説明

プロジェクター、プログラム、情報記憶媒体およびデータ処理方法

【課題】PCレスプレゼンテーションの使い勝手をより向上させることが可能なプロジェクター等を提供すること。
【解決手段】プロジェクター100が、操作情報生成部110と、マイク音声情報生成部120と、データ生成部140と、インターフェイス部130を含み、データ生成部140が、マイク音声情報に基づき、マイク音声を示す録音データを生成し、操作情報に基づき、前記録音データおよび第1のプレゼンテーションデータ210に含まれる画像データの再生に関する第2の制御データを生成するとともに、前記画像データ、前記録音データおよび前記第2の制御データを含む第2のプレゼンテーションデータ220を生成し、インターフェイス部130が、第1のプレゼンテーションデータ210を読み出すとともに、第2のプレゼンテーションデータ220をUSBメモリー200に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、プログラム、情報記憶媒体およびデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2005−84652号公報では、外付メモリーからプレゼンテーションソフトのデータを読み出し、当該データに基づいて画像を投写することが記載されている。これは、いわゆるPCレスプレゼンテーションの手法である。一般的なPCレスプレゼンテーションの手順は以下のとおりである。
【0003】
まず、ユーザーは、PC(Personal Computer)とプロジェクター用のデータ変換ソフトウェアを用いて、PC用のプレゼンテーションソフトウェアで作成したデータをプロジェクターで再生可能なプレゼンテーション用データに変換する。ユーザーは、変換したデータを、PCからUSBメモリー等のストレージメディアに書き込み、当該ストレージメディアをプロジェクターに接続する。さらに、ユーザーは、プロジェクターのキー操作によって当該ストレージメディアからプレゼンテーション用データをプロジェクターに入力して画像を投写する。
【特許文献1】特開2005−84652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的なプロジェクターでは、このようなプレゼンテーション用データの再生しか考慮されておらず、プレゼンターは、毎回同じキー操作と発言を繰り返す必要がある。また、ユーザーは、プレゼンテーション用データを生成するためにはPCを用いなければならず、一般的なプロジェクターは、PCレスプレゼンテーションの目的への適合が不十分であった。このように、プロジェクターを用いたPCレスプレゼンテーションは使い勝手が不十分なものであった。
【0005】
本発明の目的は、PCレスプレゼンテーションの使い勝手をより向上させることが可能なプロジェクター、プログラム、情報記憶媒体およびデータ処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクターは、第1のプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を生成する操作情報生成部と、プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を生成するマイク音声情報生成部と、前記マイク音声情報に基づき、前記マイク音声を示す録音データを生成し、前記操作情報に基づき、前記録音データおよび前記第1のプレゼンテーションデータに含まれる画像データの再生に関する第2の制御データを生成するとともに、前記画像データ、前記録音データおよび前記第2の制御データを含む第2のプレゼンテーションデータを生成するデータ生成部と、前記第1のプレゼンテーションデータを記憶した携帯型情報記憶媒体に前記第2のプレゼンテーションデータを書き込むインターフェイス部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、前記コンピューターに、携帯型情報記憶媒体に記憶された第1のプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび第1の制御データに基づき、画像を生成して投写するステップと、前記第1のプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力するステップと、前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力するステップと、前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成するステップと、前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成するステップと、前記画像データと、前記録音データと、前記第2の制御データとを含む第2のプレゼンテーションデータを前記携帯型情報記憶媒体に書き込むステップと、を実行させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るデータ処理方法は、プロジェクターにおけるプレゼンテーションに関するデータ処理方法であって、前記プロジェクターは、携帯型情報記憶媒体に記憶された第1のプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび第1の制御データに基づき、画像を生成して投写し、前記第1のプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力し、前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力し、前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成し、前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成し、前記画像データと、前記録音データと、前記第2の制御データとを含む第2のプレゼンテーションデータを前記携帯型情報記憶媒体に書き込むことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、プロジェクターは、第2のプレゼンテーションデータを携帯型情報記憶媒体に書き込むことにより、第2のプレゼンテーションデータを読み出してプレゼンテーションを再現することができる。これにより、プロジェクターは、PCレスプレゼンテーションの使い勝手をより向上させることができる。
【0011】
また、本発明に係るプロジェクターは、第1の制御データを含むプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を生成する操作情報生成部と、プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を生成するマイク音声情報生成部と、前記マイク音声情報に基づき、前記マイク音声を示す録音データを生成するとともに、前記操作情報に基づき、前記画像データおよび前記録音データの再生に関する第2の制御データを生成するデータ生成部と、前記プレゼンテーションデータを記憶した携帯型情報記憶媒体から前記プレゼンテーションデータを読み出し、前記録音データを前記プレゼンテーションデータの一部として前記携帯型情報記憶媒体に書き込むとともに、前記第2の制御データを前記第1の制御データとして前記携帯型情報記憶媒体に書き込むインターフェイス部と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、プロジェクターの有するコンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、前記コンピューターに、携帯型情報記憶媒体に記憶されたプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび当該画像データの再生に関する第1の制御データに基づき、画像を生成して投写するステップと、前記プレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力するステップと、前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力するステップと、前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成するステップと、前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成するステップと、前記録音データを前記プレゼンテーションデータの一部として前記携帯型情報記憶媒体に書き込むステップと、前記第2の制御データを前記第1の制御データとして前記携帯型情報記憶媒体に書き込むステップと、を実行させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記憶したことを特徴とする。。
【0014】
また、本発明に係るデータ処理方法は、プロジェクターにおけるプレゼンテーションに関するデータ処理方法であって、前記プロジェクターは、携帯型情報記憶媒体に記憶されたプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび当該画像データの再生に関する第1の制御データに基づき、画像を生成して投写し、前記プレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力し、前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力し、前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成し、前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成し、前記録音データを前記プレゼンテーションデータの一部として前記携帯型情報記憶媒体に書き込み、前記第2の制御データを前記第1の制御データとして前記携帯型情報記憶媒体に書き込むことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、プロジェクターは、元の制御データを更新し、録音データをプレゼンテーションデータに追加することにより、プレゼンテーションデータを読み出してプレゼンテーションを再現することができる。これにより、プロジェクターは、PCレスプレゼンテーションの使い勝手をより向上させることができる。
【0016】
また、前記プロジェクターは、画像生成部と、音声生成部と、を含み、前記インターフェイス部は、更新された前記携帯型情報記憶媒体から前記画像データ、前記録音データおよび前記第2の制御データを読み出し、前記画像生成部は、前記画像データおよび前記第2の制御データに基づき、前記操作内容に応じた画像を生成し、前記音声生成部は、前記録音データおよび前記第2の制御データに基づき、前記マイク音声を生成してもよい。
