説明

プロセスカートリッジ

【課題】筐体と、現像剤にて形成された可視像を担持する回転可能な像担持手段と、可撓性を有する材料にて形成されたクリーニング手段と、を有し、クリーニング手段の先端部を像担持手段に弾接させて前記像担持手段の表面から現像剤を掻き取り除去するプロセスカートリッジにおいて、像担持手段に対してクリーニング手段の先端部を適切な位置に配置することを高精度かつ、容易に実施できるプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】クリーニング手段15の、筐体に固定する根元部と像担持手段11に弾接する先端部との間にてクリーニング手段15を押圧する、ねじ穴191からの突出長を変更可能な押圧部材17を配する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子写真方式の画像形成装置におけるプロセスカートリッジ。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置には、メンテナンスを容易にするため、プロセスカートリッジが用いられるものが多い。ここでいうプロセスカートリッジとは、感光体ドラム等の像担持手段、帯電手段、現像手段、クリーニング手段、現像剤収納手段等を筐体に配して一体化した構成を有し、画像形成装置本体に着脱可能に装着されるものである。
【0003】
プロセスカートリッジは、画像形成装置本体に装着されると、画像形成装置本体から供給される駆動力、あるいは、動作信号を受けて画像形成装置本体の画像形成動作に連動して動作する。
【0004】
画像形成装置本体に装着されたプロセスカートリッジの像担持手段は、画像形成装置本体から供給される駆動力により回転されつつ、その表面に画像形成装置本体の像書込手段により潜像が形成される。
【0005】
像担持手段の表面に形成された潜像は、現像手段により現像され、現像剤にて形成された可視像となる。
【0006】
像担持手段に形成された可視像は、画像形成装置本体内を搬送される記録紙に、転写ベルトのような第2の像担持手段を経由して、あるいは、直接転写される。そして、可視像を転写された記録紙は、画像形成装置本体に配された定着手段により定着されて画像形成装置本体の外部に排出されてユーザに供される。
【0007】
像担持手段に形成された可視像を第2の像担持手段、あるいは記録紙へ転写した後の像担持手段の表面に、現像剤が残存することがある。像担持手段に残存する現像剤は後続して形成される画像の汚れの原因となるため、クリーニング手段を配置して、現像剤を除去することが行われる。
【0008】
クリーニング手段は、通常、可撓性を有する素材で形成される。そして、その根元部を固定し、先端部を転写終了後の像担持手段の表面に弾接させ、回転する像担持手段の表面を先端部にて摺擦するように構成される。クリーニング手段の先端部が像担持手段の表面を摺擦することにより、像担持手段の表面の現像剤はクリーニング手段に掻き取られ除去される。
【0009】
クリーニング手段により像担持手段に残存する現像剤の除去を確実に行うには、像担持手段にクリーニング手段の先端部を適切に弾接させることが必要である。すなわち、像担持手段へのクリーニング手段の先端部の弾接が適切でないとき、例えば、クリーニング手段が像担持手段を弾接する圧力が不十分なときには現像剤が十分に除去されず、逆に、弾接する圧力が過大のときにクはリーニング手段の先端部にめくれ等の変形が生じるような不具合を生ずることがある。
【0010】
像担持手段にクリーニング手段の先端部を適切に弾接させるために、像担持手段に対してクリーニング手段の先端部を適切な位置に配置することが行われる。通常、クリーニング手段のプロセスカートリッジの筐体への固着はねじ止めにてなされるが、固着されたクリーニング手段の先端部を像担持手段に対して適切な位置に配置するために、クリーニング手段とクリーニング手段を固着する筐体との間に座金を挿入し、挿入する座金の数を調整することにより、クリーニング手段の先端部を適切な位置に配置することが行われる。
【0011】
しかし、このような、座金の挿入数を変更することによるクリーニング手段の先端部の配置位置の調整は、像担持手段とクリーニング手段との高精度な位置関係を得るのが困難であり、調整に多くの時間を費やしていた。
【0012】
像担持手段とクリーニング手段の先端部との位置関係の調整にあたり、クリーニング手段の取り付け部に切り欠きを設け、切り欠き部に調整用の工具を挿入してクリーニング手段を移動させてクリーニング手段の先端部の位置を調整する技術が開示されている。(特許文献1)。
【0013】
近年、画像形成装置の高速化や小型化の要求が高まり、それに伴ってプロセスカートリッジにおけるクリーニング手段先端部の位置決め作業も、より高精度に行うことが要求されるようになっている。前述の、クリーニング手段に切り欠きを設け、切り欠き部に調整用の工具を挿入してクリーニング手段先端部の位置調整を行う技術は、クリーニング手段先端部の位置を作業者の手加減で行うものであり、作業者の熟練度に左右され易い傾向があった。そのため作業者によっては、微妙な調整を行うことが困難な場合もあり、このような背景から、プロセスカートリッジにおける像担持手段に対するクリーニング手段先端部の位置決めを、作業者の熟練度にそれほど依存せずに、高精度かつ容易に実施できる技術が待望されていた。
