説明

プロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、クリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードの共通化をはかり潤滑材の塗付を均一に行い高寿命を実現するプロセスカートリッジを低コストで提供する事を目的とする。
【解決手段】電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、感光体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段と該クリーニング手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材塗布手段と該潤滑材塗布手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材ならし部材を設けると共に前記クリーニング手段に使用する部材と前記潤滑材ならし部材に略同一の大きさで同一性の材料からなる弾性ブレードが配設されている事を特徴とするプロセスカートリッジを主たる構成にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジおよびそれを用いる画像形成装置に関し、特に残トナー除去用のクリーニング手段の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、ブラシローラによる潤滑剤塗布位置の上流側の感光体表面にクリーニングブレードを当接させ、かつ、下流側の感光体表面に潤滑剤均しブレードを当接させる。これによってクリーニングブレードによって残留トナーが除去され、クリーンな状態になった感光体表面に潤滑剤が塗布され、その後潤滑剤の表面が均されて、厚みの均一な潤滑剤の層となる。これにより、虫食い、画像ボケ、ボソツキ、等の異常画像の発生を防止できると共に、ブラシローラの塗布機能も長期にわたって維持することができるという方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また潤滑剤塗布手段は、クリーニング手段の下流側で、かつ、クリーニング手段と均し手段との間に配設され、この均し手段は潤滑剤塗布手段に隣接した下流側で、かつ、帯電手段の上流側に配設され、均し手段に揺動可能な板状ブラシを採用する画像形成装置が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
また、画像担持体の表面に当接するクリーニングブレードと、該クリーニングブレードよりも画像担持体回転方向の下流側に設けられ、画像担持体表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、潤滑剤供給手段よりも画像担持体回転方向の下流側に設けられ画像担持体表面に供給される潤滑剤を均一化する均一化手段とを有するクリーニングも開示されている(例えば特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−305907号公報
【特許文献2】特開2004−354695号公報
【特許文献3】特開2000−330443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献では、感光体ドラムに潤滑材を塗付する場合、クリーニング手段により感光体が清掃されトナーが介在しない状態で行うのが望ましい。前記公報記載の様にブラシローラ等により潤滑材を感光体に塗付するだけでは潤滑材の塗付にムラが出来てしまう。
【0006】
さらに、潤滑材塗布ブラシの下流側に潤滑材ならし(均し)ブレードを設けると潤滑材の均一な塗付を実現する事が出来るが、部品点数が増えコストが上がると共にメンテ時の手間も余計にかかる事となるという問題もある。
【0007】
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、電子写真画像形成装置本体に用いられるプロセスカートリッジにおいて、クリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードの共通化をはかり潤滑材の塗付を均一に行い高寿命を実現するプロセスカートリッジを低コストで提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、感光体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段と該クリーニング手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材塗布手段と該潤滑材塗布手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材ならし部材を設けると共に前記クリーニング手段に使用する部材と前記潤滑材ならし部材に略同一の大きさで同一性の材料からなる弾性ブレードが配設されているプロセスカートリッジを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記クリーニング手段と前記潤滑材ならし部材に使用される弾性ブレードは略同一大きさで同一材料からなるホルダ部材に固定されて装着部材に装着されている請求項1に記載のプロセスカートリッジを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記クリーニング手段と潤滑材ならし部材に用いられる弾性ブレードは、略同一大きさの同一材料からなる各ホルダ部材にそれぞれ固定されると共に同一側のエッジが各感光体に接触するように構成される請求項2に記載のプロセスカートリッジを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記クリーニング手段と潤滑材ならし部材に用いられる弾性ブレードは略同一大きさの同一材料からなる各ホルダ部材にそれぞれ固定されると共に前記ブレードの反対側エッジが各感光体に接触するように構成される請求項2に記載のプロセスカートリッジを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のプロセスカートリッジに使用されるトナーは、体積平均粒径Dvが3から8μmの範囲にあり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnで定義される分散度が1.00から1.40の範囲にあるプロセスカートリッジを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジに使用されるトナーは形状係数SF−1が100から180の範囲にあり、かつ形状係数SF−2は100から180の範囲にあるプロセスカートリッジを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6に記載のプロセスカートリッジに使用されるトナーが略球形であり、長軸と短軸の比(r2/r1)が0.5から1.0の範囲で、厚さと短軸の比r3/r2が0.7〜1.0の範囲であって、かつ、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