説明

プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法

【課題】簡易な操作で、あるプロジェクターの設定項目の設定内容を他のプロジェクターにも設定できるようにする。
【解決手段】プロジェクター1の複数の設定項目21aを予め決められた手順で符号化した設定コードP1を生成し、生成された設定コードP1を他のプロジェクターに入力すると、入力された設定コードP1を復号して設定項目21aの設定内容を変更する。これにより複数のプロジェクターに同じ設定コードを入力することで設定項目の内容を揃えることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターには、映像調整、音声調整、システム設定など多数の設定項目があり、これらはメニューから選択して設定し、プロジェクター内部の記憶部に保存される。複数のプロジェクターが使われる環境において、これら多数の設定項目の設定内容を揃えて使いたい場合がある。
【0003】
特許文献1には、IDごとに明るさ等の設定データを本体の保存手段またはUSBキーに記憶する画像表示装置が開示されている。この画像表示装置によれば、IDごとに設定データを保存することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−351996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の方法では、複数のプロジェクター(画像表示装置)が使われる環境において、複数のプロジェクターの設定項目の設定内容を揃えたい場合、その全てのプロジェクターにIDを登録しておかなくてはならないため煩雑な操作が必要であった。また、プロジェクターが天吊設置されているような場合はUSBキーを接続することはできないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して画像投写手段により投写するプロジェクターであって、前記プロジェクターの複数の設定項目と、当該複数の設定項目の各設定項目の内容とを記憶する記憶手段と、前記各設定項目の内容を予め決められた手順に従って符号化した設定コードを生成する設定コード生成手段と、前記設定コードを前記画像投写手段により投写する設定コード出力手段と、前記各設定項目の内容を設定するための前記設定コードの入力を受け付ける設定コード入力手段と、前記設定コード入力手段によって受け付けられた前記設定コードより、前記各設定項目の内容を復号し、複数の設定項目にそれぞれ設定する設定コード復号手段と、入力操作を受け付ける入力操作手段と、を備え、前記設定コード入力手段は、前記入力操作手段に入力された前記設定コードを受け付けることを特徴とする。
【0008】
本適用例のプロジェクターによれば、設定コード生成手段により複数の設定項目の内容を、予め決められた手順によって符号化した設定コードが生成され、設定コード出力手段により投写される。この投写された設定コードを入力操作手段によって他のプロジェクターに入力し、設定コード入力手段が受け付けることで、設定コード復号手段は複数の設定項目の内容を復号することができる。つまり、他のプロジェクターに設定コードを入力することで、同じ設定項目の内容を設定することが可能となり、複数のプロジェクターに同じ設定コードを入力することで設定項目の内容を揃えることが可能となる。また、設定コードを入力操作手段によって入力するので、USBキーを用いる必要がなく、プロジェクターが天吊状態に設置されている場合でも、特別な接続操作を行わずに設定項目を設定することが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記設定コード出力手段は、前記設定コードを記録媒体に保存し、前記設定コード入力手段は、前記記録媒体に保存された前記設定コードを読み取り、受け付けることを特徴とする。
【0010】
本適用例のプロジェクターによれば、設定コード出力手段によって設定コードを記録媒体に保存し、設定コード入力手段によって、記録媒体に保存された設定コードを読み取り、受け付けることで設定項目の内容をプロジェクターに復号できる。つまり、記録媒体から設定コードを読み取ることで設定コードを受け付けることができるので、煩雑な操作なしに複数のプロジェクターの設定項目の内容を揃えることが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記プロジェクターと、有線または無線で前記プロジェクターに接続された他のプロジェクターと、の間で通信を行う通信手段とをさらに備え、前記設定コード出力手段は、前記通信手段により、前記他のプロジェクターに前記設定コードを送信し、前記設定コード入力手段は、前記通信手段により、前記他のプロジェクターより、前記設定コードを受信することで入力を受け付けることを特徴とする。
【0012】
本適用例のプロジェクターによれば、有線または無線で接続されたプロジェクター間において、通信手段により設定コードを送受信することで、設定コードの設定項目の内容を他のプロジェクターの設定項目に復号できる。つまり、有線または無線で接続されたプロジェクター間での通信により、煩雑な操作なしに設定項目の内容を揃えることが可能となる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、ネットワークを介してサーバーと通信するネットワーク通信手段をさらに備え、前記設定コード出力手段は、前記ネットワークに接続されている前記サーバーに前記設定コードを送信し、前記設定コード入力手段は、前記ネットワークに接続されている前記サーバーより、前記設定コードを取得し、入力を受け付けることを特徴とする。
【0014】
