説明

プローブユニット及び配線確認システム

【課題】回路基板の複数の端子の導通試験を容易に行えるプローブユニットを提供する。
【解決手段】複数の端子に対応して複数の孔が設けられたユニット板72と、ユニット板72に設けられた複数の孔73にスライド可能に取り付けられた複数のプローブ71とを備え、各プローブは、孔73をスライドする導電性の胴部74と、胴部74の一端を端子92に接触させる接触機構60を備え、接触機構60は、胴部74の一端に取り付けられ端子に吸着する導電性磁石75を有する。また、胴部74の周囲に設けられ胴部74の一端を端子92に押し付けるばね76とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プローブユニット及び配線確認システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプローブユニットには、以下のようなものがあった。
試験点の数だけプローブを用意し、これらプローブを各試験点の座標に応じた位置において保持板に挿通保持させる。保持板をボード側に移動させ、各試験点に各プローブを一斉に接触させる。
全試験点のID番号と基準データとがメモリに入力されている状態で、まずプローブを対応する試験点にそれぞれ接触させる。スイッチ選択部を制御して順に1個のスイッチのみをオンにして、その時の検出電圧をAD変換器でデジタル値に変換する。検出された電圧と、対応基準データとを比較し、その判定結果を表示部及びブザーで報知させる(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−230081号公報(「0033」「0034」図7)
【特許文献2】特開2004−93333号公報
【特許文献3】特開2001−343398号公報
【特許文献4】特開平6−347476号公報
【特許文献5】実用新案登録第2534159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の配線確認システムは、複数の配線を効率よく検査するものがなかった。
【0005】
この発明は、複数の配線を効率よく検査するプローブユニット及び配線確認システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のプローブユニットは、
回路基板の複数の端子の導通試験を行うプローブユニットにおいて、
複数の端子に対応して複数の孔が設けられたユニット板と、
ユニット板に設けられた複数の孔にスライド可能に取り付けられた複数のプローブと
を備え、
上記複数のプローブの各プローブは、
孔をスライドする導電性の胴部と、
胴部の一端を端子に電気的に接触させる接触機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記接触機構は、胴部の一端に取り付けられ端子に吸着する導電性磁石を有することを特徴とする。
【0008】
上記接触機構は、胴部の周囲に設けられ胴部の一端を端子に押し付けるばねを有することを特徴とする。
【0009】
この発明の配線確認システムは、
端子間の配線確認試験を行う配線確認システムであり、
1本の送電側プローブと、
複数の受電側プローブを備えた受電側プローブユニットと、
送電側プローブと受電側プローブユニットの複数の受電側プローブとを接続する配線確認装置とを備え、
上記配線確認装置は、
送電側プローブに通電して、導通テストをする通電部と、
通電部が導通テストをしている間に、受電側プローブユニットの複数の受電側プローブに対して、受電側プローブ1本づつ順に、導通チェックをして、いずれの受電側プローブに導通があるかを判定する導通サーチ部と、
導通サーチ部が導通ありと判定した受電側プローブの番号を出力する表示器とを備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明の配線確認システムは、
複数の端子と複数の端子との間の配線確認試験を行う配線確認システムであり、
複数の送電側プローブを備えた送電側プローブユニットと、
複数の受電側プローブを備えた受電側プローブユニットと、
送電側プローブユニットの複数の送電側プローブと受電側プローブユニットの複数の受電側プローブとを接続する配線確認装置とを備え、
上記配線確認装置は、
送電側プローブユニットの複数の送電側プローブに対して、送電側プローブ1本づつ順に通電して、導通テストをする導通テスト部と、
導通テスト部が導通テストをしている間に、受電側プローブユニットの複数の受電側プローブに対して、受電側プローブ1本づつ順に、導通チェックをして、いずれの受電側プローブに導通があるかを判定する導通サーチ部と、
導通テスト部が導通テストをした送電側プローブの番号と、導通サーチ部が導通ありと判定した受電側プローブの番号とを出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
配線確認システムは、さらに、配線確認装置と接続される情報処理装置を備え、
上記情報処理装置は、
複数の端子と複数の端子との間の結線関係を、端子番号による端子対情報として記憶する記憶部と、
上記出力部が出力する導通テスト部が導通テストをした送電側プローブの番号と、導通サーチ部が導通ありと判定した受電側プローブの番号とをプローブ対情報として入力する取り込み部と、
取り込み部が入力したプローブ対情報を、記憶部に記憶した端子対情報と比較して、配線に異常があるか否かを判定して出力する異常出力部と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明のプローブユニットは、プローブユニットの複数のプローブが、回路複数の端子に自律的に接触するので、人間がプローブを端子に接触させる必要がなくなり作業効率が向上する。
この発明の配線確認システムは、導通サーチ部が複数の受電側プローブの中から導通のある受電側プローブを自動的に検出するので、人間がいずれの受電側プローブを導通があるかを判断する必要がなくなり作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】配線確認システム100の構成図である。
