説明

ヘアシミュレーション装置及びヘアシミュレーションプログラム

【課題】ヘアシミュレーションの使用を効果的に促すことのできるヘアシミュレーション装置を提供する。
【解決手段】ヘアシミュレーションを実行していない状態において、カメラの撮影画像から表示画面を閲覧している閲覧者を検索し(a)、閲覧者が検索されたことを契機に(b)、カメラによる撮影画像における閲覧者の髪色を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を表示画面に表示する(c)。このように、ヘアシミュレーションを実行していない状態において、表示画面を閲覧している閲覧者についての加工画像が表示画面に表示されるため、閲覧者の興味を喚起することができ、その結果、ヘアシミュレーションの使用を促すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪色やヘアスタイルなどをシミュレーションするためのヘアシミュレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばヘアサロンなどにおいて、顧客が新しい髪色やヘアスタイルをシミュレーションするためのヘアシミュレーション装置が知られている(特許文献1,2参照)。この種のヘアシミュレーション装置は、顧客の頭部(例えば肩から上の部分)を撮影し、その撮影画像における髪色やヘアスタイルを加工した加工画像を生成して、表示画面に表示する。したがって、髪色やヘアスタイルを実際に変更する前に、変更後のイメージを顧客自身が確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−502107号公報
【特許文献2】特開2008−3724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ヘアシミュレーション装置は、顧客にとっては利用機会が少ないものであり、ヘアサロンなどに設置されていたとしても気が付かれにくく、仮に気が付かれたとしても興味を持たれにくいため、結果として使用されないことが多い。このため、ヘアシミュレーション装置によるサービス提供者(例えばヘアサロンの店員など)が、顧客に対して使用を促す必要があった。
【0005】
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、ヘアシミュレーションの使用を効果的に促すことのできるヘアシミュレーション装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する請求項1に記載のヘアシミュレーション装置は、表示画面を有する表示手段と、表示画面を閲覧する使用者の頭部を撮影可能な撮影手段と、使用者により行われた操作の情報を入力する入力手段と、入力手段により入力された情報に基づいて、撮影手段による撮影画像における使用者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を表示画面に表示するシミュレーション処理を、入力手段により所定の開始情報が入力されたことを契機に実行する制御手段とを備える。
【0007】
そして、制御手段は、シミュレーション処理を実行していない状態において、撮影手段の撮影画像から表示画面を閲覧している閲覧者を検索する検索処理と、検索処理で閲覧者が検索されたことを契機に、撮影手段による撮影画像における閲覧者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を表示画面に表示する加工画像自動表示処理とを更に実行する。
【0008】
このようなヘアシミュレーション装置によれば、シミュレーション処理を実行していない状態において、表示画面を閲覧している閲覧者についての加工画像が表示画面に表示されるため、閲覧者の興味を喚起することができ、その結果、ヘアシミュレーションの使用を促すことができる。
【0009】
また、請求項2に記載のヘアシミュレーション装置では、検索処理において、撮影手段の撮影画像を表示画面に表示する。このようなヘアシミュレーション装置によれば、表示画面に何も表示しない場合や固定の情報を表示する場合と比較して、表示画面が閲覧されやすくなるという効果が得られる。
【0010】
特に、請求項3に記載のように、検索処理において、撮影手段の撮影画像上に、位置及び内容のうち少なくとも一方が経時的に変化する画像を重畳して、表示画面に表示するようにすれば、単に撮影画像を表示する場合と比較して、表示画面が更に閲覧されやすくなるという効果が得られる。
【0011】
