説明

プログラム、画像処理装置及び画像処理システム

【課題】形成するドット径が均一となるヘッドであっても、文字としての形状を確保して、記録文字の画質向上を図る。
【解決手段】画像データに対して画像処理を施すためのコンピュータで実行されるプログラムである。このプログラムは、コンピュータに、画像データから文字部データを識別する識別処理と、識別処理により識別された文字部データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出された複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データを再構築する再構築処理とを実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、画像処理装置及び画像処理システムに係り、特にインク若しくはトナーにより画像を記録するためのプログラム、画像処理装置及び画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にデジタル画像を扱う電子写真方式や、インクジェット記録方式の記録装置では、スジムラを低減するために、理論画素よりも大きなドット(インク若しくはトナーによるドット)が用紙上に形成されるように設定されている。しかしながら、細かな文字などを形成する場合、理論画素よりも用紙上のドットが大きいために、文字がつぶれてしまうことになっていた。具体的には、図9に示すように通常の文字形成であると文字を形成する線が太くなり、他方、図10に示すように白抜き文字形成であると文字を形成する線が細くなり、何れの場合においても記録文字の画質が低下してしまう。
【0003】
近年においては、文字を形成する線がつぶれてしまうことを防止するために、文字部分の両端部のドットを他の部分のドットよりも小さく形成する技術(例えば特許文献1参照)や、文字部分の両端部のドットを削除する技術(例えば特許文献2参照)などが開発されている。
【特許文献1】特開2004−306392号公報
【特許文献2】特開平6−253132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1記載の技術であると、均一な径のドットしか形成できない記録装置に対して適用することは現実的ではなく、特許文献2記載の技術であると、両端部のドットが削除されるために文字としての形状を確保できないおそれもある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、形成するドット径が均一となるヘッドであっても、文字としての形状を確保して、記録文字の画質向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、
画像データに対して画像処理を施すためのコンピュータで実行されるプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記画像データから文字部データ若しくは線データを識別する識別処理と、
前記識別処理により識別された文字部データ若しくは線データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データ若しくは線データを再構築する再構築処理とを実行させることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理では、前記文字部データから一方向と、当該一方向に対する直交方向とのそれぞれの記録画素列を検出し、当該検出された複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データを再構築することを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理でドットが削除される前記記録画素列の一端部は、同一方向に連続する複数の記録画素列で同一の端部に設定されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理では、前記記録画素列の連続する画素数が所定値以上であるかを判別して、前記所定値未満の前記記録画素列に対してはドットの削除を実行せず、前記所定値以上の前記記録画素列に対してはドットの削除を実行することを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記再構築処理以前に、前記所定値を設定するための再設定処理を実行させることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のプログラムにおいて、
前記再設定処理では、前記画像データの解像度に基づいて、前記所定値の再設定を実行することを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理以前に、前記記録画素列から削除される画素数を設定するための削除画素設定処理を実行することを特徴としている。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項7記載のプログラムにおいて、
前記削除画素設定処理では、前記画像データの解像度に基づいて、前記削除される画素数の設定を実行することを特徴としている。
【0014】
請求項9記載の発明に係る画像処理装置は、
画像データが入力される入力部と、
