説明

プログラムおよび情報処理装置

【課題】ウィンドウの配置を変更する際のユーザーの作業負担を軽減することが可能なプログラムおよび情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明のプログラムは、表示画面のうち情報が表示される領域を示す複数のウィンドウの配置を識別する識別情報の入力を受け付ける識別情報受付ステップと、識別情報と、複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズを特定するレイアウトパラメータとを対応付けて記憶する画面レイアウトデータベース部121から、受け付けた識別情報に対応するレイアウトパラメータを読み出す読み出しステップと、読み出しステップで読み出されたレイアウトパラメータに従って、各ウィンドウのレイアウトを変更する変更ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータのオペレーティングシステムとしては、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)が採用されるのが一般的である。グラフィカルユーザインタフェースでは、コンピュータの画面上に、操作対象や選択項目を示す画像が表示され、ユーザは、マウスなどのポインティングデバイスを操作して目的の画像を選択することで各種の入力を行うことができる。
【0003】
このようなグラフィカルユーザインタフェースにおいて、複数のウィンドウと呼ばれる作業領域が画面上に表示され、ユーザーの操作に応じて、各ウィンドウの配置(レイアウト)が変更されるという技術が知られている。例えば特許文献1には、複数のウィンドウのそれぞれは、別のウィンドウの上下左右のどこかにドッキングすることができ、ユーザーの操作に応じて、各ウィンドウの配置が可変に設定される技術が開示されている。
【0004】
また、各ウィンドウは別のウィンドウの上下左右のどこかにドッキングすることができるほか、どのウィンドウにもドッキングしないフローティング状態や、ウィンドウを見えなくする不可視状態などを取り得る形態を実現可能なアプリケーションとして、Microsoft Visual Studioやeclipseなどが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザーは、ドッキングウィンドウの仕組みを使って、自分の業務に応じて利用しやすいようにウィンドウの配置を変更することができるが、違う業務を行うたびに、ウィンドウの配置を変更するための操作を手動で行わなければならない。すなわち、ウィンドウの配置を変更する際のユーザーの負担が大きいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ウィンドウの配置を変更する際のユーザーの作業負担を軽減することが可能なプログラムおよび情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のプログラムは、表示画面のうち情報が表示される領域を示す複数のウィンドウの配置を識別する識別情報の入力を受け付ける識別情報受付ステップと、前記識別情報と、前記複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズを特定する特定情報とを対応付けて記憶する記憶部から、前記識別情報受付ステップで受け付けた前記識別情報に対応する前記特定情報を読み出す読み出しステップと、前記読み出しステップで読み出された前記特定情報に従って、前記複数のウィンドウの位置およびサイズを変更する変更ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明の情報処理装置は、表示画面のうち情報が表示される領域を示す複数のウィンドウの配置を識別する識別情報の入力を受け付ける識別情報受付部と、前記識別情報と、前記複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズを特定する特定情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記識別情報受付部で受け付けた前記識別情報に対応する前記特定情報を前記記憶部から読み出す読み出し部と、前記読み出し部で読み出された前記特定情報に従って、前記複数のウィンドウの位置およびサイズを変更する変更部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ウィンドウの配置を変更する際のユーザーの作業負担を軽減することが可能なプログラムおよび情報処理装置を提供することができるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、情報処理装置が有する機能の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、表示画面の表示例を示す図である。