また、請求項4に記載のヘアシミュレーション装置では、加工画像自動表示処理において、加工画像として、撮影手段による撮影画像における閲覧者の髪色を加工した加工画像を生成する。このようなヘアシミュレーション装置によれば、加工画像の生成を比較的簡単な処理で実現することができる。すなわち、所定の開始情報が入力されたことを契機に実行するシミュレーション処理では、使用者により行われた操作の情報に基づいて加工画像を生成するため、加工画像の生成に適した撮影画像が得られるように使用者に指示することが可能である。これに対し、加工画像自動表示処理では、表示画面を無意識に閲覧した閲覧者の撮影画像を元に加工画像を生成する必要があるため、複雑な加工を行おうとすると処理負荷が大きくなり、処理装置に高い性能が要求されることになる。この点、髪色の加工であれば比較的簡単な処理で実現できるため、処理装置のコストを抑えることができる。
【0012】
また、請求項5に記載のヘアシミュレーション装置では、検索処理において、撮影手段の撮影画像から顔認識処理により閲覧者を検索する。このようなヘアシミュレーション装置によれば、周知の顔認識処理を利用することで、閲覧者を容易に検索することができる。
【0013】
また、請求項6に記載のヘアシミュレーション装置では、入力手段は、表示画面上に設けられたタッチパネルである。このようなヘアシミュレーション装置によれば、使用者が直感的に操作しやすくすることができる。
【0014】
また、請求項7に記載のヘアシミュレーション装置では、シミュレーション処理は、使用者自身のヘアスタイルに基づくシミュレーションと、使用者自身のヘアスタイルとは異なるヘアスタイルに基づくシミュレーションとを含む複数のコースの中から、使用者が希望するコースを選択させる処理と、選択されたコースに従い髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工する処理とを含む。このようなヘアシミュレーション装置によれば、各コースを別々の装置で行う場合と比較して、利便性を向上させることができる。
【0015】
また、請求項8に記載のヘアシミュレーション装置では、シミュレーション処理は、髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方の選択候補の中から使用者に合ったものを選択するための判断基準となる情報を使用者に入力させる処理と、入力された情報に従い絞り込んだ選択候補を使用者に提示する処理とを含む。このようなヘアシミュレーション装置によれば、使用者が髪色やヘアスタイルの選択に迷う場合にも、使用者に適した選択を行わせることができる。
【0016】
また、請求項9に記載のヘアシミュレーション装置は、シミュレーション処理の結果に関する情報を使用者の携帯電話機へ送信する通信手段を更に備える。このようなヘアシミュレーション装置によれば、使用者は、シミュレーション結果に関する情報を携帯電話機で確認することができる。
【0017】
次に、請求項10に記載のヘアシミュレーションプログラムは、表示画面を有する表示手段と、表示画面を閲覧する使用者の頭部を撮影可能な撮影手段と、使用者により行われた操作の情報を入力する入力手段とを備えるコンピュータを、入力手段により入力された情報に基づいて、撮影手段による撮影画像における使用者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を表示画面に表示するシミュレーション処理を、入力手段により所定の開始情報が入力されたことを契機に実行するシミュレーション制御手段、シミュレーション処理を実行していない状態において、撮影手段の撮影画像から表示画面を閲覧している閲覧者を検索する検索処理を実行する検索制御手段、及び、検索処理で閲覧者が検索されたことを契機に、撮影手段による撮影画像における閲覧者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を表示画面に表示する加工画像自動表示処理を実行する加工画像自動表示制御手段として機能させる。
【0018】
このようなヘアシミュレーションプログラムによれば、請求項1に記載のヘアシミュレーション装置としてコンピュータを機能させることができ、これにより前述した効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態のヘアシミュレーション装置のブロック図である。
【図2】制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図3】(a)は閲覧者を検索中の表示画面の一例を示す図、(b)は閲覧者が検索された状態での表示画面の一例を示す図、(c)は閲覧者の加工画像が表示された表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態のヘアシミュレーション装置10のブロック図である。このヘアシミュレーション装置10は、タッチパネル付表示装置11、カメラ12、記憶装置13、音声出力装置14、無線通信ポート15、赤外線通信装置16及び制御装置17を備える。なお、これらのハードウェア構成は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ及び周辺機器によって実現することができる。