【特許文献1】特開2000−75753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、クリーニング手段先端部の位置決めを作業者の熟練度にそれほど依存せずに、高精度かつ容易に実施できるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。すなわち、本発明は、プロセスカートリッジ内で、像担持体と、クリーニング手段とが適正な位置関係を得られるようにすることで、像担持体上に残存する現像剤を確実に除去できるようにして、常に安定した画像形成環境を維持できるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題は下記の手段により解決される。
(1)少なくとも、現像剤にて形成された可視像を担持する回転可能な像担持手段と、
前記像担持手段上に残存する現像剤を除去するクリーニング手段と、
前記クリーニング手段を押圧する押圧部材と、
を有し、
前記クリーニング手段は、前記クリーニング手段を固定させるための根元部と、前記像担持手段に弾接させて前記像担持手段上に残存する現像剤を除去するための先端部を有するものであり、
前記押圧部材は、前記クリーニング手段の前記根元部と前記先端部の間に配置されて前記クリーニング手段を押圧するもので、
前記クリーニング手段への押圧は、前記押圧部材を動かして調整するものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(2)前記プロセスカートリッジは、前記クリーニング手段が固定されたときに、前記根元部に隣接する個所に、前記押圧部材を保持する保持部を有することを特徴とする(1)に記載のプロセスカートリッジ。
(3)前記クリーニング手段は、前記クリーニング手段が固定されたときに前記押圧部材に対向する位置に、前記押圧部材より小さい径の開孔を有することを特徴とする(2)に記載のプロセスカートリッジ。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、像担持手段に弾接するクリーニング手段の先端部の位置の調整を容易に実施できるプロセスカートリッジを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のプロセスカートリッジを説明するに先立ち、本発明のプロセスカートリッジを装着可能な画像形成装置について説明する。
【0018】
図1は、本発明のプロセスカートリッジが装着される画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
【0019】
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、本体1と、本体1の上部の原稿画像読み取り装置2から成る。
【0020】
本体1には4組のプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkが垂直方向に縦列に着脱可能に装着される。装着されたプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkの周辺には像露光手段30Y、30M、30C、30Bk、中間転写ユニット70、給紙搬送手段21及び定着手段24が配置される。
【0021】
プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれ、像担持手段、帯電手段、現像手段、クリーニング手段、現像剤収納手段等をユニットとして一体化したものである。
【0022】
そして、プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれの現像剤収納手段に収納されたイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の現像剤により、それぞれの像担持手段にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の現像剤からなる可視像を形成する。
【0023】
像露光手段30Y、30M、30C、30Bkは、それぞれ、プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkにおける像担持手段として機能する感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkに、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の画像信号に基づいて露光を行って各画像信号に対応する静電潜像を形成する手段である。これら像露光手段30Y、30M、30C、30Bkは、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
【0024】