【図4】図4は、画面レイアウト変更制御部の詳細な機能の一例を示すブロック図である。
【図5】図5は、レイアウトパラメータの一例を示す図である。
【図6】図6は、画面レイアウト情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、登録設定画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、読出条件が設定されていた場合におけるレイアウトの自動変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、変形例に係る表示画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、画面レイアウト情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、レイアウト変更処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るプログラムおよび情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)などのコンピュータであり、表示装置101と、操作手段102と、I/F部103と、処理部104と、メモリ105と、HDD106と、可換式ディスクドライブ107とを含んで構成される。可換式ディスクドライブ107は、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RWディスク、DVD−ROM、DVD−RWディスクなどの記録媒体108に記録された情報を読み取り可能である。また、可換式ディスクドライブ107は、各種の情報を記録媒体108に書き込むことも可能である。
【0012】
メモリ105は、処理部104の作業領域として機能し、例えばRAM(Random Access Memory)などで構成され得る。HDD106は、各種のデータが記憶される不揮発性の記憶装置である。処理部104は、例えばCPU(Central Power Unit)などのマイクロコンピュータで構成され、例えばHDD106などに格納された各種のプログラム(例えば文書管理プログラムなど)を読み出してメモリ105上で展開して実行することにより、情報処理装置100全体を制御する。
【0013】
表示装置101は、各種の画面を表示する手段であり、例えば液晶ディスプレイなどで構成され得る。操作手段102は、ユーザーが操作するデバイスであり、例えばマウスやキーボードなどで構成され得る。I/F部103は、操作手段102と情報処理装置100とのインタフェースであり、入出力チャネルやバスで構成され得る。
【0014】
本実施形態では、情報処理装置100のオペレーティングシステムとしてGUI(Graphical User Interface)が採用されており、表示装置101の表示画面上には、操作対象や選択項目を示す画像が表示される。ユーザーは、操作手段102を操作して画面上に表示された目的の画像を選択することにより、情報処理装置100に対して各種の入力を行うことができる。このGUIは、処理部104が所定の制御プログラムを実行することにより実現される。
【0015】
図2は、処理部104が、予めインストールされた文書管理プログラムを実行することにより実現される機能の一例を示す図である。図2に示すように、文書管理プログラムの実行により実現される機能には、文書管理制御部110、フォルダーツリー表示部111、文書一覧表示部112、画像エディタ部113、文書プロパティ表示部114、画面レイアウト変更制御部115などが含まれる。
【0016】
また、図2に示すように、HDD106は、文書管理データベース部120と、画面レイアウトデータベース部121とを記憶する。文書管理データベース部120は、コンテンツデータ(画像やテキスト情報を含む)と、当該コンテンツデータの特性(属性なども含む)を表すプロパティとを1つの単位とする複数の「文書」を格納する。文書管理データベース部120は、少なくとも1つの文書が格納される複数のフォルダーの階層構造により複数の文書を管理している。
【0017】
さらに、画面レイアウトデータベース部121は、表示装置101の表示画面のうち情報が表示される領域を示す複数のウィンドウ(後述のフォルダーツリーウィンドウ、文書一覧ウィンドウ、画像エディタウィンドウ、文書プロパティウィンドウ)の配置を識別する識別情報と、複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズを特定するレイアウトパラメータ(特定情報)とを対応付けて記憶する。
【0018】
画面レイアウト変更制御部115は、各ウィンドウの配置(レイアウト)を変更する制御を行う。この詳細な内容については後述する。文書管理制御部110は、各ウィンドウに対応する情報の表示を行うように、フォルダーツリー表示部111、文書一覧表示部112、画像エディタ部113、文書プロパティ表示部114を制御する。