【0017】
これによれば、プロジェクターは、プレゼンテーション時の画像と音声を再現することができる。
【0018】
また、前記データ生成部は、前記プレゼンテーションの経過時間に関するデータを、前記操作情報と関連付けて前記第2の制御データの一部として生成してもよい。
【0019】
これによれば、プロジェクターは、経過時間ごとの操作を適切に再現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明をプロジェクターに適用した実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0021】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例におけるプロジェクター100の機能ブロック図である。プロジェクター100は、携帯型情報記憶媒体の一種であるUSBメモリー200に対してデータの読み書きを行う。USBメモリー200には、初期状態で第1のプレゼンテーションデータ210が記憶され、プレゼンテーションが行われた後にプロジェクター100によってプレゼンテーション再現用の第2のプレゼンテーションデータ220が記憶される。
【0022】
プロジェクター100は、ボタンやリモートコントローラー等による操作を示す操作情報を生成する操作情報生成部110と、マイク音声を示すマイク音声情報を生成するマイク音声情報生成部120と、USBメモリー200に対するデータの読み書きを行うインターフェイス部130と、操作情報に基づく第2の制御データ、マイク音声情報に基づく録音データを生成するデータ生成部140を含んで構成されている。
【0023】
また、プロジェクター100は、第2の制御データ、録音データ等を記憶する記憶部150と、第1のプレゼンテーションデータ210等に含まれる画像データに基づく画像を生成する画像生成部160と、当該画像を投写する投写部170と、第1のプレゼンテーションデータ210等に含まれる音声データに基づく音声を生成する音声生成部180と、当該音声を出力する音声出力部190を含んで構成されている。
【0024】
なお、プロジェクター100は、これらの各部の機能を、以下のハードウェアを用いて実装してもよい。例えば、プロジェクター100は、操作情報生成部110は赤外通信ユニット等、マイク音声情報生成部120はマイク入力端子、A/Dコンバーター、アンプ等、インターフェイス部130はUSBインターフェイス等、データ生成部140はCPU等、記憶部150はRAM等、画像生成部160は画像処理回路等、投写部170はランプ、液晶パネル、液晶駆動回路、レンズ等、音声生成部180は音声処理回路、D/Aコンバーター等、音声出力部190はスピーカー等を用いて実装してもよい。
【0025】
また、プロジェクター100は、データ生成部140等の機能を情報記憶媒体300に記憶されたプログラムを読み取って実装してもよい。このような情報記憶媒体300としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用できる。
【0026】
ここで、第1のプレゼンテーションデータ210と第2のプレゼンテーションデータ220についてより詳細に説明する。図2は、第1の実施例における第1のプレゼンテーションデータ210の一例を示す図である。また、図3は、第1の実施例における第2のプレゼンテーションデータ220の一例を示す図である。
【0027】
第1のプレゼンテーションデータ210は、画像ファイルA、画像ファイルB等を含む画像データ212、音声ファイルA等を含む音声データ213、画像ファイルの表示開始、表示位置、エフェクト、音声ファイルの出力開始、キー入力待ち、待ち時間(例えば、2秒間待ち等)等を示す第1の制御データ211を含む。
【0028】
また、第2のプレゼンテーションデータ220は、画像データ212、音声データ213、プレゼンテーション中の会話等を示す音声ファイルBを含む録音データ222、第1の制御データ211と同様の第2の制御データ221を含む。
【0029】
第1の制御データ211と第2の制御データ221を比較すればわかるように、第2の制御データ221では録音データ222の出力開始を示すデータが追加され、「キー入力待ち」に代えて「30秒間待ち」が適用されている。このようなデータ構成を採用することにより、プロジェクター100は、第2のプレゼンテーションデータ220を用いて前回のプレゼンテーション中のプレゼンターの発言等を再現し、プレゼンターのキー操作を待たずに次の画像ファイルを自動的に表示することができる。
【0030】
ここで、第2のプレゼンテーションデータ220の書き込み時の処理の流れについて説明する。図4は、第1の実施例における第2のプレゼンテーションデータ220の書き込み時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
プレゼンターは、初回のプレゼンテーション時には、第1のプレゼンテーションデータ210を用いて画像の表示等を行うとともに、キー操作等を行ってプレゼンテーションを行う。また、プレゼンターは、プレゼンテーションの再現を行うため、キー操作や音声等を第2のプレゼンテーションデータ220としてUSBメモリー200に記録する。