満たすプロセスカートリッジを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジとトナーボトルとを有する画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジは着脱可能であるとともに、前記トナーボトルは前記画像形成装置本体に前記プロセスカートリッジと別体に構成され、トナーを前記プロセスカートリッジ側にトナー搬送手段によって搬送し、前記トナーボトル単体で交換可能とする画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、感光体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段と該クリーニング手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材塗布手段と該潤滑材塗布手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材ならし部材を設けると共に前記クリーニング手段に使用する部材と前記潤滑材ならし部材に同一の寸法と材料からなる弾性ブレードが用いられている事を特徴とするプロセスカートリッジにより、クリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードの共通化をはかり潤滑材の塗付を均一に行い高寿命を実現するプロセスカートリッジを低コストで提供することが可能となる。
また、交換パーツを最小限なものとした、ユーザの負担軽減と環境への配慮を行う事のできる画像形成装置を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施する為の最良の形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明はこの発明における最良の形態であって、特許請求の範囲を何ら限定するためのものではない。
【0018】
図1は、フルカラー画像を形成する画像形成装置の一例を示す断面図である。
ここに示した画像形成装置100は、本体内に並列された4個のプロセスカートリッジ200(Y(黄色),C(シアン),M(マゼンタ),K(黒))、無端状の中間転写ベルト62、2次転写ローラ65、プロセスカートリッジにトナーを供給する各色のトナーボトル59などを備えている。
【0019】
プロセスカートリッジ200は、像担持体10、クリーニング手段であるクリーニングモジュール20、帯電手段である帯電モジュール30および現像手段である現像モジュール50などを備えて構成されている。
【0020】
中間転写ベルト62は、各画像担持体である感光体10の上方に位置し、中間転写ベルト62の下側の走行辺が各感光体の10の周面に当接している。中間転写ベルト62は、各感光体10の表面にそれぞれ形成された互いに異なる色のトナー像が重ねて転写される転写材の一例を構成するものである。
【0021】
各色のプロセスカートリッジを用いて各感光体10上にトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト62に転写する構成は、そのトナー像の色が異なるが、実質的にその工程等は全て同一である。
【0022】
図1から2に示すように、感光体10は時計方向に回転駆動されながら帯電電圧が印加された帯電手段の帯電モジュール30によって所定の極性に所定電圧帯電される。
【0023】
帯電後の感光体10は、図1に示す光書き込み装置40から出射する光変調されたレーザービームLが照射されて感光体10に静電潜像が形成される。
この静電潜像は、図2に示すように、現像手段である現像モジュール50によって各色毎にトナー像として可視像化される。
【0024】
図1に示すように中間転写ベルト62を挟んで感光体10と一次転写ローラ61が配置され、この一次転写ローラ61に転写電圧が印加されて感光体10上のトナー像が中間転写ベルト62上に一次転写される。
【0025】
上記したトナー像が転写された後(一次転写後)の感光体10の表面には、転写残トナーが存在し、この転写残トナーは図2に示すクリーニング手段であるクリーニングモジュール20によって除去される。
【0026】
クリーニングモジュール20の下流側には感光体10上に潤滑材を塗付するための潤滑材塗付手段70が備えられている。この潤滑材塗付手段70が備えられることにより感光体10の表面磨耗を低減しながらクリーニング性が上げられる。
【0027】
図1に示す様に、画像形成装置本体100内の下部には、例えば転写紙より成る記録媒体を収容した給紙カセットを有する給紙装置130が配置され、この給紙装置130により所定のタイミングで中間転写ベルト62と、これに対置された2次転写ローラ65との間に給送される。
【0028】
この時、2次転写ローラ65には図示しない電源から所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト62上の合成トナー像が記録媒体に2次転写される。合成トナー像が2次転写された記録媒体はさらに上方に搬送されて定着装置90を通り、このとき記録媒体上のトナー像が熱と圧力に作用により定着される。定着装置90を通過した記録媒体は、排紙ローラ対によって、画像形成装置本体100の上部の排紙部に排出される。
【0029】
図2は、従来のプロセスカートリッジの構成を示す概略断面図である。
図2に示す様に、プロセスカートリッジ200は、プロセスカートリッジ枠体210に少なくとも像担持体である感光体10とクリーニング手段であるクリーニングブレード22とを備えている。
【0030】
ここで、感光体ドラム10に潤滑材を塗付する場合、クリーニング手段により感光体が清掃されトナーが介在しない状態で行うのが望ましいが、ブラシローラ等により潤滑材を感光体10に塗付するだけでは塗付ムラが出来てしまう。
【0031】
塗布ムラが出来ないように潤滑材塗布ブラシの下流側に別個独立して潤滑材ならしブレードを設けると潤滑材の均一な塗付を実現する事は出来るが、これは部品点数が増えコストが上がると共に、組立時あるいはメンテナンス時の手間も余計にかかる事となる。
【0032】
本発明は上記の問題を解決する為に、クリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードの共通化を図って高画像、高寿命のプロセスカートリッジを低コストで提供するために成されたものである。
【0033】
図3に本発明のプロセスカートリッジの第1実施形態を示す。
図3に示す様に本発明のプロセスカートリッジは、感光体1上の転写残トナーを除去するクリーニングブレード2とクリーニングブレードホルダー3とを有して構成されるクリーニング手段と、このクリーニング手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材塗布ローラ4とこの潤滑材塗布ローラ4の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材ならし部材8を設け、クリーニングブレード2と前記潤滑材ならし部材8に共通の寸法と材料からなる弾性ブレードを用いる事としている。これによって本発明はプロセスカートリッジの部品種を減らすことができ、さらに同一のブレードを用いることによってコストダウン、品質(物性:弾性率、弾性により付加する力の一定化、またそれに基づく潤滑材の延伸性の均一化など)の安定化を実現して高画像、高寿命のプロセスカートリッジを提供する事が出来る。