本適用例のプロジェクターによれば、設定コード出力手段によりネットワークに接続されたサーバーに設定コードを保存し、設定コード入力手段によってサーバーに保存された設定コードを取得し、入力を受け付けて設定コードの内容を復号することができる。これにより、直接接続されていなくても、同じサーバーと接続するネットワーク上のプロジェクターであれば、煩雑な操作なしに設定項目の内容を揃えることが可能となる。
【0015】
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して画像投写手段により投写するプロジェクターの制御方法であって、前記プロジェクターの複数の各設定項目の内容を、予め決められた手順に従って符号化した設定コードを生成する設定コード生成ステップと、前記設定コードを画像投写手段により投写する設定コード出力ステップと、前記各設定項目の内容を変更するための前記設定コードの入力を受け付ける設定コード入力ステップと、前記設定コード入力ステップによって受け付けられた前記設定コードより、前記各設定項目の内容を復号し、複数の設定項目にそれぞれ設定する設定コード復号ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本適用例のプロジェクターの制御方法によれば、設定コード生成ステップにより複数の設定項目の内容を予め決められた手順によって符号化した設定コードが生成され、設定コード出力ステップにより投写される。この投写された設定コードを設定コード入力ステップによって他のプロジェクターに入力し、設定コード入力ステップが受け付けることで、設定コード復号ステップによって複数の設定項目の内容を復号する。つまり、他のプロジェクターに設定コードを入力することで、同じ設定項目の内容を設定することが可能となり、複数のプロジェクターに同じ設定コードを入力することで設定項目の内容を揃えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】プロジェクターの設定コードの生成手順の一例を示す図。
【図3】プロジェクターが設定コードの出力操作を受け付けた時の動作を示すフローチャート。
【図4】プロジェクターが設定コードの入力操作を受け付けた時の動作を示すフローチャート。
【図5】プロジェクターの画面を示す図であり、(a)は設定コードの出力メニュー画面の一例、(b)は設定コードの入力メニュー画面の一例、(c)は設定コードを入力操作手段から入力するときの画面の一例、を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写手段10、OSD処理手段16、画像信号処理手段17、画像信号入力手段18、制御手段20、記憶手段21、入力操作手段23、光源制御手段25、電源端子30、電源部31、通信手段41等で構成されており、これらは図示しないプロジェクター1の筐体の内部に収容されている。
【0020】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0021】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0022】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。
【0023】
このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0024】
本実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。また、画像投写手段10では、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0025】
制御手段20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。本実施形態において制御手段20は、設定コード生成手段20a、設定コード出力手段20b、設定コード入力手段20c、設定コード復号手段20dを含み構成される。
【0026】
設定コード生成手段20aは、プロジェクター1の複数の設定項目21a(後述する)の各設定項目の内容から、予め決められた手順で符号化した設定コードP1を生成する。
設定コード出力手段20bは、設定コード生成手段20aで生成された、設定コードP1を、記録媒体M、有線または無線で接続された他のプロジェクター、またはネットワークに接続されたサーバーに出力する。
設定コード入力手段20cは、(a)入力操作手段23からの入力操作、(b)記録媒体Mからの読み取り、(c)有線または無線で接続された他のプロジェクターからの受信、(d)ネットワークに接続されたサーバーからの受信、のいずれかの方法で設定コードP1の入力を受け付ける。
設定コード復号手段20dは、設定コード入力手段20cにより入力された設定コードP1を復号し、各設定項目の内容を設定する。
【0027】
記憶手段21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。記憶手段21には設定データとして、プロジェクター1の複数の設定項目21aと、複数の設定項目の各設定項目の内容(設定内容とも称する)とが保存される。
【0028】
入力操作手段23は、プロジェクター1が、ユーザーからの入力操作を受け付けるものである。入力操作手段23は、図示は省略するが、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えており、プロジェクター1の筐体外面に備えられる本体キーまたは、遠隔操作で入力操作を行うリモートコントローラー(リモコン)で構成される。
入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像信号入力手段18に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、また、プロジェクター1に設定コードP1を入力するための文字・数字キー等がある。
【0029】