前記入力部に入力された前記画像データから文字部データ若しくは線データを識別し、当該識別した文字部データ若しくは線データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データ若しくは線データを再構築する制御部と、
前記制御部により再構築された文字部データ若しくは線データを出力する出力部とを備えることを特徴としている。
【0015】
請求項10記載の発明は、
画像データを生成する画像生成部と、前記画像生成部により生成された画像データに対して画像処理を施す画像処理部と、前記画像処理部により画像処理された画像データを基に画像を出力する画像出力部とを備える画像処理システムにおいて、
前記画像処理部は、
前記画像データから文字部データ若しくは線データを識別し、当該識別した文字部データ若しくは線データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データ若しくは線データを再構築することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一方向に連続する複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるので、両端部の画素を削除する場合と比しても、文字や線としての形状が維持されやすくなる。さらに、形成するドット径が均一となるヘッドであってもドットを削除することは実現可能である。したがって、前述のヘッドで文字の線がつぶれてしまうのを防止しつつも、記録文字や線の画質を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本実施形態における画像処理装置について図を参照して説明する。図1は画像処理装置の主制御構成を示すブロック図である。この図1に示すように、画像処理装置1は、画像データを生成する例えばPC等の画像生成装置2と、画像データを基に画像を出力する例えばプリンタ等の画像出力装置3とに電気的に接続されている。そして、画像処理装置1には、画像生成装置2から画像データが入力される入力部11と、入力部11に入力された画像データを記憶する記憶部12と、記憶部12内の画像データから文字部データを識別し、識別された文字部データを再構築する制御部15と、制御部15により再構築された文字部データを画像出力装置に出力する出力部14とが備えられている。
【0018】
制御部15は、CPU16、ROM17、RAM18からなり、ROM17に記録された処理プログラムをRAM18に展開してCPU16によりこの処理プログラムを実行することで、画像データに対して画像処理を施すようになっている。
具体的に説明すると、制御部15は、画像生成装置2から入力された画像データがベクタ形式であると、当該画像データ中のフォントデータを文字部データとして識別するようになっている。そして、制御部15は、ベクタ形式の画像データをビットマップ形式に展開する。この展開時において、制御部15は、先に識別した文字部データから一方向と、当該一方向に対する直交方向とのそれぞれに連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データを再構築する。なお、記録画素列の検出後においては、制御部15は、各記録画素列の連続する画素数が所定値以上であるかを判別して、所定値未満の記録画素列に対してはドットの削除を実行せず、所定値以上の記録画素列に対してはドットの削除を実行するようになっている。
【0019】
以下、文字部データの再構築処理について具体的に説明する。図2は、例えば「a」、「b」、「c」に対してドットの削除を適用した一例を示す説明図である。なお、この図2において、再構築処理以前の文字部データによる文字は、黒部分とグレー部分とを合わせた部分であり、黒部分は削除されるドット、グレー部分は再構築処理後に残るドットである。
【0020】
まず、制御部15は、「a」、「b」、「c」の文字部データから、X方向(シリアル式インクジェットプリンタではヘッドが走査する主走査方向)に連続する記録画素列を検出する。これにより、「a」に対しては、記録画素列xa1,xa2,xa3,…,xanが検出され、「b」に対しては、記録画素列xb1,xb2,xb3,…,xbnが検出され、「c」に対しては、記録画素列xc1,xc2,xc3,…,xcnが検出される。
X方向の記録画素列の検出後、制御部15は、各記録画素列におけるX方向の最上流画素(例えば記録画素列xa1の場合では画素ax1)を抽出する。
【0021】
その後、制御部15は、「a」、「b」、「c」の文字部データからX方向に対して直交するY方向(シリアル式インクジェットプリンタでは用紙が搬送される副走査方向)に連続する記録画素列を検出する。これにより「a」に対しては、記録画素列ya1,ya2,ya3,…,yanが検出され、「b」に対しては、記録画素列yb1,yb2,yb3,…,ybnが検出され、「c」に対しては、記録画素列yc1,yc2,yc3,…,ycnが検出される。
Y方向の記録画素列の検出後、制御部15は、各記録画素列におけるY方向の最上流画素(例えば記録画素列ya1の場合では画素ay1)を抽出する。
【0022】
