説明

プロジェクター、プロジェクターシステム、及び画像投写方法

【課題】画像の形状補正を行うと共に小型化及び低コスト化を図るプロジェクター、プロジェクターシステム、及び画像投写方法等を提供する。
【解決手段】プロジェクター100は、傾き検出機能を有する携帯機器200がプロジェクター本体と所定の設置角度で接続が可能に構成される。プロジェクター100は、携帯機器200によって検出された該携帯機器200の第1の傾き角度θ1と設置角度とを用いて画像の形状補正を行う画像補正部120と、画像補正部120によって形状補正された画像を投写する投写部140とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、プロジェクターシステム、及び画像投写方法等に関し、特に、画像の形状補正を行うプロジェクター、プロジェクターシステム、及び画像投写方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、表示装置としてのプロジェクターは、オフィスでの会議や家庭内での映画等の視聴といった様々な場面で利用されている。このようなプロジェクターは、高い設置性を備えており、プロジェクターの設置状態によっては投写光の光軸(投写光軸)とスクリーン面(投写面)とのなす角に応じて投写画像に台形歪みが発生する。そのため、プロジェクターでは、画像処理技術によって台形歪みを補正するキーストーン補正を行い、キーストーン補正後の画像を投写面に投写することができるようになっている。
【0003】
このようなキーストーン補正を行うプロジェクターについては、種々提案されている。例えば特許文献1には、プロジェクターに撮像部を内蔵させ、この撮像部によりスクリーン面を撮像した撮影画像から輝度ピークを検出し、スクリーン面の傾きを検出するようにした技術が開示されている。また、例えば特許文献2には、プロジェクターに内蔵させた撮像部によりスクリーン面を撮像し、撮影画像に基づいて、スクリーン枠を構成する3辺以下しか検出することができなくても未検出辺を補完してキーストーン補正を行う技術が開示されている。
【0004】
一方、近年では、携帯電話機等の携帯機器の高機能化が進み、上記のプロジェクターが有する撮像部と同等の機能を有する撮像部を内蔵するものがある。その上、この種の携帯機器は、撮像部に加え、上記のプロジェクターと同様の画像の投写機能を備えるものまで提案されている。例えば特許文献3には、プロジェクターと同等の機能を有する携帯電話機において、本体内にジャイロセンサーを内蔵するものが提案されている。この携帯電話機では、ジャイロセンサーによって振動を検出することで、投写画像に本体の振動によるぶれを生じさせないように逆位相の補正をかけている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−295292号公報
【特許文献2】特開2006−60447号公報
【特許文献3】特開2010−102064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示された技術では、プロジェクター等が、撮像部やジャイロセンサーを備えることが求められる。そのため、プロジェクターの大型化や撮影画像の解析回路が必要となり、プロジェクターのコスト高を招き、プロジェクターの低コスト化を阻害するという問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、画像の形状補正を行うと共に小型化及び低コスト化を図るプロジェクター、プロジェクターシステム、及び画像投写方法等を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の第1の態様は、傾き検出機能を有する外部機器がプロジェクター本体と所定の設置角度で接続が可能に構成されるプロジェクターが、前記外部機器によって検出された該外部機器の第1の傾き角度と前記設置角度とを用いて画像の形状補正を行う画像補正部と、前記画像補正部によって形状補正された画像を投写する投写部とを含む。
【0009】
本態様においては、プロジェクターを、傾き検出機能を有する外部機器を所定の設置角度で接続が可能に構成し、外部機器によって検出された外部機器の傾き角度と設置角度とを用いて画像の形状補正を行う。こうすることで、傾き検出機能を設けることなく、画像の形状補正を行うことが可能なプロジェクターの小型化及び低コスト化を図ることができるようになる。また、プロジェクターに画像解析回路を設ける必要がなくなり、プロジェクターのより一層の低コスト化を図ることができるようになる。更に、プロジェクターが有する傾き検出機能等の各種能力に制限されることなく、外部機器の傾き検出機能等の各種能力で画像の形状補正の精度を向上させることができるようになる。
【0010】
(2)本発明の第2の態様に係るプロジェクターでは、第1の態様において、前記画像補正部は、前記第1の傾き角度から前記設置角度を補正した前記プロジェクターの傾き角度を用いて前記画像の形状補正を行う。
【0011】
本態様においては、外部機器が有する傾き検出機能を用いて検出された第1の傾き角度を用いてプロジェクターの傾き角度を容易に算出し、プロジェクターの傾き角度に応じて画像の形状補正を行うことができる。これにより、プロジェクター側に傾き検出機能を設けることなく、傾き角度に応じた画像の形状補正が可能なプロジェクターを提供することができるようになる。
