説明

プーリおよびその製造方法

【課題】耐スリップ性および耐久性に優れたプーリおよびその製造方法を提供することである。
【解決手段】プーリシャフト部1と、このプーリシャフト部1の外周面上に配置され合成樹脂からなるプーリ本体部5とを備えたプーリ10であって、プーリ本体部5の外周面に凹凸目6が一体に成形されるようにした。外周面に所望の凹凸目が成形されたマスター型を凹状の型内にセットし、該型内に合成樹脂を充填して硬化させた後、前記型からマスター型を抜き出して、内周面に前記凹凸目が転写された筒状のメス型を作製する工程と、該メス型内にプーリシャフト部をセットした後、該メス型内に合成樹脂を充填して硬化させ、外周面に前記凹凸目が転写されたプーリ本体部を成形する工程と、成形されたプーリ本体部とメス型との間にエアーを吹き込んで、メス型からプーリを抜き出す工程とを含むようにしたプーリの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリ本体部の外周面に凹凸目が成形されたプーリおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に示すように、カーブコンベヤ100では、一対のプーリ101,105にカーブベルト110を掛け回し、該カーブベルト110を扇形に張設している。カーブベルト110が巻き掛けられるプーリ101,105のプーリ本体部102,106は、それぞれテーパ状に成形されている。
【0003】
プーリ101,105のうち、プーリ101は駆動力をカーブベルト110に伝達する駆動プーリであり、プーリ105は従動プーリである。すなわち、プーリ101,105は回転自在にコンベヤ本体に取り付けられ、プーリ101のプーリシャフト部103が、ベルト伝達装置111を介して原動機112に連結され、回転力が与えられている。
【0004】
ここで、駆動プーリであるプーリ101は、駆動力をカーブベルト110に伝達する上で、一般に耐スリップ性を以下のようにして向上させている。すなわち、プーリ101のプーリ本体部102を構成する材料としては、例えば金属、合成樹脂等が挙げられるが、金属は摩擦係数が低くスリップし易いので、合成樹脂を用いる。そして、合成樹脂からなるプーリ本体部102の外周面に凹凸目(目付け)を成形している。
【0005】
合成樹脂からなるプーリ本体部102の外周面に凹凸目を成形する方法として、例えば下記(i)〜(iii)に示すような方法がある。
(i)内周面に凹凸目が成形された金型を用い、該金型内に合成樹脂を充填して硬化させる。
(ii)切削やローレット加工等の2次加工をプーリ本体部102の外周面に施す。
(iii)プーリ本体部102の外周面に凹凸目が成形されたシート(凹凸目シート)を貼着する。
【0006】
しかしながら、前記(i)の方法には、金型を作製するのに時間とコストがかかるという問題がある。近時、プーリ本体部102の外周面がコンベヤの用途により多様化されているため、用途に応じて新たに金型を作製しなければならず、前記問題が顕著になっている。また、金型は、通常、一対の割型からなる。割型内に充填された合成樹脂は、割型の接合面に浸入し、その状態で硬化されるため、成形されるプーリ本体部102にいわゆるバリ等が発生してプーリの機能が低下するという問題もある。
【0007】
前記(ii)の方法には、金属よりも硬度の低い合成樹脂からなるプーリ本体部102に切削やローレット加工等の2次加工を施し、所望の凹凸目を成形するのは困難であるという問題がある。また、このような方法では、時間とコストもかかる。
【0008】
前記(iii)の方法には、簡単に凹凸目を成形できるものの、駆動プーリであるプーリ101には強い応力がかかるため、カーブベルト110の走行中に前記凹凸目シートがプーリ本体部102から剥離するという問題がある。
【0009】
一方、特許文献1には、所定のゴム粉砕物を混入した合成樹脂をローラー部に被覆したプーリが記載されている。
しかしながら、特許文献1では、予め芯棒を組み込んだ金型に前記ゴム粉砕物を含む混合物を注入して前記プーリを得ているので、前記(i)の方法と同じ問題がある。
【特許文献1】特開平11−270659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、耐スリップ性および耐久性に優れたプーリおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)プーリシャフト部と、このプーリシャフト部の外周面上に配置され合成樹脂からなるプーリ本体部とを備えたプーリであって、前記プーリ本体部の外周面に凹凸目が一体に成形されていることを特徴とするプーリ。
(2)前記プーリ本体部がテーパ状に成形されている前記(1)記載のプーリ。
(3)前記凹凸目は、凸部頂部の面積が0.5〜1.5mm2、隣接する凸部間のピッチが1.5〜2.5mm、隣接する凹凸部間の高低差が0.3〜0.8mmの網目状である前記(1)または(2)記載のプーリ。