本体1に垂直方向に縦列に装着されたプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkの感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkの図示左側方には中間転写体ユニット70が配置されている。中間転写ユニット70は、ローラ71、72、73、74を巻回して移動可能な無端ベルト状の中間転写ベルト77、一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Bk、及び中間転写体クリーニング手段76とからなる。
【0025】
プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkの感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkに、それぞれ、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の現像剤にて形成された可視像は、一次転写手段としての一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Bkにより、中間転写ベルト77上に逐次転写されて、各色の可視像が合成されたカラー画像が形成される。Sは転写材であり、給紙カセット20内に収容された転写材Sは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て搬送され、二次転写ローラ52により中間転写ベルト77上に形成されたカラー画像が二次転写される。カラー画像が転写された転写材Sは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に排出される。
【0026】
プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkは、それぞれ、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Bkに形成する可視像の色が異なるだけで、基本的には同じ構成である。ここまでの説明では、プロセスカートリッジを、形成する可視像の色により各記号の後ろにY、M、C、Bkの符号を付して区分したが、以下プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Bkを説明するにあたり、各色のプロセスカートリッジに共通する構成は、Y、M、C、Bk等の符号をを付さずに、プロセスカートリッジ10、あるいは、感光体ドラム11のように、各記号のみで表記するものとする。
【0027】
図2は、プロセスカートリッジ10の構成を説明する模式図である。
【0028】
プロセスカートリッジ10は、プロセスカートリッジ筐体19に、像担持体として機能する感光体ドラム11、帯電手段として機能する帯電器12、現像部14、クリーニングブレード15を配置したユニットである。そして、プロセスカートリッジ筐体19の一部に現像剤を収納するホッパー部18が形成されている。なお、図2中、破線で囲まれる部位は、後述する図4に示す筐体19に該当する部位である。
【0029】
感光体ドラム11は、帯電器12により帯電され、像露光手段30からの露光ビームにより潜像が形成される。感光体ドラム11上の潜像は現像部14により現像され、現像剤にて形成された可視像になる。そして、本実施の形態においては、感光体ドラム11上に形成された可視像は無端ベルト状の中間転写ベルト77に転写される。
【0030】
感光体ドラム11は、可視像を中間転写ベルト77に転写した後、表面に残存する現像剤を後述するように除去された後、帯電器12により帯電され、像露光手段30による潜像形成がなされ、現像部で現像されて潜像の可視像化、可視像転写の一連の動作を繰り返す。
【0031】
感光体ドラム11上に形成された可視像が中間転写ベルト77に転写された後の感光体ドラム11の表面に、現像剤が残存することがある。クリーニングブレード15は、可視像を転写した後の感光体ドラム11表面に残存する現像剤を除去するもので、本発明でいうクリーニング手段に該当するものである。
【0032】
本実施の形態におけるクリーニングブレード15は、支持部材151と先端部材152とからなる。
【0033】
支持部材151は、可撓性を有する材料にて形成され、一端に先端部材152が固着され、他端がプロセスカートリッジ筐体19に固定される。支持部材151のプロセスカートリッジ筐体19への固定に際し、支持部材151におけるプロセスカートリッジ筐体19に当接する部位を根元部と称することにする。
【0034】
支持部材151の根元部をプロセスカートリッジ筐体19に当接させて取り付けねじ16にて固定させると、クリーニングブレード15の先端部材152は、感光体ドラム11の、可視像を無端ベルト状中間転写体70へ転写する位置の下流側、かつ、帯電器12の上流側に、感光体ドラム11の外周面に弾接するように配置される。
【0035】
