説明

プロジェクタ及びプロジェクタの光源光学系検査方法

【課題】 マトリクス状に配列された複数の励起光源の位置ずれ、光軸ずれを調整することができるプロジェクタ及びプロジェクタの光源光学系検査方法を提供する。
【解決手段】 本発明のプロジェクタは、複数の励起光源がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する、蛍光体が塗布された蛍光ホイールを有し、その蛍光ホイールからの発光光を表示素子に入射し、上記表示素子で形成した画像光を投射するプロジェクタにおいて、上記複数の励起光源の内、所定位置に配置された光源のみを点灯させる点灯パターンを有し、その点灯パターンで点灯した光に基づいて単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の励起光源を備えたプロジェクタ及びこのプロジェクタの光源光学系検査方法に関し、なお詳しくはプロジェクタにおける励起光源と蛍光発光体との整合検査を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、更にメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示する。
【0003】
このようなプロジェクタにおいて、従来は高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源として発光ダイオードやレーザーダイオード、あるいは、有機EL、蛍光体等を用いる種々のプロジェクタの開発が多々なされている。
【0004】
例えば、特開2004−341105号公報(特許文献1)の光源装置は、透光性を有した円板からなる蛍光ホイールの表面に、赤色、緑色、青色蛍光体層を並設し、蛍光ホイールの裏面側から蛍光体層に紫外光を照射することにより赤色、緑色、青色波長帯域の光源光を生成する構成とされている。
【0005】
また、本願出願人は、先の出願において、青色レーザー発光器と、反射面上に緑色蛍光体層が敷設されてなる蛍光発光領域、及び、開口部分に拡散透過板が敷設されてなる拡散透過領域、が周方向に並設された蛍光ホイールと、赤色発光ダイオードと、を備える光源ユニットについての提案をしている。この提案では、赤色発光ダイオードからの射出光を赤色波長帯域の光源光とし、青色レーザー発光器からの射出光を励起光として発光した緑色蛍光体層からの射出光を緑色波長帯域の光源光とし、青色レーザー発光器からの射出光が拡散透過された拡散透過板からの射出光を青色波長帯域の光源光としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−341105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した本願出願人の提案した発明において、蛍光光の光量を増加させるためには、励起光の出力を大きくする必要がある。そして、励起光の出力を大きくする方法としては、複数の発光ダイオードを使用する方法があるが、この場合、励起光源の輝点が増加することとなるために、複数の励起光源が照射位置のずれなく蛍光ホイールの蛍光体の有効面へと入射しているのか、また、中央位置の励起光源が光軸のずれなく蛍光ホイールの蛍光体の有効面へと入射しているのかを確認し、調整する必要があった。
【0008】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、マトリクス状に配列された複数の励起光源による照射位置のずれ、光軸のずれを容易に検査することができるプロジェクタ及び該プロジェクタにおける光源光学系の検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプロジェクタは、複数の励起光源がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する蛍光体が塗布された蛍光ホイールを有し、該蛍光ホイールからの発光光を表示素子に入射し、前記表示素子で形成した画像光を投射するプロジェクタにおいて、前記複数の励起光源の内、所定位置に配置された光源のみを点灯させる点灯パターンを有し、該点灯パターンで点灯した光に基づいて単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプロジェクタにおける前記複数の励起光源は、青色レーザー発光器であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明のプロジェクタにおける前記蛍光ホイールは、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えるとともに、前記光源制御手段は、前記蛍光ホイールの回転及び前記複数の励起光源の発光タイミングを制御して、青色投影像及び緑色投影像をそれぞれ所定期間形成することを特徴とする。
【0012】
そして、本発明のプロジェクタにおける前記光源制御手段の有する点灯パターンは、前記複数の励起光源の内、四隅の励起光源を順次点灯させる前記光源からの励起光の位置ずれ検査用の点灯パターンである。
【0013】
またさらに、本発明のプロジェクタにおける前記光源制御手段の有する点灯パターンは、前記複数の励起光源の内、中央位置に配列された1つ又は複数の励起光源を点灯させる前記光源からの励起光の光軸ずれ検査用の点灯パターンの場合もある。
【0014】
本発明のプロジェクタの光源光学系検査方法は、複数の励起光源がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する、蛍光体が塗布された蛍光ホイールを有し、該蛍光ホイールからの発光光を表示素子に入射し、前記表示素子で形成した画像光を投射するプロジェクタの光源光学系検査方法において、前記複数の励起光源の発光を制御し、前記複数の励起光源の内、四隅に配列された励起光源を個別駆動させ、単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御処理を実行することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のプロジェクタの光源光学系検査方法は、複数の励起光源がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する蛍光体が塗布された蛍光ホイールを有し、該蛍光ホイールからの発光光を表示素子に入射し、前記表示素子で形成した画像光を投影側光学系により投射するプロジェクタの光源光学系検査方法において、前記複数の励起光源の発光を制御し、前記複数の励起光源の内、中央位置に配列された励起光源を個別駆動させ、単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御処理を実行することもある。