(4)プーリシャフト部と、このプーリシャフト部の外周面上に配置され合成樹脂からなるプーリ本体部とを備え、前記プーリ本体部の外周面に凹凸目が一体に成形されているプーリの製造方法であって、外周面に所望の凹凸目が成形されたマスター型を作製する工程と、該マスター型を凹状の型内にセットし、該型内に合成樹脂を充填して硬化させた後、前記型からマスター型を抜き出して、内周面に前記凹凸目が転写された筒状のメス型を作製する工程と、該メス型内にプーリシャフト部をセットした後、該メス型内に合成樹脂を充填して硬化させ、外周面に前記凹凸目が転写されたプーリ本体部を成形する工程と、成形されたプーリ本体部とメス型との間にエアーを吹き込んで、メス型からプーリを抜き出す工程とを含むことを特徴とするプーリの製造方法。
(5)前記マスター型がテーパ状に成形されている前記(4)記載のプーリの製造方法。
(6)前記メス型の硬度が、マスター型およびプーリ本体部の硬度よりも低い前記(4)または(5)記載のプーリの製造方法。
【発明の効果】
【0012】
前記(1)によれば、合成樹脂からなるプーリ本体部の外周面に凹凸目が成形されているので、耐スリップ性に優れるという効果がある。しかも、前記凹凸目はプーリ本体部の外周面と一体に成形されているので、プーリ本体部の外周面に貼着された凹凸目シートが剥離するという問題がなく、耐久性に優れるという効果もある。特に、前記(1)のプーリを駆動プーリに適用すると、その有用性がより向上する。
【0013】
前記(2)によれば、プーリ本体部がテーパ状(円錐台形状)に成形されているので、カーブコンベヤ等に好適である。
凹凸目が前記(3)のように、凸部頂部の面積が0.5〜1.5mm2、隣接する凸部間のピッチが1.5〜2.5mm、隣接する凹凸部間の高低差が0.3〜0.8mmの網目状であると、プーリの耐スリップ性を優れたものにすることができる。
【0014】
前記(4)によれば、合成樹脂からなるプーリ本体部の外周面に凹凸目が一体に成形されたプーリを簡単に効率よく製造してコストを削減できるという効果がある。
【0015】
すなわち、前記(4)によれば、まず、マスター型を用いて内周面に該マスター型の凹凸目が転写された筒状のメス型を作製する。このメス型は合成樹脂からなるので、金型よりも作製が簡単であり、該メス型を用いてプーリ本体部を成形するので、コストを削減することができる。しかも、該メス型は筒状なので、割型内に充填された合成樹脂が割型の接合面に浸入して成形されるプーリ本体部にバリ等が発生するという問題もない。すなわち、合成樹脂からなるメス型は、金型よりも硬度が低いので、筒状に成形してもマスター型およびプーリを簡単に抜き出すことができる。さらに、メス型を作製する際に用いるマスター型を繰り返し使用することによって、メス型を簡単に再現することができる。
【0016】
このようなメス型内にプーリシャフト部をセットした後、該メス型内に合成樹脂を充填して硬化させると、外周面に前記凹凸目が転写されたプーリ本体部を成形することができる。ついで、該プーリ本体部とメス型との間にエアーを吹き込むことによって、簡単にメス型からプーリを抜き出すことができ、これにより本発明にかかる前記プーリを得ることができる。
【0017】
前記(5)のように、マスター型がテーパ状に成形されていると、メス型からマスター型を抜き出すときに、該マスター型を簡単に抜き出すことができる。
前記(6)のように、メス型の硬度が、マスター型およびプーリ本体部の硬度よりも低いと、メス型からマスター型およびプーリを簡単に抜き出すことができるので、生産性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のプーリにかかる一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかるプーリを示す平面図である。図2は、本実施形態にかかる凹凸目を示す拡大概略断面説明図である。図1に示すように、本実施形態にかかるプーリ10は、プーリシャフト部1と、このプーリシャフト部1の外周面上に配置されたプーリ本体部5とで構成されている。
【0019】
プーリシャフト部1は円柱状であり、コンベヤ本体等に回転自在に軸支されるものである。プーリシャフト部1を構成する材料としては、例えばステンレス鋼、鉄等の金属が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
プーリ本体部5はテーパ状に成形されており、図8に示したカーブベルト110等が巻き掛けられるものである。プーリ本体部5は合成樹脂からなり、該合成樹脂としてはプーリとして機能するものであればよく、例えばポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル、ポリスルホン、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂;ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマー;シリコン樹脂等が挙げられ、これらは1種または2種以上をブレンドして用いてもよく、特に、熱可塑性ポリウレタン樹脂が好ましい。
【0021】
前記で例示した合成樹脂のうち、プーリ10の耐久性の上で、硬度の高いものを採用するのが好ましい。具体例を挙げると、合成樹脂として熱可塑性ポリウレタン樹脂を採用する場合には、該樹脂の硬度はウレタン硬度96±3程度が好ましい。前記ウレタン硬度は、JIS K 6253のデュロメーターA型(ショアA)にて測定し得られる値である。前記硬度は、例えば樹脂の組成、分子量等を変えることによって任意に調整することができる。
【0022】
