説明

プロセス監視システム

【課題】プロセスフロー画面上に、トレンド表示、警報履歴表示、操作・動作履歴表示、オペレータ日誌表示などの時系列画面を表示し、プレイバック機能により全表示画面を再生時刻に連動させて表示させる。
【解決手段】制御装置2と表示装置6と入力装置5と監視装置1とから構成されるプロセス監視システムにおいて、プロセスフロー画面上に、トレンドデータを表示するトレンド画面と、警報履歴データを表示する警報履歴画面と、操作・動作履歴データを表示する操作・動作履歴画面と、オペレータ日誌データを表示するオペレータ日誌画面などの時系列画面を同時に表示して、プレイバック操作画面の操作に応じて、蓄積したDB14〜17から、指定した再生時刻のデータをそれぞれ取り出して、各画面において連動させて表示する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はプロセス監視システムに関し、特に、鉄鋼、石油化学などの産業プラントや上下水処理などの公共プラントなどの各種プラントの監視制御を行うプロセス監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプロセス監視システムは、フィールド機器からのプロセスデータや警報イベントなどのリアルタイム情報と、トレンドデータや警報イベントや機器動作イベントなどをデータベース(以下、DBとする。)に保存した時系列情報とを有している。時系列情報はトレンドデータなどの数値データと警報や機器動作などのイベント情報とに分けられる。こうして分けられた種別ごとに、時系列情報は、独立したDBと表示画面とで管理されることが多いため、プロセス異常や製品品質異常が発生した場合に、当該異常に関連性の強い数値データとイベントデータの情報を、それぞれを管理する複数の画面、すなわち、トレンド表示画面や警報履歴画面や機器の動作履歴画面などを切り替えながら、当該異常について調査するといった作業が必要だった。
【0003】
これを解決するための方法として、例えば、特許文献1は、トレンド表示画面に警報や機器動作などのイベント情報も表示させ、指定時間付近の時系列データを容易に比較できる方法を提供している。
【0004】
また、特許文献2は、トレンド表示画面にトレンドデータと警報イベントとガイダンスメッセージと操作実績と申し送り情報とを同一画面上に表示することで付近の時系列データを容易に比較できる方法を提供している。
【0005】
特許文献3は、トレンドデータを元にプロセスフロー画面のデータをプレイバックすることにより、プロセス異常発生時の広い範囲でのプロセス状態を確認することができる監視装置を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−134154号公報
【特許文献2】特開2005−11170号公報
【特許文献3】特開平10−171531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プロセス異常が発生した場合に、プロセスデータの収集箇所または収集箇所に比較的近い箇所でトラブル原因が発生した場合には、特許文献1,2の方法での調査が有効だが、プロセスデータの収集箇所から少し離れた箇所でトラブル原因が発生した場合には、広い範囲のプロセスデータや機器の動作状態を比較するのは、複数のトレンドデータを切り替えて表示させるなどの煩雑な作業が必要となり、オペレータの負荷が大きく、また、不慣れなオペレータでは原因を見つけるのに時間がかかるという問題点があった。
【0008】
また、特許文献3の方法では、広い範囲でのプロセスデータや機器の動作状態を再生することによってトラブル原因機器を見つけ出しやすくなるが、プロセスフロー画面では時系列の見方ができないため、結局は、おおまかな予測で、トラブル原因の発生箇所と思われる箇所を見出し、トレンドデータなどの時系列データと比較をしながら調査を進めていくという作業となってしまい、当該方法においても、オペレータの負荷が大きく、また、不慣れなオペレータでは原因を見つけるのに時間がかかるという問題点があった。
【0009】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、プロセスフロー画面上に、トレンド表示、警報履歴表示、操作・動作履歴表示、オペレータ日誌表示などの時系列画面を表示し、プレイバック機能によりそれらの全表示画面を再生時刻に連動させて表示させることが可能な、プロセス監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、監視対象の機器からプロセスデータを受信するデータ通信処理部と、前記プロセスデータをトレンドデータとして時系列に保存するトレンドデータベースと、前記プロセスデータに基づく警報イベントを警報履歴データとして保存する警報履歴データベースと、前記機器に対するオペレータによる操作および前記機器の動作の履歴データを操作・動作履歴データとして保存する操作・動作履歴データベースと、オペレータにより入力されるオペレータ日誌データを保存するオペレータ日誌データベースと、前記プロセスデータを表示するプロセスフロー画面、前記トレンドデータを時系列表示するトレンド画面、前記警報履歴データを時系列表示する警報履歴画面、前記操作・動作履歴データを時系列表示する操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌データを時系列表示するオペレータ日誌画面の表示を表示装置に対して行うとともに、入力装置に入力されたオペレータからの入力を処理する表示・入力処理部と、前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースと、前記表示・入力処理部との間の情報のやりとりを制御するプレイバック処理部と、前記入力装置に入力されるオペレータからの表示モード切替指示に基づいて、表示モードを、リアルタイムのデータの表示を行なう通常モードと、過去のデータの再生を行なうプレイバックモードのいずれか一方に設定するモード切替部とを備え、前記プレイバック処理部は、前記通常モード時は、前記機器からのリアルタイムのプロセスデータを前記表示・入力処理部に送信し、前記プレイバックモード時は、前記