【0021】
タッチパネル付表示装置11は、表示画面を有する表示装置(例えば液晶ディスプレイ)と、その表示画面上に設けられたタッチパネルとが一体になったものである。つまり、本実施形態のヘアシミュレーション装置10は、使用者により行われた操作(タッチ操作)の情報をタッチパネルで入力する。
【0022】
カメラ12は、撮影画像のデジタルデータを出力するデジタル式の撮影装置(例えばCCDカメラ)であり、表示画面を閲覧する使用者の頭部を含む部分を正面から撮影可能な位置(本実施形態では表示画面の上部位置)に配置されている。
【0023】
記憶装置13は、データの読み出し及び書き込みが可能な不揮発性メモリ(例えばハードディスク装置)であり、ヘアシミュレーションソフトウエア(プログラム)が記憶(インストール)されている。
【0024】
音声出力装置14は、スピーカ、オーディオアンプなどから構成され、ガイド音声等を出力する。
無線通信ポート15は、携帯電話機と無線通信を行うためのポートであり、本実施形態では、FeliCa(登録商標)ポートが用いられる。なお、FeliCa機能を有する汎用(市販)の携帯電話機へFeliCaポートを介してデータを送信する技術は公知である(大日本印刷株式会社製の情報配信端末機「プチポルタ」)。
【0025】
赤外線通信装置16は、携帯電話機と赤外線通信を行うための装置である。なお、赤外線通信機能を有する汎用(市販)の携帯電話機へ赤外線通信でデータを送信する技術も公知である。
【0026】
制御装置17は、CPU、ROM、RAM等を備え、ヘアシミュレーション装置10の各部を統括制御する。
次に、ヘアシミュレーション装置10の管理者によって、前述したヘアシミュレーションソフトウエアの起動操作が行われることにより、制御装置17(具体的にはCPU)が実行する処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。
【0027】
ヘアシミュレーションソフトウエアが起動されると、制御装置17は、まず、タッチパネル付表示装置11の表示画面に設定画面を表示する(S101)。ここでいう設定画面とは、ヘアシミュレーション装置10の管理者が各種初期設定を行うための画像のことであり、管理者は、タッチパネルのタッチ操作により設定を行う。
【0028】
この設定画面での設定が終了すると、制御装置17は、図3(a)に示すように、カメラ12の撮影画像及びキャラクタ画像Cを表示画面に表示しつつ、撮影画像から閲覧者を検索する処理を行う(S102)。この処理について具体的に説明する。
【0029】
カメラ12の撮影画像は、短い周期(例えば1秒間に複数回の周期)で取得されて表示されるため、表示画面には動画として表示される。そして、その撮影画像上に、キャラクタ画像(本実施形態では妖精のアニメーション画像)Cを重畳して表示する。このキャラクタ画像Cは、表示画面において所定のパターンで(本実施形態では撮影画像上を舞うように)移動するとともに、移動方向に応じて画像の内容(本実施形態では右向き、左向き等)が変化するように表示される。この状態で、制御装置17は、カメラ12の撮影画像から表示画面を閲覧している閲覧者を、顔認識処理により検索する。
【0030】
そして、制御装置17は、撮影画像から閲覧者が検索されたか否かを判定し(S103)、閲覧者が検索されない間は顔認識処理を継続する(S103:NO)。なお、撮影画像から顔が認識されない場合に閲覧者が存在しないと判定し、図3(b)に示すように顔が認識された場合に閲覧者が存在する(その顔の人物が閲覧者である)と判定する。
【0031】
撮影画像から閲覧者が検索されると(S103:YES)、制御装置17は、その撮影画像における閲覧者の髪色を、あらかじめ決められた色に加工した加工画像を生成し、図3(c)に示すように、生成した加工画像(静止画)を表示画面に表示する(S104)。具体的には、閲覧者が検索された時点で(図3(b))、変身中である旨の画像を表示画面に表示し(図示省略)、加工画像が生成された時点で(例えば2〜3秒後)、その加工画像を表示画面に表示する(図3(c))。なお、画像内の人物からヘア部分を特定して色を加工する処理自体は周知である。
【0032】
また、制御装置17は、図3(c)に示すように、この加工画像とともに、ヘアシミュレーションを開始するためのスタートボタンBを表示画面に表示することで、閲覧者に対してヘアシミュレーションを促す。