【0016】
さらに、本発明のプロジェクタの光源光学系検査方法における前記複数の励起光原は、青色レーザー発光器であることを特徴とする。
【0017】
またさらに、本発明のプロジェクタの光源光学系検査方法における前記蛍光ホイールは、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えるとともに、前記光源制御処理は、前記蛍光ホイールの回転及び前記複数の励起光源の発光タイミングを制御して、青色投影像及び緑色投影像をそれぞれ所定期間形成させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、マトリクス状に配列された複数の励起光源による照射位置のずれ、光軸のずれを容易に検査することができるプロジェクタ及び該プロジェクタにおける光源光学系の検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るプロジェクタの機能回路ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施例に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。
【図4】本発明の実施例に係る光源光学系検査方法における光源群の四隅点灯の説明図である。
【図5】本発明の実施例に係る光源光学系検査方法における光源群の四隅点灯時の投影像の説明図である。
【図6】本発明の実施例に係る光源光学系検査方法における光源群の四隅点灯時の投影像の説明図である。
【図7】本発明の実施例に係る光源光学系検査方法における光源群の四隅点灯時の投影像の説明図である。
【図8】本発明の実施例に係る光源光学系検査方法における光源群の四隅点灯時の投影像の説明図である。
【図9】本発明の実施例に係る光源光学系検査方法における光源群の中央光源点灯時の投影像の説明図である。
【図10】本発明の実施例に係る光源光学系検査方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。プロジェクタ10は、複数の励起光源である青色光源71がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する蛍光体が塗布された蛍光ホイール101を有する。そして、プロジェクタ10は、蛍光ホイール101からの発光光を表示素子51に入射し、表示素子51で形成した画像光を投射するものである。また、プロジェクタ10は、複数の励起光源の内、所定位置に配置された光源のみを点灯させる点灯パターンを有し、その点灯パターンで点灯した光に基づいて単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御手段である光源制御回路41を備える。
【0021】
そして、複数の青色光源71は、青色レーザー発光器を適用する。
【0022】
さらに、蛍光ホイール101は、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えるとともに、光源制御手段である光源制御回路41は、前記蛍光ホイールの回転及び複数の青色光源71の発光タイミングを制御して、青色投影像300及び緑色投影像400をそれぞれ所定期間形成する。
【0023】
また、光源制御手段である光源制御回路41の有する点灯パターンは、複数の青色光源71の内、四隅の青色光源71を順次点灯させる光源からの励起光の位置ずれ検査用の点灯パターンである。
【0024】
またさらに、光源制御手段である光源制御回路41の有する点灯パターンは、複数の青色光源71の内、中央位置に配列された1つ又は複数の青色光源71を点灯させる光源からの励起光の光軸ずれ検査用の点灯パターンの場合もある。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0026】
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0027】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0028】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔18が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15における背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
【0029】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2のブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成され、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0030】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0031】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束、即ち光源ユニット60の光源側光学系により所定の一面に集光された光線束を導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0032】