入力装置に入力されるオペレータから指定される再生時刻に基づいて、前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースから、前記再生時刻に対応する、前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データをそれぞれ取り出し、取り出した各データを前記表示・入力処理部に送信し、前記表示・入力処理部は、前記通常モード時は、前記プレイバック処理部から受け取ったリアルタイムのプロセスデータを、前記プロセスフロー画面に表示し、前記プレイバックモード時は、前記プロセスフロー画面上に、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面の各画面を表示し、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データを、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面のそれぞれにおいて表示するとともに、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータに基づくプロセスデータの表示を前記プロセスフロー画面にて行なうことを特徴とするプロセス監視システムである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、監視対象の機器からプロセスデータを受信するデータ通信処理部と、前記プロセスデータをトレンドデータとして時系列に保存するトレンドデータベースと、前記プロセスデータに基づく警報イベントを警報履歴データとして保存する警報履歴データベースと、前記機器に対するオペレータによる操作および前記機器の動作の履歴データを操作・動作履歴データとして保存する操作・動作履歴データベースと、オペレータにより入力されるオペレータ日誌データを保存するオペレータ日誌データベースと、前記プロセスデータを表示するプロセスフロー画面、前記トレンドデータを時系列表示するトレンド画面、前記警報履歴データを時系列表示する警報履歴画面、前記操作・動作履歴データを時系列表示する操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌データを時系列表示するオペレータ日誌画面の表示を表示装置に対して行うとともに、入力装置に入力されたオペレータからの入力を処理する表示・入力処理部と、前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースと、前記表示・入力処理部との間の情報のやりとりを制御するプレイバック処理部と、前記入力装置に入力されるオペレータからの表示モード切替指示に基づいて、表示モードを、リアルタイムのデータの表示を行なう通常モードと、過去のデータの再生を行なうプレイバックモードのいずれか一方に設定するモード切替部とを備え、前記プレイバック処理部は、前記通常モード時は、前記機器からのリアルタイムのプロセスデータを前記表示・入力処理部に送信し、前記プレイバックモード時は、前記入力装置に入力されるオペレータから指定される再生時刻に基づいて、前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースから、前記再生時刻に対応する、前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データをそれぞれ取り出し、取り出した各データを前記表示・入力処理部に送信し、前記表示・入力処理部は、前記通常モード時は、前記プレイバック処理部から受け取ったリアルタイムのプロセスデータを、前記プロセスフロー画面に表示し、前記プレイバックモード時は、前記プロセスフロー画面上に、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面の各画面を表示し、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データを、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面のそれぞれにおいて表示するとともに、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータに基づくプロセスデータの表示を前記プロセスフロー画面にて行なうことを特徴とするプロセス監視システムであるので、プロセスフロー画面上に、トレンド表示、警報履歴表示、操作・動作履歴表示、オペレータ日誌表示などの時系列画面を表示し、プレイバック機能によりそれらの全表示画面を再生時刻に連動させて表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態となるプレイバック処理部を組み込んだプロセス監視システムのブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態となるプレイバック機能のプロセスフロー画面での適用例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態となるプレイバック機能の操作画面の具体例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態となるプレイバック機能のトレンド画面の具体例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態となるプレイバック機能の警報履歴画面の具体例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態となるプレイバック機能の操作・動作履歴画面の具体例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態となるプレイバック機能のオペレータ日誌画面の具体例を示す図である。
【図8】プロセス監視システムのプロセスフロー画面の1例を示す図である。