【0033】
続いて、制御装置17は、閲覧者により開始操作(スタートボタンBをタッチする操作)が行われたか否かを判定する(S105)。本実施形態では、加工画像を表示してから一定時間(例えば数秒)が経過しても開始操作が行われない場合に、開始操作が行われなかったと判定して(S105:NO)、S102へ戻る。なお、本実施形態では、閲覧者が検索されてからスタートボタンBを表示画面に表示するようにしているが、閲覧者が検索されない状態においてもスタートボタンBを表示し、撮影画像から閲覧者が検索されなかった場合にも(S103:NO)、S105へ移行するようにしてもよい。
【0034】
一方、制御装置17は、開始操作が行われたと判定した場合には(S105:YES)、使用者(開始操作を行った者)のヘアシミュレーションを開始するため、コース選択画面を表示画面に表示する(S106)。具体的には、本実施形態のヘアシミュレーション装置10は、次の3つのコースでヘアシミュレーションを実行可能となっており、これら3つのコースの中から、使用者が希望するコースを選択させる。
【0035】
(1)使用者自身のヘアスタイルで髪色を選択可能なマイヘアモード。
(2)使用者自身のヘアスタイルとは異なるヘアスタイル及び髪色を選択可能なマイセレクトモード。
【0036】
(3)髪色及びヘアスタイルの選択候補の中から使用者に合ったものを選択するための判断基準となる情報を使用者に入力させ、入力された情報に従い絞り込んだ選択候補を使用者に提示するコンシェルジュモード。
【0037】
そして、制御装置17は、コース選択画面でマイヘアモードが選択された場合には(S107:マイヘア)、S108〜S112の処理を行う。
すなわち、マイヘアモードが選択されると、制御装置17は、まず、撮影画像を表示画面に表示するとともに、その撮影画像上に、画像の加工に適した位置及び向きで使用者を撮影するためのガイド(例えば、適切な頭部位置を示す輪郭線)を表示画面に表示する。そして、使用者による操作に基づくタイミングで(例えば、表示画面に表示した撮影ボタンが押されてから3秒後に)使用者を撮影する(S108)。なお、撮影画像から顔認識処理により顔が認識できない場合(撮影エラーの場合)や、使用者が撮り直しを希望した場合には、再度撮影するようにしてもよい。
【0038】
続いて、制御装置17は、記憶装置13にあらかじめ記憶されている複数の髪色の選択候補を表示画面に表示して、その中の1つを使用者に選択させる。そして、撮影画像における使用者の髪色を、選択された髪色に加工した加工画像を生成し、生成した加工画像(静止画)を表示画面に表示する(S109)。なお、本実施形態では、複数のメニュー設定が可能であり、例えば、マイヘアモードにおける髪色の選択方法として、(A)好きな色を選ぶ、(B)人気色から選ぶ、(C)あなたに似合う色から選ぶ、の3つメニューを用意することができる。そして、使用者が上記(A)を選択した場合、あらかじめ記憶されているすべての髪色を選択候補とする。また、使用者が上記(B)を選択した場合、あらかじめ記憶されているすべての髪色のうち、人気色である複数の髪色を選択候補とする。一方、使用者が上記(C)を選択した場合、使用者の肌の色及び明るさ、並びに瞳の色等を問診する問診画面を表示してこれらの情報を使用者に入力させ、あらかじめ記憶されているすべての髪色のうち、問診結果に基づき絞り込んだ髪色を選択候補とする。
【0039】
続いて、制御装置17は、加工画像を補正するためのエンタメ画面を表示画面に表示する(S110)。このエンタメ画面では、使用者の好みに応じて、加工画像の目を大きく補正したり、肌の色を白く(又は黒く)補正したりすることができる。
【0040】
続いて、制御装置17は、選択された髪色に関連するヘアカラー商品の情報(画像、商品名、商品説明等)を表示画面に表示する(S111)。
続いて、制御装置17は、ヘアシミュレーションの結果に関する情報を使用者の携帯電話機へ送信するための送信画面を表示画面に表示する(S112)。この送信画面では、情報を携帯電話機へ送信するか否か、送信する場合にはその送信方法として、無線通信(本実施形態ではFeliCa)及び赤外線通信のいずれで送信するか、を選択することができる。そして、選択された内容に応じて送信操作を誘導する画面を表示する。なお、ヘアシミュレーションの結果に関する情報としては、生成した加工画像の他、前述したヘアカラー商品の情報などが挙げられる。
【0041】
以上で、マイヘアモードのヘアシミュレーションが終了となるため、終了画面を表示した後、S102へ戻る。