【0034】
更に、図3に示す様に、ブレードだけではなくそのホルダも略同形で同一材料にする事で更なるコストダウンが図れる上、同一のエッジが感光体に接触するように構成してやればケースへの取り付け方法も共通にする事が出来るので組立性、メンテナンス性も向上させる事が出来る。
【0035】
図4はブレード及びホルダを共通にし、その上、異なるエッジを感光体に接触させる構成とした例を示す実施形態である。
このように構成する事で、メンテナンス時にクリーニング或いは潤滑材ならしブレードに異常があった場合にそれぞれのブレードを入れ替えて対応出来るのでメンテナンス性を向上させる事が出来る。
【0036】
このメンテナンス時あるいはセットの際に、組立時の誤セットを防ぐように、たとえばケースに突起を設けたり、新品のブレードあるいはホルダの各接合部分に突起などを設け、設置するとこの部分が永久変形するようにするなどすれば組立性を損なう事も無く、新品か否かを即座に判断できる。
【0037】
次に、本発明のプロセスカートリッジおよび画像形成装置に試用されるトナーについて、説明する。
本発明のプロセスカートリッジおよび画像形成装置に使用されるトナーは円形度が高く略球形に近い事が望ましく、これにより高画質を達成できると共に高転写率も達成できるのでクリーニング前の除電がより一層効果的となる。
【0038】
図5と図6にトナー形状に関する説明図を示す。
図1に示す様に、本発明のプロセスカートリッジが使用される画像形成装置はトナーボトルを有し、通常、トナーボトル59のみの交換することによってトナーを補給するようにし、感光体や帯電手段等のプロセスカートリッジの交換の時期が来たときにのみプロセスカートリッジを交換する事を特徴としている。
【0039】
図1はトナーボトルが各色毎に機械上側に配置され、この下側にある各色のプロセスカートリッジまでトナーを搬送してトナーを補給する構成となっている。この様な構成にすることによって、通常はトナーボトルの交換のみですむため、ユーザの出費を低減できる。また装置の他の部分の開閉や、出し入れなどの回数が減り、このため、シャッタ部等でのトナー飛散が防止できるようになり、メンテナンス性の向上が図られるようになる。
【0040】
1.電子写真画像形成装置本体に用いられるプロセスカートリッジにおいてはクリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードの共通化を図っているので潤滑材の塗付を均一に行うことができ、高寿命のプロセスカートリッジを低コストで提供する事が実現できることとなった。
【0041】
2.電子写真画像形成装置本体に用いられるプロセスカートリッジにおいてはクリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードとそのホルダ部材の共通化を図っているので潤滑材の塗付を均一に行うことができ、高寿命のプロセスカートリッジを低コストで提供する事が実現できることとなった。
【0042】
3.電子写真画像形成装置本体に用いられるプロセスカートリッジにおいてはクリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードとそのホルダ部材の共通化を図ると共に同一エッジを感光体に接触させる事により潤滑材の塗付を均一に行うことができ、高寿命であり、組立性も向上させた高寿命のプロセスカートリッジを低コストで提供する事が実現できることとなった。
【0043】
4.電子写真画像形成装置本体に用いられるプロセスカートリッジにおいてはクリーニング手段に用いられるブレードと潤滑材ならし部材に用いられるブレードとそのホルダ部材の共通化をはかると共に異なるエッジを感光体に接触させる事により潤滑材の塗付を均一に行うことが可能となり、高寿命のプロセスカートリッジを低コストで提供する事が実現できることとなった。
【0044】
5.電子写真画像形成装置本体に用いられるプロセスカートリッジにおいては特定のトナーが請求項1から4に記載のプロセスカートリッジに試用されているので、高画質、高寿命であり、組立性およびメンテナンス性にも優れたプロセスカートリッジを低コストで提供する事が出来る。
6.画像形成装置は上記プロセスカートリッジを使用し、かつ、トナーボトル交換のみでサプライ交換がすむので、ユーザにとっても地球環境においても出費の低減、リサイクル性のアップによる地球環境への配慮ができ、また装置の他の部分を開け閉めや出し入れの回数が減るためにシャッタ部等でのトナー飛散が防止されるなど、メンテナンス性の向上のみでなく、オゾン発生の減少化の促進、地球温暖化の防止にも間接的に寄与するなどの実現を図る事が出来る。
【0045】
本実施形態における画像形成装置は、現像装置5に使用するトナーが、平均円形度0.93以上と円形度の高いトナーが好ましい。円形度の高いトナーは、ブレード方式のクリーニングでは感光体1とクリーニングブレードの隙間に入り込み、すり抜けやすいが、転写率が高いことで、転写残トナー量が少ない。
【0046】
また、トナーが略球形に近いトナーが一層好ましい。略球形トナーは、以下の形状係数SF−1、SF−2の値で規定することができる。本画像形成装置で用いるトナーとしては、形状係数SF−1が100〜180、形状係数SF−2が100〜180のトナーである。
【0047】
図5、6は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【0048】
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0049】
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0050】
トナーの形状が略球形になると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体1との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体1との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。
さらに、ブラシ状ローラ41によるバイアスに対応して回収・放出されやすい。
尚、SF−1とSF−2が大きくなると、正規帯電トナーT0及び逆帯電トナーT1のいずれも回収・放出されにくいために、前の画像が表れるゴースト画像、地肌カブリ等の異常画像の発生することがあるため、SF−1とSF−2は180を越えない方が好ましい。
【0051】
また、トナーの体積平均粒径が3〜8μmであり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある小粒径で粒径分布も狭くすることで、帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができることで、一時保持手段40に対する回収トナー量を減らすことができ、画像形成装置の安定性を向上させることで長期間使用することができる。このような小粒径トナーは、外添剤微粒子等の含有率が相対的に高くなる傾向にあるため、これらがトナーから脱離して感光体1上にフィルミングを発生しやすいが、ブラシ状ローラ41で感光体1を摺擦することで、フィルミングを機械的に除去し、また、フィルミングの発生を抑えることができる。
