プロジェクタ装置及び映像表示方法
【課題】プロジェクタ装置で立体映像の投射を行う場合に、適切な視差を設定できるようにする。
【解決手段】端子部150にソース機器200から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズ110により投射する。この投射レンズにより投射した映像が表示される表示面101までの距離を検出し、投射レンズによる映像の投射角度を検出し、その検出した距離と投影角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する。そして、取得した表示サイズをソース機器に所定の伝送フォーマットで伝え、ソース機器でプロジェクタ装置での投射される映像サイズに適した視差設定などの処理を実行させる。
【解決手段】端子部150にソース機器200から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズ110により投射する。この投射レンズにより投射した映像が表示される表示面101までの距離を検出し、投射レンズによる映像の投射角度を検出し、その検出した距離と投影角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する。そして、取得した表示サイズをソース機器に所定の伝送フォーマットで伝え、ソース機器でプロジェクタ装置での投射される映像サイズに適した視差設定などの処理を実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像をスクリーンなどに投射するプロジェクタ装置及びそのプロジェクタ装置に適用される映像表示方法に関し、特に立体映像を表示させる場合に適用される技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーンに映像を投射(投影)して、そのスクリーンを見ているユーザに三次元映像(立体映像)を認識させるプロジェクタ装置がある。このプロジェクタ装置は、スクリーンに左眼用の映像と右眼用の映像とを所定の周期(例えばフィールド周期)で交互に表示する。そして、このように表示された映像を、映像の表示周期に同期して開閉制御される液晶シャッタ眼鏡等の立体映像観察用眼鏡を通して鑑賞する。
【0003】
ところで、スクリーンに表示される立体映像の三次元的な見え方は、スクリーンに表示される映像のサイズにより変化する。図13は、スクリーンに表示される映像のサイズで、立体効果が異なる点を説明した図である。
例えば、図13(a)に示すように、比較的小さなサイズのスクリーン1aに投射した映像中の、右眼用表示物XRと左眼用表示物XLとの視差差をW1としたとき、観察者には、スクリーン1aよりも距離Y1だけ手前に、表示物XL,XRが飛び出して見える。
【0004】
これに対して、図13(b)に示すように、スクリーン1aよりも大きなスクリーン1bに同じ内容の映像をそのまま拡大して表示すると、右眼用表示物XRと左眼用表示物XLとの視差差はW1よりも広いW2となる。このため、スクリーン1bの場合には、表示物XL,XRが飛び出して見える距離Y2が、小さなスクリーンの場合の距離Y1よりも長くなる。
この距離Y1と距離Y2の差ΔYを補正するためには、図13(c)に示すように、スクリーン1b上の右眼用表示物XRと左眼用表示物XLとの視差差を小さな視差差W1に補正する必要がある。スクリーン1b上の視差差をW2からW1に補正することで、表示物XL,XRが飛び出して見える距離を、図13(a)の場合と同じ距離Y1に設定できる。
【0005】
特許文献1には、観察者が装着した液晶シャッタ眼鏡を使用して、プロジェクタ装置が投影した映像を立体視するシステムについての記載がある。
また、特許文献2には、ゲーム機などで立体視を行う映像データを生成させる際に、そのゲーム機と接続した表示装置から表示能力のデータを取得して、表示能力に適した立体視用の映像データを生成させる点についての記載がある。この特許文献2では、表示能力のデータとして、EDID(Extended display identification data)と称されるデータを使用した例についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−9299号公報
【特許文献2】特開2010−258609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、プロジェクタ装置を使用して立体映像を表示する際には、スクリーンとプロジェクタ装置との距離に応じた視差差を設定することが好ましい。
すなわち、液晶表示パネルなどのサイズが一定の映像を表示する映像表示装置の場合には、その装置が備える表示パネルのサイズに対して適切な視差差を設定して、適切な立体感を得ている。一方、映像を投影するプロジェクタ装置の場合には、使用環境により画面サイズが異なるため、固定的に視差差を決めるのは好ましくない。特に、投射用レンズとしてズームレンズを備えたプロジェクタ装置の場合には、プロジェクタ装置からスクリーンまでの投射距離が同じであっても、ズームレンズの調整で表示映像のサイズを調整可能であり、視差差を固定的な条件で決めるのは好ましくない。
【0008】
本開示は、プロジェクタ装置で立体映像の投射を行う場合に、適切な視差を設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のプロジェクタ装置は、ソース機器が出力した映像データが入力され、自機の表示能力に関するデータをソース機器に伝送する端子部を備え、その端子部に入力した映像データによる投射映像を投射レンズにより投射する映像投射処理部を備える。
さらに、投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出部と、投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出部とを備える。そして、検出した表示面までの距離と投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出し、算出した表示サイズを、自機の表示能力に関するデータとして端子部からソース機器に伝送する制御を行う制御部を備える。
【0010】
また本開示の映像表示方法は、端子部にソース機器から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射して映像を表示する表示処理を行う。そして、投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出処理と、投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出処理を行う。さらに、距離検出処理で検出した距離と投射角度検出処理で検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する表示サイズ算出処理を行い、表示サイズ算出処理で得た表示サイズをソース機器に伝送する伝送処理を実行する。
【0011】
本開示によると、投射レンズを使用して投射する映像の表示サイズが算出され、算出された表示サイズを、ソース機器に伝えることができる。したがって、ソース機器では、映像データを生成させる際に、表示サイズに対応した処理が可能になり、表示サイズに対応した良好な映像表示が行える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によると、投射映像の表示サイズを得ることができる。したがって、取得した表示サイズを、映像のソース機器側に伝えることが可能になり、ソース機器で表示サイズに対応した映像処理が行われた映像データを端子部が受信して、投射することができる。例えば、立体視用映像を表示する場合、左眼用映像と右眼用映像との視差が、実際の表示サイズに適合した視差に調整された映像を表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示明の一実施の形態による映像投影システムの例を示す説明図である。
【図2】本開示の一実施の形態によるプロジェクタ装置と再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本開示の一実施の形態によるHDMIケーブルで送信する側と受信する側の構成例を示すブロック図である。
【図4】本開示の一実施の形態による投射距離測定例を示す波形図である。
【図5】本開示の一実施の形態による投射角度測定例を示す説明図である。
【図6】本開示の一実施の形態による電源オン時の処理例を示すフローチャートである。
【図7】本開示の一実施の形態によるメニュー操作による表示サイズ設定の処理例を示すフローチャートである。
【図8】本開示の一実施の形態によるプロジェクタ装置のEDID格納部を更新するための構成例を示す説明図である。
【図9】本開示の一実施の形態による表示サイズの更新処理例を示すフローチャートである。
【図10】本開示の一実施の形態による再生装置での処理例を示すフローチャートである。
【図11】本開示の他の実施の形態によるプロジェクタ装置と再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】本開示の他の実施の形態によるプロジェクタ装置での視差調整例を示すフローチャートである。
【図13】立体映像表示時の表示サイズと視差との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の一実施の形態の例を、以下の順序で説明する。
1.プロジェクタ装置と再生装置の構成(図1,図2)
2.HDMIケーブルで送受信する構成(図3)
3.表示サイズを検出する処理(図4,図5)
4.電源オンにより表示サイズを取得する処理(図6)
5.メニュー操作により表示サイズを取得する処理(図7)
6.EDIDの設定処理(図8,図9)
7.再生装置での処理(図10)
8.変形例(図11,図12)
【0015】
[1.プロジェクタ装置と再生装置の構成]
図1は、本開示の一実施の形態の例のプロジェクタ装置と再生装置によるシステム構成を示した図である。
プロジェクタ装置100は、投射レンズ110を使用してスクリーン101に映像を投射する装置である。このプロジェクタ装置100は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格の端子部を備え、HDMIケーブル90を使用して再生装置200と接続される。そして、再生装置200でディスクなどを再生して得た映像データを、HDMIケーブル90でプロジェクタ装置100に伝送し、プロジェクタ装置100でスクリーン101に映像の投影を行う。
なお、HDMI規格は、デジタル映像・音声入出力インターフェース規格であり、映像データや音声データを伝送すると共に、各種制御データなどを双方向に伝送することが可能である。HDMI規格では、映像及び音声の出力側の機器をソース機器と称し、映像及び音声の入力側の機器をシンク機器と称する。また、HDMI規格でシンク機器がソース機器に伝送するデータの1つとして、シンク機器(表示装置)が備える表示能力についてのデータ(後述するEDID)を有する。
【0016】
本実施の形態の例では、プロジェクタ装置100と再生装置200は、それぞれ立体映像の処理が行える。すなわち、再生装置200で左眼用映像と右眼用映像とで構成される3D映像データを再生し、再生した3D映像データをプロジェクタ装置100に伝送する。
すなわち、立体視用映像データの場合、再生装置200からHDMIケーブル90を使用して、右眼用映像と左眼用映像とを1フレーム周期で交互又は個別にプロジェクタ装置100に供給する。