【0032】
初回のプレゼンテーション開始時にUSBメモリー200がプロジェクター100に差し込まれた場合、インターフェイス部130は、第1のプレゼンテーションデータ210をUSBメモリー200から読み出して記憶部150に記憶する(ステップS1)。なお、データ生成部140は、プレゼンテーションの開始時(例えば、最初の画像の生成時等)にCPUのタイマーをリセットして経過時間を把握する。
【0033】
画像生成部160は、第1のプレゼンテーションデータ210に含まれる第1の制御データ211および画像データ212に基づき、画像を生成し、投写部170は当該画像を投写する(ステップS2)。例えば、図2に示す第1の制御データ211の例では、画像生成部160は、まず、画像ファイルAに基づく画像を生成する。
【0034】
音声生成部180は、第1のプレゼンテーションデータ210に含まれる第1の制御データ211および音声データ213に基づき、音声を生成し、音声出力部190は当該音声を出力する(ステップS3)。例えば、図2に示す第1の制御データ211の例では、音声生成部180は、まず、音声ファイルAに基づく音声を生成する。
【0035】
データ生成部140は、初回のデータ生成時かどうかを判定し(ステップS4)、初回のデータ生成時の場合、マイク音声情報生成部120からのマイク音声情報に基づく録音データ222の生成を開始するとともに(ステップS5)、録音データ222に関する第2の制御データ221を生成する(ステップS6)。データ生成部140は、これらのデータを記憶部150に記憶していく。
【0036】
データ生成部140は、操作情報生成部110からの操作情報に基づき、ページ送り操作等の操作があったかどうかを判定する(ステップS7)。操作があった場合、データ生成部140は、操作情報に基づき、第2の制御データ221を生成し(ステップS8)、記憶部150に記憶する。例えば、データ生成部140は、CPUのタイマーを用いて画像ファイルAに基づく画像が生成されてから画像ファイルBの表示指示があるまでの時間を把握し、当該時間が30秒であった場合、第2の制御データ221に「30秒間待ち」といった待ち時間を示す制御情報と、「画像ファイルBの表示開始」といった表示対象の画像を示す制御情報を追加する。
【0037】
プロジェクター100は、操作情報に基づき、プレゼンテーションの終了指示があったかどうかを判定する(ステップS9)。終了指示があった場合、データ生成部140は、記憶部150に第2のプレゼンテーションデータ220を生成し、インターフェイス部130は、第2のプレゼンテーションデータ220をUSBメモリー200に書き込む(ステップS10)。
【0038】
なお、終了指示がなかった場合、プロジェクター100は、ステップS2〜S9の処理を続行する。
【0039】
次に、第2のプレゼンテーションデータ220の読み出し時の処理の流れについて説明する。図5は、第1の実施例における第2のプレゼンテーションデータ220の読み出し時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
例えば、プレゼンターは、第2のプレゼンテーションデータ220が記憶されたUSBメモリー200をプレゼンテーション会場に持って行き、プレゼンテーション会場に設置されたプロジェクター100にUSBメモリー200を差し込んでプレゼンテーションを行う。
【0041】
インターフェイス部130は、USBメモリー200が差し込まれた場合に第2のプレゼンテーションデータ220がUSBメモリー200に記憶されていると、第2のプレゼンテーションデータ220を読み出して記憶部150に記憶する(ステップS11)。
【0042】
画像生成部160は、第2のプレゼンテーションデータ220に含まれる第2の制御データ221および画像データ212に基づき、画像を生成し、投写部170は当該画像を投写する(ステップS12)。
【0043】
音声生成部180は、第2のプレゼンテーションデータ220に含まれる第2の制御データ221、音声データ213および録音データ222に基づき、音声を生成し、音声出力部190は当該音声を出力する。例えば、図2に示す第1の制御データ211の例では、音声生成部180は、音声ファイルA(音声データ213)に基づく音声を生成するとともに、音声ファイルB(録音データ222)に基づく音声を生成する。
【0044】
プロジェクター100は、第2の制御データ221に含まれる終了指示を示すデータが画像生成部160等によって読み取られたかどうかによってステップS12、S13の処理を終了すべきかどうかを判定する(ステップS14)。
【0045】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター100は、第2のプレゼンテーションデータ220をUSBメモリー200に書き込むことにより、第2のプレゼンテーションデータ220を読み出してプレゼンテーションを再現することができる。
【0046】
これにより、プレゼンターは、2回目以降は発言したり、ページ送り操作等を行ったりする必要がないため、同じ内容で繰り返しプレゼンテーションを行う場合の手間を軽減することができる上、プロジェクター100を音声レコーダーとして使用することもできる。したがって、プロジェクター100は、PCレスプレゼンテーションの使い勝手をより向上させることができる。
【0047】