プーリ本体部5の外周面には、凹凸目6が一体に成形されている。凹凸目6は、図2に示すように、凸部の頂部7の面積が約0.5〜1.5mm2、隣接する凸部間のピッチPが約1.5〜2.5mm、隣接する凹凸部間の高低差Hが約0.3〜0.8mmの網目状である。このような特定の凹凸目6が合成樹脂からなるプーリ本体部5の外周面に一体に成形されていることによって、プーリ10は優れた耐スリップ性および耐久性を示すことができる。
【0023】
次に、上記したプーリ10の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。図3は、本実施形態にかかるマスター型を示す平面図である。図4は、本実施形態にかかる凹状の型を示す断面図である。図5(a)〜(c)および図6(d)〜(f)は、本実施形態にかかるプーリの製造方法を示す工程図である。
【0024】
まず、図3に示すように、マスター型20を作製する。マスター型20は、円柱状の軸21と、該軸21の外周面上に配置され、テーパ状に成形された型部25とからなる。軸21を構成する材料としては、例えばステンレス鋼、鉄等の金属が挙げられる。型部25を構成する材料としては、例えばステンレス鋼、鉄等の金属の他、プーリ本体部5において例示したものと同じ合成樹脂が挙げられる。
【0025】
型部25の外周面には、凹凸目6に対応した凹凸目26が成形されている。凹凸目26を型部25の外周面に成形する方法としては、型部25が前記金属からなる場合には、例えば切削やローレット加工等の2次加工を型部25の外周面に施す方法等が挙げられ、型部25が前記合成樹脂からなる場合には、例えば型部25の外周面に凹凸目26が成形されたシートを貼着する方法等が挙げられる。
【0026】
このようなマスター型20をセットする凹状の型30は、図4に示すように、筒状の壁部31と、この壁部31の下端に着脱可能に取り付けられた底板部32と、壁部31の上端開口を着脱可能に塞ぐ天板部33とで構成されている。
【0027】
底板部32,天板部33の中央部には、マスター型20の軸21およびプーリ10のプーリシャフト部1を挿通させる挿通孔34,35がそれぞれ設けられている。壁部31,底板部32および天板部33を構成する材料としては、例えばステンレス鋼、鉄等の金属の他、プーリ本体部5において例示したものと同じ合成樹脂が挙げられる。
【0028】
特に、壁部31を構成する材料としては、前記で例示したもののうち、硬度の高いものを採用するのが好ましい。これにより、後述するメス型50,プーリ本体部5を作製する際に合成樹脂45,51が膨張するのを抑制し、該合成樹脂45,51を安定して硬化させることができる。
【0029】
このような凹状の型30内に前記で得たマスター型20を、図5(a)に示すようにセットする。具体的には、まず、基台40上に支持台41を載置し、この支持台41上に天板部33を外した状態の凹状の型30を載置する。ついで、マスター型20の軸21を底板部32の挿通孔34に挿通させると共に、その先端を支持台41に設けられた軸受け部42にて軸支する。
【0030】
マスター型20を凹状の型30内にセットした後、図5(b)に示すように、凹状の型30内に合成樹脂45を充填する。このとき、マスター型20の型部25が合成樹脂45に浸漬されるようにする。そして、マスター型20の軸21を挿通孔35に挿通させながら壁部31の上端開口に天板部33を取り付け、マスター型20の軸21の先端を、支持部材46に設けられた軸受け部47にて軸支する。
【0031】
この状態で、合成樹脂45を硬化させた後、型30からマスター型20を抜き出すことによって、図5(c)に示すように、内周面にマスター型20の凹凸目26が転写された筒状のメス型50を得る。
【0032】
合成樹脂45としては、プーリ本体部5において例示したものと同じ合成樹脂が挙げられ、特に、熱可塑性ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂が好ましい。凹状の型30内に合成樹脂45を充填硬化させる方法としては、合成樹脂45が例えば熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーからなる場合には、該樹脂またはエラストマーを溶融状態で凹状の型30内に注入して充填した後、冷却して硬化させる方法が挙げられる。また、合成樹脂45が例えば熱硬化性樹脂からなる場合には、該樹脂を凹状の型30内に注入して充填した後、加熱して硬化させる方法が挙げられる。合成樹脂45が例えばシリコン樹脂等からなる場合には、該樹脂を凹状の型30内に注入して充填した後、適当な硬化剤を用いて硬化させる方法等が挙げられる。
【0033】
メス型50の硬度(硬化後の合成樹脂45の硬度)は、転写される目付け26の形状を維持できると共に、マスター型20およびプーリ10を抜き出せる程度のものが好ましく、特に、マスター型20およびプーリ本体部5の硬度よりも低いのが好ましい。これにより、メス型50からマスター型20およびプーリ10を簡単に抜き出すことができる。具体例を挙げると、合成樹脂45として熱可塑性ポリウレタン樹脂を採用する場合には、ウレタン硬度は、JIS K 6253のデュロメーターA型(ショアA)にて45±5程度が好ましい。
【0034】
このようにして得られたメス型50内に、図6(d)に示すように、プーリシャフト部1を前記したマスター型20と同様にしてセットする。このとき、同図に示すように、メス型50が凹状の型30内に収容された状態で前記工程、および下記で説明する工程を行うと、効率よくプーリ10を製造することができる。