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行なう。
【0033】
制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0034】
筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0035】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0036】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光源光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60の青色光源装置70の光源及び赤色発光装置120の発光素子の発光を個別に制御するとともに、ホイールモータ110を制御して蛍光発光装置100の蛍光ホイール101を回転駆動させる。
【0037】
また、制御部38の備えるROMには、予め位置ずれ検査用及び光軸ずれ検査用の青色光源装置70の点灯パターンが記憶されているものとする。そして、光源制御回路41は、位置ずれ検査用及び光軸ずれ検査用の青色光源装置70の点灯パターンが制御部38より読み出されると、この検査用の点灯パターンで青色光源装置70を点灯駆動させる。なお、この検査用の点灯パターンの詳細は後述する。
【0038】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から複数個の冷却ファンの回転速度を個別に制御させる。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0039】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0040】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される青色光源装置70と、この青色光源装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、青色光源装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色発光装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色発光装置120からの射出光の光軸が同一の光軸となるように変換して、各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に集光する光源側光学系140と、を備える。
【0041】
青色光源装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された複数の青色光源71から成る光源群72、各青色光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する複数の反射ミラー75、複数の反射ミラー75で反射した各青色光源71からの射出光を集光する集光レンズ78、及び、青色光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81等を備える。
【0042】
光源群72は、複数の青色レーザー発光器とされる青色光源71がマトリクス状に配列されて成る。また、各青色光源71の光軸上には、各青色光源71からの射出光の指向性を高めるように平行光に変換するコリメータレンズ73が夫々配置されている。そして、複数の反射ミラー75は、階段状に配列されて、各青色光源71から射出される光源光束同士の間隔を狭めることにより、光源群72から射出される光線束の断面積を水平方向において縮小して、集光レンズ78に向けて反射する。
【0043】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって青色光源71が冷却される。さらに、反射ミラー75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー75や集光レンズ78が冷却される。
【0044】
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、青色光源装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、青色光源装置70から射出される光線束を蛍光ホイール101に集光するとともに蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、蛍光ホイール101から正面パネル12方向に射出される光線束を集光する集光レンズ115と、を備える。
【0045】
蛍光ホイール101は、青色光源装置70からの射出光を励起光として受けて緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する緑色蛍光発光領域と、青色光源装置70からの射出光を拡散透過する拡散透過領域と、が周方向に並設してなる。また、緑色蛍光発光領域における基材は銅やアルミニウム等から成る金属基材であって、この基材の背面パネル13側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されており、このミラー加工された表面に緑色蛍光体の層が敷設されている。さらに、拡散透過領域における基材は透光性を有する透明基材であって、この基材の表面には、サンドブラスト等によって微細凹凸が形成されている。
【0046】
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層に照射された青色光源装置70からの射出光は、緑色蛍光体層における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接背面パネル13側へ、あるいは、蛍光ホイール101の表面で反射した後に背面パネル13側へ射出され、集光レンズ群111に入射する。また、蛍光ホイール101の拡散透過領域に照射された青色光源装置70からの射出光は、微細凹凸によって拡散された拡散透過光として集光レンズ115に入射する。なお、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光発光装置100等が冷却される。