プロジェクタ装置100は、3D映像データが入力した場合、左眼用映像と右眼用映像とを1フレーム周期で交互にスクリーン101に投影する。そして、3D表示用眼鏡(図示せず)が備える左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタを、映像の表示タイミングに同期して、1フレームごとに交互に開閉させる。このようにすることで、3D表示用眼鏡を装着したユーザがスクリーン101を見ることで、表示映像を立体視することができる。
なお、映像を立体視する方式には種々の方式があり、液晶シャッタによる眼鏡を使用するのは1つの例であり、その他の方式を適用して立体視するプロジェクタ装置でもよい。
【0017】
図1に示すように、プロジェクタ装置100は、投射レンズ110でスクリーン101に映像を投射するが、本実施の形態の例では、投射レンズ110としてズームレンズを使用する。したがって、投射レンズ110による投射角度Rの調整で、スクリーン101への映像の投射サイズ、つまりスクリーン101上の映像表示サイズを可変設定できる。また、プロジェクタ装置100は、距離センサ部160を備えて、プロジェクタ装置100からスクリーン101までの距離を検出する。距離センサ部160は、超音波U1を発信し、スクリーン101で反射した超音波U1を受信して、距離を検出する。この距離を検出する具体的な処理については後述する。
【0018】
次に、図2を参照して、プロジェクタ装置100と再生装置200の内部構成について説明する。
再生装置200は、ディスクなどを再生する再生部210を備え、再生部210で再生して得た映像データを、立体映像処理部220に供給する。立体映像処理部220は、再生部210で再生した映像データが立体視用の映像データである場合に、立体視に関する処理を行う。具体的には、左眼用映像と右眼用映像との視差の調整を行う。
そして、立体映像処理部220で調整された映像データを、端子部230に供給する。端子部230は、HDMI規格の端子であり、ケーブル接続ポート231にHDMIケーブル90を接続する。
【0019】
また、端子部230にはEDID検出部232が接続してあり、シンク機器側のEDID格納部に格納されたEDID(Extended display identification data)のデータを、EDID検出部232が検出する。このEDIDのデータは、シンク機器の映像表示能力に関するデータである。例えばシンク機器での映像表示解像度や、シンク機器が入力可能な映像フォーマットなどが示される。また、このEDIDのデータは、シンク機器が映像を表示する表示サイズのデータを含む。
このEDIDのデータをEDID検出部232が検出して、立体映像の表示が可能なシンク機器が接続されていると確認した場合に、再生部210で立体視用の映像データを再生して、立体映像処理部220で立体視に関する処理を行う。また、EDIDのデータに含まれる表示サイズをEDID検出部232が検出し、再生部210や立体映像処理部220で、表示サイズに適した映像データとする処理を行う。
【0020】
次に、プロジェクタ装置100の構成を説明する。
プロジェクタ装置100は、HDMI規格の端子部150を備え、ケーブル接続ポート151にHDMIケーブル90を接続する。端子部150はEDID格納部152を備える。EDID格納部152は、プロジェクタ装置100の映像表示能力に関するデータを記憶するメモリで、例えば電気的に記憶データの書き換えが可能なメモリを使用する。このようなメモリとしては、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)がある。
EDID格納部152が記憶する映像表示能力に関するデータの1つに、映像の表示サイズのデータがある。この映像の表示サイズのデータは、制御部140の制御で更新される。
【0021】
端子部150がHDMIケーブル90を介して映像データを受信したとき、その受信した映像データを映像処理部130に供給し、表示用の映像データ処理を行う。そして、映像処理部130で処理された映像データを映像投射処理部120に供給する。映像投射処理部120は、例えば映像を表示する表示パネルと、その表示パネルに表示された映像に光源からの光を透過させる光学系機構を備える。そして、表示パネルを透過した光を、投射レンズ110に入射させ、投射レンズ110でスクリーン101に映像を投射する。
【0022】
本実施の形態の投射レンズ110はズームレンズであり、ズーム位置センサ111を備え、ズーム位置を検出する。ズーム位置センサ111は、投射角度検出部を構成するセンサであり、ズーム位置センサ111が検出したズーム位置のデータを、投射角度Rに対応したレンズ位置のデータとし制御部140に供給する。なお、投射レンズ110のズーム位置調整は、モータにより駆動される電動式と、ユーザが手動でズーム位置を操作する手動式のいずれの構成でもよい。
【0023】
また、プロジェクタ装置100は、距離センサ部160を備え、プロジェクタ装置100から、投射レンズ110で映像を投射するスクリーン101までの距離を検出する。
すなわち、距離センサ部160は、超音波を発信する発信部161と、超音波を受信する受信部162とを備え、発信部161での発信タイミングと受信部162での受信タイミングとの時間差から、距離検出部163でスクリーン101までの距離を検出する。そして、距離センサ部160で検出されたスクリーン101までの距離のデータを、制御部140に供給する。
【0024】
制御部140は、距離センサ部160で検出されたスクリーン101までの距離のデータと、ズーム位置センサ111が検出したズーム位置のデータとに基づいて、スクリーン101に投射された映像のサイズを算出する。この算出処理は、予め用意された演算式に距離のデータとズーム位置のデータを代入して行われる。
制御部140で映像サイズのデータが算出されると、この算出された映像サイズのデータは、端子部150が備えるEDID格納部152内の映像サイズのデータの欄に書き込まれ、EDID格納部152内の映像サイズのデータが更新される。このEDID格納部152内の映像サイズのデータの更新処理を行うタイミングについては後述する。
【0025】
[2.HDMIケーブルで送受信する構成]
次に、プロジェクタ装置100の映像データ入力部である、端子部150にHDMIケーブル90を接続した場合の、相手側の機器である再生装置200との伝送手順を、図3を参照して説明する。先に説明したように、HDMIケーブル90で機器接続を行う場合、映像データの出力側の機器をソース機器と称し、映像データの入力側の機器をシンク機器と称する。
プロジェクタ装置100はシンク機器であり、図3では、ソース機器である再生装置200と、プロジェクタ装置100の端子部150とを、HDMIケーブル90で接続した場合の例を示す。また図3ではデータの伝送チャンネルを示し、ケーブル接続ポートは省略している。
【0026】
再生装置200は、ソース信号処理部である再生部210と立体映像処理部220とを備え、立体映像処理部220が出力する映像データ、音声データ及びコントロールデータを、端子部230内のHDMI処理部233に供給する。HDMI処理部233は、映像データ、音声データ及びコントロールデータを、TMDSチャンネル0,1,2の3つのチャンネルに分割して配置し、各チャンネルのデータを出力する。TMDSは、Transition Minimized Differential Signalingの略である。また、クロックをTMDSクロックチャンネルに配置して出力する。各チャンネルは、HDMIケーブル90の個別のラインで伝送される。
【0027】
再生装置200のTMDSチャンネル0,1,2とTMDSクロックチャンネルのデータは、シンク機器であるプロジェクタ装置100の端子部150内のHDMI処理部153で受信し、映像データと音声データとコントロールデータとに分離する。分離した映像データと音声データとコントロールデータとを、プロジェクタ装置100内の各部に供給する。例えば、受信した映像データを、図2に示した映像処理部130に供給する。また、受信したコントロールデータを、制御部140に供給する。また、受信した音声データを、図示しない音声データ処理部に供給する。プロジェクタ装置100が音声データ処理部を備えない場合には、プロジェクタ装置100は受信した音声データの処理を行わない。
【0028】
また、HDMIケーブル90で伝送されるその他のラインとして、ディスプレイデータチャンネル(DDC)と、CEC(Consumer Electronics Control)ラインとを備え、これらのチャンネルやラインで双方向のデータ伝送が行われる。DDCでは、シンク機器であるプロジェクタ装置100のEDID格納部112に格納されたEDIDを、ソース機器である再生装置200のHDMI処理部233が読み出し、図2に示したEDID検出部232が取得する。また、DDCを使用して、再生装置200のHDMI処理部233とシンク機器(プロジェクタ装置100)のHDMI処理部153との間で、その他のデータのやり取りについても行う。CECラインは、コントロールデータなどの双方向の伝送が行われる。
【0029】
[3.表示サイズを検出する処理]
次に、プロジェクタ装置100が投射する映像のサイズを検出する処理について説明する。
投射映像のサイズを検出するためには、プロジェクタ装置100の投射レンズ110からスクリーン101までの距離と、投射レンズ110の投射角度とが必要である。
プロジェクタ装置100の投射レンズ110からスクリーン101までの距離は、距離センサ部160で検出する。距離センサ部160は、超音波の発信部161での発信タイミングと、受信部162での超音波の受信タイミングとの時間差から、距離検出部163でスクリーン101までの距離を検出する。すなわち、図4(a)に示すように、発信部161から一定周期で超音波を出力させる。そして、図4(b)に示すように、受信部162で超音波が受信されるタイミングまでの時間差T1,T2,・・・,Tn(nは任意の整数)を検出する。
そして、距離検出部163で、検出された各時間差T1,T2,・・・,Tnの平均値Taを算出し、得られた平均値Taを1/2の値とし、その平均値の1/2の値を、超音波の音速から距離Lに換算する。すなわち、次式で投射距離Lを得る。
投射距離L=(平均値Ta×音速)/2
そして、得られた投射距離Lの値を制御部140に供給する。
【0030】
次に、投射レンズ110の投射角度を検出する構成について、図5を参照して説明する。
投射レンズ110は、ズーム位置センサ111を備える。ズーム位置センサ111は、ズーム位置を調整する調整レバーの調整位置を検出する。ズーム位置を調整する調整レバーは、図5に示すように、最小位置Vminと最大位置Vmaxとの間で調整が可能で、現在位置Vに応じた、投射レンズ110の投射角度が設定される。
【0031】
ズーム位置を調整する調整レバーの最小位置Vminは、投射レンズ110の最小投射角度Rminに対応し、最大位置Vmaxは、投射レンズ110の最大投射角度Rmaxに対応する。そして、ズーム位置センサ111で検出される調整レバーの現在位置Vが、現在の投射角度Rに対応する。
したがって、ズーム位置センサ111が検出した調整レバーの現在位置Vを制御部140に供給し、制御部140での換算用の演算処理で、投射角度Rを得る。投射角度Rを得る演算式の例を、次に示す。拡大係数aは、投射レンズ110の特性で決まる一定値である。
投射角度R=拡大係数a×現在位置V×(最大投射角度Rmax−最小投射角度Rmin)/(最大位置Vmax−最小位置Vmin)
そして、制御部140で得られたスクリーン101までの距離Lと、投射角度Rとを使用した演算で、スクリーン101上の投射映像のサイズを得る。例えば、次式の演算を行って、表示画面幅W0を求める。