【図9】プロセス監視システムのプロセスフロー画面の1例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明を図面により詳細に説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係るプレイバック処理部11を備えたプロセス監視システムのブロック図である。
プロセス監視システムは監視装置1から構成され、監視装置1には、制御装置2と、入力装置5と、表示装置6とが接続されている。
制御装置2は、プラントに設置された温度計、圧力計、バルブ、ポンプなどのフィールド機器3を制御するとともに、フィールド機器3からプロセス値を取得する。なお、プロセス値(プロセスデータ)とは、各フィールド機器3の現在の値(状態値)のことであり、フィールド機器3が温度計や圧力計などの計測機器の場合には、当該計測機器で計測された実測値(数値データ)であり、フィールド機器3がバルブやポンプの場合には、その動作を示す動作信号であり、また、それらのフィールド機器3から発生される警報信号(アラーム信号)や故障信号などの異常信号もプロセス値(プロセスデータ)に含まれる。各プロセス値には、それらを特定するための表示データ信号85Aと呼ばれる固有識別番号が付され、当該固有識別番号により管理される。また、制御装置2は、例えば、コンピュータ等の計算機あるいはプログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構成する。
入力装置5は、運転操作や設定操作を行なうためのマウス51やキーボード52などインターフェース機器を有し、それらによって入力された操作情報を監視装置1に伝達する。
表示装置6は、監視装置1からの画像情報を受けて、液晶モニタ(LCD)61やCRTモニタ等のディスプレイ機器を用いて、画面の表示を行なう。図1においては、ディスプレイ機器として、LCD61を用いた例を示している。
監視装置1は、制御装置2のプロセス値を取得し、それを加工して、後述する各データベース(以下、DBとする。)14〜17に保存したり、入力装置5の操作情報に基づき、各種処理を行い、表示装置6へ画像情報を送るなどの処理を行う。
【0014】
監視装置1は、制御装置2からフィールド機器3のプロセス値を取得するデータ通信処理部13と、データ通信処理部13からプロセス値を受信し、当該プロセス値に対して正規化などの所定の処理を行い、当該プロセス値が、温度計などのフィールド機器3による数値データの場合は数値データの警報判定により必要に応じて警報イベントを発生させるとともに、当該プロセス値がバルブなどのフィールド機器3からの動作信号およびアラーム信号のときは、それが動作信号のときは動作イベントを発生させ、アラーム信号のときはそれをそのまま警報イベントとして処理するデータ処理部12と、データ処理部12で処理されたプロセス値をトレンドデータとして時系列に保存するトレンドDB14と、データ処理部12からの警報イベントの情報を保存する警報履歴DB15と、データ処理部12からの動作イベントの情報を保存するとともにオペレータによる監視画面(プロセスフロー画面62)からの設定などの操作イベントの情報を保存する操作・動作履歴DB16と、監視画面から日々の業務結果や申し送り事項などを入力した結果をオペレータ日誌データとして保存するオペレータ日誌DB17と、表示装置6に対してプロセスフロー画面62(図2,8参照)やプレイバック操作画面70(図3参照)やトレンド画面80(図4参照)や警報履歴画面90(図5参照)や操作・動作履歴画面100(図6参照)やオペレータ日誌画面110(図7参照)の表示を行うための画像情報を送るとともに入力装置5を通してオペレータからの操作や入力を処理する表示・入力処理部18と、前記各DB14〜17と表示・入力処理部18との間の情報のやりとりを制御するプレイバック処理部11とを有する。
【0015】
表示・入力処理部18には、図1に示すように、表示装置6に対してプロセスフロー画面62(図2,8参照)の表示を行なわせるためのプロセスフロー表示・操作部18Aと、表示装置6にトレンド画面80(図4参照)の表示を行なわせるためのトレンド表示部18Bと、表示装置6に警報履歴画面90(図5参照)の表示を行なわせるための警報履歴表示部18Cと、表示装置6に操作・動作履歴画面100(図6参照)の表示を行なわせるための操作・動作履歴表示部18Dと、表示装置6にオペレータ日誌画面110(図7参照)の表示を行わせるとともにオペレータ日誌の入力を処理するオペレータ日誌表示・入力部18Eと、表示装置6にプレイバック操作画面70(図3参照)の表示を行なわせるためのプレイバック操作画面表示部18Fとが設けられている。
【0016】
また、プレイバック処理部11には、図1に示すように、プロセスフロー表示・操作部18Aに対してデータ処理部12とトレンドDB14のいずれか一方を接続するように接続の切り替えを行なうためのプロセスデータ切替部11Aと、トレンドDB14とトレンド表示部18Bとを接続/切断するトレンド表示切替部11Bと、警報履歴DB15と警報履歴表示部18Cとを接続/切断する警報履歴表示切替部11Cと、操作・動作履歴DB16と操作・動作履歴表示部18Dとを接続/切断する操作・動作履歴表示切替部11Dと、オペレータ日誌DB17とオペレータ日誌表示・入力部18Eとを接続/切断するオペレータ日誌表示切替部11Eとが設けられている。各切替部11B〜11Eは、通常開放(切断)されているが、各DBからデータを取り出すときに接続に切り替える。
【0017】
データ処理部12は、データ通信処理部13から取得したプロセス値を、プロセス値毎に予め設定された情報に基づき正規化などの処理を行なった後に、予め設定された周期で、当該処理を行なったプロセス値を、トレンドDB14に格納する。
またそれと同時に、データ処理部12は、次の処理も行なう。
データ処理部12は、プロセス値が数値データの場合は、プロセス値毎に予め設定された情報に基づき、予め設定された警報判定値(しきい値)と当該数値データとを比較し、数値データが警報判定値を超えていた場合には、警報イベントを発生させ、それを警報履歴DB15に格納する。
また、プロセス値がセンサからのアラーム信号や機器の故障信号などの異常信号の場合は、データ処理部12は、当該異常信号を、そのまま警報イベントとして、警報履歴DB15に格納する。