一方、制御装置17は、コース選択画面でマイセレクトモードが選択された場合には(S107:マイセレクト)、S113〜S118の処理を行う。ここで、S114以外の処理は、マイヘアモードの処理(S108〜S112)と同様であるため、重複する内容については説明を簡略化する。
【0042】
すなわち、マイセレクトモードが選択されると、制御装置17は、まず使用者を撮影する(S113)。
続いて、制御装置17は、記憶装置13にあらかじめ記憶されている複数のヘアスタイルの選択候補を表示画面に表示して、その中の1つを使用者に選択させる。そして、撮影画像における使用者のヘアスタイルを、選択されたヘアスタイルに加工した加工画像を生成し、生成した加工画像(静止画)を表示画面に表示する(S114)。
【0043】
続いて、制御装置17は、髪色の選択候補を表示画面に表示して使用者に選択させ、S114で生成した加工画像における使用者の髪色を、選択された髪色に加工した加工画像を生成し、生成した加工画像(静止画)を表示画面に表示する(S115)。
【0044】
続いて、制御装置17は、エンタメ画面を表示して加工画像の補正を促し(S116)、選択された髪色に関連するヘアカラー商品の情報を表示した後(S117)、送信画面を表示して情報の送信を促す(S118)。
【0045】
以上で、マイセレクトモードのヘアシミュレーションが終了となるため、終了画面を表示した後、S102へ戻る。
一方、制御装置17は、コース選択画面でコンシェルジュモードが選択された場合には(S107:コンシェルジュ)、S119〜S125の処理を行う。ここで、S120以外の処理は、マイセレクトモードの処理(S113〜S118)と同様であるため、重複する内容については説明を簡略化する。
【0046】
すなわち、コンシェルジュモードが選択されると、制御装置17は、まず使用者を撮影する(S119)。
続いて、制御装置17は、使用者の顔の形、肌の色及び明るさ、並びに瞳の色等を問診する問診画面を表示して、これらの情報を使用者に入力させる(S120)。
【0047】
続いて、制御装置17は、記憶装置13にあらかじめ記憶されているすべてのヘアスタイルの選択候補のうち、問診結果に基づき絞り込んだ選択候補を表示画面に表示して、その中の1つを使用者に選択させる。そして、撮影画像における使用者のヘアスタイルを、選択されたヘアスタイルに加工した加工画像を生成し、生成した加工画像(静止画)を表示画面に表示する(S121)。なお、記憶装置13に記憶されているヘアスタイル及び髪色は、それに適した顔の形、肌の色及び明るさ、並びに瞳の色等とあらかじめ対応づけられており、この対応関係に従い選択候補が絞り込まれる。
【0048】
続いて、制御装置17は、記憶装置13にあらかじめ記憶されているすべての髪色の選択候補のうち、問診結果に基づき絞り込んだ選択候補を表示画面に表示して、その中の1つを使用者に選択させる。そして、S121で生成した加工画像における使用者の髪色を、選択された髪色に加工した加工画像を生成し、生成した加工画像(静止画)を表示画面に表示する(S122)。
【0049】
続いて、制御装置17は、エンタメ画面を表示して加工画像の補正を促し(S123)、選択された髪色に関連するヘアカラー商品の情報を表示した後(S124)、送信画面を表示して情報の送信を促す(S125)。
【0050】
以上で、コンシェルジュモードのヘアシミュレーションが終了となるため、終了画面を表示した後、S102へ戻る。
なお、以上の処理において、制御装置17は、使用者の操作を、表示画面だけでなく音声によっても促す。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のヘアシミュレーション装置10は、開始操作を契機に(S105:YES)、撮影画像における使用者の髪色やヘアスタイルを使用者の操作に基づき加工して表示画面に表示するヘアシミュレーションを実行する(S106〜S125)。そして、ヘアシミュレーションを実行していない状態において、表示画面を閲覧している閲覧者を撮影画像から検索し(S102)、閲覧者が検索されたことを契機に(S103:YES)、その撮影画像における閲覧者の髪色を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を表示画面に表示する(S104)。
【0052】
このようなヘアシミュレーション装置10によれば、ヘアシミュレーションを実行していない状態において、閲覧者の加工画像が表示画面に表示されるため、閲覧者の興味を喚起することができ、その結果、ヘアシミュレーションの使用を促すことができる。また、閲覧者の検索中は撮影画像を表示画面に表示するため、表示画面に何も表示しない場合や固定の情報を表示する場合と比較して、表示画面が閲覧されやすくなるという効果が得られる。特に、位置及び内容が経時的に変化するキャラクタ画像Cを撮影画像上に重畳して表示するため、単に撮影画像を表示する場合と比較して、表示画面が更に閲覧されやすくなるという効果が得られる。しかも、閲覧者の髪色を加工するため、ヘアスタイルを加工する場合に比べて処理負荷を低減することができる。