画面幅W0=投射距離L×tan(投射角度R)/2
なお、画面幅が求まると、表示映像のアスペクト比から画面の高さについても定まる。画面の幅と高さは、例えばミリ(mm)で示したデータとする。
【0032】
[4.電源オンにより表示サイズを取得する処理]
次に、本実施の形態のプロジェクタ装置100が投影する映像の表示サイズを取得する処理について説明する。
プロジェクタ装置100は、プロジェクタ装置100の電源をオフ状態(又はスタンバイ状態)からオン状態に変化させた場合に、投影する映像の表示サイズを取得する処理を行う。また、投影する映像の表示サイズを取得する処理は、プロジェクタ装置100でメニュー画面を表示させて、表示サイズ設定操作を行った場合にも行われる。
【0033】
まず、図6のフローチャートを参照して、電源オンにより表示サイズを取得する場合の処理例を説明する。
プロジェクタ装置100の制御部140は、ユーザによる電源キーの操作やリモートコントローラからの指示の受信などで、電源オフの状態又はスタンバイの状態から電源オンの状態にプロジェクタ装置100が変化したか否かを判断する(ステップS11)。
この判断で、プロジェクタ装置100が電源オンの状態に変化したと判断されたとき、距離センサ部160でスクリーン101までの距離計測を実行させ、計測結果を取得する(ステップS12)。また、ズーム位置センサ111が検出した調整レバーの現在位置を制御部140が取得し、調整レバーの現在位置を投射角度に換算する(ステップS13)。
【0034】
そして、制御部140は、取得したスクリーン101までの距離と投射角度から、スクリーン上での映像の表示サイズを算出する(ステップS14)。制御部140が表示サイズを算出すると、その算出した表示サイズのデータで、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新する(ステップS15)。そして、端子部150に入力した映像データによる映像表示(映像投射)を開始し(ステップS16)、電源オン時の処理を終了する。
【0035】
[5.メニュー操作により表示サイズを取得する処理]
図7のフローチャートは、メニュー画面の操作で表示サイズを取得する処理例である。
本実施の形態のプロジェクタ装置100は、メニュー画面で表示する項目として、「自動表示サイズ設定」の項目と、「手動表示サイズ設定」の項目を用意する。このメニュー画面は、例えばプロジェクタ装置100又はリモートコントローラに用意されたメニューキーが押された際に、スクリーン101に投射する映像に表示される。また、メニュー画面中の各表示項目についても、プロジェクタ装置100又はリモートコントローラに用意されたキー操作で選択される。
【0036】
そして、制御部140は、メニュー画面が表示された状態で、「自動表示サイズ設定」の項目が選択されたか否かを判断する(ステップS21)。ここで、「自動表示サイズ設定」の項目が選択されたと判断した場合には、距離センサ部160でスクリーン101までの距離計測を実行させ、計測結果を取得する(ステップS22)。また、制御部140は、ズーム位置センサ111が検出した調整レバーの現在位置を取得し、調整レバーの現在位置を投射角度に換算する(ステップS23)。
【0037】
そして、取得したスクリーン101までの距離と投射角度から、スクリーン上での映像の表示サイズを算出する(ステップS24)。制御部140が表示サイズを算出すると、その算出した表示サイズのデータで、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新させる(ステップS25)。
【0038】
また、ステップS21で「自動表示サイズ設定」の項目選択でないと判断した場合には、「手動表示サイズ設定」の項目が選択されたか否かを判断する(ステップS26)。ここで、「手動表示サイズ設定」の項目が選択されたと判断した場合には、スクリーン101に投射する映像中に、スクリーンの垂直方向のサイズと水平方向のサイズを入力する項目を表示する(ステップS27)。そして、リモートコントローラなどを使用したユーザ操作で、各項目に数値を入力する。そして、ユーザ操作で入力された表示サイズのデータで、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新させる(ステップS28)。
【0039】
また、ステップS26で「手動表示サイズ設定」の項目選択でないと判断した場合には、ステップS21の判断に戻り、メニュー画面が表示されている間、この判断を繰り返す。
【0040】
[6.EDIDの設定処理]
次に、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新させる構成と処理について説明する。
まず、図8を参照して、EDID格納部152の記憶データを更新させる構成について説明する。
HDMI規格の端子部150は、ケーブル接続ポート151にHDMIケーブル90を接続し、そのケーブル90を介して受信した映像データを映像処理部130に供給する。また、端子部150がHDMIケーブル90を介して受信した制御データを制御部140に供給すると共に、制御部140からの制御データを端子部150からHDMIケーブル90側に送信する。
【0041】
これらの送受信をHDMIケーブル90で行う際には、HDMIケーブル90内のホットプラグ用のラインが所定の電位である必要があり、そのホットプラグ用のラインが、スイッチSW1と抵抗器R1を介して接地されている。
また、端子部150がEDID格納部152の記憶データを読み出すラインが、スイッチSW2を介して接続されており、さらに、EDID格納部152の書き込みデータ供給ラインが、スイッチSW3を介して制御部140に接続されている。
これらの各スイッチSW1,SW2,SW3は、制御部140により開閉が制御されるスイッチであり、端子部150に接続されたHDMIケーブル90で伝送を行う際には、スイッチSW1及びSW2を閉状態とし、スイッチSW3を開状態とする。
【0042】
そして、制御部140がEDID格納部152の記憶データを更新させる際には、ホットプラグ用のラインに接続されたスイッチSW1を開状態として、HDMIケーブル90を介した伝送ができない状態に遮断する。また、EDID格納部152の記憶データの読み出すラインに接続されたスイッチSW2を開状態として読み出しできない状態とし、スイッチSW3を閉状態として、制御部140から更新データをEDID格納部152に供給できるようにする。
【0043】
図9は、この図8の構成でEDID格納部152に表示サイズのデータを書き込む処理を示したフローチャートである。
この図8のフローチャートの処理は、図6のフローチャートのステップS15及び図7のフローチャートのステップS25での表示サイズの書き込み処理に相当する。
まず制御部140は、スイッチSW1を閉状態から開状態とし、ホットプラグをオフとして、HDMIケーブル90での伝送ができない状態とする(ステップS31)。さらに、スイッチSW2を閉状態から開状態とし、端子部150がEDID格納部152内の記憶データを読み出せないように、EDID格納部152の出力側を遮断する(ステップS32)。
【0044】
そして、スイッチSW3を開状態から閉状態とし、EDID格納部152の入力側を接続する(ステップS33)。この状態で、制御部140は、取得した表示サイズのデータをEDID格納部152に供給してメモリに書き込み、ソース機器(再生装置200)に提示する表示サイズを更新する(ステップS34)。
その後、制御部140は、スイッチSW3を閉状態から開状態に戻し(ステップS35)、スイッチSW2を開状態から閉状態に戻す(ステップS36)。この処理が行われることで、端子部150は、EDID格納部152の記憶データが読み出せるようになる。さらに、スイッチSW1を開状態から閉状態として、ホットプラグ用のラインを所定の電位に戻し(ステップS37)、HDMIケーブル90を介した伝送が行える状態に復帰する。
【0045】
このようにしてEDID格納部152が記憶する表示サイズが、プロジェクタ装置100内で実際に検出した映像の表示サイズに更新され、その更新された表示サイズが、HDMIケーブル90を介してソース機器(再生装置200)に伝送される。
【0046】
[7.再生装置での処理]
図10のフローチャートは、再生装置200で表示サイズのデータを読み出した場合の処理例を示した図である。
まず、再生装置200側では、端子部230で検出されるHDMIケーブル90の状態が、ホットプラグがオフの状態からオンの状態に変化したか否かを判断する(ステップS41)。この判断で、ホットプラグがオフの状態のままであると判断した場合には、オンの状態に変化するまで待機する。そして、ホットプラグがオンの状態に変化したことを検出した場合、EDID検出部232は、プロジェクタ装置100のEDID格納部152の記憶データを読み出し、プロジェクタ装置100の表示サイズのデータを取得する(ステップS42)。
【0047】
この取得した表示サイズのデータは、立体映像処理部220に供給される。立体映像処理部220は、再生部210から再生した映像データが、立体視可能な映像データで、プロジェクタ装置100が立体映像の処理可能であることをEDIDのデータから確認すると、対応した立体映像処理を行う(ステップS43)。例えば、EDIDのデータで示された表示サイズに対応した、左眼用映像と右眼用映像との視差を設定する。
この表示サイズに対応した、左眼用映像と右眼用映像との適切な視差を設定する処理は、既に背景技術の欄で図13を参照して説明した処理である。
このようにソース機器である再生装置200は、プロジェクタ装置100で検出したスクリーン101上の映像表示サイズを取得して、立体視用の映像データを生成させる際に、適切な視差を設定できる。これにより表示サイズに依存しない一定の立体感が得られる。
【0048】
[8.変形例]
なお、上述した実施の形態の例では、プロジェクタ装置が備えるスクリーンまでの距離検出部として、超音波の送受信により検出(計測)する検出部とした。これに対して、レーザ光などのその他の信号を利用した距離検出部としてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態の例では、プロジェクタ装置内では、立体視用映像データの左右の視差調整を行わない構成とした。これに対して、算出した表示サイズに応じて、プロジェクタ装置内で左眼用映像と右眼用映像の視差を調整する構成としてもよい。
【0050】
また、算出した画面サイズとは別の要因で、プロジェクタ装置内で左眼用映像と右眼用映像の視差を調整してもよい。
例えば図11に示すように、プロジェクタ装置100とは別に、立体視聴用の眼鏡300又はリモートコントローラ400が用意される。眼鏡300は、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタを、プロジェクタ装置100での左眼用映像の表示と右眼用映像の表示に同期して開閉させて、装着者に映像を立体視させるものである。
【0051】
図11の例では、眼鏡300やリモートコントローラ400に、超音波の発信部を設ける。そして、眼鏡300からスクリーン101に向けて発信された超音波U2の反射波を、プロジェクタ装置100の距離センサ部160の受信部162で受信する。あるいは、リモートコントローラ400からスクリーン101に向けて発信された超音波U3の反射波を、プロジェクタ装置100の距離センサ部160の受信部162で受信する。各超音波U2,U3は、スクリーン101の反射波ではなく、それぞれの機器300,400から直接受信部162が受信する構成でもよい。
【0052】