また、プロセス値がバルブなどの機器の動作信号の場合には、プロセス値毎に予め設定された情報に基づき、当該動作信号から動作イベントを発生させ、操作・動作履歴DB16にそれを格納する。
【0018】
なお、プロセスフロー表示・操作部18Aにより表示されるプロセスフロー画面62(図8)などで、オペレータが、バルブなどのフィールド機器3を操作したり、フィールド機器3のパラメータを設定したりすることがあるが、当該操作や設定を行なうと、表示・入力処理部18の操作・動作履歴表示部18Dからの信号により、操作イベントが発生され、プレイバック処理部11の操作・動作履歴表示切替部11Dが操作・動作履歴DB16に当該操作イベントを格納する。また、オペレータ日誌表示・入力部18Eにより表示されるオペレータ日誌画面110から設定または入力された日誌情報は、表示・入力処理部18のオペレータ日誌表示・入力部18Eからの信号により、プレイバック処理部11のオペレータ日誌表示切替部11Eが、オペレータ日誌DB17に格納する。
【0019】
表示・入力処理部18は、入力装置5からのオペレータからの操作要求に応じて、図2,8に示すプロセスフロー画面62や、図3に示すプレイバック操作画面70、図4に示すトレンド画面80や、図5に示す警報履歴画面90や、図6に示す操作・動作履歴画面100や、図7に示すオペレータ日誌画面110などを、表示装置6のLCD61に表示する(以下では、「LCD61」との記載を省略し、単に「表示装置6に表示する」と記載する。)。表示・入力処理部18による表示装置6への表示には、2つの表示モードがあり、1つは、リアルタイムデータを表示するプロセスフロー画面62を表示する通常モードであり、他の1つは、過去のデータを再生するプレイバックモードである。図8が通常モードの表示例であり、図8のプロセスフロー画面62の右上のプレイバックモード操作スイッチ66をクリックすることにより、プレイバックモードに切り替わり、図2の画面が表示される。以下に詳細に説明する。
【0020】
まず、通常モードについて説明する。表示・入力処理部18は、通常時(デフォルト時)、および、入力装置5からのオペレータからの操作要求がプロセスフロー画面62の表示要求の場合には、画面に表示するためのリアルタイムのプロセス値(数値データやバルブなどの機器状態データ)を、プレイバック処理部11のプロセスデータ切り替え部11Aを介して、データ処理部12から直接リアルタイムで取得し、プロセスフロー表示・操作部18Aにより画像処理した結果を表示装置6に出力することで、図8に示すプロセスフロー画面62が表示装置6によりLCD61の画面に表示される。プロセスフロー画面62では、図8に示すように、フィールド機器3の各機器の配置または接続関係が表示されるとともに、データ処理部12から受信したリアルタイムのフィールド機器3のプロセス値に基づいて各機器による計測値等の各種数値データ68や各機器の状態表示67が各機器ごとに視覚的にわかりやすく表示される。
【0021】
また、通常モード時で、プロセスフロー画面62の表示中に、入力装置5にオペレータからのトレンド画面80や警報履歴画面90等の表示要求があった場合には、それに応じて、トレンド画面80や警報履歴画面90等が、プロセスフロー画面62に追加表示される。図9に、トレンド画面80が、プロセスフロー画面62上に追加表示された状態の一例を示す。
【0022】
具体的には、表示・入力処理部18は、通常モード時に、入力装置5へのオペレータの入力がトレンド画面80の表示要求だった場合は、プロセスフロー画面62上にトレンド画面80を表示し、プロセス値の種別を特定するための固有識別番号である(トレンド画面80下部に表示されているトレンドデータ表示ペン情報85の)表示データ信号85Aに基づき、プレイバック処理部11のトレンド表示部11Bにより、トレンドDB14から、現在のプロセス値と予め設定された所定時間範囲の直近の過去のプロセス値とをトレンドデータとして取り出し、トレンド表示部18Bで画像処理した結果を表示装置6に出力することで画面表示する。なお、トレンドデータとは、プロセス値を時系列に折れ線グラフ等のグラフで表示することにより、プロセス値の推移が表示され、それにより、プロセス値の傾向(トレンド)を示すデータのことである。この場合、図9のトレンド画面80のグラフ85Cにおける右端が現在のデータで、グラフ85Cのそれよりも左側に表示されている部分が直近の過去のデータとなる。すなわち、図9の例でいえば、2011年7月25日13:30:00が現在の時刻で、同日の09:30:00〜13:30:00未満までの部分が直近の過去のデータとなる。
【0023】
また、表示・入力処理部18は、通常モード時に、入力装置5へのオペレータの入力が警報履歴画面90表示要求の場合は、プロセスフロー画面62上に当該画面を表示し、警報履歴DB15から、予め設定された所定範囲の直近の警報履歴データを、プレイバック処理部11の警報履歴表示切替部11Cで受信し、警報履歴表示部18Cで画像処理した結果を表示装置6に出力することで画面表示する。
【0024】
また、表示・入力処理部18は、通常モード時に、入力装置5へのオペレータの入力が操作・動作履歴画面100表示要求の場合は、プロセスフロー画面62上に当該画面を表示し、操作・警報履歴DB16より、予め設定された所定範囲の直近の操作・動作履歴データを、プレイバック処理部11の操作・動作履歴表示切替部11Dにより受信し、操作・動作履歴表示部18Dで画像処理した結果を表示装置6に出力することで画面表示する。
【0025】
また、表示・入力処理部18は、通常モード時に、入力装置5へのオペレータの入力がオペレータ日誌画面110表示要求の場合は、プロセスフロー画面62上に当該画面を表示し、オペレータ日誌DB17より、予め設定された所定範囲の直近のオペレータ日誌データを、プレイバック処理部11のオペレータ日誌表示切替部11Eにより受信し、オペレータ日誌表示部18Eで画像処理した結果を表示装置6に出力することで画面表示する。
【0026】
