイベント発生制御を行う際に参照されるテーブルデータの一例である。
【0081】
図6(A)の第1のディスプレイ11に表示されたゲーム画像が示す第1のゲームにおける移動体PO1と敵オブジェクトEOとの対戦において、対戦時間が3分(所定時間の一例)を経過すると、第2のゲームにおいてコンピュータキャラクタCCが本棚から敵オブジェクトEOの攻略情報が掲載されたゲーム雑誌を探し出すイベントが発生し、図6(B)の第2のディスプレイ12に表示されたゲーム画像が示すように、第2のディスプレイ12にはコンピュータキャラクタCCが探し出したゲーム雑誌に掲載された攻略情報が表示される。
【0082】
連動処理として行われるイベント発生制御について図7のフローチャート図を用いて具体的に説明すると、本実施形態のゲームシステムでは、第1のゲームにおいて図8に示すイベント発生条件が成立するか否かをそれぞれのイベント発生条件に対応付けられたフラグ等の値によって監視している(ステップS110、ステップS112)。そして、図8に示すイベント発生条件のいずれかが成立すると(ステップS112でY)、イベントテーブル記憶部174に記憶されたイベントテーブルに基づいて、コンピュータキャラクタCCが本棚から敵オブジェクトEOの攻略情報が掲載されたゲーム雑誌を探し出すイベントを第2のゲームにおいて発生させる処理を行う(ステップS104)。
【0083】
また、敵オブジェクトEOとの対戦時間が3分を経過すること以外にも、例えば、第1のゲームの1面で3回ゲームオーバーになると、連射装置取得イベントを第2のゲームにおいて発生させる処理を行う。
【0084】
なおイベントは、イベント発生条件の成立のみならずプレーヤの操作によって発生させるようにしてもよい。例えば、プレーヤが第2のゲームにおいてプレーヤキャラクタPC1に本棚から敵オブジェクトEOの攻略情報が掲載されたゲーム雑誌を探し出させる操作を行うと、第1のゲームのゲーム状況に応じた攻略情報(現在対戦中の敵オブジェクトEOの攻略情報など)が第2のディスプレイ12に表示されるようにしてもよい。
【0085】
2−1−3:イベント連動処理
図9、図12、図13は、イベント発生に連動して行われる連動処理の一例を説明するための図であり、図10は、イベント発生に連動して行われる連動処理の一例を説明するためのフローチャート図であり、図11は、イベント発生に連動して行われる連動処理を行う際に参照されるテーブルデータの一例である。
【0086】
第2のゲームが開始されてから2時間(所定時間の一例)が経過すると、図9の第2のディスプレイ12に表示されたゲーム画像が示すように、第2のゲームにおいて母親キャラクタCC2が登場するイベントが発生する。当該イベントが発生すると、第2のゲームにおいて母親キャラクタCC2がゲーム装置のリセットボタンを押下するため、第1のゲームはリセットされ、図9の第1のディスプレイ11が示すように、ゲームの開始を待つ待ち受け画像が表示される。
【0087】
イベント発生に連動して行われる連動処理について図10のフローチャート図を用いて具体的に説明すると、本実施形態のゲームシステムでは、第2のゲームにおいて図11に示すイベントが発生したか否かをそれぞれのイベントに対応付けられたフラグ等の値によって監視している(ステップS120、ステップS122)。そして、図11に示すイベントのいずれかが発生すると(ステップS122でY)、イベントテーブル記憶部174に記憶されたイベントテーブルに基づいて、第1のゲームをリセットする処理を行う(ステップS124)。なお、第1のゲームをリセットする処理とは、第1のゲームのゲーム履歴を初期化して、第1のゲームを終了させる処理である。
【0088】
なお、母親キャラクタCC2がゲーム装置のリセットボタンを押下する以外にも、例えば、第2のゲームにおいて母親キャラクタCC2がプレーヤキャラクタPC1からコントローラを取り上げるようにしてもよい。この場合、プレーヤキャラクタPC1のコントローラを取り上げられている間は、プレーヤキャラクタPC1が操作する移動体PO1の操作が第1のゲームにおいて一定時間行えなくなる。具体的には、プレーヤキャラクタPC1のコントローラを取り上げられている間は、第1のゲームに対する入力データの受付が保留される。
【0089】