X方向、Y方向の全ての記録画素列の最上流画素の抽出が完了すると、制御部15は、各最上流画素を基準に連続するX方向、Y方向それぞれの記録画素列の画素数が所定値(本実施形態では3画素)以上であるかを判別する。何れか一方向の記録画素列が所定値未満と判別された場合には最上流画素の削除を実行しないことを決定し、両方向の記録画素列が所定値以上と判別された場合には最上流画素の削除を実行することを決定する。例えば、最上流画素bx1では、そこを基準に連続するX方向の記録画素列xb1の画素数が1で所定値未満であり、Y方向の記録画素列yb9の画素数が41で所定値以上であるので最上流画素bx1の削除を実行しないものとする。また、最上流画素bx2では、そこを基準に連続するX方向の記録画素列xb2の画素数が4で所定値以上であり、Y方向の記録画素列yb6の画素数が44で所定値以上であるので最上流画素bx2の削除を実行するものとする。さらに、最上流画素bx3では、そこを基準に連続するX方向の記録画素列xb3の画素数が7で所定値以上であり、Y方向の記録画素列yb2の画素数が2で所定値未満であるので最上流画素bx3の削除を実行しないものとする。
【0023】
全ての最上流画素に対して削除実行の有無を決定すると、制御部15は、削除を実行すると決定した最上流画素のドットが削除されるように文字部データを再構築する。これにより、記録画素列のそれぞれの一端部から1画素分のドットが削除されることになる。
【0024】
画像出力装置3は、画像処理装置1で再構築された文字部データに基づく画像データにより用紙上に画像を出力する。ここで、画像出力装置3は用紙上の各ドットの直径が、画像データにおける理論画素の直径の2倍以上となるように画像を出力している。
【0025】
次に本実施形態の作用について図3に示すフローチャートを参照にして説明する。
まず、画像生成装置2から画像処理装置1の入力部11に画像データが入力されると(ステップS1)、制御部15は、ROM17中のプログラムを実行し、記憶部12内にあるベクタ形式の画像データ中のフォントデータを文字部データとして識別する(ステップS2)。
【0026】
そして、制御部15は、所定値を設定するための再設定処理を実行する。再設定処理では、例えば、画像データの解像度が720dpiである場合には所定値を3、1440dpiである場合には所定値を6という具合に、画像データの解像度に基づいて、所定値の再設定を実行する(ステップS3)。
【0027】
その後、制御部15は、識別した文字部データを基に、X方向の記録画素列を検出し(ステップS4)、各記録画素列におけるX方向の最上流画素を抽出する(ステップS5)。
【0028】
そして、制御部15は、識別した文字部データを基に、Y方向の記録画素列を検出し(ステップS6)、各記録画素列におけるY方向の最上流画素を抽出させる(ステップS7)。
【0029】
X方向、Y方向の最上流画素の抽出が完了すると、制御部15は、抽出した最上流画素群のうち、一番目の最上流画素を選択する(ステップS8)。
【0030】
その後、制御部15は、選択した最上流画素を基準に連続するX方向の記録画素列の画素数が所定値以上であるか否かを判断し(ステップS9)、所定値以上である場合(ステップS9;YES)にはステップS10に移行し、所定値未満である場合(ステップS9;NO)にはステップS11に移行する。
【0031】
ステップS10では、制御部15は、選択した最上流画素を基準に連続するY方向の記録画素列の画素数が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上である場合(ステップS10;YES)にはステップS12に移行し、所定値未満である場合(ステップS10;NO)にはステップS11に移行する。
【0032】
ステップS11では、制御部15は、選択した最上流画素の削除を実行しない旨を決定し、ステップS13に移行する。
【0033】
ステップS12では、制御部15は、選択した最上流画素の削除を実行する旨を決定し、ステップS13に移行する。
【0034】
ステップS13では、制御部15は、現在選択している最上流画素が、最上流画素群のうち、最後の最上流画素か否かを判断し、最後の最上流画素でない場合(ステップS13;NO)にはステップS14に移行し、最後の最上流画素である場合(ステップS13;YES)にはステップS15に移行する。
【0035】
ステップS14では、制御部15は、次の最上流画素を選択して、ステップS9に移行する。
【0036】
ステップS15では、制御部15は、削除を実行する最上流画素が削除されるように文字部データを再構築する。
【0037】
ステップS16では、制御部15は、再構築された文字部データを画像データに合成し、当該画像データをビットマップ形式に展開する。
【0038】
ステップS17では、制御部15は、出力部14を制御して、ビットマップ形式の画像データを画像出力装置3に出力させる。
【0039】
これにより、画像出力装置3では、再構築後の画像データに基づいた画像が用紙上に出力されることになる。