なお、通常モード時のオペレータの入力装置5への表示要求の入力方法としては、例えば、図8に示すプロセスフロー画面62に表示されている、ツールバーであるプロセス監視システム共通表示部69内の画面展開メニュー呼び出しスイッチ65をマウス51によりクリックすることで、図9に示すプルダウンメニュー65Aが表示される。そこで、プルダウンメニュー65Aの中の「トレンド表示」をクリックすることで、トレンド画面80が表示される。また、図9に示すように、当該トレンド画面80が表示された状態で、さらに、プルダウンメニュー65Aの中の「警報履歴表示」をクリックすると、警報履歴画面90がプロセスフロー画面62中に追加される。操作・動作履歴画面100およびオペレータ日誌画面110の表示についても同様の操作で表示される。あるいは、図9に示すように、「トレンド」ボタン600、「警報履歴」ボタン601、「操作・動作履歴」ボタン602、「オペレータ日誌」ボタン603をプロセスフロー画面62に予め表示させるように設計しておき、それらをクリックすることにより、トレンド画面80等を表示させるようにしてもよい。
【0027】
次に、プレイバックモードについて説明する。通常モードからプレイバックモードへの切り替えは、上述のように、図8のプロセスフロー画面62の右上のプレイバックモード操作スイッチ66をクリックすることにより、プレイバックモードに切り替わる。プレイバックモードに切り替わると、プレイバック操作画面表示部18Fにより、図2に示すように、プレイバックモード操作スイッチ66がプレイバック操作画面70に切り替わると同時に、トレンド表示部18B、警報履歴表示部18C、操作・動作履歴表示部18D、および、オペレータ日誌表示・入力部18Eにより、トレンド画面80と警報履歴画面90と操作・動作履歴画面100とオペレータ日誌画面110とがすべて自動的にプロセスフロー画面62上に表示される。なお、下記の説明においては、プレイバックモード時には、トレンド画面80と警報履歴画面90と操作・動作履歴画面100とオペレータ日誌画面110のすべてが表示される例について説明するが、これに限定されるものではなく、オペレータにより、プレイバックモード時にどの画面を表示するかにつき選択設定できる構成にしてもよい。
【0028】
図3は、プレイバックモード時に表示されるプレイバック操作画面70の具体例を示す図である。オペレータは、プレイバック操作画面70において、プレイバック開始時刻設定欄75とプレイバック終了時刻設定欄76に、プレイバック表示(再生表示)したいデータの開始時刻と終了時刻とをそれぞれ入力し設定する。入力方法としては、画面上のプレイバック開始時刻設定欄75の位置にマウスポインタをおき、そこで、クリックすると、開始時刻が入力可能な状態になるので、キーボード52等を用いて、プレイバック開始時刻設定欄75に直接入力する。プレイバック終了時刻設定欄76においても同様の方法で入力する。なお、入力方法は一例であって、これに限定されるものではない。このようにして、開始時刻および終了時刻を入力することにより、データのプレイバック(再生)を行なう時間範囲が設定され、再生時刻表示74に、プレイバック開始時刻設定欄75に入力したプレイバック開始時刻が表示される。次に、オペレータが再生ボタン73Dをクリックすると、再生動作が開始され、当該再生時刻表示74が、プレイバック開始時刻から一定周期で時刻が加算され、プレイバック終了時刻設定欄76に入力したプレイバック終了時刻になるまで、設定された時間時範囲のデータが、トレンド画面80と警報履歴画面90と操作・動作履歴画面100とオペレータ日誌画面110とにおいて連動して同時にプレイバック再生される。また、再生中に一時停止ボタン73Cを押すと、すべての画面においてプレイバック再生が一時停止される。また、逆再生ボタン73Bを押すと、再生時刻表示74に表示されている時刻から一定周期で時刻が減算され、プレイバック開始時刻設定欄75に入力したプレイバック開始時刻まで、すべての画面で、連動して同時にプレイバック逆再生が行われる。また、一時停止中に巻き戻しボタン73Aを押すと、押した回数だけ再生時刻表示74に表示されている時刻が減算され、逆に、早送りボタン73Eを押すと、押した回数だけ再生時刻表示74に表示されている時刻が加算される。また、プレイバック操作終了ボタン71を押すことで、プレイバックモードが解除され、通常モードにモード変更され、プレイバック操作画面70がプレイバックモード操作スイッチ66に切り替ると同時に、トレンド表示画面80と警報履歴画面90と操作・動作履歴画面100とオペレータ日誌画面110とが画面から消去される。
【0029】
表示・入力処理部18は、プレイバック操作画面70においてデータのプレイバック再生を行なう開始時刻と終了時刻の設定入力がされ、再生時刻表示74に再生時刻が表示されると、プロセスフロー画面62に表示するための数値データやバルブなどの機器状態データ(プロセス値)として、プレイバック処理部11のプロセスデータ切り替え部11Aを介して、再生時刻表示74に表示されているオペレータから設定された再生時刻に基づき、トレンドDB14から、その時刻の数値データやバルブなどの機器状態データを取得し、プロセスフロー表示・操作部18Aへ送り、プロセスフロー表示・操作部18Aで画像処理した結果を表示装置6に出力することで、プロセスフロー画面62に当該データを表示する。プロセスフロー画面62では、図2に示すように、トレンドDB14から取得した各種数値データ68や機器の状態表示67が視覚的にわかりやすく表示される。
【0030】
また、それと同時に、表示・入力処理部18は、プレイバック処理部11のトレンド表示切替部11Bで、再生時刻表示74に表示されている再生時刻に基づき、トレンドDB14から、再生時刻前後のトレンドデータを取得し、トレンド表示部18Bへ送り、トレンド表示部18Bで画像処理した結果を表示装置6に出力することで、トレンド画面80に当該データを表示する。なお、上記の再生時刻前後のデータとは、再生時刻を中心とする所定時間範囲のデータのことを意味する(以下においても同様。)。図2または図4のトレンド画面80のグラフ85Cにおけるカーソル83の位置に表示されているデータが、再生時刻表示74に現在表示されている再生時刻に対応しているデータで、グラフ85Cのカーソル83の左右の部分に表示されている部分が再生時刻前後のデータとなる。すなわち、図2および図4の例でいえば、2011年7月25日11:30:00が、再生時刻表示74に現在表示されている再生時刻で、同日の09:30:00〜11:30:00未満までの部分が再生時刻よりも過去のデータとなり、同日の11:30:00より後で13:30:00までの部分が再生時刻よりも後のデータとなる。