感光体ドラム11の外周面に弾接するクリーニングブレード15の先端部材152は、図2に示す矢印方向に回転する感光体ドラム11の外周面を摺擦して、感光体ドラム11表面の現像剤を掻き取って除去する。なお、ここではクリーニング手段の実施形態として、クリーニングブレード15の先端部に先端部材152を配し、先端部材152が感光体ドラム11の外周面を摺擦するように構成されたものを示しているが、先端部材152と支持部材151という部材から構成されているものの他に、例えばペーパーナイフのような形状の先端部と、根元部とが1つの部材で構成されるものであっても良い。
【0036】
クリーニングブレード15による感光体ドラム11に残存する現像剤の除去を確実に行うには、感光体ドラム11に対してクリーニングブレード15の先端部の位置を適切に配置する必要がある。感光体ドラム11に対するクリーニングブレード15の先端部の位置が適切でないときには、感光体ドラム11上の現像剤が十分に除去されなかったり、クリーニングブレード15の先端部にめくれ等の変形が生じたりすることがある。
【0037】
本発明では、クリーニングブレード15の根元部と先端部との間に押圧部材を配置させ、これを動かすことにより、先端部を感光体ドラム11に対して最適な位置に、配置することができる。このことにつき、以下、本発明の押圧部材に該当する調整ねじを用いたケースを説明する。
【0038】
17は調整ねじである。調整ねじ17は、プロセスカートリッジ筐体19の、クリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19に固定したときの、クリーニングブレード15の根元部と先端部との間に配されたねじ穴191に螺合することにより、その頭部にてクリーニングブレード15を押圧する。すなわち、調整ねじ17は、本発明で言う押圧部材に該当するものである。
【0039】
図2に示すように、調整ねじ17をねじ穴191に螺合させると、調整ねじ17の頭部がクリーニングブレード15に当接する。このように、調整ねじ17の頭部が、クリーニングブレードに当接し、クリーニングブレード15を押し当てクリーニングブレード15を根元部を支点にして撓ませる、つまり、押圧することにより、クリーニングブレード15先端部(先端部材152)が感光体ドラム11に弾接する。調整ねじ17による押圧は、調整ねじ17がねじ穴191より出ている長さ(突出長)により制御される。このように、調整ねじ17の突出長は、調整ねじ17を回動させることにより変更することができる。このように、調整ねじ17は、本発明でいう押圧部材として機能する。
【0040】
また、プロセスカートリッジ筐体19におけるねじ穴191を配した部位が、本発明でいう押圧部材を保持する保持部に該当する。
【0041】
調整ねじ17の頭部上面は、ねじ穴191からの突出長を所定の寸法以上にするとクリーニングブレード15を押圧して、クリーニングブレード15を、根元部を支点にして撓ませ、プロセスカートリッジ筐体19に固定された根元部から先端部までの図示上下方向の高さ寸法を変化させる。
【0042】
このように、図2に示すプロセスカートリッジ10は、ねじ穴191に螺合した調整ねじ17を回動して、調整ねじ17の頭部のねじ穴191からの突出長を変更することにより、調整ねじ17の頭部に当接するクリーニングブレード15の、根元部を支点にしての撓み量を変化させて、クリーニングブレード15の先端の位置を微細に変更することができる。
【0043】
次に、図3を用いて、クリーニングブレード15について詳細に説明する。
【0044】
図3は、本実施の形態におけるクリーニングブレード15を説明する図である。
【0045】
本実施の形態におけるクリーニングブレード15は、支持部材151および支持部材151に固着された先端部材152からなる。
【0046】
支持部材151は、可撓性を有する材料、例えば、金属、または樹脂を素材にして形成される。先端部材152は、ウレタン樹脂を素材にして形成される。
【0047】
図3に示される511a、511b、512a、512bは支持部材151の表裏を貫通する穴である。
【0048】
511a、511bは、クリーニングブレード15の先端部の位置を調整する際に、調整工具を貫通、挿入する調整穴である。また、512a、512bは、クリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19にねじ止めする際の取り付け穴である。また、図示の斜線を施した部位151aは、図示裏面がクリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19にねじ止めする際に、後述するプロセスカートリッジ筐体19における根元部取り付け面19S1に当接して固定される部位である根元部であり、本発明でいうクリーニングブレード15の根元部に該当する。そして、先端部材152が本発明でいうクリーニングブレード15の先端部に該当する。
【0049】
調整穴511a、511bは、後述する調整具Tを回動可能に挿入可能、かつ、調整ねじ17a、17bの頭部の外径よりも小さい径寸法に構成される。
【0050】
また、取り付け穴512a、512bは、取り付けねじ16のねじ部が挿入可能で、かつ、取り付けねじ16の頭部の外径よりも小さい径寸法に構成される。
【0051】