また、第2のプレゼンテーションデータ220は、プレゼンテーション時の操作内容や発言内容を反映したものであるため、プロジェクター100は、プレゼンテーション時の画像と音声を再現することができる。
【0048】
また、音声データ213も録音データ222もプレゼンテーションの開始直後に出力される音声であり、画像に付加されたナレーション音声とプレゼンターの音声が適切に同期するため、プレゼンターは、2回目以降は発言することなく快適にプレゼンテーションを行うことができる。
【0049】
また、本実施例によれば、データ生成部140が、プレゼンテーションの経過時間に関するデータを、操作情報と関連付けて第2の制御データ221の一部として生成することにより、プロジェクター100は、経過時間ごとの操作を適切に再現することができる。
【0050】
(第2の実施例)
第1の実施例では、プロジェクター100は、第1のプレゼンテーションデータ210とは別に第2のプレゼンテーションデータ220を生成したが、元のプレゼンテーションデータをプレゼンテーションごとに更新してもよい。
【0051】
図6は、第2の実施例におけるプロジェクター101の機能ブロック図である。プロジェクター101は、プロジェクター100と同様の構成であるが、データ生成部141が更新用の第2の制御データを生成し、記憶部151が当該第2の制御データを記憶し、インターフェイス部131が、プレゼンテーションデータ230内の第1の制御データを第2の制御データで書き換え、プレゼンテーションデータ230内の音声データに録音データを追加する点でプロジェクター100と相違している。なお、プロジェクター101は、情報記憶媒体301に記憶されたプログラムを読み取ってこれらの機能を実装してもよい。
【0052】
図7は、第2の実施例におけるプレゼンテーションデータ230の一例を示す図である。USBメモリー201は、プレゼンテーションデータ230を記憶している。プレゼンテーションデータ230は、第1の制御データ231、画像データ232、音声データ233を記憶している。なお、図7に示すプレゼンテーションデータ230は、プレゼンテーション実行後の状態を示す。
【0053】
次に、第2の実施例における処理の流れについて説明する。図8は、第2の実施例における処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
USBメモリー201がプロジェクター101に差し込まれた場合、インターフェイス部131は、プレゼンテーションデータ230をUSBメモリー201から読み出して記憶部151に記憶する(ステップS21)。
【0055】
画像生成部160は、プレゼンテーションデータ230に含まれる第1の制御データ231および画像データ232に基づき、画像を生成し、投写部170は当該画像を投写する(ステップS22)。
【0056】
音声生成部180は、プレゼンテーションデータ230に含まれる第1の制御データ231および音声データ233に基づき、音声を生成し、音声出力部190は当該音声を出力する(ステップS23)。
【0057】
データ生成部141は、初回のデータ生成時かどうかを判定し(ステップS24)、初回のデータ生成時の場合、マイク音声情報生成部120からのマイク音声情報に基づく録音データの生成を開始するとともに(ステップS25)、録音データに関する第2の制御データを生成する(ステップS26)。データ生成部141は、これらのデータを記憶部151に記憶していく。
【0058】
データ生成部141は、操作情報生成部110からの操作情報に基づき、ページ送り操作等の操作があったかどうかを判定する(ステップS27)。操作があった場合、データ生成部141は、操作情報に基づき、第2の制御データを生成し(ステップS28)、記憶部151に記憶する。例えば、データ生成部141は、CPUのタイマーを用いて画像ファイルAに基づく画像が生成されてから画像ファイルBの表示指示があるまでの時間を把握し、当該時間が30秒であった場合、第2の制御データに「30秒間待ち」といった待ち時間を示す制御情報と、「画像ファイルBの表示開始」といった表示対象の画像を示す制御情報を追加する。
【0059】
プロジェクター101は、操作情報に基づき、プレゼンテーションの終了指示があったかどうかを判定する(ステップS29)。終了指示があった場合、インターフェイス部131は、記憶部151内の録音データをUSBメモリー201内の音声データ233に追加し(ステップS30)、記憶部151内の第2の制御データを、USBメモリー201内の第1の制御データ231としてUSBメモリー201に書き込む(ステップS31)。
【0060】
なお、終了指示がなかった場合、プロジェクター101は、ステップS22〜S29の処理を続行する。
【0061】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター101は、第1の実施例と同様の作用効果を奏する。また、本実施例によれば、プロジェクター101は、元の第1の制御データ231を更新し、録音データをプレゼンテーションデータ230に追加することにより、プレゼンテーションデータ230を読み出してプレゼンテーションを再現することができる。これにより、プロジェクター101は、PCレスプレゼンテーションの使い勝手をより向上させることができる。
【0062】
また、本実施例によれば、プロジェクター101は、1つのプレゼンテーションデータ230のみを用いるため、第1の実施例と比べてUSBメモリー201および記憶部151における必要な記憶容量が少なくて済む。
