説明

プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法

【課題】スリープモードにより電源がオフした場合に、再び自動的に電源がオフされることを防止できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】記憶部21は信号検出部5が画像信号を第1の時間検出しなかった場合(ステップS105:N)に光源11を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグ21aを有している。制御部20は、スリープモードフラグ21aがセットされている状態で、信号検出部5が画像信号を第1の時間検出しなかった場合(ステップS108:N)に光源11を消灯してから第2の時間経過前に入力操作部より電源オン操作を検出する(ステップS111:Y)と、光源11を再度点灯した後に画像投写部10に警告画面を表示するとともにスリープモードフラグ21aをクリアする(ステップS113)プロジェクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターにおいて、外部機器から画像信号が所定時間入力されないときに電源をオフするスリープモード機能を備えたものが知られている。このようなスリープモードを備えたプロジェクターによれば、プロジェクターが画像を投写していないときに自動的に電源がオフされるので、プロジェクターのランプが無駄に消耗するのを防止することができる。
【0003】
このようなスリープモードを備えたプロジェクターを、パーソナルコンピューター(Personal Computer;PC)に接続して投写する使用中において、プレゼンテーションの切り替えなどで、一時的に投写を中断するためにPCの画像出力を中断しているときや、PCのスクリーンセーバー機能が働いたときなど、所定時間、プロジェクターに画像信号が入力されない場合、スリープモード機能により、使用者が意図しないときに電源がオフされてしまうことがあった。
一般的に、プロジェクターは電源をオフした直後に再度電源をオンしても、ランプが冷えていないと点灯までに時間がかかり、投写を再開するまでにある程度の時間、待たなければならなかった。
【0004】
特許文献1には、電源オフの指示があってから、一定の猶予時間後にランプを消灯し、電源をオフするプロジェクターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−119340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなプロジェクターでは通常の電源オフ操作時においても、所定の猶予時間はランプが点灯し続けるため、ランプが無駄に消耗してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、不揮発性の記憶部と、入力操作を受け付ける操作部と、前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、備え、前記記憶部は前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを有し、前記制御部は、前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を前記第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯し、前記光源を消灯してから第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に警告画面を表示するとともに前記スリープモードフラグをクリアすることを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードが解除される。これによって、使用者が意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、スリープモードが解除されるので、再度、スリープモードにより電源がオフされてしまうのを防止することが可能となる。
【0010】
[適用例2]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、不揮発性の記憶部と、入力操作を受け付ける操作部と、前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、備え、前記記憶部は前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを有し、前記制御部は、前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を前記第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯し、前記光源を消灯してから第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に前記スリープモードを無効にするかの確認メッセージを表示させることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを解除するかどうかを使用者に選択させる。これによって、使用者が意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、スリープモードを解除し、再度自動的に電源がオフされるのを防止するか、スリープモードが働かないように画像信号を入力させるか、を使用者に選択させることが可能となる。
【0012】
[適用例3]上記適用例1に記載のプロジェクターにおいて、前記記憶部は前記スリープモードの設定を保持するか否かを設定するスリープモード中断フラグをさらに有し、前記制御部は、電源オフ操作を検出した場合に前記スリープモード中断フラグがセットされていたら、前記スリープモードフラグを有効に設定することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを一時中断し、電源をオフすれば、次の使用時からはスリープモードが再度有効になる。これによって、使用者の意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、現在の設定を変更することなく、次回の起動時まで、スリープモードを中断することが可能となる。
【0014】
[適用例4]上記適用例2に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、スリープモードを無効にするかの確認メッセージに対し、前記入力操作部より、前記スリープモードを無効にする選択操作を検出した場合、前記スリープモードフラグをクリアすることを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを解除するかどうかを使用者に選択させる。これによって、使用者が意図しないうちにスリープモードにより、電源がオフした場合、直後に起動すれば、スリープモードを解除し、再度自動的に電源がオフされるのを防止するか、スリープモードが働かないように画像信号を入力させるか、を使用者に選択させることが可能となる。
【0016】