これら、調整穴511a、511b、および、取り付け穴512a、512bは、クリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19に載置したときに、後述するプロセスカートリッジ筐体19に形成された調整ねじ穴191a、191bおよび取り付けねじ穴192a、192bに相対するように配置される。
【0052】
図4は、プロセスカートリッジ筐体19のクリーニングブレード15を取り付ける個所を示す部分図であり、前述の図2にて破線で囲まれた部位である。
【0053】
図4において、19S1はクリーニングブレード15の根元部151aに当接、固定する根元部取り付け面である。
【0054】
根元部取り付け面19S1にに直交して配された192a、192bは雌ねじ穴であり、取り付けねじ16をクリーニングブレード15の支持部材151に配した取り付け穴512a、512bを貫通させて雌ねじ穴192a、192b螺合させることによりクリーニングブレード15はプロセスカートリッジ筐体19に固着される。
【0055】
以下、雌ねじ穴192aおよび雌ねじ穴192bに螺合させた取り付けねじ16を、それぞれ取り付けねじ16a、取り付けねじ16bと記し区分する。
【0056】
図4に示す根元部取り付け面19S1の左方に配置される19S2は、調整ねじ取り付け面である。調整ねじ取り付け面19S2は、根元部取り付け面19S1と平行な平面に形成される。そして、調整ねじ取り付け面19S2は、根元部取り付け面19S1より、後述する調整ねじ17の頭部の高さ(=h)だけ低く構成されることが好ましい。
【0057】
調整ねじ取り付け面19S2に直交して、調整ねじ17が螺合可能な調整ねじ穴191a、191bが配される。
【0058】
調整ねじ穴191a、191bには、調整ねじ17が回動可能に螺合される。
【0059】
以下、調整ねじ穴191aおよび調整ねじ穴191bにに螺合させた調整ねじ17を、それぞれ調整ねじ17a、調整ねじ17bと記し区分する。
【0060】
調整ねじ17は、頭部の高さがhの平小ねじである。調整ねじ17の頭部の上面には、ねじを回動させるための調整具に係合可能な六角穴が刻まれている。なお、頭部の刻みは六角穴に限定されるものではなく、十字穴や溝でも良い。調整ねじ穴191a、191bに螺合された調整ねじ17a、17bの、ねじ穴191からの突出長は、調整ねじ17a、17bの回動により変更できる。
【0061】
前述のように、プロセスカートリッジにおける感光体ドラム11に対してクリーニングブレード15の先端部の位置を適切に配置する必要がある。
【0062】
本発明の実施の形態におけるプロセスカートリッジは、根元部にてプロセスカートリッジ筐体19に取り受けられたクリーニングブレード15の先端部の根元部取り付け面19S1からの高さからの高さを、クリーニングブレード15に当接する調整ねじ17a、17bの頭部のねじ穴191からの突出長を変更することにより、クリーニングブレード15の撓み量を変化させて、変更する。
【0063】
すなわち、調整ねじ17a、17bの頭部のねじ穴191からの突出長は、ねじの回動により微細に変更可能であるので、クリーニングブレード15の先端部の高さの微細な調整を容易に行うことができる。
【0064】
したがって、プロセスカートリッジ筐体19に取り受けられたクリーニングブレード15の先端部の高さの微細な変更、調整が可能であり、感光体ドラム11に対してクリーニングブレード15の先端部を適切な位置に配置することができる。
【0065】
本発明に係るプロセスカートリッジにおける感光体ドラム1に対するクリーニングブレードの先端位置を適切に配置させる方法を図7に示す。なお、配置方法の具体的な手順に付いては後述する。
【0066】
本発明の実施の形態におけるプロセスカートリッジにおいては、先ず、プロセスカートリッジ筐体19の調整ねじ穴191a、191bのそれぞれに調整ねじ17を取り付け、次いで、クリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19へ固定する。
【0067】
そして、クリーニングブレード15の調整穴511a、511bから頭部を露呈する調整ねじ17a、17bを回動させて、プロセスカートリッジ筐体19の調整ねじ取り付け面19S2からの突出させて調整ねじ17a、17bの頭部をクリーニングブレード15の支持部材151に当接させ支持部材151を撓ませる。クリーニングブレード15の先端部の根元部取り付け面19S1からの高さは、支持部材151の撓み量により決まるので、調整ねじ17a、17bの調整ねじ取り付け面19S2のねじ穴191からの突出長を変化させることにより支持部材151の撓み量を変化させ、クリーニングブレード15の先端部の根元部取り付け面19S1からの高さを変化させることができる。調整ねじ17a、17bの調整ねじ取り付け面19S2からのねじ穴191からの突出長は、ねじの回動により微細な調整が可能であり、クリーニングブレード15の先端部の根元部取り付け面19S1からの高さの微細な調整を容易に行うことが可能である。
【0068】
以下、本発明の実施の形態におけるプロセスカートリッジにおいて、クリーニングブレード15の先端部を、感光体ドラム11に対して好適な位置に設定する手順を、図5、図6、図7を用いて説明する。
【0069】