【0047】
赤色発光装置120は、青色光源71と光軸が平行となるように配置された赤色発光素子121と、赤色発光素子121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える単色発光装置である。この赤色発光素子121は、赤色波長帯域の光を発する赤色発光ダイオードである。そして、この赤色発光装置120は、青色光源装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。さらに、赤色発光装置120は、赤色発光素子121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色発光素子121が冷却される。
【0048】
そして、光源側光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせる反射ミラー、ダイクロイックミラー等からなる。具体的には、青色光源装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と、赤色発光装置120から射出される赤色波長帯域光とが交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0049】
また、蛍光ホイール101を拡散透過した青色波長帯域光の光軸上、つまり、集光レンズ115と正面パネル12との間には、青色波長帯域光を反射してこの青色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一反射ミラー143が配置されている。さらに、第一反射ミラー143で反射した青色波長帯域光の光軸上であって光学系ユニット160の近傍には、この青色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二反射ミラー145が配置されている。
【0050】
また、第一ダイクロイックミラー141を透過した赤色波長帯域光の光軸及びこの光軸と一致するように第一ダイクロイックミラー141により反射された緑色波長帯域光の光軸と、第二反射ミラー145で反射した青色波長帯域光の光軸とが交差する位置には、青色波長帯域光を透過し、赤色及び緑色波長帯域光を反射してこれら赤色及び緑色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、ダイクロイックミラーや反射ミラーの間には、夫々集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。
【0051】
光学系ユニット160は、青色光源装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、光源側光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0052】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する導光光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する導光光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175や、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0053】
画像生成ブロック165は、導光光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185と、を有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
【0054】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0055】
このようにプロジェクタ10を構成することで、蛍光ホイール101を回転させるとともに青色光源装置70及び赤色発光装置120から異なるタイミングで光を射出すると、赤色、緑色及び青色の波長帯域光が光源側光学系140を介してライトトンネル175に順次入射され、更に導光光学系170を介して表示素子51に入射されるため、プロジェクタ10の表示素子51であるDMDがデータに応じて各色の光を時分割表示することにより、スクリーンにカラー画像を生成することができる。
【0056】
次に、プロジェクタにおける励起光源と蛍光発光体との整合検査を行う方法に関する光源光学系検査の具体的な方法について説明する。図4は、光源光学系検査において、光源群72を発光面側から見た場合に、四隅の励起光源の点灯順序を示す説明図であり、図5から図8は、その四隅の励起光源を順次点灯させるにあたって、投影像として映し出される青色投影像300、及び緑色投影像400の正常パターンを示す説明図である。なお、図5から図8に示した青色投影像300、及び緑色投影像400の正常パターンを示す図は、投影像のピーク部分を示した模式図であり、実際の投影像の照度は、矩形の投影像の一部に円で示したピーク部分が最も明るく、円中心から離れた矩形内で周辺部分にいくにつれて徐々
に変化するものである。図5から図8に示した図は、あくまでも投影像の模式図であって実際の投影像の様子を表したものではない。
【0057】
図4に示すように光源群72は、青色レーザー発光器である青色光源71が3行8列の計24個からなる。光源光学系検査では、例えば検査員により検査用モードが起動されると、位置ずれ検査用の点灯パターンを読み出して、この位置ずれ検査用点灯パターンに基づいて24個から成る青色光源71の内、四隅にある青色光源71を順次点灯させて、青色光源71の光線が蛍光ホイール101の緑色蛍光体と励起光拡散透過部の有効面に適切に入射されているかどうかを、投影像の目視確認により判定し、複数の青色光源71の照射位置のずれを判断する位置ずれ検査を行う。このように、位置ずれ検査用点灯パターンは、24個から成る青色光源71のうち、四隅にある青色光源71を所定タイミングで順次点灯させる点灯パターンである。