[適用例5]上記適用例2に記載のプロジェクターにおいて、前記記憶部は前記スリープモードの設定を保持するか否かを設定するスリープモード中断フラグをさらに有し、前記制御部は、スリープモードを無効にするかの確認メッセージに対し、前記入力操作部より、前記スリープモードを中断する選択操作を検出した場合、前記スリープモードフラグをクリアするとともに、前記スリープモード中断フラグをセットし、電源オフ操作を検出した場合に前記スリープモード中断フラグがセットされていたら前記スリープモードフラグを有効に設定することを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを解除するか、一時中断するか、または解除しないか、を使用者に選択させる。これによって、使用者の意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、現在の設定を変更することなく、次回の起動まで、スリープモードを中断することを使用者に選択させることが可能となる。
【0018】
[適用例6]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、前記信号検出部が前記画像信号を所定の第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを記憶する不揮発性の記憶部と、入力操作を受け付ける操作部と、前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープステップと、前記スリープステップの後、第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に警告画面を表示するとともに前記スリープモードフラグをクリアする、スリープキャンセルステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
本適用例によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードが解除される。これによって、使用者が意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、スリープモードが解除されるので、再度、スリープモードにより電源がオフされてしまうのを防止することが可能となる。
【0020】
[適用例7]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、前記信号検出部が前記画像信号を所定の第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを記憶する不揮発性の記憶部と、入力操作を受け付ける操作部と、前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープステップと、前記スリープステップの後、第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に前記スリープモードを無効にするかの確認メッセージを表示させる、スリープ解除確認ステップと、を有することを特徴とする。
【0021】
本適用例によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを解除するかどうかを使用者に選択させる。これによって、使用者が意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、スリープモードを解除し、再度自動的に電源がオフされるのを防止するか、スリープモードが働かないように画像信号を入力させるか、を使用者に選択させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図3】第1実施形態のプロジェクターの警告メッセージ。
【図4】変形例1のプロジェクターの警告メッセージ。
【図5】変形例1のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図6】変形例2のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図7】変形例2のプロジェクターの確認メッセージを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部22、操作部23、画像信号入力部2、画像信号処理部3、OSD処理部4、信号検出部5等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0025】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0026】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0027】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
【0028】
液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0029】
上記実施形態では、光源としてランプを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上記の実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0030】
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。また、制御部20には、時間の計測を行うためのタイマー20aが備えられている。
【0031】
記憶部21は、図示しないフラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では設定データとして、スリープモードフラグ21a、スリープモード中断フラグ21bが記憶部21に保存される。スリープモードフラグ21aは、プロジェクター1に画像信号が入力されない状態が所定時間継続したときに電源をオフするスリープモードが有効か否かを設定する。スリープモード中断フラグ21bは、電源オフ操作を検出したときに、スリープモードフラグ21aを有効に設定するか否かを設定する。
【0032】
操作部23は、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、複数の画像信号入力部2に入力される画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー等がある。ユーザーが操作部23の各種操作キーを操作すると、操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。
なお、操作部23は、遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)(以下「リモコン」ともいう)とリモコン信号受信部(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモートコントローラーは、使用者の操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信部がこれを受信して制御情報として制御部20に伝達する。
【0033】
画像信号入力部2は、上述したように複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0034】
画像信号処理部3は、画像信号入力部2から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0035】
OSD処理部4は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部4は、画像信号処理部3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0036】
信号検出部5は、画像信号入力部2から有効な画像信号が入力されているか否かの検出結果を制御部20に通知する。
【0037】