また、第2のゲームにおいて母親キャラクタCC2がプレーヤキャラクタPC1からコントローラを取り上げ、母親キャラクタCC2が第1のゲームをプレイするようにしてもよい。この場合、プレーヤキャラクタPC1のコントローラを取り上げられている間は、プレーヤキャラクタPC1が操作する移動体PO1の操作が第1のゲームにおいて行えなくなり、所与のプログラムに従って、移動体PO1が制御される。
【0090】
また、母親キャラクタCC2の登場以外にも、例えば、第2のゲームにおいて猫キャラクタが登場するイベント(より具体的には、猫キャラクタがゲーム装置のリセットボタンを踏んづけるイベント)を発生させることで、第1のゲームをリセットするようにしてもよい。
【0091】
また、上述した連射装置取得イベントが第2のゲームにおいて発生した場合には、図12(A)に示すように、第1のゲームにおいて移動体PO1が所定時間あたりに発射可能な弾の数を増加させる(連射をできる)ようにしてもよい。連射装置取得イベント発生前の状態を示す図12(B)に対して、図12(A)では、移動体PO1が所定時間あたりに発射可能な弾の数が2倍に増えている。なお、移動体PO1が所定時間あたりに発射可能な弾の数を増加させる処理は、例えば、弾の発射(シューティング)を指示する操作ボタンに対する操作の検出周期を短くすることで実現できる。
【0092】
また、図13の第2のディスプレイ12に表示されたゲーム画像が示すように、第2のゲームにおいてプレーヤキャラクタPC1の眼鏡オブジェクトOBが外れるイベントが発生すると、図13の第1のディスプレイ11に表示されたゲーム画像が示すように、ゲーム画像がぼやけて表示されるようにしてもよい。なお、第1のディスプレイ11に表示されるゲーム画像がぼやかして表示する処理は、例えば、第1のディスプレイ11に表示されるゲーム画像上に、色がぼやかされたレイヤーを重ねて表示することで実現できる。
【0093】
なお、上記イベントの発生条件は上述した内容に限定されず、例えば、所定時間が経過したこと、乱数値を用いた抽選結果、プレーヤからの入力データ等、種々のイベント発生条件を設定することができる。
【0094】
2−1−4:複数プレイによる連動処理
図14は、複数プレイによる連動処理の一例を説明するための図であり、図15は、複数プレイによる連動処理の一例を説明するためのフローチャート図である。
【0095】
第2のゲームに登場するプレーヤキャラクタPC2(一人プレイの場合にはコンピュータキャラクタCC)は、他の携帯型ゲーム装置でプレイする他のプレーヤが操作するキャラクタである。図14の第2のディスプレイ12に表示されたゲーム画像が示すように、他のプレーヤは、プレーヤキャラクタPC2を操作することで、プレーヤが操作するプレーヤキャラクタPC1のゲームプレイを邪魔することができる。そして、第2のゲームにおいて、プレーヤキャラクタPC2によるプレーヤキャラクタPC1のゲームプレイの邪魔が行われると、プレーヤキャラクタPC1が操作する移動体PO1の操作が第1のゲームにおいて一定時間行えなくなる。
【0096】
複数プレイによる連動処理について図15のフローチャート図を用いて具体的に説明すると、本実施形態のゲームシステムでは、第2のゲームにおいて、他のプレーヤからの入力データに基づいて、プレーヤキャラクタPC2によるプレーヤキャラクタPC1のゲームプレイの邪魔が行われるか否かを監視している(ステップS130、ステップS132)。そして、プレーヤキャラクタPC2によるプレーヤキャラクタPC1のゲームプレイの邪魔、即ち、他のプレーヤからの入力が行われると(ステップS132でY)、第1のゲームにおいて、プレーヤキャラクタPC1の操作による移動体PO1の制御が一定時間保留される。(ステップS134)。
【0097】
なお、図16に示すように、プレーヤと他のプレーヤとの共同プレイを行う場合には、プレーヤの携帯型ゲーム装置の第2のディスプレイ12−1と、他のプレーヤの携帯型ゲーム装置の第2のディスプレイ12−2とに第2のゲームの共通のゲーム画像が表示される。一方、第1のゲームのゲーム画像については、プレーヤの携帯型ゲーム装置の第1のディスプレイ11−1には、プレーヤキャラクタPC1が操作する移動体PO1を中心とする視点位置からのゲーム画像が表示され、他のプレーヤの携帯型ゲーム装置の第1のディスプレイ11−2には、プレーヤキャラクタPC2が操作する移動体PO2を中心とする視点位置からのゲーム画像が表示される。
【0098】
2−2:無線通信プレイの制御手法