【0058】
そして、位置ずれ検査では、四隅の青色光源71を順次点灯させるとともに、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えた蛍光ホイール101と表示素子51とを制御することにより、青色投影像及び緑色投影像を投影させて目視確認することにより、蛍光ホイール101の緑色蛍光体及び励起光拡散透過部の有効面に適切に入射されているかを判定することができる。
【0059】
このとき、位置ずれ検査が開始されると、最初に青色光源71からの光線が蛍光ホイール101の励起光拡散透過部のみを通過し、続いて所定時間(所定期間)後に青色光源71からの光線が蛍光ホイール101の緑色蛍光体のみを通過するように、青色光源71の発光タイミング及び蛍光ホイール101の回転を制御することで、検査員は最初に青色の投影像の位置ずれを確認し、続いて所定時間後に緑色の投影像の位置ずれを確認することができる。
【0060】
図5に示したように、例えば、本実施例における光学系であれば左上の青色光源71のみを点灯させた場合の青色投影像300の正常パターンは、発光している青色光源71の位置と、光路設計に基づいて決定される拡散板上の照射位置及びその後の投影光学系とによって決定される位置、すなわち本実施例では左上に青色の明るさのピークを有する投影像となる。そして、緑色投影像400の正常パターンは、発光している青色光源71の位置と、光路設計に基づいて決定される蛍光ホイール101の緑色蛍光体上の照射位置及びその後の投影光学系によって決定される位置、すなわち本実施例では左上に緑色の明るさのピークを有する投影像となる。このとき得られる投影像の緑色光は、蛍光体ホイール101において緑色蛍光体が青色光源71からの励起光により励起されて発光した光であるため、上述したように左上に明るさのピークを持つものの、青色光の場合と比較すると、より均一に近い明るさの分布を持つこととなる。
【0061】
なお、点灯させる青色光源71と投影像とのピーク点の位置関係は、光学系の構成に基づいて決定されるものであり、例えば左上の青色光源71のみを点灯させた場合に中心対称である右下にピークの投影像が映し出される場合であっても、その関連付けに応じて検査できるものである。
【0062】
そして、図6から図8に示したように、左下、右下、右上の各青色光源71のみを点灯させた場合の青色投影像300の正常パターンは、蛍光ホイール101の励起光拡散透過部の所定の照射範囲に照射される際の照射位置が異なるため、夫々左下、右下、右上に青色の明るさのピークを有する投影像となる。
【0063】
この検査により、四隅の青色光源71の各点灯時の正常パターンと異なる投影像が生じており、青色光の照射位置にずれがある場合には、青色光の光路上に異常箇所があると判断して、青色光源71等の取り付け位置を調整する等を行うこととなる。例えば、青色光源71の左上を点灯させた場合に投影像の明るさのピークが表れず、右上を点灯させた場合にピーク位置が本来なら投影像の右上に表れるはずが投影像の中央寄りに表れた場合には、青色光源装置70からの青色光が全体的に横方向にずれていることが分かる。
【0064】
同様に、緑色光についても、四隅の青色光源71を順番に点灯させ、それぞれ点灯時の投影像が、正常パターンにおける投影像と異なっている場合には、緑色光の光路上にずれがあることが分かる。
【0065】
そして、上述の位置ずれ検査において、青色光については正常パターンの投影像が投影され、且つ緑色光については正常パターンと異なる投影像が投影された場合には、図3に示されているように青色光と緑色光が通る光路が互いに異なることに起因して、第1ダイクロイックミラー141で反射されてから第2ダイクロイックミラー148に到達するまでの間の光学系においてずれが生じていることを推定することができる。
【0066】
また、その反対に緑色光については正常パターンの投影像が投影され、且つ青色光については正常パターンと異なる投影像が投影された場合には、蛍光体ホイール101を拡散通過してから、第2ダイクロイックミラー148に到達するまでの間の光学系においてずれが生じていることを推定することができる。
【0067】
次に、光源光学系検査における光軸のずれ検査の具体的な方法について説明する。図9は、光源光学系検査において、光源群72を発光面側から見た場合の中央の青色光源71の点灯による投影像として映し出される青色投影像300、及び緑色投影像400の正常パターンを示す説明図である。
【0068】
本実施例では、図9に示したように、例えば検査員により検査用モードが起動されると、光軸のずれ検査用の点灯パターンを読み出して、この光軸ずれ検査用点灯パターンに基づいて24個から成る青色光源71の内、中央に位置する2つの青色光源71を点灯させ、さらに蛍光ホイール101と表示素子51を制御することにより、青色投影像300及び/又は緑色投影像400を投影して光軸のずれ検査を行う。なお、光軸のずれ検査は、中央に位置する青色光源71が1つであれば、その1つの青色光源71を点灯させて光軸のずれを判定するようにしても構わず、さらに、中央に位置する3つ、4つと複数の青色光源71を点灯させて検査するようにしても構わない。このように、光軸ずれ検査用点灯パターンは、24個から成る青色光源71のうち、中央にある青色光源71を所定タイミングで点灯させる点灯パターンである。
【0069】
中央に位置する2つの青色光源71を点灯させた場合の青色投影像300の正常パターンは、中央に青色の明るさのピークを有する投影像となる。そして、緑色投影像400の正常パターンは、画面全体に緑色光を映し出すとともに、中央部分に明るさのピークを有する投影像となる。光軸のずれ検査は、青色投影像300又は/及び緑色投影像400を投影して、目視により、正常パターンかどうかを判定することとなる。
【0070】
このとき、光軸ずれ検査が開始されると、最初に青色光源71からの光線が蛍光ホイール101の励起光拡散透過部のみを通過し、続いて所定時間後に、青色光源71からの光線が蛍光ホイール101の緑色蛍光体のみを通過するように、青色光源71の発光タイミング及び蛍光ホイール101の回転を制御することで、検査員は最初に青色の投影像の光軸ずれを確認し、続いて所定時間後に緑色の投影像の光軸ずれを確認することができる。