【0063】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、プロジェクター100、101は、プレゼンテーションの開始時にプレゼンテーションの記録を行うかどうかを選択させる選択画像を投写し、記録を行う選択が行われた場合のみ制御データや録音データの生成を行ってもよい。
【0064】
また、操作情報生成部110は赤外通信ユニット等には限定されず、操作ボタン等であってもよい。また、マイク音声情報生成部120はマイク入力端子には限定されず、マイクであってもよい。すなわち、プロジェクター100、101は、外付けのマイクからの音声を用いてもよいし、内蔵のマイクからの音声を用いてもよい。
【0065】
また、プロジェクター100、101は、液晶プロジェクター(透過型、LCOS等の反射型)には限定されず、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたプロジェクター等であってもよい。なお、DMDは米国テキサス・インスツルメンツ社の商標である。また、プロジェクター100、101の機能を複数の装置に分散して実装してもよい。
【0066】
また、携帯型情報記憶媒体は、USBメモリー200、201には限定されず、例えば、カード型メモリー、スティック型メモリー、書き換え可能ディスク、携帯型HDD等の持ち運び可能な種々の情報記憶媒体を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図2】第1の実施例における第1のプレゼンテーションデータの一例を示す図である。
【図3】第1の実施例における第2のプレゼンテーションデータの一例を示す図である。
【図4】第1の実施例における第2のプレゼンテーションデータの書き込み時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施例における第2のプレゼンテーションデータの読み出し時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第2の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図7】第2の実施例におけるプレゼンテーションデータの一例を示す図である。
【図8】第2の実施例における処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
100、101 プロジェクター、110 操作情報生成部、120 マイク音声情報生成部、130、131 インターフェイス部、140、141 データ生成部、150、151 記憶部、160 画像生成部、170 投写部、180 音声生成部、190 音声出力部、200、201 USBメモリー、210 第1のプレゼンテーションデータ、211 第1の制御データ、212、232 画像データ、213、233 音声データ、220 第2のプレゼンテーションデータ、221 第2の制御データ、222 録音データ、230 プレゼンテーションデータ、231 第1の制御データ、300、301 情報記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を生成する操作情報生成部と、
プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を生成するマイク音声情報生成部と、
前記マイク音声情報に基づき、前記マイク音声を示す録音データを生成し、前記操作情報に基づき、前記録音データおよび前記第1のプレゼンテーションデータに含まれる画像データの再生に関する第2の制御データを生成するとともに、前記画像データ、前記録音データおよび前記第2の制御データを含む第2のプレゼンテーションデータを生成するデータ生成部と、
前記第1のプレゼンテーションデータを記憶した携帯型情報記憶媒体に前記第2のプレゼンテーションデータを書き込むインターフェイス部と、を有するプロジェクター。
【請求項2】
第1の制御データを含むプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を生成する操作情報生成部と、
プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を生成するマイク音声情報生成部と、
前記マイク音声情報に基づき、前記マイク音声を示す録音データを生成するとともに、前記操作情報に基づき、前記画像データおよび前記録音データの再生に関する第2の制御データを生成するデータ生成部と、
前記プレゼンテーションデータを記憶した携帯型情報記憶媒体から前記プレゼンテーションデータを読み出し、前記録音データを前記プレゼンテーションデータの一部として前記携帯型情報記憶媒体に書き込むとともに、前記第2の制御データを前記第1の制御データとして前記携帯型情報記憶媒体に書き込むインターフェイス部と、を有するプロジェクター。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、
画像生成部と、
音声生成部と、を有し、
前記インターフェイス部は、前記携帯型情報記憶媒体から更新された前記画像データ、前記録音データおよび前記第2の制御データを読み出し、
前記画像生成部は、前記画像データおよび前記第2の制御データに基づき、前記操作内容に応じた画像を生成し、