【0019】
フォルダーツリー表示部111は、文書管理制御部110の制御の下、複数のフォルダーの階層構造を示すフォルダーツリーをフォルダーツリーウィンドウ内に表示する。文書一覧表示部112は、文書管理制御部110の制御の下、ユーザーによって選択されたフォルダー内に格納された複数の文書を示す文書一覧情報を文書一覧ウィンドウ内に表示する。画像エディタ部113は、文書管理制御部110の制御の下、ユーザーによって選択された文書のコンテンツデータを文書管理データベース部120から読み出し、その読み出したコンテンツデータを画像エディタウィンドウに表示する。文書プロパティ表示部114は、文書管理制御部110の制御の下、ユーザーによって選択された文書のプロパティを文書管理データベース部120から読み出し、その読み出したプロパティを文書プロパティウィンドウ内に表示する。
【0020】
いま、図3に示すように、表示装置101の表示画面Qのうち、領域P1がフォルダーツリーウィンドウ、領域P2が文書一覧ウィンドウ、領域P3が画像エディタウィンドウ、領域P4が文書プロパティウィンドウに設定された場合を想定する。この場合、文書管理制御部110は、フォルダーツリーを領域P1に表示するようにフォルダーツリー表示部111を制御する。また、文書管理制御部110は、ユーザーによって選択されたフォルダー内に格納された文書を示す文書一覧情報を領域P2に表示するように文書一覧表示部112を制御する。
【0021】
また、文書管理制御部110は、文書一覧情報が示す文書のうちユーザーによって選択された文書のコンテンツデータを領域P3に表示するように画像エディタ部113を制御する。本実施形態では、画像エディタ部113は、画像エディタウィンドウ内に、コンテンツデータと併せて編集用ツールバーEBを表示する。そして、画像エディタ部113は、編集用ツールバーEBに対する操作入力に従って、現在表示されているコンテンツデータの編集を行い、その編集結果(編集後のコンテンツデータ)を表示する。これにより、ユーザーは、別ウィンドウを起動することなくメイン画面の中でコンテンツデータの編集を行うことができる。また、文書管理データベース部120には、編集後のコンテンツデータが記憶される。
【0022】
さらに、文書管理制御部110は、文書一覧情報が示す文書のうちユーザーによって選択された文書のプロパティを領域P4に表示するように文書プロパティ表示部114を制御する。
【0023】
本実施形態では、図3に示すように、複数のメニューを示すメニューバーMB、および、文書の検索を行うための検索ツールバーSBも表示画面Q上に表示される。ユーザーは、複数のメニューのうちの何れかのメニューを選択することで、その選択したメニューに対応する画面を表示させることができる。そして、その表示された画面に対して各種の入力を行うことができる。また、ユーザーは、検索ツールバーSBの中の各種のテキスト入力画面に対して、各種の検索情報を入力することで、文書やフォルダーの検索を実行できる。
【0024】
また、本実施形態のGUIにおいては、ドッキングウィンドウの仕組みが採用され、処理部104は、ユーザーの操作入力に従って、各ウィンドウのレイアウトを可変に設定する。例えばユーザーは、各ウィンドウを選択して表示画面Q上を移動させ、別のウィンドウの上下左右のどこかにドッキングさせることができる。また、ユーザーは、各ウィンドウの枠(周縁)を選択して動かすことで、各ウィンドウのサイズを自由に変更できる。さらに、ユーザーは、各ウィンドウの右上に配置される「×」アイコンを選択することで、当該ウィンドウを非表示にすることができる(当該ウィンドウを閉じることができる)。以上のようにして、ユーザーは、業務内容や好みに応じて、各ウィンドウのレイアウトを自由に変更することができる。
【0025】
次に、画面レイアウト変更制御部115の機能について説明する。図4は、画面レイアウト変更制御部115の詳細な機能の一例を示すブロック図である。図4に示すように、画面レイアウト変更制御部115が有する機能には、受付部130、読み出し部131、変更部132、読出条件設定部133、画面レイアウト情報登録部134などが含まれる。受付部130は、各種の入力を受け付ける。読み出し部131は、前述の識別情報を受付部130で受け付けた場合、その受け付けた識別情報に対応するレイアウトパラメータを画面レイアウトデータベース部121から読み出す。
【0026】
図5は、レイアウトパラメータの一例を示す図である。表示画面Q上における各ウィンドウの位置およびサイズは、当該ウィンドウの状態(表示、非表示)、ドッキング元ウィンドウ、ドッキング位置(上、下、左、右)、ウィンドウサイズ(幅、高さ)により定義される。図5の例では、レイアウトパラメータは、複数のウィンドウの各々について、当該ウィンドウの状態(表示、非表示)、当該ウィンドウのドッキング元ウィンドウ、ドッキング位置(上、下、左、右)、および、当該ウィンドウのウィンドウサイズ(幅、高さ)のそれぞれを特定する情報で構成される。