【0053】
一方、本実施形態のヘアシミュレーション装置10では、カメラ12の撮影画像から周知の顔認識処理により閲覧者を検索するようにしているため(S102)、閲覧者を容易に検索することができる。
【0054】
また、本実施形態のヘアシミュレーション装置10では、使用者により行われた操作の情報をタッチパネルで入力するため、使用者が直感的に操作しやすくすることができる。
さらに、本実施形態のヘアシミュレーション装置10では、マイヘアモード、マイセレクトモード及びコンシェルジュモードの3つのコースの中から、使用者が希望するコースを選択することができるため(S107)、各コースを別々の装置で行う場合と比較して、利便性を向上させることができる。特に、コンシェルジュモードでは、髪色及びヘアスタイルの選択候補の中から使用者に合ったものを選択するための判断基準となる情報を使用者に入力させ(S120)、入力された情報に従い絞り込んだ選択候補を使用者に提示する(S121,S122)。このため、使用者が髪色やヘアスタイルの選択に迷う場合にも、使用者に適した選択を行わせることができる。
【0055】
また、本実施形態のヘアシミュレーション装置10によれば、ヘアシミュレーションの結果に関する情報を使用者の携帯電話機へ送信することができるため(S112,S118,S125)、使用者は、シミュレーション結果に関する情報を携帯電話機でいつでも確認することができる。
【0056】
なお、タッチパネル付表示装置11が入力手段及び表示手段に相当し、カメラ12が撮影手段に相当し、制御装置17が制御手段に相当する。そして、S102の処理が検索処理(検索制御手段としての処理)に相当し、S104の処理が加工画像自動表示処理(加工画像自動表示制御手段としての処理)に相当し、S106〜S125の処理がシミュレーション処理(シミュレーション制御手段としての処理)に相当する。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(1)上記実施形態では、ヘアシミュレーションを実行していない状態において、キャラクタ画像Cが表示画面において所定のパターンで移動するようにしているが(S102)、撮影画像の内容(例えば人の動きなど)に応じたパターンで変化するようにしてもよい。例えば、カメラ12の前を人が通行した場合に、花びらが舞うような画像を表示してもよい。また、音声によって閲覧を促すようにしてもよい。
【0058】
(2)上記実施形態では、ヘアシミュレーションを実行していない状態において、撮影画像から検索された閲覧者の髪色をあらかじめ決められた色に加工した加工画像(静止画)を生成して表示画面に表示するようにしているが(S104)、これに限定されるものではない。例えば、あらかじめ決められた色に代えて、ランダムな色に加工してもよい。また、静止画に代えて、撮影画像における閲覧者の髪色を即時に加工することで動画として表示するようにしてもよい。
【0059】
(3)上記実施形態では、記憶装置13に記憶されているヘアスタイルや髪色が、それに適した顔の形、肌の色及び明るさ、並びに瞳の色といった情報とあらかじめ対応づけられており、この対応関係に従い、問診結果に応じた選択候補の絞り込みを実現している。しかしながら、こうした対応関係は固定である必要はなく、例えば、季節や時間帯など、変化する情報に応じて対応関係を変更するようにしてもよい。
【0060】
(4)上記実施形態では、生成した加工画像やヘアカラー商品の情報を携帯電話機へ送信できるようにしているが(S112,S118,S125)、加工画像に代えて、髪色やヘアスタイルの情報を送信するようにすれば、送信するデータ量を小さくすることが可能となる。また、ヘアカラー商品の情報として、製造会社や販売業者のウェブページのURLを送信すれば、携帯電話機からヘアカラー商品の詳細を確認したり、購入したりすることができる。また、ヘアカラー商品の使用方法の動画データを送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…ヘアシミュレーション装置、11…タッチパネル付表示装置、12…カメラ、13…記憶装置、14…音声出力装置、15…無線通信ポート、16…赤外線通信装置、17…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示手段と、
前記表示画面を閲覧する使用者の頭部を撮影可能な撮影手段と、