以下では、図17〜図18を参照しながら、本実施形態のゲームシステムで実現される無線通信プレイの制御手法について説明する。
【0099】
2−2−1:他のプレーヤとの共同プレイの再開
図17は、他のプレーヤとの共同プレイの再開処理の一例を説明するためのフローチャート図である。
【0100】
まず、自プレーヤの携帯型ゲーム装置(自機)は、自機の通信可能範囲内に位置する他の携帯型ゲーム装置(他機)を検索し、検索された他機との接続を確立し、自機でゲームをプレイする自プレーヤと他機でゲームをプレイする他プレーヤとの共同プレイを開始する(ステップS140)。
【0101】
ゲームが進行し、自プレーヤのステータスパラメータである機数パラメータが0になると、自プレーヤはゲームオーバーとなり、他プレーヤとの共同プレイはここで一旦中断され、他プレーヤのみのプレイでゲームが進行する(ステップS142)。自プレーヤはゲームオーバーになると、共同プレイを再開するために必要な一機分の機数パラメータの付与を他プレーヤに対して要求する一機要求データを他機に送信する(ステップS144)。
【0102】
他機から一機分の機数パラメータの付与を許可する一機付与データを受信した場合には(ステップS146でY)、他プレーヤから付与された一機分の機数パラメータに基づいて、自プレーヤと他プレーヤとの共同プレイを再開する(ステップS148)。そして、一機分のゲームプレイが終了すると(ステップS150でY)、他機に一機分のゲームプレイの得点(ゲーム結果の一例)を送信する(ステップS152)。
【0103】
2−2−2:継続ゲーム
図18は、他のプレーヤが行ったゲームの続きをプレーヤにプレイさせる継続ゲーム処理の一例を説明するためのフローチャート図である。
【0104】
まず、他プレーヤは他の携帯型ゲーム装置(他機)を用いてゲームプレイを開始する(ステップS160)。
【0105】
ゲームが進行すると、他機は、他機の通信可能範囲内に位置する自機との接続を確立し(ステップS162)、接続が確立された自機に対して、現在のゲームの進行状態などを示すゲーム履歴を送信する(ステップS164)。他機からゲーム履歴を受信すると、当該ゲーム履歴に基づいて、他機でおこなわれていたゲームの継続ゲームを自機で開始する(ステップS166)。
【0106】
そして、ゲームが進行すると、現在のゲームの進行状態などを示すゲーム履歴を再度他機に送信する(ステップS168)。
【0107】
このようにすると、特定の苦手場面のみを他のプレーヤにプレイしてもらうことができるようになり、ゲーム性を高めることができる。
【0108】
2−3:その他
なお、本実施形態のゲームシステムでは、第1のゲームに対する入力を受け付ける第1の入力モードと、前記第2のゲームに対する入力を受け付ける第2の入力モードとを排他的に設定し、プレーヤからの特定の入力データに基づいて、第1の入力モードと第2の入力モードとを切り替えるようにしてもよい。
【0109】
また、第1のディスプレイ11に表示されるゲーム画像を第2のディスプレイ12内の所与の領域(例えば、第2のゲーム内で行われる第1のゲームのゲーム画像を仮想的に表示する領域)に表示させるようにしてもよい。
【0110】
3、応用例
なお、本実施形態のゲームシステムでは、第2のゲーム内で発生したイベントに連動して行われる連動処理をプレーヤが阻止できるようにしてもよい。例えば、母親や猫が登場するイベントが発生した際に、プレーヤは第2のゲームにおいて、プレーヤキャラクタPC1を操作して、ゲーム装置のリセットボタンを押下されることを阻止できるようにしてもよい。
【0111】
また、本発明は上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0112】
また、本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。そして、本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。
【0113】
また、本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々のゲームシステムにも適用できる。
【0114】