【0012】
(3)本発明の第3の態様に係るプロジェクターでは、第2の態様において、前記プロジェクターの傾き角度を記憶する傾き角度記憶部を含む。
【0013】
本態様によれば、プロジェクターと外部機器とを接続し続けることなく、外部機器の傾き検出機能を用いて検出された第1の傾き角度等を用いて画像の形状補正が可能なプロジェクターを提供することができるようになる。
【0014】
(4)本発明の第4の態様に係るプロジェクターでは、第1の態様乃至第3の態様のいずれかにおいて、前記画像補正部は、前記第1の傾き角度が変化する度に、変化後の前記第1の傾き角度を用いて算出された補正パラメーターに基づいて前記画像の形状補正を行う。
【0015】
本態様においては、第1の傾き角度が変化する度に、画像の形状補正を行うための補正パラメーターを算出して、該補正パラメーターに基づいて形状補正処理を行うように行うようにしている。これにより、無駄な算出処理を行うことなく、且つ、確実に投写状態を反映させた画像の形状補正処理を実現することができるようになる。
【0016】
(5)本発明の第5の態様は、プロジェクターシステムが、上記のいずれか記載のプロジェクターと、前記プロジェクター本体と前記設置角度で接続される前記外部機器とを含む。
【0017】
本態様によれば、画像の形状補正を行い、小型化及び低コスト化を図るプロジェクターシステムを提供することができるようになる。
【0018】
(6)本発明の第6の態様は、傾き検出機能を有する外部機器がプロジェクター本体と所定の設置角度で接続が可能に構成されるプロジェクターの画像投写方法が、前記プロジェクター本体に接続された状態の前記外部機器の第1の傾き角度を検出する傾き角度検出ステップと、前記傾き角度検出ステップにおいて検出された前記第1の傾き角度及び前記設置角度を用いて画像の形状補正を行う画像補正ステップと、前記画像補正ステップにおいて形状補正された画像を投写する投写ステップとを含む。
【0019】
本態様においては、プロジェクターを、傾き検出機能を有する外部機器を所定の設置角度で接続が可能に構成し、外部機器によって検出された外部機器の傾き角度と設置角度とを用いて画像の形状補正を行う。こうすることで、傾き検出機能を設けることなく、小型化及び低コスト化を図るプロジェクターによる画像の投写方法を提供することができるようになる。また、プロジェクターが有する傾き検出機能等の各種能力に制限されることなく、外部機器の傾き検出機能等の各種能力で画像の形状補正の精度を向上させることができるようになる。
【0020】
(7)本発明の第7の態様に係る画像投写方法では、第6の態様において、前記画像補正ステップでは、前記第1の傾き角度から前記設置角度を補正した前記プロジェクターの傾き角度に基づいて、前記画像の形状補正を行う。
【0021】
本態様においては、外部機器が有する傾き検出機能を用いて検出された第1の傾き角度を用いてプロジェクターの傾き角度を容易に算出し、プロジェクターの傾き角度に応じて画像の形状補正を行うことができる。これにより、プロジェクター側に傾き検出機能を設けることなく、傾き角度に応じた画像の形状補正が可能なプロジェクターを提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロジェクターシステムの構成の概要を示す図。
【図2】本実施形態におけるプロジェクターシステムを構成するプロジェクター及び携帯機器の構成例の機能ブロック図。
【図3】本実施形態における携帯機器の処理例のフロー図。
【図4】本実施形態におけるプロジェクターの処理例のフロー図。
【図5】プロジェクターの傾き角度の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するために必須の構成要件であるとは限らない。
【0024】
図1に、本発明の一実施形態に係るプロジェクターシステムの構成の概要を示す。図1は、プロジェクターシステムを構成するプロジェクターを横方向から見た図を表している。
【0025】
プロジェクターシステム(広義には、表示システム)10は、プロジェクター(広義には、表示装置)100と、携帯機器(広義には、外部機器)200とを備えている。プロジェクター100は、傾き検出機能を有する携帯機器200がプロジェクター本体と所定の設置角度で接続が可能に構成される。具体的には、プロジェクター100は、プロジェクター本体と所定の設置角度で携帯機器200の設置が可能に構成されており、携帯機器200が設置された状態でプロジェクター100の接続端子と携帯機器200の接続端子とが接続される。プロジェクター100の接続端子と携帯機器200の接続端子とが接続されると、所定のプロトコルに従って、携帯機器200で取得された各種情報をプロジェクター100に取り込んだり、プロジェクター100から携帯機器200を制御したりすることができる。
【0026】
携帯機器200は、傾き検出センサーを備え、この傾き検出センサーを用いることで実現される傾き検出機能を有し、携帯機器200の傾き角度を検出することができる。このような携帯機器200の機能は、携帯電話機や携帯情報端末、携帯型音楽プレーヤー等により実現される。