【図2】プローブユニット70の部分構成図である。
【図3】プローブユニット70の部分斜視図である。
【図4】プローブユニット70の接触機構60と取付機構80の他の実施例を示す図である。
【図5】プローブユニット70の接触機構60と取付機構80の他の実施例を示す図である。
【図6】プローブユニット70の接触機構60と取付機構80の他の実施例を示す図である。
【図7】プローブ71の実施例を示す図である。
【図8】配線確認装置30と情報処理装置40の構成図である。
【図9】マニアル検査モードの動作フロー図である。
【図10】自動検査モードの動作フロー図である。
【図11】情報処理装置40の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、配線確認システム100の構成図である。
【0015】
配線確認システム100は、プローブ針90と送電側プローブユニット10と受電側プローブユニット20と配線確認装置30と情報処理装置40とを備えている。
配線確認システム100は、回路基板91の端子92と端子93の間の結線が正しいか否かを検査するシステムである。
プローブ針90と送電側プローブユニット10とは、いずれかが使用される。
【0016】
プローブ針90は、マニアル検査モードで、試験をする場合に使用される。作業者は、プローブ針90を用いて手動で、プローブ針90を端子92の一つ一つに接触させて導通試験を行う。
【0017】
送電側プローブユニット10は、自動検査モードで、試験をする場合に使用される。
送電側プローブユニット10は、図1においては、6本の送電側プローブ11を有している。これら複数の送電側プローブ11は、端子92の配列に対応して、配列されている。したがって、送電側プローブ11の本数と位置とは、回路基板91の端子92の個数と位置とに対応する。送電側プローブ11には、1番から6番までのプローブの番号が付されている。
受電側プローブユニット20も送電側プローブユニット10と同じ構成である。
【0018】
配線確認装置30には、マニアル検査モードか自動検査モードかを選択するスイッチと、プローブの番号を表示する表示器がある。
配線確認装置30には、コネクタ56,57,58などの着脱可能なコネクタがあり、プローブ針90、送電側プローブユニット10の送電側プローブ11、受電側プローブユニット20の受電側プローブ21が、治具ケーブル79を介して着脱可能に接続される。配線確認装置30は、情報処理装置40とも信号ケーブルにより着脱可能に接続される。
【0019】
情報処理装置40は、たとえばパーソナルコンピュータであり、キーボード50や表示画面51を備えている。
【0020】
以下、送電側プローブユニット10と受電側プローブユニット20をまとめて、プローブユニット70として、説明する。
図2は、プローブユニット70の部分構成図である。
図3は、プローブユニット70の部分斜視図である。
【0021】
この実施の形態のプローブユニット70は、回路基板91の複数の端子92と複数の端子93との導通試験を行うプローブユニット70である。
プローブユニット70は、複数の端子92に対応して複数の孔73が設けられたユニット板72を備えている。
ユニット板72は、絶縁体である。ユニット板72の複数の孔73の配置と個数は、回路基板91の端子92の配置と個数と同じである。
【0022】
プローブユニット70は、ユニット板72に設けられた複数の孔73にスライド可能に取り付けられた複数のプローブ71を備えている。
各プローブ71は、孔73をスライドする導電性の胴部74と、胴部74の両端にスライドエンド82と胴端部83とを備え、孔73から抜け落ちないようになっている。
図において、各プローブ71の長さ・サイズ・形・間隔は同一であるが、端子92の位置・高さ・大きさによって異なっていてもよい。
全てのプローブ71は、胴部74の胴端部83側の一端を端子92に接触させる接触機構60と、プローブユニット70を回路基板91に取り付ける取付機構80とを備えている。
【0023】
上記接触機構60と取付機構80とは、胴部74の胴端部83の一端に取り付けられた磁石であって、端子92に吸着する導電性磁石75を有している。図1から図3で、導電性磁石は接触機構60と取付機構80との両方の構成に兼用されている。複数の導電性磁石75は、磁力が等しい永久磁石である。導電性の接着剤や導電ペースト(たとえば、ナミックス株式会社製「EジスPEN」(イージスペンは、登録商標))を用いて、胴端部83と導電性磁石75とを接着する。
治具ケーブル79はスライドエンド82に、はんだ付けされている。こうして、導電性磁石75と胴部74と治具ケーブル79とは電気的に接続された状態になる。
【0024】
ユニット板72と胴端部83の間の胴部74の周囲に、ばね76がある。ばね76は、接触機構60の一部であり、ユニット板72と胴端部83とを離隔させる圧縮コイルばねである。無負荷時のばね76の長さは、スライドエンド82と胴端部83の間の胴部74の長さ以上である。より正確には、無負荷時のばね76の長さは、ユニット板72の下面から胴端部83までの最大距離以上であればよい。その結果、ばね76は、スライドエンド82がユニット板72に接触するまでユニット板72と胴端部83とを遠くに引き離す。換言すれば、スライドエンド82がユニット板72に接触していない場合には、ばね76にはユニット板72と胴端部83とを遠くに引き離す反発力が増す。こうして、導電性磁石75は、ばね76により端子92に対して押し付けられる。
【0025】
6個の導電性磁石75の6個の端子92への合計吸着力(合計磁力)は、プローブユニット70と治具ケーブル79との全体の重さよりも大きい。したがって、プローブユニット70が逆さに端子92に取り付けられても、プローブユニット70が端子92から落下することはない。即ち、プローブユニット70は、6個の導電性磁石75により自律的に取り付けられる。プローブ71の個数が少ない場合でも、導電性磁石75の磁力を増せば、少ない数のプローブ71で自律的にプローブユニット70を回路基板91に取り付けることができる。つまり、1個の導電性磁石75でプローブユニット70が落下しなければよく、1個の導電性磁石75の磁力は、プローブユニット70の重量よりも大きいことが望ましい。