また本発明は、業務用ゲームシステム、家庭用ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話、視力装置、医療機器等の種々の画像生成システムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本実施形態のゲームシステムの外観の一例を示す図。
【図2】本実施形態のゲームシステムの機能ブロックの一例を示す図。
【図3】本実施形態のゲームシステムの制御手法の説明図。
【図4】本実施形態のゲームシステムの制御手法を示すフローチャート図。
【図5】本実施形態のゲームシステムで用いられるテーブルデータの説明図。
【図6】本実施形態のゲームシステムの制御手法の説明図。
【図7】本実施形態のゲームシステムの制御手法を示すフローチャート図。
【図8】本実施形態のゲームシステムで用いられるテーブルデータの説明図。
【図9】本実施形態のゲームシステムの制御手法の説明図。
【図10】本実施形態のゲームシステムの制御手法を示すフローチャート図。
【図11】本実施形態のゲームシステムで用いられるテーブルデータの説明図。
【図12】本実施形態のゲームシステムの制御手法の説明図。
【図13】本実施形態のゲームシステムの制御手法の説明図。
【図14】本実施形態のゲームシステムの制御手法の説明図。
【図15】本実施形態のゲームシステムの制御手法を示すフローチャート図。
【図16】本実施形態のゲームシステムの制御手法の説明図。
【図17】本実施形態のゲームシステムの制御手法を示すフローチャート図。
【図18】本実施形態のゲームシステムの制御手法を示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0116】
1 ゲームシステム(携帯型ゲーム装置)、2 本体上部、4 本体下部、
6 ヒンジ部、11 第1のディスプレイ、12 第2のディスプレイ、
14 十字キー、16 操作ボタン、18 スタートボタン、20 セレクトボタン、
22 サイドボタン、30 タッチペン、40 音入力装置(マイク)、
PC1〜PC2 プレーヤキャラクタ、CC コンピュータキャラクタ、
CC2 母キャラクタ、OB 眼鏡オブジェクト、EO 敵オブジェクト
PO1〜PO2 移動体、
100 処理部、110 ゲーム演算部、112 ゲーム進行制御部、
114 表示制御部、116 音制御部、118 入力モード切替部、
120 タイマ部、130 通信制御部、140 描画部、150 音生成部、
160 入力部、170 記憶部、171 主記憶部、172 コメント記憶部、
173 コメント音声記憶部、174 イベントテーブル記憶部、
175 ゲーム履歴記憶部、176 パラメータ記憶部、
177 得点記憶部、178 入力モード記憶部、180 情報記憶媒体、
190 表示部、192 音出力部、194 携帯型情報記憶装置、196 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤに第1のゲームと第2のゲームとをプレイさせるためのプログラムであって、
第1の表示領域にゲーム画像が表示される前記第1のゲームを進行させるゲーム演算と、第2の表示領域にゲーム画像が表示される前記第2のゲームを進行させるゲーム演算とを行うゲーム演算部としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム演算部が、
一方のゲームのゲーム状況に応じて、他方のゲームを進行させるゲーム演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記ゲーム演算部が、
一方のゲームのゲーム状況に応じたコメントを他方のゲームのゲーム画像が表示される表示領域に表示させるゲーム演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ゲーム演算部が、
一方のゲームのゲーム状況に応じたコメント音声の出力制御を他方のゲームのゲーム演算として行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記ゲーム演算部が、
一方のゲームのゲーム状況に応じたイベントを他方のゲームにおいて発生させるゲーム演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記ゲーム演算部が、
一方のゲームにおいてイベントが発生したことに基づいて、当該イベントの発生に連動したゲーム演算を他方のゲームにおいて行うことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