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。なお、入力操作手段23は、リモートコントローラー(リモコン)信号受信手段(図示せず)と遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモートコントローラーは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信手段がこれを受信して制御情報として制御手段20に伝達する。
【0030】
画像信号入力手段18は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0031】
画像信号処理手段17は、画像信号入力手段18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R、G、Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0032】
OSD処理手段16は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段16は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段16は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段17から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。
なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段16は、画像信号処理手段17から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0033】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段16から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0034】
光源制御手段25は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0035】
電源部31には、電源端子30を介してAC100V等の電力が外部から供給される。電源部31は、供給された電力(交流電力)を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部31は、制御手段20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0036】
通信手段41は、図示しない他のプロジェクターと通信し、接続された他のプロジェクターへ設定コードP1を送信したり、他のプロジェクターより設定コードP1を受信したりする。
通信手段41はまた、ネットワーク通信手段として動作し、ネットワーク上に接続されたサーバーに設定コードP1を保存したり、サーバーより設定コードP1を取得したりするための通信を行う。
【0037】
次に設定コードP1の生成手順の一例を、図2を用いて説明する。
図2において、設定内容B1は13種類の設定項目の内容をビット列化したものであり、設定項目(1)〜(3)はそれぞれ2ビット(ビットデータ0〜3)、設定項目(4)は3ビット(ビットデータ0〜7)、設定項目(5)は1ビット(ビットデータ0、1)、のように設定内容B1のビットを結合して並べている。
図2の例では13種類の設定項目で、設定内容B1は計30ビットのビット列になる。このビット列を5ビット列のブロックBA1〜BA6に分割し、それぞれのブロック内の5ビットのビットデータ(0〜31)を合計する。そして、合計した数値を変換テーブルTB1に従って文字に変換したもの(図2の例では「LJEGN9」)が設定コードP1となる。
図2の例では設定内容B1のビット列を文字列に変換しているが、これにチェックサムを付加してもよい。
【0038】
次に、本実施形態のプロジェクターの動作について図3、および図4のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
(プロジェクターが設定コードの出力操作を受け付けた時の動作)
図3に示すように、プロジェクター1が入力操作手段23から設定コードP1の出力操作を受け付けると(ステップS101)、制御手段20は複数の設定項目21aの各設定内容を記憶手段21より取得し(ステップS102)、ステップS103に遷移する。
【0040】
ステップS103において、制御手段20の設定コード生成手段20aはステップS102で取得した設定項目21aの設定内容を符号化して設定コードP1を生成し、ステップS104に遷移する。
このステップS103が、設定コード生成ステップに相当する。
【0041】
ステップS104において、制御手段20の設定コード出力手段20bはステップS103で生成した設定コードP1を、設定コード出力メニュー画面M1とともに画像投写手段10に投写し、ステップS105に遷移する。このときの設定コード出力メニュー画面M1の一例を図5(a)に示す。
このステップS104が、設定コード出力ステップに相当する。
【0042】
ステップS105において制御手段20は、設定コード出力メニュー画面M1に対する応答が、記録媒体Mに設定コードP1を保存する操作か否かを調べる。
応答操作が記録媒体Mに設定コードP1を保存する操作の場合(ステップS105:Y)、設定コード出力手段20bは、設定コードP1を記録媒体Mに保存し(ステップS109)、ステップS111に遷移する。
一方、応答操作が、記録媒体Mに設定コードP1を保存する操作ではない場合(ステップS105:N)、ステップS106に遷移する。
【0043】
ステップS106において制御手段20は、設定コード出力メニュー画面M1に対する応答操作が、他のプロジェクターに設定コードP1を送信する操作か否かを調べる。