ここで、「自律的」とは、一旦、接触状態になると外力なしに接触状態を保ち続けるとともに、その接触状態は外力が加わるまで保たれることをいう。
ユニット板72は、操作者が手ではがそうとして(道具なしに)外力を加えることにより、回路基板91から容易にはがす事ができる。したがって、ユニット板72は、回路基板91に対して着脱自在に(着脱可能に)取り付けられる。
【0026】
重さと磁力の関係は以下の通りである。
【0027】
操作者の腕力
>導電性磁石75と端子92の合計吸着力
>プローブユニット70(と治具ケーブル79)の重さ
【0028】
1個の導電性磁石75と1個の端子92の吸着力
>1個のプローブ71(と1本の治具ケーブル79)の重さ
【0029】
図1から図3において、ユニット板72を回路基板91に固定する機構は存在しない。作業者がプローブユニット70を手に持ってプローブユニット70を回路基板91に近づけると、図2に示すように、すべての端子92の頭部にすべての導電性磁石75が吸着することにより、プローブユニット70が自動的に、かつ、自律的に取り付けられる。したがって、作業者は、プローブユニット70をその場で保持し続けることはない。
図2に示すように、端子92の高さに差があっても、胴部74が孔73をスライドするので、各端子92の高さに合わせて、導電性磁石75が端子92に接触できる。その接触を確実なものとするために、ばね76が導電性磁石75を端子92に押し付ける。
図2と図3に示すように、回路基板91の端子92の上にユニット板72が取り付けられた場合は、ユニット板72は自重により、ばね76の反発力と拮抗する位置まで下方にさがる。
逆に、回路基板91を上にしてユニット板72を下にして、端子92の下にユニット板72が逆さに取り付けられた場合は、ユニット板72は自重により、スライドエンド82までさがる。この場合でも、磁力によりプローブユニット70が落下することはないし、導電性磁石75が端子92に吸いつき、かつ、ばね76が導電性磁石75を端子92に押し付ける。
図2と図3においては、接触機構60と取付機構80とは、各プローブ71の導電性磁石75によって構成されている。
【0030】
ばね76の機能は、端子92と導電性磁石75との接触を確実にすることにあるが、以下の場合に特に有効である。
1.プローブユニット70が逆さに取り付けられた場合でも、端子92と導電性磁石75との接触を確実にする。
2.複数の端子92のうち、いくつかの端子が磁力で吸着できないあるいは磁力で吸着しにくい材料でできている場合でも、全ての端子92と導電性磁石75との接触を確実にする。
【0031】
以上のことから、複数のばね76の反発力関係は、以下の通りであることが望ましい。
1.均等
複数のばね76の力に差異があると、ユニット板72が傾き、正確な接触が得られにくいので、複数のばね76の力を均等(あるいは、ほぼ均等)にする。
【0032】
2.複数のばね76の合計力<ユニット板72の重量
各ばね76の力が強すぎると、プローブ71がユニット板72をスライドしない。プローブ71がユニット板72をスライドしないと、全ての端子92と導電性磁石75との接触を確実にすることができない。したがって、複数のばね76の合計力を、ユニット板72(と治具ケーブル79)の重量よりも小さくする。
【0033】
3.複数のばね76の合計力+ユニット板72の重量<1対の端子92と導電性磁石75との吸着力
1対の端子92と導電性磁石75との吸着力が複数のばね76の合計力とユニット板72の重量との和よりも大きければ、プローブユニット70が逆さに取り付けられてもその1対の端子92と導電性磁石75とは吸着するので、全ての端子92と導電性磁石75との接触を確実にすることができる。したがって、複数のばね76の合計力とユニット板72の重量との和を、1対の端子92と導電性磁石75との吸着力、即ち、1個の導電性磁石75の磁力よりも小さくする。
【0034】
4.1個のばね76の力>1個のプローブ71の重量
逆さの場合でも接触を確実にするために、1個のばね76の力を、1個のプローブ71(と1本の治具ケーブル79)の重量よりも大きくする。
【0035】
図4は、接触機構60と取付機構80の他の実施例を示す図である。
図4においては、接触機構60は、胴部の周囲に設けられ胴部の一端を端子に押し付けるばね76を有する。
図4で、取付機構80は、プローブユニット70の両サイドのプローブ71の導電性磁石75を有している。2個の導電性磁石75の磁力で、自律的にプローブユニット70を回路基板91に取り付けることができる。内側の3個のプローブ71には、導電性磁石75がなく、接触機構60となるばね76により胴部74の胴端部83を端子92に押し付けて接触させる。
図4において、両サイドのプローブ71はプローブとして用いてもよいし、取付機構80としてのみ用いてもよい。
なお、図4において、取付機構80となる導電性磁石75は、プローブ71に固定されてユニット板72に対してスライド可能に取り付けられているが、導電性磁石75はプローブ71ではなくユニット板72に固定されていてもかまわない。
【0036】
図5は、接触機構60と取付機構80の他の実施例を示す図である。
図5において、取付機構80は、プローブユニット70の両サイドにねじ77を有している。回路基板91には、ねじ77を受容するねじ穴があるものとする。その他の構成は、図4と同じである。
【0037】
図6は、接触機構60と取付機構80の他の実施例を示す図である。
図6において、取付機構80は、プローブユニット70の両サイドにクリップ78を有している。クリップ78は、板ばねや弾性体によりできており、クリップ78が回路基板91の両サイドを挟むことにより、プローブユニット70が回路基板91に取り付けられる。あるいは、回路基板91に基板面から突出した端子台がある場合に、クリップ78によって端子台の両側面を挟むことができる。クリップ78は、2サイドだけでなく、4サイドにあってもよい。その他の構成は、図4と同じである。