【0035】
メス型50内に離型剤を塗布しプーリシャフト部1をセットした後、図6(e)に示すように、メス型50内に合成樹脂51を前記した合成樹脂45と同様にして充填し、硬化させる。なお、合成樹脂51は、プーリ本体部5において例示したものと同じ合成樹脂である。また、メス型50内に塗布する離型剤はシリコン系やフッ素系が一般的であるが離型を助長する材料であればこれに限定されるものではない。
【0036】
合成樹脂51を硬化させることによって、外周面に凹凸目26が転写されたプーリ本体部5が成形され、この成形されたプーリ本体部5とメス型50との間にエアーを吹き込んで、図6(f)に示すようにメス型50からプーリ10を抜き出し(矢印Aに示す方向)、本実施形態にかかるプーリ10を得る。
【0037】
プーリ10は、合成樹脂からなるプーリ本体部5の外周面に凹凸目6が一体に成形されているので、耐スリップ性および耐久性に優れており、図8に示したカーブコンベヤ100等の駆動プーリとして好適に使用することができる。
【0038】
以上、本発明にかかる好ましい実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。例えば前記した一実施形態では、プーリ本体部5がテーパ状に成形されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7に示すように、プーリ本体部15が円柱状に成形されていてもよい。その他の構成は、前記した一実施形態にかかるプーリ10と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態にかかるプーリを示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる凹凸目を示す拡大概略断面説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるマスター型を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる凹状の型を示す断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態にかかるプーリの製造方法を示す工程図である。
【図6】(d)〜(f)は、本発明の一実施形態にかかるプーリの製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の他の実施形態にかかるプーリを示す平面図である。
【図8】一般的なカーブコンベヤを示す平面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 プーリシャフト部
5 プーリ本体部
6,26 凹凸目
10 プーリ
20 マスター型
21 軸
25 型部
30 凹状の型
31 壁部
32 底板部
33 天板部
34,35 挿通孔
40 基台
41 支持台
42,47 軸受け部
45,51 合成樹脂
46 支持部材
50 メス型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プーリシャフト部と、このプーリシャフト部の外周面上に配置され合成樹脂からなるプーリ本体部とを備えたプーリであって、前記プーリ本体部の外周面に凹凸目が一体に成形されていることを特徴とするプーリ。
【請求項2】
前記プーリ本体部がテーパ状に成形されている請求項1記載のプーリ。
【請求項3】
前記凹凸目は、凸部頂部の面積が0.5〜1.5mm2、隣接する凸部間のピッチが1.5〜2.5mm、隣接する凹凸部間の高低差が0.3〜0.8mmの網目状である請求項1または2記載のプーリ。
【請求項4】
プーリシャフト部と、このプーリシャフト部の外周面上に配置され合成樹脂からなるプーリ本体部とを備え、前記プーリ本体部の外周面に凹凸目が一体に成形されているプーリの製造方法であって、
外周面に所望の凹凸目が成形されたマスター型を作製する工程と、
該マスター型を凹状の型内にセットし、該型内に合成樹脂を充填して硬化させた後、前記型からマスター型を抜き出して、内周面に前記凹凸目が転写された筒状のメス型を作製する工程と、
該メス型内にプーリシャフト部をセットした後、該メス型内に合成樹脂を充填して硬化させ、外周面に前記凹凸目が転写されたプーリ本体部を成形する工程と、
成形されたプーリ本体部とメス型との間にエアーを吹き込んで、メス型からプーリを抜き出す工程とを含むことを特徴とするプーリの製造方法。
【請求項5】
前記マスター型がテーパ状に成形されている請求項4記載のプーリの製造方法。
【請求項6】
前記メス型の硬度が、マスター型およびプーリ本体部の硬度よりも低い請求項4または5記載のプーリの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−184816(P2009−184816A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29368(P2008−29368)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【出願人】(508042674)株式会社弘進製作所 (1)
【Fターム(参考)】