そして、制御部140は、受信部162で受信した各超音波U2,U3に基づいて、眼鏡300を装着したユーザや、リモートコントローラ400を操作したユーザの視聴位置を推定する。そしてプロジェクタ装置内の制御部140は、推定した視聴位置が、立体視する標準的な視聴位置に近い位置か、それよりも手前側又は奥側かを判断して、左右の映像の視差を調整する。
なお、図11に示したプロジェクタ装置100は、距離センサ部160の受信部162で外部機器の超音波信号を受信して、距離を判断する構成以外は、図2に示したプロジェクタ装置100と同じ構成である。
【0053】
図12は、この外部機器の超音波信号を受信して、プロジェクタ装置100内で、左右の映像の視差を調整する処理例を示したフローチャートである。
まず、制御部140は、受信部162で外部機器(眼鏡300又はリモートコントローラ400)からの超音波信号を受信したか否かを判断する(ステップS51)。そして、その受信したタイミングから外部機器とスクリーン101との距離を測定(推測)する(ステップS52)。なお、スクリーン101とプロジェクタ装置100の距離は既に説明した処理で取得されており、そのスクリーン101とプロジェクタ装置100の距離と、外部機器とプロジェクタ装置100の距離との差から、外部機器とスクリーン101との距離が得られる。
【0054】
そして、取得した外部機器とスクリーン101との距離が、適正な視聴位置か、あるいは標準的な視聴位置よりもスクリーンから遠い位置か、それとも現在設定されている標準的な視聴位置よりもスクリーンに近い位置であるかを判断する(ステップS53)。
この判断で、ほぼ適正な視聴位置であると判断した場合には、端子部150に入力した映像データを、そのままの視差で投射表示する。
また、現在設定されている標準的な視聴位置よりもスクリーンから遠い位置であると判断した場合には、左眼用映像と右眼用映像との視差を広げて、立体効果を強くする強調処理を行い、その強調処理した映像と投射表示する。
さらに、現在設定されている標準的な視聴位置よりもスクリーンに近い位置であると判断した場合には、左眼用映像と右眼用映像との視差を狭くして、立体効果を弱くする処理を行い、その弱め処理を行った映像と投射表示する。
【0055】
このようにして、投射映像を鑑賞するユーザの位置に応じて視差の強調処理又は弱め処理を行うことで、どの位置にユーザがいる場合でも、適正な立体感の映像を表示できる。
【0056】
また、上述した実施の形態の例で説明したEDID格納部を構成するメモリは、上述した実施の形態ではEEPROMを使用したが、他の構成の不揮発性メモリを使用してもよい。
例えば、EDID格納部を構成するメモリとして、フラッシュメモリ、NVRAM、FeRAM、MRAMなどと称される、不揮発性の各種メモリを使用してもよい。EEPROMやフラッシュメモリは、電気的に記憶データの書き換えが可能な不揮発性メモリである。NVRAM(Non Volatile RAM)は、メモリバックアップ用の電池を備えた不揮発性のメモリである。FeRAM(Ferroelectric RAM/強誘電体メモリ)は、記憶素子に強誘電体を利用した不揮発性メモリであり、MRAM(MagnetoresistiveRAM/磁気抵抗メモリ)は、記憶素子に磁性体を利用した不揮発性メモリである。
また、EDID格納部として、図1に示した構成では、専用のメモリを使用した例としたが、映像表示装置が備える他の不揮発性のメモリの一部の記憶領域を使用して、EDID格納部を構成してもよい。
【0057】
また、上述した実施の形態の例では、映像入力用の端子として、HDMI規格のインターフェースの端子としたが、その他の規格の端子部としてもよい。他のインターフェースの端子部の場合、それぞれのインターフェースで用意された、入力可能な映像データのフォーマットや形式などを示すデータに適用可能である。
例えば、DVI(Digital Visual Interface)規格、ディスプレイポート(DisplayPort)規格、D−sub(D-subminiature)規格を適用してもよい。これらの規格では、自機の表示能力に関するデータとして、EDID(又はその他の名称の同様のデータ)が用意され、これらのデータの表示サイズの項目を、検出した表示サイズに応じて設定することで対応が可能である。
【0058】
また、上述した実施の形態の例では、EDIDのデータで示した表示サイズを、立体視する際の視差などを設定する場合の処理に適用したが、立体用映像でない、通常の2D表示用の映像データを処理する場合に、EDIDなどのデータによる表示サイズを適用してもよい。例えば、ソース機器から出力する映像データの解像度やフレームレートなどの詳細を、表示サイズに応じて適切な値に設定して、その設定された解像度などの映像データをシンク機器(プロジェクタ装置)に供給して表示させてもよい。
【0059】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
【0060】
(1)ソース機器が出力した映像データが入力され、自機の表示能力に関するデータを前記ソース機器に伝送する端子部と、
前記端子部に入力された映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射する映像投射処理部と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出部と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出部と、
前記距離検出部が検出した距離と前記投射角度検出部が検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出し、算出した表示サイズを、前記自機の表示能力に関するデータとして前記端子部から前記ソース機器に伝送する制御部とを備える
プロジェクタ装置。
【0061】
(2)前記端子部がソース機器に伝送する表示能力に関するデータを格納するデータ格納部を備え、
前記制御部が算出した表示サイズを、前記データ格納部に格納する
前記(1)記載のプロジェクタ装置。
【0062】
(3)当該プロジェクタ装置の電源投入操作又は表示サイズを更新する操作があった際に、前記制御部が表示サイズを算出し、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを、算出した表示サイズに更新する
前記(1)又は(2)記載のプロジェクタ装置。
【0063】
(4)前記制御部は、前記端子部を介した前記ソース機器とのデータ伝送が行えない無効化処理を行った状態で、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを更新し、更新後に前記無効化を解除する
前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【0064】
(5)前記端子部が入力した映像データは、立体視用映像データを構成する右眼用映像と左眼用映像とが交互又は個別に供給される映像データであり、
前記映像投射処理部は、前記右眼用映像と左眼用映像とを所定の周期で交互に表示面に投射する
前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【0065】
(6)前記制御部は、前記表示面に投射された映像を視るユーザの位置と、前記表示面との距離を推測し、
その推測した距離により、前記端子部に入力した映像データの前記右眼用映像と前記左眼用映像の視差の調整を行う
前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【0066】
(7)端子部にソース機器から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射して映像を表示する表示処理と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出処理と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出処理と、
前記距離検出処理で検出した距離と前記投射角度検出処理で検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する表示サイズ算出処理と、
前記表示サイズ算出処理で得た表示サイズを前記ソース機器に伝送する伝送処理とを実行する
映像表示方法。
【符号の説明】
【0067】
1a,1b…スクリーン、90…HDMIケーブル、100…プロジェクタ装置、110…投射レンズ、111…ズーム位置センサ、120…映像投射処理部、130…映像処理部、140…制御部、141…メモリ、150…端子部、151…ケーブル接続ポート、152…EDID格納部、153…HDMI処理部、160…距離センサ部、161…発信部、162…受信部、163…距離検出部、200…再生装置、210…再生部、220…立体映像処理部、230…端子部、231…ケーブル接続ポート、232…EDID検出部、233…HDMI処理部、300…眼鏡、400…リモートコントローラ
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像をスクリーンなどに投射するプロジェクタ装置及びそのプロジェクタ装置に適用される映像表示方法に関し、特に立体映像を表示させる場合に適用される技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーンに映像を投射(投影)して、そのスクリーンを見ているユーザに三次元映像(立体映像)を認識させるプロジェクタ装置がある。このプロジェクタ装置は、スクリーンに左眼用の映像と右眼用の映像とを所定の周期(例えばフィールド周期)で交互に表示する。そして、このように表示された映像を、映像の表示周期に同期して開閉制御される液晶シャッタ眼鏡等の立体映像観察用眼鏡を通して鑑賞する。
【0003】
ところで、スクリーンに表示される立体映像の三次元的な見え方は、スクリーンに表示される映像のサイズにより変化する。図13は、スクリーンに表示される映像のサイズで、立体効果が異なる点を説明した図である。
例えば、図13(a)に示すように、比較的小さなサイズのスクリーン1aに投射した映像中の、右眼用表示物XRと左眼用表示物XLとの視差差をW1としたとき、観察者には、スクリーン1aよりも距離Y1だけ手前に、表示物XL,XRが飛び出して見える。
【0004】
これに対して、図13(b)に示すように、スクリーン1aよりも大きなスクリーン1bに同じ内容の映像をそのまま拡大して表示すると、右眼用表示物XRと左眼用表示物XLとの視差差はW1よりも広いW2となる。このため、スクリーン1bの場合には、表示物XL,XRが飛び出して見える距離Y2が、小さなスクリーンの場合の距離Y1よりも長くなる。
この距離Y1と距離Y2の差ΔYを補正するためには、図13(c)に示すように、スクリーン1b上の右眼用表示物XRと左眼用表示物XLとの視差差を小さな視差差W1に補正する必要がある。スクリーン1b上の視差差をW2からW1に補正することで、表示物XL,XRが飛び出して見える距離を、図13(a)の場合と同じ距離Y1に設定できる。
【0005】
特許文献1には、観察者が装着した液晶シャッタ眼鏡を使用して、プロジェクタ装置が投影した映像を立体視するシステムについての記載がある。
また、特許文献2には、ゲーム機などで立体視を行う映像データを生成させる際に、そのゲーム機と接続した表示装置から表示能力のデータを取得して、表示能力に適した立体視用の映像データを生成させる点についての記載がある。この特許文献2では、表示能力のデータとして、EDID(Extended display identification data)と称されるデータを使用した例についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−9299号公報