なお、図4から図6において、中央の3個のプローブが導電性磁石75を備えていてもよい。
また、図示しないが、取付機構80としてクリップ78の代わりに、吸着盤を備え、吸着盤で回路基板91に吸着するようにしてもよい。
【0038】
図7は、プローブ71のいくつかの実施例を示す図である。
(a)は、図1から図3に示したプローブ71の断面図である。プローブ71は回転体であり円柱状の胴部74の両端に円盤状のスライドエンド82と円柱状の胴端部83がある。スライドエンド82と胴端部83の直径は胴部74の直径よりも大きく、かつ、孔73の内径よりも大きい。胴部74の直径は孔73の内径よりも小さい。導電性磁石75は、円柱状・円盤状をしており、胴部74の端部の凹部に接合されている。
(b)と(c)に示すように、導電性磁石75は、環状・ドーナツ状をしており、導電性磁石75に胴部74の端部を貫通させていてもよい。導電性磁石75の端部内側にテーパー部または凹部を設け、導電性磁石75の下端面と胴部74の下端面とが同じ面になるようにしている。
(d)に示すように、導電性磁石75を胴部74に単に接着してもよい。
(e)に示すように、導電性磁石75の下端面を凹面にしてもよい。あるいは、(e)において導電性磁石75は、ドーナツ状や環状でもよい。
(f)に示すように、導電性磁石75の端部内側にテーパー部または凹部を設け、導電性磁石75の下端面が、胴部74の下端面より下になるようにしてもよい。
(g)に示すように、胴部74の周囲に絶縁パイプ84を設けてもよい。この場合、ユニット板72は絶縁材でなくてもよい。絶縁パイプ84の下半分に蛇腹構造を持たせて伸縮可能にしてばね76の代わりにしてもよい。
【0039】
図7のいずれの場合も、導電性磁石75が、直接、端子92に接触できる構造になっている。導電性磁石75が胴部74に磁力を与え胴部74のみが端子92に接触する場合に比べて、導電性磁石75が直に端子92に吸着するので、確実な接触が期待できる。
また、(a)の場合は、端子92がねじの半球状の丸頭である場合に、点接触することになるが、(e)(f)の場合は、丸頭の端子92に対して、円接触できるので、より確実な接触が得られる。
なお、プローブ71の導電性磁石75の先端構造は、針状でも、柱状でも、半球状でもよい。
【0040】
プローブ71をボルトとナットにより、以下のように構成してもよい。
プローブ71の胴部74=ボルトの軸部、
プローブ71の胴端部83=ボルトの頭部、
プローブ71のスライドエンド82=ボルトの軸部の端部に固定されたナット。
導電性磁石75は、ボルトの頭部に接着すればよい。あるいは、ボルトの頭部にマグネットを有するボルト(たとえば、株式会社ミスミ製のマグネット付きボルト)を用いればよい。
【0041】
この実施の形態のプローブユニット70は、以下の4点の理由により、絶縁隔壁により端子を囲み、導電性のねじを用いて電線を端子に圧着して止める端子台(たとえば、IDEC株式会社製「BN1U形/ねじアップ形ターミナルブロック(端子台)」などのターミナルブロック)に対して、特に有効である。
【0042】
第1点目
通常、端子台は1台に、絶縁隔壁(絶縁壁)を間にして複数の端子92を配列しており、この実施の形態のプローブユニット70は、複数のプローブ71の間に絶縁隔壁が入り込めるため、絶縁隔壁があっても支障なく、各プローブ71を各端子92に接触させることができる。つまり、プローブ71の長さが、絶縁隔壁の高さより、長ければ、各プローブ71を各端子92に接触させることができる。
すなわち、
プローブ71の長さ>絶縁隔壁の高さ
である。ここで、
プローブ71の長さとは、ユニット板72の下面から導電性磁石75の下部までの最大距離である。
絶縁隔壁の高さとは、端子台の上面から端子の頂部までの最大距離である。
【0043】
第2点目
端子台は、ねじを用いて電線を圧着してねじ止めするので、ねじ頭の高さが、電線の太さや電線の噛み具合やねじの締め付け程度によって変化しやすいが、この実施の形態のプローブユニット70は、プローブ71がユニット板72をスライドして、端子台の端子の頂部の高さの差異が吸収できる。また、この実施の形態のプローブユニット70は、特開2002−329533号公報の図3に示されたような段差がある階段式の端子台においても端子台の端子の頂部の高さの差異が吸収できる。
【0044】
第3点目
端子台のねじは、ねじ頭が半球状の丸ねじであることが多く、平面基板の平面端子に導電性磁石75が吸着するよりも、半球状のねじ頭に導電性磁石75がより吸着しやすい。仮に、半球状のねじ頭に導電性磁石75が斜めに吸着しても絶縁隔壁があるために、導電性磁石75が隣の導電性磁石75や隣の端子に接触する(ショートする)ことはない。
逆にいえば、絶縁隔壁があるので、プローブ71はユニット板72の板面に対して常に90度(垂直)方向に正確にスライドする必要はない。したがって、ユニット板72の厚さを薄くしたり、ユニット板72の孔73の加工精度をラフにすることができる。絶縁隔壁がない場合は、プローブ71の間隔、即ち、導電性磁石75の間隔を正確に端子間隔と一致させる必要があり、プローブ71はユニット板72の板面に対して常に90度(垂直)方向に正確にスライドする必要があるとともに、少なくとも、いかなる場合でも隣り合う導電性磁石75が接触しないようにプローブユニット70を製造しなければならない。
【0045】
第4点目
端子台は、規格品であったり、メーカーの寸法・仕様が既知であるため、汎用性があり、端子台の規格・仕様に合わせた汎用性のプローブユニット70を事前に準備することができる。
たとえば、プローブ71の本数は、端子台の端子数と一致させればよい。
また、端子台自体が、絶縁筺体を有しているので、端子台の絶縁筺体に合わせて、ユニット板72が自律的に取り付けられればよい。具体的には、図4から図6に示した取付機構80は、端子台の絶縁筺体に対する取付機構80であればよい。
【0046】
以下に、接触機構60と取付機構80について、まとめて説明する。
接触機構60:プローブ71を端子に接触させる機構のこと。