【0071】
この検査により、中央の青色光源71の点灯時の正常パターンと異なる投影像が生じた場合には、光軸のずれが青色光或いは緑色光の光路上のいずれかで生じていると判断して、青色光源71等の取り付け位置を調整する等を行うこととなる。
【0072】
また、この光軸のずれを検査する場合においても、青色光と緑色光とでどちらか一方がずれを生じていた場合には、その検査結果に基づいて実際に問題が生じている光学系の位置をある程度限定して推定することができる。
【0073】
ここで、青色光源装置70からの投影光の正常な照射位置とのずれ、光軸のずれを検査する光源光学系検査における検査の流れについて図10のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
プロジェクタ10は、出荷前の検査工程において光源光学系検査のモードを選択すると、先ず四隅の青色光源71の照射位置のずれを判定する検査のモードとなる。そして、制御部38は、ROMに記憶されている位置ずれ検査用の点灯パターンを読出し、光源制御処理を実行するために、光源制御回路41を検査用点灯パターンに基づいて駆動制御して、マトリクス状に配列された光源群72の四隅の青色光源71を順次点灯させる四隅光源点灯処理(ステップS100)を実行する。
【0075】
そして、制御部38は、光源制御回路41を制御して、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えた蛍光ホイール101を回転させて青色投影像300と緑色投影像400を夫々投影させて四隅投影検査を行うための投影像形成処理(ステップS200)を実行する。
【0076】
これにより、青色光源71の光線が蛍光ホイール101の緑色蛍光体と励起光拡散透過部の有効面に適切に入射されているかどうか、また光路上に調整が必要な箇所がないかを、投影像の目視確認により判定し、青色光源71の照射位置のずれを判断する位置ずれ検査を行う。
【0077】
続いて、プロジェクタ10は、検査員の所定の操作により検査工程として青色光源71の光軸のずれ検査のモードとなる。そして、制御部38は、光軸検査用点灯パターンを読み出して、光源制御処理を実行するために、光源制御回路41を制御して、マトリクス状に配列された光源群72の中央に位置する青色光源71を点灯させる中央光源点灯処理(ステップS300)を実行する。
【0078】
そして、制御部38は、光源制御回路41を制御して、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えた蛍光ホイール101を回転させて青色投影像300と緑色投影像400を夫々投影させて中央投影検査を行うための投影像形成処理(ステップS400)を実行する。
【0079】
これにより、青色光源71の光線が蛍光ホイール101の緑色蛍光体と励起光拡散透過部の有効面に適切に入射されているかどうかを、投影像の目視確認により判定し、青色光源71の照射位置のずれ、即ち光軸のずれを判断する光軸ずれ検査を行う。
【0080】
以上のように、本実施例のプロジェクタ10によれば、複数の励起光源の発光を制御して、複数の光源の内、四隅及び/又は中央位置に配列された励起光源を個別駆動させ、投影側光学系220により投射して投影像を形成する光源制御手段を備えることにより、マトリクス状に配列された複数の励起光源の照射位置のずれ、光軸のずれを容易に検査することができる。
【0081】
また、本実施例のプロジェクタ10によれば、複数の励起光源として青色レーザー発光器を適用することにより、励起光源の部品寿命が長くなることから、プロジェクタ10の製品寿命を長くすることができる。
【0082】
さらに、本実施例のプロジェクタ10によれば、光源制御手段は、蛍光ホイール101及び複数の励起光源を制御して青色投影像300と緑色投影像400を夫々、投影側光学系220により投射することにより、青色投影像300及び緑色投影像400の検査が可能となり、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えた蛍光ホイール101の有効面に適切に照射されているかどうかを検査することができる。
【0083】
そして、本実施例のプロジェクタ10における光源光学系検査方法よれば、光源制御手段は、複数の励起光源の内、四隅の励起光源を順次点灯させ、投影側光学系220により投射して投影像を形成することから、有効面に適切に投影されるか否かを判定することによりマトリクス状に配列された複数の励起光源の照射位置のずれを容易に検査することができる。
【0084】
そしてまた、本実施例のプロジェクタ10における光源光学系検査方法によれば、光源制御手段は、複数の励起光源の内、光軸のずれを判定可能な中央位置に配列された1つ又は複数の励起光源を点灯させ、投影側光学系220により投射することにより、投影像を形成することから、適切に投影されるか否かを検査することによりマトリクス状に配列された複数の励起光源の光軸のずれを容易に検査することができる。
【0085】
また、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。本実施例では目視検査により、マトリクス状に配列された複数の励起光源の光軸のずれを容易に検査することができるプロジェクタ10として説明してきたが、例えば、目視検査ではなく、スクリーン上に複数の照度計を配置して、投影像の照度を計測可能にすることにより、自動検査が可能になる。さらに、自動検査において、青色又は緑色の何れかに位置ずれが起きている場合に、各色の光路の差異から位置ずれ等の発生しているレンズやミラー又は光源を特定することができる。また、赤色光源も検査するようにすれば、さらに位置ずれ等の発生しているレンズやミラー又は光源の特定を容易とすることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 プロジェクタ
11 上面パネル 12 正面パネル