【0031】
また、それと同時に、表示・入力処理部18は、警報履歴表示切替部11Cで、再生時刻表示74に表示されている再生時刻に基づき、警報履歴DB15から、再生時刻前後の警報履歴データを取得し、警報履歴表示18Cへ送り、警報履歴表示18Cで画像処理した結果を表示装置6に出力することで、アラーム履歴画面90に当該データを表示する。図5のアラーム履歴画面90における強調表示93が行なわれているデータが、再生時刻表示74に現在表示されている再生時刻に対応しているデータで、その上下の部分に表示されている部分が再生時刻前後のデータとなる。
【0032】
また、それと同時に、表示・入力処理部18は、操作・動作履歴表示切替部11Dで、再生時刻表示74に表示されている再生時刻に基づき、操作・動作履歴DB16から、再生時刻前後の操作・動作履歴データを取得し、操作・動作履歴表示18Dへ送り、操作・動作履歴表示18Dで画像処理した結果を表示装置6に出力することで、操作・動作履歴画面100に当該データを表示する。図6の操作・動作履歴画面100における強調表示103が行なわれているデータが、再生時刻表示74に現在表示されている再生時刻に対応しているデータで、その上下の部分に表示されている部分が再生時刻前後のデータとなる。
【0033】
また、それと同時に、表示・入力処理部18は、オペレータ日誌表示切替部11Eで、再生時刻表示74に表示されている再生時刻に基づき、オペレータ日誌DB17から、再生時刻前後のオペレータ日誌データを取得し、オペレータ日誌表示・入力部18Eへ送り、オペレータ日誌表示・入力部18Eで画像処理した結果を表示装置6に出力することで、当該データをオペレータ日誌画面110に表示する。図7のオペレータ日誌画面110における強調表示113が行なわれているデータが、再生時刻表示74に現在表示されている再生時刻に対応しているデータで、その上下の部分に表示されている部分が再生時刻前後のデータとなる。
【0034】
このように、プレイバック操作画面70において、再生時刻の設定がなされると、表示・入力処理部18が、プレイバック処理部11を介して、すべてのDB14〜17から、当該再生時刻前後のデータを連動させて同時に取り出し、それらを、各画面62,80,90,100,110に表示する。これにより、各画面62,80,90,100,110において、指定された再生時刻のデータを連動して同時に再生することができる。
【0035】
なお、上述の説明においては、再生時刻の設定をプレイバック操作画面70において行なう例について説明したが、再生時刻の設定は、他の画面80,90,100,110においても行なうことができる。プレイバックモードに切り替えたすぐの時点(再生時刻が未設定の状態)では、デフォルト値として、通常モードと同様に、現在時刻のデータから所定時間範囲だけ遡った過去のデータが各画面62、80,90,100,110に表示されている。この段階では、再生動作は停止状態であり、まだ再生動作は開始されていない。そのときに、画面80,90,100,110において表示される(後述の)時間スライドスクロールバーを操作することにより、再生時刻の設定が可能である。画面80,90,100,110のうちの1つの画面において、時間スライドスクロールバーの操作が行なわれると、プレイバック操作画面70の再生時刻表示74の時刻が加算または減算される構成となっている。これにより、画面80,90,100,110の他の画面においても、それに連動した動作となる。なお、再生動作開始前だけに限らず、再生動作が開始した後においても、再生動作を一時停止すれば、上記の時間スライドスクロールバーによる再生時刻の設定は可能である。本実施の形態においては、このようにすることにより、画面80,90,100,110のうちの1つの画面で再生時刻を設定すれば、他の画面においても、それに連動した動作となる。以下、本実施の形態に係るプロセス監視システムの動作についてさらに詳細に説明する。画面上の操作はマウスなどの入力用機器で行う。
【0036】
図8は、本実施の形態に係るプロセス監視システムのプロセスフロー画面62の一例である。プロセス監視システムでは、プロセスフロー画面62のような、視覚的にわかりやすい画面で、プロセスからの数値データ68やバルブなどの機器の状態表示67をグラフィカルに行い、監視・操業を行っている。プロセスフロー画面62の上部には、ツールバーとしてのプロセス監視システム共通表示部69が常に表示されており、その中には、警報発生時に赤などの目立つ色でフリッカ表示させるための警報発生通知表示部63や、システム警報発生時に赤などの目立つ色でフリッカ表示させるシステム異常発生通知表示部64や、他の画面に展開するためのプルダウンメニュー65A(図9参照)を表示するための画面展開メニュー呼び出しスイッチ65が配置されており、さらには、この発明の特徴である、プレイバックモードに切り替えるためのプレイバックモード操作スイッチ66を配置する。
【0037】
図4は、本実施の形態に係るトレンド画面80の一例を示す図である。プレイバックモード操作スイッチ66を操作することでプレイバックモードとなり、トレンド表示画面80がプロセスフロー画面62上に表示される。監視対象となるフィールド機器3のプロセス値(のトレンドデータ)は、複数のトレンドグループ(以下、トレンドGPとする。)に分けられ、1つのトレンドGP単位に複数のトレンドデータ表示ペンが含まれる。トレンド表示画面80の上部において、現在表示されているデータが、どのトレンドGPのエータであるかを示すために、トレンドGP表示86がタイトルとして表示され、当該トレンドGPに含まれる複数のトレンドデータ表示ペン85(PEN1,PEN2,PEN3,・・・)が表示され、トレンドデータ表示ペン85ごとに割付られた各ペンの表示データ信号85Aに基づいて各ペンのトレンドグラフ85Cが表示される。トレンドデータの表示範囲はトレンドデータ表示範囲時刻84で任意に変更可能となるとともに、時間スライドスクロールバー82を操作することで表示範囲をスライドさせることができる。