図1から図3:導電性磁石75、及び/又は、ばね76
図4から図6:ばね76
取付機構80:プローブユニット70を回路基板や端子台に取り付ける機構のこと。
図1から図3:導電性磁石75(接触機構60と兼用)
図4:導電性磁石75(接触機構60と兼用)
図5:ねじ77
図6:クリップ78
以上で、プローブユニット70の説明を終了する。
【0047】
以下、この実施の形態の配線確認システム100の配線確認装置30と情報処理装置40と配線確認方法とを説明する。
図8は、配線確認装置30と情報処理装置40の構成図である。
【0048】
「マニアル検査モード」
この実施の形態の配線確認システム100は、
端子間の配線確認試験を行う配線確認システムであり、マニアル検査モードのために、
1本の送電側プローブ(プローブ針90)と、
複数の受電側プローブ21を備えた受電側プローブユニット20と、
送電側プローブ(プローブ針90)と受電側プローブユニット20の複数の受電側プローブ21とを治具ケーブル79を介して接続する配線確認装置30とを備えている。
プローブ針90は、プローブユニット70と同一構成をしていても構わない。
【0049】
上記配線確認装置30は、
送電側プローブ(プローブ針90)に通電して、導通テストをする通電部34と、
通電部34が導通テストをしている間(通電中)に、受電側プローブユニット20の複数の受電側プローブ21に対して、受電側プローブ1本づつ順に、導通チェックをして、いずれの受電側プローブ21に導通があるかを判定する導通サーチ部32と、
導通サーチ部32が導通ありと判定した受電側プローブ21の番号を出力する表示器39とを備えたことを特徴とする。
【0050】
「自動検査モードの構成」
また、この実施の形態の配線確認システム100は、
複数の端子92と複数の端子93との間の配線確認試験を行う配線確認システム100であり、自動検査モードのために、複数の送電側プローブ11を備えた送電側プローブユニット10を備えている。
送電側プローブユニット10の複数の送電側プローブ11は、治具ケーブル79を介して配線確認装置30に接続されている。
上記配線確認装置30は、
送電側プローブユニット10の複数の送電側プローブ11に対して、送電側プローブ1本づつ順に通電して、導通テストをする導通テスト部31と、
導通テスト部31が導通テストをしている間(通電中)に、受電側プローブユニット20の複数の受電側プローブ21に対して、受電側プローブ1本づつ順に、導通チェックをして、いずれの受電側プローブ21に導通があるかを判定する導通サーチ部32と、
導通テスト部31が導通テストをした送電側プローブの番号と、導通サーチ部32が導通ありと判定した受電側プローブの番号とを出力する出力部33とを備えている。
【0051】
上記配線確認装置30は、さらに、入力部69を備え、入力部69から入力した情報やチェック結果や判定結果を記憶するメモリ37を備えている。
上記配線確認装置30の各部は、制御部36により制御される。制御部36は、マイクロプロセッサなどの中央処理装置(CPU)やファームウエアやプログラムを備え、配線確認装置30の各部を制御する。
また、配線確認装置30は、マニアル検査モードと自動検査モードとを切り替えるモード切り替えスイッチ35を有している。
【0052】
「情報処理装置40の説明」
配線確認システム100は、さらに、配線確認装置30と接続される情報処理装置40を備えている。
上記情報処理装置40は、記憶部43を備えている。記憶部43は、配線データファイル44を記憶する。配線データファイル44には、端子対テーブル45とプローブ対テーブル46とがある。
端子対テーブル45は、複数の端子と複数の端子との間の正常な結線関係を、端子番号による端子対情報として記憶したものである。
情報処理装置40は、正常な端子対情報をキーボード50から入出力部49を介して入力する。
正常な端子対情報は、端子対テーブル45に記憶される。端子対テーブル45は複数記憶することができる。
【0053】
上記情報処理装置40は、さらに、
上記出力部33が出力する導通テスト部31が導通テストをした送電側プローブの番号と、導通サーチ部32が導通ありと判定した受電側プローブの番号とをプローブ対情報として入力する取り込み部41と、
取り込み部41が入力したプローブ対情報をプローブ対テーブル46に記憶し、プローブ対情報を記憶部43の端子対テーブル45に記憶した端子対情報と比較して、配線に異常があるか否かを判定して表示画面51に出力する異常出力部48と
を備えている。
【0054】
上記情報処理装置40は、一つの端子対テーブル45を選択して、配線確認装置30に出力する書き込み部42を備えている。出力された端子対テーブル45は、配線確認装置30において、端子対テーブル38としてメモリ37に記憶される。
【0055】
上記情報処理装置40の各部は、CPU47により制御される。CPU47は、マイクロプロセッサやファームウエアやプログラムを備え、情報処理装置40の各部を制御する。
【0056】
「機能の説明」
配線確認システムは、接続先検索機能(機能1)と配線確認検査機能(機能2)を備えている。
【0057】
(機能1:マニアル検査モード)
配線の接続先検索機能は、配線確認装置30に情報処理装置40を未接続の状態にて、任意の接続元端子92から接続先端子93の検索を行い配線確認装置30の表示器39に接続端子番号を表示する。
【0058】
(機能2:自動検査モード)
配線確認検査機能は、配線確認装置30と情報処理装置40とを接続することにより、正常な配線データと比較することにより良否判定を行い、不具合箇所を発見すると不具合内容(ショート、オープン)を情報処理装置40の表示画面51に表示し、記憶部43の結果ファイルに良否結果を保存する。
【0059】
「動作の説明」
図9は、マニアル検査モードの動作フロー図である。
1.作業者の準備作業
配線確認装置30のPOWERスイッチのOFFを確認する。
モード切り替えスイッチ35で「マニアル」(接続先検索機能)を選択する。
情報処理装置40を除き、配線確認装置30にプローブ針90、受電側プローブユニット20を治具ケーブル79を介して接続する。