【0027】
プロジェクター100は、所定の設置角度で本体に設置された携帯機器200によって検出された携帯機器200の傾き角度を用いて画像のキーストーン補正(広義には、形状補正)を行い、キーストーン補正後の画像をスクリーンSCRに投写する。具体的には、携帯機器200は、自身の傾き角度を検出し、該傾き角度又は該傾き角度に対応した情報をプロジェクター100に対して出力する。プロジェクター100は、携帯機器200から取得した携帯機器200の傾き角度(傾き情報)から、本体(筐体)の設計上決まっている設置角度を補正することで、プロジェクター100の傾き角度を算出する。そして、プロジェクター100は、算出したプロジェクター100の傾き角度に対応した画像のキーストーン補正を行い、キーストーン補正後の画像をスクリーンSCRに投写する。
【0028】
これにより、プロジェクター100は、傾き検出センサーやカメラ等を省略した構成を採用することができ、プロジェクター100の小型化及び低コスト化を図ることができるようになる。しかも、プロジェクター100に内蔵した傾き検出センサーやカメラの各種能力に制限されることなく、携帯機器200の傾き検出センサーの能力で画像のキーストーン補正の精度を向上させることができるようになる。
【0029】
図2に、本実施形態におけるプロジェクターシステム10を構成するプロジェクター100及び携帯機器200の構成例の機能ブロック図を示す。図2において、図1と同様の部分には同一符号を付している。
【0030】
携帯機器200は、傾き検出センサー210と、傾き検出処理部220と、情報処理部250と、通信部260とを備えている。
【0031】
傾き検出センサー210は、携帯機器200の傾き角度を検出する。傾き検出処理部220は、傾き検出センサー210によって検出された傾き角度を、水平面を基準とした第1の傾き角度θ1に変換する処理を行う。傾き検出処理部220において変換された第1の傾き角度θ1は、通信部260に出力される。
【0032】
情報処理部250は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:以下、CPU)とメモリーとを有し、メモリーに格納されたプログラムをCPUが読み出し、該プログラムに対応した処理を実行することで、携帯機器200における所定の情報処理を実行する。情報処理部250が行う情報処理としては、音声信号処理、画像生成処理、携帯機器200を構成する各部の処理の制御等がある。
【0033】
通信部260は、プロジェクター100と携帯機器200とが接続されたとき、プロジェクター100との間で送受信される信号の送信インターフェース処理及び受信インターフェース処理を行う。通信部260は、傾き検出処理部220において変換された第1の傾き角度θ1をプロジェクター100に対して出力することができる。
【0034】
プロジェクター100は、通信部110と、画像補正部120と、傾き角度記憶部130と、投写部140とを備えている。投写部140は、液晶パネル駆動部142と、光源144と、液晶パネル146と、投写レンズ148とを備えている。
【0035】
通信部110は、プロジェクター100と携帯機器200とが接続されたとき、携帯機器200との間で送受信される信号の送信インターフェース及び受信インターフェース処理を行う。画像補正部120は、携帯機器200からの第1の傾き角度θ1を用いて、図示しない画像データ供給装置(例えば、パーソナルコンピューター等)から供給された画像データに対応した画像のキーストーン補正を行う。このとき、画像補正部120は、第1の傾き角度θ1に基づいてプロジェクター100の傾き角度θPを算出し、傾き角度θPに基づいて画像のキーストーン補正を行う。このような画像補正部120は、例えばCPUとメモリーとを有し、メモリーに格納されたプログラムをCPUが読み出し、該プログラムに対応した処理を実行することで、キーストーン補正をソフトウェア処理により実現することができる。
【0036】
傾き角度記憶部130は、画像補正部120において算出されたプロジェクター100の傾き角度θP、及び第1の傾き角度θ1の少なくとも1つを記憶する。例えば、一旦、第1の傾き角度θ1を保存しておけば、プロジェクター100と携帯機器200とを接続しておく必要がなくなる。同様に、プロジェクター100の傾き角度θPを保存しておけば、プロジェクター100と携帯機器200とを接続しておく必要がなくなる。
【0037】
投写部140は、画像補正部120においてキーストーン補正処理された画像データに基づいてスクリーンSCRに該画像データに対応した画像を投写する。具体的には、液晶パネル駆動部142が、画像補正部120においてキーストーン補正された画像データに基づいて液晶パネル146を駆動する。液晶パネル146には光源144からの光が照射されており、液晶パネル146は光源144からの光を変調する。投写レンズ148は、液晶パネル146によって変調された光を用いてスクリーンSCRに拡大投写する。
【0038】
以下、本実施形態におけるプロジェクターシステム10を構成する各部の動作例について説明する。
【0039】
〔携帯機器の動作例〕