液晶駆動部14は、OSD処理部4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動し、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0038】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0039】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
図2に示すように、プロジェクター1が投写中に、信号検出部5が信号無検出状態になった場合(ステップS101)、制御部20はスリープモードフラグ21aが有効か否かを調べる(ステップS102)。
スリープモードフラグ21aが有効でなければ(ステップS102:N)、このフローを終了し、元の投写に戻る(ステップS103)。スリープモードフラグ21aが有効に設定されている場合(ステップS102:Y)、タイマー20aによる計時を開始する(ステップS104)。
【0040】
ステップS105において制御部20は、信号検出部5から画像信号を検出しているか否かを調べる。画像信号を検出した場合(ステップS105:Y)、タイマー20aを停止し(ステップS106)、このフローを終了して元の投写に戻る(ステップS107)。
画像信号を検出していない場合(ステップS105:N)、タイマー20aが第1の時間(T1)を経過したか調べる(ステップS108)。
タイマー20aがT1を経過していない場合(ステップS108:N)、ステップS105からの処理を繰り返す。タイマー20aがT1を経過した場合(ステップS108:Y)、ステップS109に移行する。
【0041】
ステップS109において制御部20は光源制御部22により、光源11を消灯し、電源をオフする。次にタイマー20aによる計時を開始する(ステップS110)。
【0042】
ステップS111において制御部20は、操作部23より電源オン操作を検出したか否かを調べる。操作部23が電源オン操作を検出した場合(ステップS111:Y)、光源制御部22により、光源11を点灯させ(ステップS112)、画像投写部10に、図3に示す警告画面を表示するとともに、スリープモードフラグ21aを無効に設定することでスリープモードを無効にする(ステップS113)。この後、本フローを終了し元の投写に戻る(ステップS114)。
【0043】
一方、操作部23より電源オン操作を検出していない場合(ステップS111:N)、タイマー20aが第2の時間(T2)を経過したか否かを調べる(ステップS115)。タイマー20aがT2を経過していない場合(ステップS115:N)、ステップS111からの処理を繰り返す。タイマー20aがT2を経過した場合(ステップS115:Y)、制御部20はプロジェクター1をスタンバイ状態に移行し(ステップS116)、本動作フローを終了する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードが解除される。これによって、使用者が意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、スリープモードが解除されるので、再度、スリープモードにより電源がオフされてしまうのを防止することが可能となる。
【0045】
(変形例1)
上記実施形態では、プロジェクター1はスリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを解除するが、次回起動時までスリープモードを中断するようにしてもよい。
本変形例のプロジェクター1の動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0046】
〔スリープモード直後の電源オン時の動作〕
スリープモードに移行する際のステップS112までの動作は図2と同じである。
本変形例では、図2のステップS113に相当するステップおいて、図4に示す警告画面を表示し、ステップS114に相当するステップおいて、このフローを終了し元の投写に戻る際にスリープモード中断フラグ21bをセットする(図示せず)。
【0047】
〔電源オフ操作時の動作〕
プロジェクター1が投写中に操作部23より電源オフ操作を検出すると(ステップS201)、制御部20はスリープモード中断フラグ21bがセット(ON)されているか否かを調べる(ステップS202)。
スリープモード中断フラグ21bがセットされている場合(ステップS202:Y)、スリープモードフラグ21aを有効に設定し(ステップS203)、スリープモード中断フラグをクリアする(ステップS204)。
一方、スリープモード中断フラグ21bがセットされていない場合(ステップS202:N)、ステップS205に移行する。
【0048】
ステップS205において、制御部20は、光源制御部22により光源11を消灯し、電源をオフする。その後、スタンバイ状態に移行し(ステップS206)、本動作フローを終了する。
【0049】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを一時中断し、電源をオフすれば、次の使用時からはスリープモードが再度有効になる。これによって、使用者の意図しないうちにスリープモードにより電源がオフした場合、直後に起動すれば、現在の設定を変更することなく、次回の起動時まで、スリープモードを中断することが可能となる。
【0050】
(変形例2)
上記実施形態では、プロジェクター1はスリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードが解除するが、スリープモードを解除するか否かの確認画面を表示し、使用者に選択させるようにしてもよい。
本変形例のプロジェクター1の動作を図6のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
〔スリープモード移行時の動作〕
図6に示すように、プロジェクター1が投写中に、信号検出部5が信号無検出状態になった場合(ステップS301)、制御部20はスリープモードフラグ21aが有効か否かを調べる(ステップS302)。
スリープモードフラグ21aが有効でなければ(ステップS302:N)、このフローを終了し元の投写に戻る(ステップS303)。
スリープモードフラグ21aが有効に設定されている場合(ステップS302:Y)、タイマー20aによる計時を開始する(ステップS304)。
【0052】
ステップS305において制御部20は、信号検出部5から画像信号を検出しているか否かを調べる。
画像信号を検出した場合(ステップS305:Y)、タイマー20aを停止し(ステップS306)、本動作フローを終了し元の処理に戻る(ステップS307)。
画像信号を検出していない場合(ステップS305:N)、タイマー20aが第1の時間(T1)を経過したか調べる(ステップS308)。
タイマー20aがT1を経過していない場合(ステップS308:N)、ステップS305からの処理を繰り返す。タイマー20aがT1を経過した場合(ステップS308:Y)、ステップS309に移行する。
【0053】
ステップS309において制御部20は光源制御部22により、光源11を消灯し、電源をオフする。次にタイマー20aによる計時を開始する(ステップS310)。
【0054】
ステップS311において制御部20は、操作部23より電源オン操作を検出したか否かを調べる。操作部23が電源オン操作を検出した場合(ステップS311:Y)、光源制御部22により、光源ランプ11aを点灯することで光源11を点灯させ(ステップS312)、画像投写部10にスリープモードを解除するかどうかの、図7に示す確認画面を表示する(ステップS313)。
【0055】
ステップS314において、制御部20はスリープモードを解除するかどうかの確認画面に対し、スリープモードを中断する選択をしたか否かを調べる。