【0052】
この画像形成装置に好適に用いられるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。以下に、トナーの構成材料及び製造方法について説明する。
【0053】
(変性ポリエステル)
本発明のトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステルを含む。変性ポリエステルとしては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態を指す。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
【0054】
変性ポリエステルとしては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0055】
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0056】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0057】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0058】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0059】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0060】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
【0061】
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0062】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0063】
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0064】
ここで用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0065】
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0066】
(未変性ポリエステル)
ここにおいては、変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この変性されたポリエステル(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。未変性ポリエステル(ii)としては、変性されたポリエステル(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、未変性ポリエステル(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。変性されたポリエステル(i)と未変性ポリエステル(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、変性されたポリエステル(i)のポリエステル成分と未変性ポリエステル(ii)は類似の組成が好ましい。未変性ポリエステル(ii)を含有させる場合の変性されたポリエステル(i)と未変性ポリエステル(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0067】
未変性ポリエステル(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。未変性ポリエステル(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。未変性ポリエステル(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
【0068】
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0069】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0070】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0071】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0072】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0073】
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微
粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜2μmであることが好ましく、特に5×10-3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
【0074】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。
【0075】
特に両微粒子の平均粒径が5×10-2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
【0076】
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
【0077】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
【0078】
[トナーの製造方法]
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0079】
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
【0080】
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0081】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0082】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0083】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0084】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1
級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0085】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
【0086】