【特許文献2】特開2010−258609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、プロジェクタ装置を使用して立体映像を表示する際には、スクリーンとプロジェクタ装置との距離に応じた視差差を設定することが好ましい。
すなわち、液晶表示パネルなどのサイズが一定の映像を表示する映像表示装置の場合には、その装置が備える表示パネルのサイズに対して適切な視差差を設定して、適切な立体感を得ている。一方、映像を投影するプロジェクタ装置の場合には、使用環境により画面サイズが異なるため、固定的に視差差を決めるのは好ましくない。特に、投射用レンズとしてズームレンズを備えたプロジェクタ装置の場合には、プロジェクタ装置からスクリーンまでの投射距離が同じであっても、ズームレンズの調整で表示映像のサイズを調整可能であり、視差差を固定的な条件で決めるのは好ましくない。
【0008】
本開示は、プロジェクタ装置で立体映像の投射を行う場合に、適切な視差を設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のプロジェクタ装置は、ソース機器が出力した映像データが入力され、自機の表示能力に関するデータをソース機器に伝送する端子部を備え、その端子部に入力した映像データによる投射映像を投射レンズにより投射する映像投射処理部を備える。
さらに、投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出部と、投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出部とを備える。そして、検出した表示面までの距離と投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出し、算出した表示サイズを、自機の表示能力に関するデータとして端子部からソース機器に伝送する制御を行う制御部を備える。
【0010】
また本開示の映像表示方法は、端子部にソース機器から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射して映像を表示する表示処理を行う。そして、投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出処理と、投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出処理を行う。さらに、距離検出処理で検出した距離と投射角度検出処理で検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する表示サイズ算出処理を行い、表示サイズ算出処理で得た表示サイズをソース機器に伝送する伝送処理を実行する。
【0011】
本開示によると、投射レンズを使用して投射する映像の表示サイズが算出され、算出された表示サイズを、ソース機器に伝えることができる。したがって、ソース機器では、映像データを生成させる際に、表示サイズに対応した処理が可能になり、表示サイズに対応した良好な映像表示が行える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によると、投射映像の表示サイズを得ることができる。したがって、取得した表示サイズを、映像のソース機器側に伝えることが可能になり、ソース機器で表示サイズに対応した映像処理が行われた映像データを端子部が受信して、投射することができる。例えば、立体視用映像を表示する場合、左眼用映像と右眼用映像との視差が、実際の表示サイズに適合した視差に調整された映像を表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示明の一実施の形態による映像投影システムの例を示す説明図である。
【図2】本開示の一実施の形態によるプロジェクタ装置と再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本開示の一実施の形態によるHDMIケーブルで送信する側と受信する側の構成例を示すブロック図である。
【図4】本開示の一実施の形態による投射距離測定例を示す波形図である。
【図5】本開示の一実施の形態による投射角度測定例を示す説明図である。
【図6】本開示の一実施の形態による電源オン時の処理例を示すフローチャートである。
【図7】本開示の一実施の形態によるメニュー操作による表示サイズ設定の処理例を示すフローチャートである。
【図8】本開示の一実施の形態によるプロジェクタ装置のEDID格納部を更新するための構成例を示す説明図である。
【図9】本開示の一実施の形態による表示サイズの更新処理例を示すフローチャートである。
【図10】本開示の一実施の形態による再生装置での処理例を示すフローチャートである。
【図11】本開示の他の実施の形態によるプロジェクタ装置と再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】本開示の他の実施の形態によるプロジェクタ装置での視差調整例を示すフローチャートである。
【図13】立体映像表示時の表示サイズと視差との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の一実施の形態の例を、以下の順序で説明する。
1.プロジェクタ装置と再生装置の構成(図1,図2)
2.HDMIケーブルで送受信する構成(図3)
3.表示サイズを検出する処理(図4,図5)
4.電源オンにより表示サイズを取得する処理(図6)
5.メニュー操作により表示サイズを取得する処理(図7)
6.EDIDの設定処理(図8,図9)
7.再生装置での処理(図10)
8.変形例(図11,図12)
【0015】
[1.プロジェクタ装置と再生装置の構成]
図1は、本開示の一実施の形態の例のプロジェクタ装置と再生装置によるシステム構成を示した図である。
プロジェクタ装置100は、投射レンズ110を使用してスクリーン101に映像を投射する装置である。このプロジェクタ装置100は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格の端子部を備え、HDMIケーブル90を使用して再生装置200と接続される。そして、再生装置200でディスクなどを再生して得た映像データを、HDMIケーブル90でプロジェクタ装置100に伝送し、プロジェクタ装置100でスクリーン101に映像の投影を行う。
なお、HDMI規格は、デジタル映像・音声入出力インターフェース規格であり、映像データや音声データを伝送すると共に、各種制御データなどを双方向に伝送することが可能である。HDMI規格では、映像及び音声の出力側の機器をソース機器と称し、映像及び音声の入力側の機器をシンク機器と称する。また、HDMI規格でシンク機器がソース機器に伝送するデータの1つとして、シンク機器(表示装置)が備える表示能力についてのデータ(後述するEDID)を有する。
【0016】
本実施の形態の例では、プロジェクタ装置100と再生装置200は、それぞれ立体映像の処理が行える。すなわち、再生装置200で左眼用映像と右眼用映像とで構成される3D映像データを再生し、再生した3D映像データをプロジェクタ装置100に伝送する。
すなわち、立体視用映像データの場合、再生装置200からHDMIケーブル90を使用して、右眼用映像と左眼用映像とを1フレーム周期で交互又は個別にプロジェクタ装置100に供給する。
プロジェクタ装置100は、3D映像データが入力した場合、左眼用映像と右眼用映像とを1フレーム周期で交互にスクリーン101に投影する。そして、3D表示用眼鏡(図示せず)が備える左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタを、映像の表示タイミングに同期して、1フレームごとに交互に開閉させる。このようにすることで、3D表示用眼鏡を装着したユーザがスクリーン101を見ることで、表示映像を立体視することができる。
なお、映像を立体視する方式には種々の方式があり、液晶シャッタによる眼鏡を使用するのは1つの例であり、その他の方式を適用して立体視するプロジェクタ装置でもよい。
【0017】
図1に示すように、プロジェクタ装置100は、投射レンズ110でスクリーン101に映像を投射するが、本実施の形態の例では、投射レンズ110としてズームレンズを使用する。したがって、投射レンズ110による投射角度Rの調整で、スクリーン101への映像の投射サイズ、つまりスクリーン101上の映像表示サイズを可変設定できる。また、プロジェクタ装置100は、距離センサ部160を備えて、プロジェクタ装置100からスクリーン101までの距離を検出する。距離センサ部160は、超音波U1を発信し、スクリーン101で反射した超音波U1を受信して、距離を検出する。この距離を検出する具体的な処理については後述する。
【0018】
次に、図2を参照して、プロジェクタ装置100と再生装置200の内部構成について説明する。
再生装置200は、ディスクなどを再生する再生部210を備え、再生部210で再生して得た映像データを、立体映像処理部220に供給する。立体映像処理部220は、再生部210で再生した映像データが立体視用の映像データである場合に、立体視に関する処理を行う。具体的には、左眼用映像と右眼用映像との視差の調整を行う。
そして、立体映像処理部220で調整された映像データを、端子部230に供給する。端子部230は、HDMI規格の端子であり、ケーブル接続ポート231にHDMIケーブル90を接続する。
【0019】
また、端子部230にはEDID検出部232が接続してあり、シンク機器側のEDID格納部に格納されたEDID(Extended display identification data)のデータを、EDID検出部232が検出する。このEDIDのデータは、シンク機器の映像表示能力に関するデータである。例えばシンク機器での映像表示解像度や、シンク機器が入力可能な映像フォーマットなどが示される。また、このEDIDのデータは、シンク機器が映像を表示する表示サイズのデータを含む。
このEDIDのデータをEDID検出部232が検出して、立体映像の表示が可能なシンク機器が接続されていると確認した場合に、再生部210で立体視用の映像データを再生して、立体映像処理部220で立体視に関する処理を行う。また、EDIDのデータに含まれる表示サイズをEDID検出部232が検出し、再生部210や立体映像処理部220で、表示サイズに適した映像データとする処理を行う。
【0020】
次に、プロジェクタ装置100の構成を説明する。
プロジェクタ装置100は、HDMI規格の端子部150を備え、ケーブル接続ポート151にHDMIケーブル90を接続する。端子部150はEDID格納部152を備える。EDID格納部152は、プロジェクタ装置100の映像表示能力に関するデータを記憶するメモリで、例えば電気的に記憶データの書き換えが可能なメモリを使用する。このようなメモリとしては、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)がある。
EDID格納部152が記憶する映像表示能力に関するデータの1つに、映像の表示サイズのデータがある。この映像の表示サイズのデータは、制御部140の制御で更新される。
【0021】
端子部150がHDMIケーブル90を介して映像データを受信したとき、その受信した映像データを映像処理部130に供給し、表示用の映像データ処理を行う。そして、映像処理部130で処理された映像データを映像投射処理部120に供給する。映像投射処理部120は、例えば映像を表示する表示パネルと、その表示パネルに表示された映像に光源からの光を透過させる光学系機構を備える。そして、表示パネルを透過した光を、投射レンズ110に入射させ、投射レンズ110でスクリーン101に映像を投射する。