スリープモードを中断する選択をした場合(ステップS314:Y)、スリープモード中断フラグ21bをセットし(ステップS315)、ステップS316に移行する。
スリープモードを中断する選択をしていない場合(ステップS314:N)、ステップS317に移行する。
【0056】
ステップS317において、スリープモードを解除する選択をしたか否かを調べる。
スリープモードを解除する選択をした場合(ステップS317:Y)、ステップS316においてスリープモードフラグ21aをクリアし、このフローを終了し元の投写に戻る(ステップS318)。
スリープモードを解除する選択をしていない場合(ステップS317:N)は、このフローを終了し元の投写に戻る(ステップS318)。
【0057】
一方、操作部23より電源オン操作を検出していない場合(ステップS311:N)、タイマー20aが第2の時間(T2)を経過したか否かを調べる(ステップS319)。
タイマー20aがT2を経過していない場合(ステップS319:N)、ステップS311からの処理を繰り返す。タイマー20aがT2を経過した場合(ステップS319:Y)、制御部20はプロジェクター1をスタンバイ状態に移行し(ステップS320)、本動作フローを終了する。
【0058】
〔電源オフ操作時の動作〕
電源オフ操作時の動作は図5と同じなので省略する。
【0059】
以上、説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、スリープモードにより電源がオフした場合、直後に電源をオンすることにより、スリープモードを解除するかどうかを使用者に選択させる。これによって、使用者が意図しないうちにスリープモードにより、電源がオフした場合、直後に起動すれば、スリープモードを解除し、再度自動的に電源がオフされるのを防止するか、スリープモードが働かないように画像信号を入力させるか、を使用者に選択させることが可能となる。また、現在の設定を変更することなく、次回の起動まで、スリープモードを中断させることを選択することも可能となる。
【符号の説明】
【0060】
1…プロジェクター、2…画像信号入力部、3…画像信号処理部、4…OSD処理部、5…信号検出部、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…記憶部、22…光源制御部、23…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
不揮発性の記憶部と、
入力操作を受け付ける操作部と、
前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記記憶部は前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを有し、
前記制御部は、前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を前記第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯し、前記光源を消灯してから第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に警告画面を表示するとともに前記スリープモードフラグをクリアすることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
不揮発性の記憶部と、
入力操作を受け付ける操作部と、
前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記記憶部は前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを有し、
前記制御部は、前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を前記第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯し、前記光源を消灯してから第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に前記スリープモードを無効にするかの確認メッセージを表示させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記記憶部は前記スリープモードの設定を保持するか否かを設定するスリープモード中断フラグをさらに有し、
前記制御部は、電源オフ操作を検出した場合に前記スリープモード中断フラグがセットされていたら、前記スリープモードフラグを有効に設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、スリープモードを無効にするかの確認メッセージに対し、前記入力操作部より、前記スリープモードを無効にする選択操作を検出した場合、前記スリープモードフラグをクリアすることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記記憶部は前記スリープモードの設定を保持するか否かを設定するスリープモード中断フラグをさらに有し、
前記制御部は、スリープモードを無効にするかの確認メッセージに対し、前記入力操作部より、前記スリープモードを中断する選択操作を検出した場合、前記スリープモードフラグをクリアするとともに、前記スリープモード中断フラグをセットし、電源オフ操作を検出した場合に前記スリープモード中断フラグがセットされていたら前記スリープモードフラグを有効に設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
前記信号検出部が前記画像信号を所定の第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを記憶する不揮発性の記憶部と、
入力操作を受け付ける操作部と、
前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープステップと、
前記スリープステップの後、第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に警告画面を表示するとともに前記スリープモードフラグをクリアする、スリープキャンセルステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。
【請求項7】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
前記信号検出部が前記画像信号を所定の第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープモードを設定するスリープモードフラグを記憶する不揮発性の記憶部と、
入力操作を受け付ける操作部と、
前記プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記スリープモードフラグがセットされている状態において、前記信号検出部が前記画像信号を第1の時間検出しなかった場合に前記光源を消灯するスリープステップと、
前記スリープステップの後、第2の時間経過前に前記入力操作部より電源オン操作を検出すると、前記光源を再度点灯した後に前記画像投写部に前記スリープモードを無効にするかの確認メッセージを表示させる、スリープ解除確認ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−141486(P2012−141486A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−394(P2011−394)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】