受電側プローブユニット20を回路基板91に取り付け、複数の受電側プローブ21を複数の端子93に接触させる。
【0060】
2.マニアル検査モードの動作
作業者が配線確認装置30のPOWERスイッチをONする。
この時点で、図9のフローがスタートする。
【0061】
S1:通電ステップ
作業者が接続元の任意の1個の端子92にプローブ針90を接触させる。そして、通電部34がプローブ針90に通電する。
【0062】
S2:導通検査ステップ
導通サーチ部32が受電側プローブユニット20の受電側プローブ21の導通状態を順に1端子づつ検査する。導通サーチ部32は全端子について導通検査をして導通のあった端子番号を制御部36に出力する。
【0063】
S3:表示ステップ
制御部36は、導通検査をして導通のあった端子番号をすべて表示器39に表示すると共にブザーを鳴らす。ブザー音は、接続先端子93が一箇所の場合は、“ピッ“と1回鳴る。接続先端子93が複数箇所の場合は、“ピッピッピッ“と3回鳴る。
作業者は、表示器39の表示とブザー音で配線の正誤を確認する。
なお、S2において、制御部36が導通のあった端子番号をメモリ37に記憶し、S3において、作業者が後からメモリ37に記憶した端子番号を表示器39に表示してもよい。
【0064】
図10は、自動検査モードの動作フロー図である。
1.作業者の準備作業
情報処理装置40の記憶部43の配線データファイル44の端子対テーブル45に、検査対象となる回路基板91の正常な配線関係を示す端子対情報を記憶しておく。たとえば、図11の端子対テーブル45がその一例である。端子対テーブル45の端子対情報は、作業者がキーボード50から入力することができる。
配線確認装置30のPOWERスイッチのOFFを確認する。
モード切り替えスイッチ35の「自動」(配線確認機能)を選択する。
配線確認装置30に、送電側プローブユニット10、受電側プローブユニット20を治具ケーブル79を介して接続する。
配線確認装置30に、情報処理装置40を接続する。
送電側プローブユニット10を回路基板91に取り付け、送電側プローブ11を端子92に接触させる。
受電側プローブユニット20を回路基板91に取り付け、受電側プローブ21を端子93に接触させる。
【0065】
2.自動検査モードの動作
作業者が、配線確認装置30のPOWERスイッチをONする。
作業者が、情報処理装置40のプログラムを起動する。
この時点で、図10のフローがスタートする。
【0066】
S41:選択ステップ
作業者が、記憶部43の複数の端子対テーブル45から一つの端子対テーブル45を選択する。
【0067】
S42:起動ステップ
CPU47は、配線確認装置30の自動検査モードを起動する。選択された端子対テーブル45は、CPU47により書き込み部42から出力される。
【0068】
S30:起動ステップ
配線確認装置30は、自動検査モードを起動し、情報処理装置40から端子対テーブル45を入力部69を介して入力する。制御部36は端子対テーブル45をメモリ37に端子対テーブル38として記憶する。
【0069】
S31:導通テストステップ
導通テスト部31は、送電側プローブユニット10の複数の送電側プローブ11に対して、送電側プローブ1本づつ順に通電して、導通テストをする。
【0070】
S32:導通サーチステップ
導通サーチ部32は、導通テスト部31が導通テストをしている間(通電中)に、受電側プローブユニット20の複数の受電側プローブ21に対して、受電側プローブ1本づつ順に、導通チェックをして、いずれの受電側プローブ21に導通があるかを判定する。
【0071】
S33:出力ステップ
出力部33は、メモリ37の端子対テーブル38と比較して、導通テスト部31が導通テストをした送電側プローブの番号と、導通サーチ部32が導通ありと判定した受電側プローブの番号とが、端子対テーブル38の配線情報と異なる場合に、導通テスト部31が導通テストをした送電側プローブの番号と、導通サーチ部32が導通ありと判定した受電側プローブの番号とをプローブ対情報として出力する。
【0072】
S34:ループステップ
上記S31からS33を、全送電側プローブ11に順に通電して繰り返す。
なお、S33の個々の導通検査結果の出力をやめ、S34の後に、まとめて出力してもよい。また、メモリ37の端子対テーブル38と比較することをせず、全導通検査結果を情報処理装置40に出力してもよい。
【0073】
S43:取り込みステップ
取り込み部41は、上記出力部33が出力する導通検査結果、即ち、導通テスト部31が導通テストをした送電側プローブの番号と、導通サーチ部32が導通ありと判定した受電側プローブの番号とをプローブ対情報として入力する。
【0074】
S44:比較ステップ
CPU47は、取り込み部41が入力したプローブ対情報をプローブ対テーブル46に記憶し、プローブ対情報を記憶部43の端子対テーブル45に記憶した端子対情報と比較して、配線に異常があるか否かを判定する。
【0075】
S45:出力ステップ
異常出力部48は、表示画面51に判定結果を出力する。
【0076】
図11は、CPU47の比較判定動作の一例を示す図である。
図11において、端子対テーブル45は正常な配線を示す。プローブ対テーブル46は配線確認装置30からの全導通検査結果である。
端子対テーブル45において端子番号1と端子番号1とは結線されており、プローブ対テーブル46でも結線されているので正常な結線である。
端子対テーブル45において端子番号2と端子番号2とは結線されており、プローブ対テーブル46では結線されていないので、オープン状態であり異常出力される。
端子対テーブル45において端子番号3と端子番号4とは結線されており、プローブ対テーブル46ではプローブ番号3とプローブ番号3とが結線されているので、ショート状態であり異常出力される。
端子対テーブル45において端子番号4と端子番号3とは結線されており、プローブ対テーブル46ではプローブ番号4とプローブ番号4とが結線されているので、ショート状態であり異常出力される。
【0077】
実施の形態2.