トレンドデータ表示ペン85のカーソル時間データ85Bには、データ表示時間を示すカーソル83が示す時刻のデータが表示され、データ表示時間を示すカーソル83を左右に移動させることで各ペンのカーソル時間データ85Bの表示を切り替えることができる。なお、グラフ85Cの横軸は上述のトレンドデータ表示範囲時刻84だが、縦軸は表示レンジ85Dである。トレンドデータ表示ペン85は複数あるため、任意のペンを画面上で選択することで、グラフ85Cの内容が切り替わるとともに、それに応じて、縦軸の表示レンジ85Dも切り替わる。表示レンジ85Dの変域は、選択された各ペンの表示データ信号85Aのデータの変域に合わせて自動的に設定される。プレイバックモード時は、データ表示時間を示すカーソル83が再生時刻表示74の時刻を示し、トレンドデータ表示範囲時刻84も再生時刻74に連動して変化する。また、再生動作が一時停止時にデータ表示時間を示すカーソル83または時間スライドスクロールバー82を操作することで、再生時刻表示74を加算または減算することができる。表示終了ボタン81を押すとトレンド表示画面80が画面から消去される。
【0038】
図5は、本実施の形態に係る警報履歴画面90の具体例を示す図である。警報履歴画面90には、時系列で過去の警報イベント情報が表示される。警報イベント情報は、警報発生日時94Aと、警報信号名94Bと、警報内容94Cとで構成される。時間スライドスクロールバー92を操作することで、警報イベント情報をスクロールさせることができる。プレイバックモード時は、再生時刻表示74を参照して、プレイバック再生中の時刻に最も近い履歴を強調表示93により強調して目立たせた表示を行う。強調表示の表示方法の例としては、その部分の表示を反転して行なう、あるいは、枠で囲む、あるいは、文字の色を変えて表示する等が挙げられ、この場合に限らず、強調表示が行なえる方法であれば、他のいずれの方法でもよい。また、プレイバック操作が一時停止時に、時間スライドスクロールバー92を操作することで、再生時刻表示74を加算または減算することができる。表示終了ボタン91を押すと、警報履歴画面90が画面から消去される。
【0039】
図6は、本実施の形態に係る操作・動作履歴画面100の具体例を示す図である。操作・動作履歴画面100には、時系列で過去の操作または機器の動作イベント情報が表示される。操作または機器の動作イベント情報は、操作・動作発生日時104Aと、操作事象または動作信号名104Bと、操作または動作内容104Cとで構成される。時間スライドスクロールバー102を操作することで、操作または機器の動作イベント情報をスクロールさせることができる。プレイバックモード時は、再生時刻表示74を参照して、プレイバック再生中の時刻に最も近い履歴を、強調表示103により強調して目立たせた表示を行う。強調表示の表示方法の例は、上記の強調表示93と同じである。また、プレイバック操作が一時停止時に、時間スライドスクロールバー102を操作することで、再生時刻表示74を加算または減算することができる。表示終了ボタン101を押すと、操作・動作履歴画面100が画面から消去される。
【0040】
図7は、本実施の形態に係るオペレータ日誌画面110の具体例を示す図である。オペレータ日誌画面110には、時系列でオペレータ日誌の入力イベント情報が表示される。オペレータ日誌情報は、日誌入力日時114Aと、日誌内容114Bとで構成される。時間スライドスクロールバー112を操作することで、操作または機器の動作イベント情報をスクロールさせることができる。プレイバックモード時は再生時刻表示74を参照して、プレイバック再生中の時刻に最も近い履歴を強調表示113により強調して目立たせた表示を行う。強調表示の表示方法の例は、上記の強調表示93と同じである。また、プレイバック操作が一時停止時に、時間スライドスクロールバー112を操作することで、再生時刻表示74を加算または減算することができる。表示終了ボタン111を押すと、オペレータ日誌画面110が消去される。
【0041】
以上のように、表示モードとして、リアルタイムのデータの表示を行なうための通常モードの他に、過去のデータのプレイバック再生を行なうためのプレイバックモードを用意しておき、プレイバックモードをオペレータが選択した場合に、設定された再生時刻表示74に表示された時刻に基づいて、当該時刻のデータプレイバック再生したプロセスフロー画面62上に、トレンド表示画面80や警報履歴画面90や操作・動作履歴画面100やオペレータ日誌画面110を同時に表示することができるので、1つの画面に、プロセスフロー表示の他に、トレンド表示、警報履歴表示、操作・動作履歴表示、オペレータ日誌表示などの時系列画面を同時に表示できるため、従来は画面を切り替えていたが、その手間が不要となり、オペレータの負荷が大幅に軽減され、トラブル原因が発生した箇所の特定を迅速かつ効率よく行なうことができる。
【0042】
また、すべてのリアルタイムデータおよび時系列データをプレイバック処理部11で管理するように構成したことで、どの画面62,80,90,100,110,110の時間スライドスクロールバーを操作しても、当該操作に基づいて、プレイバック操作画面70の再生時刻表示74が加算・減算されることで、各画面の再生時刻が連動して変更され、同期したデータ表示を自動的に行なうことができる。
【0043】
なお、上記の説明においては、プロセス監視システムの範疇として、監視装置1のみを含むとして説明したが、その場合に限らず、制御装置2、入力装置5、および、表示装置6(のうちの少なくとも1つ)も含むこととしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0044】
1 監視装置、2 制御装置、3 フィールド機器、5 入力装置、6 表示装置、11 プレイバック処理部、11A プロセスデータ切替部、11B トレンド表示切替部、11C 警報履歴表示切替部、11D 操作・動作履歴表示切替部、11E オペレータ日誌表示切替部、12 データ処理部、13 データ通信処理部、14 トレンドDB、15 警報履歴DB、16 操作・動作履歴DB、17 オペレータ日誌DB、18 表示・入力処理部、18A プロセスフロー表示・操作部、18B トレンド表示部、18C 警報履歴表示部、18D 操作・動作履歴表示部、18E オペレータ日誌表示・入力部、51 マウス、52 キーボード、61 液晶モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の機器からプロセスデータを受信するデータ通信処理部と、