13 背面パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 17 排気孔
18 吸気孔 19 レンズカバー
20 各種端子 21 入出力コネクタ部
22 入出力インターフェース 23 画像変換部
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 31 画像圧縮伸長部
32 メモリカード 35 Ir受信部
36 Ir処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 41 光源制御回路
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子
60 光源ユニット 70 青色光源装置
71 青色光源 72 光源群
73 コリメータレンズ
75 反射ミラー 78 集光レンズ
81 ヒートシンク 100 蛍光発光装置
101 蛍光ホイール 110 ホイールモータ
111 集光レンズ群 115 集光レンズ
120 赤色発光装置 121 赤色発光素子
125 集光レンズ群 130 ヒートシンク
140 光源側光学系 141 第一ダイクロイックミラー
143 第一反射ミラー 145 第二反射ミラー
148 第二ダイクロイックミラー 160 光学系ユニット
161 照明側ブロック 165 画像生成ブロック
168 投影側ブロック 170 導光光学系
173 集光レンズ 175 ライトトンネル
178 集光レンズ 181 光軸変換ミラー
183 集光レンズ 185 照射ミラー
190 ヒートシンク 195 集光レンズ
220 投影側光学系 225 固定レンズ群
235 可動レンズ群 241 制御回路基板
261 冷却ファン
300 青色投影像 400 緑色投影像


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の励起光源がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する蛍光体が塗布された蛍光ホイールを有し、該蛍光ホイールからの発光光を表示素子に入射し、前記表示素子で形成した画像光を投射するプロジェクタにおいて、
前記複数の励起光源の内、所定位置に配置された光源のみを点灯させる点灯パターンを有し、該点灯パターンで点灯した光に基づいて単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御手段を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記複数の励起光源は、青色レーザー発光器であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記蛍光ホイールは、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えるとともに、前記光源制御手段は、前記蛍光ホイールの回転及び前記複数の励起光源の発光タイミングを制御して、青色投影像及び緑色投影像をそれぞれ所定期間形成することを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記光源制御手段の有する点灯パターンは、前記複数の励起光源の内、四隅の励起光源を順次点灯させる前記光源からの励起光の位置ずれ検査用の点灯パターンであることを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記光源制御手段の有する点灯パターンは、前記複数の励起光源の内、中央位置に配列された1つ又は複数の励起光源を点灯させる前記光源からの励起光の光軸ずれ検査用の点灯パターンであることを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
複数の励起光源がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する蛍光体が塗布された蛍光ホイールを有し、該蛍光ホイールからの発光光を表示素子に入射し、前記表示素子で形成した画像光を投射するプロジェクタの光源光学系検査方法において、
前記複数の励起光源の発光を制御し、前記複数の励起光源の内、四隅に配列された励起光源を個別駆動させ、単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御処理を実行することを特徴とするプロジェクタの光源光学系検査方法。
【請求項7】
複数の励起光源がマトリクス状に配列された光源群からの光束を用いて所定の波長帯域光を発光する、蛍光体が塗布された蛍光ホイールを有し、該蛍光ホイールからの発光光を表示素子に入射し、前記表示素子で形成した画像光を投影側光学系により投射するプロジェクタの光源光学系検査方法において、
前記複数の励起光源の発光を制御し、前記複数の励起光源の内、中央位置に配列された励起光源を個別駆動させ、単一波長帯域光の投影像を所定期間形成する光源制御処理を実行することを特徴とするプロジェクタの光源光学系検査方法。
【請求項8】
前記複数の励起光原は青色レーザー発光器であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のプロジェクタの光源光学系検査方法。
【請求項9】
前記蛍光ホイールは、緑色蛍光体と励起光拡散透過部とを備えるとともに、前記光源制御処理は、前記蛍光ホイールの回転及び前記複数の励起光源の発光タイミングを制御して、青色投影像及び緑色投影像をそれぞれ所定期間形成させることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のプロジェクタの光源光学系検査方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−158774(P2011−158774A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21330(P2010−21330)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】