以下、上記の処理を例えば「響」という文字(一般文字、白抜き文字)に施してみた場合を例示する。図中において黒部分が色づけされる領域である。図4(a)は、再構築前の文字部データに基づく理論画素文字(一般文字M1、白抜き文字W1)であり、図4(b)は再構築後の文字部データに基づく理論画素文字(一般文字M2、白抜き文字W2)である。この図4に示すように再構築後の文字部データに基づく理論画素文字は、一般文字M2、白抜き文字W2の何れにおいても、色づけされる領域が狭まっていることが分かる。さらに、再構築後の文字部データが合成された画像データに基づいて、画像出力装置3に画像を出力させた結果が図5及び図6である。図5の一般文字、図6の白抜き文字の両者ともに、従来の図9の一般文字、図10の白抜き文字と比較しても、文字としての形状が維持されていることが分かる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、一方向に連続する複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分が削除されるので、両端部の画素を削除する場合と比しても、文字としての形状が維持されやすくなる。さらに、形成するドット径が均一となるヘッドであってもドットを削除することは実現可能である。したがって、前述のヘッドで文字の線がつぶれてしまうのを防止しつつも、記録文字の画質を向上させることが可能となる。
【0041】
また、文字部データからX方向と、Y方向とのそれぞれの記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データが再構築されているので、記録文字をX方向、Y方向の両方向から均一に細くすることが可能となる。
さらに、ドットが削除される記録画素列の一端部が、同一方向に連続する複数の記録画素列で同一の端部に設定されているので、記録文字のエッジをスムーズにすることができる。
【0042】
そして、記録画素列の連続する画素数が所定値以上であるかを判別して、所定値未満の記録画素列に対してはドットの削除が実行されないので、例えば文字の払いの部分等、少ないドットで表現する領域は削除されず、忠実に文字を表現することが可能となる。
【0043】
さらに、再構築処理以前に、所定値を設定するための再設定処理が実行されているので、画像出力毎に最適な値を設定することが可能となる。特に、画像データの解像度に基づいて所定値の再設定が実行されているので、画像データの解像度に適した所定値が設定されることになる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、各記録画素列の連続する画素数を判別する所定値が3である場合を例示したが、画像出力装置3が用紙上に形成するドット径や文字のサイズ等を考慮し、最適な値であればこれ以外の値であっても構わない。
【0045】
また、再構築処理以前に、記録画素列から削除される画素数を設定するための削除画素設定処理を実行させるようにしてもよく、これにより画像出力毎に最適な画素数を設定することも可能となる。なお、削除画素設定処理では、例えば、画像データの解像度が720dpiである場合には画素数を1、1440dpiである場合には画素数を2という具合に、画像データの解像度に基づいて、削除される画素数の設定を実行するようにしてもよい。これにより、画像データの解像度に適した画素数が設定されることになる。
【0046】
また、本実施形態では、画像生成装置2から画像処理装置1にベクタ形式の画像データが入力される場合について説明したが、画像生成装置2から入力された画像データがビットマップ形式である場合には、制御部15は画像データに対して周知のデジタル文字認識処理を施すことで、画像データ中の文字を認識し、フォントデータを生成し、このフォントデータを文字部データとして識別するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、文字部データに対してのみ、再構築処理を施す場合を例示したが、画像データ中の線データに対しても再構築処理を施すことも可能である。これにより、文字以外の細い線であっても、画質が高められることになる。
【0047】
また、本実施形態では、画像処理装置1が画像データに対して画像処理を施す場合を例示して説明したが、上述の画像処理を画像生成装置若しくは画像出力装置の何れかで実行させてもよい。例えば、画像データを生成する画像生成装置と、画像生成装置により生成された画像データを基に画像を出力する画像出力装置とを備える画像処理システムの場合、画像生成装置及び前記画像出力装置の一方に、画像処理部を搭載させる。
具体的に、図7に示す画像処理システム10Aのように、画像出力装置3Aに接続された画像生成装置2Aに画像処理部21aが搭載される場合、画像処理部21aには、画像データから文字部データを識別し、当該識別した文字部データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データを再構築する制御部22aが設けられる。
一方、図8に示す画像処理システム10Bのように、画像生成装置2Bに接続された画像出力装置3Bに画像処理部31bが搭載される場合、画像処理部31bには、画像データから文字部データを識別し、当該識別した文字部データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データを再構築する制御部32bが設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態に係る画像処理装置の主制御構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置で実行される再構築処理を説明するための説明図である。
【図3】図1の画像処理装置で実行される処理を示すフローチャートである。
【図4】図3の処理を例えば「響」という文字(一般文字、白抜き文字)に施してみた場合を示す説明図であり、(a)は、再構築前の文字部データに基づく理論画素文字であり、(b)は再構築後の文字部データに基づく理論画素文字である。