図5は、プロセスカートリッジ筐体19に調整ねじ17a、17bを取り付けた状態を示す図である。調整ねじ17a、17bは、プロセスカートリッジ筐体19の調整ねじ穴191a、191bに螺合させて取り付ける。
【0070】
調整ねじ17a、17bは、頭部の高さがhであり、調整ねじ取り付け面19S2と根元部取り付け面19S1とは、高さの差がhにほぼ等しいので、調整ねじ17a、17bを調整ねじ穴191a、191bにねじ込んだとき、調整ねじ17a、17bの頭部は根元部取り付け面19S1とほぼ同一の高さに位置させることができる。
【0071】
図6は、クリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19へ固定した状態を示す図である。クリーニングブレード15における支持部材151の根元部151aをプロセスカートリッジ筐体19の根元部取り付け面19S1に当接させるとともに、支持部材151に設けた取り付け穴512a、512bがプロセスカートリッジ筐体19に設けた取り付けねじ穴192a、192bに対向するように載置し、取り付けねじ16a、16bを取り付け穴512a、512bにそれぞれ貫通させて取り付けねじ穴192a、192bに螺合することによりクリーニングブレード15はプロセスカートリッジ筐体19に根元部151aを当接して固着される。
【0072】
前述のように、クリーニングブレード15の調整穴511a、511b、および、取り付け穴512a、512bは、クリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19に載置したときに、プロセスカートリッジ筐体19の調整ねじ穴191a、191bおよび取り付けねじ穴192a、192bが、クリーニングブレード15も調整穴511a、511b、および、取り付け穴512a、512bに対向するようにに配置されている。
【0073】
したがって、クリーニングブレード15を、取り付けねじ16a、16bを取り付け穴512a、512bにそれぞれ貫通させて取り付けねじ穴192a、192bに螺合することによりプロセスカートリッジ筐体19に固着したときに、既にプロセスカートリッジ筐体19に取り付けられている調整ねじ17a、17bの頭部の上面はクリーニングブレード15の調整穴511a、511bから露呈する。そして、調整穴511a、511bを貫通して調整具を調整ねじ17a、17bの頭部上面に刻まれた六角穴に係合させ、調整具を回動させることにより、調整ねじ17a、17bを回動させることができる。
【0074】
図7は、プロセスカートリッジ筐体19へ取り付られたクリーニングブレード15の先端部の位置を調整する方法を説明する図である。
【0075】
感光体ドラム11とクリーニングブレード15とは、プロセスカートリッジ筐体19に取り付けられるので、プロセスカートリッジ筐体19へ取り付けられたクリーニングブレード15の先端部(先端部材152)の根元部取り付け面19S1からの高さを所定の位置にすることにより、感光体ドラム11に対してクリーニングブレード15の先端部の位置を適切に配置することができる。
【0076】
本実施の形態においては、クリーニングブレード15の先端部材152の根元部取り付け面19S1からの高さを、基準寸法Kにすることにより、感光体ドラム11に対してクリーニングブレード15の先端部の位置を適切に配置することができる。
【0077】
基準寸法Kは、クリーニングブレード15の先端の先端部材152が、好適に感光体ドラム11表面の現像剤を掻き取るのに好適な寸法であり、支持部材151の材質、厚さ、およびプロセスカートリッジの許容寸法等の設計条件により設定される。クリーニングブレード15の先端部材152の根元部取り付け面19S1からの高さを基準寸法Kにすることにより、クリーニングブレード15の先端の先端部材152が感光体ドラム11に好適に弾接する適切な位置にクリーニングブレード15を配置でき、感光体ドラム11から現像剤の除去を好適に実行でき、かつ、先端部材152にめくれ等の変形を生じることがない。
【0078】
クリーニングブレード15の先端部材152の根元部取り付け面19S1からの高さは、プロセスカートリッジ筐体19の調整ねじ穴191a、調整ねじ穴191bに螺合させている調整ねじ17a、17bを回動することにより変えることができる。すなわち、調整ねじ17a、17bを回動することにより、調整ねじ17a、17bの頭部の調整ねじ穴191からの突出高を微細に変更できるので、調整ねじ17a、17bを回動することにより、調整ねじ17a、17bの頭部に当接されるクリーニングブレード15の撓み量を微細に変化せしめて、クリーニングブレード15の先端の先端部材152の根元部取り付け面19S1からの高さを微細に変えることができる。
【0079】
調整ねじ17a、17bの回動は、調整ねじ17a、17bの頭部に刻まれた六角穴に係合可能な先端部を有する調整具Tを、クリーニングブレード15の支持部材151の調整穴511を通して調整ねじ17の頭部の六角穴に挿入、係合させ、調整具Tを回動することによりなされる。
【0080】