【0027】
再び図4に戻って説明を続ける。変更部132は、読み出し部131で読み出されたレイアウトパラメータに従って、表示画面Q上における複数のウィンドウのレイアウトを変更する。
【0028】
読出条件設定部133は、識別情報を受け付けていない場合であっても、当該識別情報に対応するレイアウトパラメータが読み出される読出条件を設定する。後述するように、読出条件設定部133は、ユーザーの操作入力に従って、読出条件を設定する。画面レイアウト情報登録部134は、ユーザーの操作入力に従って、識別情報と、当該識別情報に対応するレイアウトパラメータとを含む画面レイアウト情報を画面レイアウトデータベース部121に登録する。この内容については後述する。
【0029】
次に、図6を参照しながら、画面レイアウト情報の登録処理について説明する。図6は、画面レイアウト情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、各ウィンドウの現在のレイアウトは、初期状態(デフォルト)のレイアウトに設定されているものとする。まず、ユーザーが、フォルダーツリーウィンドウに表示されたフォルダーツリーから所定のフォルダーを選択する、あるいは、所定のフォルダーの検索を実行した場合、文書管理制御部110は、文書一覧ウィンドウに、その所定のフォルダーに格納された文書を示す文書一覧情報を表示するように文書一覧表示部112を制御する(ステップS1)。次に、ユーザーが、文書一覧ウィンドウに表示された文書の中から、表示したい文書を選択した場合、文書管理制御部110は、その選択した文書のコンテンツデータを画像エディタウィンドウに表示するように画像エディタ部113を制御するとともに、その選択した文書のプロパティを文書プロパティウィンドウに表示するように文書プロパティ表示部114を制御する(ステップS2)。
【0030】
次に、ユーザーは、業務の内容に適したレイアウトにするために、複数のウィンドウのレイアウトを手動で変更する。業務の一例として、例えばユーザーが、文書の編集作業を行う場合を想定する。この業務において重要視されるのは、画像エディタウィンドウおよび文書プロパティウィンドウの各々に表示される情報なので、ユーザーは、画像エディタウィンドウおよび文書プロパティウィンドウのサイズが大きくなる一方、フォルダーツリーウィンドウおよび文書一覧ウィンドウが小さく、あるいは非表示となるように、各ウィンドウのレイアウトを変更することができる。この場合、処理部104は、ユーザーの操作入力に応じて、各ウィンドウのレイアウトを可変に設定し、文書管理制御部110は、設定されたレイアウトに従って、各ウィンドウに対応する情報を表示するように各部(フォルダーツリー表示部111、文書一覧表示部112、画像エディタ部113、文書プロパティ表示部114)を制御する(ステップS3)。
【0031】
次に、ユーザーから、現在のレイアウトの保存を要求する保存要求を受け付けた場合、画面レイアウト情報登録部134は、画面レイアウト情報の登録を行う(ステップS4)。より具体的には以下のとおりである。まずユーザーは、複数のメニューのうちの所定のメニュー(例えばツールメニュー)を選択することで、現在のレイアウトの保存(登録)を行う登録設定画面を表示させる。そして、その登録設定画面に対して、保存するレイアウトを識別する識別情報の入力を行う。
【0032】
図7は、登録設定画面の一例を示す図であり、図7の例では、ユーザーは、識別情報(レイアウト名)として、現在の業務内容を識別する名称を入力している。より具体的には、ユーザーは、「見積書表示・編集用画面」という識別情報を入力している。画面レイアウト情報登録部134は、「見積書表示・編集用画面」という識別情報と、現在のレイアウトを特定するレイアウトパラメータとを対応付けて画面レイアウトデータベース部121に登録する。
【0033】
また、本実施形態では、ユーザーは、登録設定画面に対して前述の読出条件の設定入力を行うこともできる。図7の例では、登録設定画面には、「自動表示」の欄と、保存した現在のレイアウトを自動的に表示させるタイミングを指定するタイミング指定項目と、対象文書を指定する対象文書指定項目とが表示される。ユーザーは、読出条件の設定を行う場合は、「自動表示」の欄にチェックを入力する。
【0034】
タイミング指定項目としては、「文書表示時に自動表示」と「文書編集時に自動表示」の2種類が設けられる。「文書表示時に自動表示」とは、所定の文書の表示が選択された場合に、「見積書表示・編集用画面」の入力を受け付けていなくても、当該識別情報に対応するレイアウトパラメータが読み出されてレイアウトの変更が自動的に行われることを示す。また、「文書編集時に自動表示」とは、所定の文書の編集が選択された場合に、「見積書表示・編集用画面」の入力を受け付けていなくても、当該識別情報に対応するレイアウトパラメータが読み出されてレイアウトの変更が自動的に行われることを示す。ユーザーは、「自動表示」の欄にチェックを入力した場合、「文書表示時に自動表示」および「文書編集時に自動表示」の何れかを選択することができる。
【0035】
対象文書指定項目としては、「すべての文書」、「指定フォルダー以下の文書」および「指定文書」の3種類が設けられ、ユーザーは、何れかを選択することができる。例えばユーザーが、「指定フォルダー以下の文書」を選択し、指定するフォルダー名を入力した場合、その指定されたフォルダーに格納された文書が上述の所定の文書として設定される。
【0036】
図7の例のように、ユーザーが、「文書表示時に自動表示」、および、「指定フォルダー以下の文書」を選択するとともに、指定フォルダーとして「/aaa/bbb/見積書」を入力した場合、読出条件設定部133は、「/aaa/bbb/見積書」のフォルダーに格納された複数の文書のうちの何れかの文書の表示がユーザーによって選択されると、「見積書表示・編集用画面」の入力を受け付けていなくても、当該識別情報に対応するレイアウトパラメータが読み出されるという読出条件を設定する。言い換えれば、読出条件とは、所定の操作入力を受け付けたことであると捉えることができる。なお、読出条件は任意に設定可能であり、図7の例に限定されるものではない。
【0037】
そして、画面レイアウト情報登録部134は、読出条件設定部133により設定された読出条件と、現在のレイアウトを特定するレイアウトパラメータとを対応付けて画面レイアウトデータベース部121に登録(記憶)する。
【0038】
読み出し部131は、所定の操作入力を受け付けた場合、画面レイアウトデータベース部121を参照して、条件を満たす読出条件が存在するか否かを判断する。条件を満たす読出条件が存在する場合、読み出し部131は、条件を満たす読出条件に対応するレイアウトパラメータを、画面レイアウトデータベース部121から読み出し、変更部132は、その読み出されたレイアウトパラメータに従って、複数のウィンドウのレイアウトを変更する。
【0039】
例えば、図7に示す読出条件が設定された場合を想定する。「/aaa/bbb/見積書」のフォルダーに格納された複数の文書のうちの何れかの文書の表示を選択する操作入力を受け付けた場合、「見積書表示・編集用画面」の入力を受け付けていなくても、読み出し部131は、当該識別情報に対応するレイアウトパラメータを読み出す。そして、変更部132は、その読み出されたレイアウトパラメータに従って、各ウィンドウのレイアウトを変更する。すなわち、各ウィンドウのレイアウトが、「見積書表示・編集用画面」に対応するレイアウトに自動的に変更される。
【0040】
上述のステップS4の後、文書管理制御部110は、登録された画面レイアウト情報に含まれる識別情報(レイアウト名)を、メニューバーMBの複数のメニューのうちの所定のメニュー(例えば表示メニュー)に追加する(ステップS5)。
【0041】
以上の登録処理を繰り返すことにより、画面レイアウトデータベース部121には、識別情報(レイアウト名)と、レイアウトパラメータと、読出条件との組で構成される複数種類の画面レイアウト情報が蓄積されていく。そして、受付部130で識別情報を受け付けた場合、読み出し部131は、その受け付けた識別情報に対応するレイアウトパラメータを画面レイアウトデータベース部121から読み出す。そして、変更部132は、読み出されたレイアウトパラメータに従って、各ウィンドウのレイアウトを変更する。
【0042】
次に、読出条件が設定されていた場合におけるレイアウトの自動変更処理について説明する。図8は、読出条件が設定されていた場合におけるレイアウトの自動変更処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、ユーザーからの操作入力を受付部130で受け付けた場合(ステップS11の結果:YES)、読み出し部131は、画面レイアウトデータベース部121を参照して、条件を満たす読出条件が存在するか否かを判断する(ステップS12)。
【0043】
条件を満たす読出条件が存在すると判断した場合(ステップS12の結果:YES)、読み出し部131は、条件を満たす読出条件に対応するレイアウトパラメータを画面レイアウトデータベース部121から読み出す(ステップS13)。次に、変更部132は、ステップS13で読み出したレイアウトパラメータに従って、各ウィンドウのレイアウトを変更する(ステップS14)。
【0044】
以上のように、所定の操作入力を受け付けたときに、条件を満たす読出条件が画面レイアウトデータベース部121に存在する場合は、識別情報の入力を受け付けていなくても、条件を満たす読出条件に対応するレイアウトパラメータが読み出されてレイアウトが自動的に変更される。
【0045】
(作用・効果)