【図5】本実施形態に係る再構築後の文字部データが合成された画像データに基づいて、画像出力装置に一般文字を出力させた結果の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る再構築後の文字部データが合成された画像データに基づいて、画像出力装置に白抜き文字を出力させた結果の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る画像処理システムの一例を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る画像処理システムの他の一例を示すブロック図である。
【図9】従来の画像データに基づく一般文字が画像出力装置により出力された結果の一例を示す図である。
【図10】従来の画像データに基づく白抜き文字が画像出力装置により出力された結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 画像処理装置
2 画像生成装置
3 画像出力装置
11 入力部
14 出力部
15 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに対して画像処理を施すためのコンピュータで実行されるプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記画像データから文字部データ若しくは線データを識別する識別処理と、
前記識別処理により識別された文字部データ若しくは線データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データ若しくは線データを再構築する再構築処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理では、前記文字部データから一方向と、当該一方向に対する直交方向とのそれぞれの記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データを再構築することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理でドットが削除される前記記録画素列の一端部は、同一方向に連続する複数の記録画素列で同一の端部に設定されていることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理では、前記記録画素列の連続する画素数が所定値以上であるかを判別して、前記所定値未満の前記記録画素列に対してはドットの削除を実行せず、前記所定値以上の前記記録画素列に対してはドットの削除を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項4記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記再構築処理以前に、前記所定値を設定するための再設定処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5記載のプログラムにおいて、
前記再設定処理では、前記画像データの解像度に基づいて、前記所定値の再設定を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記再構築処理以前に、前記記録画素列から削除される画素数を設定するための削除画素設定処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7記載のプログラムにおいて、
前記削除画素設定処理では、前記画像データの解像度に基づいて、前記削除される画素数の設定を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
画像データが入力される入力部と、
前記入力部に入力された前記画像データから文字部データ若しくは線データを識別し、当該識別した文字部データ若しくは線データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データ若しくは線データを再構築する制御部と、
前記制御部により再構築された文字部データ若しくは線データを出力する出力部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
画像データを生成する画像生成部と、前記画像生成部により生成された画像データに対して画像処理を施す画像処理部と、前記画像処理部により画像処理された画像データを基に画像を出力する画像出力部とを備える画像処理システムにおいて、
前記画像処理部は、
前記画像データから文字部データ若しくは線データを識別し、当該識別した文字部データ若しくは線データから一方向に連続する記録画素列を検出し、当該検出した複数の記録画素列のそれぞれの一端部のみ、少なくとも1画素分のドットが削除されるように文字部データ若しくは線データを再構築することを特徴とする画像処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−305153(P2008−305153A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151552(P2007−151552)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】