【0022】
本実施の形態の投射レンズ110はズームレンズであり、ズーム位置センサ111を備え、ズーム位置を検出する。ズーム位置センサ111は、投射角度検出部を構成するセンサであり、ズーム位置センサ111が検出したズーム位置のデータを、投射角度Rに対応したレンズ位置のデータとし制御部140に供給する。なお、投射レンズ110のズーム位置調整は、モータにより駆動される電動式と、ユーザが手動でズーム位置を操作する手動式のいずれの構成でもよい。
【0023】
また、プロジェクタ装置100は、距離センサ部160を備え、プロジェクタ装置100から、投射レンズ110で映像を投射するスクリーン101までの距離を検出する。
すなわち、距離センサ部160は、超音波を発信する発信部161と、超音波を受信する受信部162とを備え、発信部161での発信タイミングと受信部162での受信タイミングとの時間差から、距離検出部163でスクリーン101までの距離を検出する。そして、距離センサ部160で検出されたスクリーン101までの距離のデータを、制御部140に供給する。
【0024】
制御部140は、距離センサ部160で検出されたスクリーン101までの距離のデータと、ズーム位置センサ111が検出したズーム位置のデータとに基づいて、スクリーン101に投射された映像のサイズを算出する。この算出処理は、予め用意された演算式に距離のデータとズーム位置のデータを代入して行われる。
制御部140で映像サイズのデータが算出されると、この算出された映像サイズのデータは、端子部150が備えるEDID格納部152内の映像サイズのデータの欄に書き込まれ、EDID格納部152内の映像サイズのデータが更新される。このEDID格納部152内の映像サイズのデータの更新処理を行うタイミングについては後述する。
【0025】
[2.HDMIケーブルで送受信する構成]
次に、プロジェクタ装置100の映像データ入力部である、端子部150にHDMIケーブル90を接続した場合の、相手側の機器である再生装置200との伝送手順を、図3を参照して説明する。先に説明したように、HDMIケーブル90で機器接続を行う場合、映像データの出力側の機器をソース機器と称し、映像データの入力側の機器をシンク機器と称する。
プロジェクタ装置100はシンク機器であり、図3では、ソース機器である再生装置200と、プロジェクタ装置100の端子部150とを、HDMIケーブル90で接続した場合の例を示す。また図3ではデータの伝送チャンネルを示し、ケーブル接続ポートは省略している。
【0026】
再生装置200は、ソース信号処理部である再生部210と立体映像処理部220とを備え、立体映像処理部220が出力する映像データ、音声データ及びコントロールデータを、端子部230内のHDMI処理部233に供給する。HDMI処理部233は、映像データ、音声データ及びコントロールデータを、TMDSチャンネル0,1,2の3つのチャンネルに分割して配置し、各チャンネルのデータを出力する。TMDSは、Transition Minimized Differential Signalingの略である。また、クロックをTMDSクロックチャンネルに配置して出力する。各チャンネルは、HDMIケーブル90の個別のラインで伝送される。
【0027】
再生装置200のTMDSチャンネル0,1,2とTMDSクロックチャンネルのデータは、シンク機器であるプロジェクタ装置100の端子部150内のHDMI処理部153で受信し、映像データと音声データとコントロールデータとに分離する。分離した映像データと音声データとコントロールデータとを、プロジェクタ装置100内の各部に供給する。例えば、受信した映像データを、図2に示した映像処理部130に供給する。また、受信したコントロールデータを、制御部140に供給する。また、受信した音声データを、図示しない音声データ処理部に供給する。プロジェクタ装置100が音声データ処理部を備えない場合には、プロジェクタ装置100は受信した音声データの処理を行わない。
【0028】
また、HDMIケーブル90で伝送されるその他のラインとして、ディスプレイデータチャンネル(DDC)と、CEC(Consumer Electronics Control)ラインとを備え、これらのチャンネルやラインで双方向のデータ伝送が行われる。DDCでは、シンク機器であるプロジェクタ装置100のEDID格納部112に格納されたEDIDを、ソース機器である再生装置200のHDMI処理部233が読み出し、図2に示したEDID検出部232が取得する。また、DDCを使用して、再生装置200のHDMI処理部233とシンク機器(プロジェクタ装置100)のHDMI処理部153との間で、その他のデータのやり取りについても行う。CECラインは、コントロールデータなどの双方向の伝送が行われる。
【0029】
[3.表示サイズを検出する処理]
次に、プロジェクタ装置100が投射する映像のサイズを検出する処理について説明する。
投射映像のサイズを検出するためには、プロジェクタ装置100の投射レンズ110からスクリーン101までの距離と、投射レンズ110の投射角度とが必要である。
プロジェクタ装置100の投射レンズ110からスクリーン101までの距離は、距離センサ部160で検出する。距離センサ部160は、超音波の発信部161での発信タイミングと、受信部162での超音波の受信タイミングとの時間差から、距離検出部163でスクリーン101までの距離を検出する。すなわち、図4(a)に示すように、発信部161から一定周期で超音波を出力させる。そして、図4(b)に示すように、受信部162で超音波が受信されるタイミングまでの時間差T1,T2,・・・,Tn(nは任意の整数)を検出する。
そして、距離検出部163で、検出された各時間差T1,T2,・・・,Tnの平均値Taを算出し、得られた平均値Taを1/2の値とし、その平均値の1/2の値を、超音波の音速から距離Lに換算する。すなわち、次式で投射距離Lを得る。
投射距離L=(平均値Ta×音速)/2
そして、得られた投射距離Lの値を制御部140に供給する。
【0030】
次に、投射レンズ110の投射角度を検出する構成について、図5を参照して説明する。
投射レンズ110は、ズーム位置センサ111を備える。ズーム位置センサ111は、ズーム位置を調整する調整レバーの調整位置を検出する。ズーム位置を調整する調整レバーは、図5に示すように、最小位置Vminと最大位置Vmaxとの間で調整が可能で、現在位置Vに応じた、投射レンズ110の投射角度が設定される。
【0031】
ズーム位置を調整する調整レバーの最小位置Vminは、投射レンズ110の最小投射角度Rminに対応し、最大位置Vmaxは、投射レンズ110の最大投射角度Rmaxに対応する。そして、ズーム位置センサ111で検出される調整レバーの現在位置Vが、現在の投射角度Rに対応する。
したがって、ズーム位置センサ111が検出した調整レバーの現在位置Vを制御部140に供給し、制御部140での換算用の演算処理で、投射角度Rを得る。投射角度Rを得る演算式の例を、次に示す。拡大係数aは、投射レンズ110の特性で決まる一定値である。
投射角度R=拡大係数a×現在位置V×(最大投射角度Rmax−最小投射角度Rmin)/(最大位置Vmax−最小位置Vmin)
そして、制御部140で得られたスクリーン101までの距離Lと、投射角度Rとを使用した演算で、スクリーン101上の投射映像のサイズを得る。例えば、次式の演算を行って、表示画面幅W0を求める。
画面幅W0=投射距離L×tan(投射角度R)/2
なお、画面幅が求まると、表示映像のアスペクト比から画面の高さについても定まる。画面の幅と高さは、例えばミリ(mm)で示したデータとする。
【0032】
[4.電源オンにより表示サイズを取得する処理]
次に、本実施の形態のプロジェクタ装置100が投影する映像の表示サイズを取得する処理について説明する。
プロジェクタ装置100は、プロジェクタ装置100の電源をオフ状態(又はスタンバイ状態)からオン状態に変化させた場合に、投影する映像の表示サイズを取得する処理を行う。また、投影する映像の表示サイズを取得する処理は、プロジェクタ装置100でメニュー画面を表示させて、表示サイズ設定操作を行った場合にも行われる。
【0033】
まず、図6のフローチャートを参照して、電源オンにより表示サイズを取得する場合の処理例を説明する。
プロジェクタ装置100の制御部140は、ユーザによる電源キーの操作やリモートコントローラからの指示の受信などで、電源オフの状態又はスタンバイの状態から電源オンの状態にプロジェクタ装置100が変化したか否かを判断する(ステップS11)。
この判断で、プロジェクタ装置100が電源オンの状態に変化したと判断されたとき、距離センサ部160でスクリーン101までの距離計測を実行させ、計測結果を取得する(ステップS12)。また、ズーム位置センサ111が検出した調整レバーの現在位置を制御部140が取得し、調整レバーの現在位置を投射角度に換算する(ステップS13)。
【0034】
そして、制御部140は、取得したスクリーン101までの距離と投射角度から、スクリーン上での映像の表示サイズを算出する(ステップS14)。制御部140が表示サイズを算出すると、その算出した表示サイズのデータで、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新する(ステップS15)。そして、端子部150に入力した映像データによる映像表示(映像投射)を開始し(ステップS16)、電源オン時の処理を終了する。
【0035】
[5.メニュー操作により表示サイズを取得する処理]
図7のフローチャートは、メニュー画面の操作で表示サイズを取得する処理例である。
本実施の形態のプロジェクタ装置100は、メニュー画面で表示する項目として、「自動表示サイズ設定」の項目と、「手動表示サイズ設定」の項目を用意する。このメニュー画面は、例えばプロジェクタ装置100又はリモートコントローラに用意されたメニューキーが押された際に、スクリーン101に投射する映像に表示される。また、メニュー画面中の各表示項目についても、プロジェクタ装置100又はリモートコントローラに用意されたキー操作で選択される。
【0036】
そして、制御部140は、メニュー画面が表示された状態で、「自動表示サイズ設定」の項目が選択されたか否かを判断する(ステップS21)。ここで、「自動表示サイズ設定」の項目が選択されたと判断した場合には、距離センサ部160でスクリーン101までの距離計測を実行させ、計測結果を取得する(ステップS22)。また、制御部140は、ズーム位置センサ111が検出した調整レバーの現在位置を取得し、調整レバーの現在位置を投射角度に換算する(ステップS23)。
【0037】
そして、取得したスクリーン101までの距離と投射角度から、スクリーン上での映像の表示サイズを算出する(ステップS24)。制御部140が表示サイズを算出すると、その算出した表示サイズのデータで、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新させる(ステップS25)。
【0038】
また、ステップS21で「自動表示サイズ設定」の項目選択でないと判断した場合には、「手動表示サイズ設定」の項目が選択されたか否かを判断する(ステップS26)。ここで、「手動表示サイズ設定」の項目が選択されたと判断した場合には、スクリーン101に投射する映像中に、スクリーンの垂直方向のサイズと水平方向のサイズを入力する項目を表示する(ステップS27)。そして、リモートコントローラなどを使用したユーザ操作で、各項目に数値を入力する。そして、ユーザ操作で入力された表示サイズのデータで、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新させる(ステップS28)。