所与のゲーム装置と無線通信でデータの送受信を行う通信制御部として更にコンピュータを機能させ、
前記ゲーム演算部が、
前記所与のゲーム装置から受信したデータに基づいて、前記プレーヤと前記所与のゲーム装置でプレイする他のプレーヤとが参加する前記第1のゲームのゲーム演算と、前記プレーヤと前記他のプレーヤとが参加する前記第2のゲームのゲーム演算とを行うことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記ゲーム演算部が、
前記所与のゲーム装置が表示させるゲーム画像と共通のゲーム画像である一方のゲームのゲーム画像を一方の表示領域に表示させるゲーム演算と、前記プレーヤからの所与の入力データに基づき決定される視点位置からのゲーム画像である他方のゲームのゲーム画像を他方の表示領域に表示させるゲーム演算とを行うことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項6または7において、
前記通信制御部が、
前記他のプレーヤのステータスパラメータの一部を前記所与のゲーム装置から受信し、
前記ゲーム演算部が、
前記ステータスパラメータに基づいて、前記他のプレーヤが参加するゲームに前記プレーヤを参加させるゲーム演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8において、
前記ゲーム演算部が、
所与の条件が成立したことに基づいて、前記他のプレーヤが参加するゲームへの前記プレーヤの参加を終了するゲーム演算を行い、
前記通信制御部が、
前記プレーヤの参加が終了したことに基づいて、前記プレーヤのゲーム結果を前記所与のゲーム装置に送信することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
所与のゲーム装置と無線通信でデータの送受信を行う通信制御部として更にコンピュータを機能させ、
前記通信制御部が、
前記所与のゲーム装置でプレイする他のプレーヤのゲーム履歴を受信し、
前記ゲーム演算部が、
前記他のプレーヤのゲーム履歴に基づいて、前記他のプレーヤのゲーム状況を引き継いだ継続ゲームを開始するゲーム演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10において、
前記ゲーム演算部が、
所与の条件が成立したことに基づいて、前記継続ゲームを終了するゲーム演算を行い、
前記通信制御部が、
前記継続ゲームが終了したことに基づいて、前記継続ゲームをプレイする前記プレーヤのゲーム履歴を前記所与のゲーム装置に送信することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかにおいて、
前記第1のゲームに対する入力を受け付ける第1の入力モードと、前記第2のゲームに対する入力を受け付ける第2の入力モードとが排他的に設定されており、
前記ゲーム演算部が、
前記プレーヤからの特定の入力データに基づいて、前記第1の入力モードと前記第2の入力モードとを切り替えるゲーム演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかにおいて、
前記ゲーム演算部が、
一方の表示領域に表示されるゲーム画像を、他方の表示領域内の所与の領域に表示させるゲーム演算を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜13に記載のプログラムを記憶することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項15】
プレーヤに第1のゲームと第2のゲームとをプレイさせるためのゲームシステムであって、
第1の表示領域にゲーム画像が表示される前記第1のゲームを進行させるゲーム演算と、第2の表示領域にゲーム画像が表示される前記第2のゲームを進行させるゲーム演算とを行うゲーム演算部を含み、
前記ゲーム演算部が、
一方のゲームのゲーム状況に応じて、他方のゲームを進行させるゲーム演算を行うことを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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