Mは計測手段であり、クリーニングブレード15の先端部である先端部材152の根元部取り付け面19S1からの高さを計測する。なお、先端部材152の根元部取り付け面19S1からの高さの計測は、クリーニングブレード15の先端部材152の根元部取り付け面19S1からの高さの基準寸法Kに対するクリーニングブレード15の先端部である先端部材152の偏移量を測定するものであっても良い。
【0081】
クリーニングブレード15の先端部の位置の調整は、作業者が計測手段Mによる測定値を確認しながら調整具Tを回動して調整ねじ17a、17bを回動し、調整ねじ17a、17bの調整ねじ穴191からの突出高を変更することによりなされる。計測手段Mによる測定値が所定の範囲に到達したとき、調整具Tによる調整ねじ17a、17bの回動を止め、調整具Tを抜去して、クリーニングブレード15の取り付け位置の調整を完了する。なお、調整完了後の調整ねじ17a、17bは、クリーニングブレード15により弾接されているので、振動等が加えられても回動することはなく、調整ねじ穴191からの突出高が変化してしまうことはない。
【0082】
このような調整方法により、クリーニングブレード15の先端の先端部材152の位置を±0.2〜±0.3mmの精度範囲にてプロセスカートリッジ筐体19に配置することができ、感光体ドラムに対するクリーニングブレード15の先端部の位置を設定できる。
【0083】
なお調整に際しては、クリーニングブレード15を取り付けたプロセスカートリッジ筐体19を載置できる台に計測手段Mを配置した一体型の調整受け台を使用して、クリーニングブレード15の先端部の、根元部取り付け面19S1からの高さを計測するようにしても良い。
【0084】
以上述べたように、本発明を適用したプロセスカートリッジは、クリーニング手段が感光体ドラムへ当接する先端部を適切な位置に配置することを、容易に、かつ、微細な精度で実施できる。すなわち、感光体ドラムに対するクリーニング手段の先端の位置の好適な配置が容易なプロセスカートリッジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明のプロセスカートリッジが装着される画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
【図2】プロセスカートリッジ10の構成を説明する模式図である。
【図3】クリーニングブレード15を説明する図である。
【図4】プロセスカートリッジ筐体19のクリーニングブレード15を取り付ける個所を示す部分図である。
【図5】プロセスカートリッジ筐体19に調整ねじ17a、17bを取り付けた状態を示す図である。
【図6】クリーニングブレード15をプロセスカートリッジ筐体19へ固定した状態を説明する図である。
【図7】プロセスカートリッジ筐体19へ取り付られたクリーニングブレード15の先端部の位置の調整を説明する図である。
【符号の説明】
【0086】
1 画像形成装置本体
2 原稿画像読み取り装置
10 プロセスカートリッジ
11 感光体ドラム
12 帯電器
14 現像手段部
15 クリーニングブレード
16 取り付けねじ
17 調整ねじ
18 ホッパー部
19 プロセスカートリッジ筐体
20 給紙カセット
21 給紙搬送手段
22 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
30 像露光手段
51 一次転写ローラ
52 二次転写ローラ
70 中間転写ユニット
76 中間転写体クリーニング手段6b
77 中間転写ベルト
S 転写材
T 調整具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、現像剤にて形成された可視像を担持する回転可能な像担持手段と、
前記像担持手段上に残存する現像剤を除去するクリーニング手段と、
前記クリーニング手段を押圧する押圧部材と、
を有し、
前記クリーニング手段は、前記クリーニング手段を固定させるための根元部と、前記像担持手段に弾接させて前記像担持手段上に残存する現像剤を除去するための先端部を有するものであり、
前記押圧部材は、前記クリーニング手段の前記根元部と前記先端部の間に配置されて前記クリーニング手段を押圧するもので、
前記クリーニング手段への押圧は、前記押圧部材を動かして調整するものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジは、前記クリーニング手段が固定されたときに、前記根元部に隣接する個所に、前記押圧部材を保持する保持部を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記クリーニング手段は、前記クリーニング手段が固定されたときに前記押圧部材に対向する位置に、前記押圧部材より小さい径の開孔を有することを特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−298936(P2008−298936A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143038(P2007−143038)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】