【0039】
また、ステップS26で「手動表示サイズ設定」の項目選択でないと判断した場合には、ステップS21の判断に戻り、メニュー画面が表示されている間、この判断を繰り返す。
【0040】
[6.EDIDの設定処理]
次に、EDID格納部152内の表示サイズのデータを更新させる構成と処理について説明する。
まず、図8を参照して、EDID格納部152の記憶データを更新させる構成について説明する。
HDMI規格の端子部150は、ケーブル接続ポート151にHDMIケーブル90を接続し、そのケーブル90を介して受信した映像データを映像処理部130に供給する。また、端子部150がHDMIケーブル90を介して受信した制御データを制御部140に供給すると共に、制御部140からの制御データを端子部150からHDMIケーブル90側に送信する。
【0041】
これらの送受信をHDMIケーブル90で行う際には、HDMIケーブル90内のホットプラグ用のラインが所定の電位である必要があり、そのホットプラグ用のラインが、スイッチSW1と抵抗器R1を介して接地されている。
また、端子部150がEDID格納部152の記憶データを読み出すラインが、スイッチSW2を介して接続されており、さらに、EDID格納部152の書き込みデータ供給ラインが、スイッチSW3を介して制御部140に接続されている。
これらの各スイッチSW1,SW2,SW3は、制御部140により開閉が制御されるスイッチであり、端子部150に接続されたHDMIケーブル90で伝送を行う際には、スイッチSW1及びSW2を閉状態とし、スイッチSW3を開状態とする。
【0042】
そして、制御部140がEDID格納部152の記憶データを更新させる際には、ホットプラグ用のラインに接続されたスイッチSW1を開状態として、HDMIケーブル90を介した伝送ができない状態に遮断する。また、EDID格納部152の記憶データの読み出すラインに接続されたスイッチSW2を開状態として読み出しできない状態とし、スイッチSW3を閉状態として、制御部140から更新データをEDID格納部152に供給できるようにする。
【0043】
図9は、この図8の構成でEDID格納部152に表示サイズのデータを書き込む処理を示したフローチャートである。
この図8のフローチャートの処理は、図6のフローチャートのステップS15及び図7のフローチャートのステップS25での表示サイズの書き込み処理に相当する。
まず制御部140は、スイッチSW1を閉状態から開状態とし、ホットプラグをオフとして、HDMIケーブル90での伝送ができない状態とする(ステップS31)。さらに、スイッチSW2を閉状態から開状態とし、端子部150がEDID格納部152内の記憶データを読み出せないように、EDID格納部152の出力側を遮断する(ステップS32)。
【0044】
そして、スイッチSW3を開状態から閉状態とし、EDID格納部152の入力側を接続する(ステップS33)。この状態で、制御部140は、取得した表示サイズのデータをEDID格納部152に供給してメモリに書き込み、ソース機器(再生装置200)に提示する表示サイズを更新する(ステップS34)。
その後、制御部140は、スイッチSW3を閉状態から開状態に戻し(ステップS35)、スイッチSW2を開状態から閉状態に戻す(ステップS36)。この処理が行われることで、端子部150は、EDID格納部152の記憶データが読み出せるようになる。さらに、スイッチSW1を開状態から閉状態として、ホットプラグ用のラインを所定の電位に戻し(ステップS37)、HDMIケーブル90を介した伝送が行える状態に復帰する。
【0045】
このようにしてEDID格納部152が記憶する表示サイズが、プロジェクタ装置100内で実際に検出した映像の表示サイズに更新され、その更新された表示サイズが、HDMIケーブル90を介してソース機器(再生装置200)に伝送される。
【0046】
[7.再生装置での処理]
図10のフローチャートは、再生装置200で表示サイズのデータを読み出した場合の処理例を示した図である。
まず、再生装置200側では、端子部230で検出されるHDMIケーブル90の状態が、ホットプラグがオフの状態からオンの状態に変化したか否かを判断する(ステップS41)。この判断で、ホットプラグがオフの状態のままであると判断した場合には、オンの状態に変化するまで待機する。そして、ホットプラグがオンの状態に変化したことを検出した場合、EDID検出部232は、プロジェクタ装置100のEDID格納部152の記憶データを読み出し、プロジェクタ装置100の表示サイズのデータを取得する(ステップS42)。
【0047】
この取得した表示サイズのデータは、立体映像処理部220に供給される。立体映像処理部220は、再生部210から再生した映像データが、立体視可能な映像データで、プロジェクタ装置100が立体映像の処理可能であることをEDIDのデータから確認すると、対応した立体映像処理を行う(ステップS43)。例えば、EDIDのデータで示された表示サイズに対応した、左眼用映像と右眼用映像との視差を設定する。
この表示サイズに対応した、左眼用映像と右眼用映像との適切な視差を設定する処理は、既に背景技術の欄で図13を参照して説明した処理である。
このようにソース機器である再生装置200は、プロジェクタ装置100で検出したスクリーン101上の映像表示サイズを取得して、立体視用の映像データを生成させる際に、適切な視差を設定できる。これにより表示サイズに依存しない一定の立体感が得られる。
【0048】
[8.変形例]
なお、上述した実施の形態の例では、プロジェクタ装置が備えるスクリーンまでの距離検出部として、超音波の送受信により検出(計測)する検出部とした。これに対して、レーザ光などのその他の信号を利用した距離検出部としてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態の例では、プロジェクタ装置内では、立体視用映像データの左右の視差調整を行わない構成とした。これに対して、算出した表示サイズに応じて、プロジェクタ装置内で左眼用映像と右眼用映像の視差を調整する構成としてもよい。
【0050】
また、算出した画面サイズとは別の要因で、プロジェクタ装置内で左眼用映像と右眼用映像の視差を調整してもよい。
例えば図11に示すように、プロジェクタ装置100とは別に、立体視聴用の眼鏡300又はリモートコントローラ400が用意される。眼鏡300は、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタを、プロジェクタ装置100での左眼用映像の表示と右眼用映像の表示に同期して開閉させて、装着者に映像を立体視させるものである。
【0051】
図11の例では、眼鏡300やリモートコントローラ400に、超音波の発信部を設ける。そして、眼鏡300からスクリーン101に向けて発信された超音波U2の反射波を、プロジェクタ装置100の距離センサ部160の受信部162で受信する。あるいは、リモートコントローラ400からスクリーン101に向けて発信された超音波U3の反射波を、プロジェクタ装置100の距離センサ部160の受信部162で受信する。各超音波U2,U3は、スクリーン101の反射波ではなく、それぞれの機器300,400から直接受信部162が受信する構成でもよい。
【0052】
そして、制御部140は、受信部162で受信した各超音波U2,U3に基づいて、眼鏡300を装着したユーザや、リモートコントローラ400を操作したユーザの視聴位置を推定する。そしてプロジェクタ装置内の制御部140は、推定した視聴位置が、立体視する標準的な視聴位置に近い位置か、それよりも手前側又は奥側かを判断して、左右の映像の視差を調整する。
なお、図11に示したプロジェクタ装置100は、距離センサ部160の受信部162で外部機器の超音波信号を受信して、距離を判断する構成以外は、図2に示したプロジェクタ装置100と同じ構成である。
【0053】
図12は、この外部機器の超音波信号を受信して、プロジェクタ装置100内で、左右の映像の視差を調整する処理例を示したフローチャートである。
まず、制御部140は、受信部162で外部機器(眼鏡300又はリモートコントローラ400)からの超音波信号を受信したか否かを判断する(ステップS51)。そして、その受信したタイミングから外部機器とスクリーン101との距離を測定(推測)する(ステップS52)。なお、スクリーン101とプロジェクタ装置100の距離は既に説明した処理で取得されており、そのスクリーン101とプロジェクタ装置100の距離と、外部機器とプロジェクタ装置100の距離との差から、外部機器とスクリーン101との距離が得られる。
【0054】
そして、取得した外部機器とスクリーン101との距離が、適正な視聴位置か、あるいは標準的な視聴位置よりもスクリーンから遠い位置か、それとも現在設定されている標準的な視聴位置よりもスクリーンに近い位置であるかを判断する(ステップS53)。
この判断で、ほぼ適正な視聴位置であると判断した場合には、端子部150に入力した映像データを、そのままの視差で投射表示する。
また、現在設定されている標準的な視聴位置よりもスクリーンから遠い位置であると判断した場合には、左眼用映像と右眼用映像との視差を広げて、立体効果を強くする強調処理を行い、その強調処理した映像と投射表示する。
さらに、現在設定されている標準的な視聴位置よりもスクリーンに近い位置であると判断した場合には、左眼用映像と右眼用映像との視差を狭くして、立体効果を弱くする処理を行い、その弱め処理を行った映像と投射表示する。
【0055】
このようにして、投射映像を鑑賞するユーザの位置に応じて視差の強調処理又は弱め処理を行うことで、どの位置にユーザがいる場合でも、適正な立体感の映像を表示できる。
【0056】
また、上述した実施の形態の例で説明したEDID格納部を構成するメモリは、上述した実施の形態ではEEPROMを使用したが、他の構成の不揮発性メモリを使用してもよい。
例えば、EDID格納部を構成するメモリとして、フラッシュメモリ、NVRAM、FeRAM、MRAMなどと称される、不揮発性の各種メモリを使用してもよい。EEPROMやフラッシュメモリは、電気的に記憶データの書き換えが可能な不揮発性メモリである。NVRAM(Non Volatile RAM)は、メモリバックアップ用の電池を備えた不揮発性のメモリである。FeRAM(Ferroelectric RAM/強誘電体メモリ)は、記憶素子に強誘電体を利用した不揮発性メモリであり、MRAM(MagnetoresistiveRAM/磁気抵抗メモリ)は、記憶素子に磁性体を利用した不揮発性メモリである。
また、EDID格納部として、図1に示した構成では、専用のメモリを使用した例としたが、映像表示装置が備える他の不揮発性のメモリの一部の記憶領域を使用して、EDID格納部を構成してもよい。
【0057】
また、上述した実施の形態の例では、映像入力用の端子として、HDMI規格のインターフェースの端子としたが、その他の規格の端子部としてもよい。他のインターフェースの端子部の場合、それぞれのインターフェースで用意された、入力可能な映像データのフォーマットや形式などを示すデータに適用可能である。
例えば、DVI(Digital Visual Interface)規格、ディスプレイポート(DisplayPort)規格、D−sub(D-subminiature)規格を適用してもよい。これらの規格では、自機の表示能力に関するデータとして、EDID(又はその他の名称の同様のデータ)が用意され、これらのデータの表示サイズの項目を、検出した表示サイズに応じて設定することで対応が可能である。
【0058】