使用者により行われた操作の情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された情報に基づいて、前記撮影手段による撮影画像における使用者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を前記表示画面に表示するシミュレーション処理を、前記入力手段により所定の開始情報が入力されたことを契機に実行する制御手段と、
を備えるヘアシミュレーション装置であって、
前記制御手段は、
前記シミュレーション処理を実行していない状態において、前記撮影手段の撮影画像から前記表示画面を閲覧している閲覧者を検索する検索処理と、
前記検索処理で閲覧者が検索されたことを契機に、前記撮影手段による撮影画像における閲覧者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を前記表示画面に表示する加工画像自動表示処理と、を更に実行すること
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記検索処理において、前記撮影手段の撮影画像を前記表示画面に表示すること
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記検索処理において、前記撮影手段の撮影画像上に、位置及び内容のうち少なくとも一方が経時的に変化する画像を重畳して、前記表示画面に表示すること
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記加工画像自動表示処理において、前記加工画像として、前記撮影手段による撮影画像における閲覧者の髪色を加工した加工画像を生成すること
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記検索処理において、前記撮影手段の撮影画像から顔認識処理により閲覧者を検索すること
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記入力手段は、前記表示画面上に設けられたタッチパネルであること
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記シミュレーション処理は、
使用者自身のヘアスタイルに基づくシミュレーションと、使用者自身のヘアスタイルとは異なるヘアスタイルに基づくシミュレーションとを含む複数のコースの中から、使用者が希望するコースを選択させる処理と、
選択されたコースに従い髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工する処理と、を含むこと
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記シミュレーション処理は、
髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方の選択候補の中から使用者に合ったものを選択するための判断基準となる情報を使用者に入力させる処理と、
入力された情報に従い絞り込んだ選択候補を使用者に提示する処理と、を含むこと
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のヘアシミュレーション装置であって、
前記シミュレーション処理の結果に関する情報を使用者の携帯電話機へ送信する通信手段を更に備えること
を特徴とするヘアシミュレーション装置。
【請求項10】
表示画面を有する表示手段と、
前記表示画面を閲覧する使用者の頭部を撮影可能な撮影手段と、
使用者により行われた操作の情報を入力する入力手段と、
を備えるコンピュータを、
前記入力手段により入力された情報に基づいて、前記撮影手段による撮影画像における使用者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を前記表示画面に表示するシミュレーション処理を、前記入力手段により所定の開始情報が入力されたことを契機に実行するシミュレーション制御手段、
前記シミュレーション処理を実行していない状態において、前記撮影手段の撮影画像から前記表示画面を閲覧している閲覧者を検索する検索処理を実行する検索制御手段、及び、
前記検索処理で閲覧者が検索されたことを契機に、前記撮影手段による撮影画像における閲覧者の髪色及びヘアスタイルのうち少なくとも一方を加工した加工画像を生成し、生成した加工画像を前記表示画面に表示する加工画像自動表示処理を実行する加工画像自動表示制御手段
として機能させることを特徴とするヘアシミュレーションプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate