説明

プログラム及び情報処理装置

【課題】登録情報を対象に指摘を入力した利用者が他の利用者に特定されなくする。
【解決手段】指摘内容取得部(18)は、登録情報に対して指摘入力が行われた場合に、指摘内容を表す指摘内容情報を取得し、指摘者特定部(20)は、指摘入力を行った利用者を特定する指摘者特定情報を取得し、保存部(22)は、前記指摘内容取得部(18)により取得された指摘内容情報と、前記指摘者特定部(20)により取得された指摘者特定情報と、を前記登録情報に関連付けて記憶手段に記憶させる。出力制御手段は、利用者からの情報出力の要求に応じて、前記登録情報と、前記記憶手段に記憶される、前記指摘内容情報及び前記指摘者特定情報と、のうちの少なくとも一つを要求元の利用者に出力する。但し、出力制御部(26)は、要求元の利用者が指摘入力を行った利用者と異なる場合、少なくとも指摘者特定情報を出力しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者の要求に応じて、記憶手段に記憶されている登録データを出力する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−288042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、登録情報を対象に指摘を入力した利用者が他の利用者に特定されないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、登録情報に対して指摘の入力が行われた場合に、入力された指摘に含まれる指摘内容を表す指摘内容情報を取得する指摘内容取得手段、前記指摘の入力を行った利用者を特定する指摘者特定情報を取得する指摘者取得手段、前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報と、前記指摘者取得手段により取得された指摘者特定情報と、を前記登録情報に関連付けて記憶手段に記憶させる手段、利用者からの情報出力の要求に応じて、前記登録情報と、前記記憶手段に記憶された、前記指摘内容情報及び前記指摘者特定情報と、のうちの少なくとも一つを要求元の利用者に対して出力する手段であって、要求元の利用者と前記記憶手段に記憶された前記指摘者特定情報により特定される利用者である指摘者とが異なる場合に少なくとも該指摘者特定情報を出力しない出力制御手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報に基づいて、入力された指摘の妥当性に関する評価情報を取得する評価取得手段として前記コンピュータをさらに機能させ、前記出力制御手段は、要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が評価条件を満足する場合に、前記記憶手段に記憶された指摘者特定情報を出力せず、要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が前記評価条件を満足しない場合に、前記記憶手段に記憶された、指摘者内容情報及び指摘者特定情報を出力しないことを特徴とする。
【0007】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記評価取得手段は、指摘内容情報に関する条件と前記評価情報の基礎となる基礎評価情報とを関連づけて記憶してなる基礎評価情報記憶手段から、前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報が満足する前記条件と関連づけられた基礎評価情報を取得する基礎評価情報取得手段と、前記基礎評価情報取得手段により取得された基礎評価情報に基づいて、前記評価情報を生成する生成手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記指摘者取得手段により取得された指摘者特定情報に基づいて、前記指摘の入力を行った利用者の属性を表す属性情報を取得する属性取得手段、前記属性取得手段により取得された属性情報に基づいて、入力された指摘の妥当性に関する評価情報を取得する評価取得手段として前記コンピュータをさらに機能させ、前記出力制御手段は、要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が評価条件を満足する場合に、前記記憶手段に記憶された指摘者特定情報を出力せず、要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が前記評価条件を満足しない場合に、前記記憶手段に記憶された、指摘者内容情報及び指摘者特定情報を出力しないことを特徴とする。
【0009】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記評価取得手段は、属性に関する条件と前記評価情報の基礎となる基礎評価情報とを関連づけて記憶してなる基礎評価情報記憶手段から、前記属性取得手段により取得された属性情報が表す属性が満足する条件に関連づけれた基礎評価情報を取得する基礎評価情報取得手段と、前記基礎評価情報取得手段により取得された基礎評価情報に基づいて、前記評価情報を生成する生成手段と、を含むこと、を特徴とする。
【0010】
また、請求項6の発明は、請求項3又は5の発明において、前記生成手段は、前記基礎評価情報取得手段により取得された基礎評価情報に基づいて所定の演算を行うことによって、前記評価情報を算出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記出力制御手段は、要求元の利用者と前記指摘者とが同じ場合に、少なくとも前記登録情報を出力し、前記プログラムは、前記登録情報を更新する更新手段、前記登録情報が更新された場合に、前記登録情報の更新の確認を案内するための案内情報を、前記指摘者に対して出力する手段、として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項8の発明は、請求項7の発明において、前記指摘者が前記登録情報の更新を確認するための操作を行う前から、前記操作が行われたとき、又は、前記操作が行われたあと、までの期間、前記指摘者とは異なる他の利用者からの前記情報出力の要求に応じた前記登録情報及び前記記憶手段に記憶された指摘内容情報の出力、を前記出力制御手段に行わせない手段、前記期間中に前記情報出力の要求を行った、前記指摘者とは異なる他の利用者を特定する要求者特定手段、前記要求者特定手段により特定される利用者に関して、通知処理を行う通知手段、として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする。
【0013】
なお、上記プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介して提供されてもよいし、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な各種情報記録媒体に格納されて提供されてもよい。
【0014】
また、上記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記録媒体に記憶されてもよい。情報記録媒体としては、例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、MD、DVD−ROM、ICカードなどが用いられてもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するための請求項9の発明は、登録情報に対して指摘の入力が行われた場合に、入力された指摘に含まれる指摘内容を表す指摘内容情報を取得する指摘内容取得手段と、前記指摘の入力を行った利用者を特定する指摘者特定情報を取得する指摘者取得手段と、前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報と、前記指摘者取得手段により取得された指摘者特定情報と、を前記登録情報に関連付けて記憶手段に記憶させる手段と、利用者からの情報出力の要求に応じて、前記登録情報と、前記記憶手段に記憶された、前記指摘内容情報及び前記指摘者特定情報と、のうちの少なくとも一つを要求元の利用者に対して出力する手段であって、要求元の利用者と前記記憶手段に記憶された前記指摘者特定情報により特定される利用者である指摘者とが異なる場合に少なくとも該指摘者特定情報を出力しない出力制御手段と、を含む情報処理装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び9の発明によれば、登録情報を対象に指摘を入力した利用者が他の利用者に特定されないようにすることができる。
【0017】
請求項2及び4の発明によれば、登録情報を対象に入力された指摘の妥当性の度合いに応じて、当該指摘の内容を他の利用者に開示するか否かを制御することができる。
【0018】
請求項3及び5の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、より正確に、登録情報を対象に入力された指摘の妥当性の度合いを評価することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、登録情報を対象に入力された指摘の妥当性の度合いを算出することができる。
【0020】
請求項7の発明によれば、指摘の入力対象となった登録情報が修正された場合に、修正内容の確認を指摘者に促すことができる。
【0021】
請求項8の発明によれば、指摘の入力対象となった登録情報が修正された場合に、当該登録情報を他の利用者が取得することができるようにするとともに、当該登録情報が修正された旨を当該他の利用者に周知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】文書管理システムの構成の一例を示す図である。
【図2】サーバの構成の一例を示す図ある。
【図3】状態DBの内容の一例を示す図ある。
【図4】指摘DBの内容の一例を示す図ある。
【図5】サーバにて実行される処理の一例を示すフロー図ある。
【図6A】配点表の一例を示す図ある。
【図6B】配点表の一例を示す図ある。
【図6C】配点表の一例を示す図ある。
【図7】サーバにて実行される処理の一例を示すフロー図ある。
【図8】作業フローの一例を示す図ある。
【図9】文書管理システムにおいて実行される処理の一例を示す図ある。
【図10】サーバにて実現される機能群を示す機能ブロックの一例を示す図ある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
[文書管理システム]
図1は、文書管理システム2の構成の一例を示す図である。この文書管理システム2は、例えば企業に利用され、文書管理サービスを提供するサーバ4(情報処理装置)と、各ユーザ(利用者)のユーザ端末6と、を含む。同図に示すようにサーバ4、及び各ユーザ端末6は、ネットワークに接続されており、サーバ4は各ユーザ端末6と通信可能になっている。各ユーザは、サーバ4にログインした上で、文書管理サービスを利用する。なお、図1では、左から一番目にユーザAのユーザ端末6が示され、左から二番目にユーザBのユーザ端末6が示され、左から三番目にユーザCのユーザ端末6が示されている。
【0025】
[ユーザ端末]
ユーザ端末6は、マイクロプロセッサ、操作手段、記憶手段、及びディスプレイなどを備えた、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯ゲーム機、及びPDA(Personal Digital Assistant)などのコンピュータである。ユーザ端末6は、ユーザの操作に応じて情報をサーバ4に送信したり、サーバ4から送信された情報を受信したりする。また、ユーザ端末6は、サーバ4から送信された情報をディスプレイに表示させる。
【0026】
[サーバ]
図2は、サーバ4の構成の一例を示す図である。同図に示すように、サーバ4は、制御部10、主記憶12、ネットワークインタフェース14,及びハードディスク16などを含む。
【0027】
制御部10は、例えばマイクロプロセッサである。制御部10は、主記憶12に記憶されるプログラムに従って情報処理を実行する。
【0028】
主記憶12は、例えばRAMである。主記憶12には上記プログラムが格納される。このプログラムは、DVD(登録商標)−ROM等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体から読み出されて主記憶12に格納されてもよいし、ネットワーク等の通信網から供給されて主記憶12に格納されてもよい。
【0029】
また、主記憶12には情報処理の過程で必要となる各種データも格納される。
【0030】
ネットワークインタフェース14(以下、ネットワークIF14と記載する)は、例えばネットワークインタフェースカードである。ネットワークIF14は、各ユーザ端末6とデータ授受を行うためのインタフェースである。ネットワークIF14は、制御部10の指示に従って、情報を送信する。また、ネットワークIF14は、情報を受信し、制御部10へと出力する。
【0031】
ハードディスク16は、各種情報を記憶するための記憶媒体である。本実施形態の場合、ハードディスク16には、文書データベース(以下、文書DBと記載する)が保持される。文書DBには、文書管理システム2に登録されている複数の文書が格納されている。本実施形態の場合、一つ一つの文書が「登録情報」に相当する。
【0032】
また、ハードディスク16には、状態データベース(以下、状態DBと記載する)が保持される。状態DBには、各文書の状態が格納されている。図3は、状態DBの内容の一例を示す図である。同図に示すように、状態DBには、文書の識別情報である文書IDと、当該文書の状態と、が関連づけて格納される。本実施形態の場合、状態DBには、文書の状態として、第1状態、第2状態、及び第3状態のうちのいずれかが格納される。例えば、文書Xの状態が第1状態又は第2状態である場合、これは、文書Xが公開されていることを示す。一方、文書Xの状態が第3状態である場合、これは、文書Xの公開が停止されていることを示す。
【0033】
第1状態と第2状態との違いについては後述する(図7のS202〜S204参照)。
【0034】
また、ハードディスク16(記憶手段)には、指摘データベース(以下、指摘DB)も保持される。指摘DBには、文書を対象に指摘の入力(以下、指摘入力)を行ったユーザである指摘ユーザのユーザIDと、当該指摘ユーザの指摘内容を表す指摘内容情報と、が保持される。ここで、「指摘」とは、重要度の種別(後述)、登録情報(例えば文書)に施すべき修正内容(後述の「修正内容」)、及び修正を施すべき登録情報(例えば文書)中の箇所(後述の「修正対象箇所」)を示す情報等を含む情報である。図4は、指摘DBの内容の一例を示す図である。同図に示すように、指摘DBには、文書の文書IDに関連づけて、当該文書に対して指摘入力を行った指摘ユーザのユーザID(指摘者特定情報)及び当該指摘ユーザによって入力された指摘を表す指摘内容情報と、が格納されている。指摘内容情報の詳細については後述する。
【0035】
ハードディスク16には、文書DB、状態DB、及び指摘DBの他にも、各種情報が格納される。例えば、ハードディスク16には、各ユーザの属性を示す情報及び各文書の作成者を特定するための情報なども格納される。ここでは、ユーザの属性とは、ユーザの信用の度合いを示す信頼度、ユーザのログインパスワード、ユーザの所属部署、及び各ユーザの役職などである。
【0036】
[指摘入力について]
この文書管理システム2では、文書の作成ユーザによって当該文書が登録された場合に当該文書の状態が第1状態に設定され、各ユーザによって閲覧される。例えば、ユーザBは、ユーザAによって作成された文書Xを閲覧したい場合、文書Xの配信をサーバ4に要求すべく、文書Xを対象に閲覧操作を行う。そして、ユーザBは、自身のユーザ端末6にて、サーバ4から配信された文書Xの閲覧を行う。なお、文書Xを対象に閲覧操作を行うことが「情報出力を要求すること」に相当する。
【0037】
また、文書管理システム2では、文書Xを閲覧しているユーザBが例えば文書Xの記載内容に誤りを見つけた場合に、ユーザBが文書Xを対象に誤りの指摘を行えるようになっている。具体的には、誤りを発見したユーザBは、指摘入力を行って、誤りの箇所(以下、修正対象箇所と記載する)、修正対象箇所の正しい記載内容(以下、修正内容と記載する)、及び重要度の種別を含む上記「指摘」の入力を行えるようになっている。なお、ここでは、重要度として、「高」、「中」、及び「小」のうちのいずれかの種別が入力される。
【0038】
そして、指摘入力が行われると、修正対象箇所、修正内容、及び重要度の種別とを含む上記指摘内容情報がサーバ4へと送信され、この指摘内容情報を受信したサーバ4において図5に例示する処理が実行されるようになっている。
【0039】
以下、図5に示す処理について説明する。図5は、サーバ4にて実行される処理の一例を示すフロー図であり、指摘内容情報が受信された場合に実行される。
【0040】
まず、制御部10(指摘者取得手段)は、指摘入力を行った指摘ユーザ(ここでは、ユーザB)を特定する(S101)。具体的には、指摘ユーザのユーザIDを取得する。
【0041】
そして、制御部10(評価取得手段)は、S102及びS103のステップにおいて、受信した指摘内容情報(以下、「今回の指摘内容情報」と記載する)と、指摘ユーザのユーザIDと、に基づいて評価値を算出する。本実施形態の場合、指摘ユーザのユーザIDに関連づけて指摘DBに記憶される過去の指摘内容情報も用いられる。
【0042】
具体的には、制御部10(基礎評価情報取得手段)は、ハードディスク16(基礎評価情報記憶手段)に予め記憶される評価ポリシー情報を読み出す(S102)。図6A〜図6Cは、評価ポリシー情報に含まれる3つの配点表の一つ一つを例示する図である。図6Aに示す配点表(条件記憶手段)は、重要度の各種別に割り振られた配点を示し、図6Bに示す配点表(条件記憶手段)は、文書X中の各箇所に割り振られた配点を示し、図6Cに示す配点表(条件記憶手段)は、信頼度を示す3つの種別の各々に割り振られた配点を示す。
【0043】
図6Aに示す配点表は、「重要度」フィールドと「配点」フィールドとを含む。「種別」フィールドには、重要度の各種別が格納される。言い換えれば、「重要度」フィールドには、指摘内容情報に関する条件が格納される。例えば、指摘内容情報に含まれる重要度の種別が「高」である場合、指摘内容情報は、「重要度」フィールドに格納される「高」で示される条件を満足することとなる。また、「配点」フィールドには、各種別に割り振られた点数(基礎評価情報)が格納される。なお、同図に示すように、「重要度」フィールドに格納される情報と、「配点」フィールドに格納される情報と、は関連づけられている。
【0044】
図6Bに示す配点表は、「修正対象箇所」フィールドと「配点」フィールドとを含む。「修正対象箇所」フィールドには、文書X中の箇所が格納される。言い換えれば、「修正対象箇所」フィールドには、指摘内容情報に関する条件が格納される。例えば、指摘内容情報に含まれる修正対象箇所が「第1章」である場合、指摘内容情報は、「修正対象箇所」フィールドに格納される「第1章」で示される条件を満足することとなる。また、「配点」フィールドには、各箇所に割り振られた点数(基礎評価情報)が格納される。なお、同図に示すように、「修正対象箇所」フィールドに格納される情報と、「配点」フィールドに格納される情報と、は関連づけられている。
【0045】
図6Cに示す配点表は、「信頼度」フィールドと「配点」フィールドとを含む。「信頼度」フィールドには、信頼度の各種別が格納される。言い換えれば、「信頼度」フィールドには、信頼度(属性)に関する条件が格納される。例えば、指摘入力を行った指摘ユーザ(ユーザB)の信頼度の種別が「高」である場合、指摘ユーザの信頼度は、「信頼度」フィールドに格納される「高」で示される条件を満足することとなる。また、「配点」フィールドには、信頼度の各種別に割り振られた点数(基礎評価情報)が格納される。なお、同図に示すように、「信頼度」フィールドに格納される情報と、「配点」フィールドに格納される情報と、は関連づけられている。
【0046】
そして、制御部10(評価取得手段)は、評価ポリシー情報を参照して、評価値(評価情報)を生成する(S103)。具体的には、制御部10は、指摘内容情報に基づいて評価値を生成する。より詳しくは、制御部10は、図6Aの配点表及び図6Bの配点表の各々を参照して、指摘内容情報が満足する条件に関連づけられた点数を特定し、当該点数に基づいて演算を行うことによって評価値を算出する。例えば、指摘内容情報に含まれる重要度の種別が「高」である場合、4点が加算され、指摘内容情報に含まれる修正対象箇所が「第1章」である場合、1点が加算される。また、制御部10(属性取得手段)は、S101のステップで取得したユーザID(指摘者特定情報)に基づいて指摘ユーザ(ユーザB)の信頼度(属性情報)を読み出し、読み出した信頼度に基づいて評価値を生成することも行う。より詳しくは、制御部10は、図6Cの配点表を参照して、読み出した信頼度が満足する条件に関連づけられた点数を特定するとともに、当該点数に基づいて演算を行うことによって評価情報を算出することも行う。例えば、指摘ユーザの信頼度の種別が「高」である場合、3点が加算される。
【0047】
なお、制御部10は、指摘内容情報と指摘ユーザの信頼度と、のうちの一方に基づいて評価値を算出してもよい。例えば、制御部10は、図6Aの配点表、図6Bの配点表、及び図6Cの配点表のうちのいずれか一を用いて評価値を算出してもよい。
【0048】
なお、信頼度以外の指摘ユーザの属性に基づいて、指摘ユーザの信頼度が決定されてもよい。例えば、制御部10は、指摘ユーザの所属部署に基づいて、指摘ユーザの信頼度を決定してもよい。例えば、制御部10は、指摘ユーザの所属部署と基準部署とを比較し、比較結果に基づいて信頼度を決定してもよい。ここで、「基準部署」とは、例えば、文書Xの作成ユーザの所属部署、及び文書Xと所定関係にある部署(例えば、文書Xと深い関係がある部署)などである。制御部10は、指摘ユーザの所属部署と基準部署とが同じ場合、信頼度を「高」に決定すればよい。また、例えば、制御部10は、指摘ユーザの役職に基づいて、指摘ユーザの信頼度を決定してよい。例えば、制御部10は、指摘ユーザが重役である場合に、信頼度を「高」に決定してよい。
【0049】
こうして評価値を算出すると、制御部10は、評価値が評価条件を満足するか否かを判定する(S104)。具体的には、制御部10は、評価値が基準値以上であるか否かを判定する。ここでは、評価値が評価条件を満足する場合とは、評価値が基準値以上である場合であり、評価値が評価条件を満足しない場合とは、評価値が基準値より小さい場合である。
【0050】
評価値が評価条件を満足する場合(S104のY)、制御部10は、指摘ユーザ(ユーザB)による指摘の妥当性が高いと考えられるので、状態DBに格納される文書Xの状態を第2状態に設定する(S105)。その結果、文書Xの状態が更新される。そして、今回の指摘内容情報が指摘DBに登録される。すなわち、制御部10は、今回の指摘内容情報と、指摘ユーザであるユーザBのユーザIDと、を文書Xに関連づけて指摘DB(図4参照)に格納する(S106)。
【0051】
一方、評価値が評価条件を満足しない場合(S104のN)、制御部10は、S105のステップをスキップして、S106のステップを実行する。この場合、評価値が評価条件を満足しない場合、文書Xの状態が更新されない。
【0052】
[文書の閲覧について]
こうして登録された指摘内容情報は、各ユーザにより閲覧される。具体的には、ユーザは、上述の閲覧操作(出力要求)を文書Xを対象に行うことによって、文書Xを対象とする指摘内容情報を閲覧する。例えば、文書Xの作成ユーザ(ユーザA)でないユーザが閲覧操作を行った場合、閲覧操作を行ったユーザが文書Xに関連づけられたユーザID(指摘者特定情報)によって特定される指摘ユーザ(ユーザB)であるか否かが判断され、閲覧操作を行ったユーザが指摘ユーザ(ユーザB)とは異なる場合に、図7に例示する処理が実行される。
【0053】
以下、図7に示す処理について説明する。図7は、サーバ4にて実行される処理の一例を示すフロー図である。制御部10は、図7に例示する処理を実行することにより、文書Xと,文書Xに関連づけて指摘DBに格納される指摘内容情報及び指摘ユーザ(ユーザB)のユーザIDと、のうちの少なくとも一つを閲覧操作を行ったユーザ(要求元のユーザ)に対して出力する。ここでは、ユーザCが閲覧操作を行った場合を想定する。
【0054】
すなわち、制御部10は、文書Xの状態が第3状態であるか否かを判定する(S201)。文書Xの状態が第3状態でない場合(S201のN)、制御部10(出力制御手段)は、指摘ユーザ(ユーザB)が閲覧操作を行ったユーザ(ユーザC)に特定されないようにするために、文書Xと、文書Xに関連づけて指摘DBに格納される指摘内容情報及び指摘ユーザ(ユーザB)のユーザIDと、のうちの少なくとも当該ユーザIDを、閲覧操作を行ったユーザ(ユーザC)に対して出力しないようにする(S202〜S204)。
【0055】
すなわち、制御部10は、文書Xの状態が第2状態であるか否かを判定する(S202)。文書Xの状態が第1状態である場合(S202のN)、制御部10(出力制御手段)は、文書Xを対象とする指摘の妥当性が低いと考えられるので、文書XのみをユーザCに対して出力する。言い換えれば、制御部10は、文書Xに関連づけて指摘DBに格納される指摘内容情報及び指摘ユーザ(ユーザB)のユーザIDを、ユーザCに対して出力しない。具体的には、制御部10(出力制御手段)は、文書XのみをユーザCのユーザ端末6に送信する(S203)。その結果、ユーザCのユーザ端末6のディスプレイに文書Xが表示される。ユーザCは、何らかの誤りを発見した場合などに、上述のようにして指摘入力を行うこととなる。
【0056】
一方、文書Xの状態が第2状態である場合(S202のY)、制御部10は、文書Xを対象とする指摘の妥当性が高いと考えられるので、文書Xと、文書Xに関連づけられた指摘内容情報と、をユーザCに対して出力する。言い換えれば、制御部10は、文書Xに関連づけて指摘DBに格納される指摘ユーザ(ユーザB)のユーザIDのみを、ユーザCに対して出力しない。具体的には、制御部10(出力制御手段)は、文書X及び指摘内容情報を、ユーザCのユーザ端末6に送信する(S204)。その結果、ユーザCのユーザ端末6のディスプレイに、文書Xと、指摘内容情報が表す修正内容のリストと、が表示される。この場合も、ユーザCは、何らかの誤りを発見した場合などに、上述のようにして指摘入力を行うこととなる。
【0057】
ここで、上述のように、評価値が評価条件を満足する場合に、文書Xの状態が第2状態に設定される(図5のS105)。従って、結果的に、評価値が評価条件を満足する場合に、S204のステップが行われ、評価値が評価条件を満足しない場合に、S203のステップが行われることになる。
【0058】
なお、文書Xの状態が第3状態である場合(S201のY)、制御部10は、閲覧操作を行った閲覧試行ユーザ(ユーザC)のユーザIDを、文書Xに関連づけてハードディスク16に設けられた閲覧データベース(不図示)に保存する(S205)。そして、制御部10は、文書Xの公開が停止されていることを告知するための告知文書をユーザCのユーザ端末6に送信する(S206)。その結果、告知文書が、ユーザCのユーザ端末6のディスプレイに表示される。
【0059】
なお、閲覧操作を行ったユーザが指摘ユーザと同じ場合、すなわち、指摘ユーザ(ユーザB)自身が閲覧操作を行った場合、文書Xの状態に関わらず、S203のステップのみ、或いはS204のステップのみが実行される。すなわち、この場合、制御部10(出力制御手段)は、文書Xの状態に関わらず、少なくとも文書Xを出力する。
【0060】
ちなみに、文書Xの作成ユーザ(ユーザA)自身が閲覧操作を行った場合、文書Xの状態に関わらず、S204のステップのみが実行される。
【0061】
[作成ユーザが行う作業]
この文書管理システム2では、自身の作成した文書の修正を行う権限がユーザに与えられている。また、自身の作成した文書の公開を停止する権限がユーザに与えられている。ユーザは、自身の作成した文書を閲覧した場合、通常、図8に例示する作業を行う。例えば、ユーザAは、自身の作成した文書Xを閲覧し、図8に示す作業フローに従って作業を行う。
【0062】
すなわち、ユーザAは、誤った記載を含む文書Xの公開を停止するために、文書Xの状態を第3状態に設定するための停止操作を行う(S301)。停止操作が行われると停止指示がサーバ4へと送信され、停止指示を受信したサーバ4の制御部10が、状態DBに格納される文書Xの状態を第3状態に設定する。
【0063】
また、ユーザAは、指摘内容情報を参照しながら、文書Xを修正するための修正操作を行う(S302)。修正操作が行われると修正指示がサーバ4へと送信され、修正指示を受信したサーバ4の制御部10(更新手段)が、修正指示に従って文書DBに格納される文書Xを更新する。
【0064】
そして、ユーザAは、文書Xの内容の確認を指摘ユーザであるユーザBに依頼するために、依頼操作を行う(S303)。依頼操作が行われると依頼指示がサーバ4へと送信され、図9に例示する処理が文書管理システム2において実行される。
【0065】
[文書管理システムにおいて実行される処理]
すなわち、サーバ4の制御部10は、依頼指示を受信すると、文書Xに関連づけて指摘DBに格納される指摘ユーザ(ここでは、ユーザB)に対して、確認案内処理を実行する。具体的には、サーバ4の制御部10は、ユーザBのユーザ端末6に、文書Xの修正内容の確認をユーザBに案内するための確認案内文書を送信する(S401)。ここで、確認案内文書は、例えば電子メールである。
【0066】
確認案内文書を閲読したユーザBは、文書Xの内容を確認すべく、閲覧操作を行う。閲覧操作が行われると文書Xの配信要求がサーバ4へと送信される(S402)。配信要求を受信したサーバ4の制御部10は、図7に示すS203又はS204のステップを実行して、指摘ユーザであるユーザBのユーザ端末6に、文書Xを送信する(S403)。その結果、ユーザBのユーザ端末6で、文書Xが表示される。
【0067】
ユーザBは、文書Xを参照しながら、修正内容を確認するための操作であるコメント入力操作を行って、修正内容に関するコメントを入力する。コメント入力操作が行われると、入力されたコメントの内容を表すコメント情報がサーバ4へと送信される(S404)。サーバ4の制御部10は、コメント情報を受信し、文書Xの作成ユーザであるユーザAのユーザ端末6に転送する。その結果、コメント情報が、ユーザAのユーザ端末6にて表示される。
【0068】
ユーザAは、コメント情報を確認する。ユーザAは、文書Xを再度修正する必要があると判断した場合、ユーザAは、再度、上記修正操作及び依頼操作(図8のS302及びS303参照)を行う。この場合、S401〜S404のステップが再度実行されることとなる。なお、上記修正操作及び依頼操作が再度行われた場合に、制御部10が指摘ユーザであるユーザBの信頼度を更新してよい。
【0069】
一方、ユーザAは、文書Xを再度修正する必要がないと判断した場合、ユーザAは、文書Xを再公開すべく、文書Xの状態を第1状態に設定するための解除操作を行う。解除操作が行われると解除指示がサーバ4へと送信され(S405)、解除指示を受信したサーバ4の制御部10は、状態DBに格納される文書Xの状態を第1状態に設定する(S406)。
【0070】
そして、制御部10(通知手段)は、S406のステップで文書Xの状態が第1状態に設定されるまでに閲覧操作を行った閲覧試行ユーザに関して、通知処理を行う(S407)。すなわち、制御部10は、文書Xに関連づけて上記閲覧データベース(以下、閲覧DB)に記憶される閲覧試行ユーザCのユーザIDを読み出し、当該ユーザIDにより特定されるユーザCのユーザ端末6に通知情報を送信する(S407)。
【0071】
[機能ブロック]
図10は、サーバ4にて実現される機能群を示す機能ブロックの一例を示す図である。同図に示すように、サーバ4では、指摘内容取得部18、指摘者特定部20、保存部22、評価値取得部24、出力制御部26、更新部28、案内部30,出力制限部31、特定部36、及び通知部38が実現される。出力制限部31には、停止部32及び解除部34が含まれる。これらの機能は、サーバ4の制御部10が、主記憶12に記憶される上記プログラムに従って、図5、図7、図8、及び図9に示す処理を実行することによって実現される。
【0072】
[指摘内容取得部]
指摘内容取得部18は、制御部10及びネットワークIF14を主として実現される。指摘内容取得部18は、登録情報に対して指摘入力が行われた場合に、指摘内容を表す指摘内容情報を取得する。本実施形態の場合、指摘内容取得部18は、指摘内容情報を受信する。ここでは、文書Xが「登録情報」に相当する。また、上記「修正対象箇所」及び「重要度」が、「指摘内容情報」に相当する。
【0073】
[指摘者特定部]
指摘者特定部20は、制御部10を主として実現される。指摘者特定部20は、指摘入力を行ったユーザを特定する指摘者特定情報を取得する(図5のS101参照)。ここでは、ユーザBが「指摘入力を行ったユーザ」に相当し、ユーザBのユーザIDが「指摘者特定情報」に相当する。
【0074】
[保存部]
保存部22は、制御部10と文書DBと指摘DBとを主として実現される。保存部22は、指摘内容取得部18によって取得された指摘内容情報と、指摘者特定部20により取得された指摘者特定情報と、を登録情報(文書X)に関連づけて記憶手段(指摘DB)に記憶させる(図5のS106参照)。
【0075】
[評価値取得部]
評価値取得部24は、制御部10を主として実現される。評価値取得部24は、指摘内容取得部18によって取得された指摘内容情報に基づいて、評価情報を取得する(図5のS103参照)。ここでは、上記評価値が「評価情報」に相当する。
【0076】
例えば、評価値取得部24は、指摘内容情報に関する条件と基礎評価情報とを関連付けて記憶してなる基礎評価情報記憶手段から、指摘内容取得部18によって取得された指摘内容情報が満足する条件に関連付けられた基礎評価情報を取得し、取得した基礎評価情報に基づいて演算を評価情報を生成する。ここでは、ハードディスク16が「基礎評価情報記憶手段」に相当し、図6Aの配点表の「重要度」フィールドに格納される情報、及び図6Bの配点表の「修正対象箇所」フィールドに格納される情報、のそれぞれが「条件」に相当し、図6Aの配点表及び図6Bの配点表のそれぞれの「配点」フィールドに格納される情報が、「基礎評価情報」に相当する。
【0077】
また、例えば、評価値取得部24は、指摘者特定部20により取得された指摘者特定情報に基づいて、指摘入力を行ったユーザ(ユーザB)の属性を示す属性情報を取得する。ここでは、信頼度が「属性」に相当する。そして、評価値取得部24は、この属性情報に基づいて評価情報を取得する(図5のS103参照)。
【0078】
例えば、属性に関する条件と基礎評価情報とを関連付けて記憶してなる基礎評価情報記憶手段から、属性情報により示される属性が満足する条件に関連付けられた基礎評価情報を取得し、取得した基礎評価情報に基づいて演算を行うことによって、評価情報を生成する。ここでは、ハードディスク16が「基礎評価記憶手段」に相当し、図6Cの配点表の「信頼度」フィールドに格納される情報が「条件」に相当し、図6Cの配点表の「配点」フィールドに格納される情報が、「基礎評価情報」に相当する。
【0079】
[出力制御部]
出力制御部26は、制御部10と状態DBとを主として実現される。出力制御部26は、ユーザからの情報出力の要求に応じて、登録情報と、記憶手段に記憶される、指摘内容情報及び指摘者特定情報と、のうちの少なくとも一つを、要求元のユーザに対して出力する。ここでは、「閲覧操作の実行」が「情報出力の要求」に相当し、指摘DBが「記憶手段」に相当し、文書Xに関連付けられた指摘内容情報が「記憶手段に記憶される指摘内容情報」に相当し、文書Xに関連付けられたユーザBのユーザIDが「記憶手段に記憶される指摘者特定情報」に相当する。また、閲覧操作を行ったユーザが「要求元のユーザ」に相当する。
【0080】
具体的には、要求元のユーザと記憶手段に記憶される指摘者特定情報により特定される指摘ユーザが異なる場合、出力制御部26は、少なくとも当該指摘者特定情報を出力せず、当該指摘者特定情報以外の情報を出力する。ここでは、「要求元のユーザが指摘者特定情報により特定される指摘ユーザ(ユーザB)と異なる場合」とは、「要求元のユーザがユーザCである場合」である。
【0081】
より詳しくは、出力制御部26は、要求元のユーザが指摘者特定情報により特定される指摘ユーザと異なる場合において、評価値取得部24によって取得された評価情報が評価条件を満足する場合に、記憶手段に記憶される指摘者特定情報を出力せずに、登録情報と、記憶手段に記憶される指摘内容情報と、の出力を行う。また、要求元のユーザが指摘者特定情報により特定される指摘ユーザと異なる場合において、評価値取得部24によって取得された評価情報が評価条件を満足しない場合に、出力制御部26は、記憶手段に記憶される、指摘内容情報及び指摘者特定情報を出力せずに、登録情報のみを出力する(図7のS202〜S204参照)。すなわち、出力制御部26は、評価値取得部24によって取得された評価情報が評価条件を満足する場合に登録情報(文書X)の状態を第2状態に設定する。そして、出力制御部26は、要求元のユーザが指摘者特定情報により特定される指摘ユーザと異なる場合において登録情報(文書X)の状態が第2状態である場合は、記憶手段に記憶される指摘者特定情報のみ出力せず、要求元のユーザが指摘者特定情報により特定される指摘ユーザと異なる場合において登録情報(文書X)の状態が第1状態である場合は、記憶手段に記憶される、指摘内容情報及び指摘者特定情報を出力しない。
【0082】
なお、出力制御部26は、要求元のユーザが指摘者特定情報により特定される指摘ユーザと異なる場合において登録情報(文書X)の状態が第3状態である場合、登録情報、記憶手段に記憶される、指摘内容情報及び指摘者特定情報と、のうちのいずれも出力しない(図7のS201、S206参照)。但し、この場合、出力制御部26は、要求元のユーザ(ユーザC)を特定するための要求者特定情報(ユーザCのユーザID)を要求者記憶手段に記憶させる(図7のS205参照)。ここでは、閲覧DBが要求者記憶手段に相当する。
【0083】
一方、要求元のユーザと指摘ユーザとが同じ場合、出力制御部26は、少なくとも登録情報(文素X)を出力する。
【0084】
[更新部]
更新部28は、制御部10を主として実現される。更新部28は、登録情報を更新する(図8のS302参照)。
【0085】
[案内部]
案内部30は、制御部10を主として実現される。案内部30は、登録情報が更新部28によって更新された場合に、登録情報の更新の確認を案内するための案内情報を、指摘ユーザ(ユーザB)に対して出力する(図9のS401参照)。ここでは、確認案内文書が、「案内情報」に相当する。
【0086】
[出力制限部]
出力制限部31は、制御部10を主として実現される。出力制限部31は、指摘ユーザが登録情報の更新を確認するための操作を行う前から、この操作が行われたあとまでの期間、指摘ユーザとは異なる他のユーザからの情報出力の要求に応じた「記憶手段に記憶された指摘内容情報及び登録情報の出力」を、出力制御部26に行わせない。ここでは、コメント入力操作が上記「操作」に相当する。
【0087】
[停止部]
具体的には、停止部32が、指摘ユーザが上記操作を行う前に、出力制御部26による、『他のユーザからの情報出力の要求に応じた「記憶手段に記憶された指摘内容情報及び登録情報の出力」』、を停止する(図8のS301参照)。より詳しくは、上記停止操作が行われた場合に、停止部32が、登録情報の状態を第3状態に設定する。
【0088】
[解除部]
また、解除部34が、指摘ユーザが上記操作を行った後に、『他のユーザからの情報出力の要求に応じた「記憶手段に記憶された指摘内容情報及び登録情報の出力」』、の停止を解除する(図9のS406参照)。より詳しくは、上記解除操作が行われた場合に、解除部34が、登録情報(文書X)の状態を第1状態に設定する。なお、解除部34は、指摘ユーザが上記操作(コメント入力操作)を行ったときに、上記停止を解除してもよい。
【0089】
[特定部]
特定部36は、制御部10と閲覧DBとを主として実現される。特定部36は、上記期間中に情報出力の要求を行った、指摘ユーザとは異なるユーザを特定する。ここでは、閲覧試行ユーザが、「指摘ユーザとは異なるユーザ」に相当する。
【0090】
例えば、特定部36は、上記停止が解除された場合、すなわち、登録情報(文書X)の状態が第1状態に設定された場合に、登録情報(文書X)に関連づけて閲覧DBに記憶される閲覧試行ユーザIDを読み出す(図9のS407参照)。
【0091】
[通知部]
通知部38は、制御部10を主として実現される。通知部38は、特定部36により特定される利用者に関して、通知処理を行う(図9のS407参照)。本実施形態の場合、通知部38は、閲覧DBから読み出されたユーザIDにより特定される利用者(ユーザC)のユーザ端末6に、通知情報を送信する。
【0092】
なお、本発明の実施形態は上記実施形態だけに限らない。
【0093】
例えば、「登録情報」は、文書以外の情報(例えば、画像情報)であってもよい。
【0094】
また、例えば、指摘入力の際に入力される「指摘」は、登録情報の内容に関する問題点の有無を示す情報であってもよい。すなわち、指摘内容情報は、登録情報の内容に関する問題点の有無を示す情報であってもよい。この場合、例えば、予めハードディスク16に、指摘内容情報に関する条件に関連づけて、基礎評価情報(すなわち、点数)ではなく評価情報(すなわち、評価値)自体が関連づけて格納される。すなわち、予めハードディスク16に、指摘内容情報が「登録情報の内容に問題点が有ること」を示す場合に満足される条件、及び指摘内容情報が「登録情報の内容に問題点が無いこと」を示す場合に満足される条件の一つ一つに関連づけて、評価情報自体が関連づけて格納される。また、この場合、制御部10は、指摘内容情報が満足する条件を特定し、指摘内容情報が満足する条件に関連づけられた評価情報を読み出して取得することになる。
【0095】
また、例えば、文書Xの更新はいつ行われてもよい。例えば、制御部10(更新手段)は、文書Xを定期的に更新するようにしてもよい。
【0096】
また、例えば、確認案内処理はいつ行われてもよい。例えば、確認案内処理は、文書Xが更新されてから予め定められた時間が経過した場合に行われてもよい。
【0097】
また、例えば、制御部10は、コメント情報の内容が予め定められた条件を満足するか否かを判定し、コメント情報の内容が上記条件を満足すると判定した場合に、文書Xの状態を第1状態に設定するようにしてよい。
【符号の説明】
【0098】
2 文書管理システム、4 サーバ、6 ユーザ端末、10 制御部、12 主記憶、14 ネットワークインタフェース、16 ハードディスク、18 指摘内容取得部、20 指摘者特定部、22 保存部、24 評価値取得部、26 出力制御部、28 更新部、30 案内部、31 出力制限部、32 停止部、34 解除部、36 特定部、38 通知部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録情報に対して指摘の入力が行われた場合に、入力された指摘に含まれる指摘内容を表す指摘内容情報を取得する指摘内容取得手段、
前記指摘の入力を行った利用者を特定する指摘者特定情報を取得する指摘者取得手段、
前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報と、前記指摘者取得手段により取得された指摘者特定情報と、を前記登録情報に関連付けて記憶手段に記憶させる手段、
利用者からの情報出力の要求に応じて、前記登録情報と、前記記憶手段に記憶された、前記指摘内容情報及び前記指摘者特定情報と、のうちの少なくとも一つを要求元の利用者に対して出力する手段であって、要求元の利用者と前記記憶手段に記憶された前記指摘者特定情報により特定される利用者である指摘者とが異なる場合に少なくとも該指摘者特定情報を出力しない出力制御手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項2】
前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報に基づいて、入力された指摘の妥当性に関する評価情報を取得する評価取得手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記出力制御手段は、
要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が評価条件を満足する場合に、前記記憶手段に記憶された指摘者特定情報を出力せず、
要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が前記評価条件を満足しない場合に、前記記憶手段に記憶された、指摘者内容情報及び指摘者特定情報を出力しないこと、
を特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記評価取得手段は、
指摘内容情報に関する条件と前記評価情報の基礎となる基礎評価情報とを関連づけて記憶してなる基礎評価情報記憶手段から、前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報が満足する前記条件と関連づけられた基礎評価情報を取得する基礎評価情報取得手段と、
前記基礎評価情報取得手段により取得された基礎評価情報に基づいて、前記評価情報を生成する生成手段と、を含むこと、
を特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記指摘者取得手段により取得された指摘者特定情報に基づいて、前記指摘の入力を行った利用者の属性を表す属性情報を取得する属性取得手段、
前記属性取得手段により取得された属性情報に基づいて、入力された指摘の妥当性に関する評価情報を取得する評価取得手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記出力制御手段は、
要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が評価条件を満足する場合に、前記記憶手段に記憶された指摘者特定情報を出力せず、
要求元の利用者と前記指摘者とが異なる場合において、前記評価情報が前記評価条件を満足しない場合に、前記記憶手段に記憶された、指摘者内容情報及び指摘者特定情報を出力しないこと、
を特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記評価取得手段は、
属性に関する条件と前記評価情報の基礎となる基礎評価情報とを関連づけて記憶してなる基礎評価情報記憶手段から、前記属性取得手段により取得された属性情報が表す属性が満足する条件に関連づけれた基礎評価情報を取得する基礎評価情報取得手段と、
前記基礎評価情報取得手段により取得された基礎評価情報に基づいて、前記評価情報を生成する生成手段と、を含むこと、
を特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記生成手段は、
前記基礎評価情報取得手段により取得された基礎評価情報に基づいて所定の演算を行うことによって、前記評価情報を算出すること、
を特徴とする請求項3又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記出力制御手段は、
要求元の利用者と前記指摘者とが同じ場合に、少なくとも前記登録情報を出力し、
前記プログラムは、
前記登録情報を更新する更新手段、
前記登録情報が更新された場合に、前記登録情報の更新の確認を案内するための案内情報を、前記指摘者に対して出力する手段、
として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記指摘者が前記登録情報の更新を確認するための操作を行う前から、前記操作が行われたとき、又は、前記操作が行われたあと、までの期間、前記指摘者とは異なる他の利用者からの前記情報出力の要求に応じた前記登録情報及び前記記憶手段に記憶された指摘内容情報の出力、を前記出力制御手段に行わせない手段、
前記期間中に前記情報出力の要求を行った、前記指摘者とは異なる他の利用者を特定する要求者特定手段、
前記要求者特定手段により特定される利用者に関して、通知処理を行う通知手段、
として前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
登録情報に対して指摘の入力が行われた場合に、入力された指摘に含まれる指摘内容を表す指摘内容情報を取得する指摘内容取得手段と、
前記指摘の入力を行った利用者を特定する指摘者特定情報を取得する指摘者取得手段と、
前記指摘内容取得手段により取得された指摘内容情報と、前記指摘者取得手段により取得された指摘者特定情報と、を前記登録情報に関連付けて記憶手段に記憶させる手段と、
利用者からの情報出力の要求に応じて、前記登録情報と、前記記憶手段に記憶された、前記指摘内容情報及び前記指摘者特定情報と、のうちの少なくとも一つを要求元の利用者に対して出力する手段であって、要求元の利用者と前記記憶手段に記憶された前記指摘者特定情報により特定される利用者である指摘者とが異なる場合に少なくとも該指摘者特定情報を出力しない出力制御手段と
を含むことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−3461(P2012−3461A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137095(P2010−137095)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】