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0087】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0088】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0089】
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステル
プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。
反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0090】
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0091】
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0092】
本発明に係るトナーの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。
図5は、本発明のトナーの形状を模式的に示す図である。図5において、略球形状の外観を示しており(図5(a)参照)、トナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、長軸と短軸との比(r2/r1)(図5(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図5(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。
【0093】
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
【0094】
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない一成分の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、二成分現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。
【0095】
平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明のクリーニング手段を使用するフルカラー画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図2】従来のプロセスカートリッジの1例の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明のクリーニングブレードと潤滑材ならし部材を共通の部材で構成したプロセスカートリッジの断面図である。
【図4】本発明の前記共通の部材で構成した上、ブレードの異なるエッジを感光体に接触させる構成のプロセスカートリッジの断面図である。
【図5】本発明に使用するトナーの形状を示す形状係数SF−1の模式図である。
【図6】本発明に使用するトナーの形状を示す形状係数SF−2の模式図である。
【符号の説明】
【0097】
1 感光体
2 クリーニングブレード
3 クリーニングホルダー
4 潤滑材塗布ローラ
5 現像装置
6 中間転写ベルト
7 潤滑材
8 潤滑材ならしブレード
9 帯電ローラ
10 像担持体
20 クリーニングモジュール
30 帯電モジュール
40 一時保持手段
41 ブラシ状ローラ
50 現像モジュール
59 トナーボトル
62 中間転写ベルト
65 2次転写ローラ
100 画像形成装置100
200 プロセスカートリッジ200

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、
感光体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段と該クリーニング手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材塗布手段と、
該潤滑材塗布手段の感光体回転方向下流側に位置する潤滑材ならし部材を設けると共に前記クリーニング手段に使用する部材と前記潤滑材ならし部材に略同一の大きさで同一性の材料からなる弾性ブレードが配設されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記クリーニング手段と前記潤滑材ならし部材に使用される弾性ブレードは略同一大きさで同一材料からなるホルダ部材に固定されて装着部材に装着されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記クリーニング手段と潤滑材ならし部材に用いられる弾性ブレードは、略同一大きさの同一材料からなる各ホルダ部材にそれぞれ固定されると共に同一側のエッジが各感光体に接触するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記クリーニング手段と潤滑材ならし部材に用いられる弾性ブレードは略同一大きさの同一材料からなる各ホルダ部材にそれぞれ固定されると共に前記ブレードの反対側エッジが各感光体に接触するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジに使用されるトナーは、体積平均粒径Dvが3から8μmの範囲にあり、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比Dv/Dnで定義される分散度が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジに使用されるトナーは形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、かつ形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジに使用されるトナーが略球形であり、長軸と短軸の比(r2/r1)が0.5から1.0の範囲で、厚さと短軸の比r3/r2が0.7〜1.0の範囲であって、かつ、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満たすことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジとトナーボトルとを有する画像形成装置であって、
前記プロセスカートリッジは着脱可能であるとともに、前記トナーボトルは前記画像形成装置本体に前記プロセスカートリッジと別体に構成され、トナーを前記プロセスカートリッジ側にトナー搬送手段によって搬送し、前記トナーボトルも独立して各ボトル単体で交換可能とすることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−219445(P2007−219445A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42973(P2006−42973)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】