実施の形態1と異なる点について以下に説明する。
実施の形態1では、端子対テーブル45をキーボード50から入力して作成したが、実施の形態2では、通電部34と情報処理装置40を用いて端子対テーブル45を自動作成する。
先ず、良品の回路基板91を準備する。良品の回路基板91は配線が正常であるものとする。
配線確認装置30は、良品の回路基板91に対して、上記図10のS31からS34を繰り返し、得られた全端子の配線情報を正常な端子対情報として出力部33から情報処理装置40に出力する。
情報処理装置40は、正常な端子対情報を取り込み部41から取り込み、CPU47は、その正常な端子対情報のファイル名を付して端子対テーブル45として登録する。以後、その端子対テーブル45は、正常な端子対情報を記憶した端子対テーブル45として用いることができる。
【0078】
実施の形態3.
実施の形態1と2と異なる点について以下に説明する。
【0079】
プローブユニット70の複数のプローブ71の配列は、以下のように任意である。
(M,Nは任意の2以上の整数)
1行×N列
M行×1列
M行×N列
複数のプローブ71は、配列されていなくてもよい。複数のプローブ71は、端子92及び端子93の配置に合わせて、環状、角状、台形状、放射線状、曲線状、ランダムに配置されていてもよい。
【0080】
送電側プローブユニット10の送電側プローブ11の数と受電側プローブユニット20の受電側プローブ21の数は異なっていてもよく、以下に述べるように、複数回の試験をすれば全端子の試験ができる。
【0081】
「送電側プローブユニット10の送電側プローブ11の数<受電側プローブユニット20の受電側プローブ21の数の場合」
1から20番の端子92と1から20番の端子93を検査するに当たり、送電側プローブユニット10の送電側プローブ11の数=10本、受電側プローブユニット20の受電側プローブ21の数=20本の場合は、以下のように2回の試験をすればよい。
【0082】
1回目の試験
1から10番の端子92と10本の送電側プローブ11を接続する。
1から20番の端子93と20本の受電側プローブ21を接続する。
この結果、1から10番の端子92と1から20番の端子93の結線関係が判明する。
【0083】
2回目の試験
11から20番の端子92と10本の送電側プローブ11を接続する。
1から20番の端子93と20本の受電側プローブ21を接続する。
この結果、11から20番の端子92と1から20番の端子93の結線関係が判明する。
1回目と2回目の試験により、1から20番の端子92と1から20番の端子93の結線関係がすべて判明する。
【0084】
「送電側プローブユニット10の送電側プローブ11の数>受電側プローブユニット20の受電側プローブ21の数の場合」
1から20番の端子92と1から20番の端子93を検査するに当たり、送電側プローブユニット10の送電側プローブ11の数=20本、受電側プローブユニット20の受電側プローブ21の数=10本の場合は、以下のように2回の試験をすればよい。
【0085】
1回目の試験
1から20番の端子92と20本の送電側プローブ11を接続する。
1から10番の端子93と10本の受電側プローブ21を接続する。
この結果、1から20番の端子92と1から10番の端子93の結線関係が判明する。
【0086】
2回目の試験
1から20番の端子92と20本の送電側プローブ11を接続する。
11から20番の端子93と10本の受電側プローブ21を接続する。
この結果、1から20番の端子92と11から20番の端子93の結線関係が判明する。
1回目と2回目の試験により、1から20番の端子92と1から20番の端子93の結線関係がすべて判明する。
【0087】
プローブ71の数は、端子92あるいは端子93の数より多くてもよく、プローブ71が余っていてもかまわない。逆に、プローブ71の数は、端子92の数より少なくてもよく、上記の通り、複数回の試験をすればよい。
【0088】
実施の形態4.