前記音声生成部は、前記録音データおよび前記第2の制御データに基づき、前記マイク音声を生成する、
プロジェクター。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、
前記データ生成部は、前記プレゼンテーションの経過時間に関するデータを、前記操作情報と関連付けて前記第2の制御データの一部として生成する、
プロジェクター。
【請求項5】
プロジェクターの有するコンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピューターに、
携帯型情報記憶媒体に記憶された第1のプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび第1の制御データに基づき、画像を生成して投写するステップと、
前記第1のプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力するステップと、
前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力するステップと、
前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成するステップと、
前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成するステップと、
前記画像データと、前記録音データと、前記第2の制御データとを含む第2のプレゼンテーションデータを前記携帯型情報記憶媒体に書き込むステップと、を実行させるプログラム。
【請求項6】
プロジェクターの有するコンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピューターに、
携帯型情報記憶媒体に記憶されたプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび当該画像データの再生に関する第1の制御データに基づき、画像を生成して投写するステップと、
前記プレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力するステップと、
前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力するステップと、
前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成するステップと、
前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成するステップと、
前記録音データを前記プレゼンテーションデータの一部として前記携帯型情報記憶媒体に書き込むステップと、
前記第2の制御データを前記第1の制御データとして前記携帯型情報記憶媒体に書き込むステップと、を実行させるプログラム。
【請求項7】
請求項5、6のいずれかに記載のプログラムを記憶した、
情報記憶媒体。
【請求項8】
プロジェクターにおけるプレゼンテーションに関するデータ処理方法であって、
前記プロジェクターは、
携帯型情報記憶媒体に記憶された第1のプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび第1の制御データに基づき、画像を生成して投写し、
前記第1のプレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力し、
前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力し、
前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成し、
前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成し、
前記画像データと、前記録音データと、前記第2の制御データとを含む第2のプレゼンテーションデータを前記携帯型情報記憶媒体に書き込む、
データ処理方法。
【請求項9】
プロジェクターにおけるプレゼンテーションに関するデータ処理方法であって、
前記プロジェクターは、
携帯型情報記憶媒体に記憶されたプレゼンテーションデータに含まれる画像データおよび当該画像データの再生に関する第1の制御データに基づき、画像を生成して投写し、
前記プレゼンテーションデータに対する操作内容を示す操作情報を入力し、
前記プレゼンテーションにおけるマイク音声を示すマイク音声情報を入力し、
前記マイク音声情報に基づき、録音データを生成し、
前記操作情報と、前記マイク音声情報とに基づき、前記操作内容に応じた画像および前記マイク音声の再生制御用の第2の制御データを生成し、
前記録音データを前記プレゼンテーションデータの一部として前記携帯型情報記憶媒体に書き込み、
前記第2の制御データを前記第1の制御データとして前記携帯型情報記憶媒体に書き込む、
データ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−97535(P2010−97535A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269544(P2008−269544)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】