また、上述した実施の形態の例では、EDIDのデータで示した表示サイズを、立体視する際の視差などを設定する場合の処理に適用したが、立体用映像でない、通常の2D表示用の映像データを処理する場合に、EDIDなどのデータによる表示サイズを適用してもよい。例えば、ソース機器から出力する映像データの解像度やフレームレートなどの詳細を、表示サイズに応じて適切な値に設定して、その設定された解像度などの映像データをシンク機器(プロジェクタ装置)に供給して表示させてもよい。
【0059】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
【0060】
(1)ソース機器が出力した映像データが入力され、自機の表示能力に関するデータを前記ソース機器に伝送する端子部と、
前記端子部に入力された映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射する映像投射処理部と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出部と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出部と、
前記距離検出部が検出した距離と前記投射角度検出部が検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出し、算出した表示サイズを、前記自機の表示能力に関するデータとして前記端子部から前記ソース機器に伝送する制御部とを備える
プロジェクタ装置。
【0061】
(2)前記端子部がソース機器に伝送する表示能力に関するデータを格納するデータ格納部を備え、
前記制御部が算出した表示サイズを、前記データ格納部に格納する
前記(1)記載のプロジェクタ装置。
【0062】
(3)当該プロジェクタ装置の電源投入操作又は表示サイズを更新する操作があった際に、前記制御部が表示サイズを算出し、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを、算出した表示サイズに更新する
前記(1)又は(2)記載のプロジェクタ装置。
【0063】
(4)前記制御部は、前記端子部を介した前記ソース機器とのデータ伝送が行えない無効化処理を行った状態で、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを更新し、更新後に前記無効化を解除する
前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【0064】
(5)前記端子部が入力した映像データは、立体視用映像データを構成する右眼用映像と左眼用映像とが交互又は個別に供給される映像データであり、
前記映像投射処理部は、前記右眼用映像と左眼用映像とを所定の周期で交互に表示面に投射する
前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【0065】
(6)前記制御部は、前記表示面に投射された映像を視るユーザの位置と、前記表示面との距離を推測し、
その推測した距離により、前記端子部に入力した映像データの前記右眼用映像と前記左眼用映像の視差の調整を行う
前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のプロジェクタ装置。
【0066】
(7)端子部にソース機器から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射して映像を表示する表示処理と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出処理と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出処理と、
前記距離検出処理で検出した距離と前記投射角度検出処理で検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する表示サイズ算出処理と、
前記表示サイズ算出処理で得た表示サイズを前記ソース機器に伝送する伝送処理とを実行する
映像表示方法。
【符号の説明】
【0067】
1a,1b…スクリーン、90…HDMIケーブル、100…プロジェクタ装置、110…投射レンズ、111…ズーム位置センサ、120…映像投射処理部、130…映像処理部、140…制御部、141…メモリ、150…端子部、151…ケーブル接続ポート、152…EDID格納部、153…HDMI処理部、160…距離センサ部、161…発信部、162…受信部、163…距離検出部、200…再生装置、210…再生部、220…立体映像処理部、230…端子部、231…ケーブル接続ポート、232…EDID検出部、233…HDMI処理部、300…眼鏡、400…リモートコントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース機器が出力した映像データが入力され、自機の表示能力に関するデータを前記ソース機器に伝送する端子部と、
前記端子部に入力された映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射する映像投射処理部と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出部と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出部と、
前記距離検出部が検出した距離と前記投射角度検出部が検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出し、算出した表示サイズを、前記自機の表示能力に関するデータとして前記端子部から前記ソース機器に伝送する制御部とを備える
プロジェクタ装置。
【請求項2】
前記端子部がソース機器に伝送する表示能力に関するデータを格納するデータ格納部を備え、
前記制御部が算出した表示サイズを、前記データ格納部に格納する
請求項1記載のプロジェクタ装置。
【請求項3】
当該プロジェクタ装置の電源投入操作又は表示サイズを更新する操作があった際に、前記制御部が表示サイズを算出し、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを、算出した表示サイズに更新する
請求項2記載のプロジェクタ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記端子部を介した前記ソース機器とのデータ伝送が行えない無効化処理を行った状態で、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを更新し、更新後に前記無効化を解除する
請求項3記載のプロジェクタ装置。
【請求項5】
前記端子部が入力した映像データは、立体視用映像データを構成する右眼用映像と左眼用映像とが交互又は個別に供給される映像データであり、
前記映像投射処理部は、前記右眼用映像と左眼用映像とを所定の周期で交互に表示面に投射する
請求項1記載のプロジェクタ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示面に投射された映像を視るユーザの位置と、前記表示面との距離を推測し、
その推測した距離により、前記端子部に入力した映像データの前記右眼用映像と前記左眼用映像の視差の調整を行う
請求項5記載のプロジェクタ装置。
【請求項7】
端子部にソース機器から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射して映像を表示する表示処理と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出処理と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出処理と、
前記距離検出処理で検出した距離と前記投射角度検出処理で検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する表示サイズ算出処理と、
前記表示サイズ算出処理で得た表示サイズを前記ソース機器に伝送する伝送処理とを実行する
映像表示方法。
【請求項1】
ソース機器が出力した映像データが入力され、自機の表示能力に関するデータを前記ソース機器に伝送する端子部と、
前記端子部に入力された映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射する映像投射処理部と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出部と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出部と、
前記距離検出部が検出した距離と前記投射角度検出部が検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出し、算出した表示サイズを、前記自機の表示能力に関するデータとして前記端子部から前記ソース機器に伝送する制御部とを備える
プロジェクタ装置。
【請求項2】
前記端子部がソース機器に伝送する表示能力に関するデータを格納するデータ格納部を備え、
前記制御部が算出した表示サイズを、前記データ格納部に格納する
請求項1記載のプロジェクタ装置。
【請求項3】
当該プロジェクタ装置の電源投入操作又は表示サイズを更新する操作があった際に、前記制御部が表示サイズを算出し、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを、算出した表示サイズに更新する
請求項2記載のプロジェクタ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記端子部を介した前記ソース機器とのデータ伝送が行えない無効化処理を行った状態で、前記データ格納部が格納する表示サイズのデータを更新し、更新後に前記無効化を解除する
請求項3記載のプロジェクタ装置。
【請求項5】
前記端子部が入力した映像データは、立体視用映像データを構成する右眼用映像と左眼用映像とが交互又は個別に供給される映像データであり、
前記映像投射処理部は、前記右眼用映像と左眼用映像とを所定の周期で交互に表示面に投射する
請求項1記載のプロジェクタ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示面に投射された映像を視るユーザの位置と、前記表示面との距離を推測し、
その推測した距離により、前記端子部に入力した映像データの前記右眼用映像と前記左眼用映像の視差の調整を行う
請求項5記載のプロジェクタ装置。
【請求項7】
端子部にソース機器から入力した映像データによる投射映像を生成し、生成した投射映像を投射レンズにより投射して映像を表示する表示処理と、
前記投射レンズにより投射した映像が表示される表示面までの距離を検出する距離検出処理と、
前記投射レンズによる映像の投射角度を検出する投射角度検出処理と、
前記距離検出処理で検出した距離と前記投射角度検出処理で検出した投射角度に基づいて表示面での映像の表示サイズを算出する表示サイズ算出処理と、
前記表示サイズ算出処理で得た表示サイズを前記ソース機器に伝送する伝送処理とを実行する
映像表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−77987(P2013−77987A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216698(P2011−216698)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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