実施の形態1から3と異なる点について以下に説明する。
【0089】
回路基板91の代わりに、配線ケーブルを検査する場合や集積回路のピンを検査する場合でも構わない。配線ケーブルを検査する場合には、配線ケーブルの両端にあるコネクタと接続可能なコネクタを送電側プローブユニット10と受電側プローブユニット20の代わりの用いればよい。あるいは、配線確認装置30のコネクタ56と57とに、配線ケーブルの両端にあるコネクタを直接接続すればよい。
端子92と端子93とは、基板のパッドでもよいし、配線ランドでもよいし、電線を止めるねじでも構わない。また、集積回路のソケットピンでも構わない。また、コネクタ・ターミナル・ジャック・プラグ・スイッチなどと呼ばれるものでも構わない。
【0090】
ばね76は、ユニット板72とスライドエンド82とを連結した引張りコイルばねでもよい。また、ばね76は、端子92と導電性磁石75との接触を助けるもの、即ち、導電性磁石75を端子92に押すものであれば、コイルばねでなくてもよく、板ばねなどの他のばね構造のものでもよい。
また、ばね76は、鋼ばね・非鉄金属ばねなどの金属ばねに限らず、非金属ばねでもよい。たとえば、圧縮空気や弾性体(ゴム・スポンジ・合成樹脂)を用いた加圧構造のものでも構わない。蛇腹状・襞状の伸縮構造のものでも構わない。
【0091】
胴部74をなくして、胴部74に代わりに導電性のばね76を用いてもよい。この場合は、治具ケーブル79と導電性磁石75とがばね76の両端に、はんだ付けされ、導電性磁石75とばね76と治具ケーブル79とは電気的に接続された状態になる。また、ばね76を磁石にすれば、導電性磁石75を省略することも可能である。
【0092】
また、プローブ71の胴部74を磁石にし導電性磁石75を省略してもよい。
【0093】
端子番号やプローブ番号は数字でなくてもよく、A,B,C,・・・などの記号でもよいし、その他の一意に定まる記号や識別子でもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 送電側プローブユニット、11 送電側プローブ、20 受電側プローブユニット、21 受電側プローブ、30 配線確認装置、31 導通テスト部、32 導通サーチ部、33 出力部、34 通電部、35 モード切り替えスイッチ、36 制御部、37 メモリ、38,45 端子対テーブル、39 表示器、40 情報処理装置、41 取り込み部、42 書き込み部、43 記憶部、44 配線データファイル、46 プローブ対テーブル、47 CPU、48 異常出力部、49 入出力部、50 キーボード、51 表示画面、60 接触機構、69 入力部、70 プローブユニット、71 プローブ、72 ユニット板、73 孔、74 胴部、75 導電性磁石、76 ばね、77 ねじ、78 クリップ、79 治具ケーブル、80 取付機構、82 スライドエンド、83 胴端部、84 絶縁パイプ、90 プローブ針、91 回路基板、92,93 端子、100 配線確認システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子の導通試験を行うプローブユニットにおいて、
複数の孔が設けられたユニット板と、
ユニット板に設けられた複数の孔にスライド可能に取り付けられた複数のプローブと
を備え、
上記複数のプローブの各プローブは、
孔をスライドする導電性の胴部と、
胴部の一端を端子に電気的に接触させる接触機構とを備えたことを特徴とするプローブユニット。
【請求項2】
上記接触機構は、胴部の一端に取り付けられ端子に吸着する導電性磁石を有することを特徴とする請求項1記載のプローブユニット。
【請求項3】
上記接触機構は、胴部の周囲に設けられ胴部の一端を端子に押し付けるばねを有することを特徴とする請求項1又は2記載のプローブユニット。
【請求項4】
端子間の配線確認試験を行う配線確認システムにおいて、
1本の送電側プローブと、
複数の受電側プローブを備えた受電側プローブユニットと、
送電側プローブと受電側プローブユニットの複数の受電側プローブとを接続する配線確認装置とを備え、
上記配線確認装置は、
送電側プローブに通電して、導通テストをする通電部と、
通電部が導通テストをしている間に、受電側プローブユニットの複数の受電側プローブに対して、受電側プローブ1本づつ順に、導通チェックをして、いずれの受電側プローブに導通があるかを判定する導通サーチ部と、
導通サーチ部が導通ありと判定した受電側プローブの番号を出力する表示器とを備えたことを特徴とする配線確認システム。
【請求項5】
複数の端子と複数の端子との間の配線確認試験を行う配線確認システムにおいて、
複数の送電側プローブを備えた送電側プローブユニットと、
複数の受電側プローブを備えた受電側プローブユニットと、
送電側プローブユニットの複数の送電側プローブと受電側プローブユニットの複数の受電側プローブとを接続する配線確認装置とを備え、
上記配線確認装置は、
送電側プローブユニットの複数の送電側プローブに対して、送電側プローブ1本づつ順に通電して、導通テストをする導通テスト部と、
導通テスト部が導通テストをしている間に、受電側プローブユニットの複数の受電側プローブに対して、受電側プローブ1本づつ順に、導通チェックをして、いずれの受電側プローブに導通があるかを判定する導通サーチ部と、
導通サーチ部の判定結果を出力する出力部とを備えたことを特徴とする配線確認システム。
【請求項6】
配線確認システムは、さらに、配線確認装置と接続される情報処理装置を備え、
上記情報処理装置は、
複数の端子と複数の端子との間の結線関係を、端子番号による端子対情報として記憶する記憶部と、
上記出力部が出力する判定結果をプローブ対情報として入力する取り込み部と、
取り込み部が入力したプローブ対情報を、記憶部に記憶した端子対情報と比較して、配線に異常があるか否かを判定して出力する異常出力部と
を備えたことを特徴とする請求項5記載の配線確認システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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