前記プロセスデータをトレンドデータとして時系列に保存するトレンドデータベースと、
前記プロセスデータに基づく警報イベントを警報履歴データとして保存する警報履歴データベースと、
前記機器に対するオペレータによる操作および前記機器の動作の履歴データを操作・動作履歴データとして保存する操作・動作履歴データベースと、
オペレータにより入力されるオペレータ日誌データを保存するオペレータ日誌データベースと、
前記プロセスデータを表示するプロセスフロー画面、前記トレンドデータを時系列表示するトレンド画面、前記警報履歴データを時系列表示する警報履歴画面、前記操作・動作履歴データを時系列表示する操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌データを時系列表示するオペレータ日誌画面の表示を表示装置に対して行うとともに、入力装置に入力されたオペレータからの入力を処理する表示・入力処理部と、
前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースと、前記表示・入力処理部との間の情報のやりとりを制御するプレイバック処理部と、
前記入力装置に入力されるオペレータからの表示モード切替指示に基づいて、表示モードを、リアルタイムのデータの表示を行なう通常モードと、過去のデータの再生を行なうプレイバックモードのいずれか一方に設定するモード切替部と
を備え、
前記プレイバック処理部は、
前記通常モード時は、前記機器からのリアルタイムのプロセスデータを前記表示・入力処理部に送信し、
前記プレイバックモード時は、前記入力装置に入力されるオペレータから指定される再生時刻に基づいて、前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースから、前記再生時刻に対応する、前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データをそれぞれ取り出し、取り出した各データを前記表示・入力処理部に送信し、
前記表示・入力処理部は、
前記通常モード時は、前記プレイバック処理部から受け取ったリアルタイムのプロセスデータを、前記プロセスフロー画面に表示し、
前記プレイバックモード時は、前記プロセスフロー画面上に、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面の各画面を表示し、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データを、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面のそれぞれにおいて表示するとともに、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータに基づくプロセスデータの表示を前記プロセスフロー画面にて行なう
ことを特徴とするプロセス監視システム。
【請求項2】
前記プレイバック処理部は、
前記プレイバックモード時に表示され、前記入力装置を介して、オペレータからの再生開始時刻と再生終了時刻の設定入力を受け付けるとともに、再生/停止/早送り/巻き戻しなどの再生操作の入力を受け付けるプレイバック操作画面の表示を前記表示装置に対して行なうプレイバック操作画面表示部
をさらに備え、
前記プレイバック処理部は、前記プレイバック操作画面で受け付けた前記再生開始時刻および前記再生終了時刻に基づいて、前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データを、それぞれ、前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースから取り出し、取り出した各データを前記表示・入力処理部に送信し、
前記表示・入力処理部は、前記プレイバック処理部から受け取った前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データを、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面のそれぞれにおいて表示するとともに、前記プレイバック処理部から受け取った前記トレンドデータに基づくプロセスデータの表示を前記プロセスフロー画面にて行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のプロセス監視システム。
【請求項3】
前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面は、前記プレイバックモード時に、前記入力装置を介して、オペレータからの再生時刻の設定入力を受け付けが可能であって、
前記プレイバック処理部は、前記プレイバック操作画面、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面のいずれか1つで設定された再生時刻に基づいて、当該再生時刻に対応するデータを、前記トレンドデータベース、前記警報履歴データベース、前記操作・動作履歴データベース、および、前記オペレータ日誌データベースからそれぞれ取り出し、取り出した各データを前記表示・入力処理部に送信し、
前記表示・入力処理部は、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータ、前記警報履歴データ、前記操作・動作履歴データ、および、前記オペレータ日誌データを、前記トレンド画面、前記警報履歴画面、前記操作・動作履歴画面、及び、前記オペレータ日誌画面のそれぞれにおいて表示するとともに、前記プレイバック処理部から受け取った前記再生時刻に対応する前記トレンドデータに基づくプロセスデータの表示を前記プロセスフロー画面にて行なう
ことを特徴とする請求項2に記載のプロセス監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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