図3に、携帯機器200の処理例のフロー図を示す。図3に示す処理は、例えば、携帯機器200においてプロジェクター100との接続を検出したとき、又はプロジェクター100から所与の傾き検出命令を受信したときに開始される。
【0040】
まず、傾き検出センサー210が、携帯機器200の所与の基準面を基準として傾き角度を検出する。そして、傾き検出処理部220が、傾き検出センサー210によって検出された傾き角度を、水平面を基準とした第1の傾き角度θ1に変換して携帯機器200の傾き角度を取得する(ステップS10、傾き角度検出ステップ)。
【0041】
次に、通信部260は、第1の傾き角度θ1をプロジェクター100に対して出力し(ステップS12)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0042】
〔プロジェクターの動作例〕
図4に、プロジェクター100の処理例のフロー図を示す。図4に示す処理は、例えば、プロジェクター100に携帯機器200が接続されたことを検出したときに開始される。
【0043】
まず、通信部110は、キーストーン補正の補正パラメーターとして、携帯機器200において検出された第1の傾き角度θ1が入力されたか否かを判定し(ステップS20)、傾き角度が入力されるまで待つ(ステップS20:N)。第1の傾き角度θ1が入力されたとき(ステップS20:Y)、画像補正部120は、ステップS20で入力された第1の傾き角度θ1を用いて、プロジェクター100の傾き角度θPを算出する(ステップS22)。この傾き角度θPは、傾き角度記憶部130に保存される。
【0044】
次に、画像補正部120は、補正パラメーターとしてプロジェクター100の傾き角度θPに基づいて、キーストーン補正を行う(ステップS24、画像補正ステップ)。そして、投写部140は、画像補正部120によってキーストーン補正が行われた画像をスクリーンSCRに投写し(ステップS26、投写ステップ)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0045】
なお、第1の傾き角度θ1が変化する度に、画像補正部120は、変化後の第1の傾き角度θ1を用いて算出されたプロジェクター100の傾き角度θP等(広義には、補正パラメーター)を用いて画像の形状補正を行うことが望ましい。
【0046】
図5に、プロジェクター100の傾き角度θPの説明図を示す。図5は、図1と同様にプロジェクター100を横方向から見た図を表している。なお、図5において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0047】
図5に示すように、プロジェクター100の傾き角度θPは、水平面とプロジェクター100の投写光軸とのなす角である。プロジェクター100に対する携帯機器200の設置角度θ0は、プロジェクター100と携帯機器200とのなす角である。従って、第1の傾き角度θ1及び設置角度θ0を用いると、ステップS22では、次式のように傾き角度θPが算出される。
θP=θ1−θ0
【0048】
図5に示すように算出されたプロジェクター100の傾き角度θPは、傾き角度記憶部130に保存される。なお、傾き角度記憶部130には、第1の傾き角度θ1も同様に保存することが望ましい。これにより、一旦、第1の傾き角度θ1等を取得すれば、プロジェクター100と携帯機器200とを接続しておく必要がなくなる。
【0049】
このように、本実施形態では、携帯機器200が、携帯機器200の第1の傾き角度θ1を検出し、プロジェクター100が、携帯機器200から通知された第1の傾き角度θ1を用いて画像の形状補正を行う。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、プロジェクター100は、傾き検出センサー210等の特別なセンサーや画像解析回路等の特別な回路を設けなくても、キーストーン補正が可能なプロジェクターを提供することができるようになる。この結果、プロジェクターの小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0051】
以上、本発明に係るプロジェクター、プロジェクターシステム、及び画像投写方法等を上記のいずれかの実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記のいずれかの実施形態に限定されるものではない。例えば、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、次のような変形も可能である。
【0052】
(1)上記の実施形態では、プロジェクターに携帯機器が所定の設置角度で接続されて一体で構成される例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。プロジェクターと携帯機器とのなす角が既知であれば、プロジェクターと携帯機器とを接続して一体で構成されるものではなく、プロジェクターと携帯機器とをケーブルで接続するものにも適用することができる。
【0053】
(2)上記の実施形態では、携帯機器とプロジェクターとの接続が検出されたとき、又はプロジェクターから傾き検出命令を受けたとき、第1の傾き角度θ1等を検出する処理を開始するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プロジェクターが、携帯機器の内部にインストールされているアプリケーションを、直接的に指定して起動するようにしてもよい。