以上に説明したように、本実施形態の情報処理装置100では、識別情報の入力を受け付けた場合、その受け付けた識別情報に対応するレイアウトパラメータが画面レイアウトデータベース部121から読み出され、その読み出されたレイアウトパラメータに従って各ウィンドウのレイアウトが自動的に変更される。すなわち、ユーザーは、手動でレイアウトの変更を行う必要が無いので、ユーザーの作業負担が軽減される。
【0046】
なお、ユーザーは、業務内容を特定可能な情報を識別情報として設定し、複数種類の業務内容の各々に対応した画面レイアウト情報を、予め画面レイアウトデータベース部121に登録しておくことが好ましい。これにより、ユーザーが、画面レイアウトデータベース部121に登録された識別情報で特定される業務を行う場合、その識別情報を入力するだけで、その業務に好適なレイアウトに自動的に変更される。また、ユーザーは、デフォルトの状態(初期状態)を特定可能な識別情報と、デフォルトのレイアウトを特定するレイアウトパラメータとを含む画面レイアウト情報を、予め画面レイアウトデータベース部121に登録しておくこともできる。これにより、ユーザーは、各ウィンドウのレイアウトを自由に変更した後、デフォルトの状態を特定可能な識別情報を入力することで、各ウィンドウのレイアウトをデフォルトの状態に戻すことができる。
【0047】
(変形例)
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下に変形例を記載する。なお、以下の変形例は任意に組み合わせることも可能である。
【0048】
(1)変形例1
例えば画面レイアウトデータベース部121に記憶される画面レイアウト情報の種類や数は任意である。
【0049】
(2)変形例2
上述の実施形態では、ユーザーは、自由に識別情報(レイアウト名)を設定できるが、これに限らず、識別情報の設定方法は任意である。例えば識別情報が予め設定されていてもよい。例えば図9の例では、表示メニュー内に「レイアウト1の再現」、「レイアウト1の保存」、「レイアウト2の再現」、「レイアウト2の保存」の項目が予め設けられている。ユーザーが「レイアウト1の保存」を選択することで、各ウィンドウの現在のレイアウトのレイアウトパラメータと、「レイアウト1」というファイル名(識別情報)とが対応付けられた画面レイアウト情報が、画面レイアウトデータベース部121に登録(記憶)される。そして、ユーザーが、各ウィンドウのレイアウトを手動で変更した後に、「レイアウト2の保存」を選択した場合、変更後のレイアウトを特定するレイアウトパラメータと、「レイアウト2」というファイル名(識別情報)とが対応付けられた画面レイアウト情報が、画面レイアウトデータベース部121に登録される。
【0050】
一方、ユーザーが、レイアウト1に対応するレイアウトに戻したい場合は、「レイアウト1の再現」を選択する。これにより、ファイル名「レイアウト1」に対応するレイアウトパラメータが画面レイアウトデータベース部121から読み出され、その読み出されたレイアウトパラメータに従って、各ウィンドウのレイアウトが変更される。また、ユーザーが、レイアウト2に対応するレイアウトに戻したい場合は、「レイアウト2の再現」を選択する。これにより、ファイル名「レイアウト2」に対応するレイアウトパラメータが画面レイアウトデータベース部121から読み出され、その読み出されたレイアウトパラメータに従って、各ウィンドウのレイアウトが変更される。
【0051】
なお、図9の例では、表示メニュー内に「レイアウト1の再現」、「レイアウト1の保存」、「レイアウト2の再現」、「レイアウト2の保存」の項目が表示されているが、これに限らず、これらの項目の表示方法は任意である。例えばツールバーのボタンが選択された場合に、「レイアウト1の再現」、「レイアウト1の保存」、「レイアウト2の再現」、「レイアウト2の保存」の項目が表示されてもよい。
【0052】
図10は、画面レイアウト情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、「レイアウトxの保存」の選択入力を受付部130で受け付けた場合(ステップS21の結果:YES)、画面レイアウト情報登録部134は、現在の各ウィンドウのレイアウトを特定するレイアウトパラメータを作成する(ステップS22)。なお、図9の例では、x=1または2であるが、これに限らず、予め用意されるファイル名(識別情報)の数は任意に変更可能である(xは任意に変更可能である)。次に、画面レイアウト情報登録部134は、現在のレイアウトを特定するレイアウトパラメータと、ファイル名「レイアウトx」とを対応付けた画面レイアウト情報を画面レイアウトデータベース部121に登録する(ステップS23)。
【0053】