応答操作が他のプロジェクターに設定コードP1を送信する操作の場合(ステップS106:Y)、設定コード出力手段20bは、有線または無線で接続された他のプロジェクターに設定コードP1を送信し(ステップS110)、ステップS111に遷移する。
一方、応答操作が他のプロジェクターに設定コードP1を送信する操作ではない場合(ステップS106:N)、ステップS107に遷移する。
【0044】
ステップS107において制御手段20は、設定コード出力メニュー画面M1に対する応答操作が、ネットワークサーバーに設定コードP1を保存する操作か否かを調べる。
応答操作がネットワークサーバーに設定コードP1を保存する操作の場合(ステップS107:Y)、設定コード出力手段20bは、ネットワーク上に接続されたサーバーに設定コードP1を送信して、保存し(ステップS108)、ステップS111に遷移する。
一方、応答操作がネットワークサーバーに設定コードP1を保存する操作でない場合(ステップS107:N)、ステップS111に遷移する。
【0045】
ステップS111において、本動作フローを終了し、元の動作に戻る。
【0046】
(プロジェクターが設定コードの入力操作を受け付けた時の動作)
図4に示すように、プロジェクター1が入力操作手段23から設定コードP1の入力操作を受け付けると(ステップS201)、制御手段20は設定コード入力メニュー画面M2を画像投写手段10に投写させ(ステップS202)、ステップS203に遷移する。このときの設定コード入力メニュー画面M2の一例を図5(b)に示す。
【0047】
ステップS203において制御手段20は、設定コード入力メニュー画面M2に対する応答(応答操作)が、入力操作手段23から設定コードP1を入力する操作か否かを調べる。言い換えると、本体キーまたはリモコンなどに備えられている操作キーから設定コードP1をキー入力する操作か否かを調べる。
応答操作が、入力操作手段23から設定コードP1を入力する操作の場合(ステップS203:Y)、設定コード入力手段20cは、入力操作手段23より、設定コードP1の入力を受け付け、(ステップS210)、ステップS215に遷移する。このときの設定コード入力画面M3の一例を図5(c)に示す。
一方、応答操作が、入力操作手段23から設定コードP1を入力する操作ではない場合(ステップS203:N)、ステップS204に遷移する。
【0048】
ステップS204において制御手段20は、設定コード入力メニュー画面M2に対する応答が、記録媒体Mから設定コードP1を読み込む操作か否かを調べる。
応答操作が、記録媒体Mから設定コードP1を読み込む操作の場合(ステップS204:Y)、設定コード入力手段20cは、設定コードP1を記録媒体Mから読み込み(ステップS211)、ステップS215に遷移する。
一方、応答操作が、記録媒体Mから設定コードP1を読み込む操作ではない場合(ステップS204:N)、ステップS205に遷移する。
【0049】
ステップS205において制御手段20は、設定コード入力メニュー画面M2に対する応答が、他のプロジェクターから設定コードP1を受信する操作か否かを調べる。
応答操作が、他のプロジェクターから設定コードP1を受信する操作の場合(ステップS205:Y)、設定コード入力手段20cは、有線または無線で接続された他のプロジェクターから設定コードP1を受信し(ステップS212)、ステップS215に遷移する。
一方、応答操作が、他のプロジェクターから設定コードP1を受信する操作ではない場合(ステップS205:N)、ステップS206に遷移する。
【0050】
ステップS206において制御手段20は、設定コード入力メニュー画面M2に対する応答が、ネットワークサーバーから設定コードP1を取得する操作か否かを調べる。
応答操作が、ネットワークサーバーから設定コードP1を取得する操作の場合(ステップS206:Y)、設定コード入力手段20cは、ネットワークに接続されたサーバーから設定コードP1を取得し(ステップS207)、ステップS215に遷移する。
一方、応答操作が、ネットワークサーバーから設定コードP1を取得する操作ではない場合(ステップS206:N)、ステップS217に遷移する。
【0051】
以上のステップS210,S211,S212,S207が、設定コード入力ステップに相当する。
【0052】
ステップS215において、設定コード復号手段20dは設定コード入力手段20cにより受け付けられた設定コードP1が有効か(例えば、チェックサムが正しいか)否かを調べる。設定コードP1が有効な場合(ステップS215:Y)、ステップS216に遷移する。設定コードP1が有効でない場合(ステップS215:N)、ステップS217に遷移する。
【0053】
ステップS216において、設定コード復号手段20dは、受け付けた設定コードP1から各設定項目の内容を復号し、設定項目21aに設定し、ステップS217に遷移する。
このステップS216が、設定コード復号ステップに相当する。
【0054】
ステップS217において、本動作フローを終了し、元の動作に戻る。
【0055】
以上、説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、設定コード生成手段20aにより複数の設定項目21aの内容を、予め決められた手順によって符号化した設定コードP1が生成され、設定コード出力手段20bにより投写される。この投写された設定コードP1を入力操作手段23によって他のプロジェクターに入力し、設定コード入力手段20cが受け付けることで、設定コード復号手段20dは複数の設定項目21aの内容を復号する。つまり、他のプロジェクターに設定コードP1を入力することで、同じ設定項目の内容を設定することが可能となり、複数のプロジェクターに同じ設定コードを入力することで設定項目21aの設定内容B1を揃えることが可能となる。また、設定コードP1を入力操作手段23によって入力するので、プロジェクター1が天吊状態に設置されている場合でも、特別な接続操作を行わずに設定項目21aを設定することが可能となる。