【0054】
(3)上記の実施形態では、プロジェクターがキーストーン補正を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、携帯機器が有する撮像部により投写面を撮像した撮影画像を用いて、プロジェクターが、所与の色補正等を行うようにしてもよい。
【0055】
(4)上記の実施形態では、プロジェクターとして液晶プロジェクターを例に説明したが、透過型の液晶パネルや反射型の液晶パネルを用いたプロジェクター等の表示装置を採用することができる。また、本発明に係るプロジェクターは、例えば、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクター等であってもよい。
【0056】
(5)上記の実施形態における携帯機器としては、例えば携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Data Assistance)、携帯型音楽プレーヤー、電子辞書、電子手帳、ゲーム機、携帯型パーソナルコンピューター等がある。
【0057】
(6)上記の実施形態において、本発明を、プロジェクター、プロジェクターシステム、及び画像投写方法等として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記の実施形態における携帯機器の処理方法、プロジェクターの処理方法、これらの方法を実現するプログラム、及び該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な情報記憶媒体等であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
10…表示システム、 100…プロジェクター、 110,260…通信部、
120…画像補正部、 130…傾き角度記憶部、 140…投写部、
142…液晶パネル駆動部、 144…光源、 146…液晶パネル、
148…投写レンズ、 200…携帯機器、 210…傾き検出センサー、
220…傾き検出処理部、 250…情報処理部、 SCR…スクリーン、
θ0…設置角度、 θ1…第1の傾き角度、 θP…プロジェクターの傾き角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾き検出機能を有する外部機器がプロジェクター本体と所定の設置角度で接続が可能に構成されるプロジェクターであって、
前記外部機器によって検出された該外部機器の第1の傾き角度と前記設置角度とを用いて画像の形状補正を行う画像補正部と、
前記画像補正部によって形状補正された画像を投写する投写部とを含むことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1において、
前記画像補正部は、
前記第1の傾き角度から前記設置角度を補正した前記プロジェクターの傾き角度を用いて前記画像の形状補正を行うことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2において、
前記プロジェクターの傾き角度を記憶する傾き角度記憶部を含むことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記画像補正部は、
前記第1の傾き角度が変化する度に、変化後の前記第1の傾き角度を用いて算出された補正パラメーターに基づいて前記画像の形状補正を行うことを特徴するプロジェクター。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか記載のプロジェクターと、
前記プロジェクター本体と前記設置角度で接続される前記外部機器とを含むことを特徴とするプロジェクターシステム。
【請求項6】
傾き検出機能を有する外部機器がプロジェクター本体と所定の設置角度で接続が可能に構成されるプロジェクターの画像投写方法であって、
前記プロジェクター本体に接続された状態の前記外部機器の第1の傾き角度を検出する傾き角度検出ステップと、
前記傾き角度検出ステップにおいて検出された前記第1の傾き角度及び前記設置角度を用いて画像の形状補正を行う画像補正ステップと、
前記画像補正ステップにおいて形状補正された画像を投写する投写ステップとを含むことを特徴とする画像投写方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記画像補正ステップでは、
前記第1の傾き角度から前記設置角度を補正した前記プロジェクターの傾き角度に基づいて、前記画像の形状補正を行うことを特徴とする画像投写方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−3185(P2013−3185A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130986(P2011−130986)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】