図11は、各ウィンドウのレイアウトを自動的に変更するレイアウト変更処理の一例を示すフローチャートである。図11に示すように、「レイアウトxの再現」の選択入力を受付部130で受け付けた場合(ステップS24の結果:YES)、読み出し部131は、ファイル名「レイアウトx」に対応するレイアウトパラメータを画面レイアウトデータベース部121から読み出す(ステップS25)。次に、変更部132は、ステップS25で読み出されたレイアウトパラメータに従って、各ウィンドウのレイアウトを変更する(ステップS26)。
【0054】
(3)変形例3
上述した各実施形態の情報処理装置100で実行される各種プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで記録媒体108に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0055】
100 情報処理装置
101 表示装置
102 操作手段
103 I/F部
104 処理部
105 メモリ
106 HDD
107 可換式ディスクドライブ
108 記録媒体
110 文書管理制御部
111 フォルダーツリー表示部
112 文書一覧表示部
113 画像エディタ部
114 文書プロパティ表示部
115 画面レイアウト変更制御部
120 文書管理データベース部
121 画面レイアウトデータベース部
130 受付部
131 読み出し部
132 変更部
133 読出条件設定部
134 画面レイアウト情報登録部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2008−299689号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面のうち情報が表示される領域を示す複数のウィンドウの配置を識別する識別情報の入力を受け付ける識別情報受付ステップと、
前記識別情報と、前記複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズを特定する特定情報とを対応付けて記憶する記憶部から、前記識別情報受付ステップで受け付けた前記識別情報に対応する前記特定情報を読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップで読み出された前記特定情報に従って、前記複数のウィンドウの位置およびサイズを変更する変更ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記記憶部は、業務の種別を示す前記識別情報と、前記業務の種別ごとに異なる前記特定情報とを対応付けて記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズは、ユーザーの操作に応じて可変に設定され、
前記複数のウィンドウの現在の配置を保存する要求を示す保存要求を受け付ける保存要求受付ステップと、
保存する前記複数のウィンドウの配置を識別する前記識別情報と、保存する前記複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズを特定する前記特定情報とを対応付けて前記記憶部に記憶する記憶ステップと、をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記読み出しステップでは、前記識別情報を受け付けていない場合であっても当該識別情報に対応する前記特定情報が読み出される読出条件が成立した場合、当該特定情報を前記記憶部から読み出す、
ことを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記読出条件は、所定の操作入力を受け付けたことである、
ことを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定の操作入力は、特定の前記情報を表示するための操作入力である、
ことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定の操作入力は、特定の前記情報を編集するための操作入力である、
ことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
表示画面のうち情報が表示される領域を示す複数のウィンドウの配置を識別する識別情報の入力を受け付ける識別情報受付部と、
前記識別情報と、前記複数のウィンドウのそれぞれの位置およびサイズを特定する特定情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記識別情報受付部で受け付けた前記識別情報に対応する前記特定情報を前記記憶部から読み出す読み出し部と、
前記読み出し部で読み出された前記特定情報に従って、前記複数のウィンドウの位置およびサイズを変更する変更部と、を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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