【0056】
また、設定コード出力手段20cによって設定コードP1を記録媒体Mに保存し、設定コード入力手段20cによって、記録媒体Mに保存された設定コードP1を読み取り、受け付けることで設定項目の内容をプロジェクター1の設定項目21aに復号できる。つまり、記録媒体から設定コードを読み取ることで設定コードを受け付けることができるので、煩雑な操作なしに複数のプロジェクターの設定項目の内容を揃えることが可能となる。
【0057】
また、有線または無線で接続されたプロジェクター間において、通信手段により設定コードP1を送受信することで、設定コードP1の設定項目の内容を他のプロジェクターの設定項目21aに復号できる。つまり、有線または無線で接続されたプロジェクター間での通信により、煩雑な操作なしに設定項目21aの内容を揃えることが可能となる。
【0058】
また、設定コード出力手段20bによりネットワークに接続されたサーバーに設定コードP1を保存し、設定コード入力手段20cによってサーバーに保存された設定コードP1を取得し、入力を受け付けて設定コードP1の内容を復号することができる。これにより、直接接続されていなくても、同じサーバーと接続するネットワーク上のプロジェクターであれば、煩雑な操作なしに設定項目21aの内容を揃えることが可能となる。
【0059】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上記実施形態のプロジェクター1では複数の設定項目21aの内容を符号化した設定コードP1を生成しているが、符号化する設定項目を選択できるようにしてもよい。これにより、複数のプロジェクターでそれぞれが独自に設定する項目と、全てのプロジェクターで同じ内容に設定し、揃える項目とを選択することが可能となる。
【符号の説明】
【0060】
1…プロジェクター、10…画像投写手段、11…光源、12R、12G、12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、16…OSD処理手段、17…画像信号処理手段、18…画像信号入力手段、20…制御手段、20a…設定コード生成手段、20b…設定コード出力手段、21…記憶手段、21a…設定項目、23…入力操作手段、25…光源制御手段、30…電源端子、31…電源部、41…通信手段、P1…設定コード、M…記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して画像投写手段により投写するプロジェクターであって、
前記プロジェクターの複数の設定項目と、当該複数の設定項目の各設定項目の内容とを記憶する記憶手段と、
前記各設定項目の内容を予め決められた手順に従って符号化した設定コードを生成する設定コード生成手段と、
前記設定コードを前記画像投写手段により投写する設定コード出力手段と、
前記各設定項目の内容を設定するための前記設定コードの入力を受け付ける設定コード入力手段と、
前記設定コード入力手段によって受け付けられた前記設定コードより、前記各設定項目の内容を復号し、前記複数の設定項目にそれぞれ設定する設定コード復号手段と、
入力操作を受け付ける入力操作手段と、
を備え、
前記設定コード入力手段は、前記入力操作手段に入力された前記設定コードを受け付けることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記設定コード出力手段は、前記設定コードを記録媒体に保存し、
前記設定コード入力手段は、前記記録媒体に保存された前記設定コードを読み取り、受け付けることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
前記プロジェクターと、有線または無線で前記プロジェクターに接続された他のプロジェクターと、の間で通信を行う通信手段をさらに備え、
前記設定コード出力手段は、前記通信手段により、前記他のプロジェクターに前記設定コードを送信し、
前記設定コード入力手段は、前記通信手段により、前記他のプロジェクターより、前記設定コードを受信することで入力を受け付けることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
ネットワークを介してサーバーと通信するネットワーク通信手段をさらに備え、
前記設定コード出力手段は、前記ネットワークに接続されている前記サーバーに前記設定コードを送信し、
前記設定コード入力手段は、前記ネットワークに接続されている前記サーバーより、前記設定コードを取得し、入力を受け付けることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項5】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターの制御方法であって、
前記プロジェクターの複数の各設定項目の内容を、予め決められた手順に従って符号化した設定コードを生成する設定コード生成ステップと、
前記設定コードを画像投写手段により投写する設定コード出力ステップと、
前記各設定項目の内容を変更するための前記設定コードの入力を受け付ける設定コード入力ステップと、
前記設定コード入力ステップによって受け付けられた前記設定コードより、前記各設定項目の内容を復号し、複数の設定項目にそれぞれ設定する設定コード復号ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44852(P2013−44852A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181295(P2011−181295)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】